JP7349097B1 - 二酸化炭素排出量の算定方法及び算定装置並びにコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な計測機器を用意するなど、追加の負担を排出事業者や収集運搬事業者に負わせることなく、排出事業者の責任に係る産業廃棄物の輸送に係る二酸化炭素排出量を算定すること。【解決手段】コンピュータが、電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当て、前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得し、前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出し、複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出する、二酸化炭素排出量の算定方法。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 令和4年5月24日にウェブサイト(https://www.e-reverse.com/info/20220524_e-reverse/)にて、「産廃CO▲2▼サービス」を令和4年6月1日より実施することを告知 令和4年5月25日~令和4年5月27日の幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬二丁目1)にて開催の展示会「第4回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」
本発明は、二酸化炭素排出量の算定方法及び算定装置並びにコンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、建設工事の杭工事、山留工事、土工事、躯体工事及び仮設工事の工事毎の二酸化炭素の排出量と工事全体の二酸化炭素を予測する排出量予測装置が記載されている。
特許文献2には、産業廃棄物の種類ごとにあらかじめ設定された単位重量当たりの二酸化炭素排出量を基に、廃棄物の種類及びその排出重量の情報に対して、廃棄物の処理自体に係る二酸化炭素排出量を算出する廃棄物処理管理システムが記載されている。
特許文献3には、荷主の荷物を運搬する車両が排出する排出物の排出量を管理する排出量按分プログラムであって、車両の走行区間ごとの荷主の積み荷重量の割合に応じて、車両が排出する排出物の排出量を各荷主に案分するものが記載されている。
特許第5485827号公報 特許第4664437号公報 特許第4616710号公報
近年、事業活動に起因する環境負荷の管理や情報管理が重要視されており、事業活動による二酸化炭素の排出量を把握する要求が高まっている。しかしながら、事業活動により生じるいわゆる産業廃棄物については、一般に、排出事業者とその収集運搬事業者は互いに異なることが通例であり、収集運搬事業者責任で行われる産業廃棄物の輸送については、その走行距離又は走行時間の実測値など、必要な情報を排出事業者が管理把握することは難しい。そのため、排出事業者は、自らの責任に帰する産業廃棄物の輸送に係る二酸化炭素量を簡便に知ることができないのが現状である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別な計測機器を用意するなど、追加の負担を排出事業者や収集運搬事業者に負わせることなく、排出事業者の責任に係る産業廃棄物の輸送に係る二酸化炭素排出量を算定することである。
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下のとおりである。
(1)コンピュータが、電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当て、前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得し、前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出し、複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出し、前記電子マニフェストに含まれる、廃棄物の排出日時情報、廃棄物種別情報、収集運搬事業者情報、輸送車両情報、及び、ドライバー情報の少なくともいずれかを抽出し、一の輸送と、他の輸送について、前記排出日時情報、前記出発地情報、及び、前記到着地情報が同一であり、かつ、前記収集運搬事業者情報、前記輸送車両情報、及び、前記ドライバー情報の少なくともいずれかが同一である場合に、前記一の輸送と前記他の輸送は同一の輸送として集約する、二酸化炭素排出量の算定方法。
(2)(1)において、前記電子マニフェストが一次マニフェストであるか二次マニフェストであるかに関わらず、一の前記電子マニフェストに対して一の輸送を割り当てる、二酸化炭素排出量の算定方法。
)()において、さらに、前記一の輸送と前記他の輸送について、前記廃棄物種別情報が同一である場合には、当該一の輸送と当該他の輸送は異なる輸送として集約しない、二酸化炭素排出量の算定方法。
)(1)において、さらに、電子マニフェストに含まれる、輸送車両情報を抽出し、前記輸送車両情報に基づいて、廃棄物輸送に係る輸送車両の車種を特定し、前記走行距離又は走行時間、及び特定された前記車種に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出する、二酸化炭素排出量の算定方法。
)(1)において、さらに、電子マニフェストに含まれる、廃棄物種別情報、及び、排出量情報を抽出し、廃棄物輸送に係る輸送車両の車種が不明である場合に、前記廃棄物種別情報、及び、前記排出量情報に基づいて、前記車種を推定し、前記走行距離又は走行時間、及び、推定された前記車種に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出する、二酸化炭素排出量の算定方法。
)()において、前記車種の推定は、前記廃棄物種別情報、及び、前記排出量情報に基づいて積載量の区分を決定し、前記区分において利用頻度の最も高い車種を選択することによりなされる、二酸化炭素排出量の算定方法。
