本発明に基づいた実施の形態における管理システムについて、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、管理する対象物の量に言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は言及された量に限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成の少なくとも一部を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
<第1実施形態>
[管理システムの全体構成]
図1は、第1実施形態の管理システム500の全体構成を示す図である。図1に示すように、管理システム500は、配置台100と、表示装置200と、情報処理装置300とを有する。配置台100と、表示装置200と、情報処理装置300とはネットワーク50に接続されている。配置台100は、ネットワーク50を経由して、情報を情報処理装置300に送信する。情報処理装置300は、ネットワーク50を経由して、情報を表示装置200に送信する。配置台100の数は、1以上であり、図1の例では、2つの配置台100が記載されている。また、図1の例では、2つの配置台100は、家屋700内に設置されている例を示す。なお、配置台100は、他の施設に設置するようにしてもよい。他の施設とは、例えば、工場、店舗等である。情報処理装置300は、家屋700内に設置してもよく、管理システム500を管理する業者の社内に設置してもよい。
一の配置台100には、該一の配置台100を識別するための配置台ID(Identification)が付与されている。本実施形態の管理システム500での情報処理装置300は、いわゆる、サーバ装置としての機能を果たす。ネットワーク50は、有線ネットワークおよび無線ネットワークのいずれであってもよい。ネットワーク50は、固定回線、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、およびLPWA(Low Power Wide Area)等のいずれであってもよい。
本実施形態の管理システム500は、配置台100に配置された対象物の量を管理する。対象物は、例えば、収容容器に収容されている物および収容容器に収容されていない物のいずれであってもよい。
図1の対象物A1は、収容容器に収容されている物である。図1の例では、対象物A1として、収容容器に収容されている飲料水が記載されている。図1の対象物A2は、収容容器に収容されていない物である。図1の例では、対象物A2として、トイレットペーパが記載されている。以下では、対象物A1および対象物A2をまとめて「対象物A」ともいう。対象物Aは、対象物A1に示すように液体でもよく、対象物A2に示すように固体でもよい。
配置台100は、配置台100の所定箇所100Aに配置された対象物の量を検出する。所定箇所100Aは、配置台100が、対象物の量を検出することが可能な位置である。配置台100が検出した対象物の量は、情報処理装置300に送信される。情報処理装置300は、所定の通知タイミングで、第1通知信号を表示装置200に送信する。
表示装置200は、典型的には、携帯端末である。携帯端末は、例えば、タブレット、スマートフォン、ノート型PC(personal computer)、ウェアラブル端末等である。図1の例では、表示装置200は、スマートフォンである。表示装置200は、第1通知信号を受信したときに、所定の通知を行う。本実施形態の所定の通知は、典型的には、「対象物Aの質量が0になるまでの時間(例えば、日数)をユーザが特定可能な通知」である。また、所定の通知は、「ユーザに対象物の補充を促す補充通知」でもある。また、所定の通知は、配置台IDに関連付けられて行われる。図1の例での補充通知は、「配置台ID:1 あと6日で在庫がなくなります」という文字画像を表示する通知である。ユーザは、この補充通知を視認することにより、「配置台IDが「1」である配置台100に配置されている対象物Aが、あと6日でなくなること」を認識できる。また、所定の通知は、音声での通知としてもよい。所定の通知は、音声での通知と、文字画像を表示する通知としてもよい。
[情報処理装置300等のハードウェア構成例]
図2は、情報処理装置300のハードウェア構成を示した図である。図2を参照して、情報処理装置300は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)301と、データを不揮発的に格納するROM(Read Only Memory)302と、データを揮発的に格納するRAM(Random Access Memory)303と、通信IF(Interface)304とを備える。
CPU301と、ROM302と、RAM303とは相互にデータバスによって接続されている。情報処理装置300における処理は、CPU301により実行されるプログラムによって実現される。このようなプログラムは、ROM302に予め記憶されている。
また、配置台100のハードウェア構成例は特に図示しないが、配置台100は、CPUと、ROMと、RAMと、センサ(例えば、ロードセル)とを有する。また、表示装置200のハードウェア構成例は特に図示しないが、表示装置200は、CPUと、ROMと、RAMと、ディスプレイとを有する。
[情報処理装置300等の機能構成例]
図3は、配置台100、表示装置200、および情報処理装置300の機能構成例を示すブロック図である。配置台100は、検出部102と、制御装置150と、通信IF108とを有する。制御装置150は、取得部104と、記憶部105と、判断部106との機能を有する。情報処理装置300は、通信IF(Interface)304と、制御装置350とを有する。制御装置350は、取得部306と、制御部308と、記憶部310と、設定部312と、通知部314との機能を有する。制御装置350は、プロセッサともよばれる。表示装置200は、表示制御部202と、ディスプレイ204とを有する。
検出部102は、所定箇所100Aに配置された対象物の量を検出する。対象物の量は、本開示の「検出値」に対応する。本実施形態では、対象物の量は、対象物の質量である。しかしながら、対象物の量は如何なるものであってもよい。対象物の量は、例えば、対象物の容量、または対象物の個数としてもよい。ユーザは、対象物を補充することが可能であるとともに、ユーザは対象物を消費することが可能である。対象物が補充された場合には、対象物の質量は増加する。対象物が消費された場合には、対象物の質量は減少する。
本実施形態では、検出部102は、例えば、センサであり、より特定的には、対象物の質量を検出するロードセルである。センサは、如何なるものであってもよい。センサは、例えば、重量センサ、圧力センサ、赤外線センサ、およびカメラ等であってもよい。例えば、対象物の量が「対象物の個数」である場合には、検出部102としてのカメラが、対象物Aを撮像する。そして、検出部102は、撮像した画像を解析することにより、対象物Aの個数を検出する。
配置台100は、検出部102により検出された対象物Aの量を情報処理装置300に送信する。しかしながら、例えば、風やユーザの動作などの影響により、配置台100が振動する場合がある。配置台100が振動した場合には、対象物Aの質量は一時的に変化するものの、最終的には、対象物Aの質量は変化しない。対象物Aの量が変化していないにもかかわらず、配置台100が、対象物Aの質量を情報処理装置300に送信してしまうと、不要な情報(つまり、対象物Aの変化していない質量)を送信することになる。
そこで、本実施形態では、以下のような手法により、配置台100が、不要な情報を送信することを防止する。取得部104は、特定時間毎に検出部102への圧力の変化を検出する。特定時間は、比較的、短い時間(例えば、0.5秒間)としてもよい。また、特定時間は、比較的、長い時間(例えば、1分間)としてもよい。この特定時間は、ユーザが自由に変更できるようにしてもよい。取得部104は、検出部102への圧力の変化を検出した場合には、該圧力の変化を検出したタイミングでの対象物の質量(以下、「第1質量」という。)を取得する。取得部104は、該取得した第1質量を記憶部105に格納する。取得部104は、さらに、圧力の変化を検出したタイミングから所定時間(例えば、5秒間)経過したタイミングでの質量(以下、「第2質量」という。)を取得する。この所定時間は、ユーザが自由に変更できるようにしてもよい。
判断部106は、第1質量と第2質量とを比較する。判断部106が、第1質量と第2質量とは異なると判断した場合とは、対象物の質量が増減したということである。したがって、この場合には、配置台100は、第2質量を示す質量データを情報処理装置300に送信する。一方、判断部106が、第1質量と第2質量とは同一であると判断した場合とは、上述のように、風やユーザの動作などの影響により、配置台100が振動した場合である可能性が高い。この場合には、配置台100は、何ら情報を情報処理装置300に送信しない。したがって、配置台100が、不要な情報(つまり、対象物Aの変化していない質量)を送信することを防止でき、結果として、通信量を軽減できる。
