JP2015150465A - ドラフトチャンバー - Google Patents

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正仁 中田
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大輔 福永
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Abstract

【課題】発生する外乱に応じて排気風量を変動させて、使用する作業者や設置されている部屋内に居る作業者に対して、常に安全な状態を保ち、省エネルギー化とガスの漏洩濃度の低減の両立が図れるドラフトチャンバーを提供する。【解決手段】ドラフトチャンバー1は、作業空間に空気を送り込む空気送り込み排気手段としてのファンモータ31と、ドラフトチャンバー1に対する外乱を検知する外乱検知手段200と、外乱検知手段200からの外乱の検知に基づいて、空気送り込み排気手段を制御して作業空間から外部に排気する排気風量を増加させる制御部100を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、作業空間を用いて実験や作業を行う際に、空気を開口部から通過させるドラフトチャンバーに関する。
ドラフトチャンバーは、その庫内の作業空間において作業者により器具類を用いて実験や作業を行うのに用いられる。この種のドラフトチャンバーが特許文献1に開示されている。
ドラフトチャンバーとしては、近年省エネルギーの観点から、従来の風量より少ない排気風量で稼働できるものが求められている。このようなドラフトチャンバーとしては、一般的に「低風量ドラフトチャンバー」あるいは「低風量フュームフード」と呼称されている。このドラフトチャンバーは、従来の風量と比較して、50%から60%の風量で、ドラフトチャンバー庫内の有害ガス等を封じ込めておくことが可能である。
ただし、このドラフトチャンバーは、排気風量が常に一定(CAV:定風量制御)である定風量ドラフトチャンバーであるために、作業面開口高さの増減に関わらず、排気風量は一定である。このため、更なる省エネルギー化の観点から、この定風量ドラフトチャンバーに対して、VAV(可変風量制御)方式を組み合わせる市場要求及び事例が増えてきている。
ここで、CAV制御方式を組み込んだ標準風量ドラフトチャンバーと、CAV制御方式を組み込んだ低風量ドラフトチャンバーと、VAV制御方式を組み込んだ低風量ドラフトチャンバーのそれぞれ排気風量について、一般的な例を基にして説明する。
(1)標準風量ドラフトチャンバー(CAV制御方式)
間口サイズが外形1800mmの標準風量のドラフトチャンバーにおいて、作業開口高さを最大とした場合の排気風量は、約20m3/minである。また、排気制御方式がCAV制御(定風量制御)であるために、作業面開口高さの増減に関わらず、この排気風量は一定である。
(2)低風量ドラフトチャンバー(CAV制御方式)
標準風量ドラフトチャンバーを低風量化した低風量ドラフトチャンバーの場合の排気風量は、20m3/minの60%ということで、12m3/min程度の風量となる。但し、この低風量ドラフトチャンバーにおいてCAV制御の場合は、作業面開口高さの増減に関わらず、排気風量は常に一定であり、12m3/min程度の風量となる。
(3)低風量ドラフトチャンバー(VAV制御方式)
低風量ドラフトチャンバーにVAV制御(可変風量制御)を組み込んだ場合は、概ね以下の様な風量となる。
作業面開口高さ最大時:約12m3/min(例:作業面開口高さ500mm)
作業面開口高さ最小時:約5m3/min(例:作業面開口高さ75mm)
VAV制御方式が、作業面開口高さの増減により排気風量を増減させるという特性から、上記の様な風量の変動となる。
特開2005−288241号公報
ところが、上述したようにドラフトチャンバー、特にVAV制御方式を搭載した低風量ドラフトチャンバーは、作業面開口高さが最小の場合には、排気風量も非常に少ないことになる。このため、VAV制御方式を搭載した低風量ドラフトチャンバーの庫内では、ガス等の発生がある状態において、作業面開口高さを低くした場合は、それに連動して排気風量も減少することになり、排気風量の減少に伴い庫内のガス濃度が高くなる。
そこで、このVAV制御方式を搭載した低風量ドラフトチャンバーの周囲において、外乱発生を想定した際の1つの状態例を挙げる。作業面開口高さが比較的に低い状態においては、庫内のガス濃度が高くなり、そのガス濃度が高い状態で外乱等の影響により、庫内の雰囲気が漏洩するおそれがある。
この場合には、作業面開口を完全に閉じてしまえば庫内の雰囲気の漏洩を抑えられると考えられるが、ドラフトチャンバーを使用する作業者に、作業面開口の完全密閉作業を強いることに繋がり、作業性に難を感じるのと同時に安全面を人間系に委ねることになる。その結果、ドラフトチャンバーの様な局所排気装置にとって一番重要な安全性が阻害されてしまうおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発生する外乱に応じて排気風量を変動させて、使用する作業者や設置されている部屋内に居る作業者に対して、常に安全な状態を保ち、省エネルギー化とガスの漏洩濃度の低減の両立が図れるドラフトチャンバーを提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1に記載のドラフトチャンバーは、開口部を通じて空気を作業空間に送り込んで前記作業空間内から外部に排気するドラフトチャンバーであって、前記作業空間に前記空気を送り込んで排気させる空気送り込み排気手段と、前記ドラフトチャンバーに対する外乱を検知する外乱検知手段と、前記外乱検知手段による前記外乱の検知に基づいて、前記空気送り込み排気手段を制御して前記作業空間から外部に排気する排気風量を増加させる制御部とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載のドラフトチャンバーでは、ドラフトチャンバーに対して発生する外乱に応じて、内部ガスの漏洩が発生する前に予め排気風量を増加させて、外乱による内部ガスの漏洩を未然に防止できる。