JP7357597B2 - 接合金物、異形鋼管の接合構造、異形鋼管の柱梁接合構造、及び鋼管柱の接合構造 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、円形断面の鋼管柱と多角形断面の鋼管柱とを接続する金物が開示されている。この金物は、金物の端面の断面形状がそれぞれ接続される鋼管柱の断面形状とほぼ等しく形成されている。
しかしながら、特許文献1に開示された金物は、鋳造又は鍛造により製作される。このため、鋳造のための鋳型や、鍛造のためのプレス型が必要となる。これらの鋳型やプレス型(いわゆる金型)の製作は大掛かりなものとなり、手間とコストがかかる。また、接合すべき角形鋼管と円形断面の部材との断面寸法等に合わせて、金物の形状(寸法)を変更するには金型を新たに製作しなければならず、容易ではない。このようなプレス型を用いた製法は、配管等、大量生産されるものには適しているが、建築構造物の鋼管柱の接合等、少量生産せざる得ないものには適していない。
また、特許文献3には、円形鋼管の端部と他の構造部材とを接合可能とする円形鋼管用金属製中空ジョイントが開示されている。この円形鋼管用金属製中空ジョイントは、筒状のジョイント本体の軸方向一端側に設けられ、円形鋼管内に装入される断面円形状の装入部と、ジョイント本体の軸方向他端側に設けられ、他端側端面に固着されるエンドプレートが固着されるプレート接合部とを備えている。この円形鋼管用金属製中空ジョイントは、装入部を円形鋼管内に装入し、エンドプレートを他の構造部材にボルト接合することで、円形鋼管の端部と他の構造部材とを接合する。
特許文献2、3に開示されたような中空ジョイントは、ハイドロフォーム成形によって形成される。このため、製作時には、ハイドロフォーム成形用の型が必要である。型の製作は大掛かりなものとなり、手間とコストが掛かる。また、接合すべき角形鋼管と他の構造部材の断面寸法等に合わせて、型の形状(寸法)を新たに製作するのは困難である。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の接合金物は、角形鋼管と円形の部材を連結する接合金物であって、一端が多角形に、他端が円形に形成された筒状を成しており、底辺が直線状を成すように形成された三角形状の第1鋼板と、底辺が円弧状を成すように湾曲された三角形状の第2鋼板とが、周方向に交互に上下反転させて設けられ、双方の斜辺同士が溶接されており、前記一端と前記他端との間で連続的に断面形状が変化することを特徴とする。
このような構成によれば、接合金物の一端に角形鋼管を接続し、他端に円形の部材を接続することで、角形鋼管と円形の部材とを接合部材を介して容易に連結することができる。また、接合金物は、第1鋼板と第2鋼板の斜辺同士を溶接すればよいので、製作に手間と多大なコストが掛かる金型を用いることなく、接合金物の製作を容易に行うことができる。さらに、角形鋼管や円形の部材の断面形状や断面寸法、角形鋼管と円形部材との間隔等に応じて、鋼板材料から第1鋼板、第2鋼板を切り出して加工すればよく、少量生産であっても高い自由度で接合金物を製作することができる。したがって、容易かつ安価に実現可能な、角形鋼管と円形の部材を連結する接合金物を提供することが可能となる。
このような構成によれば、角形鋼管柱と円形鋼管柱とを上記接合金物によって接合することで、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となり、建築構造物の設計の自由度を高めることができる。しかも、上記接合金物を用いることによって、このような効果を容易かつ安価に実現することができる。
このような構成によれば、角形鋼管柱と円形鋼管柱とを上記接合金物によって接合することで、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となり、建築構造物の設計の自由度を高めることができる。しかも、上記接合金物を用いることによって、このような効果を容易かつ安価に実現することができる。
このような構成によれば、角形鋼管柱と積層ゴム免震支承部とを上記接合金物によって接合することで、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となる。しかも、上記接合金物を用いることによって、このような効果を容易かつ安価に実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明による接合金物、異形鋼管の接合構造、異形鋼管の柱梁接合構造、鋼管柱の接合構造を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
