<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<反射箱の構成>
まず、図1を参照し、実施形態に係る反射箱1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る反射箱1の構成の一例を示す図である。
反射箱1は、内部において各種の電子機器に対する放射電磁界試験(放射イミュニティ試験)が行われる容器である。以下では、説明の便宜上、放射電磁界試験を行う対象となる電子機器を、対象電子機器と称して説明する。
放射電磁界試験では、対象電子機器が実際に使用されると推定される電磁環境が擬似的に作り出される。そして、放射電磁界試験では、作り出した当該電磁環境中において対象電子機器が正常に動作するか否かが試験される。このような放射電磁界試験では、対象電子機器を含む領域内における電界強度の均一性が高いほど、精度の高い試験結果を得ることができる。ここで、ある領域内における電界強度の均一性は、当該領域内における電界強度のばらつきを示す量(例えば、標準偏差、分散等)によって表される。すなわち、当該領域内における電界強度の均一性は、当該領域内における電界強度のばらつきを示す量が小さいほど高い。
反射箱1は、例えば、電磁攪拌器11と、アンテナ12を備える。また、アンテナ12は、反射箱1の外部に設置された情報処理装置2と接続されている。なお、反射箱1は、電磁攪拌器11とアンテナ12に加えて、他の部材を備える構成であってもよい。
電磁攪拌器11は、反射箱1の内部の電磁波を攪拌する。これにより、反射箱1は、内部の領域のうち作業領域WV内の電界強度のばらつきを小さくすることができる。作業領域WVは、反射箱1の内部の領域のうち対象電子機器が設置される領域のことである。換言すると、作業領域WVは、反射箱1の内部の領域のうち放射電磁界試験が行われる領域のことである。図1に示した例では、作業領域WV内には、電子機器Pが対象電子機器の一例として設置されている。すなわち、反射箱1の内部では、電子機器Pに対する放射電磁界試験が行われる。電磁攪拌器11は、作業領域WV内の電磁波を攪拌し、当該放射電磁界試験において作業領域WV内の電界強度のばらつきを小さくする。電磁攪拌器11の構成については、後述する。
なお、電磁攪拌器11を回転させる回転機構は、反射箱1に備えられる構成であってもよく、電磁攪拌器11に備えられる構成であってもよい。当該回転機構には、例えば、電磁攪拌器11を回転させる駆動力を供給するモータ、当該モータの回転数を減速させる各種の歯車、電磁攪拌器11を支持する支持部材等が含まれている。
アンテナ12は、反射箱1の内部において電磁波を放射する。また、アンテナ12は、情報処理装置2から電気信号を取得し、取得した電気信号に応じた電磁波を放射する。アンテナ12は、如何なる構成のアンテナであってもよい。
情報処理装置2は、ユーザから受け付けた操作に応じて、アンテナ12からユーザが所望する波長帯の電磁波が放射されるように、アンテナ12に対して電気信号を出力する。情報処理装置2は、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)である。なお、情報処理装置2は、ノートPC、タブレットPC、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)等の他の情報処理装置であってもよい。
<電磁攪拌器の構成例1>
以下、図2を参照し、電磁攪拌器11の構成例1について説明する。図2は、電磁攪拌器11の構成の一例を示す三面図である。以下では、説明の便宜上、図2に示した電磁攪拌器11を、電磁攪拌器11Aと称して説明する。
電磁攪拌器11Aは、軸体AX1と、軸体AX1に設けられた複数の攪拌翼とを備える。図2に示した例では、電磁攪拌器11Aは、当該複数の攪拌翼として、第1攪拌翼W11と、第2攪拌翼W12との2つの攪拌翼を備えている。なお、電磁攪拌器11Aは、当該2つの攪拌翼に加えて、他の攪拌翼を備える構成であってもよい。
軸体AX1は、軸体AX1の基準位置BP1から第1方向に延伸する棒状の部材である。図2に示した矢印は、第1方向を示している。なお、第1方向は、如何なる方向であってもよい。また、図2に示した例では、基準位置BP1は、軸体AX1が有する端部のうち第1方向と逆側の端部の位置である。すなわち、当該例では、軸体AX1は、基準位置BP1から第1方向にのみ延伸している。なお、基準位置BP1は、軸体AX1に応じた他の位置であってもよい。この場合、軸体AX1は、基準位置BP1から第1方向に延伸し、且つ、基準位置BP1から第1方向と逆の方向にも延伸する。
第1攪拌翼W11は、軸体AX1に設けられた場合において、軸体AX1の中心軸と斜交する第11仮想面に含まれる面を有する部材であれば、如何なる形状の部材であってもよい。ここで、実施形態では、軸体AX1の中心軸と第11仮想面とが斜交することは、軸体AX1の中心軸と第11仮想面との間の角度のうちの最も小さい角度が0度以上90度未満の範囲内に含まれる角度であることを意味する。なお、第11仮想面は、厚みのある仮想的な面であってもよく、厚みの無い仮想的な面であってもよい。第11仮想面は、第1仮想面の一例である。
図2に示した例では、第1攪拌翼W11は、平板矩形状の部材である。このため、第1攪拌翼W11は、互いに対向する2つの面、すなわち、上面と下面とを有している。そして、第1攪拌翼W11は、第1攪拌翼W11の上面及び下面の両方が軸体AX1の中心軸と斜交するように軸体AX1に貫通されている。このため、第1攪拌翼W11の上面及び下面のそれぞれは、第11仮想面に含まれる面の一例となっている。すなわち、第1攪拌翼W11は、軸体AX1に設けられた場合において第11仮想面に含まれる面を有する部材である。以下では、一例として、第1攪拌翼W11の上面を第11仮想面に含まれる面として扱う場合について説明する。なお、実施形態では、第1攪拌翼W11の上面は、第1攪拌翼W11が有する2つの面のうち第1方向側に位置している面のことである。また、実施形態では、第1攪拌翼W11の下面は、第1攪拌翼W11が有する2つの面のうち第1方向と逆の方向側に位置している面のことである。
ここで、図2に示した例では、第1攪拌翼W11の上面は、軸体AX1の中心軸に対して45°で斜交している。換言すると、当該例では、第1攪拌翼W11の上面と軸体AX1の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°である。なお、第1攪拌翼W11の上面と軸体AX1の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく90°より小さい角度であってもよい。