)電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当てる、割り当て部と、前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得する走行距離又は走行時間取得部と、前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出するとともに、複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出する二酸化炭素排出量算出・集計部と、前記電子マニフェストに含まれる、廃棄物の排出日時情報、廃棄物種別情報、収集運搬事業者情報、輸送車両情報、及び、ドライバー情報の少なくともいずれかを抽出し、一の輸送と、他の輸送について、前記排出日時情報、前記出発地情報、及び、前記到着地情報が同一であり、かつ、前記収集運搬事業者情報、前記輸送車両情報、及び、前記ドライバー情報の少なくともいずれかが同一である場合に、前記一の輸送と前記他の輸送は同一の輸送として集約する、集約部と、を有する二酸化炭素排出量の算定装置。
)コンピュータを、電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当てる、割り当て部と、前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得する走行距離又は走行時間取得部と、前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出するとともに、複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出する二酸化炭素排出量算出・集計部と、前記電子マニフェストに含まれる、廃棄物の排出日時情報、廃棄物種別情報、収集運搬事業者情報、輸送車両情報、及び、ドライバー情報の少なくともいずれかを抽出し、一の輸送と、他の輸送について、前記排出日時情報、前記出発地情報、及び、前記到着地情報が同一であり、かつ、前記収集運搬事業者情報、前記輸送車両情報、及び、前記ドライバー情報の少なくともいずれかが同一である場合に、前記一の輸送と前記他の輸送は同一の輸送として集約する、集約部と、を有する二酸化炭素排出量の算定装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
本発明の好適な実施形態に係る二酸化炭素排出量の算定装置を含むコンピュータシステム全体像を示す概略図である。 一般的なコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。 二酸化炭素量算定サーバが仮想的に実現する各機能を示す機能ブロック図である。 廃棄物の出発地となる排出場所から、その到着地となる廃棄物の処分場へと廃棄物が運搬された際に発行される電子マニフェストに基づいて、当該電子マニフェストの抽出されたレコードに含まれる情報が、輸送に割り当てられた状態を模式的に示す図である。 走行距離又は走行時間取得部がWSPより取得する走行距離又は走行時間の概要を説明する図である。 図4に示した輸送に、走行距離又は走行時間取得部により取得された走行距離と、二酸化炭素排出量算出・集計部により算出された二酸化炭素排出量(CO排出量)が登録された状態を模式的に示す図である。 登録された車両とその車種との対応関係、並びに、車種とその時間当たり燃料消費量又は燃費との対応関係の例を示す図である。 A現場を排出地として、M積替保管施設を経由し、処分地であるZ処分場へと廃棄物が運搬される際に発行される電子マニフェストに基づいて、輸送が輸送管理DBに登録された状態を模式的に示す図である。 図8に示された輸送が集約部により集約された状態を模式的に示す図である。 排出物の種類及び排出量と、推定される輸送車両の車種との対応関係の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る二酸化炭素量算定サーバで実行される二酸化炭素排出量の算定方法のフロー図である。 本発明の実施形態に係る二酸化炭素量算定サーバで実行される二酸化炭素排出量の算定方法のフロー図である。 本発明の別の実施形態に係る二酸化炭素量算定サーバで実行される二酸化炭素排出量の算定方法のフロー図である。
図1は、本発明の好適な実施形態に係る二酸化炭素排出量の算定装置を含むコンピュータシステム全体像を示す概略図である。同図には、電子マニフェストシステム(JWNET(登録商標))の運用のため、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが管理運用するサーバコンピュータである電子マニフェスト管理サーバ1、産業廃棄物処理に係る電子マニフェスト制度の運用支援をクラウドサービスとして提供するサーバコンピュータである運用支援サーバ2、産業廃棄物の輸送に係る二酸化炭素排出量の算定を同じくクラウドサービスとして提供するサーバコンピュータである二酸化炭素量算定サーバ3、産業廃棄物の排出事業者の事務所や排出現場(例えば土木建設工事の工事現場)に設置されたコンピュータ端末である排出事業者端末4、収集運搬事業者の作業員、例えば、運搬トラックの運転手が保有する携帯型のコンピュータ端末である収集運搬事業者端末5、及び、処分業者の処分場に設置されたコンピュータ端末である処分業者端末6が、インターネット等の公衆電気通信回線7を介して互いに情報通信可能に接続されている様子が示されている。また、公衆電気通信回線7には、同回線を通じて各種のサービスを提供するいわゆるWSP(Web Service Provider)8が接続されており、無償有償を問わず、種々のサービスが利用可能である。
ここで、排出事業者端末4及び処分業者端末6が設置型端末であるか携帯型端末であるか、また、各端末が有線無線を含むどのような通信回線により公衆電気通信回線7に接続されるかは任意であり、これを限定するものではない。また、排出事業者端末4、収集運搬事業者端末5、及び、処分業者端末6の数や種類には限定はなく、また、本コンピュータシステムを利用する排出事業者、収集運搬事業者及び処分業者が複数存在してよく、適宜のアクセス制限や権限のもと、コンピュータシステムを共用してよい。
さらに、運用支援サーバ2及び二酸化炭素量算定サーバ3は図示されているように必ずしも1個の独立した物理的なサーバコンピュータである必要はなく、クラウドサーバの形式で仮想的に実現されることができ、複数のコンピュータに分散して実現されたり、同じコンピュータ上に運用支援サーバ2及び二酸化炭素量算定サーバ3としての機能が同時に実装されたりしてもよい。その場合、運用支援サーバ2が二酸化炭素量算定サーバ3を兼ねることができる。
運用支援サーバ2、二酸化炭素量算定サーバ3、排出事業者端末4、収集運搬事業者端末5、及び、処分業者端末6は、機器の性能や容量に差異こそあれ、一般的なアーキテクチャのコンピュータ9を用いて実現してよい。図2はそのような一般的なコンピュータ9のハードウェア構成を示すブロック図である。