このため、使用する作業者や設置されている部屋内に居る作業者に対して、常に安全な状態を保つことができる。外乱が生じた時に、排気風量を増加させ、外乱が生じていない時には、排気風量を増加させないので、ドラフトチャンバーの省エネルギー化とガスの漏洩濃度の低減の両立が図れる。
また、請求項2に記載のドラフトチャンバーでは、前記開口部から作業空間に送り込まれる空気が低風量であることを特徴とする。
請求項2に記載のドラフトチャンバーでは、開口部から作業空間に送り込まれる空気が低風量であることから排気量を減らすことができる。
また、請求項3に記載の 前記外乱検知手段としては、前記ドラフトチャンバーが設置されている部屋内の人の熱を感知する熱感知手段と、前記部屋内の風速を感知する検知手段と、前記部屋内において物体の有無の感知をする光学式検知手段と、前記部屋内において動作する物体や形状を識別する撮像手段を、組み合わせて設定されることを特徴とする。
請求項3に記載のドラフトチャンバーでは、外乱検知手段は、必要に応じて、これらの手段を任意に組み合わせてドラフトチャンバーに設定することができる。
請求項4に記載のドラフトチャンバーでは、前記開口部は、開閉シャッタにより開閉可能になっており、前記開閉シャッタにより前記開口部が閉状態とされたときであっても、前記開口部下端と作業面との間に隙間が形成されている。
請求項4に記載のドラフトチャンバーでは、開閉シャッタにより開口部が閉鎖された状態でも、隙間が形成されているので、ドラフトチャンバーの庫内(内部)が負圧になり過ぎてしまったり、隙間から内部に流れ込む気流で風切り音がする不都合が生じるのを防ぐことができる。
本発明によれば、発生する外乱に応じて排気風量を変動させて、使用する作業者や設置されている部屋内に居る作業者に対して、常に安全な状態を保ち、省エネルギー化とガスの漏洩濃度の低減の両立が図れるドラフトチャンバーを提供できる。
本発明の低風量ドラフトチャンバーの実施形態を示す正面図である。 図1に示す低風量ドラフトチャンバーのA−A線における内部構造例を示す断面図である。 図2に示す低風量ドラフトチャンバーのA−A線における内部構造例において、さらに低風量の空気供給を示す矢印Lの気流、矢印LLで示す均質化された空気の気流、矢印Mの気流、矢印Nの排気の気流を付加して示す断面図である。 図3に示す領域Rを拡大して示す断面図である。 低風量ドラフトチャンバーの制御系の例を示すブロック図である。 低風量ドラフトチャンバーに対する外乱気流を示す正面図である。 低風量ドラフトチャンバーに対する外乱気流を示す斜視図である。 外乱検知手段が、低風量ドラフトチャンバーに対して取り付けられる位置の範囲例を示す正面図である。 上述した試験規格により低風量ドラフトチャンバー内のドラフト庫内から漏れるガスの濃度を試験する例を示す平面図である。 本発明の範囲外である比較例1において、開閉シャッタが前面開口部を閉じている時(サッシ閉時ともいう)のドラフト庫内のガス漏洩濃度の試験データを示す図である。 本発明の範囲外である比較例2において、開閉シャッタが前面開口部を閉じている時(サッシ閉時ともいう)のドラフト庫内のガス漏洩濃度の試験データを示す図である。 本発明の実施例において、開閉シャッタが前面開口部を閉じている時(サッシ閉時ともいう)のドラフト庫内のガス漏洩濃度の試験データを示す図である。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。本発明が適用されるドラフトチャンバーあるいはフュームフードのうち、好適な一例としての低風量ドラフトチャンバーについて説明する。
図1は、低風量ドラフトチャンバーの実施形態を示す正面図である。図2は、図1に示す低風量ドラフトチャンバー1のA−A線における内部構造例を示す縦方向の断面図である。
図1と図2に示す低風量ドラフトチャンバー1は、VAV制御方式を搭載した低風量ドラフトチャンバーである。
この低風量ドラフトチャンバー1は、研究者や実験者等の作業者が例えば微生物等の試料の無菌操作作業や化学実験作業等、器具類を用いて実験や作業を行うために用いられる。低風量ドラフトチャンバー1は、実験や作業における被処理物を内部の作業空間において処理する際に、作業者が被処理物の影響を受けないように、内部の作業空間の雰囲気を外部から隔離する構造を有している。
低風量ドラフトチャンバー1は、作業者を有害物質から保護することを目的とした局所排気装置であり、危険物質や有害物質の封じ込め機能と、排気機能を有した囲われた作業空間を持っている。
一般に、ドラフトチャンバーとは、化学実験等を行う作業者を有害な雰囲気から保護をする局所排気装置のことを指し、使用される薬品や用途により幾つかの法規制が適用される。法規制は、一般的には実験作業を行う開口部分の排気風速を確保する事により満たされるものであり、定められた排気風速を維持する事により有害な雰囲気が局所排気装置(ドラフトチャンバー)から作業者の側に漏洩しない様になる。
