JP7355723B2 - ヒヨコマメの根粒形成促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒヨコマメにおける根粒形成の促進及びヒヨコマメの増収技術に関する。
ヒヨコマメ(Cicer arietinum L.)はマメ科の一年生草本であり、子実(豆)、若い茎葉及び莢が食用に供される。ヒヨコマメの乾燥種子には、タンパク質25%、脂質5%、炭水化物59%、食物繊維1.2%の他、リン、カルシウム、鉄などのミネラル成分が豊富に含まれており、それを摂取することにより、ダイエットなどで動物性タンパク質を控える場合や穀物に不足がちな必須アミノ酸を補給できるという効果がある(非特許文献1)。
ヒヨコマメは、世界全体の豆類(Pulses)のうち、収穫面積において2位、生産量において3位を占め、人口増加の著しいインドにおいて最も生産量と需要の大きい豆類である。しかしながら、インドにおけるヒヨコマメの単収は、試験圃場レベルと実際の生産者レベルとの間に乖離があると云われている(非特許文献2)。
ヒヨコマメは、根粒菌(Mesorhizobium ciceri等)による根粒形成により収量が増加することが知られており(非特許文献3)、当該根粒を増強することが生産性確保に重要であると考えられる。従来から、特定の化合物を添加して根粒菌を増殖、活性化する等の技術が報告されているが、ヒヨコマメについては、経験的にダイズやインゲンマメ等と共生する根粒菌の活性化に用いられているダイゼインやナリンゲニンのようなフラボノイドが用いられていており、その効果は十分なものではない。
一方、レッドクローバー中に多く含まれるビオカニンA、ホルモノネチンのようなメチル化イソフラボンは、古くから女性ホルモン様作用があることが知られており、最近では、認知症緩和効果(特許文献1)やサルコペニアの予防又は治療効果(特許文献2)があることが報告されている。
しかしながら、メチル化イソフラボン類が根粒に対して如何なる作用を及ぼすかは全く知られていない。
特表2019-526612号公報 特表2013-507361号公報
Coastal Bioenvironment Center Saga University Volume 8 (2006) 35-40 Outlook on Agriculture, Volume 46, Issue 3 (2017) 1-6 European Journal of Agronomy, Volume 19, Issue 1 (2003) 15-21
本発明は、ヒヨコマメに共生する根粒菌による根粒形成の促進及びヒヨコマメの増収に関する技術を提供することに関する。
本発明者らは、土壌や環境を害さない天然素材について検討したところ、特定のメチル化イソフラボノイドに、ヒヨコマメに共生する根粒菌による根粒形成を促進させる作用があり、ヒヨコマメの収量増大に有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)~6)に係るものである。
1)下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を有効成分とするヒヨコマメの根粒形成促進剤。
2)下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を有効成分とするヒヨコマメの収量増加剤。
3)下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類及びヒヨコマメを宿主とする根粒菌を含有するヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物。
4)下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの根粒形成促進方法。
5)下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの収量増加方法。
6)下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの栽培方法。
Figure 0007355723000001
〔式中、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はヒドロキシ基を示す。〕
本発明によれば、ヒヨコマメに共生する根粒菌による根粒形成が促進され、ヒヨコマメの収量を増大することができる。
メチル化イソフラボン類の根粒形成促進効果(根粒重)。 メチル化イソフラボン類の根粒形成促進効果(根粒数)。 メチル化イソフラボン類の初期成長促進効果(地上部重)。 メチル化イソフラボン類の初期成長促進効果(地下部重)。 メチル化イソフラボン類の収量増加効果(子実重)。 メチル化イソフラボン類の収量増加効果(子実数)。 根粒菌とプラテンセインの併用による相乗効果(根粒数) 根粒菌とプラテンセインの併用による相乗効果(根粒重)
本発明において、「ヒヨコマメ」とは、マメ科(Fabaceae)ヒヨコマメ属のCicer arietinum L.を意味する。種としては、カブリ種及びデシ種が知られているが、そのいずれでもよい。
本発明において、「根粒」とは、細菌(根粒菌)との共生によって植物の根に生じる瘤を意味する。根粒菌は、根粒中で大気中の窒素を還元してアンモニア態窒素に変換し、宿主へと供給するいわゆる共生的窒素固定を行う。
根粒菌は、共生可能な植物に対して特異性があるとされており、ヒヨコマメを宿主とする根粒菌としては、メソリゾビウム・シセリ(Mesorhizobium ciceri)、メソリゾビウム・メディテラネウム(Mesorhizobium mediterraneum)等が知られている。本発明において、「根粒菌」はヒヨコマメと共生できるものであれば限定されないが、好ましくはメソリゾビウム・シセリである。
