JP7360978B2 - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム装置に関する。
従来、集束イオンビーム又は電子ビーム等の荷電粒子ビームの照射によって試料を立体的に加工又は観察するために、試料を複数の回転軸の周りに回転させることによって荷電粒子ビームの入射角度を変更する荷電粒子ビーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-72089号公報
ところで、上記したような荷電粒子ビーム装置では、例えば各回転軸の回転機構の機械的な精度及び交差等に起因して、各回転軸の軸周りの回転に対する回転中心が変動する場合がある。回転中心の変動は荷電粒子ビームの照射位置の変動を生じさせるので、試料での所望の加工位置又は観察位置が変動するおそれがある。
本発明は、試料の回転に起因する位置ずれを適正に補正することによって荷電粒子ビームの照射位置の変動を抑制することができる荷電粒子ビーム装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る荷電粒子ビーム装置は、試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、前記試料を固定する固定部を有する試料ホルダと、前記試料ホルダを支持するステージと、第1回転軸及び前記第1回転軸に直交する方向に平行な第2回転軸の各軸周りに前記ステージから独立して前記固定部を回転させる固定部回転機構と、前記試料ホルダと一体に前記ステージを3次元的に並進及び第3回転軸の軸周りに回転させるステージ駆動機構と、前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する回転中心の位置変動を補正する補正値を取得して、前記補正値に応じて前記ステージを並進させることによって、前記試料での前記荷電粒子ビームの照射位置を補正する処理装置と、を備える。
上記構成では、前記補正値は、前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの回転の前後での前記回転中心の位置を回転前位置及び回転後位置として、前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の各々の回転基準位置に対する前記回転前位置のベクトル及び前記回転後位置のベクトルを合成して得られてもよい。
上記構成では、前記補正値は、前記回転中心が所定の閉曲線上で位置変動するとして得られてもよい。
上記構成では、前記閉曲線は楕円であってもよい。
上記構成では、前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の各軸周りの回転角度と前記補正値との対応関係を示すテーブルデータを記憶する記憶部を備え、前記処理装置は、前記テーブルデータから前記補正値を取得してもよい。
上記構成では、前記処理装置は、前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する前記照射位置の補正に加えて、前記固定部に対して相対的に設定された照射基準位置に対する前記試料の幾何学的な位置ずれを補正してもよい。
上記構成では、前記処理装置は、前記荷電粒子ビームの前記試料への照射中に前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの前記回転が実行される場合、回転実行後に前記照射位置を補正してもよい。
上記構成では、前記ステージ駆動機構は、前記並進及び前記第3回転軸の軸周りの前記回転に加えて、回転中心の位置が変化しないユーセントリックな傾斜軸の軸周りに前記試料ホルダと一体に前記ステージを傾斜させてもよい。
本発明によれば、試料の回転に関する回転軸の回転中心の位置変動を補正する処理装置を備えることによって、荷電粒子ビームの照射位置の変動を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態での荷電粒子ビーム装置の構成を示す図。 本発明の実施形態での荷電粒子ビーム装置の制御装置の構成を示す図。 本発明の実施形態での荷電粒子ビーム装置の試料ホルダの構成を模式的に示す図。 図3に示す試料ホルダの構成を詳細に示す図。 本発明の実施形態での荷電粒子ビーム装置のステージ及び固定部の回転を模式的に示す図。 本発明の実施形態での試料ホルダの固定部のS軸周りの回転に対する回転中心の変動例をX-Y平面上で示す図。 本発明の実施形態での試料ホルダの固定部のS軸周りの回転に対する回転中心の変動例をY-Z平面上で示す図。 本発明の実施形態での試料ホルダの固定部のF軸周りの回転に対する回転中心の変動例をX-Y平面上で示す図。 本発明の実施形態での試料ホルダの固定部のF軸周りの回転に対する回転中心の変動例をY-Z平面上で示す図。 本発明の実施形態での第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各軸周りの回転前後の例を示す図。 本発明の実施形態での荷電粒子ビーム装置の動作例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態に係る荷電粒子ビーム装置について、添付図面を参照しながら説明する。