コンピュータ9は、CPU(Central Processing Unit)9a、RAM(Random Access Memory)9b、静的記憶装置9c、GC(Graphics Controller)9d、入力デバイス9e及びI/O(Inpur/Output)9fがデータバス9gにより相互に電気信号のやり取りができるよう接続されている。ここで、静的記憶装置9cはHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、磁気テープ等の静的に情報を記録できる装置である。またGC9dからの信号はフラットパネルディスプレイ等の、使用者が視覚的に画像を認識するモニタ9hに出力され、画像として表示される。入力デバイス9eはキーボードやマウス、タッチパネル等の、コンピュータ9の使用者が情報を入力するための機器であり、I/O9fはコンピュータ9が外部機器や、公衆電気通信回線7を通じて外部のコンピュータと情報をやり取りするためのインタフェースであり、有線及び/又は無線ネットワークアダプタを含むものであってよい。
コンピュータ9が、運用支援サーバ2、二酸化炭素量算定サーバ3、排出事業者端末4、収集運搬事業者端末5、及び、処分業者端末6として機能するためのプログラムは、例えば、DVD-ROMのような任意のコンピュータ読み取り可能情報記録媒体に記録され、又はインターネット等の公衆電気通信回線7を通じて提供され、静的記憶装置9cに記憶された後、適宜その実行に必要な部分がRAM9bに読みだされてCPU9aにより実行される。あるいは、そのようなプログラムの一部または全部は、クラウドコンピューティングの形式で、I/O9fを通じて、その機能がコンピュータ9上で実行される、ブラウザ等の汎用のアプリケーションを通じて提供されてもよい。
図1に示したコンピュータシステムにおいて、電子マニフェストを発行し、電子マニフェスト管理サーバ1に登録する流れはおおむね次のようなものである。すなわち、まず、排出された産業廃棄物の情報及び、その処分経路の情報が、排出事業者の排出現場において、排出事業者端末4又は収集運搬事業者端末5により入力され、新たな電子マニフェストが運用支援サーバ2上に電子情報として新規に作成され登録される。そして、収集運搬事業者は収集した廃棄物を処分業者の処分場に運搬し、その事実(運搬終了日等)を収集運搬事業者端末5により入力し、運用支援サーバ2上の電子マニフェストにかかる情報が追記される。さらに、処分業者は、運搬された廃棄物を処分し、その事実(処分終了日等)を処分業者端末6により入力し、同様に運用支援サーバ2上の電子マニフェストにかかる情報が追記される。なお、ここでの処分が中間処分である場合には、処分事業者が新たに排出事業者として、必要な情報を入力し、さらなる電子マニフェスト(二次マニフェスト)が運用支援サーバ2上に作成され、先の電子マニフェスト(一次マニフェスト)と紐づけられ登録される。二次マニフェストについても、一時マニフェスト同様に、その廃棄物についての収集運搬事業者・処分業者がそれぞれの端末を用いて必要な情報を入力することにより、運用支援サーバ2上の電子マニフェストに必要な情報が追記される。
運用支援サーバ2は、電子マニフェスト管理サーバ1に電子マニフェストを登録するにあたって必要な情報が収集されれば、かかる情報を電子マニフェスト管理サーバ1に送信し、電子マニフェスト管理サーバ1上での電子マニフェストとして登録する。運用支援サーバ2は、電子マニフェストを利用する上で必ずしも必要不可欠なものではないが、電子マニフェスト管理サーバ1に登録すべき情報において、毎回入力が必要となる重複した情報(事業者に関する情報など)の都度の入力を不要としたり、登録される情報が事前の事業者間の契約事項に照らし適正であるか、また、入力内容に不備がないかなどのチェックをしたりするなどの入力支援、収集運搬事業者による排出事業者に対する代行入力の実現、産業廃棄物の数量や処分費用などの集計や統計作成などの管理機能を提供するものであり、電子マニフェストを効率よく運用するために広く利用されているものである。
図3は、二酸化炭素量算定サーバ3が仮想的に実現する各機能を示す機能ブロック図である。同図に示される各機能は、二酸化炭素量算定サーバを構成するコンピュータ9のCPU9aが所定のプログラムを実行し、あるいは、RAM9b又は静的記憶装置9cに所定の記憶領域を割り当てることにより実現されるものであってよい。二酸化炭素量算定サーバ3は、図示されているように、割り当て部30、走行距離又は走行時間取得部31、集約部32、二酸化炭素排出量算出・集計部33及び輸送管理DB34を備えている。
割り当て部30は、電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の出発地情報、到着地情報、及び輸送車両情報を抽出し、一単位の輸送に割り当てる。すなわち、二酸化炭素量算定サーバ3は、電子マニフェスト管理サーバ1又は運用支援サーバ2から電子マニフェストのレコードを情報通信を通じて読み込み、本明細書において、「輸送」と称する情報処理単位に割り当て、以降は、この「輸送」単位での情報管理を可能とする。
ここでいう輸送には、少なくとも、電子マニフェストの1レコードに対応する出発地、すなわち、廃棄物の排出場所を示す出発地情報、及び、到着地、すなわち、廃棄物の処分場或いは中間集積所の場所を示す到着地情報が含まれる。また、それ以外にも、廃棄物の排出日時を示す排出日時情報、廃棄物の種別を示す廃棄物種別情報、廃棄物の排出量を示す排出量情報、排出事業者を示す排出事業者情報、収集運搬事業者を示す収集運搬事業者情報、輸送車両を示す輸送車両情報、そして、当該輸送車両を運転する担当ドライバーを示すドライバー情報が電子マニフェストから抽出され、輸送に含まれるようになされてよい。
また、電子マニフェストには、紙マニフェスト同様に、一次マニフェスト及び二次マニフェストの区別があり、互いに紐づけられているが、割り当て部30は、電子マニフェストが一次マニフェストであるか二次マニフェストであるかに関わらず、一の電子マニフェストに対して一の輸送を割り当てる。なお、輸送に割り当てられる電子マニフェストが二次マニフェストである場合には、そのことが判別できる情報(二次マニフェスト判別情報)が輸送に含まれるものであってよい。さらに、原本が紙マニフェストであるマニフェスト情報が、後から電子的に運用支援サーバ2に入力され登録されたものである場合には、そのことが判別できる情報(紙マニフェスト判別情報)が輸送に含まれるものであってよい。紙マニフェストの運用支援サーバ2への登録は、例えば、排出事業者が、随時、又は月毎或いは年毎等の所定の時期に、控えとして送付された紙マニフェストのA票、B2票、D票、E票の記載事項を基に行う。