特に、低風量ドラフトチャンバーの定義は、次の通りである。近年は、エネルギーコスト低減を目的として、少ないランニングコストで局所排気装置(ドラフトチャンバー)の運転ができることが望まれている。その様な市場のニーズにより、排気風量を少なくして、一般的なドラフトチャンバーよりも低い前面風速で有害な雰囲気の漏洩防止が可能となる製品開発を行っている。そのためには、低い前面風速においても局所排気装置(ドラフトチャンバー)内から有害な雰囲気が漏洩しない様に、効率よい排気経路の形成やスムーズな気流の制御技術が必要となる。低風量ドラフトチャンバーとして分類される製品は、一般的なドラフトチャンバーに比較して40〜60%減の排気風量で製品として成立している。
そこで、図1と図2の低風量ドラフトチャンバー1は、空気の通常の風量ドラフトを作業空間内に送るいわゆる標準風量ドラフトチャンバーに比較して、空気の低風量ドラフトを内部の作業空間内に送ることができる。これにより、低風量ドラフトチャンバー1は、従来の通常ドラフトに比べて少ない風量ドラフトで運転して安全性を確保できる。この安全性とは、ドラフト庫内の危険雰囲気が、ドラフト庫内から外部に漏れてこないことである。
このように、低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間20内に低風量ドラフトで空気を送ることで、通常の標準風量ドラフトを作業空間20内に送る場合に比べて、低風量ドラフトチャンバー1の作動時の省エネルギー化(エコ化)や、低騒音化を図ることができる。すなわち、低風量ドラフトチャンバー1は、風量ドラフト運転エネルギーの低減を図っており、空気の低い風量ドラフトにより空気の低排気量となることから、低ランニングコストが得られる。
低い空気の風速下では、外乱等により低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間内の雰囲気が、低風量ドラフトチャンバー1の外部に漏れ易くなる。このような状況では、低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間、特に作業面上に滞留している雰囲気(例えば有害ガス)が低風量ドラフトチャンバー1の外部に漏れる量は、低風量ドラフトチャンバー1内の作業空間内に押し込まれるプッシュエアーの質により左右される。このプッシュエアーの質とは、空気を作業空間内に均一に分散して均質流として送ることができる程度をいう。
低風量ドラフトチャンバー1内のドラフト庫内の作業空間内に押し込まれるプッシュエアーを低風量化する場合には、ドラフト庫内19には、作業空間20内に押し込まれるプッシュエアーと作業空間20内から押し出されるプルエアーを形成する必要がある。このため、低風量ドラフトチャンバー1では、プッシュエアーをドラフト庫内19の作業空間20内に送り込む機構が必要になる。そこで、プッシュエアーの質、すなわち均質流のプッシュエアーの送り込みが、低風量ドラフトチャンバーの性能確保に大きく影響する。
次に、図1と図2を参照して、低風量ドラフトチャンバー1の構造例を説明する。
図1と図2に示す低風量ドラフトチャンバー1は、VAV制御(可変風量制御)を搭載している。このVAV制御(Variable Air Volume:可変風量制御)とは、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19内に空気を取り込んでその後排気する際に、この空気の流量を制御することにより、負荷制御を行うものであり、送風量の減少時でも、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19の気流分布が悪くならないようにするために、必要な外気量を確保して空気の給気量と排気量のバランスを維持するようになっている。
図1と図2に示すように、低風量ドラフトチャンバー1は、箱状の囲い部分である本体部2を有し、この本体部2の前面部3には、前面開口部(開口部の一例)4が設けられている。この前面開口部4には、開閉シャッタ5が設けられている。この開閉シャッタ5は前面開口部4内が見えるように透明板である。この開閉シャッタ5は、図1では図示しない駆動部のモータを駆動することで、電動によりZ方向(上下方向)に移動可能にすることで、開閉シャッタ5は、前面開口部4を開閉可能である。
ただし、開閉シャッタ5は、前面開口部4を完全に閉めてしまうのではなく、開閉シャッタ5を閉めた状態であっても、若干隙間を保つ構造を採用している。この隙間の大きさとしては、低風量ドラフトチャンバー1の型式により異なるが、例えば50mm〜100mm程度である。もし、開閉シャッタ5により前面開口部4を完全に閉めてしまうと、低風量ドラフトチャンバー1の庫内(内部)が負圧になり過ぎてしまったり、隙間から内部に流れ込む気流で風切り音がする不都合が生じる。従って、隙間を保つ構造は、これらの不都合を防止するためにものである。
そのために、開閉シャッタ5により前面開口部4を閉めたとしても、若干の隙間が形成されるが、低風量ドラフトチャンバー1に対して気流の乱れ等の外乱の影響が出ると、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19から若干の隙間を通じて前面開口部4側からガスが漏れることになるので、このガス漏れを防止する対策を採用する必要がある。
