JP7362356B2 - 記録材判別装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材の坪量を精度良く検知するための技術に関するものである。
従来、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、画像形成装置の内部に記録材の種類を判別するためのセンサを備えているものがある。これらの装置では、自動的に記録材の種類を判別し、判別結果に応じて転写条件(例えば転写電圧や転写時の記録材の搬送速度)や定着条件(例えば定着温度や定着時の記録材の搬送速度)を制御している。
特許文献1には、記録材に超音波を送信して、記録材を介して減衰した超音波を受信することで、記録材の坪量を検知する超音波センサを備えた画像形成装置が記載されている。超音波センサの送信部と受信部は同様の構成をしており、振動部材と圧電素子がそれぞれ設けられている。送信部では、圧電素子に対して駆動信号を送信し、振動部材を振動させることで超音波を送信する。受信部では、超音波を受けた振動部材が振動し、その振動を圧電素子が受信信号へと変換する。
特許文献2には、記録材を搬送させながら超音波センサで記録材の検知を行う構成が記載されている。これにより、同じ記録材に対して複数の個所で超音波による検知を行うことができる。一般に記録材の坪量は均一ではなく、複数の箇所で比較すると坪量に違いがある。そのため、記録材のある一か所において検知した結果に基づいて記録材の坪量を判別するよりも、複数の箇所において検知した結果に基づいて記録材の坪量を判別した方が坪量の判別精度は向上する。
特開2010-18432号公報 特開2013-56771号公報
特許文献1に記載された超音波センサは広く用いられており、圧電素子として圧電セラミックを振動部材に貼り付けた構成が知られている。このような構成をもつ超音波受信部において、実用的な受信感度を得られるのは振動部材と圧電セラミックを含めた系の共振周波数の近傍に限られ、それ以外の周波数ではほとんど受信感度を得られないことが多い。そのため、上記構成の超音波センサは、共振周波数に近い周波数(特許文献1においては40kHz)で使用する必要があった。
しかし、特許文献1に記載された超音波センサは、共振周波数の近傍において高い受信感度を示す一方で、共振による残響が発生し、受信部から出力される信号値が収束するまでに時間がかかっていた。そのため、特許文献2に記載されたように複数回超音波の検知を行う場合、受信信号が収束するまで次の検知動作を実行することができず、結果として同一の記録材に対する超音波の検知回数が制限されてしまうという課題があった。
本発明の目的は、記録材に対する超音波の検知回数を増加させ、記録材の坪量の判別精度を向上させることである。
上記の目的を達成するための本発明の記録材判別装置は、記録材に対して超音波を送信する送信手段と、前記送信手段から送信された後に記録材を通過した前記超音波を受信することで振動し、振動状態に応じた信号を出力する受信手段と、前記受信手段から出力された前記信号に基づいて、記録材の坪量を判別する判別手段と、を有する記録材判別装置において、前記受信手段の共振周波数は、前記送信手段が送信した前記超音波の周波数と異なり、前記受信手段は、超音波領域の音波と可聴領域の音波を受信可能であることを特徴とする。
本発明によれば、記録材に対する超音波の検知回数を増加させ、記録材の坪量の判別精度を向上させることができる。
画像形成装置の構成を示す図 検知ユニットの断面図及び分解斜視図 検知ユニット及び制御部の制御ブロック図 駆動信号及び受信信号の波形を示す図 MEMSマイクの構成を示す図 MEMSマイクの周波数特性を示す図 受信信号の出力値が収束するまでの様子を示す図 記録材の坪量と受信信号のピーク値の関係性を示す図 画像形成条件を設定するまでの動作を示すフローチャート
〔実施例1〕
<画像形成装置の構成>
本実施例が適用可能である電子写真方式の画像形成装置について概略を説明する。図1は、中間転写ベルト17を採用し、記録材Pに画像を形成するための画像形成部50を有する画像形成装置1の概略構成図である。
画像形成装置1は、タンデム式のカラーレーザビームプリンタであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の現像剤であるトナーを重ね合わせることでカラー画像を出力できるように構成されている。2は記録材Pを収納するカセットである。画像形成装置1には、カセット2から記録材Pを供給する供給ローラ4、供給ローラ4によって供給された記録材Pを搬送する搬送ローラ対5、レジストレーションローラ対6(以下、レジローラ対6と表記する)が設けられている。レジローラ対6の近傍には、記録材Pの先端及び後端を検知し、記録材Pの先端の位置を監視するためのレジストレーションセンサ22(以下、レジセンサ22と表記する)が設けられている。
