JP7358176B2 - 清掃用シートおよび清掃具 - Google Patents

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Description

本発明は、清掃用シートおよび該清掃用シートを備える清掃具に関する。
フローリング等の床面を清掃するための各種の清掃具(拭取り用具)が広く知られている。この種の清掃具としては、例えば、棒状の柄の端部に取り付けられたヘッドと、該ヘッドに着脱可能な清掃用シートとを備え、ヘッドに清掃用シートを固定して使用されるものが知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の清掃具は、床等の被清掃体の面に対して、上記の清掃用シートの片面(クリーニング面)を摺接させることによって、被清掃体の面上のゴミ(除去対象物)を捕捉できる。
特開平9-220191号公報
上記のような清掃具に装着される清掃用シートとして、シート状の繊維集合体を被清掃体に摺接して使用される、いわゆるドライタイプのシートが広く普及している。ドライタイプの清掃用シートによれば、一般的に不織布、織布と称される繊維集合体の微細な繊維構造を利用してゴミを捕捉できる。ドライタイプの清掃用シートは、繊維集合体を用いているため、微細な塵埃や水分の捕捉に適するものの、砂粒、食品屑、毛髪等といった比較的重いゴミを捕捉できない傾向にある。また、ドライタイプの清掃用シートは、家庭内における床面などの平滑な木製の床面に対しては、よく滑って作業しやすいものの、例えばコンクリートやアスファルトのような硬質の粗面に対しては、繊維が凸面に引っかかるため滑りにくく、使用中に破れ、千切れ、解れ、又は劣化が生じやすい。従って、繊維集合体を用いた従来のドライタイプの清掃用シートは、適用できる被清掃体が制限され、被清掃体の表面形状や材質によっては良好な滑り性が得られず、耐久性にも劣り、実使用に耐えることができない。
例えば、特許文献1に記載の清掃用シートは、繊維集合体を被清掃体に摺接して使用するため、上述の滑り性や耐久性の問題を有する。また、特許文献1に記載の清掃用シートは、ゴミを捕捉するための粘着層を有するが、粘着層を覆うように上記の繊維集合体が配置され、粘着層が表面に露出する面積が制限されており、被清掃体が平滑な木製の床面であっても、ゴミ捕捉性の点で満足できるものではない。
本発明は、上記の課題を解決すべく創出されたものであり、良好な滑り性、ゴミ捕捉性、および耐久性を有する清掃用シートを提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、上記清掃用シートを備えた清掃具を提供することである。
本発明に係る清掃用シートは、
被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に連続する部材によって構成され、
前記面方向の少なくとも一方向における前記部材の引張強度が、35N/50mm以上であり、
前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
前記クリーニング面における前記粘着凹部の露出面積の割合は、35%以上である。
上記構成の清掃用シートは、クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられるため、主に凸部の先端で摺接する。凸部よりも凹んだ粘着凹部が被清掃体に接触することなく摺接できるため、摺接時の摩擦力を比較的小さくすることができる。従って、上記の清掃用シートは、被清掃体の面に対して比較的摺接しやすく、良好な滑り性を有する。
また、上記構成の清掃用シートにおいて、前記粘着凹部の露出面積の割合は、35%以上であるため、粘着凹部が露出している面積割合が比較的高い。粘着凹部が比較的多く露出しているため、粘着凹部の粘着性によってゴミを良好に捕捉することができる。例えば、清掃作業者の拭き取り操作によって上記の清掃用シートが摺接されることによって、被清掃体のゴミがクリーニング面の粘着凹部にて捕捉される。捕捉されたゴミは、粘着凹部付近の窪みに集められることとなる。また、捕捉されたゴミが比較的重いゴミであっても、粘着凹部の粘着力によってゴミの捕捉が維持され得る。一方、従来の単なる繊維集合体で重いゴミが捕捉された場合、その重みによって、いったん捕捉されたゴミが繊維集合体から離れがちである。このように、上記の清掃用シートによれば、捕捉を維持することが比較的困難な、砂粒等といった比較的重量のあるゴミであっても、粘着凹部の粘着力によって、捕捉を維持することができる。従って、上記の清掃用シートは、良好なゴミ捕捉性を有する。
また、上記構成の清掃用シートは、凸部を構成する部材の引張強度が、35N/50mm以上であるため、摺接操作において、凸部を構成する部材の破れ、千切れ、解れ、又は劣化を抑制できる。このような比較的大きい剛性を有する部材によってクリーニング面が形成された清掃用シートは、良好な耐久性を有する。一方で、従来の単なる繊維集合体を用いた清掃用シートは、凹凸の多い工場の床面や、凹凸の多い屋外のコンクリート面などに対して使用されると、繊維の集合がほどけてしまい、耐久性を有しない。これに対して、上記の清掃用シートは、屋内のフローリングといった凹凸の少ない平滑な床面だけでなく、上記のごとき凹凸の多い屋外の粗い床面に対しても、良好な耐久性で使用することができる。
このように、上記構成の清掃用シートは、床面の材質や表面の凹凸形状により使用範囲が限定されず、良好な滑り性を有し、且つ、良好なゴミ捕捉性および耐久性を有する。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記凸部は、1つ又は複数の網状の前記部材で構成され、該部材が樹脂製であり、該部材の網目において前記粘着凹部が露出している。
面方向に連続した網状の部材であって樹脂製の部材の少なくとも1つで、凸部が構成され、しかも、上記のごとく部材の引張強度が35N/50mm以上であり且つ粘着凹部の露出面積の割合が35%以上であることによって、より良好なゴミ捕捉性と、より良好な耐久性とを発揮させることができる。また、斯かる凸部を有するクリーニング面を被清掃体の面に摺接させることによって、被清掃体の面が粗面であっても容易に摺接しやすく、良好な滑り性が発揮される。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記凸部は、複数の前記部材が積み重なって構成され、複数の前記部材の断面形状は、互いに異なっている。
また、より好ましい一態様では、前記網目は、複数のスリットが広がった網目であり、網状の前記部材いずれかは、断面が円形状の線部材で構成されている。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記凸部の先端部が丸みを有する。これにより、清掃用シートがより良好な滑り性を発揮する。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、上記の部材が繊維を含まない。上記の部材が繊維を含まないため、上記の部材で構成された凸部の先端を前記被清掃体に摺接させても、凸部から繊維が発生しない。よって、クリーンルーム、食品工場、病院といった清掃でも清掃用シートを好適に使用できる。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記クリーニング面の単位面積あたり、前記部材の質量が15g/m以上である。
凸部を構成する部材の質量が上記のごとく15g/m以上であることによって、より良好な滑り性を発揮させやすい。また、部材の材質や形状が同じであれば、上記の数値が大きくなると、凸部の突出高さが高くなるため、クリーニング面全体における平均粘着力が小さくなり得る。これにより、使用時における被清掃体(床面など)への意図しない貼りつきや、被清掃体に対する粘着凹部の粘着剤の糊残り(糊移行)を抑制できる。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さが、70μm以上である。
平均凸部高さが70μm以上であることによって、摺接時において、粘着力が比較的大きい粘着凹部と、被清掃体の面との当接をより抑制できる。このため、クリーニング面を摺接させるときの摩擦が抑えられ、滑り性がより良好になり、被清掃体の面に対してクリーニング面をより滑らかに摺接させることができる。また、粘着凹部の露出面が凸部先端から上記の数値以上窪んだ位置に配置されるため、上述したように意図しないクリーニング面の貼り付きや、被清掃体に対する糊残り(糊移行)をより抑制できる。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記粘着凹部の各面積のうちの最大面積(S:mm)に対する、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:μm)の比(H/S)は、3以上400以下である。
上記の比(H/S)が3以上であることによって、粘着凹部の最大面積に対する平均凸部高さが十分に大きくなることから、クリーニング面全体における粘着力がより小さくなり、より良好な滑り性が発揮される。また、上述したように、意図しないクリーニング面の貼り付きをより抑制できる。最大面積の粘着凹部が被清掃体に接触することが抑制されるため、糊残り(糊移行)を防止できる。
また、上記の比(H/S)が400以下であることによって、最大面積の粘着凹部によってゴミが捕捉されやすくなり、より良好なゴミ捕捉性が発揮される。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の背面側に配置された粘着層を備え、該粘着層の一部が前記粘着凹部を構成している。
