JP7352728B2 - バルーン型電極カテーテル - Google Patents
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Description
記通電用コネクタとを電気的に接続する導線とを備えてなり、前記アウターチューブの有する前記サブルーメンの少なくとも1本は、前記バルーンの内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用サブルーメンであり、前記アウターチューブの有する前記サブルーメンの少なくとも1本は、前記バルーンの内部に供給された流体を当該バルーンの内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用サブルーメンであり、前記流体供給用サブルーメンおよび前記流体排出用サブルーメンの何れか一方の開口は、前記拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置し、前記流体供給用サブルーメンおよび前記流体排出用サブルーメンの何れか他方の開口は、前記拡張部の基端またはその近傍に位置しているバルーン型電極カテーテルが、本出願人により提案されている(下記特許文献2参照)。
本発明の目的は、腫瘍などの病巣に対して広範囲にわたり焼灼治療を行うことができ、従来のバルーン型電極カテーテルと比較して、バルーン内部の冷却効果、延いては、表面電極の周囲の組織の冷却効果に優れたバルーン型電極カテーテルを提供することにある。
2つのメインルーメンと少なくとも1つのサブルーメンとを有するカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブの基端側に配置された通電用コネクタと、
拡張収縮する拡張部と、その両端に連続するネック部とを有し、基端側ネック部が前記カテーテルチューブの先端部に固定され、前記拡張部が前記カテーテルチューブの前記先端部を内包していることにより、前記カテーテルチューブの先端側に接続されたバルーンと、
前記先端側ネック部に固定されて前記バルーンの外部に延出する先端チップと、
前記先端チップの基端側に接続され、前記バルーンの中心軸に沿って前記拡張部の内部に延出する補強シャフトと、
少なくとも前記バルーンの前記拡張部において当該バルーンの外表面に形成された金属薄膜からなる表面電極と、
前記表面電極と前記通電用コネクタとを電気的に接続する導線とを備えてなり;
前記カテーテルチューブは、前記拡張部の基端またはその近傍の位置から基端方向に延びる円管状部分と、
前記拡張部の前記基端またはその近傍の前記位置から、前記拡張部の内部を先端方向に延びて、その先端面が前記拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置している実質的半円管状部分とを有しており、
前記円管状部分の横断面に占める前記メインルーメンの各々の面積割合が20%以上であり、
前記メインルーメンの一方は、前記バルーンの内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用ルーメンであり、
前記メインルーメンの他方は、前記バルーンの内部に供給された流体を当該バルーンの内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用ルーメンであり、
前記カテーテルチューブの前記サブルーメンの1つは、前記導線を挿通するためのルーメンであり、
前記流体供給用ルーメンは、前記円管状部分および前記実質的半円管状部分の内部に配置されて、当該実質的半円管状部分の先端面において開口し、
前記流体排出用ルーメンは、前記円管状部分の内部に配置されて、当該円管状部分の先端面において開口していることを特徴とする。
また、流体供給用ルーメンの開口が、拡張部の軸方向の中間位置よりも先端側に位置する実質的半円管状部分の先端面に形成され、流体排出用ルーメンの開口が、拡張部の基端またはその近傍に位置する円管状部分の先端面に形成されていること、すなわち、流体の供給口と流体の排出口とが互いに軸方向に変位していることにより、バルーンの拡張後(内部に流体が充填された後)においても、流体の軸方向の流れが形成され、バルーンの内部において当該流体を流動させることができる。