(荷電粒子ビーム装置)
図1は、実施形態での荷電粒子ビーム装置10の構成を示す図である。図2は、荷電粒子ビーム装置10の制御装置25の構成を示す図である。
図1に示すように、荷電粒子ビーム装置10は、試料室11と、試料ホルダ12と、試料台13と、試料室11に固定される電子ビーム鏡筒15、集束イオンビーム鏡筒17及びガスイオンビーム鏡筒19とを備える。
荷電粒子ビーム装置10は、試料室11に固定される検出器として、例えば、二次荷電粒子検出器21を備える。荷電粒子ビーム装置10は、試料Pの表面にガスを供給するガス供給部23を備える。荷電粒子ビーム装置10は、試料室11の外部で荷電粒子ビーム装置10の動作を統合的に制御する制御装置25と、制御装置25に接続される入力装置27及び表示装置29を備える。
なお、以下において、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は各軸に平行な方向である。例えば、Z軸方向は荷電粒子ビーム装置10の上下方向(例えば、鉛直方向など)に平行である。X軸方向及びY軸方向は、荷電粒子ビーム装置10の上下方向に直交する基準面(例えば、水平面など)に平行である。
試料室11は、所望の減圧状態を維持可能な気密構造の耐圧筐体によって形成されている。試料室11は、排気装置(図示略)によって内部を所望の減圧状態になるまで排気可能である。
試料ホルダ12は、試料Pを固定する。試料ホルダ12は、試料Pを所定の第1回転軸(F軸)及び第2回転軸(S軸)の各軸周りに適宜の角度で回転させる。
実施形態での試料ホルダ12については後述する。
試料台13は、試料室11の内部に配置されている。試料台13は、試料ホルダ12を支持するステージ31と、試料ホルダ12と一体にステージ31を3次元的に並進及び回転させるステージ駆動機構33とを備える。
ステージ駆動機構33は、例えば、X軸、Y軸及びZ軸の各軸方向に沿ってステージ31を並進させる3つの並進機構(図示略)を備える。図2に示すように、ステージ駆動機構33は、例えば、所定の第3回転軸(R軸)及び傾斜軸(T軸)の各軸周りに適宜の角度でステージ31を回転させる2つの回転機構(図示略)を備える。第3回転軸(R軸)は、例えば、ステージ31に対して相対的に設定され、ステージ31が傾斜軸(T軸)の軸周りの所定基準位置である場合に、荷電粒子ビーム装置10の上下方向に平行である。傾斜軸(T軸)は、例えば、荷電粒子ビーム装置10の上下方向に直交する方向に平行である。ステージ駆動機構33は、荷電粒子ビーム装置10の動作モードなどに応じて制御装置25から出力される制御信号によって制御される。
電子ビーム鏡筒15は、試料室11の内部における所定の照射領域内の照射対象に電子ビーム(EB)を照射する。電子ビーム鏡筒15は、例えば、電子ビームの出射端部15a(図1参照)を荷電粒子ビーム装置10の上下方向に対して所定角度傾斜した第1傾斜方向でステージ31に臨ませる。電子ビーム鏡筒15は、電子ビームの光軸15bを第1傾斜方向に平行にして、試料室11に固定されている。
電子ビーム鏡筒15は、電子を発生させる電子源と、電子源から射出された電子を集束及び偏向させる電子光学系とを備える。電子光学系は、例えば、電磁レンズ及び偏向器などを備える。電子源及び電子光学系は、電子ビームの照射位置及び照射条件などに応じて制御装置25から出力される制御信号によって制御される。
集束イオンビーム鏡筒17は、試料室11の内部における所定の照射領域内の照射対象に集束イオンビーム(FIB)を照射する。集束イオンビーム鏡筒17は、例えば、集束イオンビームの出射端部17a(図1参照)を荷電粒子ビーム装置10の上下方向でステージ31に臨ませる。集束イオンビーム鏡筒17は、集束イオンビームの光軸17bを上下方向に平行にして、試料室11に固定されている。
集束イオンビーム鏡筒17は、イオンを発生させるイオン源と、イオン源から引き出されたイオンを集束及び偏向させるイオン光学系とを備える。イオン光学系は、例えば、コンデンサレンズなどの第1静電レンズと、静電偏向器と、対物レンズなどの第2静電レンズとなどを備える。イオン源及びイオン光学系は、集束イオンビームの照射位置及び照射条件などに応じて制御装置25から出力される制御信号によって制御される。イオン源は、例えば、液体ガリウムなどを用いた液体金属イオン源、プラズマ型イオン源及びガス電界電離型イオン源などである。
