JP7361965B1 - コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 - Google Patents

コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP7361965B1
JP7361965B1 JP2023047365A JP2023047365A JP7361965B1 JP 7361965 B1 JP7361965 B1 JP 7361965B1 JP 2023047365 A JP2023047365 A JP 2023047365A JP 2023047365 A JP2023047365 A JP 2023047365A JP 7361965 B1 JP7361965 B1 JP 7361965B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
coating agent
activity
ions
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2023047365A
Other languages
English (en)
Inventor
彬 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2023047365A priority Critical patent/JP7361965B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7361965B1 publication Critical patent/JP7361965B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】銀(1)イオンの、生物活性を維持しつつ、銀(1)イオンの光不安定性および多くの陰イオンと不溶性の塩を形成して抗微生物活性を失うという不安定性を解消させることによって、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性を有する外用の2液エマルジョンコーテイング剤、およびそれを用いるコロナウイルス感染症の予防方法を提供する。【解決手段】水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、銀(1)イオンを安定化するジカチオン、銀(1)イオンを減少ないアニオン、および分散剤を含有する水相と、コーテイング成分を含有する油相と、からなる2液エマルジョンコーテイング剤と、該コーテイング剤を用いるコロナウイルス感染症の予防方法。【選択図】 なし

Description

本願発明は、抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーテイング剤に係り、より詳しくは、銀(1)イオンの外用殺菌剤としての優れた活性を維持しつつ、銀(1)イオンの活性の不安定性を解消させて、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンのコーテイング剤、ならびに、該2液エマルジョンコーテイング剤を用いるコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の外用の予防方法に関する。
コロナウイルス感染症の主要な伝染経路の一つとして、不特定多数のヒトが集まる場所において、コロナウイルスに感染した患者が、咳や会話で唾を飛ばしたり、汚染された手で空気、器物、壁、床等の対象物に触れたりすることによって、対象物をコロナウイルスで汚染させ、それによって感染を拡大させていくという感染経路がある。この感染経路は、多数のヒトが集まる場所であればどこでも感染する可能性があり、また感染しないように注意していても感染してしまうことがあり、そのために多数のヒトが集まること自体が制限されるようになって、社会活動を大きく制限している。
ここで、コロナウイルスで汚染された対象は、例えば、エタノール、過塩素酸塩溶液、あるいは中性洗剤等で拭き取ればウイルスは除去できるものの、拭き取る手作業が大変であり、そのうえ、用いる薬剤の抗ウイルス活性の持続時間は極めて短いものであって、到底コロナウイルスで汚染された対象を消毒された状態に保つといえるものではなかった。したがって、コロナウイルスに有効な外用消毒剤を開発し実用化することが求められていた。
さらに、大部分の抗菌性物質はウイルス、カビ、細菌等の成長を阻止する作用のみをもつものであって、放置すると菌が再成長することがあるものが多いのに対して、銀(1)イオンは、接触したウイルス、カビ、および細菌等を死滅させるという殺菌活性を有し、そのうえ、ヒトや家畜、犬、猫など、大型の動物に対しては毒性がないという、外用の殺菌剤としての優れた生物活性を有する。
しかしながら、銀(1)イオンは、不安定で活性が持続しないという弱点を有する。すなわち、銀(1)イオンは光還元されて銀微粒子となり、又は多くの陰イオン、特に環境中に広く存在する塩素イオンと反応して不溶性の銀(1)塩になって抗微生物活性を失う。
このために、銀(1)イオンは、一般的な公共施設の消毒には利用できないと考えられてきた。
特許第5947445号公報 特許第5785666号公報 特許第7073593号公報 特許第4026664号公報 特開平11-302119号公報 特許第5314555号公報
「ゲル濾過法によるフルボ酸の分画とそのキレート能について」、山田秀和、米林甲陽、服部共生、森田修二、昭和47年度日本土壌肥料学会大阪大会要旨集(1975年7月26日受理)。https://core.ac.uk./download/pdf/235429797.pdf(2023年3月12日検索)
以上のことを踏まえて、本願発明は、銀(1)イオンの、外用の殺菌剤としての優れた生物活性を維持しつつ、銀(1)イオンが容易に光還元されて銀の微粒子になるという光不安定性、および多くの陰イオンと反応して不溶性の銀(1)塩に変化して抗微生物活性を失うという不安定性を解消させて、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する外用の2液エマルジョンコーテイング剤を提供することを第1の課題とする。
また、本願発明は、前記2液エマルジョンコーテイング剤を塗布し、外用のコーテイング剤として、銀(1)イオンが均一に分散された塗面を形成させて、コロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の流行を容易に予防する方法を提供することを第2の課題とする。
さらに、本願発明は、外用コーテイング剤として、前記2液エマルジョンコーテイング剤を塗布した場合に塗面が丈夫で美しく、例えば床材として用いたときも滑らない塗面を提供することを第3の課題とする。
かかる課題を解決するための本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤は、水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、塗料、ワックス、油剤などのコーテイング剤成分を含有する油相と、からなり、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有することを特徴とする。
また、前記2液エマルジョンコーテイング剤は、銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し、該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンが、硝酸アニオンおよびアミノ酸を含む有機カルボン酸アニオンから選ばれる1以上であり得る。
ここで、前記2液エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーテイング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀(1)イオンを10-7~10-4質量%含み、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2~10.0質量%含み、直鎖状ポリエチレンイミンを、0.2~2.0質量%を含み、塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量とフルボ酸のカルボキシル基当量との比が1:10~1:100の範囲内であることが好ましい。