図4は、廃棄物の出発地となる排出場所から、その到着地となる廃棄物の処分場へと廃棄物が運搬された際に発行される電子マニフェストに基づいて、当該電子マニフェストの抽出されたレコードに含まれる情報が、輸送に割り当てられた状態を模式的に示す図である。図中、符号90a及び90bは、それぞれ一単位の輸送を示しており、輸送管理DB34にレコードとして記録される。輸送管理DB34の形式は特に限定されないが、本実施形態ではリレーショナルデータベースとして構成されている。しかしながら、輸送管理DB34の形式はカード型やその他のものであってもよい。
割り当て部30は、電子マニフェスト管理サーバ1又は運用支援サーバ2から、新規に登録された電子マニフェストを読み出し、輸送管理DB34上に輸送の新規のレコードを作成し、必要な情報を割り当てる。図4に沿って具体的に説明すると、A現場から排出された廃棄物がX処分場に運搬された際に作成され登録された、番号00001の電子マニフェストに基づいて、輸送90aに必要な情報を割り当てる。輸送90aに含まれるフィールドのうち、太枠内に示したものが、抽出された電子マニフェストに含まれる情報が割り当てられたものである。
本実施形態では、電子マニフェストからは、電子マニフェストの番号、排出日時情報である排出日時、出発地情報である出発地、到着地情報である到着地、廃棄物種別情報である種別、排出量情報である排出量、ドライバー情報であるドライバー、及び、輸送車両情報である車両の情報が輸送に割り当てられる。また、抽出された電子マニフェストが一次マニフェストであるため、二次のフィールドは空欄である(又は非該当であることを示す情報が書き込まれる)。また、この電子マニフェストは、電子端末(排出事業者端末4、収集運搬事業者端末5又は処分業者端末6)を用いて直接運用支援サーバ2又は電子マニフェスト管理サーバ1に電子的に登録されたものであり、紙マニフェストを原本として発行されたものを再入力したものではないので、紙のフィールドは空欄である(又は非該当であることを示す情報が書き込まれる)。輸送のうち、走行距離又は走行時間及びCO排出量のフィールドには情報はまだ登録されていない。
同様に、割り当て部30は、A現場から排出された廃棄物がY処分場に運搬された際に作成され登録された、番号00002の電子マニフェストに対しても、輸送90bを作成し、必要な情報を割り当てる。
割り当て部30が電子マニフェストを読み出すタイミングは、任意であるが、重複や漏れが生じないよう、所定の一定の基準に従ってなされることが望ましい。例えば、1日1回所定の時間に新規登録された電子マニフェストをまとめて読み出したり、運用管理サーバ2において、登録された電子マニフェストに対し、運搬終了報告がなされたタイミングで読み出したりするなどである。本実施形態に係る二酸化炭素量算定サーバ3では、毎日午前0時のタイミングで、運搬終了報告がなされた新規の電子マニフェストを、運用管理サーバ2から読み出すようになされている。
続いて、走行距離又は走行時間取得部31は、新たに作成され登録された輸送について、輸送車両の走行距離又は走行時間を取得する。この走行距離又は走行時間の取得は、輸送に含まれる出発地情報及び到着地情報を用い、WSP8から、地図情報から得られる実際の走行経路に基づいて走行距離又は走行時間を得ることによりなされる。すなわち、ここでのWSP8は、地図情報に基づいて、出発地と目的地を与えることにより、両地点間を結ぶ道路上の走行経路及び、走行距離又は走行時間を返すサービスを提供するものであり、例えば、走行距離又は走行時間取得部31が、公衆電気通信回線7を介して適切なAPI(Application Programmable Interface)を実行することにより実現できる。
図5は、走行距離又は走行時間取得部31がWSP8より取得する走行距離又は走行時間の概要を説明する図である。走行距離又は走行時間取得部31は、まだ走行距離又は走行時間が得られていない輸送90aに対し、その出発地情報と到着地情報をWSP8へと送信する。WSP8は、地図情報を有しており、図5に示されるように、地図上で、出発地であるA現場と到着地であるX処分場を結ぶ合理的な走行経路92aを求め、その走行距離又は走行時間を、走行距離又は走行時間取得部31へと返す。輸送90bについても同様に、走行経路92bが求められ、その走行距離又は走行時間が、走行距離又は走行時間取得部31へと返される。
なお、走行距離又は走行時間取得部31は、出発地情報と到着地情報を同じくする複数の輸送に対して、必ずしも、毎回、WSP8にアクセスして走行距離又は走行時間を求める必要はない。なぜなら、出発地情報と到着地情報が同じであれば、通常は、両者間の走行距離又は走行時間は同一であるためである。従って、走行距離又は走行時間取得部31は、新規な出発地情報と到着地情報の組についてのみWSP8にアクセスして走行距離又は走行時間を求め、得られた走行距離又は走行時間はバッファに記憶しておいて、出発地情報と到着地情報が等しい輸送に対しては、バッファに記憶された走行距離又は走行時間を与えるようにしてよい。
さらに、出発地と到着地を同じくする場合であっても、工事などによる道路事情の変更により、時間の経過に伴ってその走行経路及び走行距離又は走行時間が変化する場合があることを考慮し、バッファに記憶された走行距離又は走行時間に有効期限、例えば1月、を設けておき、有効期限を徒過した出発地情報と到着地情報の組に対しては、再度WSP8にアクセスして走行距離又は走行時間を求めるようにしてよい。
なお、走行距離又は走行時間取得部31は、一単位の輸送に対して、走行距離及び走行時間のいずれか一方のみを求めるものとしてもよいし、その両方を求めるものとしてもよい。走行距離及び走行時間のいずれを求めるかは、次に説明する二酸化炭素排出量算出・集計部33において用いられる二酸化炭素排出量の算出方法として、いずれの方法を用いて行うかにより決定してよく、また、ユーザの求めに応じてこれを選択できるようにしてもよい。
図6は、図4に示した輸送90a及び90bに、走行距離又は走行時間取得部31により取得された走行距離と、二酸化炭素排出量算出・集計部33により算出された二酸化炭素排出量(CO排出量)が登録された状態を模式的に示す図である。同図(a)は、輸送90a及び90bに、走行距離又は走行時間取得部31により求められた走行距離が登録された状態を示しており、輸送90a及び90bはこの状態で輸送管理DB34に記憶される。