また、図2に示した例では、第1攪拌翼W11は、第1攪拌翼W11の重心の位置を軸体AX1によって貫通されている。なお、第1攪拌翼W11は、第1攪拌翼W11の重心の位置に代えて、第1攪拌翼W11の他の位置を軸体AX1により貫通されている構成であってもよい。また、第1攪拌翼W11は、軸体AX1によって貫通される構成に代えて、何らかの支持部材を介して軸体AX1により支持される構成であってもよい。この場合であっても、第1攪拌翼W11の上面は、軸体AX1から離間しているが、第11仮想的な面に含まれたままである。すなわち、この場合であっても、第1攪拌翼W11は、軸体AX1に設けられた場合において第11仮想面に含まれる面を有する部材である。
また、第1攪拌翼W11は、軸体AX1に対して締結部材によって締結され、軸体AX1に対して相対的に動かないように固定されている。締結部材は、例えば、ねじである。なお、締結部材は、ねじに代えて、オーリング等の第1攪拌翼W11を軸体AX1に対して締結可能な他の部材であってもよい。
また、第1方向における距離のうち軸体AX1の基準位置BP1から第1攪拌翼W11の位置までの間の距離が、a11によって示されている。なお、実施形態では、第1方向における第1攪拌翼W11の位置は、第11仮想面(図2に示した例では、第1攪拌翼W11の上面)と軸体AX1の中心軸との交点の位置によって表される。当該交点の位置は、軸体と第1攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
また、図2に示した例では、平板矩形状の第1攪拌翼W11が有する4つの辺のうち軸体AX1の中心軸と平行な2つの辺それぞれの長さは、L11によって示されている。また、当該例では、平板矩形状の第1攪拌翼W11が有する4つの辺のうち軸体AX1の中心軸と斜交する2つの辺それぞれの長さは、WD11によって示されている。
ここで、実施形態では、第1攪拌翼W11の姿勢を、第1攪拌翼W11の上面と直交する2つの方向のうち第1攪拌翼W11の下面から第1攪拌翼W11の上面に向かう方向によって表す。なお、第1攪拌翼W11の姿勢は、当該方向に代えて、他の方向によって表される構成であってもよい。
第2攪拌翼W12は、第1攪拌翼W11の形状と同じ形状の部材である。ただし、第2攪拌翼W12は、第1攪拌翼W11の大きさと異なる大きさの部材である。すなわち、第2攪拌翼W12の形状は、第1攪拌翼W11の形状と相似である。このため、第2攪拌翼W12は、軸体AX1に設けられた場合において軸体AX1の中心軸と斜交する第12仮想面に含まれる面を有する部材である。なお、図2に示した例では、第2攪拌翼W12の大きさ(例えば、第2攪拌翼W12の上面の面積等)は、第1攪拌翼W11の大きさ(例えば、第1攪拌翼W11の上面の面積等)よりも大きい。ここで、実施形態では、軸体AX1の中心軸と第12仮想面とが斜交することは、軸体AX1の中心軸と第12仮想面との間の角度のうちの最も小さい角度が0度以上90度未満の範囲内に含まれる角度であることを意味する。なお、第12仮想面は、厚みのある仮想的な面であってもよく、厚みの無い仮想的な面であってもよい。第12仮想面は、第2仮想面の一例である。
図2に示した例では、第2攪拌翼W12は、第1攪拌翼W11と同様に、平板矩形状の部材である。このため、第2攪拌翼W12は、互いに対向する2つの面、すなわち、上面と下面とを有している。そして、第2攪拌翼W12は、第2攪拌翼W12の上面及び下面の両方が軸体AX1の中心軸と斜交するように軸体AX1に貫通されている。このため、第2攪拌翼W12の上面及び下面のそれぞれは、第12仮想面に含まれる面の一例となっている。すなわち、第2攪拌翼W12は、軸体AX1に設けられた場合において第12仮想面に含まれる面を有する部材である。以下では、一例として、第2攪拌翼W12の上面を第12仮想面に含まれる面として扱う場合について説明する。なお、実施形態では、第2攪拌翼W12の上面は、第2攪拌翼W12が有する2つの面のうち第1方向側に位置している面のことである。また、実施形態では、第2攪拌翼W12の下面は、第2攪拌翼W12が有する2つの面のうち第1方向と逆の方向側に位置している面のことである。
ここで、図2に示した例では、第2攪拌翼W12の上面は、軸体AX1の中心軸に対して45°で斜交している。換言すると、当該例では、第2攪拌翼W12の上面と軸体AX1の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°である。なお、第2攪拌翼W12の上面と軸体AX1の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく90°より小さい角度であってもよい。
また、図2に示した例では、第2攪拌翼W12は、第2攪拌翼W12の重心の位置を軸体AX1によって貫通されている。なお、第2攪拌翼W12は、第2攪拌翼W12の重心の位置に代えて、第2攪拌翼W12の他の位置を軸体AX1により貫通されている構成であってもよい。また、第2攪拌翼W12は、軸体AX1によって貫通される構成に代えて、何らかの支持部材を介して軸体AX1により支持される構成であってもよい。この場合であっても、第2攪拌翼W12の上面は、軸体AX1から離間しているが、第12仮想面に含まれたままである。すなわち、この場合であっても、第2攪拌翼W12は、軸体AX1に設けられた場合において第12仮想面に含まれる面を有する部材である。
また、第2攪拌翼W12は、軸体AX1に対して締結部材によって締結され、軸体AX1に対して相対的に動かないように固定されている。
また、第1方向における距離のうち軸体AX1の基準位置BP1から第2攪拌翼W12の位置までの間の距離が、a12によって示されている。なお、実施形態では、第1方向における第2攪拌翼W12の位置は、第12仮想面(図2に示した例では、第2攪拌翼W12の上面)と軸体AX1の中心軸との交点の位置によって表される。当該交点の位置は、軸体と第2攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
また、図2に示した例では、平板矩形状の第2攪拌翼W12が有する4つの辺のうち軸体AX1の中心軸と平行な2つの辺それぞれの長さは、L12によって示されている。また、当該例では、平板矩形状の第2攪拌翼W12が有する4つの辺のうち軸体AX1の中心軸と斜交する2つの辺それぞれの長さは、WD12によって示されている。
ここで、実施形態では、第2攪拌翼W12の姿勢を、第2攪拌翼W12の上面と直交する2つの方向のうち第2攪拌翼W12の下面から第2攪拌翼W12の上面に向かう方向によって表す。なお、第2攪拌翼W12の姿勢は、当該方向に代えて、他の方向によって表される構成であってもよい。