ガスイオンビーム鏡筒19は、試料室11の内部における所定の照射領域内の照射対象にガスイオンビーム(GB)を照射する。ガスイオンビーム鏡筒19は、例えば、ガスイオンビームの出射端部19a(図1参照)を、電子ビーム鏡筒15とは異なる傾斜方向であって荷電粒子ビーム装置10の上下方向に対して所定角度傾斜した第2傾斜方向でステージ31に臨ませる。ガスイオンビーム鏡筒19は、ガスイオンビームの光軸19bを第2傾斜方向に平行にして、試料室11に固定されている。
ガスイオンビーム鏡筒19は、ガスイオンを発生させるイオン源と、イオン源から引き出されたガスイオンを集束及び偏向させるイオン光学系とを備える。イオン光学系は、例えば、コンデンサレンズなどの第1静電レンズと、静電偏向器と、対物レンズなどの第2静電レンズとなどを備える。イオン源及びイオン光学系は、ガスイオンビームの照射位置及び照射条件などに応じて制御装置25から出力される制御信号によって制御される。イオン源は、例えば、PIG(Penning Ionization Gauge)型イオン源などであり、アルゴン(Ar)ガスなどの希ガス又は酸素などの他のガスのイオンを発生させる。
電子ビーム鏡筒15の光軸15b、集束イオンビーム鏡筒17の光軸17b及びガスイオンビーム鏡筒19の光軸19bは、例えば、試料台13の上方の所定位置で交差している。
なお、電子ビーム鏡筒15、集束イオンビーム鏡筒17及びガスイオンビーム鏡筒19の互いの配置は適宜に入れ替えられてもよい。例えば、電子ビーム鏡筒15又はガスイオンビーム鏡筒19は上下方向に配置され、集束イオンビーム鏡筒17は上下方向に対して傾斜する傾斜方向に配置されてもよい。
荷電粒子ビーム装置10は、照射対象の表面に集束イオンビーム又はガスイオンビームを走査しながら照射することによって、被照射部の画像化と、スパッタリングによる各種の加工(掘削及びトリミング加工など)と、デポジション膜の形成となどを実行可能である。荷電粒子ビーム装置10は、試料Pから透過電子顕微鏡による透過観察用の試料片(例えば、薄片試料及び針状試料など)及び電子ビームによる分析用の分析試料片などを形成する加工を実行可能である。荷電粒子ビーム装置10は、試料片ホルダに移設された試料片を、透過電子顕微鏡による透過観察に適した所望の厚さの薄膜とする加工を実行可能である。荷電粒子ビーム装置10は、試料P、試料片及びニードルなどの照射対象の表面に集束イオンビーム、ガスイオンビーム又は電子ビームを走査しながら照射することによって、照射対象の表面の観察を実行可能である。
図1に示すように、二次荷電粒子検出器21は、集束イオンビーム、ガスイオンビーム又は電子ビームの照射によって照射対象から発生する二次荷電粒子(二次電子及び二次イオン)を検出する。二次荷電粒子検出器21は制御装置25に接続されており、二次荷電粒子検出器21から出力される検出信号は制御装置25に送信される。
荷電粒子ビーム装置10は、二次荷電粒子検出器21に限らず、他の検出器を備えてもよい。他の検出器は、例えば、EDS( Energy Dispersive X-ray Spectrometer)検出器、反射電子検出器及びEBSD(Electron Back-Scattering Diffraction)検出器などである。EDS検出器は、電子ビームの照射によって照射対象から発生するX線を検出する。反射電子検出器は、電子ビームの照射によって照射対象から反射される反射電子を検出する。EBSD検出器は、電子ビームの照射によって照射対象から発生する電子線後方散乱回折パターンを検出する。なお、二次荷電粒子検出器21のうち二次電子を検出する二次電子検出器及び反射電子検出器は、電子ビーム鏡筒15の筐体内に収容されてもよい。
ガス供給部23は、試料室11に固定されている。ガス供給部23は、ステージ31に臨ませて配置されるガス噴射部(ノズル)を備える。ガス供給部23は、エッチング用ガス及びデポジション用ガスなどを照射対象に供給する。エッチング用ガスは、集束イオンビーム又はガスイオンビームによる照射対象のエッチングを照射対象の材質に応じて選択的に促進する。デポジション用ガスは、照射対象の表面に金属又は絶縁体などの堆積物によるデポジション膜を形成する。
ガス供給部23は、荷電粒子ビーム装置10の動作モードなどに応じて制御装置25から出力される制御信号によって制御される。
制御装置25は、例えば、入力装置27から出力される信号又は予め設定された自動運転制御処理によって生成される信号等によって、荷電粒子ビーム装置10の動作を統合的に制御する。図2に示すように、制御装置25は、例えば、試料台13のステージ駆動機構33を制御する試料台制御部41と、後述する固定部回転機構67を制御する試料ホルダ制御部43と、試料台制御部41及び固定部回転機構67を統合的に制御する制御部45と、記憶部47とを備える。
