JP7349328B2 - 扉開閉装置 - Google Patents
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Description
バネ力調節機構は、ベースを圧縮コイルバネの延び方向に位置調節する調節ネジで構成されている。
特許文献2に開示されたバネ力調節機構では、ケーシングの奥側から調節ネジを回すため、調節作業が困難である。
上記構成によれば、扉開閉装置の通常の設置状態でアームの基端部が配置される開口近傍において、調節部材の操作で第2リンクを位置調節することによりバネ力を調節できるので、調節作業を円滑に行なうことができる。
好ましくは、上記調節部材の操作部が上記第1リンクに配置されている。
上記構成によれば、開口側からの調節作業をより一層楽に行なうことができる。
上記構成によれば、複数のバネの力を均等にした状態で、アームにトルクを付与することができる。
上記構成によれば、付勢手段等をケーシングに収容した状態で、バネ力の調節を行なうことができる。
上記構成によれば、ケーシング付きの扉開閉装置を開口枠に設置する前の段階でも、アームの制約を受けずにケーシング内のバネ力調節機構を操作してバネ力を調節することができる。
上記構成によれば主アームと副アームを装備した扉開閉装置でも、ケーシング内のバネ力調節機構を操作してバネ力を調節することができる。
上記主アームが上記扉の開き位置に対応する角度位置にある時に、上記調節ネジの中心軸線が上記アーム挿通スリットを通り、上記アーム挿通スリットは、上記調節ネジの中心軸線が通る箇所において幅広をなしている。
上記構成によれば、ケーシング内のバネ力調節機構を操作してバネ力を調節することができる。しかも、扉が開き位置にある時にバネ力を調節するので、扉をバネ力に抗して押さえることなく、調節することができる。工具はアーム挿通スリットの幅広部に挿通するので、主アームや副アームがアーム挿通スリットまたはその近傍において調節ネジの中心軸線と干渉しても、調節作業を行なうことができる。
以下、本発明の第1実施形態を、図1~図9を参照しながら説明する。図1~図3に示すように、吊戸棚、食器棚、書棚等の収納家具は、家具本体1と、扉5とを備えている。家具本体1は開口枠2を有している。開口枠2は、上下の板と左右の側板とからなり、正面から見て矩形をなしている。開口枠2の奥行方向の一端に開口3が形成され、他端が背板4で塞がれている。以下、開口3側を「前」、奥側を「後」として説明する。
半体11の第1部分10aの前縁部11cおよび第2部分10bの傾斜した前縁部11dおよび第2部分10bの下縁部11bの前端部11b’は、幅が狭くなっており、これにより、ケーシング10の前縁部から下縁部の前端部にわたり、後述の作用をなす長いアーム挿通スリット13が形成されている。
主アーム30と副アーム40は細長い板からなり、同一垂直面上に配置されており、互いの干渉を回避するために折り曲げられた形状をなしている。主アーム30と副アーム40の基端部はケーシング10の内部空間15に収容されている。
なお、コイルバネ51の延び方向として定義する「奥行方向」とは、厳密に奥行方向と平行である場合のみならず、奥行方向に延びる水平線に対して傾斜し奥行方向のベクトル成分を含む場合も包含する。
支持板部61cは、前側(開口3側)を向く支持面61fを有している。この支持面61fは、後述する扉5の開閉の過程で、垂直線に対する角度が45°以内に維持されている。支持板部61cには挿通孔61hが形成されている。
なお、第2リンク62のスライド方向は、開口枠2の奥行方向のベクトル成分を含んでおり、扉5の開閉の過程で奥行方向に延びる水平線に対して45°以内に維持されている。
一対の扉開閉装置6の主アーム30の中間部同士は、左右に水平に延びる連結ロッド80を介して連結されており、これにより一対の扉開閉装置6の連動性を確保している。
上記構成をなす扉開閉装置6の作用を説明する。扉5が図1、図4に示す閉じ位置にある時、主アーム30と第1リンク61の回動軸線L5を通りバネ51の作用方向に延びる線は主アーム30の回動軸線L1の下側を通る。そのため、主アーム30には、コイルバネ51のバネ力に起因する図中時計回り方向(閉じ方向)のトルクが付与される。さらに、主アーム30には扉5の自重に起因する同方向のトルクが付与される。その結果、扉5の閉じ位置は維持されている。