図1と図2に示すように、本体部2は、前面部3と、左右の壁面6,7と、背面部8と、天井面9と、底面10を有している。図1に示すように、本体部2では、例えば空気から微粒子を除去する例えばHEPAフィルタ(高性能フィルタ)等を有する浄化装置Gと排気ダクトDを通じて、空気を清浄化して排気し続けるようになっている。低風量の空気は、前面開口部4を通じて本体部2の内部から浄化装置Gと排気ダクトDを通じて外部に排気される。
図1と図2に示すように、本体部2の内部には、上述したドラフト庫内19が形成されている。このドラフト庫内19は、作業空間20を有している。この作業空間20は、作業面21を有している。作業空間20では、例えば天井面9の内面には照明器具が取り付けられている。
図1に示すように、ドラフト庫内19の作業空間20は、本体部2の左右幅方向(X方向)と上下方向(Z方向)に沿って形成され、しかも図2に示すように、本体部2の前後幅方向(Y方向)に沿って形成されている閉鎖空間である。図2に示すように、作業空間20の作業面21は、作業空間20の下面部であり、作業者が作業用の椅子に座った状態で手指を入れて作業できる高さに設けられている。
図1と図2に示すように、本体部2の前面部3には、作業面21の下部の位置において、ドラフトのエプロン部分(空気ロホイル部分)22が設けられている。このエプロン部22は、ファン30により作られたプッシュエアーを、本体部2の外部に漏れないようにして作業面21側に送り込むための閉鎖型の通路である。このエプロン部分22の下部には、空間部SPが設けられている。この空間部SPには、作業用の椅子に座った作業者の膝を入れるようになっている。
図3は、図2に示す低風量ドラフトチャンバー1のA−A線における内部構造例の一例において、さらに低風量の空気供給を示す矢印Lの気流、矢印LLで示す均質化された空気の気流、矢印Mの気流、矢印Nの排気の気流を付加して示す断面図である。
図3に示す矢印Lの気流と矢印LLで示す均質化された空気の気流は、ドラフト庫内19の作業空間20の作業面21上に、空気の層流を作るために人為的に発生させているプッシュエアーの気流である。矢印Mは、外部の空気をドラフト庫内19内に取り込むプッシュエアーの気流を示している。さらに、矢印Nは、ドラフト庫内19から排気するプルエアーの気流を示している。このように、ドラフト庫内19においては、矢印Lの気流、矢印LLで示す均質化された空気の気流、矢印Mの気流は、プッシュエアーであり、矢印Nの排気の気流は、プルエアーである。矢印Mの気流は、前面開口部4からドラフト庫内19内に入り、その後、背面部8の内側の空気の排気経路部44,45,46を通じて、図1に示す浄化装置Gと排気ダクトDを通じて、外部に排気される。
図3を参照して、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19付近の構造例を説明する。
図3に示すように、本体部2のドラフト庫内19には、前面部3と背面部8と左右の側面部7,8の間に、作業空間20が形成されている。作業空間20の下面部が作業面21である。作業者は、この作業面21の上で、必要な作業を行うことができる。
図3に示すように、作業面21の下部には、ファン30が設けられている。このファン30は、制御部の指令によりファンモータFMにより回転され、ファン30とファンモータFMは、作業面21上に空気の層流を作るために気流を発生させて送り込み、そしてドラフト庫内19から排気させる空気送り込み排気手段である。
図1に示すように、作業面21の前側部分には、X方向に沿ってドラフト庫内19のエプロン部分(空気ロホイル部分)22が設けられている。このエプロン部分22は、図3に示すように、ファン30により作られた矢印Lの気流から矢印LLで示す均質化された空気の気流を、本体部2の外部に漏れないようにして、作業面21側に送り込むための閉鎖型の通路である。
図4は、図3に示す領域Rを拡大して示す断面図である。
図4に示すように、エプロン部分22の上側には、前面部3の下部の位置において、空気の分岐部55が形成されている。空気の分岐部55がエプロン部分22に設けられていると、ファン30から送られてくる矢印Lの気流を、整流部材40により整流して矢印LLで示す均質化された空気の気流(層流気流)とした後の一部を分岐することができる。これにより、矢印LLで示す均質化された空気の気流(層流気流)は、作業面21上に層流を形成する矢印LLで示す均質化された空気の気流と、ドラフト庫内19の中央付近へのプッシュエアーの気流と、に分岐することができる。
図4に示す空気の分岐部55は、発生させたプッシュエアーを分岐させて、作業面21上に層流を形成する気流を減量させてしまうことにはなるが、分岐させてドラフト庫内19の中央付近へ斜め上方にプッシュエアーを押し込むことにより、ドラフト庫内19内の雰囲気が外部に漏れることを抑える効果がある。すなわち、この斜め上方へのプッシュエアーの供給が、低風量ドラフトチャンバー1における雰囲気の外部への漏れの抑制の性能確保に役割を果たしている。
図5は、低風量ドラフトチャンバー1の制御系の例を示すブロック図である。
図5に示すように、低風量ドラフトチャンバー1の制御部100は、指令信号SSによりファンモータ31を可変制御することで、ファン30の回転数を可変することができる。
低風量ドラフトチャンバー1は、低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱を検知する外乱検知手段200を有している。外乱検知手段200は、例えば赤外線センサ50と、熱線式風速計60と、光学式センサ70と、小型カメラ80を、任意に組み合わせることで構成されている。制御部100は、赤外線センサ50と、熱線式風速計60と、光学式センサ70と、小型カメラ80に接続されている。