制御装置25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。制御装置25の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
図1に示すように、入力装置27は、例えば、操作者の入力操作に応じた信号を出力するマウス及びキーボード等である。
表示装置29は、荷電粒子ビーム装置10の各種情報と、二次荷電粒子検出器21から出力される信号によって生成された画像データと、画像データの拡大、縮小、移動及び回転等の操作を実行するための画面等を表示する。
(試料ホルダ)
図3は、実施形態での試料ホルダ12の構成を模式的に示す図である。図4は、試料ホルダ12の構成を詳細に示す図であって、図3に示す領域Bの拡大図である。試料ホルダ12は、例えば、図3に示すように、基台61と、一対の第1支持部62と、回動台63と、一対の第2支持部64(図4参照)と、傾斜台65と、固定部66と、固定部回転機構67とを備える。
基台61は、試料台13のステージ31によって支持される。基台61は、例えば、ステージ31に設けられた位置決め機構(図示略)などによってステージ31上に位置決め及び固定される。
一対の第1支持部62は、基台61に固定されている。一対の第1支持部62は、基台61に対して相対的に設定された所定の第1方向D1に所定間隔をあけて向かい合うように配置されている。第1方向D1は、例えば、基台61の厚さ方向に直交する長手方向などである。
一対の第1支持部62は、回動台63を回転可能に支持する支軸62aを備える。支軸62aの中心軸線は、第1方向D1に平行な第1回転軸(F軸)の中心軸線と同一である。一対の第1支持部62の互いの支軸62aは、第1方向D1で互いに向かい合う方向に突出して延びている。
回動台63は、例えば、基台61の表面61Aに形成された凹部61aに配置されている。回動台63は、一対の第1支持部62の支軸62aに回転可能に連結される一対の軸受部63aを備える。回動台63は、一対の軸受部63aを介して一対の第1支持部62に支持されていることによって、第1回転軸(F軸)の軸周りに適宜の角度で回転する。
図4に示すように、一対の第2支持部64は、回動台63に固定されている。一対の第2支持部64は、基台61に対して相対的に設定された所定の第2方向D2に所定間隔をあけて向かい合うように配置されている。第2方向D2は、例えば、第1方向D1の直交方向に平行であって、基台61の厚さ方向に直交する短手方向などである。
一対の第2支持部64は、傾斜台65を回転可能に支持するローラ64a及びローラ軸64bを備える。ローラ64a及びローラ軸64bの中心軸線は、第2方向D2に平行な軸線Gと同一である。
ローラ64aは、例えば、ベアリングなどを介してローラ軸64bの先端部に回転可能に連結されている。一対の第2支持部64の互いのローラ軸64bは、第2方向D2で互いに向かい合う方向に突出して延びている。
傾斜台65は、例えば、回動台63の表面63Aに形成された凹部63bに配置されている。傾斜台65の外形は、例えば、円柱体の一部を中心軸に平行な切断面で切り欠いて得られるような、半円状の両端面を有する柱状などである。傾斜台65の軸線は、第2方向D2に平行である。
傾斜台65は、第2方向D2に平行な軸線方向の両端部に一対の第2支持部64のローラ64aが配置されるガイド部65aを備える。ガイド部65aの外形は、例えば、一定の曲率半径で湾曲する壁面を有する凹溝状などである。ガイド部65aは、第2回転軸(S軸)の軸周りで一定の曲率半径で湾曲するとともにローラ64aの外周面に接触するガイド面65Aを備える。傾斜台65は、ガイド面65Aによって滑り無しにローラ64aの回転をガイドすることによって、第2回転軸(S軸)の軸周りに適宜の角度で回転する。
傾斜台65は、例えば、軸線方向の両端部の間で第2回転軸(S軸)の軸周りで湾曲した外周部にウォームホイール部65bを備える。ウォームホイール部65bのピッチ円の中心は、ガイド面65Aの曲率中心とともに、第2回転軸(S軸)の軸線上に位置する。傾斜台65は、例えば、ウォームホイール部65bに噛み合うウォーム(図示略)を介して第2回転軸(S軸)の軸周りの回転駆動力が印加される。
傾斜台65は、軸線方向の両端部の間で外周部に接続される平面部65cを備える。
固定部66は、試料Pを固定する。固定部66は、傾斜台65の平面部65cに固定されている。固定部66は、例えば、試料Pが取り付けられるグリッド66aを備える。
図3に示すように、固定部回転機構67は、例えば、所定の第1回転軸(F軸)及び第2回転軸(S軸)の各軸周りに適宜の角度で固定部66を回転させる2つの回転機構(図示略)を備える。固定部回転機構67は、荷電粒子ビーム装置10の動作モードなどに応じて制御装置25から出力される制御信号によって制御される。
以下、荷電粒子ビーム装置10の動作について説明する。
