以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るコネクタを説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明のコネクタは、以下の実施形態に限定されない。なお、添付図面において、同様の機能を有する部分には、同一の符号が付されている。
図1Aおよび図1Bに示すように、本実施形態のコネクタ1は、ハウジング2と、ハウジング2に収容されたコンタクト3および付勢部材4(図1B参照)を備えている。
コネクタ1は、相手方コネクタC1と雌雄同型であり、相手方コネクタC1との嵌合によって、相手方コネクタC1と電気的に接続される。コネクタ1および相手方コネクタC1を備えた構造をコネクタ構造と呼ぶ。コネクタ1は、大電流または大電圧での通電を許容するハイパワー用コネクタであり、好適には、産業用蓄電池などとの電気的な接続のために用いられるが、これに限定されない。
なお、本明細書において、雌雄同型のコネクタとは、少なくとも嵌合する部位の大きさおよび形状が同じ他のコネクタに対して、向きを反転させて嵌合させることによって、他のコネクタと電気的に接続することが可能なコネクタをいう。たとえば、雌雄同型である嵌合する部位以外の部位に別部材が取り付けられることなどによって、嵌合する部位以外の部位の大きさや形状が異なっているものも、雌雄同型のコネクタに含まれる。なお、本実施形態では、コネクタ1と相手方コネクタC1とは、嵌合する部位だけでなく嵌合する部位以外の部位も同じ大きさおよび形状である。相手方コネクタC1の各部位は、コネクタ1の同じ部位の名称の前に「相手方」を加えた名称で呼び、コネクタ1の同じ部位の符号の前に「C」を加えた符号を付している(例えば、コネクタの「ハウジング2」に対して、相手方コネクタの同じ部位は、「相手方ハウジングC2」と表記する)。
本明細書において、コネクタ1を相手方コネクタC1に向かって嵌合させる方向を嵌合方向D11と呼び、コネクタ1を相手方コネクタC1から抜き出す方向を離脱方向D12と呼び、嵌合方向D11および離脱方向D12の両方向をまとめて第1方向D1と呼ぶ。また、第1方向D1に対して垂直な1つの方向を第2方向D2と呼ぶ。本実施形態では、第2方向D2は、コンタクト3の一方の面に対して垂直な方向となるコンタクト3の厚さ方向である(以下、第2方向D2を厚さ方向D2とも呼ぶ)。また、第1方向D1および第2方向D2の両方に垂直な方向を第3方向D3と呼ぶ。本実施形態では、第3方向D3は、コンタクト3の幅方向である(以下、第3方向D3を幅方向D3とも呼ぶ)。なお、第2方向D2は、必ずしもコンタクト3の厚さ方向に限定されず、第3方向D3は、必ずしもコンタクト3の幅方向に限定されるものではない。また、本明細書において、「上側」、「下側」など、「上」、「下」という用語を用いる場合、コンタクト3が相手方コンタクトC3と接触する方向を「上」と呼び、その逆を「下」と呼ぶ。
図1Aおよび図2Aに示すように、第3方向D3を軸としてコネクタ1を反転(180°回転)させた相手方コネクタC1に対して、コネクタ1を嵌合方向D11に移動させることによって、コネクタ1は、相手方コネクタC1と嵌合して電気的に接続される。
ハウジング2は、絶縁性を有し、コンタクト3および付勢部材4を囲んでいる。ハウジング2は、基部21と、基部21から嵌合方向D11に沿って突出する嵌合部22とを備えている。基部21の離脱方向D12の端部には、コンタクト3を挿入可能な形状の開口(相手方コネクタC1の相手方開口C21a参照)が設けられている。嵌合部22の嵌合方向D11の端部には、相手方嵌合部C22を挿入可能な形状の開口22aが設けられている。
ハウジング2の嵌合部22は、相手方コネクタC1の相手方嵌合部C22と嵌合する部位である。嵌合部22は、相手方嵌合部C22と嵌合したときに、相手方嵌合部C22と第1方向D1でオーバーラップして配置される部位である。嵌合部22は、図1Aに示すように、第1方向D1に沿ってコンタクト3および付勢部材4(図1B参照)を第2方向D2の一方(下側)で囲む嵌合壁部(外壁部)23と、第2方向D2の他方(上側)で囲む内壁部24とを備えている。嵌合壁部23および内壁部24によって囲まれた部分は、開口22aから離脱方向D12に延伸し、相手方嵌合部C22を収容可能かつ嵌合可能な内部空間S2を形成している。嵌合壁部23は、図2Aに示すように、相手方コネクタC1と嵌合したときに、相手方ハウジングC2の相手方嵌合部C22と嵌合する壁部である。具体的には、嵌合壁部23は、相手方嵌合部C22と第2方向D2で対向し、ハウジング2と相手方ハウジングC2との間で、第1方向D1に沿って嵌合境界部B1を形成する。嵌合境界部B1は、嵌合壁部23と相手方嵌合壁部C23とがオーバーラップした領域において、嵌合壁部23と相手方嵌合壁部C23との間の境界となる部位である。嵌合境界部B1は、本実施形態では、後述する嵌合壁部23の端面23aと相手方嵌合壁部C23の相手方端面C23aとによって構成されている。
