JP7348581B2 - 成形部品の製造方法、成形部品、及び自動車部品 - Google Patents
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Description
本願は、2020年8月31日に、日本に出願された特願2020-145260号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
(1)本発明の別の態様に係る成形部品の製造方法は、通し孔がそれぞれに配された複数の鋼板の少なくとも一部を、前記通し孔を揃えるように重ね合せる工程と、前記通し孔に接合部材を挿通させる工程と、前記通し孔に前記接合部材が挿通された前記複数の鋼板を加熱する工程と、金型を用いて、加熱された前記複数の鋼板を塑性変形させ、且つ前記接合部材を塑性変形させて前記複数の鋼板を接合する工程と、前記鋼板に接触させた前記金型を用いて前記鋼板を冷却することによって、前記鋼板を焼き入れする工程とを備える。
(2)上記(1)に記載の成形部品の製造方法は、前記複数の鋼板を加熱する前に、前記複数の鋼板の重ね合わせ部を、スポット溶接、レーザ溶接、シーム溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の手段で溶接する工程をさらに備えてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の成形部品の製造方法では、前記焼き入れ後の前記複数の鋼板が、母材部と、前記通し孔の近傍のかしめ部とを有し、前記焼き入れによって、前記複数の鋼板のうち、最も硬い前記鋼板の前記母材部の硬さを400HV以上730HV以下としてもよい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の成形部品の製造方法は、前記通し孔に前記接合部材を挿通させた後、且つ前記接合部材を塑性変形させる前に、前記接合部材を前記鋼板に固定する工程をさらに備えてもよい。
(5)上記(4)に記載の成形部品の製造方法では、前記接合部材が、前記通し孔の円相当径よりも大きい円相当径を有する頭部を有し、前記頭部と前記鋼板とを接合することにより、前記接合部材を前記鋼板に固定してもよい。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の成形部品の製造方法では、前記接合部材の軸部が中実であり、前記接合部材の前記軸部の直径が3.0mm以上12.0mm以下であってもよい。
(7)本発明の別の態様に係る成形部品は、通し孔がそれぞれに配された複数の鋼板であって、母材部と、前記通し孔の近傍のかしめ部とを有し、前記通し孔を揃えるように重ね合わせられた複数の鋼板と、前記通し孔に挿通された軸部と、前記軸部の両端に設けられ、前記複数の鋼板を挟持する支持部とを有する接合部材と、を備え、前記接合部材の硬さの最大値と最小値との差が60HV以下であり、前記複数の鋼板それぞれにおいて、前記母材部の硬さから前記かしめ部の硬さの最小値を引いた値が80HVより小さい。
(8)上記(7)に記載の成形部品では、前記複数の鋼板のうち、最も硬い前記鋼板の前記母材部の硬さが400HV以上730HV以下であることを特徴とする。
(9)上記(7)又は(8)に記載の成形部品は、前記複数の鋼板の重ね合わせ部に設けられた、スポット溶接部、レーザ溶接部、シーム溶接部、及びアーク溶接部からなる群から選択される一種以上をさらに備えてもよい。
(10)上記(7)~(9)のいずれか一項に記載の成形部品では、前記接合部材の前記軸部が中実であり、前記接合部材の前記軸部の直径が3.0mm以上12.0mm以下であってもよい。
(11)本発明の別の態様に係る自動車部品は、上記(7)~(10)のいずれか一項に記載の成形部品を備える。
(S1)通し孔111がそれぞれに配された複数の鋼板11の少なくとも一部を、通し孔111を揃えるように重ね合せる工程と、
(S2)通し孔111に接合部材12を挿通させる工程と、
(S3)接合部材12を塑性変形させて複数の鋼板11を接合する工程と、
(S4)接合された複数の鋼板11を加熱する工程と、
(S5)金型を用いて、加熱された複数の鋼板11を塑性変形させる工程と、
(S6)鋼板11に接触させた金型を用いて鋼板11を冷却することによって、鋼板11を焼き入れする工程と
を備える。これにより得られる成形部品の断面図を図5に示す。以下に、第1の実施形態に係る成形部品の製造方法について詳細に説明する。