更に、流体供給用ルーメンおよび流体排出用ルーメンが、それぞれ、カテーテルチューブの円管状部分の横断面の20%以上を占める断面積の大きなメインルーメンよりなるので、バルーン内部への流体の供給量およびバルーン内部からの流体の排出量、すなわち、バルーンの内部を循環する流体の流量を従来のものと比較して格段に多くすることができる。この結果、従来のバルーン型電極カテーテルと比較しても、バルーン内部の冷却効果、延いては、表面電極の周囲の組織の冷却効果に優れたものとなる。
フトとの干渉を防止することができるとともに、両者が接着固定されていることにより、良好なプッシャビリティを発揮することができる。
前記実質的半円管状部分の前記先端面は、前記円筒状部分の先端またはその近傍の内部に位置し、
前記補強シャフトの基端面は、前記円筒状部分の基端またはその近傍の内部に位置していることが好ましい。
前記先端チップまたは前記先端側ネック部に装着され、前記表面電極の前記先端部が、その外周面に固着されていることにより、前記表面電極と電気的に接続された金属リングが設けられ、
前記導線は、その先端が前記金属リングの内周面に接続され、前記バルーンの内部および前記カテーテルチューブの前記サブルーメンに延在して、その基端が前記通電用コネクタに接続されていることが好ましい。
また、金属リングが装着されるバルーンの先端側ネック部は、先端チップに固定されるネック部であり、カテーテルチューブに固定される基端側ネック部と比較して外径が格段に小さいので、先端側ネック部に装着される金属リングの外径を、カテーテルチューブや基端側ネック部の外径よりも小さくすることができる。
これにより、バルーン型電極カテーテルの導入時において、使用するシースや内視鏡などの開口に当該金属リングが引っ掛かるようなことはなく、シースや内視鏡のルーメンへのバルーン型電極カテーテルの挿通性が損なわれることがない。
この実施形態のバルーン型電極カテーテル100は、高周波焼灼により肺癌を治療するためのバルーン型の電極カテーテルである。
図1~図8に示す本実施形態のバルーン型電極カテーテル100は、楕円形の断面形状を有するメインルーメン101Lおよび102Lと、円形の断面形状を有するサブルーメン103Lおよび104Lとを有するカテーテルチューブ10と;カテーテルチューブ10の基端側に配置された電気コネクタ21と;拡張収縮する拡張部31と、その両端に連続するネック部(先端側ネック部33および基端側ネック部35)とを有し、基端側ネック部35がカテーテルチューブ10の先端部を構成する円管状部分11に固定され、拡張部31がカテーテルチューブ10の先端部を構成する半円管状部分13を内包することにより、カテーテルチューブ10の先端側に接続されているバルーン30と;先端側ネック部33に固定されてバルーン30の外部に延出する先端チップ40と、先端チップ40の基端側に接続され、バルーン30の中心軸に沿って拡張部31の内部に延出するPEEK樹脂チューブからなる補強シャフト45と、バルーン30の拡張部31および先端側ネック部33の外表面に形成され、各々の先端部が先端チップ40の外表面まで延びている金属薄膜による帯状電極51~58(表面電極)と;先端チップ40に装着され、帯状電極51~58の各々の先端部がその外周面に固着されていることにより、帯状電極51~58の各々と電気的に接続された金属リング60と;金属リング60の内周面にその先端が
接続され、バルーン30の内部およびカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン103Lに延在し、その基端が電気コネクタ21に接続された導線70と;バルーン30の拡張部31の管壁にその先端(測温部81)が埋設され、拡張部31および基端側ネック部35の管壁並びにカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン104Lに延在し、電気コネクタ21にその基端が接続された、温度センサ(熱電対)80とを備えてなり;
カテーテルチューブ10は、バルーン30の拡張部31の基端から基端方向に延びる円管状部分11と、拡張部31の基端から、拡張部31の内部を先端方向に延びて、その先端面14が、拡張部31の軸方向の中間位置よりも先端側に位置している半円管状部分13とからなり;
カテーテルシャフト10の半円管状部分13は、バルーン30の中心軸から径方向に変位しているとともに、半円管状部分13と補強シャフト45とが接着固定されており;
