JP2021187706A - 結晶化ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性を向上可能な結晶化ガラスを提供する。【解決手段】結晶化ガラスCGは、ナノサイズの結晶を含む結晶化ガラスであって、SiO2と、ZnOと、B2O3と、分散した複数の結晶粒とを含み、複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、フッ化物、塩化物および塩化フッ化物のいずれかからなる。複数の結晶粒の各々は、BaF2の結晶相、SrF2の結晶相、CaF2の結晶相、NaYF4の結晶相およびBaFClの結晶相のいずれかからなる。BaF2からなる結晶相のBaの一部、SrF2からなる結晶相のSrの一部、CaF2からなる結晶相のCaの一部、NaYF4からなる結晶相のYの一部およびBaFClからなる結晶相の一部のBaは、希土類元素によって置換されている。【選択図】なし

Description

この発明は、結晶化ガラスおよびその製造方法に関する。
ガラスは、準安定な構造を凍結したものであるので、熱処理を行うことによって原子の再配列を可能にすることで、安定相である結晶になる。これを結晶化ガラスと呼び、ゼロ熱膨張ガラスを始めとする各種部材に利用されている。
従来、非特許文献1に記載の結晶化ガラスが知られている。この結晶化ガラスは、一度、ガラスを作製した後に、ガラスを電気炉に入れて数時間保持することによって徐々に核生成を誘起し、更に、僅かに結晶成長させることによってナノサイズの結晶を析出させて製造される。
J. Deubener et al., "Updated definition of glass-ceramics", Journal of Non-Crystalline Solids, Vol 501, 1 December 2018, Pages 3-10. K. Shinozaki et al., "Long afterglow in hexagonal SrAl2O4: Eu2+, Dy3+ synthesized by crystallization of glass and solidification of supercooled melts", Journal of Luminescence, Vol 177, September 2016, Pages 286-289. Y. Wang, J. Ohwaki, "New transparent vitroceramics codoped with Er3+ and Yb3+ for efficient frequency upconversion", Applied Physics Letter, Vol 63, 1993年, article number 3268. 山根正之著、はじめてガラスを作る人のために(セラミックス基礎講座)、内田老鶴圃、1989年出版(ISBN-10: 4753653048).
しかし、非特許文献1に記載の製造方法によって製造された結晶化ガラスでは、ガラスを製造した後に数時間から数十時間の精密に温度制御された再加熱プロセスを必要とする。その結果、連続プロセスを適用することが困難である、生産性が低い、および再加熱による軟化により形状が変化する等の問題がある。
また、非特許文献2に記載の融液の冷却過程で結晶化させる結晶化ガラスの製造方法も知られているが、この方法では、核形成速度に比べて結晶成長速度が著しく大きくなるため、粗大な結晶(通常、数μmから数百μm)になり、不透明なガラスになるという問題がある。
そこで、この発明の実施の形態によれば、結晶粒の粒径が小さい結晶化ガラスを提供する。
また、この発明の実施の形態によれば、結晶粒の粒径が小さい結晶化ガラスの製造方法を提供する。
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、結晶化ガラスは、ナノサイズの結晶を含む結晶化ガラスであって、SiO2と、ZnOと、B23と、分散した複数の結晶粒とを含み、複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、フッ化物、塩化物および塩化フッ化物のいずれかからなる。
(構成2)
構成1において、希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ルテチウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムから選択された少なくとも1つである。
(構成3)
構成2において、複数の結晶粒の各々は、更に、発光元素を含む。発光元素は、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛およびビスマスから選択された少なくとも1つである。
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、複数の結晶粒の各々は、BaF2、SrF2、CaF2、NaYF4およびBaFClのいずれかからなる。
(構成5)
構成4の複数の結晶粒の各々において、Ba、Sr、CaおよびYの各々の一部は、希土類元素によって置換されている。
(構成6)
また、この発明の実施の形態によれば、結晶化ガラスの製造方法は、アルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ土類金属の塩化物およびアルカリ金属のフッ化物の少なくとも1つと、ZnOと、B23と、SiO2と、希土類元素のフッ化物および酸化物の少なくとも1つを含む混合物を生成する第1の工程と、混合物を溶融する第2の工程と、溶融した混合物を冷却する第3の工程とを備える。
(構成7)
構成6の第3の工程において、溶融した混合物を102[K/分]〜105[K/分]の範囲の冷却速度で冷却する。
結晶化ガラスにおいて、透明性を向上できる。