本発明において、メチル化イソフラボン類は、下記式(1)で表されるように、4’位のヒドロキシ基がメチル化されたイソフラボンである。
Figure 0007355723000002
〔式中、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はヒドロキシ基を示す。〕
ここで、R及びRが共にヒドロキシ基である化合物(5,7,3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシイソフラボン)は、「プラテンセイン(Pratensein)」として知られ、Rがヒドロキシ基で、Rが水素原子である化合物(5,7-ジヒドロキシ-4’-メトキシイソフラボン)は、「ビオカニンA(Biochanin A)」として知られ、R及びRが共に水素原子である化合物(7-ヒドロキシ-4’-メトキシイソフラボン)は、「ホルモノネチン(Formononetin)」として知られている。
このうち、根粒形成促進作用の点から、プラテンセインが好ましい。
斯かる本発明のメチル化イソフラボン類は、何れもムラサキツメクサ(レッドクローバー、Trifolium pratense)、シロツメクサ(ホワイトクローバー、Trifolium repens)、ヌスビトハギ(Podocarpium podocarpum)、ハリガネゴケ(Bryum capillare)等の植物に含まれることが報告されており、一般的には当該植物から公知の方法により抽出、単離、精製することができるが、市販品(プラテンセイン:富士フイルム和光純薬社、Chromadex社;ビオカニンA:Chromadex社;ホルモノネチン:Sigma-Aldrich社)を使用することもできる。また、既報(例えば、Wong, E. 1963. “Pratensein. 5, 7, 3′-Trihydroxy-4′-Methoxyisoflavone.” Journal of Organic Chemistry 28(9): 2336-39.)又はこれに準じる方法により製造された化学合成品であってもよい。
後記実施例に示すように、ヒヨコマメの種子を播種後、根粒菌を接種してヒヨコマメを栽培する場合において、本発明のメチル化イソフラボン類を添加すると、根粒重及び根粒数が増加し、植物個体あたりの子実重、子実数及びタンパク収量が増加し、その作用はナリンゲニン(4’,5,7-トリヒドロキシフラバノン)より優れている。
したがって、本発明のメチル化イソフラボン類は、ヒヨコマメの根粒形成促進剤又はヒヨコマメの収量増加剤となり得、ヒヨコマメの根粒形成促進又はヒヨコマメの収量増加のために使用することができ、また、ヒヨコマメの根粒形成促進剤又はヒヨコマメの収量増加剤を製造するために使用できる。
本発明において、「ヒヨコマメの根粒形成促進」とは、根粒菌がヒヨコマメに共生してできる根粒の形成能が増大することを意味し、具体的には根粒重若しくは根粒数、又はその両方がメチル化イソフラボン類未処理群よりも増加することを意味する。
また、「ヒヨコマメの収量増加」とは、ヒヨコマメから収穫される子実(豆)が増大することを意味し、例えば植物個体あたりの子実乾燥重若しくは子実数、又はその両方がメチル化イソフラボン類未処理群よりも増加することを意味する。
また、「ヒヨコマメの収量増加」には、ヒヨコマメから収穫されるタンパク収量が増加することも含まれる。「タンパク収量増加」とは、ヒヨコマメから収穫される子実(豆)に含まれるタンパク質の質量が増大することを意味し、例えば植物個体あたりの子実(豆)に含まれるタンパク質の質量がメチル化イソフラボン類未処理群よりも増加することを意味する。
上記のヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤は、ヒヨコマメの根粒形成又は収量増加を促進するための組成物(ヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物)(例えば、各種農業又は園芸資材等)、或いは土壌、培地、養液栽培用溶液等のヒヨコマメを栽培するための栽培基材に直接又は水に希釈して添加・配合するための素材(単体)又は製剤となり得る。
上記組成物の形態は、液状又はゲル状組成物であってもよく、また固体状態(ブロック状、粉末状、顆粒状等)の組成物であってもよい。液状組成物の場合、そのまま、あるいは希釈して使用する濃縮タイプとすることができる。また、固体状態の組成物の場合は水に溶解して使用することもできる。
上記組成物には、本発明のメチル化イソフラボン類の他に、任意の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、溶媒(例えば、水、緩衝液、培地、養液栽培用溶液等)、担体(珪藻土やバーミキュライト、パーライト、ピートモス、活性炭、ヒューマス、タルク、ゼオライト、クレー、カーボンブラック、パルプ、藁、大豆かす、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイト、アルミナ等)、前記化合物の溶解を促すためのpH調整剤、植物体又は土壌への展着力を高めるための展着剤、肥効を高めるための肥料成分、農薬成分、バインダー、増量剤、根粒菌(例えば、メソリゾビウム・シセリ(Mesorhizobium ciceri)、メソリゾビウム・メディテラネウム(Mesorhizobium mediterraneum )等のヒヨコマメを宿主とするメソリゾビウム属(genus Mesorhizobium)の根粒菌)や菌根菌等の植物生育促進微生物、植物の必須栄養素、フラボノイド(ダイゼイン、ゲニステイン等)、有機酸、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸塩基、糖、1価アルコール、非イオン性界面活性剤、食品添加物、微生物抽出物、植物ホルモン、nod因子すなわちリポ-キトオリゴ糖、合成リポ-キトオリゴ糖、キトオリゴ糖、キチン性化合物、リノール酸又はその誘導体類、リノレン酸又はその誘導体類、カリキン、アシル-ホモセリンラクトン誘導体、ベタイン化合物、フェノール類化合物(フェルラ酸、クロロゲン酸等)、抗酸化剤等が挙げられる。