カテーテルチューブ10のメインルーメン101Lは、バルーン30の内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用ルーメンであり、メインルーメン102Lは、バルーン30の内部に供給された流体を当該バルーン30の内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用ルーメンであり、サブルーメン103Lは、導線70を挿通するためのルーメンであり、サブルーメン104Lは、温度センサ80を挿通するためのルーメンであり;
流体供給用ルーメン(メインルーメン101L)は、円管状部分11および半円管状部分13の内部に配置されて、当該半円管状部分13の先端面14において開口し、流体排出用ルーメン(メインルーメン102L)は、円管状部分11の内部に配置されて、当該円管状部分11の先端面12において開口している。
カテーテルチューブ10の基端部および先端部の一部は円管状部分11により構成され、カテーテルチューブ10の先端部(前記一部を除く)は半円管状部分13により構成されている。
円管状部分11において、ルーメン101L~104Lの各々は、これを囲繞するルーメンチューブにより形成され、これらのルーメンチューブは、円管状部分11を形成するバインダ樹脂により固定されている。
ガイドワイヤルーメン)の周囲に配置された小径のサブルーメンによって流体を流通させていた従来のバルーン型電極カテーテルと比較して、流体の流量を格段に多くすることができ、これにより、優れた冷却効果を発揮することができる。
半円管状部分13において、メインルーメン101Lを囲繞するルーメンチューブは、半円管状部分13を形成するバインダ樹脂により固定されている。
円管状部分11の内部および半円管状部分13の内部に配置されているメインルーメン101Lは、カテーテルチューブ10の先端面である半円管状部分13の先端面14において開口している。
ここに、バルーン30の内部に供給される流体としては、生理食塩水を例示することができる。
なお、導線70が挿入されているサブルーメン103Lの開口および温度センサ80が挿入されているサブルーメン104Lの開口は、それぞれ、シール材料によって封止され、これらのサブルーメン103Lおよび104Lへの流体の流入が防止されている。
カテーテルチューブ10の長さは、通常100~2200mmとされ、好適な一例を示せば1200mmとされる。
カテーテルチューブ10の円管状部分11の長さは、通常300~3000mmとされ、好適な一例を示せば1180mmとされる。
カテーテルチューブ10の半円管状部分13の長さは、通常5~300mmとされ、好
適な一例を示せば20mmとされる。
カテーテルチューブ10のメインルーメン101L(流体供給用ルーメン)およびメインルーメン102L(流体排出用ルーメン)を囲繞するルーメンチューブは、カテーテルチューブ10の基端からYコネクタ20の内部に進入している。
この流体供給用チューブ27は、Yコネクタ20の外部に延出し、流体供給用チューブ27の基端は流体供給用コネクタ22に連結している。
この流体排出用チューブ28は、Yコネクタ20の外部に延出し、流体排出用チューブ28の基端は流体排出用コネクタ23に連結している。
バルーン30の拡張部31は、円筒状部分311と、円筒状部分311の先端から先端側ネック部33の基端に至る先端側コーン部分313と、円筒状部分311の基端から基端側ネック部35の先端に至る基端側コーン部分315とからなる。
また、基端側ネック部35の外径は、カテーテルチューブ10(円管状部分11)の基端部の外径と実質的に等しい。
これにより、バルーン型電極カテーテル100を導入するために使用するシースや内視鏡の内腔への挿通性が、基端側ネック部35によって損なわれることを防止することができる。
メインルーメン101L(流体供給用ルーメン)を流通する流体は、半円管状部分13の先端面14における開口から先端方向に吐出され、吐出された流体は先端側コーン部分313の先端近傍に到達することができ、これにより、バルーン30(拡張部31)の内部において先端側から基端側への流体の流れを形成することができる。
バルーン30(拡張部31)の長さとしては、通常8~50mmとされ、好適な一例を示せば20mmとされる。
先端チップ40の外径は、通常0.5~3.1mmとされ、好適な一例を示せば1.1mmとされる。
先端チップ40が固定されるバルーン30の先端側ネック部33の外径は、通常0.6~3.2mmとされ、好適な一例を示せば1.2mmとされる。
先端チップ40の先端部分の内部には樹脂90が埋めこまれている。
帯状電極51~58を構成する金属薄膜の膜厚としては0.5~5μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0~2.5μmとされる。
