JP7356021B2 - 微粉炭吹き込み用ランス及び微粉炭吹き込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微粉炭を高炉に吹き込むための微粉炭吹き込み用ランス及び微粉炭吹き込み方法に関する。
高炉操業では、塊鉱石、焼結鉱、ペレット等からなる鉄原料と、還元材であるコークスと、を交互に層状に高炉に装入している。高炉操業におけるコスト低減手段として、コークスの装入量を減らして、微粉炭を高炉の羽口から吹き込む方法が知られている。
ここで、揮発分(以下、VMともいう)が多い微粉炭を吹き込むと、送風圧が変動して、高炉の安定操業が阻害される。したがって、高炉に吹き込まれる微粉炭には、揮発分が少ない半無煙炭等(以下、従来炭材と称する場合がある)が利用されている。しかしながら、近年の資源枯渇により、VMの低い炭材を確保することが困難となっている。そこで、バイオマスや褐炭を乾留した改質炭(以下、チャーともいう)を炭材として吹き込む方法が検討されている。しかしながら、バイオマスや褐炭を由来とするチャーは従来炭材よりも炭素結合が弱いため、燃焼しやすい。そのため、吹き込み用の炭材として前述のチャーを用いると、燃焼位置(燃焼焦点)が羽口側にシフトして、炉体温度が過度に上昇するおそれがある。
ところで、羽口から吹き込まれる炭材の燃焼を制御する手段として、微粉炭吹き込み用ランスの構成及び配置を変更する方法が知られている。特許文献1には、先端開口部が高炉羽口の送風通路に沿う軸芯を有し、先端開口部の突端に、該突端が送風通路の壁面に志向する傾斜が設けられた、微粉炭吹き込み用ランスが開示されている。特許文献2には、先端開口が斜めに切断された形状を有するランスを備え、この切断面の垂線がブローパイプの軸線及びランスの軸線とほぼ同一平面上になりかつこの切断面とブローパイプの軸線とのなす角が最大となる向きに配設されている、微粉炭吹き込み用装置が開示されている。特許文献3には、ブローパイプを貫通する貫通部位から先端部までの部分を湾曲させて、該部分のランス軸心線を延長した線が送風羽口先端開口部を通るように形成された、燃料吹き込み用ランスが開示されている。特許文献4には、2本のランスのブローパイプ先端の位置を前後にずらして配置して行う微粉炭吹き込み方法が開示されている。特許文献5には、複数の微粉炭吹き込み用ランスのうち少なくとも一本の微粉炭吹き込み用ランスからの微粉炭を、当該微粉炭吹き込み用ランス以外の微粉炭吹き込み用ランスの下流側に生じた強乱流領域に吹き込む、微粉炭吹き込み方法が開示されている。
特開2013-36091号公報 特許第3733601号明細書 特開平11-302710号公報 特開2014-224292号公報 特開2003-96510号公報
しかしながら、特許文献1~5に開示された技術は、微粉炭の燃焼効率を向上させるための微粉炭吹き込み用ランスの配置方法であるため、前述のチャーを炭材として吹き込むと、燃焼焦点がより羽口側に移動し、炉体温度がさらに上昇するおそれがある。
また、近年、溶銑コストを低減するために、微粉炭の吹き込み量を溶銑1トン当たり200kg以上とする高炉操業が志向されている。しかしながら、特許文献1~4に記載の微粉炭吹き込み用ランス及び微粉炭吹き込み方法が成された時期から推定すると、微粉炭の吹き込み量が少ない(溶銑1トン当たり150kg程度)ことを前提としたものであると考えられる。微粉炭の吹き込み量を溶銑1トン当たり200kg以上とする高炉操業への適用については明記されておらず、それぞれの発明の効果が溶銑1トン当たり200kg以上の高炉操業下でも得られるかどうかは明確では無い。
さらに、特許文献1及び3に記載された微粉炭吹き込み用ランスは、その一部が曲がっているため、微粉炭吹き込み用ランスをブローパイプから着脱する際の作業が煩雑となる。