嵌合壁部23の形状および構造は特に限定されないが、本実施形態では、図1Aに示すように、第1方向D1に対して垂直な断面が略コの字形状であり、その内側面に被係止部231を有する。被係止部231は、嵌合の開始時に、相手方内壁部C24の外側面に設けられた相手方係止部(コネクタ1の係止部241参照)によって嵌合方向D11に案内され、かつ、嵌合の完了時に、相手方係止部と係止される。同様に、内壁部24は、第1方向D1に対して垂直な断面が略コの字形状であり、その外側面に係止部241を有する。係止部241は、嵌合の開始時に、相手方嵌合壁部C23の内側面に設けられた相手方被係止部(コネクタ1の被係止部231参照)によって嵌合方向D11に案内され、かつ、嵌合の完了時に、相手方被係止部と係止される。
このように、本実施形態では、嵌合壁部23の内側面は、第1方向D1で、相手方内壁部C24の外側面と嵌合し、内壁部24の外側面は、第1方向D1で、相手方嵌合壁部C23の内側面と嵌合する。そして、嵌合壁部23は、コネクタ1と相手方コネクタC1とが嵌合したときに、相手方嵌合壁部C23の相手方端面C23aと第2方向D2で対向する、第1方向D1に沿って延びる端面23aを有している。また、内壁部24は、相手方内壁部C24の相手方端面(コネクタ1の端面24a参照)と第2方向D2で対向する、第1方向D1に沿って延びる端面24aを有している。嵌合壁部23の端面23aと相手方嵌合壁部C23の相手方端面C23aとは、ハウジング2の外側において対向し、内壁部24の端面24aと相手方内壁部C24の相手方端面とはハウジング2の内側において対向する。嵌合壁部23は、内壁部24より一回り大きいので、嵌合の際に、嵌合壁部23および相手方嵌合壁部C23がコネクタ1および相手方コネクタC1の外周をなし、内壁部24および相手方内壁部C24が内周をなすように、嵌合部22は相手方嵌合部C22と第2方向D2で対向し、かつ、第1方向D1でオーバーラップして配置される。
嵌合壁部23は、端面23aの離脱方向D12側に、第1方向D1に沿って第2方向D2に突出し、相手方凹部(コネクタ1の凹部233参照)に嵌合する凸部232を備える。また、嵌合壁部23は、端面23aの嵌合方向D11側に、第1方向D1に沿って第2方向D2に窪み、相手方凸部C232に嵌合する凹部233を備える。本実施形態では、嵌合壁部23が相手方嵌合壁部C23と嵌合し得るように、凸部232の第1方向D1の長さは、相手方凹部の第1方向D1の長さと略同一に設定されている。コネクタ1は相手方コネクタC1と雌雄同型であるため、凸部232の第1方向D1の長さは、凹部233の第1方向D1の長さとも略同一である。なお、ここで言う「略同一」とは、凸部232/相手方凸部C232の第1方向D1の長さが、凹部233/相手方凹部の第1方向D1の長さと同じであるか、または若干短いことを指す。凹部233/相手方凹部の第1方向D1の長さに対する凸部232/相手方凸部C232の第1方向D1の長さは、特に限定されないが、例えば95%~100%とすることができる。このように凸部232/相手方凸部C232の第1方向D1の長さを設定すれば、第1方向D1において、凸部232および凹部233が、第1方向D1の端面23aのほぼ全域において、相手方凹部および相手方凸部C232とそれぞれ嵌合する。これらの凸部232、凹部233、相手方凸部C232、相手方凹部については、詳細に後述する。
嵌合部22は、図3に示すように、コンタクト3および付勢部材4を保持する保持部25を備えている。保持部25は、図5に示すように、嵌合部22の内部空間S2において、嵌合方向D11に延伸している。保持部25は、本実施形態では、図3に示すように、コンタクト3を保持する第1保持部26と、付勢部材4を保持する第2保持部27とを備えている。
第1保持部26は、図4に示すように、開口22aの開口縁22a1近傍に保護部261を有している。第1保持部26の形状および構造は、特に限定されないが、本実施形態では、嵌合方向D11および第3方向D3でコンタクト3と当接してコンタクト3を囲む、第2方向D2で見たときに略コの字形状に形成されている。保護部261は、嵌合方向D11でコンタクト3の延長線上に設けられ、後述するように、開口22aから指が進入することを規制する。保護部261の形状は特に限定されないが、本実施形態では、保護部261は、開口22aの開口縁22a1と保護部261との間の隙間が所定の大きさとなるように設けられている。隙間の大きさは、開口22aを経由して作業者などの指が進入することを規制する大きさであれば、特に限定されない。
