JP7361965B1 - コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 - Google Patents
コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 Download PDFInfo
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Abstract
Description
このために、銀(1)イオンは、一般的な公共施設の消毒には利用できないと考えられてきた。
ちなみに、大部分の抗微生物活性物質はウイルス、カビ、細菌等の成長を阻止する作用をもつものの、そのまま放置すると細菌等が再成長することがあるが、とりわけ、銀(1)イオンは、接触したウイルス、カビ、および細菌等を死滅させるという殺微生物活性を有し、さらにそのうえ、ヒトや家畜、犬、猫など、大型の動物に対しては毒性がないという、外用の殺菌剤として優れた生物活性を有する。
<銀(1)イオン>
本願発明の第1実施形態に係る銀(1)イオンは、コロナウイルスを含むウイルス、カビ、細菌等の広範囲の微生物に対して強い抗微生物活性を有する。そのうえ、大部分の抗性物質はウイルス、カビ、細菌等の成長を阻止する作用のみをもつものであって、放置すると菌が再成長することがあるが、銀(1)イオンは、接触したウイルス、カビ、および細菌等を死滅させるという殺菌活性を有し、そのうえ、ヒトや家畜、犬、猫など、大型の動物に対しては毒性がないという、外用の殺菌剤として優れた生物活性を有する。
さらに、銀(1)イオンを還元した金属銀は、貴金属アレルギーのアレルゲンになりにくく、古来より食器として用いられてきた安全な金属である。
また、本願発明の2液エマルジョンコーテイング剤は、フルボ酸(非特許文献1)を含有する(例えば特許文献1、2を参照)。ところで、化学大辞典(共立出版社、1964年)によれば、本願発明において使用するフルボ酸は、腐植土からの抽出物として得られるフミン物質の1種であって、「土壌又は石炭質から稀アルカリでフミン酸を抽出し無機酸で沈殿させたとき、酸性の上澄み液に黄色ないし橙黄色を与える物質で、水、エタノールに可溶な無定形物質」であって、単一の化学構造式を有するものではなく「原料および採取条件により組成、分子量が広範囲に変化し一定しないものである」とのことである。
しかしながら、本願発明は、精製フルボ酸を使用することがより好ましく、もし、粗フルボ酸を使用する場合は、使用前にイオン交換樹脂を用いて銀(1)イオンを不活性化するアニオンを除去してから使用する必要がある。
ここで、フルボ酸のカルボキシル基当量は、単位量のフルボ酸中に存在するカルボキシル基のモル当量数であって、例えば[モル数/単位量]で表わすことができる。また、カルボキシル基当量は、例えば中和滴定法や標準品との比較による分光光度法によって求めることができる。
そして、フルボ酸は還元性を有する(例えば特許文献1を参照)。またフルボ酸が多くの金属元素イオンに対するキレート能を有することは公知のことである。たとえば、天然界において、フルボ酸はキレート作用によって金属元素イオンを山から河川を経由して海に運搬する役割を果たしていると言われている。また、フルボ酸は銀(1)イオンのアニオンの役も果たしていると推定される。
いっぽう、銀(1)イオンは、不安定で活性が持続しないという問題点を有する。すなわち、銀(1)イオンは、環境中に広く存在する塩素イオンと反応して不溶性の銀(1)塩になり、さらに酸化銀(1)になって失活する。このため、本願発明の第1実施形態に係る塗料に含まれるアニオンは、銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種類以上のアニオンであることが好ましい。
さらにまた、銀(1)イオンは、光還元されて銀微粒子となり抗微生物活性を失うという弱点を有する。
ところが、公知の抗菌性の第4級アンモニウム化合物である[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン(CAS No 31512-74-0、)に銀(1)イオンを安定化させ、銀(1)イオンの優れた抗菌、抗カビ、抗ウイルス作用を持続させるという効果が見出された。(例えば特許文献3を参照)。
コロナウイルス感染症の主要な伝染経路の一つとして、コロナウイルスに汚染された患者が、会話や、咳や、汚染された手で壁や器物に触ることによって、壁や器物等を汚染させ、汚染された壁や器物等を未感染のヒトが触ってコロナウイルスに感染するという、コロナウイルスで汚染された壁や器物等を介しての伝染が挙げられている。
上記の課題を解決するために本願発明のフローリング用抗菌性塗材は、さらに、塗面に銀(1)イオンを高濃度且つ安定的に分散させる目的で、分散剤を含むことが好ましい。ここで、本願発明で用いる分散剤は、金属ナノコロイドを分散・安定化させ、且つ本願発明に使用可能なものであって、市販されているもの、または合成可能なものであれば、その種類は特に限定されない。