11(11Y、11M、11C、11K)は各色のトナーを担持する感光ドラムである。12(12Y、12M、12C、12K)は感光ドラム11を一様に所定の電位に帯電するための各色の帯電ローラである。13(13Y、13M、13C、13K)は、各色に対応するレーザスキャナである。14(14Y、14M、14C、14K)は、レーザスキャナ13によって感光ドラム11上に形成された静電潜像を可視化するためのプロセスカートリッジである。15(15Y、15M、15C、15K)は、プロセスカートリッジ14内のトナーを感光ドラム11に送り出す現像ローラである。16(16Y、16M、16C、16K)は、感光ドラム11上に形成した画像を中間転写ベルト17に一次転写する一次転写ローラである。
中間転写ベルト17は、18の駆動ローラによって駆動され回転する。19は、中間転写ベルト17上に形成された画像を記録材Pに転写するための二次転写ローラである。駆動ローラ18と二次転写ローラ19はニップ部を形成し、そのニップ部で記録材Pを挟持搬送しながら、中間転写ベルト17に形成された画像が記録材Pに転写される。定着器20は、記録材Pを搬送させながら、記録材Pに二次転写されたトナー画像を溶融定着させる。以上説明した感光ドラム11から定着器20までが、画像形成部50の一例を構成している。21は、定着器20によって定着が行われた記録材Pを画像形成装置1の外部へ排出する排出ローラである。また、記録材Pの搬送路に沿って配置された供給ローラ4、搬送ローラ対5、レジローラ対6、駆動ローラ18、二次転写ローラ19、定着器20、排出ローラ21と、これらを駆動する不図示のモータは、記録材Pを搬送する搬送部の一例を構成している。
検知ユニット30は、記録材Pの特性である坪量を検知するためのユニットである。検知ユニット30は、記録材Pの搬送方向において二次転写ローラ19よりも上流側に配置されており、カセット2から搬送された記録材Pの坪量を検知することが可能である。本実施例において検知ユニット30による検知動作は、上述した搬送部によって記録材Pが搬送されている期間に複数回実行され、記録材Pの搬送方向において複数の箇所が検知ユニット30によって検知される。
制御部10は、CPU70等を備えたMPU(不図示)、画像形成装置1を制御するのに必要なデータの演算や一時的な記憶等に使われるRAM(不図示)、画像形成装置1を制御するプログラムや各種データを格納するROM(不図示)等が搭載されている。また、制御部10は、電子写真プロセスの制御を行い、検知ユニット30によって検知された情報を下に記録材Pの坪量を判別する判別部でもある。制御部10は判別した記録材Pの坪量に応じた印刷モードを決定し、様々な画像形成条件の制御を行う。
ここで、記録材Pの坪量と画像形成条件の関係性について説明する。一般的に記録材Pの坪量によって記録材Pの抵抗値が異なるため、記録材Pの坪量に応じてトナーを転写するために二次転写ローラ19に印加される電圧値などの転写条件を変更する必要がある。また、記録材Pの坪量によって記録材Pの熱容量が異なるため、記録材Pの坪量に応じてトナーを定着するための定着温度や定着時間、搬送速度などの定着条件を変更する必要がある。このように、検知ユニット30によって検知された情報により記録材Pの坪量を判別し、判別した坪量に応じて画像形成条件を設定することで、記録材Pに高品位な画像を形成することができる。
なお、上記の説明において、制御部10は検知ユニット30によって得られた検知結果に基づいて記録材Pの坪量を判別し、判別した記録材Pの坪量に応じた画像形成条件を設定していたが、記録材Pの坪量の判別処理は必須ではない。制御部10は検知ユニット30によって得られた検知結果に基づいて、直接的に画像形成条件を設定してもよい。
<検知ユニットの構成>
図2を用いて、本実施例の検知ユニット30の構成を説明する。図2(a)は検知ユニット30の断面図、図2(b)は分解斜視図である。