第2保持部27は、図6Aおよび図7Aに示すように、付勢部材4を移動可能に保持する(図11も参照)。第2保持部27の形状および構造は、特に限定されないが、本実施形態では、第2保持部27は、第1保持部26の下側で第1保持部26と並列して基部21から嵌合方向D11に延伸している(図6A参照)。第2保持部27は、付勢部材4の嵌合部41が嵌まり込む被嵌合部271を有している。被嵌合部271の形状および構造は、特に限定されないが、本実施形態では、図7Aに示すように、被嵌合部271は、第3方向D3の両側に設けられた壁部272に囲まれ、図6Aに示すように、離脱方向D12に延伸する溝状に形成されている。壁部272は、好適には、第2保持部27の嵌合方向D11側の先端に傾斜面を有している。そして、付勢部材4が第2保持部27に取り付けられる際に、付勢部材4の嵌合部41が傾斜面を乗り越えて、被嵌合部271に嵌まり込むことにより、付勢部材4が第2保持部27に取り付けられる。
ハウジング2の基部21は、図4に示すように、開口21aから嵌合方向D11に延伸し、コンタクト3を収容可能かつ嵌合可能な内部空間S1を有している。基部21の壁部211の内面に、第3方向D3で窪み、第1方向D1に沿って延びる案内溝21b(図1Aおよび図2Aの相手方案内溝C21bも参照)が形成されている。開口21aから挿入されたコンタクト3は、案内溝21bによって、嵌合方向D11に案内される。案内溝21bには、第3方向D3で内部空間S1に突出する係止部212が形成されている。本実施形態では、係止部212は、コンタクト3の離脱方向D12への移動を規制するように、コンタクト3の被係止部311と係止する。また、基部21は、図5に示すように、コンタクト3を所定の位置で補助的に保持する保持部材5(図1Aおよび図2Aの相手方保持部材C5も参照)が挿入される保持孔21dを有している。保持孔21dは、基部21の外面からコンタクト3が摺動する基部21の内面(本実施形態では案内溝21b)に連通した貫通孔である。より具体的には、保持孔21dは、基部21の下面から基部21の内部空間S1に向かって第2方向D2に貫通して形成されている。基部21の内部空間S1は、第1方向D1において、第1保持部26の上側の嵌合部22の内部空間S2と隔壁2aによって区画されている。隔壁2aは、付勢部材4の離脱方向D12側の端部が当接するように、内壁部24から第2方向D2で下方に延びている。また、嵌合部22は、相手方コネクタC1の相手方内壁部C24(図1A参照)が挿入される挿入部28を有している。挿入部28は、開口22aから離脱方向D12に沿って延びる内部空間を有し、離脱方向D12において、閉塞壁2bによって閉塞されている。
ハウジング2の材料は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などのエンジニアリング・プラスチックであるが、絶縁性を有し、ハウジング2を保護するための強度を備えていれば、これに限定されない。
コンタクト3は、金属等、導電性を有する導電性材料によって形成されている。コンタクト3は、図1Bに示すように、嵌合方向D11側に接触部31を備え、離脱方向D12側に接続部32を備えている。
接触部31は、相手方コネクタC1(図1A参照)と電気的に接続される部位である。具体的には、接触部31は、嵌合方向D11に沿って延伸し、図2Bに示すように、相手方コネクタC1(図1A参照)との嵌合時に、相手方コンタクトC3の相手方接触部C31と接触する。本実施形態では、接触部31は相手方接触部C31と第2方向D2で重なった状態で接触して電気的に導通する。接触部31の形状は特に限定されないが、本実施形態では、図1Bに示すように、接触部31は、板状に形成され、第1方向D1に対して垂直な断面形状が、長辺と短辺とを有する略矩形形状である。そして、長辺を含み、第1方向D1に延伸する面が、上面31aおよび下面31bをなし、短辺を含み、第1方向D1に延伸する面が、上面31aと下面31bを繋ぐ側面31cをなしている。図2Bに示すように、接触部31の第2方向D2で一方の面となる上面31a(接触面31aともいう)が、相手方コンタクトC3の相手方上面C31a(相手方接触面C31aともいう)と接触する。このように、本実施形態のコンタクト3は、相手方コンタクトC3と面積の大きい面で面接触して電気的に接続されるので、コンタクト3と相手方コンタクトC3との間の接触抵抗が低減される。これにより、比較的大きな電流または大きな電圧での通電が可能となる。
接続部32は、電線Wと電気的に接続される部位である。接続部32は、例えば図1Bに示すように、電線Wを絞め付けて保持することにより電線Wと接続しているが、電線Wと良好な接続を図ることができれば、これに限定されない。電線Wは、図示しないが、例えば、第1方向D1に延伸する導電性を有する導体と、第1方向D1の周方向で導体を被覆し、絶縁性を有する絶縁被覆によって構成されている。
コンタクト3は、図1Bに示すように、側面31cに凹状の被係止部311を有し、上面31aと下面31bとの間を貫通する貫通孔31dを有している。