コロナウイルス感染症の主要な伝染経路の一つとして、コロナウイルスに汚染された患者が、咳や、会話や、汚染された手で壁や器物に触ることによって、壁や器物をコロナウイルスで汚染させる、コロナウイルスで汚染された壁や器物を介しての伝染が挙げられている。
このうちで、高分子樹脂はシリコーン樹脂であることがより好ましい。
[製造例]
<ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテート水溶液>
[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンは強アルカリ性であって水と分離できない粘調な液体なので、製造原料として使用する場合は、固体の塩酸塩を秤量し、アニオンの塩に変換することが有利である。特に有利な塩の実例として、アセテート水溶液を実例として挙げることができるが、銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のないものであれば、アニオンはこれらに限られるものではない。
[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライド10.0kgを脱イオン水30.0kgに溶解した溶液を、酢酸塩型の塩基性イオン交換樹脂をイオン交換当量より多く充填したカラムを通過させ、脱イオン水で溶出して目的のジアセテート水溶液を含む溶出液100kgを捕集し、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して10%の[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートを含む水溶液100kgを得た。
(製造例2)
広葉樹林の表層土を取り除き、乾燥し、細粉化して得た10.0kgの腐食土を、0.1M水酸化ナトリウム水溶液と0.1Mリン酸1水素2ナトリウム水溶液の等量混合液200kgに加えて50℃で24時間緩やかに撹拌したのちろ過した。ろ液に3M硫酸を加えてpH1とし、室温に24時間放置したのち、遠心分離してフミン酸画分を除去し、粗フルボ酸溶液を得た。粗フルボ酸溶液を、20.0kgの活性炭を充填したカラムに通じてフルボ酸を吸着さ、活性炭カラムを水洗したのちに0.1M水酸化ナトリウム水溶液を用いて抽出し、抽出液をアンバーライトIRA400のカラムおよびアンバーライトIR120のカラムを通過させて無機イオンを除去し、精製フルボ酸水溶液8.3kgを得た。得られた精製フルボ酸水溶液のカルボキシル基当量は、中和滴定法によって、45.2ミリカルボキシル基当量/kg溶液であった。
(製造例3)
本願発明の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物の配合順序および使用する水の量は、本願発明の消毒剤組成物の製造に支障がない限り特に制限されるものではないが、例えば、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテート水溶液、アニオンおよび/又はアニオン供与物質、フルボ酸水溶液のうちの必要な水溶液を混合した混合液に、直鎖状ポリエチレンイミン100gと、銀(1)イオンを少量の脱イオン水に溶解した溶液を加え、必要であればpH調整剤を加えてpHを調整し、更に脱イオン水を加えて所定の重量まで希釈することによって本願発明の製造例3の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物を製造できる。前記消毒剤組成物のpHは特に限定されないが、pH5.0~9.0の略中性溶液であることが好ましい。
実施例1と同様に、但し硝酸銀を加えない2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
実施例1と同様に、但し[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートの代わりに[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドを用いて比較例2の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
実施例1と同様に、但しフルボ酸の代わりに精製水を加えて比較例3の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
実施例1と同様に、但し[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジアセテートを加えないで比較例4の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