また、ユーザが、配置台100に配置されていた対象物Aを持ち上げたが、対象物Aの補充および消費をせずに、配置台100に戻す場合がある。この場合にも、対象物Aの質量は変化していない。したがって、この場合に、配置台100が、対象物Aの質量を情報処理装置300に送信すると、不要な情報(つまり、対象物Aの変化していない質量)を送信することになる。
そこで、検出部102が、対象物Aの質量として、「0」を検出した場合には、「0」を検出した直前の質量を第1質量として記憶部105に記憶させる。また、検出部102は、対象物Aが配置台100に配置されたときの質量を第2質量として記憶部105に記憶させる。
判断部106は、第1質量と第2質量とを比較する。判断部106が、第1質量と第2質量とは異なると判断した場合とは、対象物の質量が増減したということである。したがって、この場合には、配置台100は、第2質量を示す質量データを情報処理装置300に送信する。一方、判断部106が、第1質量と第2質量とは同一であると判断した場合とは、上述のように、ユーザが、配置台100に配置されていた対象物Aを持ち上げたが、対象物Aの補充および消費をせずに、配置台100に戻した可能性が高い。この場合には、配置台100は、何ら情報を情報処理装置300に送信しない。したがって、配置台100が、不要な情報(つまり、対象物Aの変化していない質量)を送信することを防止でき、結果として、通信量を軽減できる。
このように、通信IF108は、対象物Aの質量が増加したと判断されたときに該増加後の質量を示す質量データ(第2質量を示す質量データ)を情報処理装置300に送信する。また、通信IF108は、対象物の質量が減少したと判断されたときに該減少後の質量を示す質量データ(第2質量を示す質量データ)を情報処理装置300に送信する。
情報処理装置300は、配置台100からの検出値に基づいて、対象物Aの量を管理する。情報処理装置300の取得部306は、ネットワーク50、および通信IF304を経由して、質量データを取得する。情報処理装置300は、配置台100からの質量データを受信する度に、該質量データにより示される質量を記憶部310に格納する。したがって、情報処理装置300は、今回送信された質量データにより示される質量と、前回送信された質量データにより示される質量とを比較することにより、対象物の質量が増加したのかおよび対象物の質量が減少したのかを特定できる。
制御部308は、配置台100からの質量データに基づいて対象物Aの質量の変化を監視する。設定部312は、基準値を設定する。基準値は、表示装置200が、補充通知を実行するための対象物Aの基準となる量である。通知部314は、所定の通知タイミングで、第1通知信号を表示装置200に送信する。表示装置200の表示制御部202は、第1通知信号を受信したときに、所定の通知(例えば、図1に示す補充通知)をディスプレイ204に行わせる。このように、第1通知信号は、表示装置200に所定の通知を行わせるための信号である。
[対象物の質量の推移]
図4は、情報処理装置300が管理する対象物の質量の推移の一例を示す図である。記憶部310は、対象物の質量の推移を特定可能となるような様々な情報(例えば、図9に示す情報)を格納する。図4の縦軸は、配置台100の検出部102が検出した検出値を示す。この検出値は、配置台100から情報処理装置300に送信された質量データにより示される「対象物の質量」である。以下、縦軸の値を「質量」という場合もあり、「検出値」という場合もある。また、図4の横軸は、時間を示す。
図4の例では、配置台100の所定箇所100Aに初めて配置されたタイミングをタイミングT0とする。その後、ユーザは対象物を消費すること等により、対象物の質量が減少する。
タイミングT1において、ユーザは、対象物を補充したとする。そうすると、タイミングT1において、補充された量分、対象物の質量は増加する。その後、ユーザは対象物を消費すること等により、対象物の質量が減少する。また、タイミングT2において、ユーザは、対象物を補充したとする。図4の例では、タイミングT1~T10で対象物を補充したとする。
また、図4には、上値と下値とが記載されている。図5は、上値と下値とを説明するための図である。図5は、タイミングT1の箇所を詳細に示した図である。図4では、質量の変化を簡略化して示すために、質量の減少が傾斜で示されている。しかし、実際は、図5に示すように、対象物の質量は、階段状に減少する。
ここで、図5に示すように、下値は、「対象物の質量が増加方向に変化したときに対象物の量が該増加方向に変化する前の検出値」である。図5の例では、タイミングT1において、対象物の質量が増加方向に変化している。したがって、この増加方向に変化する前の検出値が、「下値」となる。また、図5では、タイミングT51において、対象物の質量が、減少方向に変化している。下値は、より特定的には、「対象物の量が減少方向から増加方向に変化したとき、対象物の量が該増加方向に変化する前の検出値」である。つまり、下値は、「対象物の量が減少方向に変化したとき」の検出値である。図5の例では、下値は、タイミングT51での検出値である。制御部308は、対象物Aの量が減少方向から増加方向に変化したときに対象物Aの量が増加方向に変化する前の質量を「下値」として特定する。制御部308は、特定した下値を記憶部310に格納することを繰り返すことにより、複数の下値を記憶部310に格納する。
次に、上値を説明する。図5の例では、タイミングT1において、対象物の質量は、増加方向に変化しており、その後のタイミングT52において、対象物の質量は、減少方向に変化している。上値は、「対象物の量が増加方向から減少方向に変化したとき、対象物の量が減少方向に変化する前の検出値」である。図5の例では、上値は、タイミングT1での検出値である。制御部308は、対象物Aの量が増加方向から減少方向に変化したときに対象物Aの量が減少方向に変化する前の質量を上値として特定する。制御部308は、特定した上値を記憶部310に格納することを繰り返すことにより、複数の上値を記憶部310に格納する。
次に、情報処理装置300が、表示装置200に対して第1通知信号を送信する条件を説明する。図6は、図4のαの部分を詳細に示した図である。図6(A)は、対象物Aの質量が階段状に減少している場合の遷移を示す図である。図6(B)は、図6(A)から求められる減少の勾配(以下、「減少勾配」という。)を示した図である。図6では、基準値が記載されている。本実施形態では、設定部312が、基準値を設定する。通知部314は、「基準値」と、「対象物の減少勾配」とに基づいて、第1通知信号を表示装置200に送信する。
次に、「対象物の減少勾配」の算出手法の一例を説明する。情報処理装置300は、対象物Aの減少を特定したタイミングにおいて、情報処理装置300が上値を特定したタイミングから、情報処理装置300が対象物の減少を特定したタイミングまでの期間での「対象物の減少勾配」を以下の式(1)により算出する。
対象物の減少勾配S=ΔM/ΔT・・・式(1)
ただし、
ΔM=「直近で特定した上値-対象物の減少を特定したときの検出値(質量)」により算出される差分値
ΔT=「対象物の減少を特定したときのタイミング(日時)-直近で上値を特定したタイミング(日時)」により算出される差分値
であるとする。
例えば、図6(B)に示すように、情報処理装置300が対象物の減少を特定したタイミングT61での「対象物の減少勾配S61」は、上記の式(1)に基づいて以下の式(2)により算出される。
勾配S61=ΔM1/ΔT1・・・式(2)
ただし、
ΔM1=直近で特定した上値-タイミングT61での検出値(質量)
ΔT1=タイミングT61-直近で上値を特定したタイミングT10
である。
なお、減少勾配Sは、他の手法を用いて算出するようにしてもよい。他の手法は、例えば、最小二乗法を用いた手法である。
情報処理装置300は、減少勾配Sが新たに算出された場合には、基準値と該算出された減少勾配Sとに基づいて、「基準値に到達するまで期間E」を算出する。さらに、情報処理装置300は、算出された期間Eが、予め定められた所定値未満である場合には、「あとD日で対象物がなくなります」という文字を、表示装置200に表示させる。
情報処理装置300は、期間Eを以下の式(3)により算出する。
期間E=第1値-第2値・・・式(3)
ただし、
第1値=|(上値-基準値)/勾配S|
第2値=ΔT
であるとする。
また、|X|は、Xの絶対値を示す。
例えば、上値=100g、基準値=10g、減少勾配=-9、ΔT=4日、予め定められた所定値が「14日」である場合には、第1値は「10」となる。また、期間E=10-4=6となる。期間E(=6日)は、14日(=予め定められた日数)未満である。したがって、情報処理装置300の制御のもと、表示装置200は、「あと、6日で在庫がなくなります」という文字を表示する。なお、算出された期間Eが、予め定められた所定値未満であると判断した場合を通知タイミング(図11のステップS28参照)ともいう。
以上のように、情報処理装置300は、基準値に基づいて、表示装置200に補充の通知を実行させる。したがって、本実施形態の基準値は重要な値である。
図7は、設定部312による基準値の設定の手法等を説明するための図である。設定部312は、記憶部310に格納されている複数の下値を用いた所定演算を実行する。本実施形態の所定演算は、例えば以下の式(4)による演算である。