図5は、荷電粒子ビーム装置10の試料台13のステージ31及び試料ホルダ12の固定部66の回転を模式的に示す図である。
ステージ駆動機構33及び固定部回転機構67の各々は、例えば機械的な精度及び交差などを無視できる場合などのような理想的な位置合わせ状態では、ステージ31を第3回転軸(R軸)及び傾斜軸(T軸)の各軸周りに、回転中心の位置が変化しないユーセントリック(eucentric)に回転させるとともに、固定部66を第1回転軸(F軸)及び第2回転軸(S軸)の各軸周りに、回転中心の位置が変化しないユーセントリックに回転させる。ステージ駆動機構33は、例えば、X軸、Y軸及びZ軸の各軸方向に沿ってステージ31を並進させる。
制御装置25は、ステージ駆動機構33及び固定部回転機構67の各々の回転動作に対して、試料Pの幾何学的な位置ずれを補正する処理と、回転中心の位置変動を補正する処理とを実行する。
試料Pの幾何学的な位置ずれは、例えば固定部66に対する試料Pの取り付け位置及び試料Pの形状などに起因する試料Pに対する所望の照射位置とユーセントリック位置との幾何学的な位置ずれである。
回転中心の位置変動は、例えば機械的な精度及び交差などに起因する各回転軸及び傾斜軸の回転中心の位置変動である。
制御装置25は、例えば、回転中心の位置変動を補正するためのテーブルデータを予め記憶部47に記憶している。テーブルデータは、例えば、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各軸周りの回転角度と補正値との対応関係を示すデータである。補正値は、例えば、各回転軸の回転中心に対して設定された所定の基準となる回転基準位置からの回転中心のずれに関する空間的なベクトル量である。回転基準位置は、例えば、各回転軸の軸周りの回転角度が所定値(例えば、ゼロなど)である場合の回転中心の位置である。各軸周りの回転による回転中心のずれは、他の軸周りの回転による影響を受けない。制御装置25は、例えば、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の少なくともいずれか1つの軸周りの回転が実行される場合、各回転軸の軸周りの回転角度の情報に基づいてテーブルデータを参照することによって補正値を取得する。複数の軸周りの回転が実行される場合、各回転軸の補正値を加算して最終的な補正値を取得する。制御装置25は、例えば、取得した補正値に基づいて回転中心の位置変動を相殺するように、ステージ駆動機構33によってステージ31を3次元的に並進させることによって、試料Pに対する荷電粒子ビームの照射位置を補正する。
図6は、試料ホルダ12の固定部66のS軸周りの回転に対する回転中心の変動例をX-Y平面上で示す図である。図7は、試料ホルダ12の固定部66のS軸周りの回転に対する回転中心の変動例をY-Z平面上で示す図である。図8は、試料ホルダ12の固定部66のF軸周りの回転に対する回転中心の変動例をX-Y平面上で示す図である。図9は、試料ホルダ12の固定部66のF軸周りの回転に対する回転中心の変動例をY-Z平面上で示す図である。
テーブルデータの補正値は、例えば、各回転軸の回転中心が3次元空間における所定の閉曲線上で位置変動するとして得られる。所定の閉曲線は、例えば、楕円である。所定の閉曲線は、例えば、予め荷電粒子ビーム装置10に対して実施される回転中心の位置変動の測定によって取得される複数の測定点(例えば、少なくとも3つの測定点など)に基づいて生成される。
制御装置25は、例えば、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の少なくともいずれか1つの軸周りの回転の前後での各回転軸の回転中心の位置を回転前位置及び回転後位置とする。制御装置25は、回転の前後での各回転軸の回転角度に基づいてテーブルデータから補正値を取得する。制御装置25は、各回転軸の回転前の回転角度に対応する補正値から回転基準位置に対する回転前位置のベクトル(移動前オフセット量)を取得し、各回転軸の回転後の回転角度に対応する補正値から回転基準位置に対する回転後位置のベクトル(移動後オフセット量)を取得する。制御装置25は、回転前位置のベクトル及び回転後位置のベクトルを合成して得られる合成ベクトルを新たな補正値として用いてステージ駆動機構33を動作させることによって回転中心の位置変動を補正する。
例えば、回転前の回転中心が回転基準位置と一致していない場合、つまり回転前の各回転軸の軸周りの回転角度が所定値(例えば、ゼロなど)ではない場合、回転前の回転角度に対応する補正値による補正がいわばリセットされてから、回転後の回転角度に対応する補正値による補正がいわば新たに行われる。
例えば、回転前の回転中心が回転基準位置と一致している場合、つまり回転前の各回転軸の軸周りの回転角度が所定値(例えば、ゼロなど)である場合は、上述の合成ベクトルで回転前位置のベクトルがゼロである場合に相当する。この場合、回転前の回転角度に対応する補正値による補正のリセットは不要となり、回転後の回転角度に対応する補正値による補正のみが行われる。