上記組成物の例としては、例えば、本発明のメチル化イソフラボン類を有効成分として含む栽培基材(例えば、農業用若しくは園芸用の土壌、培土、培地、養液栽培用溶液、水等)、肥料、水やり用の水、根粒菌資材等の微生物資材、土壌改良剤、農薬、播種用資材、植物用サプリメント(例えば、活性化剤、栄養剤等)、などが挙げられるが、これらに限定されない。
当該肥料、微生物資材、土壌改良剤、播種用資材、植物用サプリメントは、マメ科植物等の植物を栽培する土壌の改良に資するため好ましい。該肥料、微生物資材、土壌改良剤、播種用資材、植物用サプリメントは、固体であっても液体であってもよく、固体の場合はブロック状、粉末状、顆粒状等であり得るが、粉末若しくは顆粒であることが好ましい。該肥料、微生物資材、土壌改良剤、播種用資材、植物用サプリメントは、本発明のメチル化イソフラボン類を有効成分として含む以外に、通常、ヒヨコマメの栽培に使用される肥料、微生物資材、土壌改良剤、播種用資材、植物用サプリメントの成分を含み得る。
当該栽培基材、肥料、根粒菌資材等の微生物資材、土壌改良剤、農薬、播種用資材、植物用サプリメントは、通常の栽培基材(例えば、農業用若しくは園芸用の土壌、培土、培地、養液栽培用溶液、水等)、肥料、根粒菌資材等の微生物資材、土壌改良剤、農薬、播種用資材、植物用サプリメント(例えば、活性化剤、栄養剤等)などに、本発明のメチル化イソフラボン類を添加することによって調製されてもよい。
上記ヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物中の本発明のメチル化イソフラボン類の含有量は、施用量に適するように適宜設定することができるが、例えば、組成物全質量中、好ましくは0.000001質量%(0.01μg/g)以上、より好ましくは0.00001質量%(0.1μg/g)以上、さらに好ましくは0.0001質量%(1μg/g)以上であり、且つ好ましくは1質量%(10,000μg/g)以下、より好ましくは0.1質量%(1,000μg/g以下、さらに好ましくは0.01質量%(100μg/g)以下、よりさらに好ましくは0.001質量%(10μg/g)以下である。また、好ましくは0.000001~1質量%、より好ましくは0.00001~0.1質量%、さらに好ましくは0.0001~0.01質量%、よりさらに好ましくは0.0001~0.001質量%である。
上記ヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物としては、ヒヨコマメの根粒形成促進の点から、本発明のメチル化イソフラボン類とヒヨコマメを宿主とする根粒菌(例えば、メソリゾビウム・シセリ、メソリゾビウム・メディテラネウム等のメソリゾビウム属(genus Mesorhizobium)の根粒菌)を含有する微生物資材である組成物が好ましく、メソリゾビウム・シセリを含有する資材であるのが特に好ましい。
上記根粒菌の菌数は、施用量に適するように適宜設定することができるが、例えば、組成物1gあたり、根粒菌数は好ましくは10cfu以上、より好ましくは10cfu以上、さらに好ましくは10cfu以上であり、且つ好ましくは1011cfu以下、より好ましくは1010cfu以下、さらに好ましくは10cfu以下、よりさらに好ましくは5×10cfu以下である。また、好ましくは10~1011cfu、より好ましくは10~1010cfu、さらに好ましくは10~10cfu、よりさらに好ましくは2×10~5×10cfuである。
また、根粒菌及びメチル化イソフラボン類の含有量は、例えば、組成物1gあたり、好ましくは根粒菌数が10~1011cfu且つメチル化イソフラボン類が0.01~10,000μg、より好ましくは根粒菌が10~1010cfu且つメチル化イソフラボン類が0.1~1,000μg、さらに好ましくは根粒菌が10~10cfu且つメチル化イソフラボン類が1~100μg、よりさらに好ましくは根粒菌が2×10~5×10cfu且つメチル化イソフラボン類が1~10μgである。
また、根粒菌とメチル化イソフラボン類の含有量比(メチル化イソフラボン類1μgに対する根粒菌数cfu)は、好ましくは10~5×10、より好ましくは10~5×10、さらに好ましくは2×10~5×10、よりさらに好ましくは2×10~5×10である。
本発明のヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤の供給方法としては、ヒヨコマメにおける根粒形成が促進され、ヒヨコマメの収量増加効果が発揮できるように施用すれば、その態様は特に限定されない。
すなわち、植物体又は植物の根圏の土壌に本発明のヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤が接触するか、又は送達される限り特に制限されず、土壌への表面散布、潅注、鋤込み、植物への葉面散布、肥料に混合しての施用、水耕溶液への添加、又は、播種前の種子への塗布若しくは塗抹(例えば種子粉衣)等が挙げられる。
ここで、土壌は、ヒヨコマメの栽培が可能な土壌を用いればよく、ヒヨコマメの栽培が可能な土壌から調製した土壌菌液を添加した土壌を用いることもできる。ここで、土壌菌液は、土壌質量に対して0.1~10倍の質量の滅菌水を加えた土壌を濾過した濾液として調製することが出来る。
