JP7354485B1 - 気密性能測定方法及び気密性能測定装置用の風量計セット - Google Patents
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Abstract
Description
前記住宅又は前記部屋に設けられたレンジフード又は換気扇の排気ファンを前記排気用送風機として用い、
前記気密性能の測定を準備する準備ステップとして、
風量計の風量計本体の排気口と前記レンジフード又は前記換気扇の吸気口とを筒状連結部材により連結する風量計本体配置ステップと、
前記住宅又は前記部屋の内部圧力と外部圧力の圧力差を検出する圧力検出手段を前記住宅内又は前記部屋内に設ける圧力検出手段配置ステップと
を含み、
前記気密性能の測定を実施する測定実施ステップとして、
前記排気ファンを作動させて前記住宅内又は前記部屋内のエアを外部に排気して前記住宅内又は前記部屋内を減圧する減圧ステップと、
前記風量計本体を通過する通気量を検出する通気量検出ステップと、
前記圧力検出手段により前記圧力差を検出する圧力差検出ステップと、
前記通気量と前記圧力差により前記住宅又は前記部屋の気密性能値をコンピュータ又はユーザが算出する気密性能値算出ステップと
を有することを特徴とする。
前記気密性能測定装置用の風量計セットは、
風量計本体内の通気量を検出する風量計と、
前記風量計本体の排気口と前記レンジフード又は前記換気扇の吸気口とを連結する筒状連結部材と
を有し、
前記筒状連結部材は、可撓性を有する筒状シート部材を、少なくとも前記レンジフード又は前記換気扇との連結部分に含む
ことを特徴とする。
<A-1.構成>
[A-1-1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る気密性能測定装置10を住宅90に適用した状態を簡略的に示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る気密性能測定装置10において気密性能値を算出する構成を簡略的に示す概略構成図である。気密性能測定装置10(以下「測定装置10」ともいう。)は、排気用送風機を用いて住宅90(建物)内又は部屋92(建物の部位)内のエアを外部に排気した際の住宅90内又は部屋92内の減圧に基づいて住宅90又は部屋92の気密性能を測定する。
上記の通り、排気ファン200は、元々住宅90又は部屋92に設けられたレンジフード20に含まれるものが排気用送風機として用いられる。排気ファン200の動作は、レンジフード20に設けられた排気ファンコントローラ202(図2)をユーザが操作することにより制御される。排気ファン200の動作モードとしては、停止状態(オフ)以外に複数の動作モード(弱、普通、強)を選択可能である。
図3は、本実施形態においてレンジフード20に風量計30の風量計本体300を設置した状態を示す図である。風量計30は、風量計本体300及び風量計コントローラ302を有し、風量計本体300内の通気量Fを検出する。風量計コントローラ302は、例えば、台所テーブル910上に配置される。また、風量計本体300と風量計コントローラ302は、接続ケーブル304を介して接続される(図3)。風量計本体300は、エアが通過する矩形状の筒状筐体3000を有する。
図3に示すように、筒状連結部材40は、風量計本体300の排気部3004とレンジフード20のフード部204(吸気口)(図3)とを連結する。レンジフード20への取付け前の本実施形態の筒状連結部材40は、例えば四角錐台状又は円錐台状である。本実施形態の筒状連結部材40は、可撓性を有する筒状シート部材400からなり、筒状シート部材400は、例えば、ビニール製である。筒状シート部材400の下流側端部は、目張り用テープ402により、レンジフード20に連結される。これにより、隙間を塞いだ状態(すなわち密着させた状態)で筒状シート部材400の下流側端部をレンジフード20に連結可能となる。また、レンジフード20のうち目張り用テープ402の周辺には、棒状マグネット403及び風量計本体300の風量計マグネット3010が取り付けられる。棒状マグネット403は、レンジフード20に対する筒状シート部材400の連結を補強する。また、吊り下げ紐3008及び風量計マグネット3010は、万が一、筒状シート部材400がレンジフード20から外れた際に風量計本体300の落下防止用(換言すると、台所テーブル910との衝突防止用)である。
差圧計50(図1~図3)は、住宅90内又は部屋92内の圧力変化量を検出する圧力検出手段である。より具体的には、差圧計50は、住宅90又は部屋92の内部圧力Piと外部圧力Poの圧力差(差圧Dp)を検出する。差圧計50は、2つのポート500、502(図3)を有する。本実施形態では、一方のポート500を住宅90又は部屋92の内部に連通させると共に、他方のポート502を住宅90又は部屋92の外部に連通させる(図1)。圧力測定対象となる部位(ここでは住宅90又は部屋92の内部及び外部)とポート500、502の一方又は両方の連結は、チューブを介して行ってもよい。図1及び図3の例では、ポート502がチューブ504を介して住宅90又は部屋92の外部と連結されている。また、図3の矢印506は、チューブ504がポート502に接続される方向を示している。