ここで、距離a12は、距離a11よりも長い距離である。すなわち、第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12は、第1攪拌翼W11、第2攪拌翼W12の順に軸体AX1の基準位置BP1から第1方向に向かって並んでいる。これにより、電磁攪拌器11Aは、軸体AX1の回転に応じて、互いに大きさの異なる相似形状の2つの攪拌翼(すなわち、第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12)が回転するため、互いに大きさの同じ合同形状の2つの攪拌翼が回転する場合と比較して、反射箱1の内部の電磁波をより乱雑に攪拌することができる。その結果、電磁攪拌器11Aは、互いに大きさの同じ合同形状の2つの攪拌翼が回転する場合と比較して、作業領域WV内の電界強度の均一性を向上させることができる。また、電磁攪拌器11Aでは、前述した通り、第2攪拌翼W12の大きさに比べて第1攪拌翼W11の大きさが小さい。このため、電磁攪拌器11Aは、互いに大きさの同じ合同形状の2つの攪拌翼を備える場合と比較して、小型化することができるとともに軽量化することができる。
なお、距離a11と距離a12は、第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12とが互いに干渉せず、且つ、電磁攪拌器11Aを回転させた場合において第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12とが他の物体と干渉しないように決められることが望ましい。このような決め方の1つの例として、例えば、図2に示したように、距離a11と距離a12との比を、第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12との相似比に等しくするように決める方法がある。この場合、電磁攪拌器11Aにおいて、第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12とは、フラクタル構造(自己相似性)を有すると換言することもできる。電磁攪拌器11Aがフラクタル構造を有することにより、電磁攪拌器11Aは、他の物体と干渉してしまうことを抑制しつつ、作業領域WV内の電界強度の均一性を向上させることができる。なお、距離a11は、第1距離の一例である。距離a12は、第2距離の一例である。
なお、電磁攪拌器11Aにおいて、第1攪拌翼W11と第2攪拌翼W12とのそれぞれが軸体AX1に設けられる位置は、逆であってもよい。
<電磁攪拌器の構成例2>
以下、図3を参照し、電磁攪拌器11の構成例2について説明する。図3は、電磁攪拌器11の構成の他の例を示す三面図である。以下では、説明の便宜上、図3に示した電磁攪拌器11を、電磁攪拌器11Bと称して説明する。
電磁攪拌器11Bは、軸体AX2と、軸体AX2に設けられた複数の攪拌翼とを備える。図3に示した例では、電磁攪拌器11Bは、当該複数の攪拌翼として、第1攪拌翼W21と、第2攪拌翼W22と、第3攪拌翼W23と、第4攪拌翼W24との4つの攪拌翼を備えている。なお、電磁攪拌器11Bは、当該4つの攪拌翼に加えて、他の攪拌翼を備える構成であってもよい。
軸体AX2は、軸体AX2の基準位置BP2から第1方向に延伸し、且つ、基準位置BP2から第1方向と逆の第2方向にも延伸する棒状の部材である。図3に示した矢印は、第1方向及び第2方向を示している。なお、第1方向は、如何なる方向であってもよい。また、図3に示した例では、基準位置BP2は、軸体AX2の重心の位置である。なお、基準位置BP2は、軸体AX2の重心の位置に代えて、上記の4つの攪拌翼を設けることが可能な位置であれば、軸体AX2に応じた他の位置であってもよい。
第1攪拌翼W21は、軸体AX2に設けられた場合において、軸体AX2の中心軸と斜交する第21仮想面に含まれる面を有する部材であれば、如何なる形状の部材であってもよい。ここで、実施形態では、軸体AX2の中心軸と第21仮想面とが斜交することは、軸体AX2の中心軸と第21仮想面との間の角度のうちの最も小さい角度が0度以上90度未満の範囲内に含まれる角度であることを意味する。なお、第21仮想面は、厚みのある仮想的な面であってもよく、厚みの無い仮想的な面であってもよい。第21仮想面は、第1仮想面の一例である。
図3に示した例では、第1攪拌翼W21は、平板矩形状の部材である。このため、第1攪拌翼W21は、互いに対向する2つの面、すなわち、上面と下面とを有している。そして、第1攪拌翼W21は、第1攪拌翼W21の上面及び下面の両方が軸体AX2の中心軸と斜交するように軸体AX2に貫通されている。このため、第1攪拌翼W21の上面及び下面のそれぞれは、第21仮想面に含まれる面の一例となっている。すなわち、第1攪拌翼W21は、軸体AX2に設けられた場合において第21仮想面に含まれる面を有する部材である。以下では、一例として、第1攪拌翼W21の上面を第21仮想面に含まれる面として扱う場合について説明する。なお、実施形態では、第1攪拌翼W21の上面は、第1攪拌翼W21が有する2つの面のうち第1方向側に位置している面のことである。また、実施形態では、第1攪拌翼W21の下面は、第1攪拌翼W21が有する2つの面のうち第2方向側に位置している面のことである。
ここで、図3に示した例では、第1攪拌翼W21の上面は、軸体AX2の中心軸に対して45°で斜交している。換言すると、当該例では、第1攪拌翼W21の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°である。なお、第1攪拌翼W21の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく90°より小さい角度であってもよい。
また、図3に示した例では、第1攪拌翼W21は、第1攪拌翼W21の重心の位置を軸体AX2によって貫通されている。なお、第1攪拌翼W21は、第1攪拌翼W21の重心の位置に代えて、第1攪拌翼W21の他の位置を軸体AX2により貫通されている構成であってもよい。また、第1攪拌翼W21は、軸体AX2によって貫通される構成に代えて、何らかの支持部材を介して軸体AX2により支持される構成であってもよい。この場合であっても、第1攪拌翼W21の上面は、軸体AX2から離間しているが、第21仮想的な面に含まれたままである。すなわち、この場合であっても、第1攪拌翼W21は、軸体AX2に設けられた場合において第21仮想面に含まれる面を有する部材である。
また、第1攪拌翼W21は、軸体AX2に対して締結部材によって締結され、軸体AX2に対して相対的に動かないように固定されている。
また、第1方向における距離のうち軸体AX2の基準位置BP2から第1攪拌翼W21の位置までの間の距離が、a21によって示されている。なお、実施形態では、第1方向における第1攪拌翼W21の位置は、第21仮想面(図3に示した例では、第1攪拌翼W21の上面)と軸体AX2の中心軸との交点の位置によって表される。当該交点の位置は、軸体と第1攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
また、図3に示した例では、平板矩形状の第1攪拌翼W21が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と平行な2つの辺それぞれの長さは、L21によって示されている。また、当該例では、平板矩形状の第1攪拌翼W21が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と斜交する2つの辺それぞれの長さは、WD21によって示されている。
