JP7357359B2 - 結晶化ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、非特許文献2に記載の融液の冷却過程で結晶化させる結晶化ガラスの製造方法も知られているが、この方法では、核形成速度に比べて結晶成長速度が著しく大きくなるため、粗大な結晶(通常、数μmから数百μm)になり、不透明なガラスになるという問題がある。
また、この発明の実施の形態によれば、結晶粒の粒径が小さい結晶化ガラスの製造方法を提供する。
この発明の実施の形態によれば、結晶化ガラスは、ナノサイズの結晶を含む結晶化ガラスであって、SiO2と、ZnOと、B2O3と、分散した複数の結晶粒とを含み、複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、フッ化物、塩化物および塩化フッ化物のいずれかからなる。
構成1において、希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ルテチウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムから選択された少なくとも1つである。
構成2において、複数の結晶粒の各々は、更に、発光元素を含む。発光元素は、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛およびビスマスから選択された少なくとも1つである。
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、複数の結晶粒の各々は、BaF2、SrF2、CaF2、NaYF4およびBaFClのいずれかからなる。
構成4の複数の結晶粒の各々において、Ba、Sr、CaおよびYの各々の一部は、希土類元素によって置換されている。
また、この発明の実施の形態によれば、結晶化ガラスの製造方法は、アルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ土類金属の塩化物およびアルカリ金属のフッ化物の少なくとも1つと、ZnOと、B2O3と、SiO2と、希土類元素のフッ化物および酸化物の少なくとも1つを含む混合物を生成する第1の工程と、混合物を溶融する第2の工程と、溶融した混合物を冷却する第3の工程とを備える。
構成6の第3の工程において、溶融した混合物を102[K/分]~105[K/分]の範囲の冷却速度で冷却する。
(構成8)
また、この発明の実施の形態によれば、ナノサイズの結晶を含む結晶化ガラスであって、SiO 2 と、ZnOと、B 2 O 3 と、分散した複数の結晶粒とを含み、前記SiO 2 は3-10モル%であり、前記ZnOは10-50モル%であり、前記B 2 O 3 は20-55モル%であり、前記複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、BaF 2 、SrF 2 、CaF 2 、NaYF 4 およびBaFClのいずれかからなり、前記BaF 2 は12.5-20モル%であり、前記SrF 2は 26.7-30モル%であり、前記CaF 2 は16.7モル-30モル%であり、前記NaYF 4 はNaFが11.6-15モル%でありYF 3 が5.8-15モル%であり、前記BaFClはBaF 2 が12.5-20モル%でありBaCl 2 が12.5-20モル%であり、前記希土類元素は、イットリウム、ランタン、エルビウム、イッテルビウムから選択される少なくとも一つであり、前記ランタン、エルビウム、イッテルビウムは、1.2-10モル%のErF 3 、0.5-1モル%のEr 2 O 3 、6.8-8.0モル%のYbF 3 および1.7-2.0モル%のErF 3 、0.1モル%のBi 2 O 3 および0.5モル%のLa 2 O 3 のいずれかの原料を由来として含有する、結晶化ガラスである。
(構成9)
構成8において、前記複数の結晶粒の各々は、更に、発光元素を含み、前記発光元素は、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛およびビスマスから選択された少なくとも1つである、結晶化ガラスである。
(構成10)
構成8または構成9において、 前記複数の結晶粒の各々において、Ba、Sr、CaおよびYの各々の一部は、前記希土類元素によって置換されている、結晶化ガラスである。
(構成11)
また、この発明の実施の形態によれば、ZnOを10-50%と、B 2 O 3 を20-55%と、SiO 2 を3-10%と、12.5-20モル%のBaF 2 、12.5-20モル%のBaF 2 および12.5-20モル%のBaCl 2 、16.7-30モル%のCaF 2 、11.6-15モル%のNaFおよび5.8-15モル%のYF 3 、26.7-30モル%のSrF 2 、のいずれかと、1.2-10モル%のErF 3 、0.5-1モル%のEr 2 O 3 、6.8-8.0モル%のYbF 3 および1.7-2.0モル%のErF 3 、0.1モル%のBi 2 O 3 および0.5モル%のLa 2 O 3 、のいずれかとを含む混合物を生成する第1の工程と、前記混合物を溶融する第2の工程と、前記溶融した混合物を冷却する第3の工程とを備える結晶化ガラスの製造方法である。
(構成12)
構成11の第3の工程において、前記溶融した混合物を10 2 [K/分]~10 5 [K/分]の範囲の冷却速度で冷却する、結晶化ガラスの製造方法である。
希土類元素は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびイッテルビウム(Yb)から選択された少なくとも1つである。
ガラスは、結晶に比べてフォノンエネルギーが大きく、アップコンバージョンは、微弱であることが知られている。非特許文献3に記載されているように、ガラスを結晶化させ、フッ化物などのフォノンエネルギーが小さい結晶を析出させることでアップコンバージョン強度を数十から数百倍に増強することができる。
また、結晶化ガラスCGが発光材料として用いられる場合、工程S1において、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウムGd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)おとびイッテルビウム(Yb)のいずれかの酸化物またはフッ化物を用いて混合物を生成する。
(実施例1)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成し、その生成した混合物を白金坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製スーバーパーン)で950℃の温度で20分間溶融を行った。原料は、いずれも、高純度化学研究所製の99.9%以上の純度のものを用いた。その後、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出して放冷することによって実施例1における結晶化ガラスCG-1を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、20モル%のB2O3試薬と、20モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例2における結晶化ガラスCG-2を作製した。
30モル%のCaF2試薬と、10モル%のZnO試薬と、55モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成するとともに、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出してプレス急冷すること以外は、実施例1と同様にして実施例3における結晶化ガラスCG-3を作製した。プレス急冷はカーボン板上の融液を1秒以内に直径200mm厚さ20mmのアルミ製の板で1mmの厚さに押しつぶすことで行った。
16.7モル%のCaF2試薬と、50モル%のZnO試薬と、28.3モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例4における結晶化ガラスCG-4を作製した。