ただし、Diは異常下値を含む下値を示し、Nは、異常下値を含む下値の数を示し、Fiは異常下値を示し、Mは、異常下値の数を示す。
本実施形態の所定演算は、図7(A)(1)および式(4)に示すように、過去の複数の下値のうち異常下値を除外した下値の平均値を算出するという演算である。
設定部312は、所定演算により算出された値を基準値として設定する。典型的には、設定部312は、所定演算により算出された値を基準値を記憶部310に記憶させる。また、設定部312は、記憶部310に前回の基準値(つまり、前回算出された基準値)が記憶されている場合には、前回の基準値を消去した上で、今回算出された基準値を記憶部310に記憶する。つまり、設定部312は、記憶部310に格納されている複数の下値を用いた所定演算により得られた値で、基準値を更新する。
本実施形態の管理システム500では、初めて配置された対象物Aについて、補充通知を行う。この場合に、初めて配置された対象物Aについての基準値は設定されていないが、基準値の初期値として、任意の値が設定される。任意の値は、最初の検出値(つまり、図4のタイミングT0での検出値)に対して、所定割合を乗算した値を、初期の基準値とする。所定割合は、例えば、10%である。つまり、基準値の初期値は、「0.1×タイミングT0での検出値」となる。
なお、変形例として、管理システム500は、記憶部310に複数の正常下値が格納されるまでは、補充通知を実行しない構成を採用するようにしてもよい。このような構成を採用した管理システム500は、記憶部310に複数の正常下値が格納された場合に、設定部312が基準値を設定し、該設定した基準値に基づいて、補充通知を実行する。
次に、異常下値の特定の手法について説明する。本実施形態では、情報処理装置300に格納されている複数の下値を用いて演算基準を算出する。「演算基準」は、例えば、「正常範囲に属するか否かという基準」である。本実施形態では、図7(A)(2)に示すように、制御部308は、所定値Cを基準値に加算することにより、第1正常範囲の上限値を設定する。「第1正常範囲」は、下値の正常範囲をいう。また、制御部308は、所定値Cを基準値から減算することにより、第1正常範囲の下限値を設定する。所定値Cは予め定められている数である。所定値Cは、ユーザ等が所望の値に設定できるようにしてもよい。
制御部308が、下値を特定した場合において、情報処理装置300は、該特定した下値が、第1正常範囲に属するか否かを判断する。特定した下値が、第1正常範囲に属さないと判断された場合には、制御部308は、該特定した下値を異常下値と判断する。一方、特定した下値が、第1正常範囲に属すると判断された場合には、制御部308は、該特定した下値を正常下値と判断する。設定部312は、複数の正常下値(つまり、過去の複数の下値のうち異常下値を除外した下値)の平均値を基準値として設定する。以下では、「正常下値」を単に「下値」という場合もある。
ところで、本実施形態の管理システム500においては、ユーザに対象物の名称を入力させないようになっている。これにより、ユーザの負担を軽減できる。また、本実施形態の管理システム500は、「ユーザに対象物の名称を入力させるシステム」と比較して、構成を簡素化することができる。表示装置200は、対象物の名称を表示せずに、補充通知を実行する。また、ユーザが、配置台100に配置していた対象物の最大質量よりも多い質量の対象物を誤って配置させる場合がある。図4の例では、ユーザが、対象物の最大質量よりも多い対象物をタイミングT8で誤って配置させたとする。
例えば、ユーザがタイミングT8の下値が特定されるタイミングまでは、最大質量1kgの対象物を配置させていたとする。この場合には、タイミングT0~タイミングT7までの上値が1kg未満となる。また、タイミングT8において、誤って、3kgの対象物を配置させたとする。この場合には、タイミングT8の上値は、1kgよりも多い値となる。
ここで、例えば、ユーザが1kg未満の飲料水を対象物として配置台100に配置させていたものの、タイミングT8で誤って3kgの醤油を対象物として配置台100に配置させたとする。また、ユーザは誤って醤油を配置させたことに気づかないとする。
この場合には、図1に示す補充通知を実行すると、実際は、醤油の質量が0に近いにもかかわらず、補充通知を視認したユーザは飲料水の質量が0に近いと誤認識してしまう。この場合には、誤認識したユーザは、誤って、飲料水を発注するという問題が生じ得る。そこで、本実施形態では、図7(B)に示すように、制御部308は、過去に記憶部310に記憶された複数の上値に基づいて、第2正常範囲を設定する。「第2正常範囲」は、増加したときの検出値の正常範囲を示す。図7(B)の例では、制御部308は、過去の複数の上値の平均値を算出する。さらに、制御部308は、所定値Gを平均値に加算することにより、第2正常範囲の上限値を設定する。また、情報処理装置300は、所定値Gを平均値から減算することにより、第2正常範囲の下限値を設定する。所定値Gは予め定められている数である。所定値Gは、ユーザ等が所望の値に設定できるようにしてもよい。また、所定値Gは、上述の所定値Cと同一としてもよく、所定値Cと異なるようにしてもよい。
取得部306が、検出値を取得した場合において、制御部308は、取得した検出値が第2正常範囲に属するか否かを判断する。取得した検出値が、第2正常範囲に属さないと判断された場合には、該取得した検出値を異常上値と判断する。さらに特定的には、取得した検出値が、第2正常範囲の上限値以上であると判断された場合には、該取得した検出値を異常上値と判断する。一方、取得した検出値が、第2正常範囲に属すると判断された場合には、該取得した検出値を正常上値と判断する。以下では、「正常上値」を単に「上値」という場合もある。
制御部308は、取得した検出値を異常上値と判断した場合には、通知部314は、取得した検出値が異常上値である旨を示す第2通知信号を表示装置200に送信する。表示装置200は、この第2通知信号を受信すると、取得した検出値が異常上値である旨の異常通知を実行する。この異常通知は、例えば、「配置した対象物は間違っています」といった文言を表示する通知である。
なお、ユーザは、対象物の最大質量よりも多い対象物を故意に配置させる場合がある。したがって、この異常通知は、配置した対象物は間違っているか否かを確認させる通知としてもよい。例えば、この異常通知は、「配置した対象物は間違っていませんか?」といった文言を表示する通知としてもよい。
また、ユーザが、対象物を消費するために、配置台100に配置していた対象物を持ち出して、質量が過度に少ない対象物(今まで配置させていた対象物と異なる対象物)を誤って配置させる場合がある。図8は、質量が過度に少ない対象物を誤って配置させた場合を示す図である。図8の例では、質量が過度に少ない対象物をタイミングT71において誤って配置させた場合が示されている。
ここで、例えば、ユーザが1kgの飲料水を対象物として配置台100に配置させていたものの、飲料水を消費するために、配置台100に配置していた飲料水を持ち出して、質量が過度に少ない200gの醤油をタイミングT71で誤って配置台100に配置させたとする。また、ユーザは誤って醤油を配置させたことに気づかないとする。
この場合には、図1に示す補充通知を実行すると、実際は、醤油の質量が0に近いにもかかわらず、補充通知を視認したユーザは飲料水の質量が0に近いと誤認識してしまう。この場合には、誤認識したユーザは、誤って、飲料水を発注するという問題が生じ得る。
そこで、本実施形態では、図7(C)に示す手法により、制御部308は、対象物の減少量の異常値を特定する。
図7(C)は、減少量の異常を特定することを説明するための図である。制御部308は、対象物Aの量が減少方向に変化したときの減少量を記憶部310に格納する。制御部308は、記憶部310に複数の減少量が記憶されている場合、過去の複数の減少量に基づいて、例えば、過去の複数の減少量に基づいて、第3正常範囲を設定する。「第3正常範囲」は、減少量の正常範囲をいう。
図7(C)の例では、制御部308は、過去の複数の減少量の平均値を算出する。さらに、制御部308は、所定値Hを平均値に加算することにより、第3正常範囲の上限値を設定する。また、情報処理装置300は、所定値Hを平均値から減算することにより、第3正常範囲の下限値を設定する。所定値Hは予め定められている数である。所定値Hは、ユーザ等が所望の値に設定できるようにしてもよい。また、所定値Hは、上述の所定値Cと同一としてもよく、所定値Cと異なるようにしてもよい。
制御部308が、減少量を特定した場合において、情報処理装置300は、該特定した減少量が、第3正常範囲に属するか否かを判断する。特定した減少量が、第3正常範囲に属さないと判断された場合には、該特定した減少量を異常減少量と判断する。一方、特定した減少量が、第3正常範囲に属すると判断された場合には、該特定した減少量を正常減少量と判断する。
制御部308は、特定した減少量を異常減少量と判断した場合には、通知部314は、特定した減少量が異常減少量である旨を示す第3通知信号を表示装置200に送信する。表示装置200は、この第3通知信号を受信すると、特定した減少量が異常減少量である旨の異常通知(例えば、図8の異常通知)を実行する。この異常通知は、例えば、「配置した対象物は間違っています」といった文言を表示する通知である。
