JP7357381B2 - 遮光による凍霜害の回避法

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本発明は、果樹の凍霜被害を朝日を遮ぎることで、回避する。

農作物の凍霜害対策は、長年にわたり、燃焼法、散水氷結法、防霜ファン、被覆法、等で実施されてきたが、労力や経費の面で実施されるケースは少なく、期待する経営的メリットも十分でない。

近年、地球温暖化の影響から果樹等の樹木の生育の前進化が見られ、世界各地で大規模な凍霜害が発生している。

また、日本国内でも４月以降、霜注意報が連日発表され、その都度農家は上記の方法で対処することを知っていても、高齢化も進んでおり、対処のタイミングを逃がし、甚大な被害が発生している。

２００３年植物の生長調節Ｖｏｌ．３８．Ｎｏ．２２４０－２４８瀬古澤由彦・弦間洋（筑波大学農林学系）「果樹の凍霜害防止対策の現状」

１９５７年日本気象学会「天気」特別号田沢博「霜害の機構とその防止法について」

凍霜害の発生メカニズムで、現在、有力視されている要因は、「植物細胞の凍結」と「融解後の水分ストレスによる細胞障害」である。

本発明は、この考え方［０００７］に基づいて解決する技術である。
すなわち、「凍結細胞の解凍過程で生じる水分ストレスを大きくしない」の命題を解決するための技術である。

本発明は、果樹の花芽が膨らんで、被害発生の生育ステージに入った時期から実施する技術である。

の日出近くに、温度を確認した上で対策の必要性の最終判断を行う。

ように工夫する。

して花芽を隠す。

凍った花芽の細胞は、外気温の上昇でゆっくり解凍させることで、正常な状態に戻り凍霜害が回避され、開花・結実、高品質安定生産が可能となる。

このことにより、生産性の向上が図られ、産地銘柄の向上や農業後継者の育成拡大に大きく貢献することになる。

太陽光の遮へいによる日陰の創出と花芽の保護

を隠す。

膨らんだ果樹の花芽が放射冷却により凍結した際における凍霜害回避法であって、
日の出近くに外気温度を確認して、凍霜害対策の必要性があると判断した場合に、当該果樹の樹体の東側に太陽の直射光を遮って日陰を創出する太陽光遮へい物を、太陽の直射光が発生する直前に立てて、太陽が昇るのに伴って、前記太陽光遮へい物の位置を変えるか、又はさらに別の太陽光遮へい物を設置することで日陰を作り、凍結した花芽に太陽の直射光が当たらないようにし、
凍結した花芽を外気温の上昇によって解凍することで、凍結細胞の解凍過程で生じる水分ストレスを避ける、果樹花芽の凍霜害回避法。