そこで、本発明は、従来炭材より燃焼しやすい炭材を50質量%以上含む微粉炭を溶銑1トン当たり200kg以上吹き込む高炉操業において、炉体温度の上昇を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明に係る微粉炭吹き込み用ランスは、(1)ブローパイプを挿通し、微粉炭を吹き込む2本の微粉炭吹き込み用ランスにおいて、微粉炭が吹き込まれる基端部から微粉炭が排出される先端部に渡って直管形状に形成されるとともに、前記ブローパイプの軸線に向かって延びており、前記先端部の開口部は、前記微粉炭吹き込み用ランスの軸線方向に垂直な基準面に対して所定角度θで傾斜しており、前記θは、60°以上であることを特徴とする微粉炭吹き込み用ランス。
(2)前記2本の微粉炭吹き込み用ランスは、ランスの軸線が前記ブローパイプの前記軸線と交わり、2つの交点が一致するように配置されていることを特徴とする上記(1)に記載の微粉炭吹き込み用ランス。
(3)前記先端部の前記開口部は、前記ブローパイプの軸線方向視において、互いに接する位置に配置されていることを特徴とする上記(1)に記載の微粉炭吹き込み用ランス。
(4)上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の微粉炭吹き込み用ランスを用いて高炉の羽口から微粉炭を吹き込む微粉炭吹き込み方法であって、微粉炭の吹き込み量を、高炉から出銑される銑鉄1トン当たり200kg以上に設定し、前記微粉炭吹き込み用ランスから吹き込まれる微粉炭には、燃焼速度が3.0mg/min以上の炭材が50質量%以上含まれていることを特徴とする微粉炭吹き込み方法。
本発明によれば、従来炭材より燃焼しやすい炭材を50質量%以上含む微粉炭を溶銑1トン当たり200kg以上吹き込む高炉操業において、羽口近傍を避けた、より炉内側の位置に微粉炭の燃焼位置をシフトさせることができる。
本実施形態の高炉の概略構成図である。 本実施形態の高炉の羽口付近を拡大した拡大図である。 本実施形態の微粉炭吹き込み用ランスの先端部を拡大した拡大図である。 本実施形態の高炉炉下部を模擬した試験装置である。 各θにおける炭材粒子個数の増加率である。 微粉炭吹き込み用ランスの配置の変形例である。 微粉炭吹き込み用ランスの配置の別の変形例である。 微粉炭吹き込み用ランスの配置の別の変形例である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の高炉(ベルレス式高炉)の概略構成図である。図2は本実施形態の高炉の羽口付近を拡大した拡大図である。高炉1では、主原料として焼結鉱やペレットや塊鉱石などの鉄原料が用いられ、還元材としてコークスや微粉炭が用いられる。鉄鉱石とコークスは高炉1の炉頂部から交互に層状に装入される。これにより、高炉1の炉内には、塊状帯、鉄原料が溶解して固体から液体に変わる融着帯、液体になった溶鉄や溶融スラグがコークス層を滴下する滴下帯などが形成される。
本実施形態における高炉1は、羽口2と、環状管3と、ブローパイプ4と、微粉炭吹き込み用ランス5と、出銑口6等を備える。環状管3は高炉1の下部を包囲するように配設されている。ブローパイプ4は環状管3の周方向に間欠的に設けられるとともに、それぞれが異なる羽口2に接続されている。微粉炭吹き込み用ランス5は、各ブローパイプ4を挿通しており、各ブローパイプ4の内部には、微粉炭吹き込み用ランス5の先端部が延出している。出銑口6は、炉底にたまった溶銑を排出するために設けられている。上述の構成において、微粉炭吹き込み用ランス5は、ブローパイプ4の内部に微粉炭を供給する。微粉炭は、環状管3からブローパイプ4に送風された熱風と共に羽口2に向かって進み、高炉1内に吹き込まれる。