本発明のメチル化イソフラボン類を用いるヒヨコマメの栽培においては、メチル化イソフラボン類に加えて、上述したヒヨコマメと共生する(ヒヨコマメを宿主とする)根粒菌を組み合わせて、土壌又は植物に適宜接種することが可能である。この場合は、根粒菌(例えば、根粒菌含有溶液)及びメチル化イソフラボン類をそれぞれ植物の種子を播種した土壌へ添加すること、或いは予め上述したヒヨコマメを宿主とする根粒菌と本発明のメチル化イソフラボン類を含有する組成物(微生物資材)を調製し、当該資材をヒヨコマメの種子若しくはヒヨコマメを栽培する土壌へ添加することが挙げられる。
本発明のヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤の施用量は、施用方法、施用時期、植物の種類、栽培密度、生育段階等によっても異なり得るが、例えば、本発明のメチル化イソフラボン類としての使用量は、ヒヨコマメを栽培するための前記栽培基材中の濃度として、好ましくは0.000001~1質量ppm、より好ましくは0.00001~0.1質量ppm、さらに好ましくは0.0001~0.01質量ppm、よりさらに好ましくは0.0001~0.001質量ppmであればよい。
例えば、栽培基材1リットル容量あたりの本発明のメチル化イソフラボン類の使用量は、好ましくは0.001~1,000μg、より好ましくは0.01~100μg、さらに好ましくは0.1~10μg、よりさらに好ましくは0.1~1μgであればよい。ヒヨコマメを土耕栽培する場合であれば、土地10アールあたり、好ましくは0.0001~100g、より好ましくは0.001~10g、さらに好ましくは0.01~1g、よりさらに好ましくは0.01~0.1gの量で、土壌に本発明のメチル化イソフラボン類を添加すればよい。
すなわち、上記本発明のメチル化イソフラボン類を有効成分として含む組成物、例えば肥料、微生物資材、土壌改良剤、播種用資材、植物用サプリメント等の場合、該組成物の使用量は、該組成物中に含まれるメチル化イソフラボン類の濃度に依存する。例えば、該組成物中に含まれる該メチル化イソフラボン類の濃度が0.005質量%である場合、該組成物の土地10アールあたりの使用量は、好ましくは2~2,000,000g、より好ましくは20~200,000g、さらに好ましくは200~20,000g、よりさらに好ましくは200~2,000gとなる。
本発明のヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤は、一度に前記範囲の量を施用してもよく、複数回に分けて施用してもよい。
また、メチル化イソフラボン類に加えて、ヒヨコマメと共生する(ヒヨコマメを宿主とする)根粒菌を組み合わせて土壌又は植物に施用する場合においては、施用する根粒菌の菌数は、ヒヨコマメの種子1粒あたり好ましくは10cfu以上、より好ましくは10cfu以上、さらに好ましくは10cfu以上、よりさらに好ましくは10cfu以上であり、且つ、好ましくは1011cfu以下、より好ましくは1010cfu以下、さらに好ましくは10以下、よりさらに好ましくは5×10cfu以下である。また、好ましくは10~1011cfu、より好ましくは10~1010cfu、さらに好ましくは10~10cfu、よりさらに好ましくは2×10~5×10cfuである。
また、当該組み合わせ施用におけるメチル化イソフラボン類の施用量は、ヒヨコマメの種子1粒あたり好ましくは0.001μg以上、より好ましくは0.01μg以上、さらに好ましくは0.1μg以上であり、且つ、好ましくは1,000μg以下、より好ましくは100μg以下、さらに好ましくは10μg以下、よりさらに好ましくは5μg以下である。また、好ましくは0.001~1,000μg、より好ましくは0.01~100μg、さらに好ましくは0.1~10μg、よりさらに好ましくは0.1~5μgである。
また、当該組み合わせ施用における根粒菌及びメチル化イソフラボン類のヒヨコマメの種子1粒あたりの施用量は、好ましくは根粒菌が10~1011cfu且つメチル化イソフラボン類が0.001~1,000μg、より好ましくは根粒菌が10~1010cfu且つメチル化イソフラボン類が0.01~100μg、さらに好ましくは根粒菌が10~10cfu且つメチル化イソフラボン類が0.1~10μg、よりさらに好ましくは根粒菌が2×10~5×10cfu且つメチル化イソフラボン類が0.1~5μgである。
また、当該組み合わせ施用における根粒菌とメチル化イソフラボン類の施用量比(メチル化イソフラボン類1μgに対する根粒菌数(cfu)は、好ましくは10~5×10、より好ましくは10~5×10、さらに好ましくは2×10~5×10、よりさらに好ましくは2×10~5×10である。
ヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤の施用の時期及び回数は、植物の種類等によっても異なり得るが、通常、土壌等の栽培基材への表面散布、潅注、鋤込み、若しくは種子粉衣により施用する場合は播種前若しくは播種と同時に1回又は1~3回施用することが好ましく、また播種後に施用する場合には、生殖生長期に入る前の栄養成長期初期が好ましい。具体的には播種当日~30日の間、好ましくは播種当日~14日の間に、1回又は1~3回施用することが好ましい。
さらに別の一実施形態においては、前記播種前や播種と同時及び/又は播種後における栽培基材(例えば、土壌、培土、培地、養液栽培用溶液、水等)への本発明のヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤の添加と、播種前の種子への該ヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤の塗布若しくは塗抹(例えば種子粉衣)を組み合わせてもよい。