この発明の実施の形態による結晶化ガラスの製造方法を示す工程図である。 実施例1における結晶化ガラスCG−1および比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例5における結晶化ガラスCG−5のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例6における結晶化ガラスCG−6のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例21における結晶化ガラスCG−21のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例28における結晶化ガラスCG−28のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例1における結晶化ガラスCG−1および比較例1,2における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp2の透過スペクトルを示す図である。 比較例3〜5における結晶化ガラスCG−Comp3〜CG−Comp5の透過スペクトルを示す図である。 実施例1における結晶化ガラスCG−1の透過電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例17における結晶化ガラスCG−17の透過電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例21における結晶化ガラスCG−21の透過電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1の透過電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3の透過電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例5における結晶化ガラスCG−Comp5の透過電子顕微鏡写真を示す図である。 実施例30における結晶化ガラスCG−30のX線回折のスペクトルを示す図である。 実施例30における結晶化ガラスCG−30の発光スペクトルを示す図である。
この発明の実施の形態による結晶化ガラスCGは、ナノサイズ(粒径が100nm以下)の結晶を含む結晶化ガラスであって、SiO2と、ZnOと、B23と、分散した複数の結晶粒とを含み、複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、フッ化物、塩化物および塩化フッ化物のいずれかからなる。
そして、複数の結晶粒の各々は、BaF2、SrF2、CaF2、NaYF4およびBaFClのいずれかからなる結晶相によって構成される。
また、複数の結晶粒の各々は、BaF2の結晶相またはBaFClの結晶相からなる場合、バリウム(Ba)の一部が希土類元素によって置換され、SrF2の結晶相からなる場合、ストロンチウム(Sr)の一部が希土類元素によって置換され、CaF2の結晶相からなる場合、カルシウム(Ca)の一部が希土類元素によって置換され、NaYF4の結晶相からなる場合、イットリウム(Y)の一部が希土類元素によって置換されている。
希土類元素は、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ルテチウム(Lu)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびイッテルビウム(Yb)から選択された少なくとも1つである。
これらの希土類元素は、結晶核の生成に寄与する希土類元素、発光に寄与する希土類元素およびアップコンバージョンに寄与する希土類元素に分類される。アップコンバージョンは、波長λ1の光を波長λ1よりも短い波長λ2の光に変換するものである。
ガラスは、結晶に比べてフォノンエネルギーが大きく、アップコンバージョンは、微弱であることが知られている。非特許文献3に記載されているように、ガラスを結晶化させ、フッ化物などのフォノンエネルギーが小さい結晶を析出させることでアップコンバージョン強度を数十から数百倍に増強することができる。
結晶化ガラスCGは、アップコンバージョン材料または発光材料としても使用されるとき、更に、増感剤を含んでいても良い。
結晶核の生成のみに寄与する希土類元素と、結晶核の生成および発光に寄与する希土類元素と、結晶核の生成、発光およびアップコンバージョンに寄与する希土類元素と、増感剤と、発光元素とを表1に示す。発光元素は母材に添加することにより発光中心となり、紫外、可視、赤外域にて蛍光を示すようになる元素である。
Figure 2021187706
表1に示すように、イットリウム(Y)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)は、結晶核の生成のみに寄与する希土類元素である。また、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)およびイッテルビウム(Yb)は、結晶核の生成および発光に寄与する希土類元素であり、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)およびツリウム(Tm)は、結晶核の生成、発光およびアップコンバージョンに寄与する希土類元素である。チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)は、増感剤である。チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、インジウム(In)、錫(Sn)、タリウム(Ta)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)は、発光元素である。
なお、結晶化ガラスCGは、結晶核の形成のみに寄与する希土類元素、結晶核の形成と発光に寄与する希土類元素、または核生成、発光およびアップコンバージョンに寄与する希土類元素のうち少なくとも一種類を含んでいる。さらに、発光元素、増感剤、あるいは発光元素と増感剤とを含んでもよい。
図1は、この発明の実施の形態による結晶化ガラスCGの製造方法を示す工程図である。図1を参照して、結晶化ガラスCGの製造が開始されると、アルカリ土類金属のフッ化物と、アルカリ土類金属の塩化物およびアルカリ金属のフッ化物の少なくとも1つと、ZnOと、B23と、SiO2と、希土類元素のフッ化物および酸化物の少なくとも1つを含む混合物を生成する(工程S1)。
そして、混合物を溶融し(工程S2)、その後、溶融した混合物を冷却する(工程S3)。溶融は原料が融解し、るつぼから流しだすことが可能な粘性になる温度域で行われる。典型的には800℃から1200℃の範囲である。これによって、結晶化ガラスCGの製造が終了する。
工程S3においては、溶融した混合物を放冷することによって混合物を冷却してもよく、溶融した混合物を急冷することによって混合物を冷却してもよく、一般的には、プレス急冷または融液の放冷によって冷却する方法であれば、どのような方法によって混合物を冷却してもよい。この場合の冷却速度は、非特許文献4によれば、プレス急冷法が105[K/分]であり、放冷が102[K/分]である。
また、工程S1〜工程S3によって製造した場合に、ガラス相のみからなるガラスが得られた場合、工程S3の後、それぞれのガラスのガラス転移温度から結晶ピーク温度の範囲でガラスを熱処理して結晶化ガラスを製造してもよい。このときのガラス転移温度および結晶化ピーク温度は、通常、示差熱分析または示差走査熱量測定によって決定される。結晶化速度に必要な熱処理時間は、組成や温度によって異なるが、典型的には、1分以上6時間以内の時間で熱処理される。