さらに、前記2液エマルジョンコーテイング剤は、油相に含まれるコーテイング剤が、シリコーン樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリウレタン樹脂原料、(メタ)アクリル樹脂原料、およびポリエステル樹脂原料からなる群の高分子樹脂原料から選ばれる1以上であり得る。
そのうえで、本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤が、シリコーン樹脂原料であることが好ましい。
そしてまた、本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法は、水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、銀(1)イオンおよび[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、コーテイング剤成分を含有する油相と、からなり、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布することによって塗面を形成させることを特徴とする。
また、本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法は、銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンが、硝酸アニオン又はアミノ酸を含む有機カルボン酸アニオンであって、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布して塗面を形成させることを特徴とする。
さらに、本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法は、2液エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーテイング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀(1)イオンを10-7~10-4質量%含み、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2~10.0質量%含み、直鎖状ポリエチレンイミンを0.2~2.0質量%含み、および塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量とフルボ酸のカルボキシル基当量との比を1:10~1:100の範囲内で含むコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布して塗面を形成させることが好ましい。
そのうえで、本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法は、前記油相に含まれて塗膜を形成するコーテイング成分が、シリコーン樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリウレタン樹脂原料、(メタ)アクリル樹脂原料、およびポリエステル樹脂原料からなる群から選ばれる1以上を含むことを特徴とする。
さらに、本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法は、前記油相に含まれて塗膜を形成するコーテイング成分が、シリコーン樹脂原料であることが好ましい。
本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤は、銀(1)イオンを含み、コロナウイルスを含むウイルス、カビ、細菌等の広範囲の微生物に対して強い抗微生物活性を有する。
ちなみに、大部分の抗微生物活性物質はウイルス、カビ、細菌等の成長を阻止する作用をもつものの、そのまま放置すると細菌等が再成長することがあるが、とりわけ、銀(1)イオンは、接触したウイルス、カビ、および細菌等を死滅させるという殺微生物活性を有し、さらにそのうえ、ヒトや家畜、犬、猫など、大型の動物に対しては毒性がないという、外用の殺菌剤として優れた生物活性を有する。
また、本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤は、水相に銀(1)イオンを安定化させるフルボ酸と、銀(1)イオンが光還元されて銀微粒子となって失活するのを防ぐ[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンと、銀(1)イオンを減少させることがなく且つ毒性のないアニオンと、銀(1)イオンを塗膜中に均一に分散させる直鎖状ポリエチレンイミンと、を含有するので、該コーテイング剤が対象に塗布されて形成された塗膜は、銀(1)イオンの強い活性が長時間にわたって持続し、外用の殺菌剤としての優れた生物活性を長期間発揮することができる。
そればかりでなく、本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤は、油相のコーテイング成分として高分子樹脂塗料原料を含むことができるので、丈夫で美しい塗面を形成することができる。特に本願発明は、塗面用の高分子樹脂塗料原料としてシリコーン樹脂原料を用いる事によって、丈夫で美しく滑りにくい床面を形成することができる。
さらに、本願発明によるコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法は、2液エマルジョンコーテイング剤を対象物に塗布して乾燥するという簡便な方法であり、そのうえ、消毒された効果が長期間持続するので、対象物を容易に、しかも長期間消毒することができるという特徴を有する。
以下に、本願発明について詳細に記載する。この記載は、本願発明を説明するためのものであって、この記載によって本願発明の技術範囲を限定するものではない。本願発明は、本願発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更して実施することが可能である。
本願発明の第1実施形態に係る2液性のエマルジョンのコーテイング剤は、銀(1)イオン(例えば特許文献1、2を参照)、フルボ酸(非特許文献1を参照)、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン(例えば特許文献3を参照)、銀(1)イオンおよび[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、ならびに直鎖状ポリエチレンイミン(例えば特許文献4を参照)を含有する水相と、コーテイング成分を含有する油相と、を含み、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液性エマルジョンのコーテイング剤の提供に関する。
[第1実施形態]
<銀(1)イオン>
本願発明の第1実施形態に係る銀(1)イオンは、コロナウイルスを含むウイルス、カビ、細菌等の広範囲の微生物に対して強い抗微生物活性を有する。そのうえ、大部分の抗性物質はウイルス、カビ、細菌等の成長を阻止する作用のみをもつものであって、放置すると菌が再成長することがあるが、銀(1)イオンは、接触したウイルス、カビ、および細菌等を死滅させるという殺菌活性を有し、そのうえ、ヒトや家畜、犬、猫など、大型の動物に対しては毒性がないという、外用の殺菌剤として優れた生物活性を有する。
そのため、本願発明の第1実施形態に係るコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーテイング剤は、前記2液性エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布して形成した塗面に含まれるコーテイング剤成分の質量を100質量%とした場合に、前記塗面が、銀(1)イオンを10-7~10-4質量%含むことが好ましく、さらに、5×10-7~5×10-5質量%含むことがより好ましい。もし、銀(1)イオンが10-7質量%未満では、塗面の抗菌、抗カビ、抗ウイルス活性が十分でないことがあり、いっぽう10-4質量%を超えて加えても組成物の活性は増強されないことがあり、経済的に好ましくない。