斯かる構成の清掃用シートは、粘着層の面の上に凸部の構成部材を配置すればクリーニング面を形成できるため、比較的簡便に製造できる。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記粘着層の平均厚さTに対する、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さHの比(H/T)が、2.5よりも大きい。上記の比(H/T)が2.5よりも大きいことによって、粘着剤の平均厚さよりも、平均凸部高さが十分に大きくなるため、より良好な滑り性が発揮される。かかる構成では、粘着凹部が凸部先端から十分に窪むため、床面への意図しない貼りつきや糊残り(糊移行)が抑制される。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様は、前記粘着層を支持する支持基材をさらに備える。
粘着層が支持基材に支持されることによって、摺接時における粘着層の変形を抑えることができる。従って、粘着層の粘着性能が十分に発揮され、より良好なゴミ捕捉性が発揮される。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記支持基材は、樹脂シートおよび繊維シートのうち少なくとも1種を有する。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記部材と前記支持基材との間に前記粘着層が配置された積層構造を有する。
斯かる構成の清掃用シートは、粘着層に前記部材を重ねることによって製造できるため、比較的簡便に製造できるという利点を有する。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記支持基材が非繊維材料で形成されている。前記支持基材が非繊維材料で形成されているため、清掃用シートが被清掃体の清掃に使用されたときに支持基材に力が加わっても、支持基材から繊維が発生しない。よって、クリーンルーム、食品工場、病院といった清掃でも清掃用シートを好適に使用できる。
上記構成の清掃用シートの好ましい一態様では、前記部材、前記粘着層、及び前記支持基材が、いずれも非吸水材料で形成されている。
このため、斯かる態様の清掃用シートは、水洗されて繰り返し使用することもできる。
本発明の清掃具は、上記の清掃用シートと、該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える。
上記の清掃具では、上述したいずれかの清掃用シートが前記シート固定部に着脱可能に取り付けられている。清掃時に、例えばモップや粘着ロールクリーナーの操作方法と同様にして清掃具を操作することによって、シート固定部に取り付けられた清掃用シートを被清掃体の面に対して摺接させて、効率よく清掃作業を実施することができる。
本発明の清掃用シート及び清掃具は、良好な滑り性、ゴミ捕捉性、および耐久性を有するという効果を奏する。
一実施形態に係る清掃用シートを片面側(クリーニング面側)から見た模式図である。 一実施形態に係る清掃用シートを厚さ方向に(図1の破線部分で)切断した断面の模式図である。 一実施形態に係る清掃用シートが取り付けられた清掃具の概略構成を示す斜視図である。
以下、本発明に係る清掃用シートおよび清掃具の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
<清掃具>
本実施形態の清掃具100は、図3に示すように、後に詳述する清掃用シート1と、該清掃用シート1を固定するシート固定部120と、を備える。さらに、本実施形態の清掃具100は、柄として機能する棒状の把持部材110を備える。
シート固定部120は、清掃用シート1のクリーニング面10を平面状に保持するため平板状であり、自在継手130を介して把持部材110の一端で回動自在に連結されている。本実施形態では、シート固定部120は、平板状であり、厚さ方向の一方から見て矩形状(長方形)である。
本実施形態の清掃用シート1は、例えば次のようにしてシート固定部120に取り付けられる。詳しくは、清掃用シート1の一方の面には、被清掃体に摺接されるクリーニング面10と、摺接されない非クリーニング面20とが形成されている。清掃用シート1のクリーニング面10が外側を向くように、シート固定部120の一方の面(使用時に被清掃体に対向する平滑面)に、清掃用シート1を重ねる。シート固定部120の向かい合う長辺の縁で、清掃用シート1を折り返して、シート固定部120の他方の面(被清掃体に対向しない面)に非クリーニング面20の形成部分を固定する。本実施形態において、シート固定部120の他方の面には、可撓性部材に放射状スリット140が形成され、斯かるスリットに非クリーニング面20の形成部分の一部を押し込むことによって、シート固定部120に清掃用シート1を着脱可能に固定できる。固定する手段としては、これに限定されず、クリップ等の公知の固定手段を採用できる。このようにして、清掃用シート1は、シート固定部120に着脱可能に取り付けられる。
使用されることによって傷みや汚れが生じた清掃用シート1は、交換が必要となったときに、シート固定部120から簡単に取り外すことができる。そして、使用済みの清掃用シート1は、未使用の新しい清掃用シート1と取り換えられる。
<清掃用シート>
本実施形態の清掃用シート1は、図1及び図2に示すように、シート状である。本実施形態の清掃用シート1には、被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。
クリーニング面10は、凹凸を有し、凸部12の先端を被清掃体に摺接させて用いられる。凸部12は、クリーニング面10の面方向に連続する部材30によって構成されている。
クリーニング面10の面方向の少なくとも一方向における上記部材30の引張強度は、35N/50mm以上である。
クリーニング面10は、上記の部材30よりも粘着力が高く且つクリーニング面10に露出している粘着凹部14をさらに有する。クリーニング面10における粘着凹部14の露出面積の割合は、35%以上である。
以下、本実施形態の清掃用シート1について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
本実施形態の清掃用シート1は、図2に示すように、被清掃体に摺接させる凸部の構成部材30と、支持基材50と、上記の部材30と支持基材50との間に配置された粘着層40とを有する積層構造を備える。
換言すると、本実施形態の清掃用シート1は、清掃具100に固定したときにシート固定部120に対向する支持基材50と、支持基材50の表面の一部に重なった粘着層40と、粘着層40の表面に重なった上記の部材30と、を有する。より詳しくは、支持基材50の一方の面の中央部分を少なくとも覆うように粘着層40が配置され、粘着層40の一方の面(被清掃体に対向する面)に重なるように上記の部材30が配置されている。
本実施形態の清掃用シート1には、図1及び図2に示すように、片面側(シート固定部120に固定されたときに外を向く側)に、床等の被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面10が形成されている。また、清掃用シート1には、非クリーニング面20も形成されている。清掃用シート1が折り返されてシート固定部120に固定されるときに、非クリーニング面20の形成部分が固定に利用される。本実施形態において、クリーニング面10は、凸部12と粘着層40の一部(粘着凹部14)とによって形成され、一方、非クリーニング面20は、支持基材50の表面によって形成されている。図1に示すように、矩形状の清掃用シート1を片面側から見たときに、向かい合う2つの帯状の非クリーニング面20の間に、1つのクリーニング面10が配置されている。換言すると、長方形状のクリーニング面10が、帯状の2つの非クリーニング面20に挟み込まれるように配置されている。
なお、クリーニング面10は、上記のごとく清掃用シート1の片面側のみに形成されていてもよく、両面側にそれぞれ形成されていてもよい。
清掃用シート1のクリーニング面10は、凹凸を有する。クリーニング面10は、先端を被清掃体に摺接させて用いられる凸部12であってクリーニング面10の面方向に連続する部材30によって構成された凸部12と、凸部を構成する部材30よりも粘着力が高く且つクリーニング面10に露出している粘着凹部14とを有する。
本実施形態において、凸部を構成する部材30は、網状に連続し且つ網目によって開口している少なくとも1つの網状樹脂製部材である。この部材30は、粘着層40の表面に接するように配置されている。凸部12は、重なり合った複数の部材30によって構成されてもよい。
粘着凹部14は、上記の網目の開口Aにおいて露出しているものの、凸部12の突出高さ分、凸部12の先端から窪んでいる。
上記の構成により、粘着凹部14が比較的強い粘着力を有するものの、粘着凹部14が凸部12の先端よりも窪んでいるため、クリーニング面10は、粘着凹部14の粘着力による摩擦力の影響をあまり受けない。主に凸部12の先端が被清掃体の面に対して摺接されるため、摺接時の摩擦力が比較的小さい。従って、清掃用シート1は、良好な滑り性を有する。
また、粘着凹部14の露出面積の割合が35%以上であるため、粘着凹部14が露出している面積割合が比較的高い。これにより、摺接に伴って粘着凹部14付近に集まったゴミが粘着凹部14によって捕捉され、粘着凹部14の粘着力によって捕捉が維持され得る。従って、清掃用シート1は、良好なゴミ捕捉性を有する。
凸部を構成する部材30の引張強度が、35N/50mm以上であり比較的大きいため、拭き取り操作における凸部の構成部材30の破れ、千切れ、解れ、又は劣化を抑制できる。従って、清掃用シート1は、良好な耐久性を有する。
なお、本実施形態では、凸部の構成部材30としてポリエチレン(PE)製の網状樹脂シートを用い、粘着層40としてスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)系粘着剤で形成された層を用い、支持基材50としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることが好ましい。
(凸部を構成する部材)