更に、結晶化ガラスCGが発光材料またはアップコンバージョン材料として用いられる場合、工程S1において、表1に示す元素の酸化物、フッ化物、または塩化物を更に追加して混合物を生成する。具体的には、表2に示す酸化物またはフッ化物を追加する。これによって、発光材料またはアップコンバージョン材料として機能する透明な結晶化ガラスCGを製造することができる。また、結晶化ガラスCGが発光材料またはアップコンバージョン材料として用いられる場合において増感剤を更に添加するとき、工程S1において、表2に示すニッケル(Ni)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、アンチモン(Sb)および錫(Sn)のいずれかの酸化物またはフッ化物を更に追加して混合物を生成する。
より詳細には、結晶化ガラスCGが発光材料およびアップコンバージョン材料として用いられない場合、工程S1において、イットリウム(Y)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)のいずれかの酸化物またはフッ化物を用いて混合物を生成する。
また、結晶化ガラスCGが発光材料として用いられる場合、工程S1において、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウムGd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)おとびイッテルビウム(Yb)のいずれかの酸化物またはフッ化物を用いて混合物を生成する。
更に、結晶化ガラスCGが発光材料およびアップコンバージョン材料として用いられる場合、工程S1において、ネオジム(Nd)、エルビウム(Er)、プラセオジム(Pr)、ホルミウム(Ho)およびツリウム(Tm)のいずれかの酸化物またはフッ化物を用いて混合物を生成する。
更に、結晶化ガラスCGが発光材料、または発光材料およびアップコンバージョン材料として用いられる場合において増感剤を更に添加するとき、工程S1において、上述した元素と、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、アンチモン(Sb)および錫(Sn)の酸化物またはフッ化物とを用いて混合物を生成する。
Figure 2021187706
以下、実施例を用いて、この発明の実施の形態による結晶化ガラスCGを詳細に説明する。102[K/分]〜105[K/分]の範囲で融液の冷却速度を変えて実験するために、102[K/分]の冷却速度の放冷と、105[K/分]の冷却速度のプレス急冷との実験を実施した。
(実施例1)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成し、その生成した混合物を白金坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製スーバーパーン)で950℃の温度で20分間溶融を行った。原料は、いずれも、高純度化学研究所製の99.9%以上の純度のものを用いた。その後、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出して放冷することによって実施例1における結晶化ガラスCG−1を作製した。
(実施例2)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、20モル%のB23試薬と、20モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例2における結晶化ガラスCG−2を作製した。
(実施例3)
30モル%のCaF2試薬と、10モル%のZnO試薬と、55モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成するとともに、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出してプレス急冷すること以外は、実施例1と同様にして実施例3における結晶化ガラスCG−3を作製した。プレス急冷はカーボン板上の融液を1秒以内に直径200mm厚さ20mmのアルミ製の板で1mmの厚さに押しつぶすことで行った。
(実施例4)
16.7モル%のCaF2試薬と、50モル%のZnO試薬と、28.3モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例4における結晶化ガラスCG−4を作製した。
(実施例5)
22.3モル%のCaF2試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例5における結晶化ガラスCG−5を作製した。
(実施例6)
11.7モル%のNaF試薬と、5.8モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5.8モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例6における結晶化ガラスCG−6を作製した。
(実施例7)
11.7モル%のNaF試薬と、5.8モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5.8モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例7における結晶化ガラスCG−7を作製した。
(実施例8)
11.7モル%のNaF試薬と、7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、4.6モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例8における結晶化ガラスCG−8を作製した。
(実施例9)
11.7モル%のNaF試薬と、9.3モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、2.3モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例9における結晶化ガラスCG−9を作製した。
(実施例10)
11.7モル%のNaF試薬と、10.5モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1.2モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例10における結晶化ガラスCG−10を作製した。
(実施例11)
15.0モル%のNaF試薬と、15.0モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例3と同様にして実施例11における結晶化ガラスCG−11を作製した。