なお、本願発明の銀(1)イオンは、銀(1)の錯イオンも含むものとする。好ましい銀(1)の錯イオンの例としては、例えばトレンス試薬(Ag(NHOH)を挙げることができるが、本願発明の銀(1)の錯イオンは、これに限られるものではない。また、銀のコロイド粒子も抗菌性を有する(例えば特許文献5を参照)。
さらに、銀(1)イオンを還元した金属銀は、貴金属アレルギーのアレルゲンになりにくく、古来より食器として用いられてきた安全な金属である。
<フルボ酸>
また、本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤は、フルボ酸(非特許文献1)を含有する(例えば特許文献1、2を参照)。ところで、化学大辞典(共立出版社、1964年)によれば、本願発明において使用するフルボ酸は、腐植土からの抽出物として得られるフミン物質の1種であって、「土壌又は石炭質から稀アルカリでフミン酸を抽出し無機酸で沈殿させたとき、酸性の上澄み液に黄色ないし橙黄色を与える物質で、水、エタノールに可溶な無定形物質」であって、単一の化学構造式を有するものではなく「原料および採取条件により組成、分子量が広範囲に変化し一定しないものである」とのことである。
ここで、本願発明において使用するフルボ酸の製造方法は、例えば非特許文献1に記載された方法で製造した粗フルボ酸又は精製フルボ酸を使用することができる。
しかしながら、本願発明は、精製フルボ酸を使用することがより好ましく、もし、粗フルボ酸を使用する場合は、使用前にイオン交換樹脂を用いて銀(1)イオンを不活性化するアニオンを除去してから使用する必要がある。
また、非特許文献1に記載された方法で得られる精製フルボ酸は、水溶液なので、フルボ酸の含有量はフルボ酸のカルボキシル基当量から推定することが好ましい。
ここで、フルボ酸のカルボキシル基当量は、単位量のフルボ酸中に存在するカルボキシル基のモル当量数であって、例えば[モル数/単位量]で表わすことができる。また、カルボキシル基当量は、例えば中和滴定法や標準品との比較による分光光度法によって求めることができる。
以下に、特許文献6が開示するフルボ酸の推定構造式(化1)を示す。
Figure 0007361965000001
上記の特許文献6に記載されたフルボ酸の構造式は、推定構造式であるが、他の報告も参照して検討すると、フルボ酸の巨視的な構造は、共通の部分構造として、構造が強固で平面的な縮合ベンゼン環、立体配座の変化の自由度が高い炭素鎖を有する疎水性部分、および多くのカルボキシル基および水酸基を有する親水性部分を有する。このためフルボ酸は、樹脂原料の水性エマルジョンに添加されると、油性の樹脂原料と水との界面に多く分布すると推定される。
また、非特許文献1は、ゲルろ過法による分子量測定法によって、フルボ酸の分子量が700~5000の範囲であると推定している。
そして、フルボ酸は還元性を有する(例えば特許文献1を参照)。またフルボ酸が多くの金属元素イオンに対するキレート能を有することは公知のことである。たとえば、天然界において、フルボ酸はキレート作用によって金属元素イオンを山から河川を経由して海に運搬する役割を果たしていると言われている。また、フルボ酸は銀(1)イオンのアニオンの役も果たしていると推定される。
ここで、本実施例の消毒剤組成物のフルボ酸のカルボキシル基のモル当量と、銀(1)イオンのモル当量と、の比が、1:10~1:100の範囲であることが好ましい。もし、銀(1)イオンのモル濃度とフルボ酸のカルボキシル基当量との比が、1:10未満であるとフルボ酸の量が不足して銀(1)イオンが不安定になり、また、その比が1:100を超えるように多量に加えても、銀(1)イオンの安定性を更に増加させることはできず、経済的に好ましくない。
<銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のないアニオン>
いっぽう、銀(1)イオンは、不安定で活性が持続しないという問題点を有する。すなわち、銀(1)イオンは、環境中に広く存在する塩素イオンと反応して不溶性の銀(1)塩になり、さらに酸化銀(1)になって失活する。このため、本願発明の第1実施形態に係る塗料に含まれるアニオンは、銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種類以上のアニオンであることが好ましい。
なかでも、好ましいアニオンとして、硝酸イオンと、酢酸、プロピオン酸等のアルキルカルボン酸、酪酸、乳酸、およびクエン酸等のオキシカルボン酸、アミノ酸、等を含む有機カルボン酸類を例示することができるが、本願発明で用いることができるアニオンはこれに限られるものではない。これらのアニオンの中で、安定性、扱いやすさ、および価格の観点から硝酸イオンとアミノ酸を含む有機カルボン酸類がより好ましい。
なお、フッ化銀(1)は水溶性であるが、フッ素と銀(1)との結合が強くてイオン化せず、また、チオ硫酸銀も水溶性であるが、錯化合物であって銀(1)イオンを生成せず、いっぽう、シアン化銀も水溶性であるが有毒であり、これらの銀(1)化合物はいずれも本願発明に用いることはができない。
<[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン>
さらにまた、銀(1)イオンは、光還元されて銀微粒子となり抗微生物活性を失うという弱点を有する。
ところが、公知の抗菌性の第4級アンモニウム化合物である[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン(CAS No 31512-74-0、)に銀(1)イオンを安定化させ、銀(1)イオンの優れた抗菌、抗カビ、抗ウイルス作用を持続させるという効果が見出された。(例えば特許文献3を参照)。
しかしながら、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンは、銀(1)イオンと不溶性の塩を形成するジクロライド塩の形態で市販されており、そのうえ、遊離のジカチオンは強アルカリ性で水と分離できない粘調な液体なので、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの形態で秤量して銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のないアニオンに交換してから用いる事が好ましい。
このため、本願発明の第1実施形態に係る抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物は、前記2液性エマルジョンのコーテイング剤を塗布して形成した塗面の質量を100質量%とした場合に、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2~10.0質量%含むことが好ましく、0.5~5.0質量%含むことがより好ましい。もし、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンのジクロライド換算含量が0.2質量%未満の場合は、消毒剤組成物の抗ウイルス活性、および銀(1)イオンの安定性が不十分になることがあり、また、10.0質量%以上加えても、効果は増強されず、形成される塗膜の強度が低下し、経済的にも好ましくない。
そして、本願発明の第1実施形態に係る抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物は、第2実施形態に係る外用の2液性エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布、乾燥させて塗面を形成させることによってコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の伝染を予防する方法に用いる銀(1)イオンの分散剤を含むことが好ましい。
[第2実施形態]