凸部を構成する部材30には、厚さ方向に貫通する多数の孔によって開口Aが形成されている。これらの開口Aにおいて、粘着凹部14が露出している。詳しくは、上述した網状部材の網目によって開口Aが形成されている。複数の網状部材が重なり合っている場合、網目が重なった状態でも厚さ方向に貫通している孔によって開口Aが形成されている。
凸部を構成する部材30に形成された各開口Aの面積、換言すると、クリーニング面10における各粘着凹部14の面積は、滑り性およびゴミ捕捉性を考慮して適切に設定される。
例えば、各開口Aのうちの最大面積S(各粘着凹部14の最大面積)は、40mm以下であることが好ましい。これにより、クリーニング面10において部分的に存在する粘着凹部14の最大面積が比較的小さいため、清掃用シート1が床面へ意図せず貼り付くことや粘着剤の被清掃体に対する糊残り(糊移行)を抑制できる。最大面積(S:mm)は、より良好な滑り性を発揮させるという点で、好ましくは40mm以下であり、より好ましくは20mm以下であり、さらに好ましくは10mm以下、特に好ましくは5mm以下である。開口A(粘着凹部14)の最大面積が40mm以下であることによって、清掃用シート1が床面へ意図せず貼り付くことや粘着剤の糊残り(糊移行)を抑制できる。
粘着凹部14の各面積のうちの最大面積(S:mm)は、0.5mm以上であってもよく、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。
また、開口Aの最小面積(粘着凹部14の最小面積)は、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは1.00mm以上、特に好ましくは1.50mm以上である。開口Aの最小面積は、上記の最大面積よりも小さく且つ40mm以下であってもよい。
各開口Aの平均面積(各粘着凹部14の平均面積)は、10mm以下であってもよい。また、開口Aの平均面積(粘着凹部14の平均面積)は、0.01mm以上であってもよい。
上記の開口Aの各面積(各粘着凹部14の各面積)は、粘着凹部14の露出面積の割合(露出率)の測定方法(後述)と同様の方法によって測定される。後述の実施例も同様の方法で測定される。
クリーニング面10において凸部12の先端によって囲まれた開口Aの形状は、特に限定されない。斯かる形状は、四角形や三角形等の多角形、真円形や楕円形等の円形、その他任意の形状であってもよい。1つの網状の部材30で凸部12が構成されている場合、該部材30の網目において粘着凹部14が露出することとなる。複数の網状の部材30で凸部12が構成されている場合、各部材30が重なり合った状態で新たに形成された網目において粘着凹部14が露出することとなる。複数の網状の部材30(例えば、後述のスリット延伸樹脂製部材)で凸部12が構成されている場合であっても、網目による開口Aの形状は、通常、三角形、四角形、五角形などの多角形の形状となる。
凸部を構成する部材30の引張強度は、35N/50mm以上である。このような比較的剛性の高い部材30で凸部12を構成することによって、清掃のときの摺接によって部材30が破れ、千切れ、解れ、劣化することが抑制されるため、清掃用シート1が良好な耐久性を発揮できる。上記引張強度は、45N/50mm以上であってもよく、好ましくは50N/50mm以上、より好ましくは100N/50mm以上、さらに好ましくは200N/50mm以上、特に好ましくは250N/50mm以上であり、例えば300N/50mm以上であってもよい。上記引張強度の上限は特に制限されず、1000N/50mm以下であってもよい。上記の部材30に適度な変形性を付与できる点、また、凸部12によって被清掃体表面に擦過傷が生じることを抑制する点で、上記引張強度は、好ましくは500N/50mm以下、より好ましくは400N/50mm以下であり、例えば300N/50mm以下であってもよい。
上記引張強度は、幅50mmの帯状にカットした試験片を引張試験機にセットし(チャック間距離100mm)、引張速度200mm/分の条件で、引張強度[N/50mm]を測定する。後述の実施例も同様の方法で測定される。
なお、試験片は、上記の部材30の開口Aを考慮せずに一端から他端までの長さが上記の幅となるように、部材をカットして作製される。引張試験における引張方向は、特に限定されず、面方向のいずれか一方向において上記の引張強度を満たせばよい。
凸部12は、上記の引張強度を有する部材30で作製される。凸部を構成する部材30は、例えば樹脂製である。そのような樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;スチレン-ブタジエンースチレン(SBS)等のスチレン系ゴム系樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;アクリル樹脂;PET等のポリエステル;ポリイミド樹脂;ポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;フッ素樹脂の1種または2種以上が採用される。部材30が上記のような樹脂材料を用いた樹脂製であることにより、摺接によって被清掃体の表面が損傷することが抑制される。また、凸部12が複数の網状の部材30で構成される場合、上記のごとき樹脂製の部材30を最も外側に配置し、斯かる樹脂製部材の内側に、さらに他の部材を配置してもよい。斯かる他の部材としては、上記以外の樹脂製部材(例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂等で形成された部材)、ゴム製部材(天然ゴム、ブチルゴム等で形成された部材)、発泡質部材、繊維質部材(紙、又は、単独種又は混紡された繊維による織布(布)若しくは不織布等)、金属製部材(典型的には孔あり金属箔)の少なくとも1つを用いることができる。
上記の部材30によって、単に繊維集合体で構成された従来の清掃用シートでは実現されない、良好な滑り性と良好な耐久性とを発揮させることができる。本実施形態の清掃用シート1は、通常、一般に織布や不織布と称される繊維集合体(典型的には35N/50mm未満の引張強度を有する)を凸部の構成部材30、支持基材50及び粘着層40に含まない態様である。換言すると、凸部を構成する部材30及び粘着層40は、いずれも繊維集合体で構成されていない。好ましくは、いずれも繊維を含まない非繊維材料で構成されている。例えば、支持基材50をPETフィルム等の非繊維材料で形成し、凸部を構成する部材30が非繊維材料(例えば樹脂フィルム)で形成されていれば、斯かる態様の清掃用シート1は、繊維の毛羽立ちが発生しないため、クリーンルーム、食品工場、病院等の清掃にも好適に使用される。
凸部を構成する部材30は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群より選択される1種または2種以上の樹脂を主成分として含む樹脂製であることが好ましい。部材30は、これらの樹脂のいずれかを50質量%を超えて含むことが好ましい。上記の樹脂材料のうち、良好な滑り性、及び、良好な耐久性(強度)をより十分に発揮させるという点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリオレフィン樹脂製の網状の部材を採用することによって、清掃用シート1の製造時において、網を構成する線部材同士を、熱融着によって互いに強固に固着させることができる。よって、粘着凹部14の露出面積の割合(後述)が高くても、上記引張強度が35N/50mm以上を満たしやすくなる。
凸部12は、上記の材料で形成された1つの部材30で構成された構造、または、複数の部材30で構成された構造を有する。複数の部材30で構成された場合の部材数は、特に限定されないが、例えば2~5(好適には2~3)である。好ましい一態様では、凸部12は、クリーニング面10の面方向に連続した網状の部材30であってその網目において開口している1つの樹脂製の部材30で構成されているか、又は、該樹脂製部材を2以上積層した積層構造によって構成されている。なお、「網状」とは、部材30の厚さ方向に貫通孔が形成された状態である。例えば、網を構成する複数の線部材が同じ樹脂フィルムから形成され且つそれら線部材が互いに分断されていない状態は、網状である。また、熱融着処理等によって複数の網状部材が積層されて一体化した状態も網状である。一方、従来の繊維集合体のように各繊維が互いに絡んで接触している状態は、穿孔しない限り上記の貫通孔がないため、網状ではない。
好ましい一態様では、凸部12は、2つの異なる網状の部材30が積み重なって構成されている。より好ましくは、いずれの部材30も後述するスリット延伸樹脂製部材であり、複数のスリットが広がった網目を有する。2つの部材の一方は、網を構成する線部材の断面が円形状(楕円を包含する)であり、他方は、網を構成する線部材の断面が扁平形状(長方形等であってもよい)である。例えば、上記の一方の部材30(線部材の断面が円形状)をクリーニング面10側に配置し、上記の他方の部材30(線部材の断面が扁平形状)を粘着層40側に配置して凸部12を作製することによって、清掃用シート1に良好な滑り性が発揮され、しかも、粘着層40と凸部の構成部材30との良好な密着性が発揮する。このように、凸部12の先端部は、丸みを有することが好ましい。
凸部の構成部材30の目付(坪量)、換言すると、クリーニング面10の単位面積あたりの部材30の質量は、滑り性等を考慮して適切に設定される。斯かる目付は、好ましくは15g/m以上であり、より好ましくは20g/m以上、さらに好ましくは30g/m以上、特に好ましくは40g/m以上である。部材30の材質や形状が同じであれば、目付が大きいと、凸部12の突出高さが大きくなることにつながる。したがって、目付がより大きいことによって、クリーニング面10全体における平均粘着力が小さくなり得る。これにより、床面への意図しない貼り付きや床面に対する糊残り(糊移行)を抑制できる。一方、より良好なゴミ捕捉性を発揮させることができるという点、上記の目付は、200g/m以下であってもよく、好ましくは130g/m以下であり、より好ましくは100g/m以下、さらに好ましくは60g/m以下、特に好ましくは50g/m以下である。
