JP7348495B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、圧縮機に関するものである。
圧縮機の中には、振動を押さえるために、モータ速度と同じ周期を持つトルク電流パターンをトルク電流指令として出力するものがある(例えば特許文献1を参照)。
特開2000-41400号公報
前記特許文献の例では、振動低減を期待できるが、更なる改良が望まれる。本開示の目的は、圧縮機の振動を低減することにある。
本開示の第1の態様は、第1圧縮機構(101)、第2圧縮機構(102)、および駆動軸(70)を備えた圧縮機において、
前記第1圧縮機構(101)および第2圧縮機構(102)は、それぞれ、
シリンダ(30,35)と、
前記シリンダ(30,35)に収容されたピストン部材(40,45)と、
を備え、
前記ピストン部材(40,45)は、円筒状のピストン本体(41,46)と、前記ピストン本体(41,46)と一体で且つ前記ピストン本体(41,46)から延びる平板状のブレード(42,47)とを有し、
前記駆動軸(70)は、
前記駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心した円柱状に形成されて一方のピストン本体(41,46)が嵌まる第1偏心部(75)と、
前記駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心した円柱状に形成されて他方のピストン本体(41,46)が嵌まる第2偏心部(76)とを有し、
前記第1偏心部(75)と前記第2偏心部(76)とは、前記回転中心軸(70a)に対する偏心方向が180°異なっており、
それぞれの前記ピストン部材(40,45)は、
Figure 0007348495000001
を満たすことを特徴とする圧縮機である。
第1の態様では、低周波数の領域と高周波数の領域とで、バランス良く振動低減効果を得ることが可能になる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
前記ピストン部材(40,45)を構成する材料の密度(ρ)は、10g/cm3以上であることを特徴とする圧縮機である。
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様において、
少なくとも一方の前記ブレード(42,47)の先端には、おもり(42a,47a)が設けられていることを特徴とする圧縮機である。
第3の態様では、おもり(42a,47a)を設けることで、ピストン部材(40,45)が、より容易に上記不等式を満足するようにできる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、
前記おもり(42a,47a)は、ピストン本体(41,46)よりも密度が大きな材料で形成されていることを特徴とする圧縮機である。
第4の態様では、ピストン本体(41,46)よりも密度が大きな材料で形成されているので、ピストン部材(40,45)が、より容易に上記不等式を満足するようにできる。
本開示の第5の態様は、第1の態様において、
前記ブレード(42,47)の幅は、前記ピストン本体(41,46)の径方向の肉厚よりも大きいことを特徴とする圧縮機である。
第5の態様では、ピストン部材(40,45)が、より容易に上記不等式を満足するようにできる。
図1は、実施形態におけるロータリ圧縮機の縦断面図である。 図2は、実施形態における圧縮機構の縦断面図である。 図3は、図2におけるIII-III断面を示す圧縮機構の横断面図である。 図4は、図2におけるIV-IV断面を示す圧縮機構の横断面図である。 図5は、シリンダ(上側シリンダまたは下側シリンダ)の平面図である。 図6は、上側ピストン部材および下側ピストン部材の平面図である。 図7は、上側ピストン部材の回転角度と、上側ピストン部材の回転軸回りの加振トルク等を示している。 図8は、ロータリ圧縮機の回転数(rps)と、圧縮トルク(Tgp)との関係を例示している。 図9は、加振トルクの低減効果を説明する図である。 図10は、実施形態の変形例1に係るピストン部材を示す。
《実施形態》
本実施形態の圧縮機は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ圧縮機(1)である。ロータリ圧縮機(1)は、冷媒回路(図示を省略)に設けられる。冷媒回路では、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。ロータリ圧縮機(1)は、冷媒回路において、蒸発器で蒸発した冷媒を吸入して圧縮する。
〈ロータリ圧縮機の全体構成〉
図1に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機(1)は、全密閉型の圧縮機である。ロータリ圧縮機(1)では、圧縮機構(15)と電動機(10)とがケーシング(2)に収容されている。