ここで、実施形態では、第1攪拌翼W21の姿勢を、第1攪拌翼W21の上面と直交する2つの方向のうち第1攪拌翼W21の下面から第1攪拌翼W21の上面に向かう方向によって表す。なお、第1攪拌翼W21の姿勢は、当該方向に代えて、他の方向によって表される構成であってもよい。
第2攪拌翼W22は、第1攪拌翼W21の形状と同じ形状の部材である。ただし、第2攪拌翼W22は、第1攪拌翼W21の大きさと異なる大きさの部材である。すなわち、第2攪拌翼W22の形状は、第1攪拌翼W21の形状と相似である。このため、第2攪拌翼W22は、軸体AX2に設けられた場合において軸体AX2の中心軸と斜交する第22仮想面に含まれる面を有する部材である。なお、図3に示した例では、第2攪拌翼W22の大きさ(例えば、第2攪拌翼W22の上面の面積等)は、第1攪拌翼W21の大きさ(例えば、第1攪拌翼W21の上面の面積等)よりも大きい。ここで、実施形態では、軸体AX2の中心軸と第22仮想面とが斜交することは、軸体AX2の中心軸と第22仮想面との間の角度のうちの最も小さい角度が0度以上90度未満の範囲内に含まれる角度であることを意味する。なお、第22仮想面は、厚みのある仮想的な面であってもよく、厚みの無い仮想的な面であってもよい。第22仮想面は、第2仮想面の一例である。
図3に示した例では、第2攪拌翼W22は、第1攪拌翼W21と同様に、平板矩形状の部材である。このため、第2攪拌翼W22は、互いに対向する2つの面、すなわち、上面と下面とを有している。そして、第2攪拌翼W22は、第2攪拌翼W22の上面及び下面の両方が軸体AX2の中心軸と斜交するように軸体AX2に貫通されている。このため、第2攪拌翼W22の上面及び下面のそれぞれは、第22仮想面に含まれる面の一例となっている。すなわち、第2攪拌翼W22は、軸体AX2に設けられた場合において第22仮想面に含まれる面を有する部材である。以下では、一例として、第2攪拌翼W22の上面を第22仮想面に含まれる面として扱う場合について説明する。なお、実施形態では、第2攪拌翼W22の上面は、第2攪拌翼W22が有する2つの面のうち第1方向側に位置している面のことである。また、実施形態では、第2攪拌翼W22の下面は、第2攪拌翼W22が有する2つの面のうち第2方向側に位置している面のことである。
ここで、図3に示した例では、第2攪拌翼W22の上面は、軸体AX2の中心軸に対して45°で斜交している。換言すると、当該例では、第2攪拌翼W22の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°である。なお、第2攪拌翼W22の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく90°より小さい角度であってもよい。
また、図3に示した例では、第2攪拌翼W22は、第2攪拌翼W22の重心の位置を軸体AX2によって貫通されている。なお、第2攪拌翼W22は、第2攪拌翼W22の重心の位置に代えて、第2攪拌翼W22の他の位置を軸体AX2により貫通されている構成であってもよい。また、第2攪拌翼W22は、軸体AX2によって貫通される構成に代えて、何らかの支持部材を介して軸体AX2により支持される構成であってもよい。この場合であっても、第2攪拌翼W22の上面は、軸体AX2から離間しているが、第22仮想面に含まれたままである。すなわち、この場合であっても、第2攪拌翼W22は、軸体AX2に設けられた場合において第22仮想面に含まれる面を有する部材である。
また、第2攪拌翼W22は、軸体AX2に対して締結部材によって締結され、軸体AX2に対して相対的に動かないように固定されている。
また、第1方向における距離のうち軸体AX2の基準位置BP2から第2攪拌翼W22の位置までの間の距離が、a22によって示されている。なお、実施形態では、第1方向における第2攪拌翼W22の位置は、第22仮想面(図3に示した例では、第2攪拌翼W22の上面)と軸体AX2の中心軸との交点の位置によって表される。当該交点の位置は、軸体と第2攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
また、図3に示した例では、平板矩形状の第2攪拌翼W22が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と平行な2つの辺それぞれの長さは、L22によって示されている。また、当該例では、平板矩形状の第2攪拌翼W22が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と斜交する2つの辺それぞれの長さは、WD22によって示されている。
ここで、実施形態では、第2攪拌翼W22の姿勢を、第2攪拌翼W22の上面と直交する2つの方向のうち第2攪拌翼W22の下面から第2攪拌翼W22の上面に向かう方向によって表す。なお、第2攪拌翼W22の姿勢は、当該方向に代えて、他の方向によって表される構成であってもよい。
ここで、距離a22は、距離a21よりも長い距離である。すなわち、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22は、第1攪拌翼W21、第2攪拌翼W22の順に軸体AX2の基準位置BP2から第1方向に向かって並んでいる。
第3攪拌翼W23は、軸体AX2に設けられた場合において、軸体AX2の中心軸と斜交する第23仮想面に含まれる面を有する部材であれば、如何なる形状の部材であってもよい。ここで、実施形態では、軸体AX2の中心軸と第23仮想面とが斜交することは、軸体AX2の中心軸と第23仮想面との間の角度のうちの最も小さい角度が0度以上90度未満の範囲内に含まれる角度であることを意味する。なお、第23仮想面は、厚みのある仮想的な面であってもよく、厚みの無い仮想的な面であってもよい。第23仮想面は、第3仮想面の一例である。
図3に示した例では、第3攪拌翼W23の形状は、第1攪拌翼W21の形状と合同である。すなわち、第3攪拌翼W23は、互いに対向する2つの面、すなわち、上面と下面とを有している。そして、第3攪拌翼W23は、第3攪拌翼W23の上面及び下面の両方が軸体AX2の中心軸と斜交するように軸体AX2に貫通されている。このため、第3攪拌翼W23の上面及び下面のそれぞれは、第23仮想面に含まれる面の一例となっている。すなわち、第3攪拌翼W23は、軸体AX2に設けられた場合において第23仮想面に含まれる面を有する部材である。以下では、一例として、第3攪拌翼W23の上面を第23仮想面に含まれる面として扱う場合について説明する。なお、実施形態では、第3攪拌翼W23の上面は、第3攪拌翼W23が有する2つの面のうち第1方向側に位置している面のことである。また、実施形態では、第3攪拌翼W23の下面は、第3攪拌翼W23が有する2つの面のうち第2方向側に位置している面のことである。