熱風は例えば、熱風炉(不図示)で生成される。熱風炉には例えば、内部に珪石レンガを格子状に組んだ蓄熱室を含む円筒状の炉を用いることができる。熱風の温度を検出し、この検出結果に基づき、熱風炉における蓄熱量や空気の供給量を制御することにより、熱風の温度が調整される。以上の高炉1の設備構成は一例であり、本発明は、これらの構成に限定されるものではない。すなわち、本願発明は、例えば、ベル式高炉にも適用することができる。
本実施形態において、「微粉炭」とは、吹き込む微粉炭の全量を100質量%としたときに、燃焼速度が大きい炭材を50質量%以上含む微粉炭を指す。ここで、燃焼速度の定義は、以下の通りである。まず、炭材(質量10mg)を、赤外線ゴールドイメージ炉(例えば、Thermo plus EV02/TG-DTA8120(株式会社リガク製))を用いて、空気流量200ml/minで流通させながら昇温速度900℃/minで常温から1000℃まで昇温し、昇温開始から炭材の質量変化が終了するまでに要した時間を測定する。この測定時間で、炭材の質量(10mg)を除した値(mg/min)を、燃焼速度と定義する。なお、炭材の質量変化が終了する終了時点は、炭材質量の経時変化曲線の傾きが直線関係から逸脱した時点とする。
また、本明細書において「燃焼速度が大きい炭材」とは、燃焼速度が3.0(mg/min)以上の炭材のことである。燃焼速度が3.0(mg/min)以上の炭材は、従来炭材と比べて燃焼しやすい。燃焼速度が3.0(mg/min)以上の炭材としては、バイオマスや褐炭を乾留したチャーを用いることができる。バイオマスには、例えば、農業系(麦わら、サトウキビ、米糠、草木等)のバイオマス、林業系(製紙廃棄物、製材廃材、除間伐材、薪炭林等)のバイオマス、畜産系(家畜廃棄物)のバイオマス、水産系(水産加工残滓)のバイオマス、廃棄物系(生ゴミ、RDF(ゴミ固形化燃料;Refused Derived Fuel)庭木、建設廃材、下水汚泥)のバイオマスなどを用いることができる。また、チャーとは、炭材を加熱した際に、軟化・溶融状態を得ないで生成する炭素質物質のことである(JIS0104 石炭利用技術用語参照)。
なお、本実施形態において用いられる微粉炭の粒径は、特に限定するものではないが、例えば、75μm以下に設定することができる。
微粉炭吹き込み用ランス5の構成について、図2及び図3を参照しながら、詳細に説明する。図3は、本実施形態の微粉炭吹き込み用ランスの先端部を拡大した拡大図である。微粉炭吹き込み用ランス5は、各ブローパイプ4につき、2本ずつ設けられている。微粉炭吹き込み用ランス5は、軸線5aに沿って延びる直管形状を呈している。つまり、微粉炭吹き込み用ランス5は、微粉炭が吹き込まれる基端部から微粉炭が排出される先端部に渡って直管形状に形成されている。
微粉炭吹き込み用ランス5は、各ブローパイプ4を挿通して、ブローパイプ4の軸線4aに向かって延びる。具体的には、2本の微粉炭吹き込み用ランス5は、夫々の軸線5a(微粉炭吹き込み用ランス5から延出した部分も含む)がブローパイプ4の軸線4aと交わり、2つの交点が一致するように配置されている。微粉炭吹き込み用ランス5の先端開口部51は、ブローパイプ4の送風通路41上に配置される。ここで、微粉炭吹き込み用ランス5をブローパイプ4に挿入する挿入角度は、従来知られている角度範囲から適宜設定することができる。例えば、微粉炭吹き込み用ランス5の軸線5aとブローパイプ4の軸線4aとがなす角ηが、8~13度となるように、微粉炭吹き込み用ランス5を挿入することができる。
図3を参照して、微粉炭吹き込み用ランス5の先端開口部51は、微粉炭吹き込み用ランス5の軸線5aが延びる方向に垂直な基準面Pに対して所定角度θだけ傾斜している。なお、本実施形態においては、2本の微粉炭吹き込み用ランス5の各先端開口部51がブローパイプ4の軸線4aに向かって開口するように構成されているが、これに限られず、各先端開口部51がブローパイプ4の壁面に向かって開口するように位置を変更してもよい。つまり、基準面Pに対して所定角度θだけ傾斜した微粉炭吹き込み用ランス5を、軸線5a周りに回転させた任意の位置に設置することができる。