コンタクト3は、図8に示すように、ハウジング2に取り外し可能に取り付けられることによって、ハウジング2に保持されている。コンタクト3の取り付け方法は、ハウジング2から取り外し可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、コンタクト3は、ハウジング2の基部21の開口21aから嵌合方向D11に挿入されることによって、ハウジング2に取り付けられる。その際、コンタクト3は、図4に示すように、その側面31cが基部21の案内溝21b(図1Aおよび図2Aの相手方案内溝C21bも参照)に嵌入されるように嵌合方向D11に案内される。コンタクト3が嵌合方向D11に挿入されると、コンタクト3の被係止部311が基部21の係止部212と係合して、コンタクト3の離脱方向D12への移動が抑制される。それとともに、コンタクト3の接触部31がハウジング2の第1保持部26に嵌合方向D11および第3方向D3で嵌合する。ハウジング2との係合および嵌合により、コンタクト3は、ハウジング2の内部で位置決めされる。必要に応じて、図5に示すように、ハウジング2の保持孔21dに保持部材5を挿入し、保持部材5をコンタクト3の貫通孔31dに嵌入させることにより、ハウジング2の内部でのコンタクト3の位置決めの精度を高めることもできる。
図5に示すように、開口22aの開口縁22a1と保護部261との間の隙間は、作業者などの指の進入を規制する所定の大きさに設定されている。したがって、作業者などの指が開口22aから嵌合部22の内部に進入することはない。また、本実施形態では、コンタクト3がハウジング2に嵌合されると、嵌合部22の開口縁22a1の近傍において、保護部261が、嵌合方向D11において接触部31の延長線上に位置する。そのため、作業者が開口縁22a1の近傍を指で触れても、コンタクト3に指が触れることはなく、保護部261に触れることになる。したがって、保護部261が設けられることにより、作業者などの感電が防止される。
付勢部材4は、図1Bに示すように、相手方コネクタC1(図1A参照)との嵌合時に、コンタクト3および/または相手方コンタクトC3を互いに対向する押圧方向に付勢してコンタクト3と相手方コンタクトC3との間の良好な接触を確保する。本実施形態では、押圧方向は、第2方向D2である。付勢部材4の形状や構造は、コンタクト3および/または相手方コンタクトC3を押圧方向に付勢することができれば特に限定されない。本実施形態では、付勢部材4は、第1方向D1に対して垂直な断面形状が略C字形状の1枚の板状部材によって構成されている。また、本実施形態では、付勢部材4は、弾性を有する材料によって構成されており、弾性力によってコンタクト3および/または相手方コンタクトC3を第2方向D2に付勢する。
付勢部材4は、図8に示すように、ハウジング2に取り外し可能に取り付けられることによって、ハウジング2に保持されている。付勢部材4の取り付け方法は、ハウジング2から取り外し可能であれば、特に限定されない。本実施形態では、付勢部材4は、ハウジング2の嵌合部22の開口22aから離脱方向D12に挿入されることによって、ハウジング2の第2保持部27(図3など参照)に取り外し可能に取り付けられる。具体的には、付勢部材4は、図6Aに示すように、コンタクト3および/または第1保持部26を囲むように、コンタクト3および/または第1保持部26を付勢部材4の内側に収容した状態で離脱方向D12に沿ってコンタクト3および/または第1保持部26に案内されることによって、ハウジング2に取り付けられる。付勢部材4を開口22aから離脱方向D12に所定距離で移動させると、付勢部材4の嵌合部41が弾性変形して壁部272の傾斜面を越えて被嵌合部271に嵌入されることによって、付勢部材4が第2保持部27に嵌合される。これにより、付勢部材4は、図7Aに示すように、第1方向D1の周方向(第1方向D1に垂直な方向)で付勢部材4とコンタクト3との間に空間S3を有してコンタクト3を囲むように、第2保持部27に保持される。このように、保持部25は、付勢部材4の取り付けの際に、付勢部材4を所定の取り付け位置に案内し、かつ、保持するので、付勢部材4の取り付けを簡単に行うことができる。
コネクタ1が相手方コネクタC1と嵌合する際(図2A参照)、付勢部材4が、相手方コンタクトC3を空間S3に案内し、相手方コンタクトC3(図2B参照)をコンタクト3と対向する第2方向D2に付勢する。ハウジング2における付勢部材4の配置は、コンタクト3および相手方コンタクトC3を互いに押圧する方向に付勢することができる配置であれば、特に限定されない。本実施形態では、付勢部材4は、相手方コンタクトC3が挿入されていないとき、略C字状の付勢部材の両端(一対の嵌合部41)の間に形成された開口が第2方向D2でコンタクト3を挟んで空間S3と反対側となるように、コンタクト3を付勢部材4の内側に収容するように配置されている。このように配置すれば、相手方コンタクトC3が開口していない付勢部材4の部分(上面)と当接するので、押圧力が増す。また、本実施形態では、付勢部材4が第2方向D2に対して対称な形状であるので、相手方コンタクトC3からコンタクト3の接触面31aに対して均一な押圧力が加えられる。これにより、コンタクト3と相手方コンタクトC3との間の接触抵抗が均一となるので、コネクタ1の接続信頼性がさらに向上する。また、付勢部材4が略C字状である場合、平坦な1枚板を曲げ加工することにより、付勢部材4を簡単に作製することができる。