コロナウイルス感染症の主要な伝染経路の一つとして、コロナウイルスに汚染された患者が、会話や、咳や、汚染された手で壁や器物に触ることによって、壁や器物等を汚染させ、汚染された壁や器物等を未感染のヒトが触ってコロナウイルスに感染するという、コロナウイルスで汚染された壁や器物等を介しての伝染が挙げられている。
このために、本願の第2実施形態は、銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに分散剤として直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、合成樹脂原料を含有する油相とを含み、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する外用の2液性エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布、乾燥させて塗面を形成させることによって、コロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の伝染を予防方法を提供することを課題とする。
<直鎖状ポリエチレンイミン>
上記の課題を解決するために本願発明のフローリング用抗菌性塗材は、さらに、塗面に銀(1)イオンを高濃度且つ安定的に分散させる目的で、分散剤を含むことが好ましい。ここで、本願発明で用いる分散剤は、金属ナノコロイドを分散・安定化させ、且つ本願発明に使用可能なものであって、市販されているもの、または合成可能なものであれば、その種類は特に限定されない。
分散剤としては、たとえば、特許文献1、2にポリビニルピロリドンが記載され、また、特許文献4には、直鎖状ポリエチレンイミン構造を含む高分子物資が記載されている。ここで、特許文献4には、直鎖状ポリエチレンイミンは銀(1)イオンを含む重金属の分散作用とともに、銀(1)イオンに対してキレート作用があることが記載されている。
そこで、分散剤の効果を検討するために、本願発明の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンを含む組成物に、更に分散剤として直鎖状ポリエチレンイミン又はポリビニルピロリドンを加えた水層とシリコーン樹脂原料を含む油相とからなる2液エマルジョンコーテイング剤を塗布し固化させて塗面を製造した。
製造した塗面を、研磨機を用いて表面と平行に研磨して研磨粉を収集し、それを液体培地に懸濁し、倍々希釈による液体培地希釈法によって各分画の抗菌力を比較したところ、分散剤を含まない塗面の削りカスは、弱い抗菌活性しか示さなかったが、分散剤として直鎖状ポリエチレンイミンを含む実施例2の塗面の削りカスは強い抗菌活性を示し、ポリビニルピロリドンを含む塗面の削りカスも中程度の抗菌活性を示した。これらの分散剤は、疎水性の高分子樹脂層の表層に銀(1)イオンを高濃度に分散させて保持しているものと考えられる。
したがって、本願発明の第2実施形態に係る抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物は、前記2液性エマルジョン塗料を、対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーテイング剤成分の質量を100質量%とした場合に、直鎖状ポリエチレンイミンを0.2~2.0質量%含むことが好ましく、0.2~5質量%含むことがより好ましい。銀(1)イオンの遊離イオン換算含有量が0.1質量%未満では銀(1)イオンの分散性が十分でないことがあり、5質量%を超えて加えると形成される塗膜の強度が低下することがあり、好ましくない。
[第2実施形態]
コロナウイルス感染症の主要な伝染経路の一つとして、コロナウイルスに汚染された患者が、咳や、会話や、汚染された手で壁や器物に触ることによって、壁や器物をコロナウイルスで汚染させる、コロナウイルスで汚染された壁や器物を介しての伝染が挙げられている。
このために、本願の第2実施形態は、銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミン含有する水相と、合成樹脂原料を含有する油相とを含み、コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する外用の2液性エマルジョンのコーテイング剤を、対象に塗布、乾燥させて塗面を形成させることによってコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の伝染を予防する方法を提供することを課題とする。
そして、本願発明の第2実施形態は、対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーテイング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀(1)イオンを10-7~10-4質量%含み、前記[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2~10.0質量%含み、直鎖状ポリエチレンイミンを、0.2~2.0質量%含み、前記塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量と前記フルボ酸のカルボキシル基当量との比が1:10~1:100の範囲内であることを特徴とする。
さらに、本願発明の第2実施形態は、前記塗膜を形成する高分子樹脂が、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、およびポリエステル樹脂からなる群の高分子樹脂のうちの1以上でありうる。
このうちで、高分子樹脂はシリコーン樹脂であることがより好ましい。
以下に、本願発明を、製造例および実施例を挙げて説明する。この記載は本願発明を説明するものであって、本願発明の技術範囲を限定するものではない
[製造例]
<ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテート水溶液>
[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンは強アルカリ性であって水と分離できない粘調な液体なので、製造原料として使用する場合は、固体の塩酸塩を秤量し、アニオンの塩に変換することが有利である。特に有利な塩の実例として、アセテート水溶液を実例として挙げることができるが、銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のないものであれば、アニオンはこれらに限られるものではない。
(製造例1)
[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライド10.0kgを脱イオン水30.0kgに溶解した溶液を、酢酸塩型の塩基性イオン交換樹脂をイオン交換当量より多く充填したカラムを通過させ、脱イオン水で溶出して目的のジアセテート水溶液を含む溶出液100kgを捕集し、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して10%の[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートを含む水溶液100kgを得た。
<フルボ酸水溶液>
(製造例2)
広葉樹林の表層土を取り除き、乾燥し、細粉化して得た10.0kgの腐食土を、0.1M水酸化ナトリウム水溶液と0.1Mリン酸1水素2ナトリウム水溶液の等量混合液200kgに加えて50℃で24時間緩やかに撹拌したのちろ過した。ろ液に3M硫酸を加えてpH1とし、室温に24時間放置したのち、遠心分離してフミン酸画分を除去し、粗フルボ酸溶液を得た。粗フルボ酸溶液を、20.0kgの活性炭を充填したカラムに通じてフルボ酸を吸着さ、活性炭カラムを水洗したのちに0.1M水酸化ナトリウム水溶液を用いて抽出し、抽出液をアンバーライトIRA400のカラムおよびアンバーライトIR120のカラムを通過させて無機イオンを除去し、精製フルボ酸水溶液8.3kgを得た。得られた精製フルボ酸水溶液のカルボキシル基当量は、中和滴定法によって、45.2ミリカルボキシル基当量/kg溶液であった。
<消毒剤組成物>
(製造例3)