内部温度計60(図1及び図2)は、住宅90又は部屋92の内部温度Tiを検出する。外部温度計62(図1及び図2)は、住宅90又は部屋92の外部温度Toを検出する。
気密性能値算出装置70(以下「算出装置70」ともいう。)(図1及び図2)は、風量計30が検出した通気量Fと、差圧計50が検出した差圧Dp(圧力変化量)に基づいて住宅90又は部屋92の気密性能値Vを算出する。気密性能値Vは、例えば非特許文献1(JIS A2201)で規定されている気密性能値(例えば総相当隙間面積若しくは相当隙間面積)又は内部エア密度が用いられる。
[A-2-1.概要]
次に、本実施形態の測定装置10を用いた気密性能評価について説明する。以下では、測定装置10の準備(図5)と測定装置10を用いた測定実施(図6)について説明する。ここでの測定は、レンジフード20の排気ファン200を排気用送風機として用いて住宅90内又は部屋92内のエアを外部に排気した際の住宅90内又は部屋92内の減圧に基づいて住宅90又は部屋92の気密性能を測定するものである。
図5は、本実施形態における測定装置10の準備作業のフローチャートである。図5の各作業(ステップS11~S13)は、ユーザ(作業者)が実行する。ステップS11~S13の順番は適宜入替え可能である。
図6は、本実施形態における測定装置10を用いての測定実施のフローチャートである。ステップS21において、ユーザ(作業者)は、レンジフード20の排気ファン200を作動させて住宅90内又は部屋92内のエアを外部に排気して住宅90内又は部屋92内を減圧する(減圧処理)。ステップS22において、ユーザは、排気ファン200の動作モードを選択する。すなわち、本実施形態の排気ファン200は、複数の動作モード(弱、普通、強)を有している。そこで、ユーザは、レンジフード20の排気ファンコントローラ202を操作して動作モードを選択する。
本実施形態によれば、住宅90又は部屋92に設けられたレンジフード20の排気ファン200を排気用送風機として用いる(図1~図3)。そのため、気密性能測定のために別の排気用送風機を用いるための準備作業を省略可能となる。従って、簡易に気密性能を評価することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成等を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
上記実施形態では、レンジフード20の排気ファン200を排気用送風機として用いた(図1~図3)。しかしながら、例えば、住宅90又は部屋92に設けられた排気ファン200を用いて気密性能を測定する点に着目すれば、これに限らない。例えば、換気扇の排気ファンを排気用送風機として用いることも可能である。但し、レンジフード20の場合、筒状連結部材40を介して風量計本体300をフード部204に吊り下げることができたが(図3)、換気扇ではフード部204のように風量計本体300を吊り下げ可能な部位が存在しない。そのため、換気扇の排気ファンを用いる場合、筒状連結部材40は、比較的変形し難い素材(例えば、比較的硬度が高いプラスチック、又は金属(アルミニウム若しくは鉄等))により構成してもよい。或いは、換気扇に取り付ける治具(フード部204のような部位を形成するもの)を用いて、風量計本体300を吊り下げてもよい。
上記実施形態では、排気ファン200の3つの動作モード毎に通気量F及び差圧Dpの組合せを検出して気密性能値Vを算出した(図6)。しかしながら、例えば、レンジフード20又は換気扇の排気ファン200を用いて気密性能値Vを取得する点に着目すれば、気密性能値Vの算出に用いる通気量F及び差圧Dpの組合せの数はこれに限らない。例えば、通気量F及び差圧Dpの組合せの数は、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい(但し、排気ファン200の動作モード毎に気密性能値Vを取得する場合、排気ファン200の動作モードの数に制限される。)。
30…風量計 40…筒状連結部材
50…差圧計(圧力検出手段)
70…気密性能値算出装置(算出装置、コンピュータ)
90…住宅 92…部屋
200…排気ファン 204…フード部
300…風量計本体 400…筒状シート部材
402…目張り用テープ 404…上流側マグネット
500…内側ポート(一方のポート) 502…外側ポート(他方のポート)
3000…筒状筐体 3004…排気部(排出口)
Dp…差圧(圧力変化量) F…通気量
V…気密性能値
Claims (9)
- 排気用送風機を用いて住宅内又は部屋内のエアを外部に排気した際の前記住宅内又は前記部屋内の減圧に基づいて前記住宅又は前記部屋の気密性能を測定する気密性能測定方法であって、
前記住宅又は前記部屋に設けられたレンジフード又は換気扇の排気ファンを前記排気用送風機として用い、