まず、通し孔111がそれぞれに配された複数の鋼板11の少なくとも一部を、通し孔111を揃えるように重ね合せる。鋼板11を上述の通り位置決めすることによって、複数の通し孔111に接合部材12を挿通させることが可能となる。それぞれの鋼板11における通し孔111の個数は特に限定されない。
以上である。ホットスタンプ後の鋼板の引張強さの上限は特に限定されないが、例えば2700MPaとしてもよい。ホットスタンプ後の鋼板の硬さの上限も特に限定されないが、例えば730HVとしてもよい。なお、ここで示す鋼板の硬さは鋼板の中央付近(板厚tに対して0.25t~0.75tの範囲)であり、鋼板の表層には炭素が少ない軟質層があってもよい。鋼板の表層の軟質層は、衝突時など変形を受けたときに鋼板の破断を抑制しつつ、継手強度に悪影響を及ぼさないためである。複数の鋼板11のうち、最も硬い鋼板のみを上述の範囲内としてもよいし、全ての鋼板を上述の範囲内としてもよい。例えば自動車の外装を構成する部品において、高強度鋼板と軟質な鋼板とを組み合わせることができる。また、自動車の骨格部品において、複数の高強度鋼板を組み合わせることができる。
次に、通し孔111に接合部材12を挿通させる。接合部材12の構成は特に限定されず、母材となる鋼板11の厚さ及び機械特性、並びに通し孔111の大きさなどに応じて適宜選択することができる。後述されるように、接合部材12の材質も、鋼板11の機械特性、及びホットスタンプ条件に応じて、適宜選択することができる。接合部材12は、例えば、軸部121及び頭部122を有するリベットとすることができる。一方、接合部材12を、頭部122を有しない直棒形状とすることも妨げられない。以下では、接合部材12の一例としてリベットを挙げて本実施形態に係る成形部品の製造方法を説明するが、リベットはあくまでも接合部材12の一例であり、接合部材12がリベットに限定されないことは言うまでもない。
リベットの軸部121は、図3等に例示されているように、中実であってもよい。例えば、リベットをいわゆるブラインドリベットとしてもよいのであるが、接合強度を確保する観点からは、ブラインドリベットよりも中実のリベットの方が好ましい。なお、ブラインドリベットとは、軸部121がその軸方向に沿った貫通孔を有するスリーブと、貫通孔の内部に挿通されたマンドレルとを有する形状であるリベットのことである。
鋼板の合計板厚+軸部の直径×0.3≦軸部の長さ≦鋼板の合計板厚+軸部の直径×2.0
リベットの軸部121の長さを、鋼板11の合計板厚+軸部121の直径×0.3より大きくすることにより、軸部121の先端を変形させた後の変形部123の大きさを確保し、接合強度を一層高めることができる。軸部121の長さを鋼板11の合計板厚+軸部121の直径×2.0以下とすることにより、製造効率を高めることができる。
鋼板の合計板厚+軸部の直径×0.6≦軸部の長さ≦鋼板の合計板厚+軸部の直径×4.0
頭部がない接合部材12を用いて接合する場合、接合部材12の両端を変形させる必要がある。そのため、頭部122が無い接合部材12の長さは、頭部122があるリベットのそれより大きくすることが好ましい。
次に、接合部材12を塑性変形させて複数の鋼板11を接合する。具体的には、接合部材12の端部を塑性変形させて変形部123を形成する。接合部材12が頭部122を有するリベットである場合は、接合部材12の軸部121の先端を塑性変形させる。一方、接合部材12が頭部122を有しない場合は、接合部材12の両端を塑性変形させる。頭部122及び変形部123によって、又は一対の変形部123によって挟持されることにより、複数の鋼板11は機械的に接合される。当然のことながら、頭部122に若干の塑性変形を生じさせてもよい。以下、接合部材12を塑性変形させて複数の鋼板11を接合することを、接合部材12をかしめる、又は鋼板11をかしめると称することがある。接合部材12がリベットである場合、かしめとはリベッティングにあたる。
次に、接合部材12によって接合された複数の鋼板11を加熱する。加熱の手段は限定されず、例えば炉加熱などの通常のホットスタンプにおいて用いられる種々の手段とすればよい。加熱条件も、鋼板11の構成、及び成形部品1の用途に応じて、公知のホットスタンプの加熱条件から適宜選択することができる。例えば、鋼板11の加熱温度はA3点以上、又は830℃以上970℃以下とすればよい。加熱時間は2分以上20分以下とすればよい。