(接合金物の基本構成)
本発明の実施形態に係る接合金物の構成を示す斜視図を図1に示す。
図1に示されるように、接合金物1は、以下の各実施形態に示されるような角形鋼管と円形の部材を連結するために用いられる。この接合金物1は、中心軸方向に延びる筒状を成している。接合金物1の中心軸方向の一端1aは、中心軸方向から見て多角形を成している。接合金物1の中心軸方向の他端1bは、中心軸方向から見て円形を成している。接合金物1は、一端1aと他端1bとの間で、円形から角形へと連続的に断面形状が変化している。接合金物1は、4枚の第1鋼板2と、4枚の第2鋼板3とから構成されている。接合金物1は、中心軸回りの周方向に交互に配置した第1鋼板2と第2鋼板3とを、互いに溶接して一体化することによって筒状に形成されている。
図2に示すように、第1鋼板2は、底辺2bと、二つの斜辺2sとを有し、鋼板表面に直交する方向から見て、三角形状を成している。本実施形態において、二つの斜辺2sの長さは等しく設定されている。第1鋼板2は、底辺2b、及び二つの斜辺2sが、それぞれ直線状に延びた平板状の鋼板からなる。第1鋼板2の底辺2bの長さは、一端1aに接合される角形鋼管の一辺の幅に合わせて設定される。
二つの斜辺2sは、底辺2bとは反対側の頂部2tにおいて、交わっている。後に説明するように、これら二つの斜辺2sは、第2鋼板3に溶接される。本実施形態においては、二つの斜辺2sが一つの角を挟んで隣り合わないように、二つの斜辺2sが交差する頂部2tは僅かに面取りされて、平面2kが形成されている。これは、一方の斜辺2sの溶接後に他方の斜辺2sを溶接する際に、その溶接熱で溶接が終了している斜辺2sの溶接が溶けるのを抑制することを目的としている。
このような第1鋼板2は、平板状の鋼板材料から所定寸法で切り出すことで容易に製作される。
図3に示されるように、第2鋼板3は、底辺3bと、二つの斜辺3sとを有し、鋼板表面に直交する方向から見て、全体として三角形状を成している。本実施形態において、二つの斜辺3sの長さは等しく設定されている。第2鋼板3は、二つの斜辺3sに対し、その幅方向(周方向)の中央部3mが接合金物1の外周側に張り出すように湾曲している。第2鋼板3の底辺3bは、下方から見て、円弧状を成すように湾曲している。第2鋼板3の底辺3bの曲率半径は、接合金物1の他端1bに接続される円形の部材の曲率半径に合わせて設定される。第2鋼板3は、斜辺3sが直線状となるように、底辺3b側から頂部3t側に向かって、その曲率半径が漸次小さくなるように形成されている。第2鋼板3の頂部3tは、接合金物1の一端1aに接続される角形鋼管の角部が円弧状に曲げ加工されている場合、角部の曲率半径に合わせて湾曲させてもよい。このような第2鋼板3は、平板状の鋼板材料から所定寸法で切り出し、ロール加工やプレス加工等によって曲げ加工を行うことで製作される。つまり、第2鋼板3は、鋳造や鍛造、ハイドロフォーム成形のように金型を用いることなく、通常の金属加工で容易に製作することができる。
この図4に示すように、接合金物1を製作する際には、上記したような第1鋼板2と第2鋼板3とを、周方向に交互に配置する。このとき、第1鋼板2は、上下を反転させて頂部2tを下方に向け、底辺2bを上方に向ける。第1鋼板2は、周方向で両側に配置される2枚の第2鋼板3の底辺3b同士の間に、頂部2tを挟み込むように配置する。第2鋼板3は、周方向で両側に配置される2枚の第1鋼板2の底辺3b同士の間に、頂部3tを挟み込むように配置する。このようにして、第1鋼板2の斜辺2sと、第2鋼板3の斜辺3s同士を突き合わせた状態で、斜辺2s、3s同士を溶接する。これにより、図1に示したような接合金物1が製作される。
上記第1鋼板2、第2鋼板3の板厚は、接合すべき角形鋼管と円形の部材(円形鋼管)との板厚に応じて設定される。角形鋼管と円形部材とで板厚が異なる場合、第1鋼板2、第2鋼板3の板厚は、角形鋼管及び円形の部材のうち、板厚が大きい方に合わせて設定するのが好ましい。