なお、ユーザは、質量が過度に少ない対象物を故意に配置させる場合がある。したがって、この異常通知は、配置した対象物は間違っているか否かを確認させる通知としてもよい。例えば、この異常通知は、「配置した対象物は間違っていませんか」といった文言を表示する通知としてもよい。
[記憶部が有するデータベース]
図9は、記憶部310が有するデータベースの一例である。図9の例では、データベースの項目として、検出日時、検出値、下値、上値、基準値、減少勾配、減少量、第1正常範囲、第2正常範囲、および第3正常範囲のパラメータが規定される。また、検出日時、検出値、下値、上値、基準値、減少勾配、減少量、第1正常範囲、第2正常範囲、および第3正常範囲を「1組のデータ」という。また、図9の例では、変化量は正であるときと負であるときとがあるので、図9の例では、負の変化量については、「-」を付加し、正の変化量については、「-」を付加しない。なお、図9では、第4正常範囲および第5正常範囲が記載されているが、第4正常範囲および第5正常範囲は、第2実施形態で説明する。
検出日時は、取得部306が、配置台100からの検出値を取得した日時である。下値は、制御部308が特定した下値である。制御部308が下値を特定した場合に、該特定した下値が格納される。上値は、制御部308が特定した上値である。制御部308が上値を特定した場合に、該特定した上値が格納される。
基準値(図6参照)は、設定部312が更新する基準値である。変化量は、検出値の増加または減少を示す値である。変化量は、今回の検出値から前回の検出値の差分値である。第1正常範囲、第2正常範囲、および第3正常範囲は、図7で説明した通りである。
図9のデータベースは、複数の配置台それぞれに対応付けられて規定される。図9の例では、ID=1の配置台100のデータベースが記載されている。また、図示しないが、他のIDの配置台100のデータベースも記憶部310に記憶されている。図9においては「-」は、データが格納されていないいわゆる「NULL」を示す。
取得部306が配置台100からの検出値を取得する度に、制御部308は、検出日時に対応づけて、取得した検出値を記憶部310に格納する。さらに、制御部308は、検出値に関連して、格納可能な他のパラメータを格納する。
配置台100から検出値を初めて取得した検出日時をA1とする。また、検出日時A1における検出値がB1であるとする。また、本実施形態の基準値の初期値は、いかなる値であってもよい。本実施形態では、最初の検出値に所定割合(例えば、10%)を乗算した値である。つまり、基準値の初期値E1は、「0.1×B1」となる。
次に、検出日時A2において、取得部306が取得した検出値はB2であるとする。この場合には、基準値は更新されずに、基準値E1が維持される。また、変化量は、「-F2」であるとする。制御部308は、検出値が減少したと判断した場合、つまり、変化量が負であると判断した場合には、減少勾配を更新する。図9の例では、減少勾配はG2に更新されたとする。また、第1正常範囲、第2正常範囲、および第3正常範囲の更新は、NULLのままである。
次に、検出日時A3において、取得部306が取得した検出値はB3であるとする。この場合には、基準値は更新されずに、基準値E1が維持される。また、変化量は、「-F3」であるとする。変化量が負であることから、制御部308は、減少勾配を更新する。図9の例では、減少勾配はG3に更新されたとする。また、変化量として2つの減少量(-F2と-F3)とが格納されたことから、制御部308は、第3正常範囲を更新する。図9の例では、第3正常範囲をJ3であるとして更新する。また、第1正常範囲、および第2正常範囲は、NULLのままである。
次に、検出日時A4において、取得部306が取得した検出値はB4であり、変化量は、「-F4」であるとする。制御部308は、検出日時A4に対応づけて、検出値としてB4を格納し、変化量として-F4を格納する。次に、検出日時A5において、取得部306が取得した検出値はB5であり、変化量は「+F5」であるとする。制御部308は、検出日時A5に対応づけて、検出値としてB5を格納し、変化量として-F5を格納する。次に、検出日時A6において、取得部306が取得した検出値はB6であり、変化量は、「+F6」であるとする。制御部308は、検出日時A6に対応づけて、検出値としてB6を格納し、変化量として-F6を格納する。
ここで、検出日時A4の変化量は、負の値(-F4)であり、検出日時A5の変化量は、正の値(+F5)である。つまり、検出日時A4の検出値であるB4は、「対象物の量が減少方向から増加方向に変化したとき、対象物の量が該増加方向に変化する前の検出値」に該当する。したがって、制御部308は、検出日時A4の検出値であるB4を下値として特定する。なお、制御部308は、検出日時A4の時点では、検出値B4を下値として特定できず、検出日時A5の時点で、検出値B4を下値として特定できる。したがって、制御部308は、検出日時A4の時点で、検出値の領域にB4を格納し、検出日時A5の時点で、検出日時A4に対応する下値の領域にB4を格納する。
また、検出日時A5の変化量は、正の値(F5)であり、検出日時A6の変化量は、負の値(-F6)である。つまり、検出日時A5の検出値であるB5は、「対象物の量が増加方向から減少方向に変化したとき、対象物の量が減少方向に変化する前の検出値」に該当する。したがって、制御部308は、検出日時A5の検出値であるB5を上値として特定する。なお、制御部308は、検出日時A5の時点では、検出値B5を上値として特定できず、検出日時A6の時点で、検出値B5を上値として特定できる。したがって、制御部308は、検出日時A5の時点で、検出値の領域にB5を格納し、検出日時A6の時点で、検出日時A5に対応する上値の領域にB5を格納する。
また、検出日時A4では、下値の数は1つであることから、基準値は更新されずに、基準値E1が維持される。また、変化量は、「-F4」である。制御部308は、検出値が減少したと判断した場合、つまり、変化量が負であると判断した場合には、減少勾配を更新する。図9の例では、減少勾配はG4に更新されたとする。また、図9の例では、制御部308は、第3正常範囲をJ4として更新する。
また、検出日時A5において、基準値は更新されずに、基準値E1が維持される。また、変化量は、「+F5」である。制御部308は、変化量が正であることから、減少勾配を更新しない(減少勾配G4を維持する)。また、図9の例では、制御部308は、第3正常範囲J4を維持する。
また、検出日時A6において、基準値は更新されずに、基準値E1が維持される。また、変化量は、「-F6」である。変化量が負であることから、制御部308は、減少勾配を更新する。図9の例では、減少勾配はG6に更新されたとする。また、上値が特定されたときから、格納された変化量の数が1つであることから、減少勾配にはNULLを設定する。また、第1正常範囲、および第2正常範囲は、NULLのままである。また、制御部308は、第3正常範囲にNULLを設定する。
また、取得部306が、検出値を複数回、取得した後、検出日時A31において、取得部306が取得した検出値はB31であるとする。また、検出値を複数回、取得した期間において、制御部308が、上値を2回以上特定した場合には、制御部308は基準値を更新する(図7(A)参照)。図9の例では、基準値E31に更新されたとする。
また、検出日時A31において、制御部308は、変化量として「-F31」を設定したとする。また、制御部308は、減少勾配として「G31」を設定したとする。また、第1正常範囲として、「H31」が設定されており、第2正常範囲として、「I31」が設定されており、第3正常範囲として、「J31」が設定されている。
次に、検出日時A32において、取得部306が取得した検出値はB32であり、変化量は、「-F32」であるとする。また、次の検出日時A33(特に図示せず)において、取得部306が取得した検出値はB33であり、変化量は、「+F33」であるとする。つまり、検出日時A32の検出値であるB32は、「対象物の量が減少方向から増加方向に変化したとき、対象物の量が該増加方向に変化する前の検出値」に該当する。制御部308は、この検出値B32を下値であると特定し、さらに、この下値は異常下値であると特定したとする。この場合に制御部308は、異常下値としてB32を格納する。制御部308は、例えば、下値に対して、異常下値フラグを付加する。異常下値フラグは、下値が異常下値であることを示すフラグである。また、制御部308は、変化量として「-F32」を格納し、減少勾配として「G32」を格納する。また、第1正常範囲は、H31に維持され、第2正常範囲は、I31に維持される。また、制御部308は、第3正常範囲としてJ32を格納する。