尚、播種前の種子への該ヒヨコマメの根粒形成促進剤又は収量増加剤の塗布若しくは塗抹(例えば種子粉衣)においては、ピートモス等の担体のほか、展着剤や界面活性剤等を使用することが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明においてはさらに以下の態様が開示される。
<1>下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を有効成分とするヒヨコマメの根粒形成促進剤。
<2>下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を有効成分とするヒヨコマメの収量増加剤。
<3>下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類及びヒヨコマメを宿主とする根粒菌を含有するヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物。
<4>下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの根粒形成促進方法。
<5>下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの収量増加方法。
<6>下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの栽培方法。
<7>さらに土壌又は植物にヒヨコマメを宿主とする根粒菌を組み合わせて施用する、<4>~<6>のいずれかに記載の方法。
<8>予め根粒菌とメチル化イソフラボン類を含有する微生物資材を調製し、当該資材をヒヨコマメの種子若しくはヒヨコマメを栽培する土壌へ施用する、<7>に記載の方法。
<9>根粒菌がメソリゾビウム属(genus Mesorhizobium)の根粒菌、好ましくはメソリゾビウム・シセリ(Mesorhizobium ciceri)又はメソリゾビウム・メディテラネウム(Mesorhizobium mediterraneum )である、<7>又は<8>に記載の方法。
<10>土壌がヒヨコマメの栽培が可能な土壌から調製した土壌菌液を添加した土壌である、<4>~<9>のいずれかに記載の方法。
<11>ヒヨコマメの根粒形成促進剤を製造するための、下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類の使用。
<12>ヒヨコマメの収量増加剤を製造するための、下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類の使用。
<13>ヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物を製造するための、下記式(1)で表されるメチル化イソフラボン類及びヒヨコマメを宿主とする根粒菌の使用。
<14><1>~<13>において、メチル化イソフラボン類は、プラテンセイン、ビオカニンA又はホルモノネチン、好ましくはプラテンセインである。
<15><1>~<14>において、ヒヨコマメは、好ましくはカブリ種である。
<16><1>、<2>、<11>又は<12>の剤が組成物である場合において、当該組成物中のメチル化イソフラボン類の含有量は、組成物全質量中、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.00001質量%以上、さらにより好ましくは0.0001質量%以上であり、且つ好ましくは1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01%以下、さらに好ましくは0.001質量%以下である。また、好ましくは0.000001~1質量%、より好ましくは0.00001~0.1質量%、さらにより好ましくは0.0001~0.01質量%、且つ好ましくは0.0001~0.001質量%である。
<17><3>の組成物において、根粒菌の菌数は、組成物1gあたり、好ましくは10cfu以上、より好ましくは10cfu以上、さらに好ましくは10cfu以上であり、好ましくは1011cfu以下、より好ましくは1010cfu以下、さらに好ましくは10cfu以下、且つ好ましくは5×10cfu以下であるか、好ましくは又は10~1011cfu、より好ましくは10~1010cfu、さらに好ましくは10~10cfu、且つ好ましくは2×10~5×10cfuである。
<18><3>の組成物において、根粒菌及びメチル化イソフラボン類の含有量は、組成物1gあたり、好ましくは根粒菌数が10~1011cfu且つメチル化イソフラボン類が0.01~10,000μg、より好ましくは根粒菌が10~1010cfu且つメチル化イソフラボン類が好ましくは0.1~1,000μg、より好ましくは根粒菌が10~10cfu且つメチル化イソフラボン類が1~100μg、より好ましくは根粒菌が2×10~5×10cfu且つメチル化イソフラボン類が好ましくは1~10μgである。
<19><3>の組成物において、根粒菌とメチル化イソフラボン類の含有量比(メチル化イソフラボン類1μgに対する根粒菌数(cfu)は、好ましくは10~5×10、より好ましくは10~5×10、さらに好ましくは2×10~5×10、よりさらに好ましくは2×10~5×10である。