(実施例12)
15.0モル%のNaF試薬と、15.0モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、10モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例12における結晶化ガラスCG−12を作製した。
(実施例13)
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例13における結晶化ガラスCG−13を作製した。
(実施例14)
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例14における結晶化ガラスCG−14を作製した。
(実施例15)
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、7モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例15における結晶化ガラスCG−15を作製した。
(実施例16)
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、10モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例16における結晶化ガラスCG−16を作製した。
(実施例17)
11.7モル%のNaF試薬と、11.7モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、41.7モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、15モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例17における結晶化ガラスCG−17を作製した。
(実施例18)
11.6モル%のNaF試薬と、11.6モル%のYF3試薬と、30モル%のZnO試薬と、43.7モル%のB23試薬と、3モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして実施例18における結晶化ガラスCG−18を作製した。
(実施例19)
20モル%のBaF2試薬と、20モル%のBaCl2試薬と、30モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例19における結晶化ガラスCG−19を作製した。
(実施例20)
17.5モル%のBaF2試薬と、17.5モル%のBaCl2試薬と、30モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例20における結晶化ガラスCG−20を作製した。
(実施例21)
15モル%のBaF2試薬と、15モル%のBaCl2試薬と、35モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例21における結晶化ガラスCG−21を作製した。
(実施例22)
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、3モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例22における結晶化ガラスCG−22を作製した。
(実施例23)
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例23における結晶化ガラスCG−23を作製した。
(実施例24)
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、7モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例24における結晶化ガラスCG−24を作製した。
(実施例25)
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、10モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例25における結晶化ガラスCG−25を作製した。
(実施例26)
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、6.8モル%のYbF3試薬と、1.7モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例26における結晶化ガラスCG−26を作製した。
(実施例27)
12.5モル%のBaF2試薬と、12.5モル%のBaCl2試薬と、40モル%のZnO試薬と、30モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、8モル%のYbF3試薬と、2モル%のErF3試薬とを混合して混合物を生成したこと、および溶融を850℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして実施例27における結晶化ガラスCG−27を作製した。
(実施例28)
30モル%のSrF2試薬と、10モル%のZnO試薬と、55モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成し、その生成した混合物を白金坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製スーバーパーン)で1050℃の温度で20分間溶融を行った。その後、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出して放冷することによって、カラス相のみからなるガラスを作製した。引き続いて、ガラスを616℃で3時間熱処理することによって実施例28における結晶化ガラスCG−28を作製した。
(実施例29)
26.7モル%のSrF2試薬と、20モル%のZnO試薬と、48.3モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成したこと、および作製されたガラスを589℃で3時間熱処理した以外は、実施例28と同様にして実施例29における結晶化ガラスCG−29を作製した。
(実施例30)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、0.1モル%のBi23試薬と、0.5モル%のLa23試薬とを混合して混合物を生成し、その生成した混合物を白金坩堝に入れ、電気炉(モトヤマ製スーバーパーン)で950℃の温度で20分間溶融を行った。その後、坩堝中で溶けた融液をカーボン板上に流し出して放冷することによって、カラス相のみからなるガラスを作製した。引き続いて、ガラスを503℃で3時間熱処理することによって実施例30における結晶化ガラスCG−30を作製した。