本願発明の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物の配合順序および使用する水の量は、本願発明の消毒剤組成物の製造に支障がない限り特に制限されるものではないが、例えば、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテート水溶液、アニオンおよび/又はアニオン供与物質、フルボ酸水溶液のうちの必要な水溶液を混合した混合液に、直鎖状ポリエチレンイミン100gと、銀(1)イオンを少量の脱イオン水に溶解した溶液を加え、必要であればpH調整剤を加えてpHを調整し、更に脱イオン水を加えて所定の重量まで希釈することによって本願発明の製造例3の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物を製造できる。前記消毒剤組成物のpHは特に限定されないが、pH5.0~9.0の略中性溶液であることが好ましい。
また、本願発明の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物は、更に親水性溶媒、界面活性剤、有機溶剤、増粘剤、酸化防止剤、光安定剤、消泡剤、香料、色素等の添加剤を含むことができる。
製造例1に記載のジクロライドの質量に換算して10%の[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートを含む水溶液20kgに、製造例3で製造したフルボ酸水溶液8.3kg、直鎖状ポリエチレンイミン100g、および硝酸銀(1)1.57gを加え、pH6.5~7.5に調整し、全体を脱イオン水で100kgに希釈した水相と、シリコーン樹脂100kgを含むシリコーン樹脂塗料原料を撹拌してエマルジョン化することによって、実施例1のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーテイング剤を得た。
(比較例1)
実施例1と同様に、但し硝酸銀を加えない2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
(比較例2)
実施例1と同様に、但し[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートの代わりに[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドを用いて比較例2の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
(比較例3)
実施例1と同様に、但しフルボ酸の代わりに精製水を加えて比較例3の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
(比較例4)
実施例1と同様に、但し[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートを加えないで比較例4の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
(比較例5)
実施例1と同様に、但し直鎖状ポリエチレンイミンを加えないで比較例5の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
ポリエステル樹脂製の床面に、実施例1で製造した2液エマルジョンのコーテイング剤を噴霧法により均一に塗布し、乾燥させて実施例2に記載の抗菌性床面(商品名「プラチナプレミアムコート 商標登録 5293626」)を製造した。乾燥後の塗膜の厚さは0.5mmであった。
(比較例6)
実施例1と同様に、但し実施例1で用いたシリコーン樹脂塗料原料の代わりにウレタン樹脂原料を用いて2液エマルジョンのコーテイング剤を製造し、製造したウレタン樹脂を含む2液エマルジョンのコーテイング剤を、実施例2と同様に噴霧法によりポリエステル樹脂製の床面に0.5mmの厚さの塗膜ができるように均一に塗布し、乾燥させて比較例6に記載の抗菌性床面を製造した。
(比較例7)
実施例2と同様に、但し比較例5で製造した但し直鎖状ポリエチレンイミンを加えない2液エマルジョンのコーテイング剤を製造し、製造した2液エマルジョンのコーテイング剤を実施例2と同様に噴霧法によりポリエステル樹脂製の床面に0.5mmの厚さの塗膜ができるように均一に塗布し、乾燥させて比較例7に記載の抗菌性床面を製造した。
(比較例8)
実施例1と同様に、直鎖状ポリエチレンイミンの代わりにポリエチレンピロリドンを用いて製造した2液エマルジョンのコーテイング剤を、実施例2と同様にポリエステル樹脂製の床面に噴霧法により0.5mmの厚さの塗膜ができるよう均一に塗布し、乾燥させて比較例8に記載の抗菌性床面を製造した。
<試験例1>銀鏡反応
フルボ酸が還元性を有することを検証した(例えば特許文献1を参照)。
製造例1で製造した35.6ミリカルボキシル基当量/Lの精製フルボ酸水溶液56.2mL(2ミリカルボキシル基当量)を凍結乾燥して377mgの黄褐色粉末を得た。
この粉末を精製水4mLに溶解し、0.1M硝酸銀4mLに濃アンモニア水を加えて作成したトレンス試薬を加え、50℃に加温すると、90秒後に銀鏡の形成が認められ、フルボ酸が銀イオンを金属銀に還元する還元力を有することが確認された。
<試験例2>銀ナノコロイド生成試験
製造例1で製造した35.6ミリカルボキシル基当量/Lの精製フルボ酸水溶液56.2mL(2.0ミリカルボキシルキ当量)に、0.1M硝酸銀水溶液1mLを加えて均一になるまで撹拌した後、25g直鎖状ポリエチレンイミンを加え、均一になるまで撹拌した。この溶液のプラズモン吸収スペクトルを測定したところ、400nmにプラズモン吸収スペクトルのピークが認められ、銀ナノコロイド粒子の生成が確認された。
<試験例3>(抗菌性試験)
〇試験概要:本願発明の実施例1および比較例1~5に係る2液エマルジョンのコーテイ
ング剤の抗菌活性を測定した。
〇方法
ニュートリエントブロス液体培地に、黄色ブドウ状球菌又は大腸菌の菌液を接種し、31±1℃で18時間振盪による前培養を行なった培養液を、新鮮なニュートリエントブロス培地で100倍に希釈し、該希釈液100μgを96穴のマイクロプレートに入れた。
これに、各試験サンプルを、第1穴の銀イオン濃度が10mg/kgになるように希釈し、順次に10段階の2倍希釈を行い、得た試験液各50μを96穴のマイクロプレートの各穴に加えた。マイクロプレートを、31±1℃の環境下に48時間(大腸菌)又は24時間(黄色ブドウ状菌)静置きして培養した。該培養液を寒天含有培地に接種して菌が増殖するか否かで、菌の増殖の有無を判断し、最小阻止濃度を測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0007361965000002
銀(1)イオンが活性を有する実施例1および比較例3、4、5は強い抗菌性を示したが、銀(1)イオンを含まない比較例1および銀イオンが塩素イオンと結合して失活した比較例2は抗菌活性を示さなかった。
<試験例4>(光安定性試験)
〇試験概要
本願発明の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物を塗布して使用する場合を想定して、保存サンプルの抗菌作用の持続性を測定した。
試験菌:S. aureus IID 1677
・試験サンプル:本願発明の実施例1及び比較例1~5のコーテイング剤
・試験条件:実施例1~3.比較例1A~3Cをガラス試験管に入れ、試験管を栓で密封
し、蛍光灯照射下(400Lux)、25℃にて放置し、所定時間ごとに各サンプルの
最小阻止濃度(MIC)を試験例3に準じた方法で測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 0007361965000003
表2に示すように、本願発明の実施例1に係る2液エマルジョンコーテイング剤および比較例5に係る直鎖状ポリエチレンイミンを含まないコーテイング剤は、照射下(蛍光灯、400Lux)120時間まで抗菌活性を維持し、比較例5に係る直鎖状ポリエチレンイミンを含まない組成物も実施例1と同等の120時間の抗菌活性を維持した。しかし、銀(1)イオンを含まない比較例1および塩素イオンを含む比較例2は抗菌性を示さず、光安定剤である[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを含まない比較例4は24時間以内に失活し、フルボ酸を含まない比較例3も実施例1より安定性が劣った。