<20><4>~<10>のいずれかの方法において、メチル化イソフラボン類の使用量は、ヒヨコマメを栽培するための栽培基材中の濃度として、好ましくは0.000001~1質量ppm、より好ましくは0.00001~0.1質量ppm、0.0001~0.01質量ppm又は0.0001~0.001質量ppmである。
<21><7>又は<8>の方法において、施用する根粒菌の菌数は、ヒヨコマメの種子1粒あたり好ましくは10cfu以上、より好ましくは10cfu以上、さらに好ましくは10cfu以上、且つ好ましくは10cfu以上であり、且つ、好ましくは1011cfu以下、より好ましくは1010cfu以下、さらに好ましくは10以下、且つ好ましくは5×10cfu以下である。また、好ましくは10~1011cfu、より好ましくは10~1010cfu、さらに好ましくは10~10cfu、且つ好ましくは2×10~5×10cfuである。
<22><7>又は<8>の方法において、施用するメチル化イソフラボン類の量は、ヒヨコマメの種子1粒あたり好ましくは0.001μg以上、より好ましくは0.01μg以上、さらに好ましくは0.1μg以上であり、且つ、好ましくは1,000μg以下、より好ましくは100μg以下、さらに好ましくは10μg以下、且つ好ましくは5μg以下であるか、又は好ましくは0.001~1,000μg、より好ましくは0.01~100μg、さらに好ましくは0.1~10μg、且つ好ましくは0.1~5μgである。
<23><7>又は<8>の方法において、施用する根粒菌及びメチル化イソフラボン類のヒヨコマメの種子1粒あたりの施用量は、好ましくは根粒菌が10~1011cfu且つメチル化イソフラボン類が0.001~1,000μg、より好ましくは根粒菌が10~1010cfu且つメチル化イソフラボン類が0.01~100μg、さらに好ましくは根粒菌が10~10cfu且つメチル化イソフラボン類が0.1~10μg、且つ好ましくは根粒菌が2×10~5×10cfu且つメチル化イソフラボン類が0.1~5μgである。
<24><7>又は<8>の方法において、施用する根粒菌とメチル化イソフラボン類の比(メチル化イソフラボン類1μgに対する根粒菌数cfu)は、好ましくは10~5×10、より好ましくは10~5×10、さらに好ましくは2×10~5×10、且つ好ましくは2×10~5×10である。
Figure 0007355723000003
〔式中、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、水素原子又はヒドロキシ基を示す。〕
実施例1 メチル化イソフラボン類のヒヨコマメの根粒形成及び初期生育に対する効果
初期肥効型培土(タキイセル培土TM-1、タキイ種苗(株))とバーミキュライト細粒(あかぎ園芸(株))を体積比1:1で混合し、当該土壌約1.1Lをポット(ロングプラ120、日本ポリ鉢販売(株))に充填した。ヒヨコマメ(カブリ種)の種子を2粒ずつ、当該ポットに、土壌表面から約1~2cmの深さで播種した。
別途、Yeast-Mannitol(YM)培地(K2HPO4 0.5g、MgSO4・7H2O 0.2g、NaCl 0.1g、Yeast Extract 0.4g、Mannitol 10g、蒸留水1L(pH6.8))に1.5%の寒天(和光純薬工業(株))を加えて固形培地を調製し、当該固形培地上でヒヨコマメ根粒菌(Mesorhizobium ciceri)NBRC100389T株を30℃にて約72時間静置培養した。生育した根粒菌を一白金耳とり、容積500mLの坂口フラスコ中のYM液体培地50mLに植菌し、30℃にて約72時間振盪培養した。濁度(OD600)の値を滅菌水で0.02(7.0×10CFU/ml)に調整した根粒菌培養液1mLを、播種時に、マイクロピペッターを用いて種子に滴下接種した後、覆土した。
次いで、1μgのメチル化イソフラボンおよび比較化合物を次の様に施用した。すなわち、0.1(v/v)%ジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液に、1ppm(mg/L)となるように溶解したナリンゲニン(Sigma-Aldrich社,Cat.No.N5893)、ホルモノネチン(Sigma-Aldrich社,Cat.No.47752-5MG-F)、ビオカニンA(Chromadex社,Cat.No.ASB-00002276-005)及びプラテンセイン(Chromadex社,ASB-00016080-001)の各溶液を、マイクロピペッターを用いて1mLずつ各々の試験区の種子の上に滴下した。加えて、0.1%DMSO水溶液1mLのみを施用した試験区をコントロール区とした。各試験区の反復数は5とした(n=5)。
栽培は屋内で行い、栽培条件は、明期16時間、25℃、LED光源(オーゲツ株式会社;型番:VGL-1200W)、光量400~440μmol/m2/sとした。播種から7日後に、1ポットあたり1植物となるように間引きを行った。水やりは、ポットの下に置いたバットの水がなくなった後に、新たにポットの下部5cm程度が浸かる量の水をバットに加えることで行った。25日間栽培を行った後、ポットから植物体を取り出し、水で根を洗浄してから根粒を採取した。採取した根粒について、植物個体あたりの根粒新鮮重及び根粒数の測定を行った。また、植物体を100℃で3日間乾燥させたのち、植物体の地上部乾燥重及び地下部乾燥重を測定した。
測定結果を図1~図4に示す。各図のグラフは平均値±標準偏差を表す。
各図中のCont.、Nar1、For1、Bio1、Pra1はそれぞれコントロール区ならびにナリンゲニン、ホルモノネチン、ビオカニンA及びプラテンセインの1ppm溶液の施用区を表す。
根粒重は、コントロール区に対して、ホルモノネチン区で55%、ビオカニンA区で26%、プラテンセイン区で71%の増加傾向を示した(図1)。根粒数は、コントロール区に対して、ホルモノネチン区で15%、ビオカニンA区で25%、プラテンセイン区で38%の増加傾向を示したが、ナリンゲニン区では増加傾向は認められなかった(図2)。