そして、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、まだ二酸化炭素排出量が得られていない輸送について、輸送車両の走行距離又は走行時間に基づいて、当該一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出する。二酸化炭素排出量算出・集計部33による各輸送に係る二酸化炭素排出量の算出のタイミングは任意であり、輸送が輸送管理DB34に記憶される時点で個別になされてもよいし、特定のあらかじめ定められた時点、例えば、後述する集計の時点において、まだ二酸化炭素排出量が得られていない複数の輸送についてまとめてなされてもよい。本実施形態では、二酸化炭素排出量算出・集計部33による各輸送に係る二酸化炭素排出量の算出のタイミングは、集計の時点でまとめて行っている。また、このとき、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、輸送に含まれる輸送車両情報に基づいて、廃棄物輸送に係る輸送車両の車種を特定し、走行距離又は走行時間に加え、特定された車種に基づいて二酸化炭素排出量を算出することが望ましい。
具体的には、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、いわゆる燃料法、燃費法、改良トンキロ法及び従来トンキロ法、あるいは、その他の方法を用いて二酸化炭素排出量を算出する。図7は、二酸化炭素排出量算出・集計部33が、燃費法を用いる場合を説明する図である。二酸化炭素排出量算出・集計部33は、同図の(a)に示すように、登録された車両とその車種との対応関係、並びに、同図の(b)に示すように、車種とその燃費との対応関係をあらかじめ記憶しており、これら対応関係に基づいて、輸送車両情報から輸送車両の車種を特定し、さらにその燃費を特定する。すなわち、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、燃費法の場合には、輸送に係る走行距離と燃費から燃料消費量を求め、所定の係数を乗じることにより二酸化炭素排出量を算出する。所定の係数としては、本実施形態では、環境省や国交省が定める2.58kg/lを用いている。
二酸化炭素排出量算出・集計部33が燃料法を用いる場合には、排出事業者が、収集運搬事業者の運用に係る輸送車両の燃料消費量の実測値を得ることは難しいので、輸送車両の走行時間に、車種ごとに定められた所定の時間当たり燃料消費量を乗じることにより、燃料消費量を求め、燃費法の場合と同様に、所定の係数を乗じることにより二酸化炭素排出量を算出する。車種ごとに定められた所定の時間当たり燃料消費量は、燃費法について図7にて示したものと同様の対応関係を二酸化炭素排出量算出・集計部33に記憶させておくとよい。
二酸化炭素排出量算出・集計部33が改良トンキロ法を用いる場合には、輸送に含まれる排出量情報から、輸送車両の積載重量が得られるから、これにWSP8から得られる走行距離を乗じてトンキロを得、さらに、車種及び積載率毎に定まる燃料使用量の係数を乗じることによって、燃料消費量を求め、燃費法及び燃費法の場合と同様に、所定の係数を乗じることにより二酸化炭素排出量を算出する。車種及び積載率毎に定まる燃料使用量の係数は、燃費法について図7にて示したものと同様の対応関係を二酸化炭素排出量算出・集計部33に記憶させておくとよい。
二酸化炭素排出量算出・集計部33が従来トンキロ法を用いる場合には、改良トンキロ法と同様に、輸送に含まれる排出量情報とWSP8から得られる走行距離からトンキロを得、これに車種ごとに定まるCO排出原単位を乗じることにより、二酸化炭素排出量を算出する。車種ごとに定まるCO排出原単位は、燃費法について図7にて示したものと同様の対応関係を二酸化炭素排出量算出・集計部33に記憶させておくとよい。
このように、二酸化炭素排出量算出・集計部33によって二酸化炭素排出量が算出された輸送には、図6の(b)に示すように、輸送ごとの二酸化炭素排出量が記録され、輸送管理DB34に記憶される。
ところが、電子マニフェストの運用仕様上、同じ輸送車両に混載される種類の異なる廃棄物であっても、廃棄物毎に異なる電子マニフェストが発行される。このような場合には、現実には、同一の輸送車両による一度の運搬であるにもかかわらず、データ上では、2単位の異なる輸送が登録されることになり、運搬に係る二酸化炭素排出量が過大に計上されることとなってしまう。
そこで、本実施形態に係る二酸化炭素量算定サーバ3では、それぞれ別の電子マニフェストに係る輸送であって、同一の輸送車両による一度の運搬であると考えられるものを集約部32により集約するようにしている。
図8は、A現場を排出地として、M積替保管施設を経由し、処分地であるZ処分場へと廃棄物が運搬される際に発行される電子マニフェストに基づいて、輸送90c~90gが輸送管理DB34に登録された状態を模式的に示す図である。図中、A現場からM積替保管施設までの輸送経路に対しては一次マニフェストが、また、M積替保管施設からZ処分場までの輸送経路に対しては二次マニフェストが発行されている。輸送90f及び90gには、対応する電子マニフェストが二次マニフェストであることを示すチェックが二次のフィールドに付与されている。
ここで、A現場からM積替保管施設までの輸送経路に対応する輸送は90c~90eまでの三単位が登録されている。そして、この輸送90c~90eは、電子マニフェストから抽出した情報のうち、排出日時、出発地、到着地、ドライバー及び車両がいずれも共通しており、番号、種別及び排出量のみが異なっている。また、M積替保管施設からZ処分場までの輸送経路に対応する輸送は90f及び90gの二単位が登録されており、輸送90f及び90gについても、排出日時、出発地、到着地、ドライバー及び車両がいずれも共通しており、番号、種別及び排出量のみが異なっている。
この時、集約部32は、輸送管理DB34に登録された輸送から、排出日時、出発地、到着地、種別、ドライバー及び車両の情報を抽出し、一の輸送と、他の輸送について、排出日時、出発地、到着地が同一であるものを検索する。図8に示した例では、輸送90c~90eがこれらの情報が同一であり、また、輸送90f及び90gが同様にこれらの情報が同一である。
そして、集約部32は、上の情報が同一と判定された輸送について、ドライバー及び車両が共通のものは、廃棄物が混載されているものとして、これを集約する。すなわち、異なる複数単位の輸送を、一単位の輸送にまとめる。