前記気密性能の測定を準備する準備ステップとして、
風量計の風量計本体の排気口と前記レンジフード又は前記換気扇の吸気口とを筒状連結部材により連結する風量計本体配置ステップと、
前記住宅又は前記部屋の内部圧力と外部圧力の圧力差を検出する圧力検出手段を設ける圧力検出手段配置ステップと
を含み、
前記気密性能の測定を実施する測定実施ステップとして、
前記排気ファンを作動させて前記住宅内又は前記部屋内のエアを外部に排気して前記住宅内又は前記部屋内を減圧する減圧ステップと、
前記風量計本体を通過する通気量を検出する通気量検出ステップと、
前記圧力検出手段により前記圧力差を検出する圧力差検出ステップと、
前記通気量と前記圧力差により前記住宅又は前記部屋の気密性能値をコンピュータ又はユーザが算出する気密性能値算出ステップと
を有する
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項1に記載の気密性能測定方法において、
前記圧力検出手段は、前記住宅又は前記部屋の内部圧力と外部圧力の圧力差を検出する差圧計であり、
前記圧力検出手段配置ステップは、前記差圧計の一方のポートを前記住宅又は前記部屋の内部に連通させ、前記差圧計の他方のポートを前記住宅又は前記部屋の外部に連通させる差圧計準備ステップを含み、
前記圧力差検出ステップでは、前記差圧計により前記圧力差を検出する
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項1又は2に記載の気密性能測定方法において、
前記レンジフード又は前記換気扇の前記排気ファンは、停止状態以外に複数の動作モードを選択可能であり、
前記測定実施ステップでは、前記複数の動作モード毎に、前記通気量検出ステップ、前記圧力差検出ステップ及び前記気密性能値算出ステップを実施する
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の気密性能測定方法において、
前記筒状連結部材は、可撓性を有する筒状シート部材を、少なくとも前記レンジフード又は前記換気扇との連結部分に含む
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項4に記載の気密性能測定方法において、
前記筒状連結部材は、前記筒状シート部材のみから構成される
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項5に記載の気密性能測定方法において、
前記筒状シート部材の上流側端部は、上流側マグネット若しくは粘着材又は面ファスナにより前記風量計本体の排気口側に連結される
を有することを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項4~6のいずれか1項に記載の気密性能測定方法において、
前記筒状シート部材の下流側端部は、目張り用テープにより前記レンジフード又は前記換気扇に連結される
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 請求項1~7のいずれか1項に記載の気密性能測定方法において、
前記レンジフードの前記排気ファンを前記排気用送風機として用い、
前記風量計本体は、前記エアが通過する筒状筐体を有し、
前記風量計本体配置ステップでは、前記風量計本体の吸気側が下側に且つ前記風量計本体の排気側が上側となるように前記筒状連結部材を介して前記風量計本体を前記レンジフードのフード部により吊り下げさせる
ことを特徴とする気密性能測定方法。 - 住宅又は部屋に設けられたレンジフード又は換気扇の排気ファンを排気用送風機として用いて前記住宅内又は前記部屋内のエアを外部に排気した際の前記住宅内又は前記部屋内の減圧に基づいて前記住宅又は前記部屋の気密性能を測定する気密性能測定装置用の風量計セットであって、
前記気密性能測定装置用の風量計セットは、
風量計本体内の通気量を検出する風量計と、
前記風量計本体の排気口と前記レンジフード又は前記換気扇の吸気口とを連結する筒状連結部材と
を有し、
前記筒状連結部材は、可撓性を有する筒状シート部材を、少なくとも前記レンジフード又は前記換気扇との連結部分に含む
ことを特徴とする気密性能測定装置用の風量計セット。
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Title |
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内海康雄,"気密性能の測定法と解説",IBEC(Inst Build Energy Conserv),1993年11月,Vol.14 No.4,pp.31-39 |
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JP2023145815A (ja) | 2023-10-12 |
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