JP2007162038A - 高炉への還元材吹込み方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然ガス等を気体還元材として高炉羽口から吹込む場合においても、圧損を生ずることなくコークス比を低減できる高炉への還元材吹込み方法及び装置を得る。
【解決手段】高炉の送風管3を貫通して設けられた複数の吹込みランス5、7を介して、高炉羽口内に微粉炭および/または微粒化した合成樹脂および気体還元材を別々のランスにより吹込む還元材吹込み方法において、気体還元材の吹込み位置を微粉炭および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側0〜150mmの範囲に設定した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、天然ガス、メタンガス、コークス炉ガス、石炭ガス化ガス、水素等の気体還元材および微粉炭および/または微粒化した合成樹脂を高炉に吹込む還元材吹込み方法及び装置に関する。
高炉操業において、高価なコークスの代替として、安価で燃焼性がよい燃料(微粉炭、石油、ナフサ等)を羽口から吹込むことが一般に行なわれており、特に天然ガス等の燃料ガスを羽口から吹き込むものとして以下のものが知られている。
(1)微粉炭を170kg/t以上吹込んでも、その燃焼性を確保してコークスとの置換率を高く保ち、生産量、燃料比を維持することを目的とした高炉操業方法であって、微粉炭吹込み位置の手前より燃料ガスを吹込むことを特徴とする高炉操業方法(特許文献1参照)。
(2)合成樹脂の多量吹き込みを実現することを主目的とした高炉操業方法であって、羽口部の送風支管に設置した補助燃料吹込みノズルから天然ガス等の補助燃料を吹き込むとともに、該補助燃料吹込み位置よりも送風の上流側に設置されたノズルから合成樹脂粒を吹き込むことを特徴とする高炉操業方法(特許文献2参照)。
特開平4−268003号公報 特開2000−178614号公報
特許文献1に開示された高炉操業方法においては、微粉炭の吹込み量を多くすることに主眼がおかれ、燃料ガスは微粉炭の熱分解促進を目的として吹込まれるものである。
したがって、本願のように燃料ガス等を微粉炭と同様に還元材として用いるものとは、基本的に異なるものである。
また、特許文献2に記載のものは、合成樹脂の多量吹き込みを実現することを主目的としており、この目的を達成するために合成樹脂の吹き込み位置と補助燃料の吹込み位置の相対関係を規定するものである。
このように、特許文献1、2には天然ガス等を羽口から吹込む技術についての開示はあるものの、天然ガス等を微粉炭等と同等の還元材として吹込むことを前提として、その際の問題点の指摘、およびその解決手段について言及したものではなく、このような問題点の指摘及びその解決手段を開示した先行技術はない。
本発明は天然ガス等を気体還元材として高炉羽口から吹込む場合について、具体的な問題点の指摘、およびその解決手段を示すものである。
天然ガス等は燃焼性が高いことから、高炉羽口から吹込むに際して、ブローパイプの途中にて吹込むと、吹込まれた天然ガス等が急激に燃焼してガスボリュームが増大し、その結果ブローパイプ内で圧損が生ずる。圧損が生ずると高炉内への送風量が減少し、還元効率の低下等重大な問題が発生する。これを回避するためには、送風能力を大きくする必要があるが、送風能力を大きくすることはランニングコストの増加になり、また圧損の程度によっては送風機の能力不足の問題が生ずることもある。
また、天然ガス等がブローパイプ内で燃焼すると、その熱は羽口やブローパイプの周囲を冷却する冷却装置によって奪われることになり、熱が無駄になる。また、冷却装置の冷却効率の低下にもなる。
本発明の解決すべき課題は、天然ガス等を気体還元材として高炉羽口から吹込む場合においても、圧損を生ずることなくコークス比を低減できる高炉への還元材吹込み方法及び装置を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る還元材吹込み方法は、高炉の送風管を貫通して設けられた複数の吹込みランスを介して、高炉羽口内に微粉炭および/または微粒の合成樹脂と、気体還元材をそれぞれ別々のランスにより吹込む還元材吹込み方法において、気体還元材の吹込み位置を微粉炭および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側0〜150mmの範囲とすることを特徴とするものである。
なお、下流側とは送風管における送風方向の下流側を意味しており、微粉炭の吹込み位置の下流側とは微粉炭の吹込み位置よりも炉内に近い側をいう。
(2)また、本発明に係る還元材吹込み装置は、高炉の送風管を貫通して設けられた複数の吹込みランスを介して、高炉羽口内に微粉炭および/または微粒化した合成樹脂と、気体還元材を吹込む還元材吹込み装置であって、