ここで、本実施形態では、集約部32は、排出日時、出発地、到着地が同一で、かつ、ドライバー及び車両が共通の輸送であったとしても、種別が同一のものは集約しない。例えば、図8の輸送90cと90dは、種別が同じであるにもかかわらず二単位の輸送が登録されている、すなわち、二通の電子マニフェストが発行されているのであるから、これは混載ではなく、二回に分けて運搬しているものと考えられるためである。したがって、輸送90c~90eについては、輸送90dと90eのみが集約されることになる。
また、本実施形態では、集約部32は、二次マニフェストに対応する輸送は集約しない。これは、M積替保管施設からZ処分場への運搬のような、積替保管施設或いは中間処分場からの運搬は、基本的に同種の廃棄物をまとめてなされることが一般的であり、異なる種別の廃棄物を混載されることは現実的にあまり行われないためである。したがって、輸送90f及び90gは集約されない。
また、集約部32は、紙マニフェストを原本とする輸送についても、これを集約することはしない。すなわち、輸送のフィールドのうち、紙にチェックが入っているものについては、これに他の輸送を集約し、あるいは、これを他の輸送に集約はしない。紙マニフェストを原本とする廃棄物輸送の運用では、一般に、排出日時として、日付のみ記載され、時刻までは記載されないことが多く、2以上のマニフェストが有った場合に、これが混載輸送されたものか、別便として輸送されたものか判別が困難である場合が多いと考えられるためである。なお、本実施形態では、紙マニフェストを原本とする輸送には、その判別のため、紙のフィールドが設けられているが、上述したように紙マニフェストの運用においては、排出日時の時刻までは記載されないことが多いことに鑑みて、排出日時のフィールドに時刻の記載がないことをもって、紙マニフェストを原本とするものとみなすようにしてもよい。
図9は、図8に示された輸送90c~90gが集約部32により集約された状態を示す模式的に示す図である。輸送90d及び輸送90eが集約されて一単位の輸送90hとなり、運搬に係る二酸化炭素排出量が重複されて集計されることがなくなっている。
なお、本実施形態では、集約部32は、排出日時、出発地、及び、到着地が同一の輸送に対し、ドライバー及び車両が共通のものを集約しているが、ドライバー又は車両のいずれかが共通のものを集約するようにしてもよい。また、さらに電子マニフェストから、収集運搬事業者を示す情報である収集運搬事業者情報を抽出し、これが共通であるものを集約するようにしてもよい。すなわち、集約部32は、収集運搬事業者情報、ドライバー情報及び車両情報の少なくともいずれかが同一である場合に、排出日時情報、出発地情報、及び、到着地が同一の輸送を集約する。
また、上で述べた動作とは異なり、集約部32は、排出日時、出発地、到着地が同一で、かつ、ドライバー及び車両が共通であり、さらに、種別が同一の輸送を集約するようにしてもよい。また、二次マニフェストに対応する輸送や、紙マニフェストを原本とする輸送についても、一次マニフェストに対応する輸送と同様にこれらを集約するようにしてもよい。
さらに、上で説明した実施形態では、集約部32は、一旦輸送管理DB34に登録された個別の輸送を集約するものとして説明したが、これに替え、割り当て部30が電子マニフェストに対応する新規の輸送を割り当てようとする際に、既存の登録済みの輸送に対してこれを集約するようにしてもよい。すなわち、集約されるべき輸送を、それぞれ個別の輸送として輸送管理DB34に登録することなく、直接集約した状態で輸送管理DB34に登録してもよい。
図3に戻り、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、さらに、輸送管理DB34に登録され、集約のなされた、複数単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出する。具体的には、所定の期間、例えば、1月の期間内に排出された総二酸化炭素排出量を、当該期間中の排出日時情報を持つ輸送に記録された二酸化炭素排出量を合計することにより算出する。
この集計は、定期的に、例えば、毎月1日に前月分の総二酸化炭素排出量を集計してユーザに報告するようになされてもよく、又は、ユーザから集計期間を受け付けて、同期間中の総二酸化炭素排出量を報告するようにしても、あるいは、その両方であってもよい。
ところで、先の例では、輸送における車両情報が特定されており、輸送に係る輸送車両の車種が特定されていたため、当該輸送に係る二酸化炭素排出量を正確に算出することができた。しかしながら、収集運搬事業者が使用する輸送車両の情報を必ずしも排出事業者が把握できるとは限らず、そのような場合、電子マニフェストにかかる車両情報が不明、若しくは、当該車両に対応する車種が不明という場合が生じうる。
このような場合には、輸送車両の車種が特定できないため、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、使用された輸送車両の車種を推定する。図10は、二酸化炭素排出量算出・集計部33があらかじめ記憶している、排出物の種類及び排出量と、推定される輸送車両の車種との対応関係の例である。二酸化炭素排出量算出・集計部33は、輸送車両の車種が不明である場合に、図10に示したような対応関係を用いて車種を推定し、すでに説明した燃料法、燃費法、改良トンキロ法または従来トンキロ法、あるいは、その他の方法により、二酸化炭素排出量を算出する。
すなわち、二酸化炭素排出量算出・集計部33は、輸送に係る廃棄物の種別と、その排出量から、図10における積載量の区分を決定し、当該区分において、利用頻度が最も高いとしてあらかじめ定められている車種を選択することにより、輸送車両の車種を推定する。例えば、廃棄物の種別が「木くず」で、排出量が「4.5t」であれば、「8tユニック」が車種として選択される。
図11及び図12は、本実施形態に係る二酸化炭素量算定サーバ3で実行される二酸化炭素排出量の算定方法のフロー図である。二酸化炭素量算定サーバ3で実行される処理としては、処理の基準時、例えば、毎日午前0時に、まずステップST1にて、新規に運用支援サーバ2或いは電子マニフェスト管理サーバ1に登録があり、未だ輸送に割り当てがなされていない未割当の電子マニフェストが有るか否かを判別する。未割当の電子マニフェストが有れば続くステップST2へと進み、そうでなければステップST9へと進む。ステップST2では、割り当て部30により、電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の出発地情報、到着地情報、及び輸送車両情報を抽出し、一単位の輸送に割り当てる。続くステップST3では、走行距離又は走行時間取得部31により、新たに作成され登録された輸送について、輸送車両の走行距離又は走行時間を取得し、輸送管理DB34に記憶する。