実施例1と同様に、但し直鎖状ポリエチレンイミンを加えないで比較例5の2液エマルジョンコーテイング剤を製造した。
実施例1と同様に、但し実施例1で用いたシリコーン樹脂塗料原料の代わりにウレタン樹脂原料を用いて2液エマルジョンのコーテイング剤を製造し、製造したウレタン樹脂を含む2液エマルジョンのコーテイング剤を、実施例2と同様に噴霧法によりポリエステル樹脂製の床面に0.5mmの厚さの塗膜ができるように均一に塗布し、乾燥させて比較例6に記載の抗菌性床面を製造した。
実施例2と同様に、但し比較例5で製造した但し直鎖状ポリエチレンイミンを加えない2液エマルジョンのコーテイング剤を製造し、製造した2液エマルジョンのコーテイング剤を実施例2と同様に噴霧法によりポリエステル樹脂製の床面に0.5mmの厚さの塗膜ができるように均一に塗布し、乾燥させて比較例7に記載の抗菌性床面を製造した。
実施例1と同様に、直鎖状ポリエチレンイミンの代わりにポリエチレンピロリドンを用いて製造した2液エマルジョンのコーテイング剤を、実施例2と同様にポリエステル樹脂製の床面に噴霧法により0.5mmの厚さの塗膜ができるよう均一に塗布し、乾燥させて比較例8に記載の抗菌性床面を製造した。
フルボ酸が還元性を有することを検証した(例えば特許文献1を参照)。
製造例1で製造した35.6ミリカルボキシル基当量/Lの精製フルボ酸水溶液56.2mL(2ミリカルボキシル基当量)を凍結乾燥して377mgの黄褐色粉末を得た。
この粉末を精製水4mLに溶解し、0.1M硝酸銀4mLに濃アンモニア水を加えて作成したトレンス試薬を加え、50℃に加温すると、90秒後に銀鏡の形成が認められ、フルボ酸が銀イオンを金属銀に還元する還元力を有することが確認された。
製造例1で製造した35.6ミリカルボキシル基当量/Lの精製フルボ酸水溶液56.2mL(2.0ミリカルボキシルキ当量)に、0.1M硝酸銀水溶液1mLを加えて均一になるまで撹拌した後、25g直鎖状ポリエチレンイミンを加え、均一になるまで撹拌した。この溶液のプラズモン吸収スペクトルを測定したところ、400nmにプラズモン吸収スペクトルのピークが認められ、銀ナノコロイド粒子の生成が確認された。
〇試験概要:本願発明の実施例1および比較例1~5に係る2液エマルジョンのコーテイ
ング剤の抗菌活性を測定した。
〇方法
ニュートリエントブロス液体培地に、黄色ブドウ状球菌又は大腸菌の菌液を接種し、31±1℃で18時間振盪による前培養を行なった培養液を、新鮮なニュートリエントブロス培地で100倍に希釈し、該希釈液100μgを96穴のマイクロプレートに入れた。
これに、各試験サンプルを、第1穴の銀イオン濃度が10mg/kgになるように希釈し、順次に10段階の2倍希釈を行い、得た試験液各50μを96穴のマイクロプレートの各穴に加えた。マイクロプレートを、31±1℃の環境下に48時間(大腸菌)又は24時間(黄色ブドウ状菌)静置きして培養した。該培養液を寒天含有培地に接種して菌が増殖するか否かで、菌の増殖の有無を判断し、最小阻止濃度を測定した。
測定結果を表1に示す。
〇試験概要
本願発明の抗菌、抗カビ、抗ウイルス性消毒剤組成物を塗布して使用する場合を想定して、保存サンプルの抗菌作用の持続性を測定した。
試験菌:S. aureus IID 1677
・試験サンプル:本願発明の実施例1及び比較例1~5のコーテイング剤
・試験条件:実施例1~3.比較例1A~3Cをガラス試験管に入れ、試験管を栓で密封
し、蛍光灯照射下(400Lux)、25℃にて放置し、所定時間ごとに各サンプルの
最小阻止濃度(MIC)を試験例3に準じた方法で測定した。測定結果を表2に示す。
〇試験概要;抗カビ性試験を、JIS Z 2911:2010「カビ抵抗性試験方
法」;塗料の試験 に準じて行った。
・ 試験菌:Trichophyton rubrum 2659(白癬菌)
・ 試験サンプル:本願発明の実施例1及び比較例1~5のコーテイング剤
・ 試験方法:試験片(30mm×30mm、1サンプル各6個)に対して試験液を10.0mL/m2の割合で噴霧し、暗所で1時間風乾したのちカビの混合胞子懸濁液を10.0mL/m2の割合で吹き付け、26±2℃、湿度95%~99%に保った恒温器の中に置き、無カビ状態および空気中で4週間培養し、カビ発育状態を判定した。結果を表3に示す。
○試験機関:一般財団法人日本繊維製品技術センター 神戸試験センター
〇試験概要
・試験サンプル:実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
・対照サンプル:リン酸緩衝液
・試験条件:
試験ウイルス:Severe acute respiratory syndro
me coronavirus 2 (SARS-CoV-2) N
IID分離株:JPN/TY/WK 521(国立感染症研究所より