微粉炭および/または微粒化した合成樹脂を吹込む微粉炭等吹込みランスと、気体還元材を吹込む気体還元材吹込みランスを備え、該気体還元材吹込みランスの吹込み口を該微粉炭等吹込みランスの吹込み口の下流側0〜150mmの範囲に設定してなることを特徴とするものである。
本発明においては、気体還元材の吹込み位置を微粉炭および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側で0〜150mmの範囲としたことにより、気体還元材を羽口及びブローパイプ内で燃焼させることなく炉内で燃焼させることができ、ブローパイプ内での圧損の発生を防止できる。その結果、還元効率を低下させることなく気体還元材を効果的に利用でき、コークス置換率を高めることができる。また、吹込みランスの溶損を防止できるため、安定的に高炉内へ還元材を吹込むことが可能となる。さらに、羽口及びブローパイプ等を冷却する冷却設備の熱負荷を軽減し、熱ロスを防止することも可能となる。
図1は本実施の形態に係る高炉への還元材吹込み装置の要部の説明図である。本実施の形態に係る還元材吹込み装置は、高炉羽口1に接続されたブローパイプ3内に、気体還元材としての都市ガスを吹込む気体還元材吹込みランス5と、微粉炭および/または微粒化した合成樹脂を吹込む微粉炭等吹込みランス7とを設置したものである。
なお、都市ガスとしては、液化天然ガスを主に、増燃用として液化プロパンガスを加えたもので、発熱量を11000±100kcal/m3に管理されたものを使用した。
また、微粒化した合成樹脂とは、最大径が2mm以下でかつ平均粒径が500μm以下のものをいう。なお、工業的に通常使用できる微粒化した合成樹脂は平均粒径が200〜500μm程度である。
微粒化した合成樹脂の大きさを上記のように規定したのは、このような大きさに微粒化することで微粉炭と同程度の着火性を有するからである。
気体還元材吹込みランス5はブローパイプ3の周壁からブローパイプ3の中心に向けて斜めに挿入され、気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aが羽口炉内側先端部1aから炉外側50mmの位置に配置されている。
微粉炭等吹込みランス7は、気体還元材吹込みランス5と同様にブローパイプの周壁からブローパイプ3の中心に向けて斜めに挿入されて設置されている。そして、微粉炭等吹込みランス7の先端に位置する微粉炭等吹込み口7aは気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aより100mm炉外側に配置されている。
気体還元材吹込みランス5の後端側は都市ガスを供給する都市ガス供給管に連結されており、都市ガス供給管には図示しない都市ガス供給装置から所定圧力、所定量の都市ガスが供給される。
また、微粉炭等吹込みランス7の後端側は、図示しない微粉炭等製造装置によって製造される微粉炭および/または微粒化した合成樹脂を気流搬送する微粉炭等気流搬送管に連結されている。
上記のように構成された還元材吹込み装置においては、気体還元材吹込みランス5から都市ガスが所定量吹込まれ、また微粉炭等吹込みランス7から微粉炭および/または微粒化した合成樹脂が所定量吹込まれる。吹込まれた都市ガス及び微粉炭および/または微粒化した合成樹脂は還元材としてコークスの代替として機能する。
そして、本実施の形態においては、微粉炭等吹込みランス7の先端に位置する微粉炭等吹込み口7aは気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aよりも100mm炉外側に配置したため、微粉炭および/または微粒化した合成樹脂が気体還元材の燃焼に必要な酸素を消費して、結果として気体還元材の燃焼を遅延させるため、気体還元材吹込みランス5から吹込まれた都市ガスはブローパイプ3及び羽口内での燃焼が抑制され、炉内において燃焼して還元性ガスとなる。なお、気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aを羽口炉内側先端部1aから炉外側に配置したために、炉内の高温ガスに気体還元材吹込みランス5がさらされることが無くなり、溶損が防止できるため、高炉内に気体還元材を安定して吹込むことが可能であった。
このように本実施の形態においては、微粉炭等吹込みランス7の先端に位置する微粉炭等吹込み口7aは気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aよりも100mm炉外側に配置したため、供給される都市ガスの羽口内やブローパイプ内での燃焼を抑制できたため、羽口内やブローパイプ内で燃焼した場合に発生するガスボリュームの増大に起因する圧損の問題がない。また、都市ガスの燃焼が炉内で行なわれるので、羽口1やブローパイプ3の周囲を冷却している冷却装置に過大な熱負荷をかけることもなく、また、熱ロスも少ない。