赤外線センサ50は、人感知用に人の熱を感知する熱感知手段の例である。この赤外線センサ50は、例えば部屋の背景温度とこの部屋に入ってきた人の表面温度との差を、遠赤外線エネルギーの変化として焦電検出器に集光して、電気的なエネルギーに変換され、増幅し処理して信号出力に変えて、図5に示す制御部100に供給する。
熱線式風速計60は、低風量ドラフトチャンバー1が設置されている部屋の室内の差圧・風速を検知する差圧風速検知手段である。この熱線式風速計60では、例えば加熱された細い金属線に風が当たる時に、金属線は熱を奪われて冷却される。この奪われた熱は、風の流速に関係するので、金属線の熱損失から気流の風速を求めることができる。金属線の熱損失は、金属線の熱抵抗の変化によって計測する。熱線式風速計60は、例えばホイーストンブリッジ回路を用いて、この電気抵抗の変化を差動増幅器で増幅してAD変換器でデジタル信号にして制御部100に供給する。
光学式センサ70は、低風量ドラフトチャンバー1が設置されている部屋の室内において物体の有無の検知をする光学式検知手段である。光学式センサ70は、例えば投光素子と受光素子を有する反射型のホトカプラ等を用いることができ、投光素子からの光は、物体により反射して受光素子で受光すると、受光素子は制御部100に物体を検知したことを示す受光信号を供給する。
そして、小型カメラ80は、低風量ドラフトチャンバー1が設置されている部屋の室内において、動作する物体や形状を識別して制御部100に画像信号を送る、例えばCCD(電荷結合素子)カメラのような撮像手段である。
これらの外乱検知手段200を構成する赤外線センサ50と、熱線式風速計60と、光学式センサ70と、小型カメラ80は、1種類だけでなく、より好ましくは複数種類を複合的に使用することで、外乱において様々な状況を検知して制御部100に通知することができる。このため、使用する外乱検知手段200を構成する赤外線センサ50と、熱線式風速計60と、光学式センサ70と、小型カメラ80を複合的に使用して、制御部100は、低風量ドラフトチャンバー1における気流の乱れや動体検知(人検知)のような低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱の発生を、制御部100に通知するようになっている。
これにより、外乱検知手段200が低風量ドラフトチャンバー1における気流の外乱を、検知したときには、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19から外部に漏洩が起こる前に、制御部100は、指令信号SSによりファンモータ31を可変制御することで、ファン30の回転数を可変することで、予め低風量ドラフトチャンバー1からの排気風量を増加させることで、外乱により内部ガスが部屋内に漏洩するのを未然に防止することができる。
図6と図7は、低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱気流の発生例を示している。
図6と図7に示すように、低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱気流としては、例えば低風量ドラフトチャンバー1が設置されている部屋の室内天井の空気調和機(エアコン)の発生する気流W1、室内に供給される気流(室圧を一定に保つための給気)W2、部屋の室内へ出入りをするための扉の開閉による外気の流入W3、人が低風量ドラフトチャンバー1の近辺を動くことによる周囲の空気の乱れや気流の乱れW4、等が考えられる。
これらの外乱気流が、低風量ドラフトチャンバー1の周辺に発生した場合に、低風量ドラフトチャンバー1の作業開口部4の付近の気流が乱れて、低風量ドラフトチャンバー1の気流速が安定せず、結果として前面開口部4のわずかな隙間から内部ガスが漏れたり、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19の雰囲気の内部ガスが安定的に排気できないおそれがある。
そこで、本発明の実施形態の低風量ドラフトチャンバー1では、外乱検知手段200が上述した低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱を検知した場合には、低風量ドラフトチャンバー1は、VAV制御(可変風量制御)を行うことにより、一時的に低風量ドラフトチャンバー1の図1に示す前面開口部4の作業開口面の風速を上げて、すなわち排気風量を増加させて、安全な作業開口部4の作業開口面における風速を確保するようになっている。これにより、低風量ドラフトチャンバー1の気流速が安定して、結果として前面開口部4のわずかな隙間から内部ガスが漏れ出ることが無く、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19の雰囲気の内部ガスが安定的に排気できることになる。
また、外乱が無い状態もしくは外乱が少ない状態においては、低風量ドラフトチャンバー1は、安定的に排気ができていると判断できることから、VAV制御(可変風量制御)により、一時的に低風量ドラフトチャンバー1の前面開口部4の作業開口面の風速を下げる、すなわち排気風量を少なくすることが可能になり、安全を保ちながら、ファン30のファンモータ31への動力供給を軽減することができ、低風量ドラフトチャンバー1の省エネルギー化に貢献できる。
図8は、外乱検知手段200を構成する赤外線センサ50と、熱線式風速計60と、光学式センサ70と、小型カメラ80を、低風量ドラフトチャンバー1に対して取り付けるための好ましい位置の範囲例を示している。