(比較例1)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、40モル%のB23試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1を作製した。
(比較例2)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2を作製した。
(比較例3)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、5モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3を作製した。
(比較例4)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、35モル%のB23試薬と、5モル%のSiO2試薬と、10モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例4における結晶化ガラスCG−Comp4を作製した。
(比較例5)
20モル%のBaF2試薬と、40モル%のZnO試薬と、20モル%のB23試薬と、20モル%のSiO2試薬と、1モル%のEr23試薬とを混合して混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして比較例5における結晶化ガラスCG−Comp5を作製した。
[評価]
実施例1〜29における結晶化ガラスCG−1〜CG−29および比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5を1mmの厚さに鏡面研磨した後に、吸光光度計(島津社製UH−4150)を用いて結晶化ガラスCG−1〜CG−29,CG−Comp1〜CG−Comp5の透過率を測定した。
また、X線回折装置(Rigaku製UltimalIV)を用いて結晶化ガラスCG−1〜CG−29,CG−Comp1〜CG−Comp5中の結晶相の有無および結晶相の同定を行った。
更に、結晶化ガラスCG−1〜CG−29,CG−Comp1〜CG−Comp5中の結晶の粒径を次の2つの方法で計測した。
(1)X線回折装置によるX線回折の測定によって得られたX線回折パターンのScherrerの式を用いて結晶の粒径を求めた。
粒径をDとしたとき、粒径Dは、回折ピーク幅B、回折角θ、X線の波長λおよび定数Kを用いて次式によって表される。
Figure 2021187706
K=0.9およびλ=1.54Å(線源がCuであるときの波長)を用いて、式(1)によって粒径Dを求めた。
(2)JEOL製FE-TEM(JEM-2100F)を用いて結晶化ガラスCG−1〜CG−51,CG−Comp1〜CG−Comp16の透過電子顕微鏡観察を行い、析出した結晶相のサイズを求めた。
表3〜5は、実施例1〜30における結晶化ガラスCG−1〜CG−30の成分含有量、結晶化ガラス作製時の冷却方法/熱処理の有無、析出結晶、粒径、結晶粒の分散および凝集の有無および透明性を示す。表6は、比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5の成分含有量、結晶化ガラス作製時の冷却方法/熱処理の有無、析出結晶、粒径、結晶粒の分散および凝集の有無および透明性を示す。なお、この発明の実施の形態においては、半透明な結晶化ガラスCGを透明な結晶化ガラスCGとする。
また、ここでは、厚さ1mmの試料の透過率が、可視域(400〜800nm)のいずれかの波長の光に対して、70%を超えるものを「透明」と呼び、10〜70%のものを「半透明」と呼び、10%未満のものを「不透明」と呼ぶ。ただし、この透過率は、入射光の試料表面における反射損失を無視して求めたものである。
Figure 2021187706
Figure 2021187706
Figure 2021187706
Figure 2021187706
図2は、実施例1における結晶化ガラスCG−1および比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5のX線回折のスペクトルを示す図である。図2において、スペクトルSP1は、実施例1における結晶化ガラスCG−1のX線回折のスペクトルを示し、スペクトルSP2〜SP6は、それぞれ、比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5のX線回折のスペクトルを示す。
線L1〜L4は、BaF2からなる結晶相の位置を示し、線L5〜L8は、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相の位置を示す。Ba0.75Er0.252.25は、BaF2の一部のBaがErによって置換された結晶相である。
図2を参照して、実施例1における結晶化ガラスCG−1は、ピークPK1〜PK4を有する(スペクトルSP1参照)。ピークPK1〜PK4は、それぞれ、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相の位置を示す線L5〜L8に一致する。従って、実施例1における結晶化ガラスCG−1は、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相を含むことが分かった。
なお、実施例2における結晶化ガラスCG−2も、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相を含むことをX線回折によって確認した。
比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1は、ピークPK5〜PK8を有する(スペクトルSP2参照)。ピークPK5〜PK8は、それぞれ、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相の位置を示す線L5〜L8に一致する。従って、比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1は、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相を含むことが分かった。
比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2は、結晶相のピークを有しない(スペクトルSP3参照)。従って、比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2は、結晶相を含まない。