付勢部材4は、図7Aに示すように、上述した第2保持部27の被嵌合部271と嵌合する嵌合部41を有している。被嵌合部271は、嵌合部41よりも一回り大きい大きさに形成されている。そのため、付勢部材4がハウジング2に取り付けられた際、付勢部材4は、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G1~G3を有して保持される(図6Bおよび図7B参照)。これにより、付勢部材4は、ハウジング2に対して、所定範囲で微小量、移動可能に保持される。そのため、コネクタ1および/または相手方コネクタC1(図1A参照)を構成する部品に寸法誤差、または嵌合方向D11からの嵌合時の位置・方向のずれを吸収することができる。この効果については、後述する。ハウジング2に対する付勢部材4の移動可能な方向は、上述の寸法誤差または嵌合時の位置・方向のずれを吸収することができれば、特に限定されない。例えば、付勢部材4は、第2方向D2において、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G2を有して保持されることにより、第2方向D2に移動可能であってもよい(図6Bおよび図7B参照)。また、付勢部材4は、第3方向D3において、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G3を有して保持されることにより、第3方向D3に移動可能であってもよい(図7B参照)。
ハウジング2に対する付勢部材4の移動可能な方向は、第2方向D2および第3方向D3のいずれか一方向のみに限定されない。例えば、付勢部材4は、第1方向D1および第2方向D2において、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G1、G2を有して保持されることにより、第1方向D1および第2方向D2に移動可能であってもよい(図6Bおよび図7B参照)。また、付勢部材4は、第2方向D2および第3方向D3において、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G2、G3を有して保持されることにより、第2方向D2および第3方向D3に移動可能であってもよい(図6Bおよび図7B参照)。さらに、付勢部材4は、第3方向D3および第1方向D1において、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G3、G1を有して保持されることにより、第3方向D3および第1方向D1に移動可能であってもよい(図6Bおよび図7B参照)。また、付勢部材4は、第1方向、第2方向D2および第3方向D3において、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G1~G3を有して保持されることにより、第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3に移動可能であってもよい(図6Bおよび図7B参照)。
図6A~図7Bを参照し、本実施形態の一例を説明すると、付勢部材4がハウジング2に取り付けられた際、付勢部材4は、隔壁2a(図6A参照)により離脱方向D12への進行を妨げられ、嵌合部41が嵌入された被嵌合部271により嵌合方向D11への進行を妨げられる。しかしながら、本実施形態では、図6Bに示すように、付勢部材4の嵌合部41が、第1方向D1で嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G1を有するように第2保持部27に嵌入されている。このように構成されている場合、付勢部材4は、ハウジング2に対して、第1方向D1において、所定範囲で移動可能となっている。また、この例では、図7Bに示すように、第2保持部27の被嵌合部271は、第1方向D1に垂直な断面で、第2方向D2および第3方向D3の両方で嵌合部41よりも一回り大きい大きさに形成されている。そのため、付勢部材4の嵌合部41が、第2方向D2と第3方向D3の両方で、嵌合部41と被嵌合部271との間に隙間G2、G3を有して第2保持部27に嵌入されている。これにより、付勢部材4は、第2方向D2および第3方向D3において、所定範囲の微小量で移動することができる。つまり、この例では、第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3の3方向において、付勢部材4は、移動可能に構成されている。しかしながら、上述したように、第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3のうち、いずれか1方向または2方向のみで移動できるように構成されていてもよい。