ここで、図3に示した例では、第3攪拌翼W23の上面は、軸体AX2の中心軸に対して45°で斜交している。換言すると、当該例では、第3攪拌翼W23の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°である。なお、第3攪拌翼W23の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく90°より小さい角度であってもよい。
また、図3に示した例では、第3攪拌翼W23は、第3攪拌翼W23の重心の位置を軸体AX2によって貫通されている。なお、第3攪拌翼W23は、第3攪拌翼W23の重心の位置に代えて、第3攪拌翼W23の他の位置を軸体AX2により貫通されている構成であってもよい。また、第3攪拌翼W23は、軸体AX2によって貫通される構成に代えて、何らかの支持部材を介して軸体AX2により支持される構成であってもよい。この場合であっても、第3攪拌翼W23の上面は、軸体AX2から離間しているが、第23仮想的な面に含まれたままである。すなわち、この場合であっても、第3攪拌翼W23は、軸体AX2に設けられた場合において第23仮想面に含まれる面を有する部材である。
また、第3攪拌翼W23は、軸体AX2に対して締結部材によって締結され、軸体AX2に対して相対的に動かないように固定されている。
また、第2方向における距離のうち軸体AX2の基準位置BP2から第3攪拌翼W23の位置までの間の距離が、a23によって示されている。なお、実施形態では、第2方向における第3攪拌翼W23の位置は、第23仮想面(図3に示した例では、第3攪拌翼W23の上面)と軸体AX2の中心軸との交点の位置によって表される。当該交点の位置は、軸体と第1攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
また、図3に示した例では、平板矩形状の第3攪拌翼W23が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と平行な2つの辺それぞれの長さは、L23によって示されている。また、当該例では、平板矩形状の第3攪拌翼W23が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と斜交する2つの辺それぞれの長さは、WD23によって示されている。
ここで、実施形態では、第1攪拌翼W21の姿勢を、第3攪拌翼W23の上面と直交する2つの方向のうち第3攪拌翼W23の下面から第3攪拌翼W23の上面に向かう方向によって表す。なお、第3攪拌翼W23の姿勢は、当該方向に代えて、他の方向によって表される構成であってもよい。
第4攪拌翼W24は、第3攪拌翼W23の形状と同じ形状の部材である。ただし、第4攪拌翼W24は、第3攪拌翼W23の大きさと異なる大きさの部材である。すなわち、第4攪拌翼W24の形状は、第3攪拌翼W23の形状と相似である。このため、第4攪拌翼W24は、軸体AX2に設けられた場合において軸体AX2の中心軸と斜交する第23仮想面に含まれる面を有する部材である。なお、図3に示した例では、第4攪拌翼W24の大きさ(例えば、第4攪拌翼W24の上面の面積等)は、第3攪拌翼W23の大きさ(例えば、第3攪拌翼W23の上面の面積等)よりも大きい。ここで、実施形態では、軸体AX2の中心軸と第24仮想面とが斜交することは、軸体AX2の中心軸と第24仮想面との間の角度のうちの最も小さい角度が0度以上90度未満の範囲内に含まれる角度であることを意味する。なお、第24仮想面は、厚みのある仮想的な面であってもよく、厚みの無い仮想的な面であってもよい。第24仮想面は、第4仮想面の一例である。
図3に示した例では、第4攪拌翼W24の形状は、第2攪拌翼W22の形状と合同である。すなわち、第4攪拌翼W24は、互いに対向する2つの面、すなわち、上面と下面とを有している。そして、第4攪拌翼W24は、第4攪拌翼W24の上面及び下面の両方が軸体AX2の中心軸と斜交するように軸体AX2に貫通されている。このため、第4攪拌翼W24の上面及び下面のそれぞれは、第24仮想面に含まれる面の一例となっている。すなわち、第4攪拌翼W24は、軸体AX2に設けられた場合において第24仮想面に含まれる面を有する部材である。以下では、一例として、第4攪拌翼W24の上面を第24仮想面に含まれる面として扱う場合について説明する。なお、実施形態では、第4攪拌翼W24の上面は、第4攪拌翼W24が有する2つの面のうち第1方向側に位置している面のことである。また、実施形態では、第4攪拌翼W24の下面は、第4攪拌翼W24が有する2つの面のうち第2方向側に位置している面のことである。
ここで、図3に示した例では、第4攪拌翼W24の上面は、軸体AX2の中心軸に対して45°で斜交している。換言すると、当該例では、第4攪拌翼W24の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°である。なお、第4攪拌翼W24の上面と軸体AX2の中心軸との間の角度のうち最も小さい角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく90°より小さい角度であってもよい。
また、図3に示した例では、第4攪拌翼W24は、第4攪拌翼W24の重心の位置を軸体AX2によって貫通されている。なお、第4攪拌翼W24は、第4攪拌翼W24の重心の位置に代えて、第4攪拌翼W24の他の位置を軸体AX2により貫通されている構成であってもよい。また、第4攪拌翼W24は、軸体AX2によって貫通される構成に代えて、何らかの支持部材を介して軸体AX2により支持される構成であってもよい。この場合であっても、第4攪拌翼W24の上面は、軸体AX2から離間しているが、第24仮想面に含まれたままである。すなわち、この場合であっても、第4攪拌翼W24は、軸体AX2に設けられた場合において第24仮想面に含まれる面を有する部材である。
また、第4攪拌翼W24は、軸体AX2に対して締結部材によって締結され、軸体AX2に対して相対的に動かないように固定されている。
また、第2方向における距離のうち軸体AX2の基準位置BP2から第4攪拌翼W24の位置までの間の距離が、a24によって示されている。なお、実施形態では、第2方向における第4攪拌翼W24の位置は、第24仮想面(図3に示した例では、第4攪拌翼W24の上面)と軸体AX2の中心軸との交点の位置によって表される。当該交点の位置は、軸体と第4攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
また、図3に示した例では、平板矩形状の第4攪拌翼W24が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と平行な2つの辺それぞれの長さは、L24によって示されている。また、当該例では、平板矩形状の第4攪拌翼W24が有する4つの辺のうち軸体AX2の中心軸と斜交する2つの辺それぞれの長さは、WD24によって示されている。