凸部12の平均突出高さ(平均凸部高さ)は、滑り性、ゴミ捕捉性、耐久性を考慮して適切に設定される。凸部12の平均突出高さは、凸部12の先端から粘着凹部14までの各高さの平均である。凸部12の平均突出高さは、デジタルノギス、マイクロメーターを用いた実測計測、又は、マイクロスコープ等による三次元形状の観測によって測定される。凸部12の平均突出高さは、50μm以上であってもよく、70μm以上であってもよく、80μm以上であってもよく、100μm以上であってもよく、120μm以上であってもよい。凸部12の平均突出高さは、より良好な滑り性を発揮させるという点、より良好な耐久性を発揮させるという点で、好ましくは150μm以上、より好ましくは170μm以上、特に好ましくは180μm以上)である。凸部12の平均突出高さをより高くすることによって、上述したようなクリーニング面10の意図しない貼り付きをより抑制できる。また、凸部12の平均突出高さは、500μm以下であってもよく、400μm以下であってもよい。凸部12の平均突出高さは、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは350μm以下、より好ましくは250μm以下、特に好ましくは200μm以下である。
なお、凸部12の平均突出高さは、少なくとも10箇所における測定値の平均である。また、凸部の構成部材30を厚さ方向(粘着層の厚さ方向)に切断した断面において上記の測定を行う。網状の部材30の複数が積み重なって凸部12が構成されている場合、網を構成する線部材が厚さ方向に重なり合った部位をランダムに選び、それら部位での各突出高さを測定し、平均することによって、平均突出高さ(平均凸部高さ)を求める。
上記凸部を構成する部材30は、市販製品をそのまま、あるいは、市販製品に加工処理等を施して作製できる。市販製品としては、例えば、JX ANCI社製の「CLAF」シリーズのなかから適切なものを選択できる。
(粘着凹部)
本実施形態において、粘着凹部14は、粘着層40の一部である。換言すると、粘着層40の一部が粘着凹部14を構成している。さらに換言すると、粘着層40の面の一部が露出して、粘着凹部14を構成している。粘着層40の面に、多数の孔(網目)が形成された上記の部材30が重なることによって、粘着層40の面の一部が開口Aを通して露出する一方で、粘着層40の面の残部が上記部材30によって覆われている。なお、後述するように、本発明の清掃用シートは、このような構成に限定されない。
クリーニング面10において、粘着凹部14の露出面積の割合(以下、単に露出率とも称する)は、35%以上である。これによって、清掃用シート1は、開口Aにて露出した粘着凹部14によってゴミを良好に捕捉できる。
上記露出率は、好ましくは45%以上(例えば45%よりも高い)であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは55%以上であり、特に好ましくは60%以上(例えば70%以上)である。露出率の上限は、上記部材30の材質、厚さ等を考慮して適宜設定することができる。露出率は、より良好な滑り性を発揮させるという点で、例えば90%以下であることが適当であり、70%以下であってもよく、65%以下(例えば60%以下)であってもよい。
上記露出率は、クリーニング面10の総面積に占める、粘着凹部14の総露出面積の割合である。クリーニング面10の総面積は、上記の部材30が面方向に拡がっている面積である。上記露出率は、クリーニング面10の単位面積あたりにおける、粘着凹部14の露出面積の合計から求めることができる。露出した粘着凹部14の形状が円や矩形といった幾何学的形状でなく、複雑な不定形状である場合、例えば以下のようにして露出率を求めることができる。具体的には、上記部材30の外観写真を撮り、コピー紙等にその写真を拡大し、露出部分をその形状に合わせてはさみ等で切り抜く。そして、単位面積において切り抜いた紙質量を、単位面積あたりの紙質量で除することによって、正確に露出率を算出することができる。また、マイクロスコープ等で撮影した画像から画像処理によって正確な露出率を計算することもできる。なお、上記露出率を測定するときのクリーニング面10は、少なくとも3cm四方の大きさの正方形であることが好ましい。後述の実施例においても、これらの方法で露出率が測定される。
なお、粘着凹部の最大面積は、上記の画像処理によって算出される。
(粘着層)
粘着層40は、凸部の構成部材30の背面側、即ち、凸部の構成部材30よりも支持基材50側に配置されている。粘着層40は、例えば粘着剤によって層状に形成されている。
斯かる構成の清掃用シート1は、粘着層40の面の上に凸部の構成部材30を配置すればクリーニング面10を形成できるため、比較的簡便に製造できる。
また、清掃用シート1のクリーニング面10で被清掃体を清掃するときに、凸部12の先端が被清掃体の面に押し当てられて摺接すると、凸部12が粘着層40に支えられつつわずかに粘着層40へ入り込み得る。これにより、凸部12の突出高さ(凸部高さ)が少し低くなり、凸部12よりも窪んでいる粘着凹部14が、被清掃体の面に少しだけ近づき得る。そして、粘着凹部14が被清掃体の面に近づいた分、粘着凹部14がゴミをより捕捉できる。
粘着層を形成する粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。ゴム系粘着剤とは、ベースポリマーとしてゴム系ポリマーを含む粘着剤である。他の粘着剤についても同様である。
なお、ベースポリマーとは、粘着剤における主成分(最も配合割合の高いポリマー成分)である。粘着剤において、ベースポリマーの配合割合は、固形分基準で、典型的には50質量%以上であり、通常は70質量%以上であり、90質量%以上であってもよい。上記ベースポリマーの配合割合は、上限が100質量%であり、例えば99質量%以下であってもよい。より良好な粘着性能を発揮させるという点、原料コストに対する性能の比が比較的高いという点で、ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤を採用することが好ましい。
アクリル系粘着剤は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含む。アクリル系ポリマーとは、主構成モノマー成分がアクリル系モノマーであるポリマーを指す。アクリル系モノマーは、一分子中に少なくともひとつの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーである。主構成モノマー成分は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分の総量のうち、50質量%以上を占める成分である。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分の70質量%以上がアクリル系モノマーであってもよく、90質量%以上がアクリル系モノマーであってもよい。アクリル系ポリマーは、ラジカル重合で得られるホモポリマー、又は、ランダム共重合によるコポリマーであってもよい。アクリル系ポリマーは、熱可塑性(典型的にはホットメルト型)のブロックコポリマーであってもよい。なお、本明細書において(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を包括的に指す。同様に、本明細書中において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートを包括的に指す。
ゴム系粘着剤としては、ベースポリマーとして、天然ゴムやその変性物等の天然ゴム系重合体、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、結晶性ポリオレフィン-エチレン/ブチレン-結晶性ポリオレフィンブロック共重合体(CEBC)、およびスチレン-エチレン/ブチレン-結晶性ポリオレフィンブロック共重合体(SEBC)等のゴム系ポリマーの1種または2種以上を含む粘着剤が挙げられる。
ゴム系粘着剤の好適な例として、SISをベースポリマーとして含む粘着剤(SIS系粘着剤)が挙げられる。SIS系粘着剤は、ベースポリマーとしてのSISの他、例えば、粘着付与樹脂(タッキファイヤー)、および、プロセスオイルを主な成分として含有し得る。各成分の種類や配合割合は、所望の粘着性能が得られるように、清掃用シート1の用途等に応じて設定される。
上記粘着付与樹脂としては、一般的なロジン系、テルペン系、炭化水素系、エポキシ系、ポリアミド系、エラストマー系、フェノール系、ケトン系等の各種粘着付与樹脂を使用できる。これら1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。ベースポリマー100質量部に対する粘着付与樹脂の配合量は、特に限定されないが、例えば10~200質量部であってもよく、50~150質量部であってもよく、80~100質量部であってもよく、例えば10~30質量部であってもよい。
上記プロセスオイルとしては、例えば、一般的なパラフィン系、ナフテン系、芳香族系等のプロセスオイルを使用できる。これら1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用できる。ベースポリマー100質量部に対するプロセスオイルの配合量は、特に限定されないが、例えば20~200質量部であってもよく、90~150質量部であることが好ましい。
粘着剤(例えばSIS系粘着剤)は、さらに、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤(顔料、染料等)、体質顔料等の各種添加剤を含んでもよい。これらの添加剤の種類や配合量は、一般的な粘着剤の分野における通常の種類および配合量と同様であってもよい。
粘着層40を作製するための粘着剤としては、種々のタイプが採用される。例えば、粘着成分を加熱溶融させて粘着層40を形成するホットメルト型タイプ、粘着成分が水中に分散している水分散型(典型的にはエマルション型)タイプ、粘着成分が有機溶剤に溶解している溶剤型タイプ等が採用される。良好な生産性や環境負荷の軽減の観点から、好ましくはホットメルト型の粘着剤を採用して、粘着層40を作製する。