このように、本実施形態における接合金物1の製造方法は、角形鋼管と円形の部材を連結する接合金物1の製造方法であって、第1鋼板2を、底辺2bが直線状を成すような三角形状に形成し、第2鋼板3を、底辺3bが円弧状を成すように湾曲された三角形状に形成し、接合金物1が、一端1aが多角形に、他端1bが円形に形成された筒状を成し、かつ一端1aと他端1bとの間で連続的に断面形状が変化する形状となるように、第1鋼板2と第2鋼板3を、周方向に交互に上下反転させて設けて、双方の斜辺2s、3s同士を溶接する。
次に、本実施形態に係る、上記接合金物1を用いた異形鋼管の柱梁接合構造について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係る異形鋼管の柱梁接合構造の構成を示す斜視図である。
図5に示すように、本実施形態に係る角形鋼管柱(角形鋼管)11と円形鋼管柱(円形の部材)12とを接合する異形鋼管の柱梁接合構造は、角形鋼管柱11と、円形鋼管柱12と、鋼製梁21との接続部J1に、上記接合金物1が設けられる。
角形鋼管柱11及び円形鋼管柱12は、建築構造物の鋼管柱10を構成する。角形鋼管柱11は、平断面視矩形の筒状で、上下方向に延びている。円形鋼管柱12は、平断面視円形の筒状で、上下方向に延びている。円形鋼管柱12は、角形鋼管柱11の鉛直下方に配置され、角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とは、同芯状に配置されている。角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とは、接合金物1を介して接続されている。接合金物1の一端1a側には、上部ダイヤフラム14を介して角形鋼管柱11の下端が接続されている。接合金物1の他端1b側には、下部ダイヤフラム15を介して円形鋼管柱12の上端が接続されている。上部ダイヤフラム14、下部ダイヤフラム15は、水平面に沿って配置される板状を成している。
このような構成によれば、接合金物1の一端1aに角形鋼管柱11を接続し、他端1bに円形鋼管柱12を接続することで、角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とを接合金物1を介して容易に連結することができる。また、接合金物1は、第1鋼板2と第2鋼板3の斜辺2s、3s同士を溶接すればよいので、製作に手間と多大なコストが掛かる金型を用いることなく、接合金物1の製作を容易に行うことができる。さらに、角形鋼管柱11や円形鋼管柱12の断面形状や断面寸法、角形鋼管と円形部材との間隔等に応じて、鋼板材料から第1鋼板2、第2鋼板3を切り出して加工すればよく、少量生産であっても高い自由度で接合金物1を製作することができる。したがって、容易かつ安価に実現可能な、角形鋼管と円形の部材を連結する接合金物1を提供することが可能となる。
このような構成によれば、角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とを上記接合金物1によって接合することで、角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とを連続的な断面で接続することができる。これにより、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となり、建築構造物の設計の自由度を高めることができる。しかも、上記接合金物1を用いることによって、上記のような効果を容易かつ安価に実現することができる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる鋼管柱の接合構造について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る鋼管柱の接合構造の構成を示す斜視図である。
図6に示すように、本実施形態に係る鋼管柱10Bの接合構造は、角形鋼管柱(角形鋼管)11と円形の積層ゴム免震支承部30との接合構造であり、角形鋼管柱11と、積層ゴム免震支承部30と、上記接合金物1と、を備えている。
このような構成によれば、角形鋼管柱11と積層ゴム免震支承部30とを上記接合金物1によって接合することで、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となる。