図8に示すように、赤外線センサ50は、1カ所の配置領域AR1内の位置に配置され、熱線式風速計60は、5カ所の配置領域AR2内の位置に配置される。光学式センサ70は、2カ所の配置領域AR3内の位置に配置され、そして小型カメラ80は、1カ所の配置領域AR4内の位置に配置される。
1カ所の配置領域AR1は、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の上部領域であり、作業開口部4の上にある。5カ所の配置領域AR2は、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の中間部領域と、左右の壁面6,7に沿った左右領域と、そしてエプロン部分22の左右領域であり、作業開口部4の上部と左右位置にある。2カ所の配置領域AR3は、左右の壁面6,7に沿った左右領域であり、作業開口部4の左右位置にある。そして、1カ所の配置領域AR4は、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の上部領域であり、作業開口部4の上部にある。左右の壁面6,7に沿った配置領域AR2、AR3は、低風量ドラフトチャンバー1の操作部98,99が設けられている部分に相当する。
1カ所の配置領域AR1と1カ所の配置領域AR4は、少なくとも一部が重なっている。2カ所の左右の配置領域AR2と2カ所の配置領域AR3は、少なくとも一部が重なっている。
図8に示すように、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の上部位置にある1カ所の配置領域AR1において赤外線センサ50を配置することで、赤外線センサ50は、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の上部位置から人からの赤外線を受けることができる。このため、配置領域AR1において赤外線センサ50を配置することで、下部位置に配置するのに比べて、人の熱による感知を確実に行えるようにしている。
また、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の上部位置にある1カ所の配置領域AR4に小型カメラ80を配置することで、小型カメラ80は、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の上部位置から人や物体に識別や形状の識別を画像認識で行うことができるので、下部位置に配置するのに比べて、人の画像認識を確実に行えるようにしている。
さらに、低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の中間位置にある配置領域AR2の少なくとも一箇所に熱線式風速計60を配置することで、低風量ドラフトチャンバー1の前面開口部4の付近における気流の乱れを検出することができる。低風量ドラフトチャンバー1の本体部2の中間位置にある配置領域AR3の少なくとも一箇所に光学式センサ70を配置することで、動体検知(人検知)をするようになっている。
次に、上述した低風量ドラフトチャンバー1の動作例を、説明する。
図5に示す制御部100が、図1と図3に示す例えば3つのファン30のファンモータFMを駆動する。これにより3つのファン30が発生する矢印Lで示す空気の気流は、図4に示すように、空気案内部材31の後端部32から中間部34において空気の空気溜まり39で一度溜められる。後端部32と中間部34から前端部33に至るに従って、流路が先細りの断面形状になっているので、溜められた矢印Lで示す空気の気流は、前端部33の整流部材40に向けて流速を上げて送ることができ、流速を上げた矢印Lで示す空気の気流を整流部材40に通過させることができる。
これにより、整流部材40は、ファン30から送られる流速を上げた矢印Lで示す空気を、均一(均質)な気流にして、矢印LLで示す均質化した空気の気流を本体部2の左右幅方向(X方向)に関して供給することができる。その後、矢印LLで示す均質化された空気の気流は、本体部2の前面部3のドラフトのエプロン部分22内を通って、上側の空気の分岐部55に達する。
図4に示すように、この空気の分岐部55は、整流部材40により整流して矢印LLで示す均質化された空気の気流(層流気流)の一部を分岐して、作業面21上に矢印LLで示す層流を形成する気流と、ドラフト庫内19の中央付近へのプッシュエアーの気流とに分岐する。このように、図4において、整流部材40により整流された空気の気流(層流気流)が、矢印LLで示すように、作業面21上に層流を形成するプッシュエアーとして送ることができる。これにより、作業者が実験や作業を行うための作業空間内に、空気を低風量ドラフトで通過させて、低風量ドラフトチャンバー1内の雰囲気が外部に漏れないようにすることができる。
図4に示すように、本体部2の前面開口部4からは、矢印Mの気流で示すように、外部の空気をドラフト庫内19内に、気流を取り込む。この際に、前面開口部4において低風量で空気を取り入れる。そして、作業面21に沿って通過した矢印LLで示す均質化された空気の気流と、ドラフト庫内19を通過した矢印Mで示す空気の気流は、図5と図3に示すように矢印Nの排気の気流をプルエアーとして、空気の排気経路部44,45,46を通じて、本体部2の外部へ排気することができる。