22.3モル%のCaF2試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例5における結晶化ガラスCG-5を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、5.8モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5.8モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例6における結晶化ガラスCG-6を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、5.8モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5.8モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例7における結晶化ガラスCG-7を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、4.6モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例8における結晶化ガラスCG-8を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、9.3モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、2.3モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例9における結晶化ガラスCG-9を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、10.5モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1.2モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例10における結晶化ガラスCG-10を作製した。
15.0モル%のNaF試薬と、15.0モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例11における結晶化ガラスCG-11を作製した。
15.0モル%のNaF試薬と、15.0モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、10モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例12における結晶化ガラスCG-12を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例13における結晶化ガラスCG-13を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例14における結晶化ガラスCG-14を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、7モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例15における結晶化ガラスCG-15を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、10モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例16における結晶化ガラスCG-16を作製した。
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、15モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例17における結晶化ガラスCG-17を作製した。
11.6モル%のNaF試薬と、11.6モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、43.7モル%のB2O3試薬と、3モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例18における結晶化ガラスCG-18を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、20モル%のBaCl2試薬と、30モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例19における結晶化ガラスCG-19を作製した。
17.5モル%のBaF2試薬と、17.5モル%のBaCl2試薬と、30モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例20における結晶化ガラスCG-20を作製した。
15モル%のBaF2試薬と、15モル%のBaCl2試薬と、35モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例21における結晶化ガラスCG-21を作製した。
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、3モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例22における結晶化ガラスCG-22を作製した。
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例23における結晶化ガラスCG-23を作製した。
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、7モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例24における結晶化ガラスCG-24を作製した。
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、10モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例25における結晶化ガラスCG-25を作製した。
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、6.8モル%のYbF3試薬と、1.7モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例26における結晶化ガラスCG-26を作製した。
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、8モル%のYbF3試薬と、2モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例27における結晶化ガラスCG-27を作製した。
30モル%のSrF2試薬と、10モル%のZnO試薬と、55モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成し、その生成した混合物を白金坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製スーバーパーン)で1050℃の温度で20分間溶融を行った。その後、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出して放冷することによって、カラス相のみからなるガラスを作製した。引き続いて、ガラスを616℃で3時間熱処理することによって実施例28における結晶化ガラスCG-28を作製した。
26.7モル%のSrF2試薬と、20モル%のZnO試薬と、48.3モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および作製されたガラスを589℃で3時間熱処理した以外は、実施例28と同様にして実施例29における結晶化ガラスCG-29を作製した。