なお、扉5が閉じ位置に達する直前に、主アーム30がリニアダンパ70の作動子72に当たるため、扉5が閉じ位置に達する時の衝撃を緩和することができる。
次に、コイルバネ51のバネ力を調節し、主アーム30に付与されるトルクを調節する工程について説明する。
最初に、扉開閉装置6の出荷前のバネ力調節について説明する。この場合、図10に示すように主アーム30と副アーム40を、扉5の開き位置に対応した角度位置にする。この時、調節ネジ65の中心軸線65xが工具差込スリット12を通っているので(図6参照)、工具例えば六角棒レンチ100を工具差込スリット12に差し込んで、その先端を調節ネジ65の頭部65aの係合穴に係合させることができる。上述したように調節ネジ65を回して、第2リンク62を位置調節することにより、コイルバネ51の長さを変え、そのバネ力を調節する。この際、ケーシング10に形成された覗き穴11h(図7参照)から第2リンク62の目盛62mと第1リンク61の後端エッジ61eを見ながら調節することができる。図8(A)に示すように、後端エッジ61eを目盛62mの「1」に合わせると、第2リンク62およびバネホルダ53が最も後方に位置することになり、コイルバネ51が最も短くなるので、バネ力が最小となる。図8(B)に示すように、後端エッジ61eを目盛62mの「6」に合わせると、第2リンク62およびバネホルダ53が最も前方に位置することになり、コイルバネ51が最も長くなるので、バネ力が最大となる。
次に、本発明の第2実施形態について図11~図13を参照しながら説明する。本実施形態において、第1実施形態に対応する構成部には同番号を付してその詳細な説明を省略する。本実施形態では、扉5を閉じ位置から下方の開き位置まで移動するようになっている。本実施形態の扉開閉装置6Aは、第1実施形態の扉開閉装置6と同じ構成要素を備えている。ただし、ケーシング10は第1実施形態と上下を逆に配置され、開口枠2の側板の下部に固定されている。これに伴い、付勢手段50とリニアダンパ70の配置が逆になり、副アーム40の基端部の回動軸線L3が主アーム30の基端部の回動軸線L1より上方に配置され、副アーム40の先端部の回動軸線L4が主アーム30の先端部の回動軸線L2より上方に配置されている。
本実施形態では、第2実施形態と同様に、扉5が開き位置にある時、調節ネジ65の中心軸線65xがアーム挿通スリット13近傍において副アーム40と干渉する(図12参照)。しかし、本実施形態では、図14に示すように、アーム挿通スリット13は調節ネジ65の中心軸線65xが通る箇所が幅広部13xとなっているため、副アーム40の横から幅広部13xに六角棒レンチ100を差し込んで、調節ネジ65の頭部65aを回すことができる。このように、扉5が開き位置にあるため、扉5をコイルバネ51に抗して押さえておく必要がなく、バネ力調節作業を楽に行なうことができる。
上記実施形態では、主アームと副アームの2本のアームを用いたが、1本のアームだけを用いてもよい。以下、簡単に具体例を説明する。
例えば、アームの基端部が開口枠に回動可能に連結され、アームの先端部にスライダがアームの長手方向にスライド可能に設けられ、このスライダが扉に回動可能に連結されていてもよい。この場合、扉の開閉軌跡を決定するための規制手段として、開口枠と扉を連結するヒンジが用いられる。
または、アームの基端部が開口枠に回動可能に連結され、先端部が扉に回動可能に連結され、扉の開閉軌跡を決定するための規制手段が、開口枠にその奥行方向に延びるリニアガイドと、扉に設けられリニアガイドに沿ってスライドするスライダであってもよい。この場合スライダは、リニアガイドに対して回動可能としてもよいし、扉に対して回動可能としてもよい。
または、アームの基端部が開口枠に回動可能に連結され、先端部が扉に回動可能に連結され、扉の開閉軌跡を決定するための規制手段が、扉にスライド可能に支持されたスライダと、このスライダを開口枠に回動可能に連結するヒンジであってもよい。