付勢部材4は、図1Bに示すように、好適には、相手方コネクタC1(図1A参照)との嵌合時に、相手方コンタクトC3の空間S3への挿入を補助的に案内する誘導部42を有している。誘導部42の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、誘導部42は、嵌合方向D11に向けて広がるように突出する形状を有している。
付勢部材4は、コンタクト3および相手方コンタクトC3を互いに押圧する方向に付勢することができる材料であれば特に限定されない。付勢部材4は、例えば、ステンレス鋼など金属によって構成することができるが、絶縁体によって構成されていてもよい。付勢部材4が導電性を有する金属によって構成されている場合、コネクタ1と相手方コネクタC1との嵌合時(図2A参照)など、付勢部材4がコンタクト3と接触した際に、付勢部材4にも通電される。したがって、付勢部材4が取り付けられた部分では、第1方向D1に垂直な方向において、導通部分とハウジング2の外面との間の距離が短くなり、作業者が感電しやすくなる(図7A参照)。そのため、図4に示すように、上述した嵌合壁部23の凸部232は、第1方向D1に垂直な方向(例えば、第2方向D2または第3方向D3)において、この部分に対応して設けられることが好ましい。このように、凸部232によりハウジング2の外面に対する絶縁距離が長くなるので、感電が防止される。
次に、図1A~図2B、図9、図10、および図11を参照し、本実施形態のコネクタ1と同型の相手方コネクタC1との嵌合動作の一例を説明する。なお、以下の嵌合動作の説明はあくまで一例であり、本発明のコネクタは、以下の説明によって限定されるものではない。
まず、図1Aに示すように、コネクタ1の嵌合部22の開口22aを相手方コネクタC1の相手方嵌合部C22の相手方開口(コネクタ1の開口22a参照)と対向させる。その後、図9に示すように、相手方嵌合壁部C23の相手方被係止部C231によって内壁部24の外側(上面)に設けられた係止部241を案内させる。同様に、嵌合壁部23の被係止部231によって相手方内壁部C24の相手方係止部C241を案内させる。これにより、コネクタ1を相手方コネクタC1に対して嵌合方向D11に安定して移動させることができる。さらにコネクタ1を嵌合方向D11に移動させると、離脱方向D12側において、嵌合壁部23の凸部232が相手方嵌合壁部C23の相手方凹部C233と嵌合し始める。また、嵌合方向D11側において、嵌合壁部23の凹部233が相手方嵌合壁部C23の相手方凸部C232と嵌合し始める(図1A参照)。これにより、第2方向D2および第3方向D3における相手方コネクタC1に対するコネクタ1の位置ずれがさらに低減される。このように、凸部232は、コネクタ1の絶縁距離を長くするだけでなく、嵌合時において、コネクタ1の嵌合方向D11への案内、および相手方コネクタC1に対するコネクタ1の位置ずれ防止の役割も果たす。
また、嵌合部22の内部空間S2(図1A参照)では、図1Bに示すように、相手方コンタクトC3の相手方接触部C31が、付勢部材4の誘導部42によって、コンタクト3と付勢部材4との間の空間S3に案内され、図2Bに示すように、付勢部材4の内側に収容される。その際、本実施形態では、上述したように、付勢部材4は、第2方向D2および第3方向D3において、第2保持部27に所定範囲で移動可能に保持されている(図7Aの領域A2、図7B参照)。ハウジング2(図1A参照)、コンタクト3、および付勢部材4は、寸法誤差を有して製造される場合がある。同様に、相手方ハウジングC2(図1A参照)、相手方コンタクトC3、および相手方付勢部材C4も、寸法誤差を有して製造される場合がある。このような場合であっても、付勢部材4は、図11に示すように、寸法誤差を吸収しながら、相手方コンタクトC3または相手方付勢部材C4に追従して第2方向D2および第3方向D3に移動する。このような移動によって、付勢部材4は、コンタクト3と付勢部材4との間の空間S3に相手方コンタクトC3を収容する。そのため、コネクタ1が相手方コネクタC1と嵌合する際(図2A参照)に加えられる力が、付勢部材4の移動によって逃がされる。これにより、付勢部材4が移動できないように固定されている場合などに生じる、相手方コンタクトC3または相手方付勢部材C4との衝突によるコンタクト3または付勢部材4の損傷が防止される(図2B参照)。これにより、コネクタ1の接続信頼性が向上する。なお、付勢部材4は、第2方向D2および第3方向D3のいずれか一方向のみで移動可能であってもよい。この場合、それぞれの方向で寸法誤差を吸収することができる。