送信部31は、送信回路基板32と超音波送信器33からなり、超音波を送信する。本実施例における超音波送信器33は、不図示の振動部材に圧電セラミックを貼り付けた構成である。受信部34は、ハウジング35、カバー36、受信回路基板37、MEMSマイク38、フィルタ39からなり、送信部31から送信された超音波を受信する。ここで、フィルタ39はウレタンフォームや不織布で出来ており、音(空気)は通すことが出来るが紙粉等の塵埃状の物は通さない構成となっており、後述するMEMSマイク38に設けられた音孔が紙粉等で塞がるのを防いでいる。40、41、42、43は搬送ガイドであり、これらは記録材Pの搬送路44を構成しており、記録材Pは図2(a)における矢印Aの方向に搬送される。45は付勢コロであり、記録材Pをカバー36に押し付けて、搬送中に記録材Pがばたつくのを防いでいる。
図3のブロック図を用いて検知ユニット30の動作概要について説明する。上述した通り、制御部10は、検知ユニット30による検知結果を基に、記録材Pの坪量を判別する。そして、記録材Pの坪量に応じた画像形成条件を設定し、記録材Pの搬送に関わる駆動源の制御を含めた画像形成動作に関する制御を行う。
超音波送信器33は、入力する任意の信号に応じて周波数40kHzの音波を発信可能な素子である。MEMSマイク38は超音波送信器33から発信された音波を受信可能な素子であり、受信した音波の音圧に応じた受信信号を出力する。本実施例では、音波の周波数を40kHzとしたものの、記録材Pの坪量を検知できる周波数であればよく、それに限らない。また、超音波送信器33とMEMSマイク38は、記録材Pを介した音波を受信できるように、記録材Pの搬送路を挟むように対向した位置に配設されている。
送信制御部51は、送信回路基板32にあり、制御部10からの駆動信号を増幅して超音波送信器33を駆動する機能を有する。受信制御部52は、受信回路基板37にあり、MEMSマイク38からの信号を、超音波送信器33からの音波の周波数である40kHz付近の特定の周波数帯域のみの信号成分を通過させ、増幅し半波整流する機能を有する。特定の周波数帯域のみの信号成分を通過させる機能を実現する手段としては、例えばオペアンプを用いたアクティブフィルタ回路を用いても良いし、コンデンサやコイルを用いたパッシブフィルタ回路を用いても良い。取得したい周波数以外の他の音を減衰させ、超音波送信器33からの音波の信号成分を所望の精度以上に検知できれば、その手段は問わない。例えば、受信制御部52にその機能を持たせずに、制御部10によるデジタルフィルタを用いても構わない。受信制御部52で生成された受信信号は、制御部10のADポートに入力され、制御部10は変換されたデジタル値に基づいて受信信号の波形を検出し、そのピーク値を受信レベルとして抽出する。
図4のタイムチャートを用いて、受信レベルの抽出方法について説明する。駆動信号は一定周期のパルス波(バースト波)であり、周波数を40kHz、パルス数を2パルスとしている。受信制御部52で生成された受信信号は、MEMSマイク38によって受信された音波の音圧に従い、超音波送信器33の音波の周波数と同じ40kHzの半波毎にピーク値を持つ波形となる。また、受信信号の波形の個数は、駆動信号のパルス数が2パルスであっても、2を超える数となる。これは、主に残響の影響である。制御部10は受信信号の2番目の波形を検出し、そのピーク値を抽出する。このとき、2番目の波形のピーク値の検出は、駆動信号と同期した任意の検知時間の範囲内の受信信号を検知することで行う。ここで、検知時間の長さは、超音波送信器33とMEMSマイク38との距離と超音波の音速との関係から予め計算して設定する。
制御部10は、記録材Pが超音波送信器33とMEMSマイク38の間に搬送されている間、送信制御部51に駆動信号を送信し、記録材Pを搬送させながらピーク値を順次抽出する。ここで、本実施例において、駆動信号のパルス数を2パルスとし、ピーク値を検出する波形を2番目の波形にしたものの、記録材Pや周囲の部材による外乱の影響の少ない1次波の波形を検出すればよく、これに限らない。例えば、1番目の波形でも良く、或いは1番目と2番目の両方を用いても良い。また、波形のピーク値を用いたものの、実効値や平均値など、受信信号のレベルを判断できる出力値であればよく、これに限らない。
<MEMSマイクの構成>
次に、受信部34に搭載されているMEMSマイク38の構成について詳しく説明する。尚、MEMSとは、Micro Electric Mechanical Systemの略で、半導体の微細加工技術によって製作された微少な部品から構成される電気機械システムのことである。