続くステップST4~ST8は集約部32により実行され、まず、ステップST4にて、対象となっている輸送が紙マニフェストを原本とするものでないか否かを判別する。紙マニフェストを原本とするものでないならステップST5へと進み、排出日時情報、出発地情報、及び、到着地情報が同一で、かつ、収集運搬事業者情報、ドライバー情報及び車両情報の少なくともいずれかが同一である輸送が存在するかを判別する。これらが同一であるならステップST6へと進み、同一であると判別された輸送の廃棄物種別情報が異なるかを判別する。廃棄物種別情報が異なるなら、さらに、ステップST7へと進み、その輸送が二次マニフェストに係るものでなく、一次マニフェストにかかるものであるか否かを判別する。一次マニフェストであれば、ステップST8へと進み、複数単位の輸送を一単位の輸送として集約し、再びステップST1へと戻り、未割当の電子マニフェストが存在する限りは同様に繰り返す。ステップST4~ST7において否定の判別となった輸送については集約は行わず、ステップST1へと処理を戻す。
ステップST1にて、未割当の電子マニフェストが無いと判別されればステップST9と進み、所定の集計時点に達しているか、または集計の指示が有るかを判別する。所定の集計時点とは、定期的な集計のタイミングであり、例えば、毎月1日午前0時である。この場合、集計対象となる輸送は所定の期間内のものであり、例えば、前月分である。これ以外にも、週毎、四半期又は半期ごと、年毎の集計を行ってもよい。また、図1に示したコンピュータシステムを利用するユーザの指示により、任意のタイミングで、任意の指定された期間の集計を行ってもよく、かかる集計のタイミングに該当するか、ユーザの指示が有る場合には、二酸化炭素排出量の集計をするため、図12のステップST10へと処理を移す。そうでなければ、集計の必要はないため、終了する。
図12のステップST10~ST15は、二酸化炭素排出量算出・集計部33により実行される、各輸送の二酸化炭素排出量の算出と、所定の期間内の総二酸化炭素排出量の集計の処理である。まずステップST10にて、二酸化炭素排出量が未算出の輸送が輸送管理DBに記憶されているか否かを判別する。未算出の輸送があれば、この輸送を読み出し、二酸化炭素排出量を算出するため、ステップST11へと進む。一方、二酸化炭素排出量が未算出の輸送がもはやなければ、総二酸化炭素排出量の集計のため、ステップST15へと進む。なお、二酸化炭素排出量の算出の対象となる輸送は、集計の対象期間内のもののみとしてもよい。
ステップST11では、対象となる輸送について、輸送に係る車種が判明しているか、不明であるかを判別する。車種が判明している場合は、ステップST12にて、車両情報に基づいて車種を特定し、車種が不明である場合には、ステップST13にて、廃棄物種別情報及び排出量情報に基づいて車種を推定する。続くステップST14にて、走行距離又は走行時間、並びに、特定又は推定された車種に基づいて、輸送に係る二酸化炭素排出量を算出し、輸送管理DBに記録し、ステップST10へと処理を戻し、未算出の輸送がなくなるまで繰り返す。
ステップST10にて、未算出の輸送がないと判別されれば、ステップST15へと処理を進め、所定の、又は指定された集計期間における輸送について算出された二酸化炭素排出量を総計することにより、対象期間内の総二酸化炭素排出量を集計する。集計結果は、モニタ9hへの表示、所定の宛先への電子メール等による通知、輸送管理DBへの閲覧可能な記録、といった種々の方法によりユーザに通知されてよい。
ここで説明した実施形態においては、集約部32は、すでに輸送管理DB34に登録された輸送を集約するものとして説明した。しかしながら、これに替えて、すでに述べたように、集約されるべき輸送を、それぞれ個別の輸送として輸送管理DB34に登録することなく、直接集約した状態で輸送管理DB34に登録するようにしてもよい。図13は、二酸化炭素量算定サーバ3がかかる動作をする場合の別の実施形態に係る二酸化炭素排出量の算定方法のフロー図であり、先に説明した実施形態において図11にて示したフロー図を代替するものである。なお、先に説明した実施形態において図12にて示したフロー図は、共通のものであり変更はないため、別の実施形態についてもこれを援用するものとする。
図13に示したフローは、フローの順序及びその処理内容について、先に説明した実施形態のものから若干の変更が加えられている。変更のある工程については、対応する工程に付された番号に「’」を付してその相互の関連を示している。まずステップST1にて、新規に運用支援サーバ2或いは電子マニフェスト管理サーバ1に登録があり、未だ輸送に割り当てがなされていない未割当の電子マニフェストが有るか否かを判別する点については変更はない。
未割当の電子マニフェストが有ればステップST4’へと進む。ステップST5’~ST9’の処理内容は、先の実施形態についてステップST4~ST8にて説明した集約部32における処理と類似している。まずステップST4’にて、対象となっている電子マニフェストが紙マニフェストを原本とするものでないか否かを判別し、ステップST5’にて、排出日時情報等が同一であるマニフェストが存在するかを判別、さらにステップST6’にて、同一であると判別されたマニフェストの廃棄物種別情報が異なるかを判別し、最後にST7’にて、そのマニフェストが一次マニフェストであるかを判別する。これらステップST4’~ST8’においてもいずれも肯定と判別されたマニフェストは、続くステップST8’にて集約され、ステップST2’へと処理を進める。一方、ステップST4’~ST7’のいずれかにおいて否定の判別となったマニフェストは集約されることなく、ステップST2’へと処理を進める。
ステップST2’~ST3’は、先の実施形態についてステップST2~ST3にて説明した割り当て部30及び走行距離又は走行時間取得部31における処理と類似している。ステップST2’において、集約された電子マニフェストを一単位の輸送に割り当て、ステップST3’において、割り当てられた輸送に係る輸送車両の走行距離又は走行時間を取得し、輸送管理DB34に記憶する。