分与された)
宿主細胞 :VeroE6/TMPRSS2 JCRB1819
細胞培養液 :Modified Eagle medium(low-gluco
se、Dulbecco)
ウシ胎児血清:Fetal Bovine Serum
ウイルス懸濁液:試験サンプル=1:9 作用温度25℃ 作用時間2時間
薬剤不活化剤:SCDLPを2%FBS含有DMEMで10倍希釈した溶液
感染価測定法:プラーク測定法
〇試験方法
1)ウイルス懸濁液の調製
宿主細胞にウイルスを感染させ、EMEMを加え37℃で所定時間培養後、4℃、
1000Gで15分間遠心分離して得た上清を試験ウイルス懸濁液とする。
2)宿主細胞検証試験
プラーク測定法にて各希釈系列1mL当たりのウイルス感染価を測定し、ウイルスへ
の細胞の感受性を確認する。
3)本試験:
1.試験サンプル0.9mLに試験ウイルス懸濁液0.1mLを加え十分に撹拌す
る。
2.25℃で2時間静置する。これを試験液とする。
3.宿主細胞検証試験で不活化が確認された条件で試験液を不活化する。これを反応
停止液とする。
4.上記3の反応停止液を100として、2%FBS含DMEMで10倍希釈系列を
作製し、反応停止液0.1mL当たりのウイルス感染価を測定法にて測定し、試
験液1m1当たりのウイルス感染価を算出する。
1.宿主細胞検証試験
宿主細胞検証試験の結果を表4に示す。
ことにより、検体の影響を受けずにウイルス感染価測定ができることを確認した。
〇試験概要
固体の床面内に取り込まれた銀(1)イオンが、液体中に分散された細菌に抗菌効果を有するか否かを検証するための試験を行った。
・試験サンプル: 実施例2、比較例7、および比較例8で製造した抗菌性床面
・試験条件:(厚さ0.5mm)を、研磨機を用いて表面と平行に0.2mmの厚さまで
・使用培地:標準液体培地、栄研化学製薬
・試験菌、: Bacillus subutilis natto(納豆から採取)
・試験方法:研磨して製造した研磨粉の100mgを分取し、液体培地10mLに懸濁し
緩やかに1時間撹拌したのち、試験例3に準じた倍々希釈による液体培地希釈法によっ
て各分画の抗菌力を比較した。
結果を表6に示す。
〇(試験結果)
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
○試験概要:本願発明のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌
感染症の予防方法を外用で実施することを考慮して急性経口毒性試験をおこなった。
・検体 実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
・試験目的:検体の5w/v%注射用水希釈液について、急性経ロ毒性を調べる。
・試験動物:5週齢のWistar/ST系雌ラット
・試験方法:注射用水をそれぞれ20mL/kgの投与液量で胃ゾンデを用いて強制単回
経ロ投与した。観察期間は14日間とし、観察期間終了時に動物を剖検した。
〇試験結果:検体の5w/v%注射用水希釈液を2000mg/kgの容量で雌ラットに
単回経ロ投与し、14日間観察を行った。その結果、観察期間中に異常および死亡例
は認められなかった。以上のことから、ラットを用いる単回経ロ投与において、検体
の5w/v%注射用水希釈液のLD50値は、雌では2000mg/kgを超えるもの
と評価された。
〇試験概要:外用のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染
症の予防することを考慮して皮膚一次刺激性試験をおこなった。
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
○試験動物 ウサギ
・試験サンプル:実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
・対照サンプル:Phosphate buffered saline (PBS)
〇試験方法:
・実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤を検体として、OECD Guideli
ne for Testing of Chemicals 404 2 015)に
準拠し、ウサギを用いる皮膚一次刺激性試験を行った。
・試験サンプルの5wt/v%注射用水希釈液をウサギ3匹の無傷および有傷皮膚に4時
間閉鎖適用した。その結果、除去後1時間に全例ではっきりした紅斑および中等度から
高度紅斑が見 られたが、48時間までに消失した。
・ISO-0993-10:2010. Biological evaluation
of medical devices-part 10に従って求めた一次刺激性イ
ンデックス(P.I.I.)は0.2となった。
・以上のことから、ウサギを用いる皮膚一次刺激性試験において、検体の5w/v%注射