また、取得部306が、検出値を複数回、取得した後、検出日時A51において、取得部306が取得した検出値はB51であるとする。また、制御部308はこの検出値を下値であると特定したとする。この場合に制御部308は、下値としてB51を格納する。また、記憶部310に記憶されている下値の数は複数となっている。また、検出日時A32において、制御部308により異常下値が特定されている。したがって、制御部308は、図7(A)(1)および式(4)に示すように、過去の複数の下値のうち異常下値を除外した下値の平均値を算出する。制御部308は、この算出結果を基準値とする。図9の例では、制御部308は、基準値をE31からE52に更新する。また、制御部308は、変化量として「-F52」を格納し、減少勾配として「G52」を格納する。また、第1正常範囲は、H52とされ、第2正常範囲は、I51とされ、第3正常範囲は、J52とされている。
[情報処理装置の処理フロー]
図10は、情報処理装置300の処理のフローチャートである。図11は、図10のステップS21の「減少時処理」のフローチャートである。情報処理装置300は、所定時間(例えば、1秒)経過毎に、図10の処理を実行する。まず、ステップS2において、取得部306が、今回の検出値を取得したか否かを判断する。ステップS2において、取得部306が、今回の検出値を取得したと判断するまで、ステップS2の処理を繰り返す(ステップS2でNO)。ステップS2において、取得部306が、今回の検出値を取得したと判断した場合には(ステップS2でYES)、処理は、ステップS4に進む。
ステップS4において、制御部308は、今回の変化が増加であるか否かを判断する。ステップS4での判断の手法は、図9でも説明したように、今回の検出値から前回の検出値の差分値(つまり、図9の変化量)が、正および負のいずれであるかを判断するという手法である。ステップS4において、制御部308が、今回の変化が増加であると判断した場合には(ステップS4でYES)、処理は、ステップS6に進む。
ステップS6においては、制御部308が、今回の検出値(つまり、対象物Aが増加したときの検出値)が第2正常範囲を超えているか否かを判断する。今回の検出値が第2正常範囲を超えている場合というのは、例えば、図4のタイミングT8に示す場合である。今回の検出値が上限の正常範囲を超えていると、制御部308が判断した場合には(ステップS6でYES)、処理は、ステップS8に進む。
ステップS8において、通知部314は、第2通知信号を表示装置200に対して送信する。上述のように、第2通知信号は、今回取得した検出値が異常上値である旨を示す信号である。ステップS8の処理が終了すると、情報処理装置300の処理は終了する。
また、今回の検出値が上限の正常範囲を超えていないと(つまり、今回の検出値が正常であると)、制御部308が判断した場合には(ステップS6でNO)、処理は、ステップS10に進む。ステップS10においては、制御部308は、前回の変化が減少であるか否かを判断する。「前回の変化が減少である場合」というのは、前回の検出値から前々回の検出値を差し引いた差分値が、負である場合である。また、ステップS4でYESと判断され、かつステップS10でYESと判断された場合というのは、図5に示すタイミングT1の場合である。この場合には、ステップS12において、制御部308は、今回の変化前の値を下値として特定し、特定した下値を記憶部310に記憶させる。
次に、ステップS14において、制御部308は、下値が第1正常範囲内に属するか否かを判断する。制御部308が、下値が第1正常範囲に属さないと判断した場合には(ステップS14でNO)、ステップS15において、制御部308は、該下値を異常下値として判断する。ステップS15では、例えば、制御部308は、ステップS12で記憶した下値に異常下値フラグ(図9の検出日時A32参照)を付加する。ステップS15の処理が終了すると、情報処理装置300の処理は終了する。
また、ステップS14において、制御部308が、下値が正常範囲に属すると判断した場合には(ステップS14でYES)、処理はステップS16に進む。ステップS16において、異常下値を除外した複数の下値が記憶部310に記憶されているか否かを、制御部308が判断する。制御部308が、異常下値を除外した複数の下値が記憶部310に記憶されていると判断した場合には(ステップS16でYES)、処理は、ステップS18に進む。また、制御部308が、異常下値を除外した複数の下値が記憶部310に記憶されていないと判断した場合には(ステップS16でNO)、情報処理装置300の処理は終了する。
ステップS18において、制御部308は、複数の下値から異常下値を除外した下値の平均値を基準値として特定する(図7(A)(1)参照)。なお、基準値が既に記憶部310に記憶されている場合には、制御部308は、該記憶されていた基準値を、該特定した基準値に更新する。次に、ステップS20において、基準値に基づいて第1正常範囲を設定する(図7(A)(2)参照)。
ステップS4において、制御部308が今回の変化が減少であると判断した場合には(ステップS4でNO)、処理は、ステップS21の減少時処理に進む。図11を用いて、減少時処理の詳細を説明する。減少時処理のステップS22において、制御部308は、今回の減少量が、第3正常範囲(図9参照)に属するか否かを判断する。ステップS22において、制御部308は、今回の減少量が、第3正常範囲に属さないと判断した場合には(ステップS22でNO)、処理は、ステップS24に進む。
ステップS24において、通知部314は、第3通知信号を表示装置200に対して送信する。上述のように、第3通知信号は、今回の減少量が異常減少量である旨を示す信号である。ステップS24の処理が終了すると、情報処理装置300の処理は終了する。
ステップS22において、制御部308は、今回の減少量が、第3正常範囲に属すると判断した場合には(ステップS22でYES)、処理は、ステップS26に進む。
ステップS26において、制御部308は、減少勾配を更新する(図6参照)。次に、ステップS28において、制御部308は、通知タイミングであるか否かを判断する(上述の式(3)参照)。制御部308が通知タイミングであると判断した場合に(ステップS28でYES)、ステップS30において、通知部314は、第1通知信号を表示装置200に対して送信する。上述のように、第1通知信号は、表示装置200に補充通知を行わせるための信号である。ステップS30の処理が終了すると、減少時処理は終了する。
ステップS28において、制御部308は、通知タイミングではないと判断した場合には(ステップS28でNO)、処理は、ステップS32に進む。ステップS32において、制御部308は、前回の変化が増加であるか否かを判断する。「前回の変化が増加である場合」というのは、前回の検出値から前々回の検出値を差し引いた差分値が、正である場合である。また、ステップS4でNOと判断され、かつステップS32でYESと判断された場合というのは、図5に示すタイミングT52の場合である。この場合には、ステップS34において、制御部308は、今回の変化前の値を上値として特定し、特定した上値を記憶部310に記憶させる。
次に、ステップS16において、複数の上値が記憶部310に記憶されているか否かを、制御部308が判断する。制御部308が、複数の下値が記憶部310に記憶されていると判断した場合には(ステップS36でYES)、処理は、ステップS38に進む。
ステップS38において、制御部308は、複数の上値の平均値に基づいて第2正常範囲を設定する(図7(B))。ステップS38の処理が終了すると、減少時処理は終了する。
[小括]
(1) 本実施形態の情報処理装置300は、所定箇所100Aに配置された対象物Aの量を検出する検出部102の検出値に基づいて、対象物Aの量を管理する。通知部314は、検出部102の検出値と基準値とに基づいて所定の通知処理を行う。本実施形態では、所定の通知処理は、第1通知信号を表示装置200に対して送信する処理である。制御部308は、検出部102の検出値に基づいて対象物Aの量の変化を監視する。例えば、制御部308は、対象物Aの質量が増加したのかまたは対象物Aの質量が減少したのかを監視する。制御部308は、図5に示すように、対象物Aの量が増加方向に変化したときに対象物Aの量が変化する前の検出部102の検出値を下値として記憶部310に格納する(図10のステップS12も参照)。また、設定部312は、記憶部310に格納されている下値を用いて基準値を更新する。
以下に、本実施形態の管理システム500が奏する効果を説明する。本実施形態では、通知部314は、基準値に基づいて、表示装置200に補充通知を実行させる。したがって、基準値は重要な値である。また、ユーザの習慣および対象物を管理する季節など、様々な要因に応じて通知を出力する際の基準となる基準値を変更したいというニーズがある。そこで、本実施形態の管理システム500では、基準値の設定に関するユーザの負担を軽減可能とするために、ユーザに基準値を設定させない。本実施形態では、設定部312が、複数の下値を用いて、基準値を更新する。
ところで、図4のタイミングT1~T4等に示すように、一般的には、ユーザが、対象物を補充するときのこの対象物の質量というのは定まっている。ここで、ユーザには様々な習慣がある。例えば、対象物の残量が0に近くなった場合に、対象物を補充する習慣のユーザ(以下、「第1ユーザ」という。)がいる。一方で、対象物の残量が十分である場合にも関わらず対象物を補充する習慣のユーザ(以下、「第2ユーザ」という。)もいる。したがって、従来では、第1ユーザは、基準値を小さく設定する必要があり、第2ユーザは、基準値を大きく設定する必要があり、ユーザに負担を強いるという問題が生じ得る。