また、コネクタ1を相手方コネクタC1と嵌合させる際に(図2B参照)、図11に示すように、所望の嵌合方向D11から外れて角度をなして、相手方コンタクトC3または相手方第1保持部C26が、空間S3に挿入される場合がある。これに対し、本実施形態では、付勢部材4は、第2方向D2および第3方向D3に加えて第1方向D1において、第2保持部27に移動可能に保持されている(図6Aの領域A1、図6B参照)。そのため、付勢部材4は、相手方コンタクトC3または相手方第1保持部C26の挿入時の位置や方向に追従して、複数方向に移動可能である。このような移動によって、付勢部材4は、空間S3に相手方コンタクトC3または相手方第1保持部C26を収容する。付勢部材4が第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3のうちのいずれか2方向に隙間を有している場合、相手方コンタクトC3が挿入されるときに付勢部材4が所定の軸周りに回転することが可能となる。例えば、図11に示されるように、コンタクト3の挿入位置や方向に応じて、付勢部材4は、第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3などへの直線的な移動に加えて、回転方向R1、R2、R3などへの回転動作が可能となる。そのため、付勢部材4が2方向以上に移動可能とする場合には、コンタクト3を無理に嵌合にさせようとして加えられる力が付勢部材4の回転移動によって逃がされる。したがって、相手方コンタクトC3または相手方付勢部材C4との衝突によるコンタクト3または付勢部材4の損傷が防止される。これにより、コネクタ1の接続信頼性が向上する。
その後、図10に示すように、さらにコネクタ1を嵌合方向D11に移動させると、相手方内壁部C24の先端が、コネクタ1の挿入部28の閉塞壁2bに当接し、内壁部24の先端が、相手方コネクタC1の相手方挿入部C28の相手方閉塞壁C2bに当接する。これと同時に、図1Aに示す係止部241が相手方被係止部(コネクタ1の被係止部231参照)と係合し、図1Aに示す被係止部231が相手方係止部(コネクタ1の係止部241参照)と係合する。これにより、コネクタ1が、図2Aに示す状態で、相手方コネクタC1と電気的に接続する。本実施形態では、図11に示すように、付勢部材4が、第2方向D2に所定範囲で移動可能であり、さらに弾性材料によって構成されている。そのため、相手方コンタクトC3は、付勢部材4によって適切な付勢力で、コンタクト3に向けて押圧される。これにより、コネクタ1と相手方コネクタC1との間の接触抵抗がさらに低減される。
コネクタ1と相手方コネクタC1とを分離する場合は、保持部材5および相手方保持部材C5を外した後、図2Aに示すように、ハウジング2の外面において露出した係止部(図1Aの係止部241参照)の操作部242を下方に押圧し、相手方ハウジングC2の外面において露出した相手方係止部(図1Aのコネクタ1の係止部241参照)の操作部(コネクタ1の操作部242参照)を上方に押圧する。これにより、コネクタ1の係止部241と相手方コネクタC1の相手方被係止部との係合、相手方コネクタC1の係止部C241とコネクタ1の被係止部231との係合が解除される。その後、コネクタ1を相手方コネクタC1に対して離脱方向D12に移動させればよい。
次に、図9などを参照し、本実施形態に係るコネクタ1の嵌合構造について、嵌合構造の効果とともに説明する。なお、以下の嵌合構造の説明はあくまで一例であり、本発明のコネクタは、以下の説明によって限定されるものではない。
図9に示すように、コネクタ1が相手方コネクタC1と嵌合すると、嵌合壁部23の端面23aが相手方嵌合壁部C23の相手方端面C23aと対向することによって、端面23aと相手方端面C23aとの間に嵌合境界部B1が形成される。嵌合境界部B1では、離脱方向D12側において、嵌合壁部23の凸部232が、相手方嵌合壁部C23の相手方凹部C233と嵌合する(図9参照)。嵌合方向D11側では、嵌合壁部23の凹部233が、相手方嵌合壁部C23の相手方凸部C232と嵌合する(図1A参照)。これにより、図9に示すように、微小な隙間が生じ得る嵌合境界部B1の第1方向D1に垂直な断面が直線的に形成されない絶縁壁部IWが、嵌合壁部23および相手方嵌合壁部C23によって、形成される。
つまり、従来のように端面および相手方端面の断面形状が平坦である場合、端面と相手方端面との間の境界部に沿う距離が長くならない。他方、端面23aおよび相手方端面C23aの断面形状を互いに嵌合する凹凸形状とする場合、凹凸が設けられた分、端面23aと相手方端面C23aとの間の微小な隙間の距離が長くなる。これにより、ハウジング2の内部のコンタクト3とハウジング2の外面との間の絶縁距離が長くなるので、相手方コネクタC1との接続時に、コネクタ1の絶縁性が高まる。
上述したように、接触抵抗を低減するために、コンタクト3が第1方向D1に垂直な断面形状で長辺を有する略矩形形状である場合、コンタクト3の側面31cがハウジング2と近接して配置される場合が多い。このような場合に、凸部232が、第1方向D1に垂直な断面において、第3方向D3におけるコンタクト3の長辺の延長線上、つまり、コンタクト3の上面31aまたは下面31bの延長線上に設けられていれば、コンタクト3の側面31cとハウジング2の外面との間の絶縁距離が長くなる。したがって、相手方コネクタC1との接続時に、コネクタ1の絶縁性を効率的に高めることができる。