さらに、金型を用いて、加熱された複数の鋼板11を塑性変形させる。これにより、成形部品1に求められる形状を鋼板11に付与する。塑性変形は、通常のホットスタンプにおける塑性変形とすればよい。従って、塑性変形のために用いられる金型は、通常のホットスタンプ用の金型とすることができる。ただし、接合部材12の頭部122又は変形部123が、鋼板11のプレス成形の妨げとなる場合は、金型に凹部等を設けて、金型と頭部122又は変形部123との干渉を避けることが好ましい。また、金型と頭部122又は変形部123との干渉を避けることが難しい場合は、後述する図9に例示されるように、部材の底面部などの、金型と面接触する領域であって、鋼板11の中央付近の領域に接合部材12を配してもよい。このような箇所に配された接合部材12は、金型と干渉しにくいからである。その他の場所には、スポット溶接などの別の接合手段を適用してもよい。
そして、鋼板11に接触させた金型を用いて鋼板11を冷却する。これにより、鋼板11を焼き入れして、成形部品1に必要な機械特性を鋼板11に付与する。ホットスタンプ用の金型は、通常、その内部に冷媒流路を有しており、ホットスタンプの際には冷媒流路に冷媒が流通している。従って、鋼板11を塑性変形させるためにホットスタンプ用の金型を鋼板11に接触させた瞬間から、鋼板11から金型への熱移動が生じる。この熱移動によって、鋼板11が冷却される。冷却条件は特に限定されず、鋼板11の構成、及び成形部品1の用途に応じて、公知のホットスタンプの冷却条件から適宜選択することができる。
(s1)通し孔111がそれぞれに配された複数の鋼板11の少なくとも一部を、通し孔111を揃えるように重ね合せる工程と、
(s2)通し孔111に接合部材12を挿通させる工程と、
(s3)通し孔111に接合部材12が挿通された複数の鋼板11を加熱する工程と、
(s4)金型を用いて、加熱された複数の鋼板11を塑性変形させ、且つ接合部材12を塑性変形させて複数の鋼板11を接合する工程と、
(s5)鋼板11に接触させた金型を用いて鋼板11を冷却することによって、鋼板11を焼き入れする工程と
を備える。以下に、第1の実施形態に係る成形部品の製造方法と対比しながら、第2の実施形態に係る成形部品の製造方法について詳細に説明する。
まず、通し孔111がそれぞれに配された複数の鋼板11の少なくとも一部を、通し孔111を揃えるように重ね合せる。次いで、通し孔111に接合部材12を挿通させる。重ね合わせ及び挿通は、第1の実施形態に係る成形部品の製造方法と同様に実施すればよい。また、鋼板及び11、通し孔111、及び接合部材12の構成も、第1の実施形態に係る成形部品の製造方法におけるそれらに準じる。
そして、通し孔111に接合部材12が挿通された複数の鋼板11を加熱する。鋼板11を加熱する段階で接合部材12のかしめが行われていない点において、第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なる。ただし、鋼板11の加熱のその他の諸条件に関し、第1の実施形態と第2の実施形態とは同様とすることができる。
次いで、金型を用いて、加熱された複数の鋼板11を塑性変形させ、且つ接合部材12を塑性変形させて複数の鋼板11を接合する(上述の「かしめ」に相当)。鋼板11の塑性変形と、接合部材12のかしめとを同時に行う点において、第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なる。ただし、鋼板11の塑性変形のその他の諸条件に関し、第1の実施形態と第2の実施形態とは同様とすることができる。
金型の形状は、接合部材12の配置などに応じた設計することが好ましい。例えば、金型に凹部を設け、この凹部において金型と接合部材12とが接触するようにしてもよい。これにより、金型を用いた接合部材12の塑性変形を、一層安定的に実施することができる。また、金型と頭部122又は変形部123との干渉が生じる場合は、後述する図9に例示されるように、部材の底面部などの、金型と面接触する領域であって、鋼板11の中央付近の領域に接合部材12を配してもよい。このような箇所に配された接合部材12は、金型と干渉しにくいからである。その他の場所には、スポット溶接などの別の接合手段を適用してもよい。
さらに、鋼板11に接触させた金型を用いて鋼板11を冷却することによって、鋼板11を焼き入れする。鋼板11の冷却は、第1の実施形態に係る成形部品の製造方法と同様に実施すればよい。