<試験例5>(抗カビ性試験)
〇試験概要;抗カビ性試験を、JIS Z 2911:2010「カビ抵抗性試験方
法」;塗料の試験 に準じて行った。
・ 試験菌:Trichophyton rubrum 2659(白癬菌)
・ 試験サンプル:本願発明の実施例1及び比較例1~5のコーテイング剤
・ 試験方法:試験片(30mm×30mm、1サンプル各6個)に対して試験液を10.0mL/mの割合で噴霧し、暗所で1時間風乾したのちカビの混合胞子懸濁液を10.0mL/mの割合で吹き付け、26±2℃、湿度95%~99%に保った恒温器の中に置き、無カビ状態および空気中で4週間培養し、カビ発育状態を判定した。結果を表3に示す。
Figure 0007361965000004
表3に示すように、本願発明の実施例1、および実施例1から直鎖状ポリエチレンイミンを除去しただけである比較例5の2液エマルジョンコーテイング剤は、抗カビ活性を示したが、光安定剤である[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを含まない比較例4および実施例1からフルボ酸を除去した比較例3は中程度の抗カビ活性しか示さず、銀イオンが失活している比較例1、2は抗カビ性を示さなかった。
<試験例6>(抗ウイルス試験)
○試験機関:一般財団法人日本繊維製品技術センター 神戸試験センター
〇試験概要
・試験サンプル:実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
・対照サンプル:リン酸緩衝液
・試験条件:
試験ウイルス:Severe acute respiratory syndro
me coronavirus 2 (SARS-CoV-2) N
IID分離株:JPN/TY/WK 521(国立感染症研究所より
分与された)
宿主細胞 :VeroE6/TMPRSS2 JCRB1819
細胞培養液 :Modified Eagle medium(low-gluco
se、Dulbecco)
ウシ胎児血清:Fetal Bovine Serum
ウイルス懸濁液:試験サンプル=1:9 作用温度25℃ 作用時間2時間
薬剤不活化剤:SCDLPを2%FBS含有DMEMで10倍希釈した溶液
感染価測定法:プラーク測定法
〇試験方法
1)ウイルス懸濁液の調製
宿主細胞にウイルスを感染させ、EMEMを加え37℃で所定時間培養後、4℃、
1000Gで15分間遠心分離して得た上清を試験ウイルス懸濁液とする。
2)宿主細胞検証試験
プラーク測定法にて各希釈系列1mL当たりのウイルス感染価を測定し、ウイルスへ
の細胞の感受性を確認する。
3)本試験:
1.試験サンプル0.9mLに試験ウイルス懸濁液0.1mLを加え十分に撹拌す
る。
2.25℃で2時間静置する。これを試験液とする。
3.宿主細胞検証試験で不活化が確認された条件で試験液を不活化する。これを反応
停止液とする。
4.上記3の反応停止液を100として、2%FBS含DMEMで10倍希釈系列を
作製し、反応停止液0.1mL当たりのウイルス感染価を測定法にて測定し、試
験液1m1当たりのウイルス感染価を算出する。
〇試験結果
1.宿主細胞検証試験
宿主細胞検証試験の結果を表4に示す。
Figure 0007361965000005
試験液を薬剤不活化剤で10倍希釈した後、2%FBS含DMEMで10倍希釈する
ことにより、検体の影響を受けずにウイルス感染価測定ができることを確認した。
2.本試験
試験結果を表5に示す。
Figure 0007361965000006
表5に示すように、実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤は、SARS-CoV-2 NIID分離株;JPN/TY/WK-521 (コロナウイルス)を阻止することが示された。
<試験例5>銀(1)イオン分布試験
〇試験概要
固体の床面内に取り込まれた銀(1)イオンが、液体中に分散された細菌に抗菌効果を有するか否かを検証するための試験を行った。
・試験サンプル: 実施例2、比較例7、および比較例8で製造した抗菌性床面
・試験条件:(厚さ0.5mm)を、研磨機を用いて表面と平行に0.2mmの厚さまで
・使用培地:標準液体培地、栄研化学製薬
・試験菌、: Bacillus subutilis natto(納豆から採取)
・試験方法:研磨して製造した研磨粉の100mgを分取し、液体培地10mLに懸濁し
緩やかに1時間撹拌したのち、試験例3に準じた倍々希釈による液体培地希釈法によっ
て各分画の抗菌力を比較した。
結果を表6に示す。
〇(試験結果)
Figure 0007361965000007
表6に示すように、比較例7の分散剤を含まない塗面の削りカスは、弱い抗菌活性しか示さなかったが、実施例2の、分散剤として直鎖状ポリエチレンイミンを含む実施例2の塗面の削りカスは強い抗菌活性を示し、比較例8のポリビニルピロリドンを含む塗面の削りカスも中程度の抗菌活性を示した。よって、これらの分散剤は、疎水性の高分子樹脂層の表層に偏在して銀(1)イオンを高濃度に保持しているものと考えられる。
コロナウイルスを用いて塗面内に取り込まれた銀(1)イオンが、液体中に分散されたコロナウイルスに抗ウイルス効果を有するか否かを実際に検証する試験は、安全性の見地から行うことができない。しかしながら、本試験は、固体の塗面内に取り込まれた銀(1)イオンが液体中に分際された細菌に抗菌効果を有すこと示した。
<試験例6>(抗ウイルス試験)において、本願発明の実施例2の2液エマルジョンのコーテイング剤に含まれる銀(1)イオンが抗ウイルス性の試験で抗コロナウイルス活性を有することから、本願発明の実施例2に記載の2液エマルジョンのコーテイング剤を対象の塗面に塗布し固化させることによって得た床材も、コロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防方法に使用できるものと推測できる。
<試験例6>(急性経口毒性試験)
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
○試験概要:本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌
感染症の予防方法を外用で実施することを考慮して急性経口毒性試験をおこなった。
・検体 実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
・試験目的:検体の5w/v%注射用水希釈液について、急性経ロ毒性を調べる。
・試験動物:5週齢のWistar/ST系雌ラット
・試験方法:注射用水をそれぞれ20mL/kgの投与液量で胃ゾンデを用いて強制単回
経ロ投与した。観察期間は14日間とし、観察期間終了時に動物を剖検した。
〇試験結果:検体の5w/v%注射用水希釈液を2000mg/kgの容量で雌ラットに
単回経ロ投与し、14日間観察を行った。その結果、観察期間中に異常および死亡例
は認められなかった。以上のことから、ラットを用いる単回経ロ投与において、検体
の5w/v%注射用水希釈液のLD50値は、雌では2000mg/kgを超えるもの
と評価された。
<試験例7>(皮膚一次刺激性試験)
〇試験概要:外用のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染
症の予防することを考慮して皮膚一次刺激性試験をおこなった。
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
○試験動物 ウサギ
・試験サンプル:実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
・対照サンプル:Phosphate buffered saline (PBS)
〇試験方法:
・実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤を検体として、OECD Guideli