図5はMEMSマイク38の一例を示す断面図である。図5において、60はMEMSチップ、61は基板、62はシールドケース、63は増幅回路である。ここで、シールドケース62には外部から音波を取り入れるための音孔62aが設けられている。MEMSチップ60と増幅回路63はワイヤ64で電気的に接続されている。また、MEMSチップ60はシリコン基板60a上に形成されている振動膜60b、空洞部60c、背面電極60dなどから構成されている。振動膜60bまで超音波が到達するように、背面電極60dには多数の音孔が形成されている。シールドケース62に設けられた音孔62aから音波が入ってくると、振動膜60bが振動し、このときの振動膜60bと背面電極60dの間の容量変化が電気信号に変換される。つまり、背面電極60dは振動膜60bの振動状態に応じて電気信号を出力する。電気信号は背面電極60dからワイヤ64を通して増幅回路63へ送信され、増幅回路63でさらに増幅処理がなされた後、受信制御部52へと送信される。
図6は本実施例におけるMEMSマイク38の周波数特性の一例である。図6の横軸は入力した音波の周波数、縦軸はMEMSマイク38の受信感度を表している。ここで、縦軸の受信感度はデシベル表記であり、0dBV=1V/Paであるとする。なお、後述する可聴領域の音波は、20Hzから20kHzの周波数帯域の音波であり、超音波領域の音波は、20kHz以上の周波数帯域の音波である。本実施例におけるMEMSマイク38の共振周波数は約15kHzであり、それ以外の周波数域でも受信感度があり、使用可能である。例えば、超音波送信器33から送信される超音波の駆動周波数は約40kHzである。本実施例のMEMSマイク38によれば、この周波数域でも-40dBV以上の受信感度を持っている。本実施例の構成において、-45dBV以上の受信感度があれば、十分超音波領域における坪量検知が可能である。また、本実施例におけるMEMSマイク38は、15kHzよりも下側の周波数域、つまり可聴領域の周波数域でも-40dBV以上の受信感度を持っている。すなわち、本実施例におけるMEMSマイク38は、超音波領域の音波と可聴領域の音波を受信可能である。また、MEMSマイク38の駆動周波数における受信感度は、共振周波数における受信感度よりも6dBV以上小さくなっている。この関係性により、MEMSマイク38が駆動周波数(約40kHz)の超音波を受信した時、受信信号の出力値が速く収束する。なお、MEMSマイク38の共振周波数は図5におけるシールドケース62によって囲まれる空間の容積や音孔62aの大きさ、位置等に応じて決まる。上記の条件をまとめると、MEMSマイク38の駆動周波数における受信感度は、図6における斜線領域内におさまっていることが望ましい。
図7は、受信信号の出力が減衰する様子を示すグラフである。図7(a)は、本実施例におけるMEMSマイク38を受信部34に用いた場合の受信信号の波形を示しており、図7(b)は、従来の圧電セラミックを用いたセンサを受信部34に使用した場合の受信信号の波形を示している。それぞれのグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は受信信号の出力値を示している。図7(a)から明らかなように、MEMSマイク38を用いた場合、出力波形はおよそ1.5msecで収束している。これは、図7(b)で示した従来の圧電セラミックを用いたセンサを使用した場合の約1/2の時間である。MEMSマイク38の場合、共振周波数(約15kHz)から外れた周波数帯の音波(約40kHz)を受信しているため、受信信号の出力値は速く収束している。
図8は、電子秤で測定した記録材Pの坪量の実測値と、MEMSマイク38を用いた時の受信信号のピーク値との関係を示したグラフである。記録材Pの坪量が重くなるに従って、ピーク値が低下していることがわかる。これは、記録材Pの坪量が重くなるに従って、記録材Pを透過する超音波の減衰が大きくなるためである。よって、図8に示す近似線Xの式を用いることで、制御部10は受信信号のピーク値から記録材Pの坪量を判別することができる。
<検知ユニット30の動作を示すフローチャート>
図9に、記録材Pの坪量を判別し、画像形成条件を決定するまでのフローチャートを示す。図9のフローチャートに基づく制御は、制御部10が不図示のROM等に記憶されているプログラムに基づき実行する。