溶接を行うタイミングは任意であるが、ホットスタンプ前、即ち鋼板11の加熱の前に行うことが好ましい。これにより、溶接金属及び熱影響部に焼入れを行い、溶接部の接合強度を向上させることができる。また、鋼板11を重ね合わせた後、且つ通し孔111に接合部材12を挿通させる前に溶接をすると、部品組立て精度が向上し、さらに複数の鋼板11それぞれの通し孔111同士の位置関係が固定され、接合部材12の挿通が安定化するので、一層好ましい。
なお、通常の溶接(例えばスポット溶接)によって引張強さ1800MPa以上の高強度鋼板を溶接すると、溶接部が脆化して接合強度(特にCTS)が損なわれる。一方、本実施形態に係る成形部品1は、少なくとも1か所以上が機械的に接合され、さらに接合部材の硬さのばらつき及び鋼板の軟化が抑制されているので、高い接合強度が確保されたものとされる。焼き入れによって、最も硬い鋼板の母材部112の硬さを420HV以上、450HV以上、又は500HV以上又は550HV以上としてもよい。焼き入れによって、最も硬い鋼板の母材部112の硬さを700HV以下、650HV以下としてもよい。
・接合部材12の中心軸を実質的に含む面で成形部品1を切断し、
・断面において鋼板11の板厚中心に沿って連続的に硬さを測定し(測定荷重:0.5kgf、0.25mmピッチ)、
・横軸を測定位置とし且つ縦軸を硬さとして測定結果をプロットすることにより鋼板11の硬さ分布グラフを作成し、
・このグラフから母材部112の硬さH1及びかしめ部113の硬さの最小値H2を読み取る
ことによって算出可能である。図6に、鋼板11の硬さ分布グラフの概念図を示す。通し孔111から十分に離れており、硬さが安定している領域の硬さを、母材部112の硬さH1とみなす。また、通し孔111の近傍における、硬さが最小の領域の硬さを、かしめ部113の硬さの最小値H2とみなす。硬さが最小の領域(図6のグラフにおける谷底)の位置に関わらず、硬さが最小の領域と、硬さが安定している領域との間の硬度差が80HV未満である鋼板は、母材部112の硬さH1からかしめ部の硬さの最小値H2を引いた値が80HVより小さい鋼板であるとみなされる。成形部品1を構成するすべての鋼板11に関して上述の測定を行った結果、全ての鋼板において硬度差が80HV未満である成形部品は、複数の鋼板それぞれにおいて、母材部112の硬さH1からかしめ部113の硬さの最小値H2を引いた値が80HVより小さい成形部品であるとみなされる。なお、上記方法によってかしめ部113の硬さの最小値H2を特定する際に、かしめ部113の大きさを考慮する必要はない。従って、本実施形態に係る成形部品1において、かしめ部113の大きさは特に限定されない。
・接合部材12の中心軸を実質的に含む面で成形部品1を切断し、
・断面において接合部材12の硬さを連続的に測定(測定荷重:0.5kgf、0.50mmピッチ)し、
・測定値の最大値と最小値とを特定する
ことによって算出可能である。ここで、接合部材12の硬さの測定は、例えば図7に示されるように、一方の支持部の厚さ中心に沿った直線Xと、軸部121を斜めに通る直線Yと、他方の支持部の厚さ中心に沿った直線Zとを通るように連続的に行えばよい。これにより、接合部材12の硬さ分布を十分に把握することができる。図7に示される経路に沿った接合部材12の連続的な硬さ測定における硬さの最小値と最大値との差が60HV以下である成形部品は、接合部材の硬さの最大値と最小値との差が60HV以下である成形部品であるとみなされる。
・鋼板の枚数:2枚
・鋼板の板厚:いずれも1.6mm
・鋼板の種類:いずれもホットスタンプ処理後の硬さが約600HVとなるホットスタンプ鋼板(引張強さ2000MPa相当)
・鋼板の成分:いずれも0.35%C-0.2%Si-1.2%Mn-Cr、Ti、Nb、B添加
・鋼板の通し孔の直径:7.0mm
・接合部材の種類:以下のリベット1及びリベット2のいずれか
リベット1(ホットスタンプ後の平均硬さが約450HV)
リベット2(ホットスタンプ後の平均硬さが約220HV)
・リベットの形状:軸の直径6.0mm、軸長10.0mm、頭部の直径12.0mm、頭部厚み1.8mm
・鋼板の熱処理:900℃の加熱炉に6分保管し、次いで水冷された金型で鋼板を冷却
・リベット接合工程:以下の冷間かしめ及び熱間かしめのいずれか
加熱前かしめ(鋼板を加熱炉に装入する前に室温で実施)
加熱後かしめ(水冷された金型で鋼板を冷却する際に、金型を用いて実施)
・後処理:試料作成後、十字引張強さ(JIS Z 3137)の評価前に、表面スケール除去を目的としたショットブラストを実施