ここで、実施形態では、第4攪拌翼W24の姿勢を、第4攪拌翼W24の上面と直交する2つの方向のうち第4攪拌翼W24の下面から第4攪拌翼W24の上面に向かう方向によって表す。なお、第4攪拌翼W24の姿勢は、当該方向に代えて、他の方向によって表される構成であってもよい。
ここで、距離a24は、距離a23よりも長い距離である。すなわち、第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24は、第3攪拌翼W23、第4攪拌翼W24の順に軸体AX2の基準位置BP2から第2方向に向かって並んでいる。
このように、電磁攪拌器11Bは、軸体AX2の回転に応じて、互いに大きさの異なる相似形状の4つの攪拌翼(すなわち、第1攪拌翼W21~第4攪拌翼W24)が回転するため、前述の電磁攪拌器11Aと比較して、反射箱1の内部の電磁波をより乱雑に攪拌することができる。その結果、電磁攪拌器11Bは、作業領域WV内の電界強度の均一性を、より確実に向上させることができる。また、電磁攪拌器11Bは、第2攪拌翼W22の大きさに比べて第1攪拌翼W21の大きさが小さく、且つ、第4攪拌翼W24の大きさに比べて第3攪拌翼W23の大きさが小さい。このため、電磁攪拌器11Bは、互いに大きさの同じ合同形状の4つの攪拌翼を備える場合と比較して、小型化することができるとともに軽量化することができる。
なお、距離a21と距離a22は、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22とが互いに干渉せず、且つ、電磁攪拌器11Bを回転させた場合において第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22とが他の物体と干渉しないように決められることが望ましい。また、距離a23と距離a24は、第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24とが互いに干渉せず、且つ、電磁攪拌器11Bを回転させた場合において第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24とが他の物体と干渉しないように決められることが望ましい。これらのような決め方の1つの例として、例えば、図3に示したように、距離a21と距離a22との比を第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22との相似比に等しくし、且つ、距離a23と距離a24との比を第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24との相似比に等しくするように決める方法がある。この場合、電磁攪拌器11Bにおいて、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22とがフラクタル構造(自己相似性)を有するとともに、第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24とがフラクタル構造(自己相似性)を有すると換言することもできる。電磁攪拌器11Bがこのようなフラクタル構造を有することにより、電磁攪拌器11Bは、他の物体と干渉してしまうことを抑制しつつ、作業領域WV内の電界強度の均一性を向上させることができる。なお、距離a21は、第1距離の一例である。距離a22は、第2距離の一例である。距離a23は、第3距離の一例である。距離a24は、第4距離の一例である。
また、図3に示した例では、前述した通り、第1攪拌翼W21の形状と第3攪拌翼W23の形状とが合同であり、且つ、第2攪拌翼W22の形状と第4攪拌翼W24の形状とが合同である。このため、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22との組み合わせの形状と、第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24との組み合わせの形状とは、互いに自己補対形状である。すなわち、当該例では、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22との組み合わせの形状と、第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24との組み合わせの形状とは、基準位置BP2を通る軸であって軸体AX2の中心軸と直交する軸周りに180°回転させることによって互いに一致させることができる形状である。これにより、電磁攪拌器11Bは、電磁波が反射する方向を乱雑にすることができ、その結果、反射箱1の内部の電磁波を、より確実に効率よく攪拌することができる。
なお、電磁攪拌器11Bにおいて、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22とのそれぞれが軸体AX2に設けられる位置は、逆であってもよい。また、電磁攪拌器11Bにおいて、第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24とのそれぞれが軸体AX2に設けられる位置は、逆であってもよい。また、第1攪拌翼W21の形状と第3攪拌翼W23の形状とは、合同でなくともよい。換言すると、第2攪拌翼W22の形状と第4攪拌翼W24の形状とは、合同でなくともよい。
<電磁攪拌器の構成例3>
以下、図4を参照し、電磁攪拌器11の構成例3について説明する。図4は、電磁攪拌器11の構成の更に他の例を示す三面図である。以下では、説明の便宜上、図4に示した電磁攪拌器11を、電磁攪拌器11Cと称して説明する。
電磁攪拌器11Cは、図3に示した電磁攪拌器11Bと同様に、軸体AX2と、第1攪拌翼W21と、第2攪拌翼W22と、第3攪拌翼W23と、第4攪拌翼W24を備えている。ただし、電磁攪拌器11Cは、電磁攪拌器11Bと異なり、非対称構造を有する。具体的には、電磁攪拌器11Cは、軸体AX2の中心軸周りの回転に対して360°未満の回転対称性を有さない形状を有し、且つ、軸体AX2の中心軸と平行な面に対する鏡像対称性を有さない形状を、非対称構造として有する。これを実現するため、電磁攪拌器11Cでは、第1攪拌翼W21と、第2攪拌翼W22と、第3攪拌翼W23と、第4攪拌翼W24とのそれぞれの相対的な姿勢が互いに所定の規則に応じた姿勢となっている。なお、電磁攪拌器11Cは、第1攪拌翼W21と第2攪拌翼W22と第3攪拌翼W23と第4攪拌翼W24とに加えて、他の攪拌翼を備える構成であってもよい。
所定の規則は、基準位置BP2から第2方向に向かって(2N-1)番目に並んでいる攪拌翼の姿勢が、基準位置BP2から第1方向に向かって(2N-1)番目に並んでいる攪拌翼の姿勢を基準として、軸体AX2の中心軸周りの所定回転方向に向かって相対的に所定角度回転した姿勢となっており、且つ、基準位置BP2から第1方向に向かって2N番目に並んでいる攪拌翼の姿勢が、基準位置BP2から第2方向に向かって2N番目に並んでいる攪拌翼の姿勢を基準として、軸体AX2の中心軸周りの所定回転方向に向かって相対的に所定角度回転した姿勢となっていること、である。ただし、Nは、1以上、且つ、電磁攪拌器11Cが備える攪拌翼の数以下の整数である。所定回転方向は、時計回り方向、又は、反時計回り方向である。図4に示した例では、所定回転方向は、時計回り方向である。所定角度は、例えば、45°である。なお、所定角度は、45°に代えて、0°より大きく45°より小さい角度であってもよく、45°より大きく180°より小さい角度であってもよい。