(実施例30)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.1モル%のBi2O3試薬と、0.5モル%のLa2O3試薬とを混合して混合物を生成し、その生成した混合物を白金坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製スーバーパーン)で950℃の温度で20分間溶融を行った。その後、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出して放冷することによって、カラス相のみからなるガラスを作製した。引き続いて、ガラスを503℃で3時間熱処理することによって実施例30における結晶化ガラスCG-30を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、40モル%のB2O3試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例1における結晶化ガラスCG-Comp1を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例2における結晶化ガラスCG-Comp2を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例3における結晶化ガラスCG-Comp3を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB2O3試薬と、5モル%のSiO2試薬と、10モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例4における結晶化ガラスCG-Comp4を作製した。
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、20モル%のB2O3試薬と、20モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr2O3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例5における結晶化ガラスCG-Comp5を作製した。
実施例1~29における結晶化ガラスCG-1~CG-29および比較例1~5における結晶化ガラスCG-Comp1~CG-Comp5を1mmの厚さに鏡面研磨した後に、吸光光度計(島津社製UH-4150)を用いて結晶化ガラスCG-1~CG-29,CG-Comp1~CG-Comp5の透過率を測定した。
更に、結晶化ガラスCG-1~CG-29,CG-Comp1~CG-Comp5中の結晶の粒径を次の2つの方法で計測した。
粒径をDとしたとき、粒径Dは、回折ピーク幅B、回折角θ、X線の波長λおよび定数Kを用いて次式によって表される。
K=0.9およびλ=1.54Å(線源がCuであるときの波長)を用いて、式(1)によって粒径Dを求めた。
また、実施例5,6,21における結晶化ガラスCG-5,CG-6,CG-21のX線回折においては、それぞれ、CaF2から結晶相、NaYF4からなる結晶相、およびSrF2からなる結晶相のCa、YおよびSrの一部が希土類元素(Er)によって置換されていることを示すピークを観測することができなかったが、これは、Ca,Y,Srのイオン半径がErのイオン半径に近いことに起因するものであり、実際には、Ca、YおよびSrの一部が希土類元素(Er)によって置換されていると考えられる。
図15を参照して、実施例30における結晶化ガラスCG-30は、ピークPK24~PK27を有する。ピークPK24~PK27は、それぞれ、BaF2からなる結晶相の位置を示す線L1~L4に一致する。従って、実施例30における結晶化ガラスCG-30は、BaF2からなる結晶相を含むことが分かった。そして、BaF2からなる結晶の粒径は、8.0nmであった。
図16に示す発光スペクトルは、堀場製作所のFluorolog-3の装置を用い、励起波長460nmで励起したときの発光スペクトルである。
図16を参照して、結晶化ガラスCG-30は、近赤外において発光することが分かった。これは、結晶化ガラスCG-30がBiを含みので、Bi3+による発光であると考えられる。従って、結晶化ガラスCG-30は、近赤外の光源として利用可能であることが分かった。
Claims (5)
- ナノサイズの結晶を含む結晶化ガラスであって、
SiO2と、
ZnOと、
B2O3と、
分散した複数の結晶粒とを含み、
前記SiO 2 は3-10モル%であり、
前記ZnOは10-50モル%であり、
前記B 2 O 3 は20-55モル%であり、
前記複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、BaF 2 、SrF 2 、CaF 2 、NaYF 4 およびBaFClのいずれかからなり、
前記BaF 2 は12.5-20モル%であり、
前記SrF 2は 26.7-30モル%であり、
前記CaF 2 は16.7モル-30モル%であり、
前記NaYF 4 はNaFが11.6-15モル%でありYF 3 が5.8-15モル%であり、
前記BaFClはBaF 2 が12.5-20モル%でありBaCl 2 が12.5-20モル%であり、
前記希土類元素は、イットリウム、ランタン、エルビウム、イッテルビウムから選択される少なくとも一つであり、
前記ランタン、エルビウム、イッテルビウムは、1.2-10モル%のErF 3 、0.5-1モル%のEr 2 O 3 、6.8-8.0モル%のYbF 3 および1.7-2.0モル%のErF 3 、0.1モル%のBi 2 O 3 および0.5モル%のLa 2 O 3 のいずれかの原料を由来として含有する、結晶化ガラス。 - 前記複数の結晶粒の各々は、更に、発光元素を含み、
前記発光元素は、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛およびビスマスから選択された少なくとも1つである、請求項1に記載の結晶化ガラス。 - 前記複数の結晶粒の各々において、Ba、Sr、CaおよびYの各々の一部は、前記希土類元素によって置換されている、請求項1または請求項2に記載の結晶化ガラス。
- ZnOを10-50%と、
B2O3 を20-55%と、
SiO2 を3-10%と、
12.5-20モル%のBaF 2 、12.5-20モル%のBaF 2 および12.5-20モル%のBaCl 2 、16.7-30モル%のCaF 2 、11.6-15モル%のNaFおよび5.8-15モル%のYF 3 、26.7-30モル%のSrF 2 、のいずれかと、
1.2-10モル%のErF 3 、0.5-1モル%のEr 2 O 3 、6.8-8.0モル%のYbF 3 および1.7-2.0モル%のErF 3 、0.1モル%のBi 2 O 3 および0.5モル%のLa 2 O 3 、のいずれかと
を含む混合物を生成する第1の工程と、
前記混合物を溶融する第2の工程と、
前記溶融した混合物を冷却する第3の工程とを備える結晶化ガラスの製造方法。 - 前記第3の工程において、前記溶融した混合物を102[K/分]~105[K/分]の範囲の冷却速度で冷却する、請求項4に記載の結晶化ガラスの製造方法。
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001508752A (ja) | 1997-01-02 | 2001-07-03 | コーニング インコーポレイテッド | 透明オキシフルオライドガラスセラミック組成物およびその製造方法 |
JP2002145642A (ja) | 2000-11-09 | 2002-05-22 | Ohara Inc | 発光性結晶化ガラス |
JP2007197249A (ja) | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Ohara Inc | ガラスセラミックスおよびガラスセラミックスの製造方法 |
JP2013035745A (ja) | 2011-07-14 | 2013-02-21 | Omg Co Ltd | 光拡散ガラス部材 |
JP2016196394A (ja) | 2015-02-02 | 2016-11-24 | フエロ コーポレーション | 光学用途に使用するためのガラス組成物及びガラスフリット複合物 |
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- 2020-05-29 JP JP2020094216A patent/JP7357359B2/ja active Active
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