なお、上記の実施の形態においては、気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aが羽口炉内側先端1aから炉外側50mmの位置に配置した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aの位置は、高炉内の高温ガスにより気体還元材吹込みランス5が溶損しない位置であればよい。具体的には、羽口炉内側先端部1aから炉外側にあればよい。
上記の実施の形態においては、微粉炭等吹込みランス7の先端に位置する微粉炭等吹込み口7aは気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aよりも100mm炉外側に配置したが、本発明はこれに限られるものではなく、微粉炭および/または微粒化した合成樹脂が気体還元材の燃焼に必要な酸素を消費して、結果として気体還元材の燃焼を遅延させ得る位置関係とすればよい。具体的には、微粉炭等吹込みランス7の先端に位置する微粉炭等吹込み口7aは気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aよりも0mm以上炉外側に配置すればよい。ただし、微粉炭等吹込み口7aを気体還元材吹込み口5aよりも150mmを超えて炉外側に配置すると、気体還元材吹込みランス5が、微粉炭および/または微粒化した合成樹脂の燃焼により高温となったガスにさらされ、溶損するため気体還元材の吹込みができなくなる。したがって、微粉炭等吹込みランス7の先端に位置する微粉炭等吹込み口7aは気体還元材吹込みランス5の先端に位置する気体還元材吹込み口5aよりも0〜150mmに配置すればよいことになる。上記数値の根拠については後述する実施例において更に詳細に説明する。
なお、微粉炭と微粒化した合成樹脂とは通常の場合単一ランスから混合状態で吹込むが、羽口内の寸法上の取り合いが可能であれば複数の専用ランスを用いて吹込んでも良い。その場合は、気体還元材の吹込み位置は微粉炭等の吹込み位置のうち最も下流側の位置から0〜150mmとなるようにする。
上記の実施の形態において気体還元材の例として、都市ガスを例に挙げたが、その他にも液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、コークスガス(COG)などを用いてもよい。
なお、気体還元材とは常温、常圧下で気体である還元材のことを指している。
本発明の効果を確認するために、高炉を模擬したコークス充填型試験燃焼炉を用いて都市ガス吹込みと圧損との関係を検証した。
コークス充填型試験燃焼炉10は、図2に示すように、炉内高さ1000mm、炉内奥行き600mmの矩形の炉であり、炉壁10aに羽口11を一本有している。羽口11には熱風吹き込み用のブローパイプ13が接続され、ブローパイプ13にはブローパイプ内の圧力を測定する入側圧力計15が設けられている。
また、炉の上部にはコークス装入口17と排気口19が設けられ、排気口には排ガスの圧力を測定する出側圧力計21が設けられている。
また、ブローパイプ13には、気体還元材吹込みランスと微粉炭等吹込みランスが設けられている。コークス充填型試験燃焼炉10においては、気体還元材吹込みランスと微粉炭等吹込みランスのそれぞれの設置位置は適宜変更可能になっている。
上記のように構成されたコークス充填型試験燃焼炉10においては、高炉と同様に羽口11から熱風を吹込むと共に微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂と気体還元材としての都市ガスを吹き込み、炉内のコークスを燃焼させる。
本実施例では、羽口炉内側先端位置で微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂を吹込み、都市ガス吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置(すなわち羽口炉内側先端位置)の上流側で50mmとした場合(比較例1)、羽口炉内側先端位置で都市ガスを吹込み、微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置を都市ガスの吹込み位置(すなわち羽口炉内側先端位置)の上流側で50mmとした場合(本発明例)の2つの場合を行った。
図3、図4は上記2つの場合のコークス充填型試験燃焼炉10による試験結果をグラフ化したものであり、図3、図4は共に縦軸が圧損(kPa)、横軸が時間(min)を示している。図3が比較例の場合であり、図4が本発明の実施例の場合である。なお、ここで圧損とは、入側圧力計15で計測される入側圧力と出側圧力計21で計測される出側圧力の差をいう。