すなわち、図4に示したように、電磁攪拌器11Cにおいて、第3攪拌翼W23の姿勢は、第1攪拌翼W21の姿勢を基準として、軸体AX2の中心軸周りの所定回転方向(図4に示した例では、時計回り方向)に向かって相対的に所定角度(図4に示した例では、45°)回転した姿勢となっている。また、図4に示したように、電磁攪拌器11Cにおいて、第2攪拌翼W22の姿勢は、第4攪拌翼W24の姿勢を基準として、軸体AX2の中心軸周りの所定回転方向(図4に示した例では、時計回り方向)に向かって相対的に所定角度(図4に示した例では、45°)回転した姿勢となっている。すなわち、電磁攪拌器11Cでは、第1攪拌翼W21~第4攪拌翼W24のそれぞれは、所定の規則に応じて軸体AX2に設けられている。すなわち、電磁攪拌器11Cは、非対称構造を有している。これにより、電磁攪拌器11Cは、攪拌翼による電磁波が反射する方向を更に乱雑にすることができ、その結果、反射箱1の内部の電磁波を更に効率よく攪拌することができる。
なお、このような非対称構造を電磁攪拌器11Aに対して適用する場合、電磁攪拌器11Aでは、第2攪拌翼W12の姿勢を、第1攪拌翼W11の姿勢を基準として、軸体AX2の中心軸周りの所定回転方向に向かって相対的に第2所定角度回転した姿勢となっている必要がある。第2所定角度は、0°より大きく90°より小さい角度、又は、90°より大きく180°より小さい角度である。
また、電磁攪拌器11Cは、上記において説明した所定の規則を用いずに、他の方法によって非対称構造を実現する構成であってもよい。例えば、電磁攪拌器11Cは、軸体AX2の中心軸周りの回転に対して360°未満の回転対称性を有さない形状と、軸体AX2の中心軸と平行な面に対する鏡像対称性を有さない形状とを、第1攪拌翼W21~第4攪拌翼W24それぞれの形状を平面矩形状と異なる形状とすることにより実現する構成であってもよく、他の方法によって実現する構成であってもよい。
また、電磁攪拌器11Cにおいて、第1攪拌翼W21の形状と第3攪拌翼W23の形状とについては、自己補対形状である。すなわち、図4に示した例では、第1攪拌翼W21の姿勢と第3攪拌翼W23の姿勢とは、軸体AX2の中心軸と直交する軸のうち所定の第1条件を満たす軸周りに互いに180°回転させることによって互いに一致させることができる姿勢である。所定の第1条件は、第1中間姿勢方向に向かって基準位置BP2を通る軸であること、である。第1中間姿勢方向は、平板矩形状の第1攪拌翼W21の姿勢を示す方向を軸体AX2の中心軸と直交する面に対して射影した第1射影方向と、平板矩形状の第3攪拌翼W23の姿勢を示す方向を当該面に対して射影した第2射影方向との間の角度を当該面上において等分割する線分の一端から他端に向かう方向のことである。これにより、電磁攪拌器11Cは、電磁波が反射する方向を乱雑にすることができ、反射箱1の内部の電磁波を効率よく攪拌することができる。
また、電磁攪拌器11Cにおいて、第2攪拌翼W22の形状と第4攪拌翼W24の形状とについては、自己補対形状である。すなわち、図4に示した例では、第2攪拌翼W22の姿勢と第4攪拌翼W24の姿勢とは、軸体AX2の中心軸と直交する軸のうち所定の第2条件を満たす軸周りに互いに180°回転させることによって互いに一致させることができる姿勢である。所定の第2条件は、第2中間姿勢方向に向かって基準位置BP2を通る軸であること、である。第2中間姿勢方向は、平板矩形状の第2攪拌翼W22の姿勢を示す方向を軸体AX2の中心軸と直交する面に対して射影した第3射影方向と、平板矩形状の第4攪拌翼W24の姿勢を示す方向を当該面に対して射影した第4射影方向との間の角度を当該面上において等分割する線分の一端から他端に向かう方向のことである。これにより、電磁攪拌器11Cは、電磁波が反射する方向を乱雑にすることができ、反射箱1の内部の電磁波を効率よく攪拌することができる。
<電界強度のばらつきの改善効果>
以下、電磁攪拌器11による作業領域WV内の電界強度のばらつきの改善効果について説明する。なお、以下において説明する電磁攪拌器11による作業領域WV内の電界強度のばらつきの改善効果については、電磁攪拌器11A~電磁攪拌器11Cのいずれにおいても同様の傾向がある。このため、以下では、一例として、電磁攪拌器11Cを例に挙げて説明する。
図5は、電磁攪拌器11Cを用いた場合における作業領域WV内の電界強度の均一性の一例を示す図である。図5では、電磁攪拌器11Cの比較対象として、図6に示した従来の電磁攪拌器を用いた場合における作業領域WV内の電界強度の均一性の一例についても示している。ここで、図6は、従来の電磁攪拌器の構成の一例を示す図である。
ここで、図5に示したヒストグラムの縦軸は、標準偏差を示す。ただし、当該縦軸の単位としては、デシベルを用いている。また、図5に示したσxは、反射箱1のX軸方向における電界強度のばらつきを示す標準偏差である。図5に示したσyは、反射箱1のY軸方向における電界強度のばらつきを示す標準偏差である。図5に示したσzは、反射箱1のZ軸方向における電界強度のばらつきを示す標準偏差である。ここで、反射箱1のZ軸方向は、重力方向と逆の方向のことである。また、反射箱1のX軸方向は、反射箱1のZ軸方向と直交する2つの方向のうちの一方である。また、反射箱1のY軸方向は、反射箱1のZ軸方向と直交する2つの方向のうちの他方である。
図5に示したように、作業領域WV内の電界強度のばらつきは、図6に示した従来の電磁攪拌器を用いる場合と比べて、電磁攪拌器11Cを用いた方が小さいことが分かる。前述した通り、このような傾向は、電磁攪拌器11A~電磁攪拌器11Cのいずれと従来の電磁攪拌器とを比較しても同様である。すなわち、電磁攪拌器11は、従来の電磁攪拌器と比べて、作業領域WV内の電界強度の均一性を向上させることができる。
なお、上記において説明した電磁攪拌器11は、前述のフラクタル構造及び非対称構造を有さず、電磁攪拌器11が備える複数の攪拌翼の少なくとも2つ以上の一部において自己補対形状を有する構成であってもよい。
また、上記において説明した電磁攪拌器11は、前述のフラクタル構造及び自己補対形状を有さず、電磁攪拌器11が備える複数の攪拌翼の少なくとも2つ以上の一部において非対称構造を有する構成であってもよい。
<支持部材を介して軸体により支持される攪拌翼の構成>
以下、図7を参照し、電磁攪拌器11が備える攪拌翼のうち支持部材を介して軸体により支持される攪拌翼の構成について説明する。以下では、軸体AX1と第1攪拌翼W11とを例に挙げて説明する。図7は、支持部材を介して軸体AX1により支持される第1攪拌翼W11の構成の一例を示す図である。図7に示した支持部材SPは、軸体AX1に設けられており、第1攪拌翼W11を支持する支持部材の一例を示す。