また、付勢部材4は、第1方向D1に垂直な方向でコンタクト3より外側に位置するので、付勢部材4が導電性であってコンタクト3への通電により付勢部材4が導通する場合、付勢部材4が、コネクタ1における実質的な絶縁距離の起点となる。この場合、実質的な絶縁距離となる付勢部材4とハウジング2の外面との間の絶縁距離を長くするため、凸部232が、第1方向D1に垂直な方向で、付勢部材4と対応する嵌合壁部23の端面23aに設けられることが好ましい。
以上、本実施形態に係るコネクタ1を説明したが、本発明に係るコネクタはこれに限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、コネクタ1が相手方コネクタC1と嵌合すると、内壁部24の端面24aが相手方内壁部C24の相手方端面C24aと対向することによって、端面24aと相手方端面C24aとの間に境界部B2が形成される。外壁部23の嵌合構造に加えて、または、外壁部23の嵌合構造に代えて、この境界部B2に嵌合境界部B1と同様の嵌合構造が形成されていてもよい。この場合、端面24aの離脱方向D12側に凸部が形成され、これに対向する相手方端面C24aに相手方凹部が形成される。また、端面24aの嵌合方向D11側に凹部が形成され、これに対向する相手方端面C24aに相手方凸部が形成される。そして、凸部が相手方凹部と嵌合し、凹部が相手方凸部と嵌合することにより、境界部B2に嵌合構造が形成される。この場合、ハウジング2の内側に絶縁壁部が形成される。したがって、ハウジング2の内部のコンタクト3とハウジング2の外面との間の絶縁距離が長くなるので、相手方コネクタC1との接続時に、コネクタ1の絶縁性が高まる。また、外壁部23および内壁部24の両方に上述した嵌合構造を設けた場合には、ハウジング2の外側および内側の両方に絶縁壁部が形成される。この場合、絶縁距離をさらに長くすることができ、コネクタ1の絶縁性がさらに向上する。
図1Aなどにおいて、付勢部材4は、略C字状の開口がコンタクト3を挟んで付勢部材4とコンタクト3との間の空間S3と反対側となるように、コンタクト3を付勢部材4の内側に収容していたが、これに限定されるものではない。例えば、付勢部材4は、略C字状の開口が空間S3を挟んでコンタクト3と反対側となるように、コンタクト3を付勢部材4の内側に収容してもよい。この場合も、付勢部材4が第2方向D2に対して対称な形状となるので、コンタクト3の接触面31aに対して均一な押圧力が加えられる。これにより、コンタクト3と相手方コンタクトC3との間の接触抵抗が接触面31aにおいて均一となるので、コネクタ1の接続信頼性が向上する。
付勢部材4の形状は、図1Aなどに限定されない。例えば、図1Aなどでは、付勢部材4は、コンタクト3の接触面31aが略C字状の開口と対向するように、第1方向D1から見て長手方向(第2方向D2)に略C字状の開口を有している。しかしながら、図12Aに示すように、付勢部材4aは、コンタクト3の側面31cが略C字状の開口と対向するように、第1方向D1から見て付勢部材4の短手方向(第3方向D3)に略C字状の開口を有してもよい。このような場合であっても、平坦な1枚板を曲げ加工することにより、付勢部材4aを簡単に作製することができる。また、図12Bに示すように、付勢部材4bは、第1方向D1の周方向で、完全にコンタクト3を囲むように、第1方向D1から見て切れ目なく形成されてもよい。この場合も、付勢部材4bが第2方向D2に対して対称な形状であれば、コンタクト3と相手方コンタクトC3との間の接触抵抗が均一となるので、コネクタ1の接続信頼性がさらに向上する。
付勢部材4の嵌合部41の形状は、図1Aなどに限定されない。例えば、嵌合部が凹形状で、これと嵌合する第2保持部の被嵌合部が凸状であってもよい。また、図1Aなどでは、嵌合部41は、付勢部材4の嵌合方向D11の端部に設けられているが、第1方向D1における嵌合部41の位置は、被嵌合部271に移動可能に保持されれば、これに限定されない。例えば、図12Aおよび図12Bに示すように、嵌合部41a、41bは、付勢部材4a、4bの嵌合方向D11の端部から離脱方向D12に間隔を空けて設けられてもよい。
付勢部材4に誘導部42が設けられる場合は、誘導部42の形状は、図1Aなどに限定されない。図1Aなどでは、誘導部42は、付勢部材4の嵌合方向D11の端部から嵌合方向D11に向けて広がるように突出する形状を有しているが、付勢部材4とコンタクト3との間の空間S3に相手方コンタクトC3を誘導できれば、これに限定されない。例えば、図12Cに示す付勢部材4cのように、誘導部42cは、付勢部材4の嵌合方向D11の端部から折り返されていてもよい。この場合、誘導部42cは、離脱方向D12に向けて狭まるように、折り返されていることが好ましい。