図3に示すように、比較例においては都市ガスの吹込みを開始した時点(実験の開始から約40分の時点)で圧損が約4kPaから約6kPaに上昇している。これは、都市ガスの吹込みによって羽口内で都市ガスが燃焼し、ガスボリュームの増大によって流路抵抗が増し、圧損が上昇したものと考えられる。
他方、本発明の実施例の場合には、都市ガスの吹込みを開始しても圧損の大きな変化はない。
このように、本発明の実施例によれば、気体還元材としての都市ガスを吹込んでも圧損が生じないことが検証された。
次に、都市ガス吹込み位置と圧損との関係を調べるために、都市ガスの吹込み位置を羽口炉内側先端から徐々に炉外側に移動させて圧損変化率を求めた。圧損変化率とは、都市ガス吹込み後圧損を都市ガス吹込み前圧損で除算したものである。
なお、都市ガスの吹込み位置と微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の間の距離:D{D=(羽口炉内先端位置と微粉炭等吹込みランス先端位置の距離)−(羽口炉内先端位置と都市ガス吹込みランス先端位置の距離)}については、D=−50mm、D=0mm、D=75mm、D=150mm、D>150mmの5つの場合について実験を行った。
図5は圧損変化率と都市ガス吹込み位置との関係を示したグラフであり、縦軸が圧損変化を、横軸が都市ガス吹込み位置の羽口炉内側先端からの距離をそれぞれ示している。
図5から分かるように、都市ガスの吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置と同じかまたは下流側にした3つの場合(D=0mm、D=75mm、D=150mm)には都市ガス吹込み位置の羽口炉内側先端からの距離によらず圧損変化率はほぼ横ばいである。
しかし、Dが150mmを超えると微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の燃焼による高温ガスにより都市ガス吹込みランスが溶損し、安定した都市ガス吹込みができなかった。
一方、都市ガスの吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の上流側とした例(D=−50mm)では、都市ガス吹込み位置の羽口炉内側先端からの距離によらず圧損変化率は、都市ガスの吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側とした上記3つの例に比較して急上昇した。
以上の結果から、圧損を生ずることなく都市ガスを吹込むことができる位置としては、都市ガスの吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側で0〜150mmであると認められる。
都市ガスの吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側で0〜150mmとすることの理論的根拠を明らかにするために、微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置からの距離と、酸素濃度およびガス温度との関係をシミュレーションした。この結果を図6に示す。図6においては、横軸が微粉炭または微粒化した合成樹脂の吹込み位置からの距離(mm)であり、縦軸がガス温度(℃)および酸素濃度(Vol%)である。
図6に示したガス温度および酸素濃度は気体還元材を吹き込む前の計算値(断面平均値)である。
図6に示されるように、微粉炭または微粒の合成樹脂材の吹込み位置よりも下流側では、酸素濃度が急激に低下している。これは、微粉炭または微粒の合成樹脂材の着火、燃焼により酸素が消費され、酸素濃度が急速に低下したものと考えられる。このため都市ガスの吹込み位置を微粉炭等および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側(D=0以上)にすると燃焼に必要な酸素が不足し、気体還元材の燃焼を抑制することが可能となる。
また、図6に示されるように、微粉炭または微粒の合成樹脂材の吹込み位置からの距離が増加するにつれてガス温度が増加する。そして、微粉炭または微粒の合成樹脂材の吹込み位置からの距離が150mm(D=150)になるとガス温度が2200℃に到達している。ガス温度がこれ以上の高温になると、吹込みランスの溶損が生じるため、上述したようにDの上限値を150mmにする必要がある。
上記の試験炉による検証結果から本発明例のようにして気体還元材を吹き込むようにすれば、圧損の問題を生じないことがわかった。そこで、この点が高炉の実操業に与える影響についての検証を行なった。検証結果を表1に示す。
Figure 2007162038