本実施形態において、微粉炭吹き込み用ランス5は直管形状を有する。この構成によれば、曲管形状の微粉炭吹き込み用ランス5と比較して、ブローパイプ4に着脱する際の作業が容易となる。
本実施形態において、(A)2本の微粉炭吹き込み用ランス5は、基端部から先端部に渡って直管形状に形成されるとともに、ブローパイプ4を挿通してブローパイプ4の軸線4aに向かって延びており、(B)各先端開口部51は切欠き形状を有する。(A)の構成によれば、溶銑1トン当たり200kg以上の微粉炭を吹き込む場合に、微粉炭の飛跡の少なくとも一部が重なり合う合うため、各微粉炭吹き込み用ランス5から吐出される微粉炭を混合させて密集させることができる。また、(B)の構成によれば、切欠き形状を有しない微粉炭吹き込み用ランスの先端開口部(すなわち、θ=0°)と比べて、先端開口部51の面積を大きくすることができる。そのため、溶銑1トン当たり200kg以上の微粉炭を吹き込む場合に、微粉炭吹き込み用ランス5から吐出される微粉炭の速度が減少し、吐出された微粉炭が密集させることができる。したがって(A)及び(B)の構成を備えることにより、酸素に接触しない微粉炭が増加するため、炉壁近傍を避けた炉内側に燃焼位置(燃焼焦点)をシフトさせることができる。
本発明者は、(A)の構成を前提として、(B)の構成による効果(切り欠き形状の形成による微粉炭の燃焼速度の減少)が発現する所定角度θについて鋭意検討を行った。その結果、溶銑1トン当たり200kg以上の微粉炭を吹き込む場合において、所定角度θを60°以上に設定することにより、微粉炭吹き込み用ランス5から吐出された微粉炭を十分に密集させることができ、(A)及び(B)の構成によって炉体温度の上昇を十分に抑制できることを見出した。本知見に関して、実施例を示して詳細に説明する。
(試験1)
図4に示す高炉炉下部を模擬した試験装置を用いて、微粉炭として用いる炭材を種々変化させながら炉体温度変化率(%)を評価した。なお、炉体温度は、後述する温度センサ15によって測定した。基準条件一定で実験を行い、温度センサ15の変化がほとんど見られなくなった時の温度を、基準条件における炉体温度とした。次に、条件を変更して温度センサ15の測定値が変化しなくなるまで実験を継続し、変化しなくなったときの温度を測定した。両者の温度差を基準条件における炉体温度で除して、変化後の条件における炉体温度変化率とした。条件を変更して安定するまでに要する時間は、約3時間であった。図4の試験炉10において、12は羽口であり、13は羽口12に熱風を供給するブローパイプであり、14は直管形状の試験炉用ランスであり、15は温度センサである。
試験炉10は長さ1.2(m)、幅1.2(m)、高さ2.4(m)の竪型直方体とし、炉壁を鉄皮の内側に耐火レンガを張り付けた二層構造とした。温度センサ15には、熱電対を使用し、この熱電対を羽口12の中心軸から600(mm)上方の炉体レンガと鉄皮との間に配置した。
試験炉10には、粒径が9~13(mm)のコークスを充填した。熱風の送風温度は1200(℃)に設定し、0.8m/minで送風した。微粉炭の吹き込み量は、溶銑1トン当たり200kgに設定した。
表1に、本試験において微粉炭として使用した炭材の種類及び性状を示す。チャー1は、褐炭を乾留して得られたチャーを指し、チャー2は、バイオマス(木材)を乾留して得られたチャーを指す。Ashは灰分であり、FCは固定炭素である。VMについては、上述したので説明を繰り返さない。