また、地上部重は、コントロール区に対して、ホルモノネチン区で19%、ビオカニンA区で5%、プラテンセイン区で23%の増加傾向を示した(図3)。地下部重は、コントロール区に対して、ホルモノネチン区で34%、ビオカニンA区で5%、プラテンセイン区で11%の増加傾向を示したが、ナリンゲニン区では増加傾向は認められなかった(図4)。
実施例2 メチル化イソフラボンのヒヨコマメの収量に対する効果
中期肥効型培土(タキイ含水セル培土、タキイ種苗(株))とバーミキュライト(あかぎ園芸(株))を体積比1:1で混合し、当該土壌をポット(直径30cm、高さ30cm)に充填した。当該ポットの中央付近に約1~2cmの深さで設けた4ヶ所の播種穴に、ヒヨコマメ(カブリ種)の種子を1粒ずつ、計4粒播種した。実施例1と同様に、濁度(OD600)の値を滅菌水で0.02(7.0×10CFU/ml)に調整したヒヨコマメ根粒菌(Mesorhizobium ciceri)NBRC100389T株の菌液を種子に滴下接種した。
次いで、0.1μg又は1μgのメチル化イソフラボンおよび比較化合物を次の様に施用した。すなわち、0.1%DMSO水溶液に溶解したナリンゲニン及びプラテンセインの0.1ppm又は1ppmの溶液を、マイクロピペッターを用いて、1mLずつ各々の試験区の種子の上に滴下した。加えて、0.1%DMSO水溶液1mLのみを施用した試験区をコントロール区とした。各試験区は11反復とした(n=11)。
栽培は、2018年11月から2019年5月にかけて、太陽光が入るガラスハウス内で行った。当該ハウス内の空調は20℃設定とした。播種から11日後に、1ポットあたり1植物となるように、かつ見かけ上生育に問題がない個体を残すように間引きを行った。水やりは、原則として1週間に1回シャワーで適量を潅水することにより行い、土壌表面の乾燥が見られた際には適宜追加で潅水を行った。莢が自然に乾燥した後に収穫を行い、莢から子実(豆)を取り出した。得られた子実について、植物個体あたりの子実乾燥重及び子実数の測定を行った。
測定結果を図5及び図6に示す。
各図のグラフは平均値±標準偏差を表す。各図中の略号は実施例1におけるものと同様である。子実重は、コントロール区に対して、プラテンセイン0.1ppm区で5%、同1ppm区で25%の増加傾向を示した(図5)。子実数は、コントロール区に対して、プラテンセイン0.1ppm区で92%、同1ppm区で55%の有意な増加を示した(図6)。なお、有意差検定はWilliams法を用いて行い、有意差(P<0.025)が認められた場合はアスタリスク(*)を付して表した。
実施例3
実施例2で収穫したヒヨコマメの子実に含まれるタンパク質含量を測定し、タンパク収量に換算した結果を表1に示す。プラテンセイン1ppm区でタンパク収量が増加傾向を示した。なお、タンパク収量(g/株)は子実重(g/株)×{子実タンパク質含量(g/100g)/100}で求めた。ヒヨコマメの子実に含まれるタンパク質含量の測定は食品分析センターにて行った。測定には燃焼法を用い、定量される全窒素に対して窒素・タンパク質換算係数として6.25を乗じることによりタンパク質含量を算出した。
実施例4 根粒菌とプラテンセインの併用による相乗効果
実際のヒヨコマメ栽培土壌には様々な微生物が存在しており、そのような条件下においても根粒菌の接種やメチル化イソフラボンの効果が発揮されることが望まれる。本実施例では圃場土から微生物を抽出した下記に説明する土壌菌液を培土に混和した条件、すなわち実際の栽培土壌に近い条件下で、根粒菌接種とメチル化イソフラボンの併用が根粒形成に与える影響を評価した。評価した試験区1~6は以下のとおりである。
試験区1.土壌菌液なし
試験区2.土壌菌液あり
試験区3.土壌菌液あり+根粒菌接種
試験区4.土壌菌液あり+根粒菌接種+プラテンセイン施用
試験区5.土壌菌液あり+根粒菌接種(前日にプラテンセインを培地に添加)
試験区6.土壌菌液あり+プラテンセイン施用
(1)土壌菌液の調製と播種
中期肥効型培土(タキイ含水セル培土中期肥効型、タキイ種苗(株))とバーミキュライト細粒(あかぎ園芸(株))を体積比1:1で混合し、当該土壌をポリポット(直径10.5cm、高さ9cm)に充填した。栃木県内の圃場土500gに500mLの滅菌したmilliQ水を添加し、攪拌後、円形定量ろ紙 No.5A(ADVANTEC)でろ過したろ液を土壌菌液とし、この菌液を上記1ポットあたり45mL給水させた(試験区2~6)。土壌菌液なしの試験区1は滅菌水のみを同量給水させた。なお、土壌の水分量を調整するために別途水道水を1ポットあたり200mL給水させた。なお、各試験区の反復数は4~6とした(n=4~6)。ヒヨコマメ(カブリ種)の種子を各ポットに2粒ずつ、土壌表面から約1~2cmの深さで播種した。
(2)根粒菌の接種
Yeast-Mannitol(YM)培地(K2HPO4 0.5g、MgSO4・7H2O 0.2g、NaCl 0.1g、Yeast Extract 0.4g、Mannitol 10g、蒸留水1L(pH6.8))に1.5%の寒天(和光純薬工業(株))を加えて固形培地を調製し、当該固形培地上でヒヨコマメ根粒菌(Mesorhizobium ciceri)NBRC100389T株を30℃にて約72時間静置培養した。生育した根粒菌を一白金耳とり、容積500mLの坂口フラスコ中のYM液体培地50mLに植菌し、30℃にて約72時間振盪培養した。播種前日に濁度(OD600)の値を滅菌水で0.1(3.5×10CFU/mL)に調整した根粒菌培養液1mLを、播種時に、マイクロピペッターを用いて種子に滴下接種した(試験区3および4)。また、播種前日にプラテンセインが1.5ppm(終濃度0.1(v/v)%ジメチルスルホキシド含有)となるように培養液1mLあたり1.5μgのプラテンセインを添加し、24時間培養したものも上記と同様に濁度を調整して、播種時に1mL接種した(試験区5)。