この低風量ドラフトチャンバー1では、外乱検知手段200が上述した低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱を検知した場合には、低風量ドラフトチャンバー1は、VAV制御(可変風量制御)を行う。これにより、一時的に低風量ドラフトチャンバー1の図1に示す前面開口部4の作業開口面の風速を上げて、すなわち排気風量を増加させて、安全な作業開口部4の作業開口面における風速を確保する。従って、低風量ドラフトチャンバー1の気流速が安定して、結果として前面開口部4のわずかな隙間から内部ガスが漏れ出ることが無く、低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19の雰囲気の内部ガスが安定的に排気できる。
また、低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱が無い状態もしくは外乱が少ない状態においては、低風量ドラフトチャンバー1は、安定的に排気ができていると判断できる。このことから、VAV制御(可変風量制御)により、一時的に低風量ドラフトチャンバー1の前面開口部4の作業開口面の風速を下げる、すなわち排気風量を少なくすることが可能になり、安全を保ちながら、ファン30のファンモータ31への動力供給を軽減することができ、低風量ドラフトチャンバー1の省エネルギー化に貢献できる。
ところで、低風量ドラフトチャンバー1内のドラフト庫内19から漏れるガスの濃度を試験する試験条件は、ヨーロッパの安全規格に基づいて実施される。
このヨーロッパの安全規格とは、「試験規格:EN14175−3:2003:ドラフトチャンバー型試験方法」である。この試験規格では、ドラフトチャンバーの庫内から漏れるガスの濃度を測定するための濃度測定センサが、試験条件として定められた位置に配置され、濃度測定方法が決められている。濃度測定センサを含む測定機器は、例えばサーモエレクトロン社製:MIRAN SapphIReである。
図9は、上述した試験規格により低風量ドラフトチャンバー1内のドラフト庫内19から漏れるガスの濃度を試験する際に、乱流を発生させるロバストネスと、低風量ドラフトチャンバー1を示している平面図である。
図9に例示するように、例えば低風量ドラフトチャンバー1の前には、平板300がセットされ、この平板300は、規定時間でR1方向に左から右に一定速度で直線移動して一旦停止され、その後規定時間でR2方向に右から左に一定速度で直線移動される。つまり、平板300は往復移動される。ドラフトチャンバーの庫内で測定用のトレーサガスを発生させて、この平板300が往復移動されることで、ドラフトチャンバーの前に気流の乱れが発生し、この気流の乱れに伴ってドラフトチャンバーの中から測定用のガスが漏れてくる。そこで、濃度測定センサが、そのガスの漏れ量(濃度)を測定する。これにより、外乱による排気風量の動的特性を評価するようになっている。
図10から図12は、図1に示す開閉シャッタ5が前面開口部4を閉じている時(サッシ閉時ともいう)のドラフト庫内のガス漏洩濃度の試験データを示している。図10から図12では、縦軸が測定濃度(漏れ量)を示し、横軸は測定時間(秒)を示す。漏れ量の平均値によりドラフトチャンバーの性能が評価される。
図10は、本発明の範囲外である比較例1を示しており、CAV(定風量制御方式)型の低風量ドラフトチャンバー:排気風量 約12m3/minに設定されている場合のドラフト庫内のガス漏洩濃度の試験データである。
図11は、本発明の範囲外である比較例2を示しており、VAV(可変風量制御方式)型の低風量ドラフトチャンバー:排気風量 約5m3/minに設定されている場合のドラフト庫内のガス漏洩濃度の試験データである。
図12は、本発明の実施例を示しており、図5に示すような外乱検知機能を有するVAV(可変風量制御方式)型の低風量ドラフトチャンバー:排気風量 約12m3/min(最大)に設定されている場合に、図1に示す低風量ドラフトチャンバー1のドラフト庫内19のガス漏洩濃度の試験データである。
図10から図12において、60秒の経過時間を経過した後にガス濃度の測定を開始しているのは、例えばガス濃度を測定する環境、すなわち気流等の環境が落ち着くまで待ってから測定を開始するためである。
また、上述したように、図9に例示するように、漏れるガスの濃度を試験の条件に基づいて、例えば低風量ドラフトチャンバー1の前には、平板300が往復移動されることで気流の外乱を発生させているので、そのために図10から図12では、それぞれ漏れ濃度が脈動している。この漏れ濃度を測定するガスにおいても、同様に試験で定められたガスを使用している。
図12に示す本発明の実施例と、図10の比較例1と図11の比較例2と、を比較すると明らかなように、ドラフト庫内のガス漏洩濃度の値の大きさとその値の脈動量は、図12に示す本発明の実施例では大幅に減少していることが判る。図12において、ガス漏洩濃度が脈動した後に、グラフ上の数値が上がり、そしてある時間が経過した後に数値が落ちるのは、発生した気流の外乱の終息に伴い、ドラフトチャンバーが正常に排気できることになり、その効果で漏れているガスの濃度が低下していくからである。また、図9に示す平板300の往復移動する回数は、脈動の数だけ動作していることになる。
図12に示す低風量ドラフトチャンバー1における外乱の制御では、平板300の往復動作に連動して排気風量を一時的に増やす。そのために、気流の外乱の収束に伴い、排気風量は下げる制御を行っている。
従来用いられているドラフトチャンバーでは、開口部から定風量で空気を取り込むので空気の吸込みが弱い。このため、例えばドラフトチャンバーが置かれている部屋内を人が歩いたり、空気調和機のオンオフ操作があったり、部屋のドアの開け閉めがある等の外乱が生じると、部屋内の空気の流れが乱れてドラフトチャンバーの前面開口部から定風量で取り込んでいる空気が前面開口部から出て、ドラフトチャンバーの庫内の薬品等が吸い出されてしまう漏洩してしまう現象が生じるおそれがある。