また、例えば角形鋼管柱11を、ベースプレート35を介して円形のフランジ32aに接合する場合に、角形鋼管柱11を直接ベースプレート35に接合しただけでは、角形鋼管柱11の断面形状とフランジ32aの形状が異なるため、角形鋼管柱11の応力が連続的にフランジ32aへと伝達されない。このため、従来においては、角形鋼管柱11とベースプレート35の各々に接合させるようにリブを設ける必要があった。しかし、上記のような構成によれば、上記のように応力が連続的に伝達されるため、従前のようなリブを設ける必要がない。
このように、上記接合金物1を用いることによって、上記のような効果を容易かつ安価に実現することができる。
次に、本発明の第3の実施形態にかかる鋼管柱の接合構造について説明する。なお、以下に説明する第3の実施形態においては、上記第1、第2の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る鋼管柱の接合構造の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、本実施形態に係る鋼管柱10Cの接合構造は、角形鋼管柱(角形鋼管)11Cと円形の積層ゴム免震支承部30との接合構造であり、角形鋼管柱11Cと、積層ゴム免震支承部30と、上記接合金物1と、を備えている。
積層ゴム免震支承部30は、鋼管柱10Cを構成する角形鋼管柱11Cの下方に配置されている。積層ゴム免震支承部30は、上部のフランジ(円形の部材)32aを備えている。
接合金物1は、積層ゴム免震支承部30と角形鋼管柱11Cとの接続部J3に設けられている。接合金物1は、一端1aが上側を、及び他端1bが下側を向くように設けられている。角形鋼管柱11Cと積層ゴム免震支承部30とは、接合金物1を介して接続されている。接合金物1の一端1a側には、下部ダイヤフラム15Cを介して角形鋼管柱11Cの下端が接続されている。接合金物1の他端1b側には、ベースプレート35Cが接合されている。ベースプレート35Cは、免震装置本体32の上部のフランジ32aにボルト接合されている。
このような構成によれば、角形鋼管柱11Cと積層ゴム免震支承部30とを上記接合金物1によって接合することで、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となる。
また、例えば角形鋼管柱11Cを、ベースプレート35Cを介して円形のフランジ32aに接合する場合に、角形鋼管柱11Cを直接ベースプレート35Cに接合しただけでは、角形鋼管柱11Cの断面形状とフランジ32aの形状が異なるため、角形鋼管柱11Cの応力が連続的にフランジ32aへと伝達されない。このため、従来においては、角形鋼管柱11Cとベースプレート35Cの各々に接合させるようにリブを設ける必要があった。しかし、上記のような構成によれば、上記のように応力が連続的に伝達されるため、従前のようなリブを設ける必要がない。
このように、上記接合金物1を用いることによって、上記のような効果を容易かつ安価に実現することができる。
次に、本発明の第4の実施形態にかかる異形鋼管の接合構造について説明する。なお、以下に説明する第4の実施形態においては、上記第1、第2の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の第4実施形態に係る異形鋼管の接合構造の構成を示す斜視図である。
図8に示すように、本実施形態に係る異形鋼管の接合構造は、角形鋼管柱(角形鋼管)11と円形鋼管柱(円形の部材)12とを接合する異形鋼管の接合構造であり、角形鋼管柱11と、円形鋼管柱12との接続部J4に、上記接合金物1が設けられる。
角形鋼管柱11及び円形鋼管柱12は、建築構造物の鋼管柱10Dを構成する。角形鋼管柱11は、平断面視矩形の筒状で、上下方向に延びている。円形鋼管柱12は、平断面視円形の筒状で、上下方向に延びている。円形鋼管柱12は、角形鋼管柱11の鉛直下方に配置されている。角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とは、接合金物1を介して接続されている。接合金物1の一端1a側には、角形鋼管柱11の下端が接続されている。接合金物1の他端1b側には、円形鋼管柱12の上端が接続されている。
接合金物1において、第2鋼板3の頂部3tは、角形鋼管柱11のコーナー部11cの曲げ半径に合わせた曲率半径で湾曲している。これにより、第2鋼板3の頂部3tと角形鋼管柱11の下端のコーナー部11cとが連続した湾曲面を形成し、溶接を容易に行うことが可能になるとともに、角形鋼管柱11と接合金物1との応力伝達の連続性が高まる。