ステップST1にて、未割当の電子マニフェストが無いと判別されればステップST9と進み、所定の集計時点に達しているか、または集計の指示が有る場合に、図12に示したステップST12~15に示したフローへと処理を進め、各輸送についての二酸化炭素排出量を算出するとともに、該当期間内の総二酸化炭素量の集計をする点については、先の実施形態の場合と同様である。集計の必要がなければ、処理を終了すればよい。
なお、以上の説明において、実施形態として具体的に例示した構成、事例、数値は本発明の好適な実施形態を説明するための一例であり、同説明において具体的に示されたものに本発明を限定するものではなく、必要に応じて種々の変更または変形を加えて差し支えない。
1 電子マニフェスト管理サーバ、2 運用支援サーバ、3 二酸化炭素量算定サーバ、4 排出事業者端末、5 収集運搬事業者端末、6 処分業者端末、7 公衆電気通信回線、8 WSP、9 コンピュータ、9a CPU、9b RAM、9c 静的記憶装置、9d GC、9e 入力デバイス、9f I/O、9g データバス、30 割り当て部、31 走行距離又は走行時間取得部、32 集約部、33 二酸化炭素排出量算出・集計部、34 輸送管理DB、90a~h 輸送、91 地図、92a,92b 走行経路。

Claims (8)

  1. コンピュータが、
    電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当て、
    前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得し、
    前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出し、
    複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出し、
    前記電子マニフェストに含まれる、廃棄物の排出日時情報、廃棄物種別情報、収集運搬事業者情報、輸送車両情報、及び、ドライバー情報の少なくともいずれかを抽出し、
    一の輸送と、他の輸送について、前記排出日時情報、前記出発地情報、及び、前記到着地情報が同一であり、かつ、前記収集運搬事業者情報、前記輸送車両情報、及び、前記ドライバー情報の少なくともいずれかが同一である場合に、前記一の輸送と前記他の輸送は同一の輸送として集約する、
    二酸化炭素排出量の算定方法。
  2. 前記電子マニフェストが一次マニフェストであるか二次マニフェストであるかに関わらず、一の前記電子マニフェストに対して一の輸送を割り当てる、
    請求項1に記載の二酸化炭素排出量の算定方法。
  3. さらに、前記一の輸送と前記他の輸送について、前記廃棄物種別情報が同一である場合には、当該一の輸送と当該他の輸送は異なる輸送として集約しない、
    請求項に記載の二酸化炭素排出量の算定方法。
  4. さらに、電子マニフェストに含まれる、輸送車両情報を抽出し、
    前記輸送車両情報に基づいて、廃棄物輸送に係る輸送車両の車種を特定し、
    前記走行距離又は走行時間、及び特定された前記車種に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出する、
    請求項1に記載の二酸化炭素排出量の算定方法。
  5. さらに、電子マニフェストに含まれる、廃棄物種別情報、及び、排出量情報を抽出し、
    廃棄物輸送に係る輸送車両の車種が不明である場合に、前記廃棄物種別情報、及び、前記排出量情報に基づいて、前記車種を推定し、
    前記走行距離又は走行時間、及び、推定された前記車種に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出する、
    請求項1に記載の二酸化炭素排出量の算定方法。
  6. 前記車種の推定は、前記廃棄物種別情報、及び、前記排出量情報に基づいて積載量の区分を決定し、前記区分において利用頻度の最も高い車種を選択することによりなされる、
    請求項に記載の二酸化炭素排出量の算定方法。
  7. 電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当てる、割り当て部と、
    前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得する走行距離又は走行時間取得部と、
    前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出するとともに、複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出する二酸化炭素排出量算出・集計部と、
    前記電子マニフェストに含まれる、廃棄物の排出日時情報、廃棄物種別情報、収集運搬事業者情報、輸送車両情報、及び、ドライバー情報の少なくともいずれかを抽出し、一の輸送と、他の輸送について、前記排出日時情報、前記出発地情報、及び、前記到着地情報が同一であり、かつ、前記収集運搬事業者情報、前記輸送車両情報、及び、前記ドライバー情報の少なくともいずれかが同一である場合に、前記一の輸送と前記他の輸送は同一の輸送として集約する、集約部と、
    を有する二酸化炭素排出量の算定装置。
  8. コンピュータを、
    電子マニフェストに含まれる廃棄物輸送の少なくとも出発地情報、及び、到着地情報を抽出し、一単位の輸送に割り当てる、割り当て部と、
    前記出発地情報、前記到着地情報、及び、地図情報から得られる輸送車両の走行経路に基づいて、前記一単位の輸送に係る前記輸送車両の走行距離又は走行時間を取得する走行距離又は走行時間取得部と、
    前記走行距離又は走行時間に基づいて、前記一単位の輸送に係る二酸化炭素排出量を算出するとともに、複数単位の輸送に係る前記二酸化炭素排出量を集計して、総二酸化炭素排出量を算出する二酸化炭素排出量算出・集計部と、
    前記電子マニフェストに含まれる、廃棄物の排出日時情報、廃棄物種別情報、収集運搬事業者情報、輸送車両情報、及び、ドライバー情報の少なくともいずれかを抽出し、一の輸送と、他の輸送について、前記排出日時情報、前記出発地情報、及び、前記到着地情報が同一であり、かつ、前記収集運搬事業者情報、前記輸送車両情報、及び、前記ドライバー情報の少なくともいずれかが同一である場合に、前記一の輸送と前記他の輸送は同一の輸送として集約する、集約部と、
    を有する二酸化炭素排出量の算定装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
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