支持基材50の表面に粘着層40を形成する場合、粘着層40は、支持基材50の一方の表面の全範囲にわたって形成されてもよい。一方、例えば、帯状の支持基材50の幅方向の両端部を残して中央部に粘着層40を塗布することによって、支持基材50に非粘着部(ドライエッジ)を設けてもよい。粘着層40は、典型的には、面方向に連続的に拡がる層状に形成される。粘着層40は、目的および用途によって、点状、ストライプ状、格子状等の規則的あるいはランダムなパターンで形成されてもよい。粘着層40は、2層以上の多層構造であってもよい。多層構造の粘着層40の一例としては、連続した層状(膜状)の第1粘着層と、ストライプ状に形成された第2粘着層とが重ねられたものが挙げられる。
粘着層40の粘着力は、滑り性とゴミ捕捉性とを考慮して適切に設定される。粘着層40の粘着力は、下記のように剥離強度によって測定される。ゴミを捕捉するためには、あまり大きい粘着力を必要としないが、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、粘着層の180度剥離強度は、好ましくは1N/25mm以上であり、より好ましくは3N/25mm以上であり、さらに好ましくは5N/25mm以上であり、特に好ましくは7N/25mm以上である。また、被清掃体に対する良好な滑り性を発揮させる点、清掃用シート1が被清掃体表面に貼り付いてしまうことを抑制する点で、粘着層の180度剥離強度は、好ましくは40N/25mm以下であり、より好ましくは25N/25mm以下であり、さらに好ましくは15N/25mm以下であり、特に好ましくは10N/25mm以下である。上記の180度剥離強度は、JIS Z 0237に規定するステンレス鋼(SUS304)板に対する180度剥離試験に基づく測定値である。
なお、粘着層40がクリーニング面10の面方向に拡がる形状でなく、不連続の形状である場合(例えば、面方向の一方向に複数の線が並んで延びるように形成されている場合)、粘着層の180度剥離強度は、実測された強度を、上記のごとき25mm幅のときの強度に換算して求められる。また、測定において観察されたピーク値(最大値)を採用して、180度剥離強度を求める。換言すると、粘着剤の存在部分と非存在部分とで測定値がばらつくため、180度剥離強度としては、平均値でなくピーク値(最大値)を採用する。
上記剥離強度の測定は、具体的には下記の手順で行われる。支持基材50に貼り付いている粘着層40から、長方形状にカットしたシート状試験片を取り出す。試験片の長さは、100~200mm程度であることが好ましく、幅は15~25mm程度であることが好ましい。試験片の幅が25mm未満である場合、実際の試験片の幅と、基準幅25mmとの比から、換算値[N/25mm]を算出(換算)することができる。試験片の厚さは、特に限定されない。測定のためには、粘着層40に重なった凸部を構成する部材30を取り除き、粘着層40の一方の面全体を露出させる。試験片の一方の表面(クリーニング面10側)を、ステンレス鋼(SUS304)板に貼り付け、2kgのローラを一往復させて圧着させる。試験片の両面に粘着層40が配置されている場合、測定する面とは反対側の表面に厚さ25μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを裏打ちすることが好ましい。このようにして用意した試験サンプルを23℃、RH50%の環境下で、30分間保持する。その後、引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準拠して、23℃、RH50%の環境下において、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件にて、180度剥離強度(対SUS粘着力)[N/25mm]を測定する。使用する引張試験機は、特に限定されず、従来公知の引張試験機を用いることができる。例えば、島津製作所社製の「テンシロン」を用いることができる。
粘着層40の平均厚さ(粘着層が多層構造である場合、複数の粘着層の平均合計厚さ)は、目的に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。粘着層40の平均厚さは、より良好なゴミ捕捉性を発揮させるという点で、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上であり、特に好ましくは15μm以上である。粘着層40の平均厚さは、より良好な滑り性を発揮させる点、被清掃体への糊残りを防止する点で、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは60μm以下であり、特に好ましくは40μm以下(例えば30μm以下)である。
なお、粘着層40の平均厚さは、ランダムに選んだ少なくとも10箇所における厚さの平均値である。また、平均厚さの測定は、凸部の構成部材30と重なっていない部分(粘着凹部14を構成する部分)において行う。
本実施形態の清掃用シート1において、粘着層40の平均厚さTに対する、凸部12の平均突出高さHの比(H/T)は、特に限定されない。より良好な滑り性を発揮させる点、被清掃体表面に対する糊残り防止の点で、上記比(H/T)は、1よりも大きくてもよく、2.5よりも大きくてもよく、3以上であってもよく、典型的には5以上であってもよい。上記比(H/T)は、好ましくは3よりも大きく、より好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上(例えば8以上)である。上記比(H/T)が上記数値範囲であることによって、粘着凹部14が凸部12の先端から十分に窪んでいるため、使用時における上述した清掃用シート1の床面への意図しない貼り付きが抑制される。また、上記比(H/T)は、50以下であってもよく、より良好なゴミ捕捉性等を発揮させるという点で、好ましくは30以下、より好ましくは20以下であり、さらに好ましくは15以下である。
本実施形態の清掃用シート1のクリーニング面10において、粘着凹部14の各面積のうちの最大面積(S:mm)に対する、凸部12の先端から粘着凹部14までの平均凸部高さ(H:μm)の比(H/S)は、好ましくは3以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上、特に好ましくは50以上である。上記の比(H/S)は、好ましくは400以下、より好ましくは300以下、さらに好ましくは200以下、特に好ましくは150以下、最も好ましくは100以下である。
上記の比(H/S)が3以上であることによって、粘着凹部14の最大面積に対する平均凸部高さが十分に大きくなることから、クリーニング面10全体における粘着力がより小さくなり、より良好な滑り性が発揮される。また、上述したように、意図しないクリーニング面10の貼り付きをより抑制できる。また、最大面積の粘着凹部が被清掃体に接触することが抑制されるため、粘着凹部の粘着剤が被清掃体に残る、いわゆる糊残りを防止できる。
また、上記の比(H/S)が400以下であることによって、最大面積の粘着凹部によってゴミが捕捉されやすくなり、より良好なゴミ捕捉性が発揮される。
(支持基材)
上記の清掃用シート1が支持基材50を備える場合、支持基材は、種々の樹脂シート、若しくは、不織布、織布、紙といった繊維シート、金属箔、又は、これらの複合体等であってもよい。支持基材は、樹脂シートおよび繊維シートのうち少なくとも1種を有することが好ましい。樹脂シートで構成される支持基材には、合成樹脂フィルム、ゴムシート、発泡体シートが包含される。なお、支持基材50は、シート状であってもよく、厚みを有する板状であってもよい。
樹脂シートの材質としては、ポリオレフィン(PE、PP、エチレン-プロピレン共重合体等)、ポリエステル(PET等)、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。ゴムシートとしては、例えば天然ゴムシート、ブチルゴムシート等が挙げられる。発泡体シートとしては、各種の発泡樹脂シートが挙げられる。紙としては、例えば和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が例示される。織布又は不織布としては、単独種の繊維によって、または、複数種の繊維の混紡等によって形成されたものが挙げられる。上記繊維としては、例えば綿、スフ、マニラ麻繊維、パルプ、レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維等が例示される。金属箔としては、例えばアルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。支持基材50には、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)、体質顔料等の各種添加剤が配合されてもよい。また、支持基材50は、複数の層が重なり合った複層であってもよい。
支持基材50の厚さは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。支持基材50の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上)である。また、支持基材50の厚さは、好ましくは5000μm以下、より好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。支持基材50としてゴム製板を採用し、この支持基材50に粘着層40と、凸部の構成部材30とを設けた清掃用シート1であってもよい。例えば、合成樹脂シート、不織布、又は、紙製の支持基材50において、上記の厚さを適宜設計することができる。