印刷指示を受信後、制御部10は記録材Pの搬送及び画像形成動作を開始する(S101)。記録材Pはカセット2から供給ローラ4によって供給され、搬送ローラ対5、続いてレジローラ対6によって搬送される。ここでレジローラ対6は、パルスモータ(不図示)によって回転される。記録材Pの先端がレジローラ対6を通過するタイミングで、レジセンサ22の出力が変化し(S102)、それを起点として制御部10はパルスモータのステップ数をカウントし始める(S103)。レジセンサ22の出力が変化したタイミング(S=0)から100ステップが経過すると(S104)、制御部10は記録材Pの先端が検知ユニット30に到達したと判断する。制御部10は内部に存在するタイマーカウントTのリセットを行い、バースト駆動の駆動信号の出力を行い、検知動作を開始させる(S105)。ここで、検知動作とは、超音波送信器33が記録材Pに向けて超音波を送信し、MEMSマイク38から出力された受信信号のピーク値を制御部10が抽出していく動作である。検知動作を100msの期間行った後(S106)、制御部10は駆動信号を停止し、検知動作によって得られた検知結果から記録材Pの坪量を判別する(S107)。制御部10はさらに、判別した記録材Pの坪量に応じた画像形成条件を設定し、設定した画像形成条件で記録材Pに画像形成を行う(S108)。以上で本フローチャートの制御を終了する。
以上より、本実施例によれば、超音波領域の音波と可聴領域の音波を受信可能であり、共振周波数とは外れた周波数帯にも受信感度があるセンサ、例えばMEMSマイク38を超音波の受信部34に用いることで、従来と比べて、受信信号の出力値が速く収束する。そのため、次の検知動作をより早いタイミングで実行することが可能となり、超音波の照射間隔を短くすることができる。超音波の照射間隔を短くすることができるため、1枚の記録材Pの中での検知回数を増やすことができ、多数の検知データを平均化処理することで、検知データの安定性を向上させることが可能となる。
また、1枚の記録材Pの中のばらつき具合を検知する際にも、空間分解能を上げることができるため、より精度の高い坪量の判別が可能となる。よって、記録材Pの坪量の判別精度を向上させることが可能となり、判別した坪量に応じて画像形成条件を設定することで、記録材Pに高品位な画像を形成することができる。
なお、上記の実施例において、検知ユニット30は画像形成装置1に固定して設けられている構成であったが、検知ユニット30は画像形成装置1に対して着脱可能な構成であってもよい。検知ユニット30を着脱可能な構成にすれば、例えば、検知ユニット30が故障した場合にユーザが容易に交換することができる。または単純に検知ユニット30が画像形成装置1に対して追加で装着可能な構成であってもよい。
また、上記の実施例において、検知ユニット30と制御部10を一体化し、記録材判別装置とした上で、画像形成装置1に対して着脱可能な構成にしてもよい。このように、検知ユニット30と制御部10を一体化して交換可能であれば、検知ユニット30の機能を更新したり追加したりする場合に、新たな機能を有するセンサにユーザが容易に交換することができる。または単純に検知ユニット30と制御部10が一体化され、画像形成装置1に対して追加で装着可能な構成であってもよい。
また、上記の実施例においては、レーザビームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は複写機でもよい。
また、上記の実施例においては、MEMSマイクの例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、MEMSマイクの他にコンデンサマイクでも良い。
10 制御部
30 検知ユニット
31 送信部
34 受信部
38 MEMSマイク

Claims (16)

  1. 記録材に対して超音波を送信する送信手段と、
    前記送信手段から送信された後に記録材を通過した前記超音波を受信することで振動し、振動状態に応じた信号を出力する受信手段と、
    前記受信手段から出力された前記信号に基づいて、記録材の坪量を判別する判別手段と、
    を有する記録材判別装置において、
    前記受信手段の共振周波数は、前記送信手段が送信した前記超音波の周波数と異なり、前記受信手段は、超音波領域の音波と可聴領域の音波を受信可能であることを特徴とする記録材判別装置。
  2. 前記記録材判別装置は、受信制御手段を有し、
    前記受信制御手段は、前記受信手段から出力された前記信号を受信し、前記送信手段が送信した前記超音波の前記周波数と異なる音波に基づく信号成分を減衰し、前記送信手段が送信した前記超音波に基づく信号成分は増幅して前記判別手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記受信手段は、MEMSマイクであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録材判別装置。