比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3は、ピークPK9〜PK12を有する(スペクトルSP4参照)。ピークPK9〜PK12は、それぞれ、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相の位置を示す線L5〜L8に一致する。従って、比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3は、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相を含むことが分かった。
比較例4における結晶化ガラスCG−Comp4は、ピークPK13〜PK16を有する(スペクトルSP5参照)。ピークPK13〜PK16は、それぞれ、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相の位置を示す線L5〜L8に一致する。従って、比較例4における結晶化ガラスCG−Comp4は、Ba0.75Er0.252.25からなる結晶相を含むことが分かった。
比較例5における結晶化ガラスCG−Comp5は、結晶相のピークを有するが、この結晶相のピークは、線L1〜L4および線L5〜L8のいずれにも一致しない(スペクトルSP6参照)。従って、比較例5における結晶化ガラスCG−Comp5は、BaF2からなる結晶相およびBa0.75Er0.252.25からなる結晶相以外の結晶相を含むことが分かった。
図3は、実施例5における結晶化ガラスCG−5のX線回折のスペクトルを示す図である。図3において、線L9〜L11は、CaF2からなる結晶相の位置を示す。
図3を参照して、実施例5における結晶化ガラスCG−5は、ピークPK17〜PK19を有する。ピークPK17〜PK19は、CaF2からなる結晶相の位置を示す線L9〜L11に一致する。従って、実施例5における結晶化ガラスCG−5は、CaF2からなる結晶相を含むことが分かった。
なお、実施例3,4における結晶化ガラスCG−3,CG−4も、CaF2からなる結晶相を含むことをX線回折によって確認した。
図4は、実施例6における結晶化ガラスCG−6のX線回折のスペクトルを示す図である。図4において、線L12〜L15は、NaYF4からなる結晶相の位置を示す。
図4を参照して、実施例6における結晶化ガラスCG−6は、ピークPK20〜PK23を有する。ピークPK20〜PK23は、NaYF4からなる結晶相の位置を示す線L12〜L15に一致する。従って、実施例6における結晶化ガラスCG−6は、NaYF4からなる結晶相を含むことが分かった。
なお、実施例7〜18における結晶化ガラスCG−7〜CG−18も、NaYF4からなる結晶相を含むことをX線回折によって確認した。
図5は、実施例21における結晶化ガラスCG−21のX線回折のスペクトルを示す図である。図5において、線群L13は、BaFClからなる結晶相の位置を示し、スペクトルSP7は、熱処理前の結晶化ガラスCG−21のX線回折のスペクトルを示し、スペクトルSP8は、熱処理後の結晶化ガラスCG−21のX線回折のスペクトルを示す。
図5を参照して、実施例21における結晶化ガラスCG−21においては、X線回折のスペクトルは、熱処理前後において、線群L13の位置に一致するピークを有する(スペクトルSP7,SP8参照)。従って、実施例21における結晶化ガラスCG−21は、BaFClからなる結晶相を含むことが分かった。
なお、実施例22〜27における結晶化ガラスCG−22〜CG−27も、BaFClからなる結晶相を含むことをX線回折によって確認した。
図6は、実施例28における結晶化ガラスCG−28のX線回折のスペクトルを示す図である。図6において、線群L14は、SrF2からなる結晶相の位置を示し、スペクトルSP9は、熱処理前の結晶化ガラスCG−28のX線回折のスペクトルを示し、スペクトルSP10は、熱処理後の結晶化ガラスCG−28のX線回折のスペクトルを示す。
図6を参照して、実施例28における結晶化ガラスCG−28においては、X線回折のスペクトルは、熱処理前において、線群L14の位置に一致するピークを有する(スペクトルSP9参照)。また、X線回折のスペクトルは、熱処理後において、強度が熱処理前よりも大きく、線群L14の位置に一致するピークを有する(スペクトルSP10参照)。従って、実施例28における結晶化ガラスCG−28は、SrF2からなる結晶相を含むことが分かった。
なお、実施例29における結晶化ガラスCG−29も、SrF2からなる結晶相を含むことをX線回折によって確認した。
また、実施例5,6,21における結晶化ガラスCG−5,CG−6,CG−21のX線回折においては、それぞれ、CaF2から結晶相、NaYF4からなる結晶相、およびSrF2からなる結晶相のCa、YおよびSrの一部が希土類元素(Er)によって置換されていることを示すピークを観測することができなかったが、これは、Ca,Y,Srのイオン半径がErのイオン半径に近いことに起因するものであり、実際には、Ca、YおよびSrの一部が希土類元素(Er)によって置換されていると考えられる。
図7は、実施例1における結晶化ガラスCG−1および比較例1,2における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp2の透過スペクトルを示す図である。図8は、比較例3〜5における結晶化ガラスCG−Comp3〜CG−Comp5の透過スペクトルを示す図である。
図7において、透過スペクトルTR1は、実施例1における結晶化ガラスCG−1の透過スペクトルを示し、透過スペクトルTR2,TR3は、それぞれ、比較例1,2における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp2の透過スペクトルを示す。また、図8において、透過スペクトルTR4〜TR5は、それぞれ、比較例3〜5における結晶化ガラスCG−Comp3〜CG−Comp5の透過スペクトルを示す。
図7および図8を参照して、実施例1における結晶化ガラスCG−1の透過率は、波長250〜800nmの範囲において、比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5の透過率よりも大きい。
比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2(透過スペクトルTR3)は、上述したように、結晶相を含まないので、透過率が比較例1,3〜5における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp3〜CG−Comp5の透過率よりも大きい(透過スペクトルTR2,TR4〜TR6参照)。