図10は、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各軸周りの回転前後の例を示す図である。
例えば、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各回転角度が0°、-30°及び90°である第1の状態から各回転角度が0°、30°及び180°である第2の状態へと移行する場合、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各回転角度が変化することに伴い、回転中心の補正が行われる方向(補正方向)は変化する。例えば第2回転軸(S軸)の回転中心に対する補正の場合、第1の状態での補正方向はZ軸方向及びX軸方向であることに対して、第2の状態での補正方向はZ軸方向及びY軸方向である。このように回転の前後で補正方向が変化する場合、第1の状態を回転基準位置に変化させる第1の補正量と、回転基準位置を第2の状態に変化させる第2の補正量との合成によって移動後の補正量が得られる。例えば、先ず、第1の状態から第2回転軸(S軸)の回転角度をゼロにするための第1の補正量が取得される。次に、第3回転軸(R軸)周りの回転が反映された後、第2回転軸(S軸)の回転角度をゼロから第2の状態にするための第2の補正量が取得される。第1の補正量と第2の補正量との合成により得られる補正量が、第1の状態から第2の状態への移動後の補正量となる。
例えば、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各回転角度が0°、-30°及び90°である第1の状態から各回転角度が-90°、30°及び90°である第3の状態へと移行する場合、第1回転軸(F軸)及び第2回転軸(S軸)の各回転角度が変化することに伴い、回転中心の補正が行われる方向(補正方向)は変化する。例えば第2回転軸(S軸)の回転中心に対する補正の場合、第1の状態での補正方向はZ軸方向及びX軸方向であることに対して、第3の状態での補正方向はX軸方向及びY軸方向である。このように回転の前後で補正方向が変化する場合、第1の状態を回転基準位置に変化させる第1の補正量と、回転基準位置を第3の状態に変化させる第3の補正量との合成によって移動後の補正量が得られる。例えば、先ず、第1の状態から第2回転軸(S軸)の回転角度をゼロにするための第1の補正量が取得される。次に、第1回転軸(F軸)周りの回転が反映された後、第2回転軸(S軸)の回転角度をゼロから第3の状態にするための第3の補正量が取得される。第1の補正量と第3の補正量との合成により得られる補正量が、第1の状態から第3の状態への移動後の補正量となる。
図11は、荷電粒子ビーム装置10の動作例として、第1回転軸(F軸)及び第2回転軸(S軸)の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する回転中心の位置変動を補正する処理を示すフローチャートである。なお、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する回転中心の位置変動を補正する処理についても同様である。
先ず、制御装置25は、トータル補正量をゼロに初期化する(ステップS01)。トータル補正量は、試料Pの幾何学的な位置ずれを補正する補正量と、回転中心の位置変動を補正する補正量(上述の合成ベクトル)との合算量である。
次に、制御装置25は、第1回転軸(F軸)又は第2回転軸(S軸)の各軸周りの回転(スイング)が有るか否かを判定する(ステップS02)。
この判定結果が「NO」の場合(ステップS02:NO)には、制御装置25は、処理をエンドに進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合(ステップS02:YES)には、制御装置25は、処理をステップS03に進める。
次に、制御装置25は、ステップS03からステップS05の一連のループ処理として、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各軸に対して移動前オフセット量を取得する。
例えば、制御装置25は、先ず、初期値がゼロである軸数パラメータNAxの現時点の値に1を加算して得られる値を、新たに軸数パラメータNAxに設定する(ステップS03)。
次に、制御装置25は、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)のうち軸数パラメータNAxに対応するいずれかひとつに対して移動前オフセット量を取得する(ステップS04)。
次に、制御装置25は、軸数パラメータNAxが所定の軸数(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS05)。