用水希釈液は「無刺激性」の範疇に入るものと評価された。
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
〇試験概要:外用のコロナウイルスを含むウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染
症の予防することを考慮して皮膚感作性試験をおこなった。
○試験条件
・試験動物:モルモット
○試験サンプル:本願実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
〇試験方法:
・検体原液の5w/v%希釈液を試験試料とした。一次感作として、試験試料をモルモ
ットに皮内注射した。二次感作として、試験試料を約48時間閉塞貼付した。これらの
モルモットに対して、試験試料および試験試料の注射用水による希釈系列(500およ
び100mg/mL試験液)、ならびに注射用水を用いて惹起を行った。
・その結果、各観察時間における適用部位の陽性率は0%(平均評価点0)であった。
・以上のことから、試験試料(検体の5w/v%希釈液)は本試験条件下において感作性を
有しないと評価された。
○試験機関:一般財団法人日本食品分析センター
〇試験概要:・プラチナプレミアムコートの遺伝子突然変異誘発性を調べる目的で、労働
省告示第77号に従い、Escherichia culi WP2uvrA および
Salmonella typhimurium TA系4菌株を用いてプレインキュ
べーション法による復帰突然変異試験を実施した。
・試験サンプル:本願実施例1の2液エマルジョンコーテイング剤
〇試験方法
・検体をジメチルスルホキシドで5w/v%に希釈した試料について、313~5000
マイクログラム/プレートの用量で試験を行った。その結果、復帰変異コロニー数の増
加は認められなかった。
・結論:本試験条件下における検体の遺伝子突然変異誘発性は陰性と結論した。
○試験機関:一般財団法人建材試験センター中央試験所
〇試験概要:ウイルス感染症、カビ感染症、および細菌感染症の予防する床材と使用する
ことを考慮して滑り性試験をおこなった。
・試験サンプル :実施例2の床面
・比較サンプル :実施例2の塗料を塗布していない床面(比較例6)
○試験方法:JIS A 1454 (高分子系張り床材試験方法)6.14滑り
性試験に従って行った。
○試験条件
1.滑り片:ゴムシート;硬さ 7.8 厚さ 5mm
2.試験片の表面状態:乾燥状態
3.滑り抵抗係数の算出式:C.S.R:=Pmax/W
C.S.R:滑り抵抗係数
Pmax :最大引張荷重(N)
W :鉛直荷重(785N)滑り抵抗係数
○試験結果を表7に示す。
Claims (10)
- 2液エマルジョンのコーティング剤であって、水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、コーティング剤成分を含有する油相と、からなり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とするコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
- 前記銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンが、硝酸アニオンおよび酢酸アニオンから選ばれる1以上であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
- 請求項2に記載の2液エマルジョンのコーティング剤を、対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーティング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀〈1〉イオンを10-7乃至10-4質量%含み、前記[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2乃至10.0質量%含み、前記直鎖状ポリエチレンイミンを、0.2乃至2.0質量%含み、前記塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量と前記フルボ酸のカルボキシル基当量との比が1:10乃至1:100の範囲内であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
- 前記油相に含まれるコーティング剤成分が、シリコーン樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリウレタン樹脂原料、(メタ)アクリル樹脂原料、およびポリエステル樹脂原料からなる群の高分子樹脂原料から選ばれる1以上であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