表2に、試験炉用ランス14から吹き込まれる各炭材の吹込割合、試験炉用ランス14の構成及び評価結果を示す。なお、各炭材の吹込割合は、各比較例及び実施例で吹き込まれる微粉炭の全量を100質量%としたときの質量分率で示した。また、試験炉用ランス14の配置は、図2及び図3に示す微粉炭吹き込み用ランス5と同様とし、ランスの軸線とブローパイプの軸線がなす角ηを10度に設定した。試験炉用ランス14の本数が1本の場合には、図2に示すランスのうち一方を省略した。θ=0°は、ランスが切欠き形状を有さない構成を指す。各実施例及び比較例における炉体温度変化率は、参考例における炉体温度の上昇率を100(%)として算出した。その結果、炉体温度変化率が100%以下である場合には評価を「○」とし、炉体温度変化率が100%超である場合には評価を「×」とした。
比較例1及び2では、燃焼速度が3.0(mg/min)以上である炭材を50質量%含んだ微粉炭を吹き込んだ結果、評価が「×」となった。これは、ランスが1本であって、かつθ=0°であるため、ランスから吐出された微粉炭があまり密集せずに拡散し、燃焼焦点が羽口の近傍となって炉体温度が大幅に上昇したからである。
実施例1及び2では、比較例1及び2と同様、燃焼速度が3.0(mg/min)以上である炭材を50質量%含んだ微粉炭を吹き込んだ結果、炉体温度変化率が参考例と同程度(100%)となり、評価が「○」となった。また、実施例3及び4では、微粉炭として、燃焼速度が3.0(mg/min)以上である炭材のみを用いたが、炉体温度変化率が参考例と同程度(100%)となり、評価が「○」となった。これは、2本の直管形状のランスがブローパイプの軸線に向かって延びるように配置され、かつθ=60°であるため、ランスから吐出された微粉炭が十分に密集して酸素に触れにくくなり、燃焼焦点が炉内側にシフトしたからである。
(試験2)
試験炉用ランス14の配置及びその他の試験条件を試験1の実施例3と同様にして、θを種々変更して、炭材粒子の密集度合いの増加率を求めた。炭材粒子の密集度合いの増加率は、所定領域内に存する炭材粒子個数の増加率(%)によって評価した。具体的には、汎用流体解析ソフト(FLUENT)を用いてブローパイプ内に挿入した微粉炭吹き込み用ランスから吹き込まれる粒子の運動状態を計算し、微粉炭吹き込み用ランスの先端から炉内方向に100mmの位置における、ブローパイプ内の炭材粒子のスナップショットを出力した。出力したスナップショットの結果から、ブローパイプ断面の中心点を中心とする円形領域(ブローパイプの断面積の6.25%の面積を有する領域)内の炭材粒子個数を集計した。
この集計結果に基づいて、微粉炭吹き込み用ランスを1本のみ用いてθ=0°としたときの該円形領域内の炭材粒子個数を100(%)とした場合における、炭材粒子個数の増加率(%)を算出した。図5は、各θにおける炭材粒子個数の増加率である。図5において、黒色の棒グラフは、先端開口部がブローパイプの壁面に向かって開口するように2本の微粉炭吹き込み用ランスをそれぞれ配置した場合の試験結果であり、白抜きの棒グラフは、先端開口部がブローパイプの軸線に向かって開口するように2本の微粉炭吹き込み用ランスをそれぞれ配置した場合の試験結果である。
図5を参照して、θが大きくなるほど、炭材粒子個数の増加率(すなわち、炭材粒子の密集度合いの増加率)が上昇した。特に、θを60°以上に設定した場合、炭材粒子の密集度合いの増加率が大幅に上昇した。すなわち、θを60°以上に設定することにより、微粉炭吹き込み用ランスから吐出された微粉炭を十分に密集させることができることがわかった。
なお、図5に示すように、炭材粒子個数の増加率は、先端開口部の向きによっては変化しなかった。これは、微粉炭の吹込量が溶銑1トン当たり200kgと非常に多いため、先端開口部の向きに関わらず、炭材粒子が密集しやすくなったからだと思われる。
(変形例)
上述の実施形態で説明した2本の微粉炭吹き込み用ランス5では、先端開口部51を互いに離間した位置に配置したが、他の配置方法であってもよい。他の配置方法について、図面を参照しながら説明する。
(変形例1)