また、季節によって、対象物を消費する速度が異なる場合がある。例えば、対象物が飲料水である場合において、冬であれば、ユーザは飲料水をあまり消費しないことから、基準値は小さい値でよい。一方、夏であれば、ユーザは飲料水を多く消費することから、早めに補充通知を行う必要があり、基準値を大きい値とする必要がある。このように、従来では、季節によって、ユーザは、基準値を設定し直す必要があり、ユーザに負担を強いるという問題が生じ得る。
そこで、本実施形態の管理システム500では、基準値の設定に関するユーザの負担を軽減可能とするために、設定部312が、基準値を設定する。本実施形態では、記憶部310が記憶している過去の複数の下値を用いた基準値を、設定部312が設定する。
第1ユーザにおける過去の複数の下値は、0に近い値となる傾向がある。したがって、設定部312は、第1ユーザの基準値も0に近い基準値を設定できる。一方、第2ユーザにおける過去の複数の下値は、第1ユーザにおける過去の複数の下値よりも大きな値となる傾向がある。したがって、設定部312は、第2ユーザの基準値を、第1ユーザの基準値よりも大きな値に設定できる。
また、対象物が飲料水等である場合において、季節が冬である場合には、過去の複数の下値は、0に近い値となる傾向がある。したがって、設定部312は、季節が冬である場合には、0に近い基準値を設定できる。一方、対象物が飲料水等である場合において、季節が夏である場合には、過去の複数の下値は、冬における過去の複数の下値よりも大きな値となる傾向がある。したがって、設定部312は、季節が夏である場合には、0よりもかなり大きな基準値(季節が冬である場合よりも大きな基準値)を設定することができる。以上により、情報処理装置300は、基準値の設定に関するユーザの負担を軽減可能としつつ、適切な基準値を自動で設定することができる。
(2) 制御部308は、対象物Aの量が増加方向に変化したときに対象物Aの量が変化する前の検出部102の検出値を下値として記憶部310に格納する(図10のステップS12参照)。制御部308は、この格納を繰り返すことにより、複数の下値を記憶部310に格納する。また、設定部312は、記憶部310に格納されている複数の下値を用いた所定演算により得られた値で、基準値を更新する(図7(A)参照)。したがって、設定部312は、過去に記憶されている複数の下値を反映した値を基準値として設定することができる。よって、対象物を管理するユーザの習慣および対象物を管理する季節など、様々な要因に応じた基準値を、設定部312は設定することができる。
(3) 本実施形態の所定演算は、記憶部310に格納されている複数の下値の平均値を算出する演算である。したがって、設定部312は、比較的、簡易な演算で、基準値を算出することができる。
(4) また、図4のタイミングT5に示すように、対象物の残量が十分であるにも関わらず、ユーザの間違い等により、ユーザが対象物を補充する場合がある。この場合でも、情報処理装置300は、補充前の質量を下値として特定する。しかし、この下値は、ユーザの習慣等に合致した下値ではない。換言すれば、この下値は、ユーザの習慣等に合致していない下値である。したがって、この下値を含めた複数の下値の平均値は、ユーザの習慣に合致した基準値とはならない。
そこで、設定部312は、記憶部310に記憶されている複数の下値のうち、演算基準を満たさない下値を特定する。演算基準を満たさない下値は、上述の「異常下値」である。設定部312は、記憶部310に格納されている複数の下値のうちから異常下値(つまり、演算基準を満たさないと特定した下値)を除外して、所定演算を実行する。したがって、設定部312は、ユーザの習慣等に合致していない下値を除外した基準値を設定できる。
(5) また、設定部312は、記憶部310に格納されている複数の下値を用いて演算基準を算出する。本実施形態の演算基準は、第1正常範囲である。したがって、設定部312は、ユーザの習慣等が反映されている複数の下値に基づいて演算基準を設定できる。よって、設定部312は、ユーザの習慣等に合致していない下値を除外した基準値を設定することができる。
(6) また、制御部308は、対象物Aの量が増加方向から減少方向に変化したときに対象物Aの量が減少方向に変化する前の検出部102の検出値を上値として記憶部310に格納する(図11のステップS34)。制御部308は、記憶部310に複数の上値が記憶されている場合(図11のステップS36でYES)、複数の上値に基づいて、第2正常範囲を設定する(図11のステップS38)。本実施形態では、制御部308は、複数の上値の平均値に基づいて、第2正常範囲を設定する(図7(B)参照)。制御部308は、増加方向に変化したときの対象物Aの量が、第2正常範囲に属するか否かを判定する(図10のステップS6)。制御部308は、この対象物Aの量が、第2正常範囲に属さないと判定したときには、情報処理装置300は、第2通知信号を表示装置200に送信する。表示装置200は、第2通知信号を受信することにより、「配置した対象物は間違っていませんか」といった文言を表示する異常通知を実行する。
このような構成によれば、例えば、ユーザが今まで配置していた対象物とは異なる対象物を誤って所定箇所100Aに配置した場合であっても、異常通知を実行することにより、誤った対象物が配置されたことをユーザに認識させることができる。
(7) また、制御部308は、対象物Aの量が減少方向に変化したときの減少量を記憶部310に格納する。制御部308は、記憶部310に複数の減少量が記憶されている場合、複数の減少量に基づいて、第3正常範囲(減少量の正常範囲)を設定する。制御部308は、減少方向に変化したときの対象物Aの量が、第3正常範囲に属するか否かを判定する(図11のステップS22)。制御部308は、この対象物Aの量が、第3正常範囲に属さないと判定したときには、情報処理装置300は、第3通知信号を表示装置200に送信する。表示装置200は、第3通知信号を受信することにより、「配置した対象物は間違っていませんか」といった文言を表示する異常通知を実行する。
このような構成によれば、例えば、ユーザが今まで配置していた対象物とは異なる対象物を誤って所定箇所100Aに配置した場合であっても、異常通知を実行することにより、誤った対象物が配置されたことをユーザに認識させることができる。
(8) 制御部308は、図5に示すように、対象物Aの量が減少方向から増加方向に変化したとき、対象物Aの量が増加方向に変化する前の検出部102の検出値を下値として記憶部310に格納する。したがって、制御部308は、適切な下値を特定できるとともに、該下値を記憶部310に記憶させることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、制御部308は、特定した下値が第1正常範囲に属するか否かにより、該下値が、異常下値であるか否かを判断するという構成(以下、「第1構成」という。)を説明した。しかしながら、制御部308は、特定した下値が異常下値であるか否かを他の構成により特定するようにしてもよい。
以下に、他の構成としての第2構成を説明する。図12は、第2構成を説明するための図である。図12に示すように、異常下値であるとき(タイミングT5参照)における増加量を第1増加量ΔM11であるとする。また、正常下値であるとき(例えば、タイミングT4参照)における増加量を第2増加量ΔM12であるとする。図12の例では、第2増加量ΔM12は、タイミングT4での増加量である。
一般的に、異常下値が、他の下値よりも大きい場合には、第1増加量ΔMは、第2増加量ΔM2よりも少ない。また、増加量が特定された場合において、増加量が過度に少ない場合には、制御部308は、今回特定された増加量分、増加したときの下値を異常下値と特定する。
以下、第2構成を実現するための詳細な処理を説明する。制御部308は、対象物Aの量が増加方向に変化したときに対象物Aの量が変化する前の検出部102の検出値を下値として記憶部310に格納する(ステップS12参照)。これとともに、制御部308は、対象物の量が増加方向に変化したときの増加量を下値と関連付けて記憶部310に格納する。
図5の例で説明すると、「対象物の量が増加方向に変化したときの増加量」は、タイミングT1で増加した増加量である。また、「増加量と関連付けて記憶部310に格納される下値」は、図5の「下値」である。
また、図9の例で説明すると、検出日時A5で制御部308は、増加量として「+F5」を特定している。また、制御部308は、増加量を特定した検出日時A5の1つ前の検出日時A4で、下値B4を特定している。制御部308は、増加量「+F5」と、下値B4とを記憶部310に関連付けて記憶させる。
また、制御部308が質量の増加量(今回の増加量)を特定した場合には、制御部308は、第4正常範囲に今回の増加量が属するか否かを判断する。第4正常範囲は、増加量の正常範囲である。制御部308が、今回の増加量が第4正常範囲に属していると判断した場合には、今回の増加量を記憶部310に記憶させる。さらに、制御部308は、今回の増加量を含む複数の増加量に基づいて、第4正常範囲を算出する。