このような構成によれば、角形鋼管柱11と円形鋼管柱12とを上記接合金物1によって接合することで、部材間の軸方向力や曲げモーメント等の応力の連続的な伝達が可能となり、建築構造物の設計の自由度を高めることができる。しかも、上記接合金物1を用いることによって、このような効果を容易かつ安価に実現することができる。
なお、本発明の接合金物、異形鋼管の接合構造、異形鋼管の柱梁接合構造、及び鋼管柱の接合構造は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態で図示した接合金物1は、接合金物1の一端1aの角形断面部の対角線寸法S(図1参照)が、接合金物1の他端1bの直径D(図1参照)と略等しくなっているが、これに限られない。
例えば、図9に示すように、接合金物1の一端1aの角形断面部の四辺の長さLの和(4L)と、他端1bの円形断面部の周長Mとが略等しくなるように、接合金物1を形成してもよい。
また、図10に示すように、接合金物1は、接合金物1の一端1aの角形断面部の一辺の長さLと、接合金物1の他端1bの直径Dとが略等しくなるように形成してもよい。
これら図9、10においては、例えば図1に示される接合金物1とは上下が逆転されて、すなわち円形を成す他端1bが上方に、かつ多角形を成す一端1aが下方に位置するように描かれている。接合金物1は、このように、上下が逆転されて配置されてもよい。例えば、第1実施形態、第4実施形態においては、上方に位置する角形鋼管柱11と下方に位置する円形鋼管柱12を接合するように接合金物1が用いられたが、上方に位置する円形鋼管柱12と下方に位置する角形鋼管柱11を接合するように、接合金物1が用いられてもよい。
また、上記実施形態で図示した接合金物1では、第1鋼板2、第2鋼板3が、それぞれ、二つの斜辺2s、3sの長さが等しい、いわゆる二等辺三角形となっているが、これに限られない。接合金物1の一端1a側の角形鋼管と他端1b側の円形の部材とが、同芯状に配置されておらず、偏心している場合、第1鋼板2、第2鋼板3の二つの斜辺2s、3sの長さを異ならせるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、角形鋼管が矩形断面を有していたが、接合金物1の一端1a側に接続する角形鋼管の断面形状は、3角形状、あるいは5角形以上の多角形状であってもよい。その場合、接合金物1を構成する第1鋼板2と第2鋼板3との組数を、多角形状の角形鋼管の角数に合わせて設定すればよい。
また、上記実施形態による異形鋼管の柱梁接合構造、及び異形鋼管の接合構造では、接合金物の上端側に角形鋼管柱を設け、下端側に円形鋼管柱を設けているが、接合金物の上端側に円形鋼管柱を設けて、下端側に角形鋼管柱を設けても良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
1a 一端 11、11C 角形鋼管柱(角形鋼管)
1b 他端 12 円形鋼管柱(円形の部材)
2 第1鋼板 21 鋼製梁
2b 底辺 30 積層ゴム免震支承部
2s 斜辺 32a フランジ
3 第2鋼板 35、35C ベースプレート
3b 底辺 J1~J4 接続部
3s 斜辺
Claims (4)
- 角形鋼管と円形の部材を連結する接合金物であって、
一端が多角形に、他端が円形に形成された筒状を成しており、
底辺が直線状を成すように形成された三角形状の第1鋼板と、底辺が円弧状を成すように湾曲された三角形状の第2鋼板とが、周方向に交互に上下反転させて設けられ、双方の斜辺同士が溶接されており、
前記一端と前記他端との間で連続的に断面形状が変化することを特徴とする接合金物。 - 請求項1に記載の接合金物の前記一端側に角形鋼管柱が接合され、前記接合金物の前記他端側に円形鋼管柱が接合されることを特徴とする異形鋼管の接合構造。
- 請求項1に記載の接合金物の外周面に鋼製梁が接合され、前記接合金物の前記一端側に角形鋼管柱が接合され、前記接合金物の前記他端側に円形鋼管柱が接合されることを特徴とする異形鋼管の柱梁接合構造。
- 請求項1に記載の接合金物が、前記一端が上側を、及び前記他端が下側を向くように設けられ、前記接合金物の上端側に角形鋼管柱が接合され、前記接合金物の下端側に積層ゴム免震支承部の円形のフランジが接合されていることを特徴とする鋼管柱の接合構造。
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