従って、実施例1における結晶化ガラスCG−1および比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2は、透明であり、比較例1,3〜5における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp3〜CG−Comp5は、不透明であることが分かった。
図9から図11は、それぞれ、実施例1,17,21における結晶化ガラスCG−1,ガラスCG−17,ガラスCG−21の透過電子顕微鏡写真を示す図である。図12から図14は、それぞれ、比較例1,3,5における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp3,CG−Comp5の透過電子顕微鏡写真を示す図である。
図9から図11を参照して、実施例1,17,21における結晶化ガラスCG−1,ガラスCG−17,ガラスCG−21は、粒子間の距離がおおよそ一定であり、分散して配置された複数の結晶粒を含むことが分かった。また、画像より計測された粒子サイズは、Scherrerの式から計算された数値とおおよそ一致した。
図12から図14を参照して、比較例1,3,5における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp3,CG−Comp5は、粒子同士が密着しており、凝集した結晶粒を含むことが分かった。また、画像より計測された一次粒子のサイズは、Scherrerの式から計算された数値とおおよそ一致した。
実施例1,17,21における結晶化ガラスCG−1,ガラスCG−17,ガラスCG−21は、表3から表5に示すように、透明である。一方、比較例1,3,5における結晶化ガラスCG−Comp1,CG−Comp3,CG−Comp5は、表6に示すように、不透明である。
従って、結晶粒が分散すれば、透明な結晶化ガラスが得られ、結晶粒が凝集すれば、不透明な結晶化ガラスが得られることが分かった。その結果、実施例2〜16,18〜20,22〜30における結晶化ガラスCG−2〜CG−16,CG−18〜CG−20,CG−22〜CG−30も、分散して配置された複数の結晶粒を含むものと考えられる。
比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3は、実施例1における結晶化ガラスCG−1の1モル%のEr23を5モル%のEr23に変えたものに相当し、凝集した結晶粒を含むので、Er23の含有量を増加させると結晶粒が凝集することが分かった。従って、BaF2からなる結晶粒を含む透明な結晶化ガラスを得るには、Er23の含有量は、5モル%未満が好ましい。
また、比較例5における結晶化ガラスCG−Comp5は、実施例1における結晶化ガラスCG−1の5モル%のSiO2を20モル%のSiO2に変えたものに相当し、凝集した結晶粒を含むので、SiO2の含有量を増加させると結晶粒が凝集することが分かった。従って、BaF2からなる結晶粒を含む透明な結晶化ガラスを得るには、SiO2の含有量は、20モル%未満が好ましい。
図15は、実施例30における結晶化ガラスCG−30のX線回折のスペクトルを示す図である。
図15を参照して、実施例30における結晶化ガラスCG−30は、ピークPK24〜PK27を有する。ピークPK24〜PK27は、それぞれ、BaF2からなる結晶相の位置を示す線L1〜L4に一致する。従って、実施例30における結晶化ガラスCG−30は、BaF2からなる結晶相を含むことが分かった。そして、BaF2からなる結晶の粒径は、8.0nmであった。
図16は、実施例30における結晶化ガラスCG−30の発光スペクトルを示す図である。
図16に示す発光スペクトルは、堀場製作所のFluorolog-3の装置を用い、励起波長460nmで励起したときの発光スペクトルである。
図16を参照して、結晶化ガラスCG−30は、近赤外において発光することが分かった。これは、結晶化ガラスCG−30がBiを含みので、Bi3+による発光であると考えられる。従って、結晶化ガラスCG−30は、近赤外の光源として利用可能であることが分かった。
図10は、実施例17における結晶化ガラスCG−17の透過電子顕微鏡写真を示す図である。図11は、実施例21における結晶化ガラスCG−21の透過電子顕微鏡写真を示す図である。
図10および図11を参照して、実施例17,21における結晶化ガラスCG−17,CG−21は、分散して配置された複数の結晶粒を含むことが分かった。実施例17における結晶化ガラスCG−17は、NaYF4からなる結晶粒を含む。
従って、実施例6〜16,18における結晶化ガラスCG−6〜CG−16,CG−18も分散して配置された複数の結晶粒を含むものと考えられる。
比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1は、BaF2からなる結晶粒を含み、比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2は、結晶粒を含まないので、Er23は、結晶核の生成に寄与する成分であると考えられる。また、実施例1における結晶化ガラスCG−1は、比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1に5モル%のSiO2を追加したものであり、結晶化ガラスCG−1の結晶粒の粒径は、結晶化ガラスCG−Comp1の結晶粒の粒径よりも小さいので、SiO2は、結晶粒の凝集を抑制する成分であると考えられる。
従って、実施例1〜29における結晶化ガラスCG−1〜CG29は、SiO2と、Er23およびErF3のいずれかとの両方を含むことによって、Er23およびErF3のいずれかによって結晶核の生成を促進し、SiO2によって結晶粒の凝集を抑制することができ、透明性を有するものと考えられる。
また、比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3は、実施例1における結晶化ガラスCG−1のEr23よりも含有量が多いEr23を含むので、BaF2からなる結晶粒を含む結晶化ガラスCGにおいては、Er23の含有量は、5モル%未満が好ましい。
更に、比較例3における結晶化ガラスCG−Comp3のSiO2の含有量は、実施例1における結晶化ガラスCG−1のSiO2の含有量よりも多いので、BaF2からなる結晶粒を含む透明性の高い結晶化ガラスCGにおいては、SiO2の含有量は、20モル%未満が好ましい。
NaYF4からなる結晶相を含む結晶化ガラスCGにおいては、0.5〜15モル%のEr23を含んでいても、複数の結晶粒が分散して配置され、透明性を有することが分かった(表4の実施例13〜18参照)。