この膜厚が過小である場合には、手技中(高周波通電中)において、ジュール熱により金属薄膜が高温となるおそれがある。
他方、薄膜の膜厚が過大である場合には、拡張収縮に伴うバルーンの形状変化に当該金属薄膜が追従しにくくなり、バルーンの拡張・収縮性が損なわれることがある。
金属リング60の外径は、通常0.6~3.2mmとされ、好適な一例を示せば1.2mmとされる。
導線70は、バルーン30の内部およびカテーテルチューブ10(円管状部分11)のサブルーメン103L、Yコネクタ20の内部、導線保護チューブ26の内部を通ってYコネクタ20から延出している。
温度センサ80の側温部81(測温接点)は、拡張部31の管壁に位置している。
温度センサ80の基端は電気コネクタ21に接続されている。
この結果、バルーン30の内部を、拡張部31の全域にわたり効率よく冷却することができ、これにより、帯状電極51~58の周囲の組織が十分に冷却され、当該組織が線維化されることを確実に防止することができる。
例えば、バルーン30の内部における半円管状部分13の先端面14の軸方向位置(メインルーメン101Lの開口位置)は、拡張部31の軸方向の中間位置よりも先端側であれば、先端側コーン部分313の内部にあってもよい。
また、少なくとも、バルーン30の先端側コーン部分313に位置している帯状電極51~58の部分を絶縁被覆することにより、バルーン30の円筒状部分311に位置して
いる帯状電極51~58の部分のみで焼灼が行われるようにしてもよい。これにより、バルーン30の先端側コーン部分313が接触する組織における再狭窄を防止することができる。ここに、「少なくとも、バルーン30の先端側コーン部分313に位置している帯状電極51~58の部分を絶縁被覆する」態様としては、先端側コーン部分313および先端側ネック部33の全域を絶縁被覆する態様を挙げることができる。
また、半円管状部分13の横断面における中心角は180°であるが、中心角が160~200°、好ましくは170~190°の実質的半円管状部分であってもよい。
また、サブルーメン103Lおよびサブルーメン104Lにおいて、それぞれの基端部がシール材料によって封止されることにより、これらのサブルーメンの基端側への流体の流出が防止されていてもよい。
10 カテーテルチューブ
101L メインルーメン(流体供給用ルーメン)
102L メインルーメン(流体供給用ルーメン)
103L,104L サブルーメン
11 円管状部分
12 円管状部分の先端面
13 半円管状部分
14 半円管状部分の先端面
20 Yコネクタ
21 電気コネクタ
22 流体供給用コネクタ
23 流体排出用コネクタ
26 導線保護チューブ
27 流体供給用チューブ
28 流体排出用チューブ
30 バルーン
31 拡張部
311 円筒状部分
313 先端側コーン部分
315 基端側コーン部分
33 先端側ネック部
35 基端側ネック部
40 先端チップ
45 補強シャフト
51~58 帯状電極(表面電極)
60 金属リング
70 導線
80 温度センサ(熱電対)
81 温度センサの測温部
90 樹脂(シール材料)
Claims (4)
- 横断面が楕円形である、少なくとも2つのルーメンを有するカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブの先端側に接続されたバルーンと、
前記バルーンの外表面に設けられた表面電極と、を備え、
前記カテーテルチューブの横断面において前記ルーメンの合計面積が占める割合は40%以上であることを特徴とするバルーン型電極カテーテル。 - 前記ルーメンの一方は、前記バルーンの内部に流体を供給するために当該流体を流通させる流体供給用ルーメンであり、
前記ルーメンの他方は、前記バルーンの内部に供給された流体を当該バルーンの内部から排出するために、当該流体を流通させる流体排出用ルーメンであることを特徴とする請求項1に記載のバルーン型電極カテーテル。 - 前記流体供給用ルーメンは、前記バルーン内部の先端側において開口し、
前記流体排出用ルーメンは、前記バルーン内部の基端側において開口していることを特徴とする請求項2に記載のバルーン型電極カテーテル。 - 前記流体供給用ルーメンは、半円管状のカテーテルチューブの内部に延在していることを特徴とする請求項3に記載のバルーン型電極カテーテル。
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