表1においては、都市ガスの吹込み無しの場合(以下において「ベース操業」という。)を左欄に、羽口炉内側先端から50mmの位置から微粉炭を吹込み、都市ガス吹込み位置を微粉炭吹込み位置の上流側で50mmとした場合(以下において「比較例」という。)を中央欄に、羽口炉内側先端位置から50mmの位置から都市ガスを吹込み、微粉炭の吹込み位置を都市ガス吹込み位置の上流側で50mmとした場合(以下において「本発明例」という。)を右欄にそれぞれ記載している。
表1における送風量の欄を見ると、ベース操業では7800(Nm/min)、比較例では7550(Nm/min)、本発明例では7800(Nm/min)となっている。これは、本発明例の都市ガス吹込み構造を用いることで、都市ガスを吹込む場合にもベース操業の場合と同様の送風が可能であることを示している。これは、都市ガスを吹込んでも圧損が生じないことの効果である。
還元材比の欄を見ると、ベース操業では還元材比が500(kg/t-p)であったのが、本発明例では489(kg/t-p)に低下しており、還元効率が向上したことが分かる。このことは、還元効率の高い都市ガスを還元材として効果的に利用できたことを示している。
他方、比較例では本発明例と同量の都市ガスを吹込んでいるにもかかわらず、還元材比は520(kg/t-p)であり、ベース操業の場合よりも還元材比が高くなっている。これは還元効率のよい都市ガスを吹込んだにもかかわらず圧損上昇により、送風量の低下や操業の不安定化が助長され還元材として効果的に利用できなかったことを示している。
また、コークス比の欄を見ると、ベース操業ではコークス比が400(kg/t-p)であったのが、本発明例では339(kg/t-p)になっており、コークス比が61(kg/t-p)低下したことが分かる。都市ガスを50(kg/t-p)吹込んだことによってコークス比が61(kg/t-p)低下しており、このことは、吹込んだ都市ガスがコークスと効果的に置換されていることを示している。
他方、比較例では本発明例と同量の都市ガスを吹込んでいるにもかかわらず、コークス比は370(kg/t-p)であり、ベース操業の場合より30(kg/t-p)低下したにすぎない。これは還元効率のよい都市ガスを吹込んだにもかかわらず圧損上昇により、送風量の低下や操業の不安定化が助長されコークスとの置換が効果的にできなかったことを示している。
さらに、表1の出銑量の欄を見ると、ベース操業では出銑量が11500(T/D)であったのが、本発明例では11750(T/D)に増えており、還元効率のよい都市ガスを吹込んだ効果が、出銑量に反映されている。他方、比較例においては、出銑量が10950(T/D)であり、ベース操業の場合よりも減少している。これは、還元効率のよい都市ガスを吹込んだにもかかわらず、その吹込み方が適切でなかったため、圧損上昇により、送風量の低下や操業の不安定化が助長され還元材を効果的に利用できなかったためである。
このように、都市ガスのような還元効率の高い気体還元材を吹込んでも、その吹込み方が不適切であれば、効果的な高炉操業ができない。
この点、本発明によれば、効果的な高炉操業が実現され、その効果は絶大である。
本発明の一実施形態に係る還元材吹込み装置の説明図である。 本発明の実施例に用いた試験炉の説明図である。 実施例における比較例の実験結果のグラフである。 実施例における圧損変化率と都市ガス吹込み位置の関係を示すグラフである。 実施例における圧損変化率と都市ガス吹込み位置との関係を示したグラフである。 微粉炭または微粒化した合成樹脂の吹込み位置からの距離と、酸素濃度およびガス温度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 羽口、1a 羽口炉内側端部、3 ブローパイプ、5 気体還元材吹込みランス、5a 気体還元材吹込み口、7 微粉炭等吹込みランス、7a 微粉炭等吹込み口。

Claims (2)

  1. 高炉の送風管を貫通して設けられた複数の吹込みランスを介して、高炉羽口内に微粉炭および/または微粒化した合成樹脂と、気体還元材をそれぞれ別々のランスにより吹込む還元材吹込み方法において、気体還元材の吹込み位置を微粉炭および/または微粒化した合成樹脂の吹込み位置の下流側0〜150mmの範囲とすることを特徴とする高炉への還元材吹込み方法。
  2. 高炉の送風管を貫通して設けられた複数の吹込みランスを介して、高炉羽口内に微粉炭および/または微粒化した合成樹脂と、気体還元材を吹込む還元材吹込み装置であって、
    微粉炭および/または微粒化した合成樹脂を吹込む微粉炭等吹込みランスと、気体還元材を吹込む気体還元材吹込みランスを備え、該気体還元材吹込みランスの吹込み口を該微粉炭等吹込みランスの吹込み口の下流側0〜150mmの範囲に設定してなることを特徴とする高炉への還元材吹込み装置。
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