- 前記油相に含まれて塗膜を形成する高分子樹脂原料が、シリコーン樹脂原料であり、対象物に塗布し乾燥して塗膜を形成することを特徴とする請求項4に記載のコロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤。
- 2液エマルジョンのコーティング剤であって、水溶性の銀(1)イオン、フルボ酸、[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオン、該銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオン、並びに直鎖状ポリエチレンイミンを含有する水相と、コーティング剤成分を含有する油相と、からなる前記2液エマルジョンのコーティング剤を、対象(但し、ヒトは除く)に塗布して塗面を形成させることを特徴とするコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
- 前記銀(1)イオンおよび該[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを中和し該銀(1)イオンを減少させず且つ毒性のない1種以上のアニオンが、硝酸アニオンおよび酢酸アニオンから選ばれる1以上であって、前記コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する前記2液エマルジョンのコーティング剤を、前記対象(但し、ヒトは除く)に塗布して前記塗面を形成させることを特徴とする請求項6に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
- 前記2液エマルジョンのコーティング剤を前記対象に塗布して形成した塗面が、該塗面に含まれるコーティング剤成分の質量を100質量%とした場合に、銀(1)イオンを10-7乃至10-4質量%含み、前記[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジカチオンを[ポリ-オキシエチレンジメチルイミノエチレンジメチルイミノエチレン]ジクロライドの質量に換算して0.2乃至10.0質量%含み、前記直鎖状ポリエチレンイミンを、0.2乃至2.0質量%含み、前記塗面に含まれる銀(1)イオンのモル当量と前記フルボ酸のカルボキシル基当量との比が1:10乃至1:100の範囲内である前記コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する前記2液エマルジョンのコーティング剤を、前記対象(但し、ヒトは除く)に塗布して前記塗面を形成させることを特徴とする請求項6に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
- 前記油相に含まれて前記塗膜を形成するコーティング剤が、シリコーン樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリウレタン樹脂原料、(メタ)アクリル樹脂原料、およびポリエステル樹脂原料からなる群から選ばれる1以上であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の前記2液エマルジョンのコーティング剤を、前記対象(但し、ヒトは除く)に塗布して前記塗面を形成させることを特徴とする請求項6に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
- 前記油相に含まれて前記塗膜を形成するコーティング剤が、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項9に記載のコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の消毒方法。
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JP2023047365A JP7361965B1 (ja) | 2023-03-23 | 2023-03-23 | コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 |
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JP2023047365A JP7361965B1 (ja) | 2023-03-23 | 2023-03-23 | コロナウイルスを含む抗ウイルス活性、抗カビ活性、および抗菌活性を有する2液エマルジョンコーティング剤、及びコロナウイルスを含むウイルス、カビ、および細菌の除菌方法。 |
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