制御部308は、過去の複数の増加量の平均値を算出する。さらに、制御部308は、所定値Pを平均値に加算することにより、第4正常範囲の上限値を設定する。また、情報処理装置300は、所定値Pを平均値から減算することにより、第4正常範囲の下限値を設定する。所定値Pは予め定められている数である。所定値Pは、ユーザ等が所望の値に設定できるようにしてもよい。また、所定値Pは、上述の所定値Cと同一としてもよく、所定値Cと異なるようにしてもよい。
制御部308は、算出前の第4正常範囲から、該算出された第4正常範囲に更新する。なお、図9においては、検出日時A31および検出日時A32で、第4正常範囲K31が設定されている。また、検出日時A51で、第4正常範囲K51が設定されている。
また、制御部308は、今回の増加量が第4正常範囲に属していないと判断した場合には、今回の増加量は、例えば、過度に少ない増加量である。したがって、制御部308は、今回の増加量を、異常増加量として、記憶部310に記憶させる。さらに、制御部308は、今回の増加量(つまり、異常増加量)を特定したタイミングでの下値を異常下値として特定する。
次に、他の手法としての第3の構成を説明する。以下では、「前回、対象物Aの量が増加方向に変化することに伴って記憶部310に下値を格納してから今回、対象物Aの量が増加方向に変化することに伴って記憶部310に下値を格納するに至るまでの期間」を「下値期間」という。換言すると、下値期間は、「前回、下値を特定したタイミング(直近に下値を特定したタイミング)から、今回、下値を特定したタイミングまでの期間」である。また、下値期間を示す情報を「期間情報」という。図12に示すように、異常下値のタイミングT5と、該タイミングT5よりも前のタイミングであって直近に下値を特定したタイミングT4との期間を第1下値期間ΔT11とする。また、正常下値を特定したタイミングと、該タイミングよりも前のタイミングであって直近に正常下値を特定したタイミングとの期間を第2下値期間T12とする。図12の例では、第2下値期間T12は、タイミングT3からタイミングT4までの期間である。
一般的に、異常下値が、他の下値よりも大きい場合には、第1下値期間ΔT11は、第2下値期間ΔT12よりも短い。下値が今回特定されたタイミングと、下値が前回特定されたタイミングとの期間(つまり、下値期間)が過度に短い場合には、制御部308は、今回特定された下値を異常下値と特定する。
以下、第3の構成を実現するための詳細な処理を説明する。制御部308は、図5で説明した手法により、下値を特定した場合には、該下値を記憶部310に格納する(ステップS12参照)。これとともに、制御部308は、今回、下値を特定したタイミングと、前回下値を特定したタイミングとの期間を示す期間情報を記憶部310に記憶させる。また、制御部308は、期間情報を、今回特定した下値と関連付けて記憶部310に記憶させる。
図12の例で説明すると、例えば、タイミングT3において、制御部308が下値を特定した場合には、制御部308は、該下値と、タイミングT2からタイミングT3までの下値期間を示す期間情報とを関連付けて記憶部310に格納させる。
また、制御部308が下値期間を特定した場合には、制御部308は、第5正常範囲に今回の下値期間が属するか否かを判断する。第5正常範囲は、下値期間の正常範囲である。制御部308が、今回の下値期間が第5正常範囲に属していると判断した場合には、今回の下値期間を記憶部310に記憶させる。さらに、制御部308は、今回の下値期間を含む複数の下値期間に基づいて、第5正常範囲を算出する。
制御部308は、過去の複数の下値期間の平均値を算出する。さらに、制御部308は、所定値Qを平均値に加算することにより、第5正常範囲の上限値を設定する。また、情報処理装置300は、所定値Qを平均値から減算することにより、第5正常範囲の下限値を設定する。所定値Qは予め定められている数である。所定値Qは、ユーザ等が所望の値に設定できるようにしてもよい。また、所定値Qは、上述の所定値Cと同一としてもよく、所定値Cと異なるようにしてもよい。
制御部308は、算出前の第5正常範囲から、該算出された第5正常範囲に更新する。なお、図9においては、検出日時A31および検出日時A32で、第5正常範囲L31が設定されている。また、検出日時A51で、第5正常範囲L32が設定されている。
また、制御部308は、今回の下値期間が第5正常範囲に属していないと判断した場合には、今回の下値期間は、異常下値期間であるとして特定する。制御部308は、今回の下値期間と、該今回の下値期間は異常である旨を示すフラグとを記憶部310に記憶させる。さらに、制御部308は、今回の下値期間を特定したタイミングでの下値を異常下値と特定する。
以上のように、第4構成は、記憶部310に複数の下値と関連付いて格納されている複数の増加量を用いて演算基準(上述の例では、第4正常範囲)を算出する構成である。第4構成では、さらに、対象物Aの増加量が第4正常範囲に属するか否かに基づいて異常下値を特定する。
また、第5構成は、記憶部310に複数の下値と関連付いて格納されている複数の期間情報を用いて演算基準(上述の例では、第5正常範囲)を算出する構成である。第5構成では、さらに、下値期間が第5正常範囲に属するか否かに基づいて異常下値を特定する構成である。
管理システム500に対象物Aの増加量が第4正常範囲に属するか否かに基づいて異常下値を特定する第2構成を用いてもよい。また、管理システム500は、下値期間が第5正常範囲に属するか否かに基づいて異常下値を特定する第3構成を用いてもよい。また、管理システム500は、第1構成~第3構成のうち少なくとも1つの構成を採用するようにしてもよい。
本実施形態の管理システム500のように、第2構成および第3構成のうち少なくとも1つの構成を採用したとしても、異常下値を特定することができる。また、第1構成において、制御部308が下値を特定した場合において、該下値が異常下値である旨を特定した場合には、制御部308は、該下値に異常下値フラグを付加する。一方、第1構成において、制御部308が下値を特定した場合において、該下値が異常下値ではない旨を特定した場合には、第2構成および第3構成のうち少なくとも一方の構成により、該下値が異常下値であるか否かを特定するようにしてもよい。
<第3実施形態>
第1実施形態の管理システム500での情報処理装置300は、いわゆる、サーバ装置としての機能を果たすとして説明した。第3実施形態では、サーバ装置を設けずに管理システムを構成する。
図13は、第3実施形態の管理システム600の構成例である。管理システム600は、配置台100と、情報処理装置700とを有する。第3実施形態の情報処理装置700は、第1実施形態および第2実施形態の情報処理装置300の機能と、第1実施形態および第2実施形態の表示装置200の機能とを統合した装置である。情報処理装置700は、図3で説明した、情報処理装置300の各構成部と、表示装置200の各構成部とを有する。
本実施形態の管理システム600であれば、サーバ装置を有するシステムのような大掛かりなシステムとする必要がない。したがって、本実施形態の管理システム600であれば、システムの構成を簡易化することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、ロードセルの様々な形態を説明する。図14は、様々なロードセルの形態を説明するための図である。図14(A)は、板部材130の一面(配置面)にロードセル102が設けられている例である。対象物Aは、ロードセル102の上に配置される。
また、対象物Aの形状が特殊な形状である場合において、ロードセル102の上に適切に配置できないという問題が生じ得る。この問題を鑑みて、図14(B)に示すロードセル102としてもよい。図14(B)に示すロードセル102は、形状が変形可能な配置部102Aと、該配置部102Aを吊り下げるための吊り下げ部102Bとを有する。
形状が変形可能な配置部102Aには、対象物Aが配置される。また、配置部102Aは、吊り下げ部102Bにより吊り下げられている。したがって、図14(B)のロードセル102は、対象物Aの形状が特殊な形状であっても、該対象物Aの質量を検知できる。
また、板部材130の配置面の面積が小さい場合には、図14(A)のようにロードセル102を配置面に搭載できないという問題が生じ得る。この問題を鑑みて、図14(C)に示すロードセル102としてもよい。図14(C)に示すロードセル102は、ロードセル102に含まれる圧力センサ102Cが、板部材130に配置されており、ロードセル102の本体部102Dが他の個所に設置されている。図14(C)の例では、本体部102Dは、圧力センサ102Cで検知された圧力に基づいて、対象物Aの質量を検知できる。したがって、図14(C)のロードセル102は、板部材130の配置面の面積が小さい場合であっても、対象物Aの質量を検知できる。
<変形例>
(1) 第1実施形態~第3実施形態において、基準値を算出するための所定演算は、「記憶部に格納されている複数の下値の平均値」であるとして説明した。しかしながら、所定演算は、他の演算としてもよい。他の演算は、例えば、「演算結果が記憶部に格納されている複数の下値に関連する(例えば、近似する)結果となる演算」である。他の演算は、例えば、記憶部に格納されている複数の下値の最頻値を算出する演算としてもよい。他の演算は、例えば、記憶部に格納されている複数の下値の中央値を算出する演算としてもよい。