本実施形態の清掃用シート1において、支持基材が非繊維材料(樹脂フィルムなど)で形成されていてもよい。上記の凸部の構成部材30、粘着層40、及び支持基材50が、いずれも非繊維材料で形成されていることが好ましい。斯かる構成により、繊維質を発生しないため、クリーンルーム、食品工場、病院等内の清掃でも好適に用いることが可能である。
本実施形態の清掃用シート1において、上記の凸部の構成部材30、粘着層40、及び支持基材50が、いずれも非吸水材料で形成されていることが好ましい。斯かる構成により、水洗して繰り返して用いることが可能である。
なお、非吸水材料とは、水に浸漬される前(絶乾状態)と後(常温で5分間浸漬)とにおいて、質量変化が1%未満である材料を示す。
(任意のその他の層)
上記の清掃用シート1は、上述の凸部の構成部材30、粘着層40、支持基材50の他に、必要に応じて、1または2以上の層をさらに有し得る。例えば、清掃用シート1に適度の厚さ、クッション性、強度等を付与するために、凸部の構成部材30と粘着層40との間に、中間層を配置してもよい。中間層は、凸部の構成部材30における開口Aと同様の開口が形成された層であってもよい。中間層の構成は、特に制限されず、各種樹脂材料から形成される樹脂層、ゴム層(天然ゴムシート、ブチルゴムシート等)、発泡体層、繊維質層(紙、布、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等)、又は、金属層(典型的には金属箔)等であってもよい。粘着層40と支持基材50との間には、投錨性の向上のために、アンカー層が設けられてもよい。支持基材50の裏面(粘着層非形成面)には、意匠性の付与のため又は取扱い性向上のために、種々のコート層が設けられてもよい。
上記の清掃用シート1の総厚さは、特に制限されない。シート形状を有する清掃用シート1の総厚さは、1800μm以下であってもよく、1000μm以下であってもよく、800μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。清掃用シート1の総厚さは、取扱い性等がより向上するという点で、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは250μm以下である。また、上記の総厚さは、50μm以上であってもよく、90μm以上であってもよく、120μm以上であってもよい。上記の総厚さは、より良好な滑り性を発揮させるという点、より良好なゴミ捕捉性等を発揮させるという点で、好ましくは150μm以上、より好ましくは180μm以上、さらに好ましくは200μm以上である。
上記の清掃用シート1は、使用時においてシート固定部120に過不足なく取り付けされる大きさであってもよく、使用時に切断されてシート固定部120に取り付けられるように長尺状(帯状)であってもよい。前者の場合、上記の清掃用シート1は、例えば矩形状であり、後者の場合、上記の清掃用シート1は、例えば円筒状の芯材に巻き付けられた状態である。
(清掃用シートの製造方法)
本実施形態の清掃用シート1は、例えば以下のようにして製造することができる。
本実施形態の清掃用シート1の製造方法は、支持基材50に積層された粘着層40を作製する粘着層作製工程と、
凸部を構成する部材30を作製する凸部構成部材作製工程と、
支持基材50に積層された粘着層40と凸部の構成部材30とを貼り合わせる貼付工程と、を備える。
粘着層作製工程では、例えば、上述した粘着剤、粘着付与樹脂、プロセスオイル等と、これらを溶解させる溶媒とを混合して粘着剤組成物を調製する。粘着剤としては、溶液タイプ、エマルジョンタイプ、ホットメルトタイプ、紫外線(UV)硬化タイプ、又は電子線(EB)硬化タイプのいずれでも採用できる。粘着剤には、必要に応じて架橋剤(硬化剤)を加えてもよい。
粘着層40を形成する方法は、特に限定されない。例えば、ダイコーター、グラビアロールコーター、コンマコーター、ロールコーター等の従来公知の塗布手段によって、粘着剤(粘着剤組成物)を支持基材50に直接塗布して、硬化または乾燥させる方法を適用できる。また、剥離性を有する表面(例えば、剥離ライナーの表面、又は、離型処理された支持基材背面等)に、粘着剤(粘着剤組成物)を塗布して、硬化または乾燥させることによって、該表面上に粘着層40を形成して支持基材50に転写させる方法を採用してもよい。
凸部構成部材作製工程では、従来公知の方法または慣用の方法を適宜採用することによって、凸部を構成する部材30を作製できる。斯かる部材として、例えば、網状の樹脂製部材を作製する。網状の樹脂製部材は、以下のようにして作製されたスリット延伸樹脂製部材であってもよい。
スリット延伸樹脂製部材は、例えば、下記のようにして作製される。具体的には、樹脂フィルムに規則的若しくはランダムな多数の切れ込み(スリット)を形成する。より具体的には、複数の平行線を引くように、破線状に並んだ多数のスリット(切り込み)を、PEフィルム等に対して規則的に入れる。そして、延伸処理を施すことによって、スリットが拡がってなる網目(開口A)を形成する。作製された網状の樹脂製部材には、規則的あるいはランダムな網目(開口A)パターンが形成される。このような方法で作製された網状の樹脂製部材を、本明細書において、スリット延伸樹脂製部材と称する場合がある。
2つの異なる網状の部材を積み重ねて凸部を構成する部材30を作製する場合、例えば一方は、網を構成する線部材の断面が円形状(楕円を包含する)であり、他方は、網を構成する線部材の断面が扁平形状(長方形等であってもよい)である。上記一方を作製するときには、フィルム面のX軸方向およびY軸方向の両方において同時に延伸処理を施す。上記他方を作製するときには、切れ込み(スリット)を形成した樹脂フィルムを、ロール等でプレスしながら延伸処理(圧延処理)を施す。必要に応じて、延伸処理時に加熱処理を施してもよい。これら部材同士を熱融着処理(典型的には熱圧着処理)によって固定するか、又は、接着剤によって固定する。
なお、PE製等の樹脂シートに孔を多数形成することによって、凸部を構成する部材30を作製してもよい。孔の形成には、例えば打ち抜き刃、針ロール、レーザー光、パンチ等が使用される。また、糸状や帯状の樹脂繊維をメッシュ状に配置した状態のものを熱融着処理によって一体化することによって、凸部を構成する部材30を作製してもよい。
また、凸部構成部材作製工程では、例えば以下のようにして作製されたスリット延伸樹脂製部材を用いて、凸部を構成する部材30を作製してもよい。
まず、より融点が高い熱可塑性樹脂で形成された内層と、内層の両面側にそれぞれ重なり且つより融点が低い熱可塑性樹脂で形成された外層とを備える3層構造の原反シートを作製する。原反シートの作製では、多層インフレーション法あるいは多層Tダイ法などの押出成形を採用できる。次に、この原反シートに対して、スプリッターによってジグザグに割繊処理(スプリット処理)する。又は、熱刃によりスリット処理を施して延在方向が一方向に揃う多数のスリットを形成する。続いて、原反シートを一方向(例えばスリット延在方向)に延伸することによって、延伸方向と直交する方向にスリットを広げる。このようにして、スリット延伸樹脂製部材が得られる。なお、延伸倍率は適宜調整される。
さらに、得られた2枚のスリット延伸樹脂製部材を、延伸方向が直交するように重ね合わせ、加熱処理によって互いに融着させる。これにより、図1に示すような凸部を構成する部材30を作製できる。加熱処理においては、例えば、対向配置された一対の加熱シリンダ間に、重ね合わせたスリット延伸樹脂製部材を供給する。また、熱による収縮を防ぐために、重ね合わせたスリット延伸樹脂製部材の周縁部を固定しながら熱処理を行う。しかも、上記の内層を構成する樹脂の融点以下、且つ、上記の外層を構成する樹脂の融点以上の温度で加熱する。
貼付工程では、上記のごとく作製した凸部を構成する部材30と、支持基材50に積層された状態の粘着層40とを貼り合わせる。必要に応じて、加熱処理を施す。
(清掃用シートの使用)
上記の清掃用シート1は、上述のように、良好な滑り性、ゴミ捕捉性、および耐久性を有するため、使用箇所が特に限定されない。上記の清掃用シート1は、例えば、塵埃や屑等の種々のゴミが存在する場所で使用できる。上記の清掃用シート1は、特に粘着凹部14の粘着力によってゴミを捕捉し捕捉を維持するため、従来の単なる繊維集合体で構成された清掃用シート1に比べて、砂粒や食品屑、毛髪といった、比較的重いゴミの捕捉性において良好である。したがって、上記の清掃用シート1は、屋内のフローリングだけでなく、従来の繊維集合体を用いた清掃用シート1では実使用に耐えられなかった場所でも使用できる。
上記の清掃用シート1は、例えば、砂粒が存在する玄関の床や土間、屋外のバルコニー等に設置されているコンクリート面、およびすべり加工を施した凹凸が大きいザラザラしたような工場の床面等に対しても、良好な耐久性で使用できる。本実施形態の清掃用シート1は、好ましくは繊維集合体を含まない態様である。斯かる態様の清掃用シート1は、繊維屑や紙粉の発生が防止されることから、クリーンルーム、食品工場、病院等の清掃において好適に使用される。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1) 被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を被清掃体に摺接させて用いられ、
凸部は、クリーニング面の面方向に連続する部材によって構成され、
面方向の少なくとも一方向における部材の引張強度が、35N/50mm以上であり、
クリーニング面は、部材よりも粘着力が高く且つクリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
クリーニング面における粘着凹部の露出面積の割合は、35%以上である、清掃用シート。
(2) 凸部は、1つ又は複数の網状の部材で構成され、該部材が樹脂製であり、該部材の網目において粘着凹部が露出している、上記(1)に記載の清掃用シート。
(3) 凸部は、複数の前記部材が積み重なって構成され、複数の前記部材の断面形状は、互いに異なっている、上記(2)に記載の清掃用シート。
(4) 前記網目は、複数のスリットが広がった網目であり、網状の前記部材のいずれかは、断面が円形状の線部材で構成されている、上記(3)に記載の清掃用シート。