また、NaYF4からなる結晶相を含む結晶化ガラスCGにおいては、1.2〜5.8モル%のErF3を含んでいても、複数の結晶粒が分散して配置され、透明性を有することが分かった(表3の実施例7〜10参照)。
BaFClからなる結晶相を含む結晶化ガラスCGにおいては、3〜10モル%のErF3を含んでいても、複数の結晶粒が分散して配置され、透明性を有することが分かった(表5の実施例22〜25参照)。
YbF3およびErF3の両方を含む結晶化ガラスCG−27は、YbF3およびErF3のうちのErF3のみを含む結晶化ガラスCG−25よりも結晶粒の粒径が大きい(表5の実施例25,27参照)。
その結果、実施例27における結晶化ガラスCG−27においては、YbF3+ErF3=10モル%であり、実施例25における結晶化ガラスCG−25においては、ErF3=10モル%であり、結晶核の生成に寄与する希土類元素の含有量が同じであっても、2種の希土類元素を含む方が結晶粒の粒径が大きくなることが分かった。
実施例28,29における結晶化ガラスCG−28,CG−29は、結晶相を含まないガラスを作製し、その作製したガラスを熱処理したものである。そして、結晶化ガラスCG−28,CG−29は、SrF2からなる結晶相を含み、それぞれ、37.4nmおよび25.4nmの粒径を有する(表5の実施例28,29参照)。
その結果、5モル%のSiO2と0.5モル%のEr23とを含んでいれば、一旦、ガラス相のみからなるガラスを作製した後に、熱処理によって結晶を析出させる方法によっても、ナノサイズの結晶粒を含み、複数の結晶粒が分散した透明性の高い結晶化ガラスを作製できることが分かった(表5の実施例28,29参照)。
実施例1,2,19〜25における結晶化ガラスCG−1,CG−2,CG−19〜CG−25は、12.5〜20モル%のBaF2と、30〜40モル%のZnOと、20〜35モル%のB23と、5モル%のSiO2と、1.2〜10モル%のErF3または1モル%のEr23とを含む。
また、実施例26,27における結晶化ガラスCG−26,CG−27は、12.5モル%のBaF2と、40モル%のZnOと、30モル%のB23と、5モル%のSiO2と、6.8〜8モル%のYbF3と、1.7〜2モル%のErF3とを含む。
更に、実施例3〜5における結晶化ガラスCG−3〜CG−5は、16.7モル〜30モル%のCaF2と、10〜50モル%のZnOと、28.3〜55モル%のB23と、5モル%のSiO2と、0.5モル%のEr23とを含む。
更に、実施例6〜18における結晶化ガラスCG−6〜CG−18は、11.6〜15モル%のNaFと、5.8モル%のYF3と、30モル%のZnOと、30〜43.7モル%のB23と、3〜10モル%のSiO2と、1.2〜5.8モル%のErF3または0.5〜15モル%のEr23とを含む。
更に、実施例28,29における結晶化ガラスCG−28,CG−29は、26.7〜30モル%のSrF2と、10〜20モル%のZnOと、48.3〜55モル%のB23と、5モル%のSiO2と、0.5モル%のEr23とを含む。
従って、実施例1〜29における結晶化ガラスCG−1〜CG−29は、“12.5〜20モル%のBaF2、16.7モル〜30モル%のCaF2、11.6〜15モル%のNaFおよび5.8モル%のYF3、および26.7〜30モル%のSrF2”のいずれかと、10〜50モル%のZnOと、20〜55モル%のB23と、3〜10モル%のSiO2と、1.2〜10モル%のErF3または0.5〜15モル%のEr23とを含む。
特徴的には、実施例1〜29における結晶化ガラスCG−1〜CG−29は、SiO2および希土類元素(Er)の両方を含み、かつ、複数の結晶粒が分散している結晶化ガラスである。
一方、比較例1における結晶化ガラスCG−Comp1は、SiO2および希土類元素(Er)のうち、希土類元素(Er)のみを含み、複数の結晶粒が凝集している結晶化ガラスである。比較例2における結晶化ガラスCG−Comp2は、SiO2および希土類元素(Er)のうち、SiO2のみを含み、結晶が析出しないガラスである。比較例3〜5における結晶化ガラスCG−Comp3〜CG−Comp5は、SiO2および希土類元素(Er)の両方を含み、複数の結晶粒が凝集している結晶化ガラスである。
このように、実施例1〜29における結晶化ガラスCG−1〜CG−29は、比較例1〜5における結晶化ガラスCG−Comp1〜CG−Comp5と異なる構造を有する。従って、実施例1〜29における結晶化ガラスCG−1〜CG−29は、高い透明性を有することができる。
この発明は、結晶化ガラスおよびその製造方法に適用される。

Claims (7)

  1. ナノサイズの結晶を含む結晶化ガラスであって、
    SiO2と、
    ZnOと、
    23と、
    分散した複数の結晶粒とを含み、
    前記複数の結晶粒の各々は、希土類元素を含み、フッ化物、塩化物および塩化フッ化物のいずれかからなる、結晶化ガラス。
  2. 前記希土類元素は、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ルテチウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムおよびルテチウムから選択された少なくとも1つである、請求項1に記載の結晶化ガラス。
  3. 前記複数の結晶粒の各々は、更に、発光元素を含み、
    前記発光元素は、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タリウム、鉛およびビスマスから選択された少なくとも1つである、請求項2に記載の結晶化ガラス。
  4. 前記複数の結晶粒の各々は、BaF2、SrF2、CaF2、NaYF4およびBaFClのいずれかからなる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の結晶化ガラス。
  5. 前記複数の結晶粒の各々において、Ba、Sr、CaおよびYの各々の一部は、前記希土類元素によって置換されている、請求項4に記載の結晶化ガラス。
  6. アルカリ土類金属のフッ化物、アルカリ土類金属の塩化物およびアルカリ金属のフッ化物の少なくとも1つと、ZnOと、B23と、SiO2と、希土類元素のフッ化物および酸化物の少なくとも1つを含む混合物を生成する第1の工程と、
    前記混合物を溶融する第2の工程と、
    前記溶融した混合物を冷却する第3の工程とを備える結晶化ガラスの製造方法。
  7. 前記第3の工程において、前記溶融した混合物を102[K/分]〜105[K/分]の範囲の冷却速度で冷却する、請求項6に記載の結晶化ガラスの製造方法。

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