(2) また、第1正常範囲~第5正常範囲はそれぞれ複数のパラメータ値の平均値に基づいて、設定されるとして説明した。第1正常範囲のパラメータ値は、下値である。第2正常範囲のパラメータ値は、上値である。第3正常範囲のパラメータ値は、減少量である。第4正常範囲のパラメータ値は、増加量である。第5正常範囲のパラメータ値は、下値期間である。
しかしながら、第1正常範囲~第5正常範囲のうち少なくとも1つの正常範囲については、平均値ではなく、複数のパラメータ値に関連する値(例えば、複数のパラメータ値に近似する値)であれば、如何なる値であってもよい。複数のパラメータ値に関連する値は、例えば、複数のパラメータ値の最頻値としてもよい。また、複数のパラメータ値に関連する値は、例えば、複数のパラメータ値の中央値としてもよい。
(3) 第1実施形態~第3実施形態において、「演算基準を満たさない下値」の特定の手法として、下値が正常範囲に属するか否かを判断するという手法を採用した。しかしながら、「演算基準を満たさない下値」の特定の手法は他の手法としてもよい。例えば、制御部308は、記憶部310に記憶されている複数の下値に基づいて、正規分布を作成する。制御部308は、特定した下値が、正規分布のうち特定の分布に属すると判断した時には、該下値を異常下値として特定する。また、制御部308は、特定した下値が、正規分布のうち特定の分布とは異なる分布に属すると判断した場合には、該下値を正常下値として特定する。ここで、特定の分布は、X軸において、2σ以上の分布および-2σ未満の分布である。
(4) 第1実施形態~第3実施形態においては、対象物は、ユーザにより故意に補充されない限り、質量が経時的に減少する物であるとして説明した。管理システムは、対象物がこのような物であるという前提で、対象物の質量が基準値以下(または基準値未満)となることに基づいて、所定の通知として補充通知を行うとして説明した。しかしながら、管理システムは、対象物は、ユーザにより故意に減少されない限り、質量が経時的に増加する物としてもよい。例えば、対象物Aは「日常生活により発生するゴミ」としてもよい。この場合には、管理システムは、対象物の質量が、基準値以上となることに基づいて、所定の通理を行うようにしてもよい。所定の通知は、対象物を減少させるという通知(ゴミを廃棄させるという通知)である。
配置台100は、ゴミ箱に設置されており、ゴミ箱に収容されるゴミの質量を検知する。他の制御(基準値の更新等)は、第1実施形態~第3実施形態と同一である。
このような構成によれば、「ユーザにより故意に減少されない限り、質量が経時的に増加する対象物」であっても、第1実施形態~第3実施形態の管理システムを適用することができる。
(5) 本実施形態では、所定の通知は、図1に示すように、対象物の在庫がなくなる(対象物の質量が0になる)までの期間を特定するような補充通知であるとして説明した。しかしながら、補充通知は、他の通知としてもよい。
例えば、ユーザが、例えば、配置台に対して、対象物の名称を入力するようにしてもよい。このような構成によれば、管理システムは、対象物の名称を特定できる。また、このような構成が採用されている場合には、表示装置200は補充通知として、対象物の補充に関連する通知を行うようにしてもよい。例えば、表示装置200は、表示装置200の位置に近い店舗での購入を促進するような補充通知を行うようにしてもよい。対象品が、例えば、「飲料水」である場合には、表示装置200は、「あと6日で飲料水の在庫がなくなります。〇〇店舗で飲料水が販売されています」といった補充通知を行うようにしてもよい。このような構成によれば、対象物が販売されている店舗をユーザに認識させることができる。また、表示装置200は、表示装置200の位置から〇〇店舗までの経路を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、表示装置200から対象物が販売されている店舗までの経路をユーザに認識させることができる。また、対象物の販売価格が通常価格よりも安い場合(つまり、対象物が安売りしている場合)には、販売価格情報を表示するようにしてもよい。例えば、表示装置200は、「あと6日で飲料水の在庫がなくなります。〇〇店舗で飲料水が20%引きで販売されています」といった表示を行うようにしてもよい。このような構成によれば、対象物が安く販売されている店舗をユーザに認識させることができる。また、表示装置200は、対象物を購入可能な電子商取引のサイトに接続して、該サイトの画面を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、対象物をスムーズにユーザに購入させることができる。
(6) 第1実施形態~第3実施形態においては、表示装置200の数は「1つ」であるとして説明した。しかしながら、表示装置200の数は2以上としてもよい。この場合には、2以上の表示装置200それぞれが、補充通知を行うようにしてもよい。
(7) 第1実施形態~第3実施形態で説明した管理システムにおいて、一の装置の一の機能を、他の装置が備えるようにしてもよい。第1実施形態においては、対象物の質量が一時的に変化したことを特定する機能(つまり、図3の記憶部105と判断部106との機能)を配置台100が有するとして説明した。しかしながら、対象物の質量が一時的に変化したことを特定する機能を、情報処理装置300が有するようにしてもよい。また、配置台100が、情報処理装置300の機能、および表示装置200の機能を有するようにしてもよい。
対象物の質量が一時的に変化したことを特定する機能を、情報処理装置300が有する構成の場合には、図10のステップS4において、今回の変化を特定する。情報処理装置300は、ステップS4において、今回の変化が「増加」であると判断した場合には、ステップS6に進む。一方、ステップS4において、今回の変化が「減少」であると判断した場合には、ステップS21に進む。また、ステップS4において、今回の変化が「増加および減少のいずれでもない」と判断した場合には、図10の処理を終了させる。
(8) 第1実施形態~第3実施形態の管理システムに対して、基準値をユーザが自由に設定できる機能を設けてもよい。また、本実施の形態に係るシステムに対して、システムが自動的に設定した基準値をユーザが修正できる機能を設けてもよい。このような構成によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
(9) 第1実施形態~第3実施形態で説明した管理システムにおいて、取得部306が取得した検出値が、第2正常範囲の上限値を超えたと判断された場合には、該取得した検出値を異常上値と判断するとして説明した(図4の異常上値参照)。例えば、ユーザが最大質量が1kgである対象物を配置台100を配置していたが、あるタイミングから、ユーザが、最大質量3kgの対象物を配置台100を配置するようになったとする。その後、この最大質量3kgの対象物の消費および、3kg近辺までの補充を繰り返すことにより、制御部308は、多数回、異常上値を特定することになる。制御部308は、異常上値を特定した場合には、表示装置200は、取得した検出値が異常上値である旨の異常通知を実行する。したがって、表示装置200は、頻繁に、この異常通知を実行する。これにより、ユーザに不快感を抱かせてしまう場合がある。
そこで、本変形例では、制御部308は、異常上値の連続特定回数が第1所定回数に到達した場合には、該連続特定回数が第1所定回数に到達した以降で特定された上値を正常上値として特定する。ここで、連続特定回数は、特定した上値を正常上値として特定することなく、異常上値として特定した回数である。このような構成によれば、表示装置200が、異常上値である旨の異常通知を、頻繁に実行することを防止できる。
また、一のユーザは、対象物の残量が100gまたは100g近傍であるときに、対象物を補充していたとする。その後、管理システム500を使用するユーザがこの一のユーザから他のユーザに変わり、他のユーザは、対象物の残量が500g前後であるときに、対象物を補充するようになったとする。一のユーザであるときには、基準値は、100g前後であることから、第1正常範囲は、およそ100g±Cとなる。しかし、他のユーザが、残り500gで対象物を補充したときには、この500gが下値となり、制御部308は、この下値を異常下値と特定してしまう。その結果、基準値が更新されなくなり、表示装置200が、他のユーザに対して不適切な補充通知を実行してしまう。
そこで、本変形例では、制御部308は、異常下値の連続特定回数が第2所定回数に到達した場合には、該連続特定回数が第2所定回数に到達した以降で特定された下値を正常下値として特定する。ここで、連続特定回数は、特定した下値を正常下値として特定することなく、異常下値として特定した回数である。このような構成によれば、表示装置200が、他のユーザに対して不適切な補充通知を実行することを防止できる。
また、今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。