付勢手段のバネは、圧縮コイルバネでもよいし、ガススプリングであってもよい。
扉は左右方向に移動して開口を開閉するようにしてもよい。
3 開口
5 扉
6,6A 扉開閉装置
10 ケーシング
12 工具差込スリット
13 アーム挿通スリット
13x 幅広部
30 主アーム
40 副アーム
50 付勢手段
51 引張コイルバネ(バネ)
52 奥側のバネホルダ
53 開口側のバネホルダ
60 バネ力調節機構
61 第1リンク
62 第2リンク
65 調節ネジ(調節部材)
65a 頭部(操作部)
65x 中心軸線
100 六角棒レンチ(工具)
L1 回動軸線(第1回動軸線)
L2 回動軸線(第2回動軸線)
L3 回動軸線(第3回動軸線)
L4 回動軸線(第4動軸線)
L5 回動軸線(他の回動軸線)
Claims (4)
- 開口枠に対して扉を開閉する装置であって、
基端部が回動軸線を中心にして上記開口枠に回動可能に連結され、先端部が上記扉に連結され、上記扉の開閉に伴い上記回動軸線を中心に回動するアームと、
上記アームが特定角度から上記扉の閉じ位置に対応する角度までの第1角度範囲にある時には、上記アームに閉じ方向のトルクを付与し、上記アームが上記特定角度から上記扉の開き位置に対応する角度までの第2角度範囲にある時には、上記アームに開き方向のトルクを付与する付勢手段と、
を備え、
上記付勢手段は、一端が上記開口枠に連結されるバネと、上記アームの基端部と上記バネの他端との間に介在されたバネ力調節機構と、を含み、
上記バネ力調節機構が、
ア)上記アームの基端部に、上記回動軸線から離れ上記回動軸線と平行をなす他の回動軸線を中心に回動可能に連結された第1リンクと、
イ)上記バネの上記他端を支持し、上記第1リンクに位置調節可能に連結された第2リンクと、
ウ)上記第1リンクと上記第2リンクとの間に設けられ、上記第2リンクを位置調節することにより上記バネの長さを調節する調節部材と、
を有し、
上記調節部材の操作部が上記第1リンクに配置され、
上記バネが上記開口枠の奥行方向に直線的に延び、上記第2リンクが上記開口枠の奥行方向に位置調節されるようになっており、上記調節部材の上記操作部が上記開口枠の開口側を向いており、
上記調節部材が、上記第2リンクの位置調節方向に延びて上記第2リンクに螺合される調節ネジからなり、上記調節ネジの頭部が工具と係合可能な上記操作部として提供され、
上記第2リンクが上記第1リンクに、上記調節ネジを中心とする回動を禁じられた状態で上記開口枠の奥行方向にスライド可能に支持されていることを特徴とする扉開閉装置。 - 開口枠に対して扉を開閉する装置であって、
基端部が回動軸線を中心にして上記開口枠に回動可能に連結され、先端部が上記扉に連結され、上記扉の開閉に伴い上記回動軸線を中心に回動するアームと、
上記アームが特定角度から上記扉の閉じ位置に対応する角度までの第1角度範囲にある時には、上記アームに閉じ方向のトルクを付与し、上記アームが上記特定角度から上記扉の開き位置に対応する角度までの第2角度範囲にある時には、上記アームに開き方向のトルクを付与する付勢手段と、
を備え、
上記付勢手段は、一端が上記開口枠に連結されるバネと、上記アームの基端部と上記バネの他端との間に介在されたバネ力調節機構と、を含み、
上記バネ力調節機構が、
ア)上記アームの基端部に、上記回動軸線から離れ上記回動軸線と平行をなす他の回動軸線を中心に回動可能に連結された第1リンクと、
イ)上記バネの上記他端を支持し、上記第1リンクに位置調節可能に連結された第2リンクと、
ウ)上記第1リンクと上記第2リンクとの間に設けられ、上記第2リンクを位置調節することにより上記バネの長さを調節する調節部材と、
を有し、
上記調節部材の操作部が上記第1リンクに配置され、
上記バネが上記開口枠の奥行方向に直線的に延び、上記第2リンクが上記開口枠の奥行方向に位置調節されるようになっており、上記調節部材の上記操作部が上記開口枠の開口側を向いており、
上記第1リンクは、上記第2リンクの位置調節方向と直交する支持面を有し、上記支持面に上記調節部材の上記操作部が支持されており、
上記第2リンクの位置調節方向が上記バネの延び方向に対して傾斜し、上記支持面が傾斜した状態で上記開口側を向いていることを特徴とする扉開閉装置。 - 開口枠に対して扉を開閉する装置であって、