なお、リベットの軸は中実とした。十字引張試験片の形状は、JIS Z 3137の規定に従うものとした。接合手段(リベット、レーザ溶接部、又はスポット溶接部)が1つだけである試験片においては、接合手段を試験片の中央に配置した。リベットと溶接とを組み合わせた試験片においては、リベット(接合部材12)と溶接部13とを図10に示すように配置した。2つの接合手段の中心間の距離は10mmとし、また、2つの接合手段の中心が試験片中心から等距離に配置されるようにした。
・比較例のリベット接合工程:以下の冷間かしめ及び熱間かしめのいずれか
冷間かしめ(鋼板の冷却が完了後、加熱前かしめと同じ方法で実施)
熱間かしめ(通電かしめにより実施。鋼板の冷却が完了後、通電及び加圧が可能な電極を用いて通電加熱しながら実施。加圧力:450kgf、通電時間:0.4秒、電流値:6.5kAとした)
11 鋼板
111 通し孔
112 母材部
113 かしめ部
12 接合部材
121 軸部
1211 凸部
122 頭部
1221 突起
123 変形部
13 溶接部
2 自動車部品
H1 母材部の硬さ
H2 かしめ部の硬さの最小値
Claims (11)
- 通し孔がそれぞれに配された複数の鋼板の少なくとも一部を、前記通し孔を揃えるように重ね合せる工程と、
前記通し孔に接合部材を挿通させる工程と、
前記通し孔に前記接合部材が挿通された前記複数の鋼板を加熱する工程と、
金型を用いて、加熱された前記複数の鋼板を塑性変形させ、且つ前記接合部材を塑性変形させて前記複数の鋼板を接合する工程と、
前記鋼板に接触させた前記金型を用いて前記鋼板を冷却することによって、前記鋼板を焼き入れする工程と
を備える成形部品の製造方法。 - 前記複数の鋼板を加熱する前に、前記複数の鋼板の重ね合わせ部を、スポット溶接、レーザ溶接、シーム溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の手段で溶接する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の成形部品の製造方法。
- 前記焼き入れ後の前記複数の鋼板が、母材部と、前記通し孔の近傍のかしめ部とを有し、
前記焼き入れによって、前記複数の鋼板のうち、最も硬い前記鋼板の前記母材部の硬さを400HV以上730HV以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形部品の製造方法。 - 前記通し孔に前記接合部材を挿通させた後、且つ前記接合部材を塑性変形させる前に、前記接合部材を前記鋼板に固定する工程
をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の成形部品の製造方法。 - 前記接合部材が、前記通し孔の円相当径よりも大きい円相当径を有する頭部を有し、
前記頭部と前記鋼板とを接合することにより、前記接合部材を前記鋼板に固定することを特徴とする請求項4に記載の成形部品の製造方法。 - 前記接合部材の軸部が中実であり、
前記接合部材の前記軸部の直径が3.0mm以上12.0mm以下である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の成形部品の製造方法。 - 通し孔がそれぞれに配された複数の鋼板であって、母材部と、前記通し孔の近傍のかしめ部とを有し、前記通し孔を揃えるように重ね合わせられた複数の鋼板と、
前記通し孔に挿通された軸部と、前記軸部の両端に設けられ、前記複数の鋼板を挟持する支持部とを有する接合部材と、
を備え、
前記接合部材の硬さの最大値と最小値との差が60HV以下であり、
前記複数の鋼板それぞれにおいて、前記母材部の硬さから前記かしめ部の硬さの最小値を引いた値が80HVより小さい
成形部品。 - 前記複数の鋼板のうち、最も硬い前記鋼板の前記母材部の硬さが400HV以上730HV以下であることを特徴とする請求項7に記載の成形部品。
- 前記複数の鋼板の重ね合わせ部に設けられた、スポット溶接部、レーザ溶接部、シーム溶接部、及びアーク溶接部からなる群から選択される一種以上をさらに備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の成形部品。
- 前記接合部材の前記軸部が中実であり、
前記接合部材の前記軸部の直径が3.0mm以上12.0mm以下である
ことを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の成形部品。 - 請求項7~10のいずれか一項に記載の成形部品を備える自動車部品。
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