  4. 前記送信手段から送信される超音波の周波数における前記受信手段の受信感度は、-45dBV以上であり、かつ、前記受信手段の共振周波数での受信感度よりも6dBV以上小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録材判別装置。
  5. 前記MEMSマイクは、超音波を受信することで振動する振動膜と、前記振動膜と対向する位置に設けられ、前記振動膜の振動状態に応じた信号を出力する電極と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の記録材判別装置。
  6. 前記振動膜が超音波を受信し、前記振動膜が振動したときに、前記振動膜と前記電極の間の容量変化が前記信号に変換されることを特徴とする請求項5に記載の記録材判別装置。
  7. 前記電極には超音波が通過する穴が形成されており、前記振動膜よりも前記送信手段に近い位置に前記電極が設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の記録材判別装置。
  8. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    記録材に対して超音波を送信する送信手段と、
    前記送信手段から送信された後に記録材を通過した前記超音波を受信することで振動し、振動状態に応じた信号を出力する受信手段と、
    前記受信手段から出力された前記信号に基づいて、記録材に対する画像形成条件を制御する制御手段と、を有する画像形成装置において、
    前記受信手段の共振周波数は、前記送信手段が送信した前記超音波の周波数と異なり、前記受信手段は、超音波領域の音波と可聴領域の音波を受信可能であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記画像形成装置は、受信制御手段を有し、
    前記受信制御手段は、前記受信手段から出力された前記信号を受信し、前記送信手段が送信した前記超音波の前記周波数と異なる音波に基づく信号成分を減衰し、前記送信手段が送信した前記超音波に基づく信号成分は増幅して前記制御手段に出力することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記受信手段は、MEMSマイクであることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記送信手段から送信される超音波の周波数における前記受信手段の受信感度は、-45dBV以上であり、かつ、前記受信手段の共振周波数での受信感度よりも6dBV以上小さいことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記MEMSマイクは、超音波を受信することで振動する振動膜と、前記振動膜と対向する位置に設けられ、前記振動膜の振動状態に応じた信号を出力する電極と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  13. 前記振動膜が超音波を受信し、前記振動膜が振動したときに、前記振動膜と前記電極の間の容量変化が前記信号に変換されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記電極には超音波が通過する穴が形成されており、前記振動膜よりも前記送信手段に近い位置に前記電極が設けられていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 記録材を搬送する搬送手段を有し、
    前記送信手段が超音波を送信し、前記受信手段が記録材を介した超音波を受信して信号を出力する検知動作を、前記搬送手段によって搬送されている記録材に対して複数回実行させることを特徴とする請求項8乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 前記画像形成条件とは、記録材の搬送速度、前記画像形成手段に含まれる転写手段が記録材に画像を転写する際に前記転写手段に印加される電圧値、前記画像形成手段に含まれる定着手段が記録材に画像を定着する際の温度の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項8乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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