(5) 前記凸部の先端部が丸みを有する、上記(1)~(4)のいずれかに記載の清掃用シート。
(6) 前記部材が繊維を含まない、上記(1)~(5)のいずれかに記載の清掃用シート。
(7) クリーニング面の単位面積あたり、上記の部材の質量が15g/m以上である、上記(1)~(6)のいずれかに記載の清掃用シート。
(8) 凸部の先端から粘着凹部までの平均凸部高さが、70μm以上である、上記(1)~(7)のいずれかに記載の清掃用シート。
(9) 粘着凹部の各面積のうちの最大面積(S:mm)に対する、凸部の先端から粘着凹部までの平均凸部高さ(H:μm)の比(H/S)は、3以上400以下である、上記(1)~(8)のいずれかに記載の清掃用シート。
(10) クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の背面側に配置された粘着層を備え、該粘着層の一部が粘着凹部を構成している、上記(1)~(9)のいずれかに記載の清掃用シート。
(11) 粘着層の平均厚さTに対する、平均凸部高さHの比(H/T)が、2.5よりも大きい、上記(10)に記載の清掃用シート。
(12) 粘着層を支持する支持基材を備える、上記(10)または(11)に記載の清掃用シート。
(13) 支持基材は、樹脂シートおよび繊維シートのうち少なくとも1種を有する、上記(12)に記載の清掃用シート。
(14) 上記部材と支持基材との間に粘着層が配置された積層構造を有する、上記(12)または(13)に記載の清掃用シート。
(15) 前記支持基材が非繊維材料で形成されている、上記(12)~(14)のいずれかに記載の清掃用シート。
(16) 上記の部材、粘着層、及び支持基材が、いずれも非吸水材料で形成されている、上記(10)~(15)のいずれかに記載の清掃用シート。
(17) 水洗されて繰り返し使用される、上記(16)に記載の清掃用シート。
(18) 粘着凹部の最大面積Sは、40mm以下であるか、又は、0.5mm以上である、上記(1)~(17)のいずれかに記載の清掃用シート。
(19) 粘着凹部の最小面積は、0.01mm以上であるか、又は、40mm以下である、上記(1)~(18)のいずれかに記載の清掃用シート。
(20) 粘着凹部の平均面積は、0.01mm以上であるか、又は、10mm以下である、上記(1)~(19)のいずれかに記載の清掃用シート。
(21) 凸部の構成部材は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を主成分として含み、好ましくはポリオレフィン系樹脂を主成分として含む、上記(1)~(20)のいずれかに記載の清掃用シート。
(22) 凸部の構成部材は、上記のスリット延伸樹脂製部材である、上記(1)~(21)のいずれかに記載の清掃用シート。
(23) 粘着層は、ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤で形成されている、上記(10)~(17)のいずれかに記載の清掃用シート。
(24) 粘着層の180度剥離強度は、1N/25mm以上である、上記(10)~(17)のいずれかに記載の清掃用シート。
(25) 粘着層の平均厚さは、5μm以上150μm以下である、上記(10)~(17)のいずれかに記載の清掃用シート。
(26) 支持基材の厚さは、5μm以上100μm以下である、上記(12)~(17)のいずれかに記載の清掃用シート。
(27) 清掃用シートの総厚さは、90μm以上1800μm以下である、上記(1)~(26)のいずれかに記載の清掃用シート。
(28) 把持部材と、該把持部材に接続したシート固定部と、を備える清掃具であって、上記(1)~(27)のいずれかに記載の清掃用シートがシート固定部に着脱可能に取り付けられている、清掃具。
上記実施形態の清掃用シート1及び清掃具100は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の清掃用シート及び清掃具に限定されるものではない。
また、一般の清掃用シート及び清掃具において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
上記実施形態の清掃用シート1は、比較的薄いシート形状を有するが、本発明の清掃用シートは、例えば、スポンジ又はたわしといった比較的厚いバルク構造物の少なくとも1つの面において上記のクリーニング面10を有するものであってもよい。また、例えば、本発明の清掃用シートは、種々の形状のシート固定部の表面の一部に形成された粘着層と、該粘着層に重なった凸部の構成部材とを備え、これらによってクリーニング面が形成されたものであってもよい。この場合、シート固定部は、粘着層を支持する支持基材と同様に機能する。非吸水性材料によってシート固定部、粘着層、及び上記部材を構成することによって、上記部材等を新しいものに交換しなくても、繰り返し水洗して使用できる。
また、上記実施形態の清掃用シート1では、粘着層40が支持基材50に支持されていたが、本発明の清掃用シートは、支持基材を有しなくてもよい。例えば、本発明の清掃用シートは、支持基材を有さず、粘着層の両面側にそれぞれ凸部の構成部材が配置されてもよい。また、支持基材の形状は、特に制限されず、フィルム状、平板状、円筒状等であってもよく、支持基材は、布巾又はスポンジ等の変形可能なものであってもよい。支持基材は、ポリオレフィン製、ポリエステル製、若しくはその他の合成樹脂製、紙製、合成繊維若しくは天然繊維製、又は、ステンレス鋼等の金属製等であってもよい。
また、上記実施形態の清掃用シート1では、多数の孔が形成された凸部の構成部材30が粘着層40に重なっていたが、本発明の清掃用シートは、これに限定されない。例えば、多数の孔が形成された部材30を樹脂フィルム等の支持基材50の表面に重ねて熱融着させた後に、孔の開口Aの少なくとも一部における窪みに粘着剤を入れることによっても、クリーニング面を形成できる。換言すると、支持基材と凸部の構成部材との間に、粘着層が配置されていなくてもよい。このように、本発明の清掃用シートにおいて、粘着層の表面に凸部の構成部材が重なった構成は、必須ではない。
また、上記実施形態の清掃用シート1では、各粘着凹部14の露出面積は、斯かる粘着凹部14に対応する各開口の開口面積とほぼ同じであった。しかしながら、本発明の清掃用シートにおいて、各粘着凹部の露出面積は、対応する各開口面積よりも小さくてもよい。例えば、各開口における窪みのすべてが粘着剤で占められていなくてもよい。窪みの一部が線状(ストライプ状)の粘着剤で占められたり、点状(ドット状)の粘着剤で占められていたりしてもよい。この場合、支持基材が繊維集合体であれば、クリーニング面に露出した繊維集合体の面によっても、ゴミを補足できる。
また、上記実施形態の清掃具100は、長い柄の把持部材110の下端にあるシート固定部120に、清掃用シート1が取り付けられた構成であったが、これに限定されない。本発明の清掃具は、短い柄(ホルダーともいう)を把持部材として有するものであってもよい。また、本発明の清掃具は、そのような把持部材を有さず、板状体、球状体、円柱体等の形状を有するシート固定部に清掃用シートを取り付けた構成であってもよい。本発明の清掃具は、布巾のような軟質シート状、又は、スポンジ状のシート固定部を備えた清掃具であってもよい。具体的には、本発明の清掃具は、軟質部材の一部に上記の清掃用シート1を固定したものであってもよく、斯かる構成によっても、本発明の所望の効果が発揮され得る。このように、本発明の清掃具において、把持部材、シート固定部、清掃用シート等の形状に特に制限はなく、それらの各材質も限定されない。例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、又は、その他の合成樹脂、合成繊維若しくは天然繊維、ステンレス鋼等の金属といった各種材料が、本発明の清掃具の構成材料として用いられ得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<実施例1~(以下、実施例1~7は参考実施例)
[粘着剤(組成物)の調製]
ゴム系粘着剤として、ベースポリマーとしてのスチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー(SIS)100質量部と、粘着付与樹脂130質量部と、プロセスオイル100質量部とを含むSIS系粘着剤組成物を調製した。
[清掃用シートの製造]
支持基材として厚さ38μmのPETフィルム(片面を離型処理済)を用意し、離形処理していない表面にコロナ放電処理を施し、上記で得た粘着剤組成物をコロナ放電処理面に塗布した。その後、ダイコーターにてホットメルト塗工し、厚さ約25μmの粘着層を支持基材の片面側に形成した。次に、以下のものを凸部の構成部材として用い、これらをそれぞれ粘着層の表面に重ねてロールで圧着することによって、各実施例の清掃用シートを製造した。
(実施例1)製品名「CLAF 3S(T)」 JX ANCI社製
(実施例2)製品名「CLAF LX(F)91154」 JX ANCI社製
(実施例3)製品名「CLAF HS8036」 JX ANCI社製
(実施例4)製品名「CLAF EX(T)90106 JX ANCI社製
得られた清掃用シートは、支持基材、粘着層、凸部の構成部材がこの順で重なった積層シート形状を有する。各実施例において、凸部部材の引張強度[N/50mm]、粘着凹部の露出率[%]、凸部の構成部材の目付[g/m]、平均凸部高さH[μm]、各粘着凹部のうち最大面積S[mm]および最小面積[mm]、粘着層の平均厚さT[μm]を表1及び表2に示す。
(実施例5)オカモト社製の製品名「POクリーンソフトコートNew0.13」に対して、開口率36%となるように、直径7mm(穴面積38.5mm)の穴径をもつピナクル刃で孔を開けた。これを凸部の構成部材として用いて、上記の実施例と同様にして清掃用シートを製造した。
(実施例6)ポリプロピレン樹脂製ネット(製品名:「メルタック330dt-8×8」萩原工業社製 開口率49%)を凸部の構成部材として用いて、上記の実施例と同様にして清掃用シートを製造した。