ne for Testing of Chemicals 404 2 015)に
準拠し、ウサギを用いる皮膚一次刺激性試験を行った。
・試験サンプルの5wt/v%注射用水希釈液をウサギ3匹の無傷および有傷皮膚に4時
間閉鎖適用した。その結果、除去後1時間に全例ではっきりした紅斑および中等度から
高度紅斑が見 られたが、48時間までに消失した。
・ISO-0993-10:2010. Biological evaluation
of medical devices-part 10に従って求めた一次刺激性イ
ンデックス(P.I.I.)は0.2となった。
・以上のことから、ウサギを用いる皮膚一次刺激性試験において、検体の5w/v%注射
用水希釈液は「無刺激性」の範疇に入るものと評価された。
<試験例8>(皮膚感作性試験)
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
〇試験概要:外用のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染
症の予防することを考慮して皮膚感作性試験をおこなった。
○試験条件
・試験動物:モルモット
○試験サンプル:本願実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
〇試験方法:
・検体原液の5w/v%希釈液を試験試料とした。一次感作として、試験試料をモルモ
ットに皮内注射した。二次感作として、試験試料を約48時間閉塞貼付した。これらの
モルモットに対して、試験試料および試験試料の注射用水による希釈系列(500およ
び100mg/mL試験液)、ならびに注射用水を用いて惹起を行った。
・その結果、各観察時間における適用部位の陽性率は0%(平均評価点0)であった。
・以上のことから、試験試料(検体の5w/v%希釈液)は本試験条件下において感作性を
有しないと評価された。
<試験例9>(微生物を用いる変異原性試験)
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
〇試験概要:・プラチナプレミアムコートの遺伝子突然変異誘発性を調べる目的で、労働
省告示第77号に従い、Escherichia culi WP2uvrA および
Salmonella typhimurium TA系4菌株を用いてプレインキュ
べーション法による復帰突然変異試験を実施した。
・試験サンプル:本願実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
〇試験方法
・検体をジメチルスルホキシドで5w/v%に希釈した試料について、313~5000
マイクログラム/プレートの用量で試験を行った。その結果、復帰変異コロニー数の増
加は認められなかった。
・結論:本試験条件下における検体の遺伝子突然変異誘発性は陰性と結論した。
<試験例10>(滑り性試験)
○試験機関:一般財団法人建材試験センター中央試験所
〇試験概要:ウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防する床材と使用する
ことを考慮して滑り性試験をおこなった。
・試験サンプル :実施例2の床面
・比較サンプル :実施例2の塗料を塗布していない床面(比較例6)
○試験方法:JIS A 1454 (高分子系張り床材試験方法)6.14滑り
性試験に従って行った。
○試験条件
1.滑り片:ゴムシート;硬さ 7.8 厚さ 5mm
2.試験片の表面状態:乾燥状態
3.滑り抵抗係数の算出式:C.S.R:=Pmax/W
C.S.R:滑り抵抗係数
Pmax :最大引張荷重(N)
W :鉛直荷重(785N)滑り抵抗係数
○試験結果を表7に示す。
Figure 0007361965000008
表7に示すように、本願発明の実施例2の床面は、比較例6の床面より滑り抵抗係数が大きく、滑りにくい床面であることが示された。
以上本願発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本願発明は、前記実施形態に限定されず、本願発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。

Claims (10)

  1. 2液エマルジョンのコーティング剤であって、水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、コーティング剤成分を含有する油相と、からなり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とするコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
  2. 前記銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンが、硝酸アニオンおよび酸アニオンから選ばれる1以上であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
  3. 請求項2に記載の2液エマルジョンのコーティング剤を、対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーティング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀〈1〉イオンを10-7乃至10-4質量%含み、前記[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2乃至10.0質量%含み、前記直鎖状ポリエチレンイミンを、0.2乃至2.0質量%含み、前記塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量と前記フルボ酸のカルボキシル基当量との比が1:10乃至1:100の範囲内であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
  4. 前記油相に含まれるコーティング剤成分が、シリコーン樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリウレタン樹脂原料、(メタ)アクリル樹脂原料、およびポリエステル樹脂原料からなる群の高分子樹脂原料から選ばれる1以上であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
  5. 前記油相に含まれて塗膜を形成する高分子樹脂原料が、シリコーン樹脂原料であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項4に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
  6. 2液エマルジョンのコーティング剤であって、水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、コーティング剤成分を含有する油相と、からなる前記2液エマルジョンのコーティング剤を、対象(但し、ヒトは除く)に塗布して塗面を形成させることを特徴とするコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
  7. 前記銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンが、硝酸アニオンおよび酢酸アニオンから選ばれる1以上であって、前記コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する前記2液エマルジョンのコーティング剤を、前記対象(但し、ヒトは除く)に塗布して前記塗面を形成させることを特徴とする請求項6に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