図7に示した支持部材SPは、棒状の部材である。なお、支持部材SPの形状は、棒状に代えて、他の形状であってもよい。支持部材SPが有する2つの端部のうちの一方は、ねじ等の締結部材によって軸体AX1に対して動かないように締結されている。また、支持部材SPが有する2つの端部のうちの他方は、ねじ等の締結部材によって第1攪拌翼W11に対して動かないように締結されている。そして、図7に示した例では、第1攪拌翼W11は、軸体AX1から離間している。
ここで、図7に示した仮想的な面M11は、第11仮想面の一例を示す。図7に示した例では、面M11は、第1攪拌翼W11の上面を含む。換言すると、第1攪拌翼W11の上面は、面M11に含まれる面である。すなわち、当該例では、第1攪拌翼W11は、支持部材SPを介して軸体AX1に設けられた場合であっても、第11仮想面である面M11に含まれる面を有する部材である。
更に、第1方向における第1攪拌翼W11の位置は、軸体AX1の中心軸と第11仮想面との交点の位置によって表されるため、図7に示したように、軸体AX1の中心軸と面M11との交点の位置である。当該交点の位置は、軸体と第1攪拌翼とに応じて決まる位置の一例である。
このような構成により、電磁攪拌器11では、何らかの支持部材を介して軸体により支持される攪拌翼を備えている場合であっても、電磁攪拌器11A~電磁攪拌器11Cと同様に、作業領域内の電界強度の均一性を向上させることができる。
以上のように、実施形態に係る電磁攪拌器(上記において説明した例では、電磁攪拌器11、電磁攪拌器11A~電磁攪拌器11C)は、第1方向に延伸する軸体(上記において説明した例では、軸体AX1、軸体AX2)と、軸体に設けられた複数の攪拌翼と、を備え、複数の攪拌翼には、第1攪拌翼(上記において説明した例では、第1攪拌翼W11、第1攪拌翼W21)と、第2攪拌翼(上記において説明した例では、第2攪拌翼W12、第2攪拌翼W22)とが含まれており、第1攪拌翼と第2攪拌翼とは、第1攪拌翼、第2攪拌翼の順に軸体の基準位置(上記において説明した例では、基準位置BP1、基準位置BP2)から第1方向に向かって並んでおり、第1攪拌翼の形状と第2攪拌翼の形状とは、相似であり、第1攪拌翼の大きさは、第2攪拌翼の大きさと異なる。これにより、電磁攪拌器は、作業領域内の電界強度の均一性を向上させることができる。
また、電磁攪拌器では、第1方向における距離のうち基準位置から軸体と第1攪拌翼とに応じて決まる位置までの第1距離(上記において説明した例では、距離a11、距離a21)と、第1方向における距離のうち基準位置から軸体と第2攪拌翼とに応じて決まる位置までの第2距離(上記において説明した例では、距離a12、距離a22)との比は、第1攪拌翼と第2攪拌翼との相似比と等しい、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器では、第1攪拌翼と第2攪拌翼はそれぞれ、板状の部材であり、軸体と第1攪拌翼とに応じて決まる位置は、軸体上の第1方向における位置のうち第1攪拌翼を含む仮想的な第1仮想面(上記において説明した例では、第11仮想面、第21仮想面)と軸体とが交差する位置であり、軸体と第2攪拌翼とに応じて決まる位置は、軸体上の第1方向における位置のうち第2攪拌翼を含む仮想的な第2仮想面(上記において説明した例では、第12仮想面、第22仮想面)と軸体とが交差する位置である、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器では、軸体は、第1方向と逆の第2方向にも延伸しており、複数の攪拌翼には、第3攪拌翼(上記において説明した例では、第3攪拌翼W23)と、第4攪拌翼(上記において説明した例では、第4攪拌翼W24)とが含まれており、第3攪拌翼と第4攪拌翼とは、第3攪拌翼、第4攪拌翼の順に基準位置(上記において説明した例では、基準位置BP2)から第2方向に向かって並んでおり、第3攪拌翼の形状と第1攪拌翼の形状とは、合同であり、第4攪拌翼の形状と第2攪拌翼の形状とは、合同である、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器では、第2方向における距離のうち基準位置から軸体と第3攪拌翼に応じて決まる位置までの第3距離(上記において説明した例では、距離a23)と、第2方向における距離のうち基準位置から軸体と第4攪拌翼とに応じて決まる位置までの第4距離(上記において説明した例では、距離a24)との比は、第3攪拌翼と第4攪拌翼との相似比と等しい、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器では、第3攪拌翼と第4攪拌翼はそれぞれ、板状の部材であり、軸体と第3攪拌翼とに応じて決まる位置は、軸体上の第2方向における位置のうち第3攪拌翼を含む仮想的な第3仮想面(上記において説明した例では、第23仮想面)と軸体とが交差する位置であり、軸体と第4攪拌翼とに応じて決まる位置は、軸体上の第2方向における位置のうち第4攪拌翼を含む仮想的な第4仮想面(上記において説明した例では、第24仮想面)と軸体とが交差する位置である、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器では、軸体の中心軸周りの回転に対して360°未満の回転対称性を有さない形状を有し、且つ、軸体の中心軸と平行な面に対する鏡像対称性を有さない形状を有する、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器では、第3攪拌翼の姿勢は、第1攪拌翼の姿勢を基準として、軸体の中心軸周りの2つの回転方向のうちの第1回転方向(上記において説明した例では、第1方向に向かった場合における時計回り方向)に向かって相対的に所定角度(上記において説明した例では、45°)回転しており、第2攪拌翼の姿勢は、第4攪拌翼の姿勢を基準として、第1回転方向に向かって相対的に所定角度回転している、構成が用いられてもよい。
また、電磁攪拌器は、第1方向に延伸する軸体と、軸体に設けられた複数の攪拌翼と、を備え、複数の攪拌翼には、第1攪拌翼と、第2攪拌翼とが含まれており、第1攪拌翼と第2攪拌翼との少なくとも一方の形状は、自己補対形状である。これにより、電磁攪拌器は、作業領域内の電界強度の均一性を向上させることができる。
また、電磁攪拌器は、第1方向に延伸する軸体と、軸体に設けられた複数の攪拌翼と、を備え、軸体の中心軸周りの回転に対して360°未満の回転対称性を有さない形状を有し、且つ、軸体の中心軸と平行な面に対する鏡像対称性を有さない形状を有する。これにより、電磁攪拌器は、作業領域内の電界強度の均一性を向上させることができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。