この判定結果が「YES」の場合(ステップS05:YES)には、制御装置25は、処理をステップS03に戻す。
一方、この判定結果が「NO」の場合(ステップS05:NO)には、制御装置25は、軸数パラメータNAxを初期化して、処理をステップS06に進める。
次に、制御装置25は、ステップS06からステップS10の一連のループ処理として、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の各軸に対してトータル補正量を取得する。
例えば、制御装置25は、先ず、初期値がゼロである軸数パラメータNAxの現時点の値に1を加算して得られる値を、新たに軸数パラメータNAxに設定する(ステップS06)。
次に、制御装置25は、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)のうち軸数パラメータNAxに対応するいずれかひとつに対して移動後オフセット量を取得する(ステップS07)。
次に、制御装置25は、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)のうち軸数パラメータNAxに対応するいずれかひとつに対して試料Pの幾何学的な位置ずれを補正する補正量(幾何学的補正量)を取得する(ステップS08)。
次に、制御装置25は、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)のうち軸数パラメータNAxに対応するいずれかひとつに対して、移動前オフセット量及び移動後オフセット量のベクトル合成によって得られる合成ベクトルと幾何学的補正量との合算によってトータル補正量を取得する(ステップS09)。
次に、制御装置25は、軸数パラメータNAxが所定の軸数(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS10)。
この判定結果が「YES」の場合(ステップS10:YES)には、制御装置25は、処理をステップS06に戻す。
一方、この判定結果が「NO」の場合(ステップS10:NO)には、制御装置25は、処理をステップS11に進める。
次に、制御装置25は、各回転軸のトータル補正量を用いてステージ駆動機構33を動作させることによって、試料Pの幾何学的な位置ずれを補正するとともに、回転中心の位置変動を補正する(ステップS11)。そして、制御装置25は、処理をエンドに進める。
上述したように、実施形態の荷電粒子ビーム装置10は、第1回転軸(F軸)、第2回転軸(S軸)及び第3回転軸(R軸)の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する回転中心の位置変動を補正する補正値を取得する制御装置25を備える。これにより、試料Pの回転に起因する位置ずれを適正に補正して、荷電粒子ビームの照射位置の変動を抑制することができる。例えば、試料Pの仕上げ加工時などに試料Pを各回転軸周りに回転させる場合であっても、ユーセントリックな状態を維持して所望の加工を精度良く行うことができる。
制御装置25は、回転の前後での回転前位置のベクトル及び回転後位置のベクトルを合成して得られる合成ベクトルを用いてステージ駆動機構33を動作させることによって回転中心の位置変動を補正する。これにより、例えば、回転前の回転中心が回転基準位置と一致していない状態で回転角度に対応する補正値のみを用いる場合、つまり移動前オフセット量を考慮せずに移動後オフセット量のみを用いる場合に回転中心の位置変動を適正に補正することができないことに対して、適正かつ精度の良い補正を行うことができる。
制御装置25は、回転中心が所定の閉曲線(例えば、楕円など)上で位置変動するとして得られる補正値を取得することによって、各回転軸の回転機構の機械的な精度及び交差等に起因する回転中心の位置変動を精度良く補正することができる。
制御装置25は、予め作成されたテーブルデータから補正値を取得することによって、迅速かつ容易に回転中心の位置変動を補正することができる。
制御装置25は、回転中心の位置変動の補正に加えて、試料Pの幾何学的な位置ずれを補正することによって、試料Pに対する荷電粒子ビームの照射位置を精度良く補正することができる。
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。
上述の実施形態では、制御装置25は、回転前の回転中心が回転基準位置と一致していない場合、回転の前後での各回転軸の回転角度に基づいてテーブルデータから取得した補正値を用いて合成ベクトルを生成するとしたが、これに限定されない。
例えば、制御装置25は、予め生成された合成ベクトルのテーブルデータを参照して、合成ベクトルのデータを回転中心の位置変動に対する補正値として取得してもよい。