(3)プラテンセインの施用
1.5μgのプラテンセインを次の様に施用した。すなわち、プラテンセインが1.5ppm(終濃度0.1(v/v)%ジメチルスルホキシド含有)となるように溶解したプラテンセイン(Chromadex社)の溶液を、マイクロピペッターを用いて1mLずつ種子の上に滴下した(試験区4および6)。
(4)栽培条件
栽培は屋内で行い、栽培条件は、明期16時間、25℃、LED光源、光量400~440μmol/m2/sとした。播種から7日後に、1ポットあたり1植物となるように間引きを行った。水やりは、ポットの下に置いたバットの水がなくなった後に、新たにポットの下部5cm程度が浸かる量の水道水をバットに加えることで行った。21日間栽培を行った後、ポットから植物体を取り出し、水で根を洗浄してから根粒を採取した。採取した根粒について、植物個体あたりの根粒新鮮重及び根粒数の測定を行った。また、植物体を100℃で3日間乾燥させたのち、植物体の地上部乾燥重及び地下部乾燥重を測定した。
(5)結果
測定結果を図7~8に示す。図中のグラフは平均値±標準偏差を表す。なお、有意差検定はTukey-Kramer法を用いて行い、各群間で異なる文字(a、ab、b)は有意差(P<0.05)が認められたことを示す。
試験区1、2およびプラテンセイン単独施用区である試験区6ではほとんど根粒が着生しなかった。試験区3では根粒菌接種により着生数が増加したが、効果は限定的であった。播種時にプラテンセインを根粒菌と同時に施用する試験区4、ならびにプラテンセインを根粒菌の培養液に事前に添加し24時間培養したものを接種する試験区5では、根粒数がそれぞれ試験区3に対して2.3倍および2.5倍であった(図7)。根粒重も同様に、試験区3に対して試験区4および5ではそれぞれ2.3倍および2.2倍であった(図8)。
以上のことから、プラテンセインを根粒菌と同時に施用した場合、および根粒菌培養液へプラテンセインを事前添加した場合のいずれにおいても、根粒菌単独接種またはプラテンセイン単独施用に対して根粒着生効果が相乗的に高まることが明らかとなった。

Claims (12)

  1. 下記式(1’):
    Figure 0007355723000005
    〔式中、R及びRは、共にヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類を有効成分とするヒヨコマメの根粒形成促進剤。
  2. 下記式(1’):
    Figure 0007355723000006
    〔式中、R及びRは、共にヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類を有効成分とするヒヨコマメの収量増加剤。
  3. 下記式(1):
    Figure 0007355723000007
    〔式中、R及びRは、共に水素原子又はヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類及びヒヨコマメを宿主とする根粒菌を含有するヒヨコマメの根粒形成促進又は収量増加用組成物。
  4. 根粒菌とメチル化イソフラボン類の含有量比であるメチル化イソフラボン類1μgに対する根粒菌数cfuが10~5×10である、請求項3記載の組成物。
  5. 根粒菌及びメチル化イソフラボン類の含有量が、組成物1gあたり、根粒菌数が10~1011cfu、メチル化イソフラボンが0.01~10,000μgである、請求項3又は4記載の組成物。
  6. 下記式(1’):
    Figure 0007355723000008
    〔式中、R及びRは、共にヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの根粒形成促進方法。
  7. 下記式(1’):
    Figure 0007355723000009
    〔式中、R及びRは、共にヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの収量増加方法。
  8. 下記式(1’):
    Figure 0007355723000010
    〔式中、R及びRは、共にヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類を土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの栽培方法。
  9. 下記式(1):
    Figure 0007355723000011
    〔式中、R 及びR は、共に水素原子又はヒドロキシ基を示す。〕
    で表されるメチル化イソフラボン類とヒヨコマメを宿主とする根粒菌を組み合わせて土壌又は植物に施用する工程を含む、ヒヨコマメの根粒形成促進方法又はヒヨコマメの収量増加方法
  10. 前記メチル化イソフラボン類及びヒヨコマメを宿主とする根粒菌を含有する組成物を土壌又は植物に施用する、請求項9記載の方法。
  11. 根粒菌とメチル化イソフラボン類の施用量比であるメチル化イソフラボン類1μgに対する根粒菌数cfuが10~5×10である、請求項9又は10記載の方法。
  12. 土壌がヒヨコマメの栽培が可能な土壌から調製した土壌菌液を添加した土壌である、請求項6~11のいずれか1項記載の方法。
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