(実施例7)ポリプロピレン樹脂製ネット(開口率63%)を凸部の構成部材として用いて、上記の実施例と同様にして清掃用シートを製造した。
<比較例1~6>
(比較例1)ポリプロピレン製のスパンボンド不織布(目付量40g/m)に対して、開口率21%となるように、直径3.50mm及び直径1.50mmの2つの穴径をもつピナクル刃で孔を開けた。これを凸部の構成部材として用いて、上記の実施例と同様にして清掃用シートを製造した。
(比較例2)市販製品:この市販製品は、PP製のメッシュフィルム(厚み110μm)であった。
(比較例3)凸部の構成部材としてオカモト社製の製品名「POクリーンソフトコートNew0.13」に対して、開口率7%となるように、直径3mmの穴径をもつピナクル刃で孔を開けた。これを凸部の構成部材として用いて、上記の実施例と同様にして清掃用シートを製造した。
(比較例4)PP製のスパンボンド不織布(目付量40g/m)に対して、開口率25%となるように、直径10mmの穴径をもつピナクル刃で孔を開けた。これを凸部の構成部材として用いて、上記の実施例と同様にして清掃用シートを製造した。
(比較例5)市販製品:この市販製品は、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルを用いた繊維集合体製ドライ清掃用シートであった。
(比較例6)市販製品:この市販製品は、PP、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、流動パラフィンを用いた繊維集合体製ドライ清掃用シートであった。
各実施例、各比較例における凸部部材の引張強度[N/50mm]や目付[g/m]といった物性値を表1及び表2に示す。なお、各表における粘着凹部の最大面積や最小面積は、実測値を示す。
[性能評価:粗面に対する滑り性およびゴミ捕捉性]
粒度2000番の耐水紙ヤスリ(三共理化学社製:280cm×230cm角)をフローリング床面のうえに隙間なく両面テープで貼り合わせた。60×25cmの枠内に、疑似ゴミとして、カラーサンド(品番CS-1004、サイズ0.1~0.5mm)約0.2gを均一に散布した。上記のごとく製造された各清掃用シートのクリーニング面(凸部部材表面)を上記サンドペーパー表面上で60cm一往復摺動させ、つぎに70cm一往復摺動させた。ゴミ捕捉性(ゴミ捕捉率[%]、質量基準)は以下のように算出した。
ゴミ補足率[%]=(ワイピング後のシートの重量-ワイピング前のシートの重量)
÷散布した疑似ゴミ量(約0.2g)×100%
算出したゴミ補足性が70%以上である場合に、ゴミ補足性が良好であると判断した。
なお、滑り性については、拭取り操作を良好に実施できた場合を「○」、拭取り操作が可能であった場合を「△」、拭き取り操作が不可能であった場合を「×」と判定した。結果を表1及び表2に示す。
さらに、参考として、より粗い粒度600番の耐水紙ヤスリ(三共理化学社製:280cm×230cm角)が被清掃体である場合、また、表面が平滑面であるフローリング床(大建工業社製、リビングフロアアートLVAT-MF)が被清掃体である場合でも、上記と同様にしてゴミ捕捉性の性能評価を行った。
[性能評価:耐久性(耐摩耗性)]
市販の学振型摩擦試験機を用いて、各清掃用シートについて、粒度2000番の耐水紙ヤスリ(三共理化学社製:280cm×230cm角)に対する耐摩耗性を評価した。具体的には、摩擦子には、測定対象物である各清掃用シートをかぶせた。一方、表面R200mmの試験片取付台(ステージ)の一面には、両面テープを使って上記の耐水紙ヤスリを敷き詰めた。摩擦子にかぶせられた清掃用シートの接触面積は約1cmであった。往復距離約120mm、往復回数15回、往復速度約30回/分、試験加重500gという試験条件で耐摩耗性試験を実施した。
試験後の清掃用シートを目視で観察し、破れ、千切れ、解れが全く認められなかったものを「○」、破れ、千切れ、解れあるものの全体の形状を保っているものを「△」、破れ、千切れ、解れにより形状を保てずぼろぼろになったものを「×」と評価した。結果を表1及び表2に示す。
[性能評価:糊残りの有無]
上記の耐久性(耐摩耗性)の性能評価において、試験後に糊残りの有無を目視で確認した。
表1及び表2に示されるように、引張強度が35N/50mm以上であり、粘着凹部の露出面積割合が35%以上である実施例1~7に係る清掃用シートは、粗面に対して良好な滑り性を示し、しかも、良好なゴミ捕捉性を示した。
一方、引張強度が35N/50mm未満の繊維集合体からなる市販の清掃用シートを使用した比較例、又は、粘着凹部の露出面積割合が35%未満である比較例の清掃用シートは、滑り性、ゴミ捕捉性、耐久性のいずれかの性能を有しなかった。
また、表1及び表2に示されるように、引張強度が35N/50mm以上である実施例の清掃用シートは、摩耗試験において十分な耐久性を有したが、比較例3以外の比較例の清掃用シートは、擦過に耐えられず破れや千切れが発生した。
上記の結果から認識できるように、クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端によって形成された多数の開口において粘着凹部が露出しており、クリーニング面における粘着凹部の露出面積の割合(露出率)が35%以上であり、凸部の構成部材の引張強度が35N/50mm以上である清掃用シートは、良好な滑り性、ゴミ捕捉性、および耐久性を有することがわかる。良好な耐久性を有するこのような清掃用シートによれば、従来の清掃用シートと比べて、清掃する場所の適用範囲(使用範囲)を拡げることが期待できる。換言すると、本発明の清掃用シートは、床面の材質、又は、表面の凹凸形状によって使用範囲が限定されず、様々な被清掃体に対して使用できると期待される。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 清掃用シート
10 クリーニング面
12 凸部
14 粘着凹部
20 非クリーニング面
A 開口(粘着凹部の露出)
30 凸部を構成する部材
40 粘着層
50 支持基材
100 清掃具
110 把持部材
120 シート固定部
130 自在継手
140 放射状スリット

Claims (14)

  1. 被清掃体の表面に摺接されるクリーニング面が形成された清掃用シートであって、
    前記クリーニング面が凹凸を有し、凸部の先端を前記被清掃体に摺接させて用いられ、
    前記凸部は、前記クリーニング面の面方向に連続する部材によって構成され、
    前記面方向の少なくとも一方向における前記部材の引張強度が、35N/50mm以上であり、
    前記クリーニング面は、前記部材よりも粘着力が高く且つ前記クリーニング面に露出している粘着凹部をさらに有し、
    前記クリーニング面における前記粘着凹部の露出面積の割合は、35%以上であ
    前記クリーニング面の面方向に拡がり且つ前記部材の背面側に配置された粘着層を備え、該粘着層の一部が前記粘着凹部を構成し、
    前記凸部は、2つの網状部材が積み重なった前記部材によって構成され、前記網状部材が積み重なった状態の網目において前記粘着凹部が露出し、
    前記網状部材の一方は、前記クリーニング面側に配置され、且つ、断面が円形状の線部材で構成され、
    前記網状部材の他方は、前記粘着層側に配置され、且つ、断面が扁平形状の線部材で構成されている、清掃用シート。
  2. 前記凸部は、樹脂製の前記部材によって構成されている、請求項1に記載の清掃用シート。
  3. 前記網状部材の網目は、複数のスリットが広がった網目であ、請求項1又は2に記載の清掃用シート。
  4. 前記部材が繊維を含まない、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  5. 前記クリーニング面の単位面積あたり、前記部材の質量が15g/m以上である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  6. 前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さが、70μm以上である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  7. 前記粘着凹部の各面積のうちの最大面積(S:mm)に対する、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H:μm)の比(H/S)は、3以上400以下である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  8. 前記粘着層の平均厚さ(T)に対する、前記凸部の前記先端から前記粘着凹部までの平均凸部高さ(H)の比(H/T)が、2.5よりも大きい、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  9. 前記粘着層を支持する支持基材をさらに備える、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  10. 前記支持基材は、樹脂シートおよび繊維シートのうち少なくとも1種を有する、請求項に記載の清掃用シート。
  11. 前記支持基材が非繊維材料で形成されている、請求項9又は10に記載の清掃用シート。
  12. 前記部材、前記粘着層、及び前記支持基材が、いずれも非吸水材料で形成されている、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の清掃用シート。
  13. 水洗されて繰り返し使用される、請求項12に記載の清掃用シート。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の清掃用シートと、
    該清掃用シートが着脱可能に取り付けられたシート固定部と、を備える清掃具。
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