図6(a)は、上から視たブローパイプ4及び微粉炭吹き込み用ランス5の配置図である。図6(b)は、図6(a)のA矢視図であり、微粉炭吹き込み用ランス5のうち先端開口部51以外の部分は省略して図示する。これらの図を参照して、本変形例1では、ブローパイプ4の軸線4aを通って水平方向に延びる水平線上において先端開口部51が互いに接しており、この接点は前記水平線とブローパイプ4の軸線4aを通って前記水平線に対して直交する方向に延びる垂線との交点に位置する。本変形例1では、微粉炭吹き込み用ランス5は、軸線5aがブローパイプ4の軸線4aと交わり、2つの交点が一致するように配置されており、また、先端開口部51は、ブローパイプ4の軸線方向視において、互いに接する位置に配置されている。
(変形例2)
図7(a)は、上から視たブローパイプ4及び微粉炭吹き込み用ランス5の配置図である。図7(b)は、図7(a)のB矢視図であり、微粉炭吹き込み用ランス5のうち先端開口部51以外の部分は省略して図示する。これらの図を参照して、本変形例2では、ブローパイプ4の軸線4aを通って垂直方向に延びる垂線上において先端開口部51が互いに接しており、この接点は前記垂線とブローパイプ4の軸線4aを通って前記垂線に対して直交する方向に延びる水平線との交点に位置する。本変形例2では、先端開口部51は、ブローパイプ4の軸線方向視において、互いに接する位置に配置されている。
(変形例3)
図8(a)は、図7に示す配置例に対応しており、ブローパイプ4の軸線4aに対して直交する直交面に、微粉炭吹き込み用ランス5の全体配置を投影して図示したものである。図8(b)乃至図8(d)は、図8(a)に対応した図であり、図7とは配置が異なる。図8(b)に図示するように、斜め下方から微粉炭吹き込み用ランス5の投影面がブローパイプ4の軸線4aに向かうように配置することができる。図8(c)に図示するように、斜め上方から微粉炭吹き込み用ランス5の投影面がブローパイプ4の軸線4aに向かうように配置することができる。図8(d)に図示するように、微粉炭吹き込み用ランス5の投影面が軸線4aを挟んで上下に並ぶ位置に配置することができる。微粉炭吹き込み用ランス5は、軸線5aがブローパイプ4の軸線4aと交わり、2つの交点が一致するように配置されており、また、先端開口部51は、ブローパイプ4の軸線方向視において、互いに接する位置に配置されている。
1:高炉 4:ブローパイプ 4a:ブローパイプの軸線 5:微粉炭吹込み用ランス 5a:微粉炭吹き込み用ランスの軸線 51:先端開口部 P:基準面

Claims (2)

  1. ブローパイプを挿通し、微粉炭を吹き込む2本の微粉炭吹き込み用ランスにおいて、
    微粉炭が吹き込まれる基端部から微粉炭が排出される先端部に渡って直管形状に形成されるとともに、前記ブローパイプの軸線に向かって延びており、
    前記先端部の開口部は、前記微粉炭吹き込み用ランスの軸線方向に垂直な基準面に対して所定角度θで傾斜しており、
    前記θは、60°以上であり、
    前記2本の微粉炭吹き込み用ランスは、ランスの軸線が前記ブローパイプの前記軸線と交わり、2つの交点が一致するように配置されており、
    前記先端部の前記開口部は、前記ブローパイプの軸線方向視において、互いに接する位置に配置されていることを特徴とする微粉炭吹き込み用ランス。
  2. 請求項1に記載の微粉炭吹き込み用ランスを用いて高炉の羽口から微粉炭を吹き込む微粉炭吹き込み方法であって、
    微粉炭の吹き込み量を、高炉から出銑される銑鉄1トン当たり200kg以上に設定し、前記微粉炭吹き込み用ランスから吹き込まれる微粉炭には、燃焼速度が3.0mg/min以上の炭材が50質量%以上含まれていることを特徴とする微粉炭吹き込み方法。

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