なお、上述の実施形態では、制御装置25は、荷電粒子ビームの試料Pへの照射中に各回転軸周りの回転が実行される場合、回転実行後に照射位置を補正してもよいし、あるいは、回転実行中に照射位置を補正してもよい。
上述の実施形態では、荷電粒子ビーム装置10は、電子ビーム鏡筒15、集束イオンビーム鏡筒17及びガスイオンビーム鏡筒19を備えるとしたが、これに限定されない。
例えば、荷電粒子ビーム装置10は、電子ビーム鏡筒15、集束イオンビーム鏡筒17及びガスイオンビーム鏡筒19の少なくともいずれかひとつを備えてもよい。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…荷電粒子ビーム装置、11…試料室、12…試料ホルダ、13…試料台、15…電子ビーム鏡筒(荷電粒子ビーム鏡筒)、17…集束イオンビーム鏡筒(荷電粒子ビーム鏡筒)、19…ガスイオンビーム鏡筒(荷電粒子ビーム鏡筒)、25…制御装置(処理装置)、31…ステージ、33…ステージ駆動機構、47…記憶部、61…基台、62…第1支持部、63…回動台、64…第2支持部、65…傾斜台、66…固定部、67…固定部回転機構。

Claims (7)

  1. 試料に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム鏡筒と、
    前記試料を固定する固定部を有する試料ホルダと、
    前記試料ホルダを支持するステージと、
    第1回転軸及び前記第1回転軸に直交する方向に平行な第2回転軸の各軸周りに前記ステージから独立して前記固定部を回転させる固定部回転機構と、
    前記試料ホルダと一体に前記ステージを3次元的に並進及び第3回転軸の軸周りに回転させるステージ駆動機構と、
    前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する回転中心の位置変動を補正する補正値を取得して、前記補正値に応じて前記ステージを並進させることによって、前記試料での前記荷電粒子ビームの照射位置を補正する処理装置と、
    を備え、
    前記補正値は、
    前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの回転の前後での前記回転中心の位置を回転前位置及び回転後位置として、前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の各々の回転基準位置に対する前記回転前位置のベクトル及び前記回転後位置のベクトルを合成して得られる、
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  2. 前記補正値は、
    前記回転中心が所定の閉曲線上で位置変動するとして得られる、
    ことを特徴とする請求項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  3. 前記閉曲線は楕円である、
    ことを特徴とする請求項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  4. 前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の各軸周りの回転角度と前記補正値との対応関係を示すテーブルデータを記憶する記憶部を備え、
    前記処理装置は、前記テーブルデータから前記補正値を取得する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  5. 前記処理装置は、
    前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの回転に対する前記照射位置の補正に加えて、前記固定部に対して相対的に設定された照射基準位置に対する前記試料の幾何学的な位置ずれを補正する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  6. 前記処理装置は、
    前記荷電粒子ビームの前記試料への照射中に前記第1回転軸、前記第2回転軸及び前記第3回転軸の少なくともいずれか1つの軸周りの前記回転が実行される場合、回転実行後に前記照射位置を補正する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  7. 前記ステージ駆動機構は、
    前記並進及び前記第3回転軸の軸周りの前記回転に加えて、回転中心の位置が変化しないユーセントリックな傾斜軸の軸周りに前記試料ホルダと一体に前記ステージを傾斜させる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
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