基端部が回動軸線を中心にして上記開口枠に回動可能に連結され、先端部が上記扉に連結され、上記扉の開閉に伴い上記回動軸線を中心に回動するアームと、
上記アームが特定角度から上記扉の閉じ位置に対応する角度までの第1角度範囲にある時には、上記アームに閉じ方向のトルクを付与し、上記アームが上記特定角度から上記扉の開き位置に対応する角度までの第2角度範囲にある時には、上記アームに開き方向のトルクを付与する付勢手段と、
を備え、
上記付勢手段は、一端が上記開口枠に連結されるバネと、上記アームの基端部と上記バネの他端との間に介在されたバネ力調節機構と、を含み、
上記バネ力調節機構が、
ア)上記アームの基端部に、上記回動軸線から離れ上記回動軸線と平行をなす他の回動軸線を中心に回動可能に連結された第1リンクと、
イ)上記バネの上記他端を支持し、上記第1リンクに位置調節可能に連結された第2リンクと、
ウ)上記第1リンクと上記第2リンクとの間に設けられ、上記第2リンクを位置調節することにより上記バネの長さを調節する調節部材と、
を有し、
上記調節部材の操作部が上記第1リンクに配置され、
上記バネが上記開口枠の奥行方向に直線的に延び、上記第2リンクが上記開口枠の奥行方向に位置調節されるようになっており、上記調節部材の上記操作部が上記開口枠の開口側を向いており、
上記付勢手段はさらに、上記バネの一端が上記開口枠に固定される奥側のバネホルダと、上記開口枠に固定されない開口側のバネホルダとを備え、これら奥側のバネホルダと開口側のバネホルダとの間に上記バネが複数配置され、
上記開口側のバネホルダと上記第2リンクとが相対回動可能に連結されていることを特徴とする扉開閉装置。 - 開口枠に対して扉を開閉する装置であって、
基端部が回動軸線を中心にして上記開口枠に回動可能に連結され、先端部が上記扉に連結され、上記扉の開閉に伴い上記回動軸線を中心に回動するアームと、
上記アームが特定角度から上記扉の閉じ位置に対応する角度までの第1角度範囲にある時には、上記アームに閉じ方向のトルクを付与し、上記アームが上記特定角度から上記扉の開き位置に対応する角度までの第2角度範囲にある時には、上記アームに開き方向のトルクを付与する付勢手段と、
を備え、
上記付勢手段は、一端が上記開口枠に連結されるバネと、上記アームの基端部と上記バネの他端との間に介在されたバネ力調節機構と、を含み、
上記バネ力調節機構が、
ア)上記アームの基端部に、上記回動軸線から離れ上記回動軸線と平行をなす他の回動軸線を中心に回動可能に連結された第1リンクと、
イ)上記バネの上記他端を支持し、上記第1リンクに位置調節可能に連結された第2リンクと、
ウ)上記第1リンクと上記第2リンクとの間に設けられ、上記第2リンクを位置調節することにより上記バネの長さを調節する調節部材と、
を有し、
上記調節部材の操作部が上記第1リンクに配置され、
上記バネが上記開口枠の奥行方向に直線的に延び、上記第2リンクが上記開口枠の奥行方向に位置調節されるようになっており、上記調節部材の上記操作部が上記開口枠の開口側を向いており、
上記調節部材が、上記第2リンクの位置調節方向に延びて上記第2リンクに螺合される調節ネジからなり、上記調節ネジの頭部が工具と係合可能な上記操作部として提供され、
さらに上記開口枠の内面に固定される扁平なケーシングを備え、上記ケーシングに上記付勢手段と上記アームの基端部が収容され、上記バネの一端が上記ケーシングに連結され、上記アームの基端部が回動可能にケーシングに連結され、上記ケーシングの上記開口側には、上記アームを通すアーム挿通スリットが形成され、このアーム挿通スリットは上記扉の閉じ位置から開き位置までの移動に対応する回動角度範囲のアームの回動を許容する長さを有しており、
上記アームが上記回動角度範囲内の所定角度または所定角度範囲にある時に、上記調節ネジの中心軸線が上記アーム挿通スリットを通るようになっており、上記調節ネジの頭部に係合する工具を、上記アーム挿通スリットから差し込み可能であることを特徴とする扉開閉装置。
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