  8. 前記2液エマルジョンのコーティング剤を前記対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーティング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀(1)イオンを10-7乃至10-4質量%含み、前記[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2乃至10.0質量%含み、前記直鎖状ポリエチレンイミンを、0.2乃至2.0質量%含み、前記塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量と前記フルボ酸のカルボキシル基当量との比が1:10乃至1:100の範囲内である前記コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する前記2液エマルジョンのコーティング剤を、前記対象(但し、ヒトは除く)に塗布して前記塗面を形成させることを特徴とする請求項6に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
  9. 前記油相に含まれて前記塗膜を形成するコーティング剤が、シリコーン樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリウレタン樹脂原料、(メタ)アクリル樹脂原料、およびポリエステル樹脂原料からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の前記2液エマルジョンのコーティング剤を、前記対象(但し、ヒトは除く)に塗布して前記塗面を形成させることを特徴とする請求項6に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
  10. 前記油相に含まれて前記塗膜を形成するコーティング剤が、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項9に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
JP2023047365A 2023-03-23 2023-03-23 コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 Active JP7361965B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023047365A JP7361965B1 (ja) 2023-03-23 2023-03-23 コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023047365A JP7361965B1 (ja) 2023-03-23 2023-03-23 コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP7361965B1 true JP7361965B1 (ja) 2023-10-16

Family

ID=88328345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023047365A Active JP7361965B1 (ja) 2023-03-23 2023-03-23 コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7361965B1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016117620A1 (ja) 2015-01-22 2016-07-28 彬 大木 抗菌性床面
JP7073593B1 (ja) 2022-01-19 2022-05-23 大木 彬 抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016117620A1 (ja) 2015-01-22 2016-07-28 彬 大木 抗菌性床面
JP7073593B1 (ja) 2022-01-19 2022-05-23 大木 彬 抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070134136A1 (en) Disinfecting composition
EP1111995B1 (en) Topical dermal antimicrobial compositions
JP2022188039A (ja) 光増感剤分散物およびその使用
US11044914B2 (en) Antimicrobial sanitizer compositions and their use
CN101389221B (zh) 银/水、银凝胶和银基组合物及用于制造和使用该组合物的方法
TWI318100B (en) Preservative blends containing quaternary ammonium compounds
US20030147925A1 (en) Topical dermal antimicrobial compositions, methods for generating same, and monitoring methods utilizing same
US20090232748A1 (en) Virucidal activities of cetylpyridinium chloride
KR101339533B1 (ko) 은/물, 은 겔 및 은-기초 조성물 및 이들의 제조 및 사용방법
EP1686993B1 (en) Virucidal activities of a composition comprising cetylpyridinium chloride and citric acid
RU2445951C1 (ru) Способ получения концентратов нанодисперсий нульвалентных металлов с антисептическими свойствами
US20050100601A1 (en) Virucidal activities of cetylpyridinium chloride
JP7361965B1 (ja) コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。
KR101698740B1 (ko) 수용성 규산염 및 피톤치드를 함유하는 액상 조성물 및 이의 제조방법.
CN112120042A (zh) 一种高效灭菌的次氯酸消毒液及其制备方法
JP7073593B1 (ja) 抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物
JP2912142B2 (ja) 抗有膜ウィルス性組成物およびその製造方法
RU2345794C2 (ru) Дезинфицирующее средство
US20140228528A1 (en) Polyguanidine silicate and use thereof
RU2176523C1 (ru) Дезинфицирующее средство при туберкулезе
SK280904B6 (sk) Čistiaci a dezinfekčný prostriedok
RU2801796C1 (ru) Применение антисептического и дезинфицирующего средства
RU2246953C1 (ru) Дезинфицирующее средство
WO2022244013A1 (en) Light stable silver containing near neutral ph disinfectant and method of preparation
Ismail et al. Journal of Advanced Veterinary Research

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230324

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7361965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150