これに対して、本発明の実施形態の低風量ドラフトチャンバー1では、低風量ドラフトチャンバーに対する外乱を検知する外乱検知手段200を備え、この外乱検知手段200による外乱の検知に基づいて、作業空間に送り込む空気を可変風量制御して排気風量を増加させる構成としている。このため、低風量ドラフトチャンバー1を実際に使用している状況おいては、外乱検知手段200が低風量ドラフトチャンバー1における様々な気流の外乱を検知して、その状況に応じて、図5に示す制御部100は、ファンモータ31に対して、指令信号SSによりファンモータ31を制御することで、ファン30の回転数を上げて排気風量を増加させる。
これにより、低風量ドラフトチャンバー1の空気の排気経路部44,45,46を通じて本体部2の外部へ排気する排気風量を増加(変動)させることで、低風量ドラフトチャンバー1の庫内から漏洩が起こる前に、予め排気風量を増加させて、外乱による低風量ドラフトチャンバー1の庫内から外部へガスが漏洩するのを未然に防止することができる。
本発明の実施形態の低風量ドラフトチャンバー1は、作業空間で作業を行うために、開口部を通じて低風量の空気を作業空間に送り込んで作業空間内から外部に排気する低風量ドラフトチャンバーである。この低風量ドラフトチャンバー1は、作業空間であるドラフト庫内19の作業空間20に空気を送り込んで排気させる空気送り込み排気手段としてのファン30とファンモータ31と、低風量ドラフトチャンバー1に対する外乱を検知する外乱検知手段200と、外乱検知手段200による外乱の検知に基づいて、空気送り込み排気手段を制御して作業空間から外部に排気する排気風量を増加させる制御部100と、を備える。
これにより、低風量ドラフトチャンバー1に対して発生する外乱に応じて、内部ガスの漏洩が発生する前に予め排気風量を増加させて、外乱による内部ガスの漏洩を未然に防止できる。このため、使用する作業者や設置されている部屋内に居る作業者に対して、常に安全な状態を保つことができる。外乱が生じた時に、排気風量を増加させ、外乱が生じていない時には、排気風量を増加させないので、低風量ドラフトチャンバーの省エネルギー化とガスの漏洩濃度の低減の両立が図れる。
外乱検知手段200としては、低風量ドラフトチャンバーが設置されている部屋内の人の熱を感知する熱感知手段と、部屋内の風速を感知する検知手段と、部屋内において物体の有無の感知をする光学式検知手段と、部屋内において動作する物体や形状を識別する撮像手段を、組み合わせて設定される。これにより、外乱検知手段は、必要に応じて、これらの手段を任意に組み合わせて低風量ドラフトチャンバー1に設定することができる。
開口部4は、開閉シャッタ5により開閉可能になっており、開閉シャッタ5により開口部4が閉鎖された状態でも、隙間が形成されている。これにより、開閉シャッタにより開口部が閉鎖された状態でも、隙間が形成されているので、低風量ドラフトチャンバーの庫内(内部)が負圧になり過ぎてしまったり、隙間から内部に流れ込む気流で風切り音がする不都合が生じるのを防ぐことができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、各実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
1 低風量ドラフトチャンバー
2 本体部
3 前面部
4 前面開口部(開口部の例)
5 開閉シャッタ
19 ドラフト庫内
20 作業空間
21 作業面
30 ファン(空気送り込み排気手段)
31 ファンモータ(空気送り込み排気手段)
50 赤外線センサ(熱感知手段)
60 熱線式風速計(風速を感知する検知手段)
70 光学式センサ(光学式検知手段)
80 小型カメラ(撮像手段)
100 制御部
200 外乱検知手段

Claims (4)

  1. 開口部を通じて空気を作業空間に送り込んで前記作業空間内から外部に排気するドラフトチャンバーであって、
    前記作業空間に前記空気を送り込んで排気させる空気送り込み排気手段と、
    前記ドラフトチャンバーに対する外乱を検知する外乱検知手段と、
    前記外乱検知手段による前記外乱の検知に基づいて、前記空気送り込み排気手段を制御して前記作業空間から外部に排気する排気風量を増加させる制御部と、
    を備えることを特徴とするドラフトチャンバー。
  2. 前記開口部から作業空間に送り込まれる空気が低風量であることを特徴とする請求項1に記載のドラフトチャンバー。
  3. 前記外乱検知手段としては、前記ドラフトチャンバーが設置されている部屋内の人の熱を感知する熱感知手段と、前記部屋内の風速を感知する検知手段と、前記部屋内において物体の有無の感知をする光学式検知手段と、前記部屋内において動作する物体や形状を識別する撮像手段を、組み合わせて設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のドラフトチャンバー。
  4. 前記開口部は、開閉シャッタにより開閉可能になっており、前記開閉シャッタにより前記開口部が閉状態とされたときであっても、前記開口部下端と作業面との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のドラフトチャンバー。
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