ケーシング(2)は、円筒状の密閉容器である。ケーシング(2)は、円筒状の胴部(3)と、胴部(3)の端部を閉塞する一対の鏡板(4,5)とを備えている。胴部(3)の下部には、吸入管(7,8)が取り付けられている。上側の鏡板(4)には、吐出管(6)が取り付けられている。吐出管(6)には、配管(図示は省略)が取り付けられている。
電動機(10)は、ケーシング(2)の内部空間の上部に配置されている。電動機(10)は、固定子(11)と回転子(12)とを備えている。固定子(11)は、ケーシング(2)の胴部(3)に固定されている。回転子(12)は、後述する圧縮機構(15)の駆動軸(70)に取り付けられている。
圧縮機構(15)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ式流体機械である。ケーシング(2)の内部空間において、圧縮機構(15)は、電動機(10)の下方に配置されている。
-圧縮機構-
図2に示すように、圧縮機構(15)は、二気筒のロータリ式流体機械である。圧縮機構(15)は、フロントヘッド(20)と、リアヘッド(25)と、駆動軸(70)とを、一つずつ備えている。圧縮機構(15)は、シリンダ(30,35)と、ピストン部材(40,45)とを二つずつ備えている。
圧縮機構(15)は、上側シリンダ(30)と下側シリンダ(35)とを備えている。各シリンダ(30,35)には、対になった二つのブッシュ(43,48)が、一組ずつ設けられている。圧縮機構(15)は、中間プレート(50)を備えている。中間プレート(50)は、第1プレート部材(60)と、第2プレート部材(65)とによって構成されている。
圧縮機構(15)では、下方から上方へ向かって順に、リアヘッド(25)、下側シリンダ(35)、中間プレート(50)、上側シリンダ(30)、およびフロントヘッド(20)が重なり合った状態で配置されている。リアヘッド(25)、下側シリンダ(35)、中間プレート(50)、上側シリンダ(30)、およびフロントヘッド(20)は、複数本のボルト(図示を省略)によって互いに締結されている。圧縮機構(15)では、フロントヘッド(20)がケーシング(2)の胴部(3)に固定されている。
-シリンダ-
図2、図3、図4に示すように、各シリンダ(30,35)は、厚肉円板状の部材である。各シリンダ(30,35)には、シリンダボア(31,36)と、ブレード収容孔(32,37)と、吸入ポート(33,38)とが形成されている。上側シリンダ(30)と下側シリンダ(35)は、それぞれの厚さが等しい。
シリンダボア(31,36)は、シリンダ(30,35)を厚さ方向に貫通する円形孔である。シリンダボア(31,36)は、シリンダ(30,35)の中央部に形成されている。シリンダボア(31,36)の壁面は、円柱面である。
上側シリンダ(30)のシリンダボア(31)には、上側ピストン本体(41)(後述)が収容されている。下側シリンダ(35)のシリンダボア(36)には、下側ピストン本体(46)(後述)が収容されている。
ブレード収容孔(32,37)は、シリンダ(30,35)の内周面(換言すると、シリンダボア(31,36)の壁面)からシリンダ(30,35)の径方向の外側へ向かって延びる孔である。ブレード収容孔(32,37)は、シリンダ(30,35)を厚さ方向に貫通している。
上側シリンダ(30)のブレード収容孔(32)には、上側ブレード(42)(後述)が収容されている。下側シリンダ(35)のブレード収容孔(37)には、下側ブレード(47)(後述)が収容されている。ブレード収容孔(32,37)は、その壁面が揺動するブレード(42,47)と干渉しないような形状となっている。
図5にも示すように、各シリンダ(30,35)のブレード収容孔(32,37)は、シリンダボア(31,36)寄りの部分にブッシュ収容部(32a,37a)が形成されている。ブッシュ収容部(32a,37a)は、ブレード収容孔(32,37)の壁面に開口する凹部である。ブッシュ収容部(32a,37a)は、図5における各ブレード収容孔(32,37)の右側面と左側面に一つずつ形成されている。
吸入ポート(33,38)は、シリンダボア(31,36)の壁面からシリンダ(30,35)の径方向の外側へ向かって延びる孔である。吸入ポート(33,38)は、断面が円形の孔である。吸入ポート(33,38)は、ブレード収容孔(32,37)の近傍に配置されている。具体的には、吸入ポート(33,38)は、本実施形態では、図3及び図4におけるブレード収容孔(32,37)の右隣に配置されている。
吸入ポート(33,38)は、シリンダ(30,35)の外側面に開口している。上側シリンダ(30)の吸入ポート(33)には、上側吸入管(7)が挿入されている(図1を参照)。下側シリンダ(35)の吸入ポート(38)には、下側吸入管(8)が挿入されている。これらの吸入管(7,8)には、配管(図示は省略)が取り付けられている。
-フロントヘッド-
フロントヘッド(20)は、上側シリンダ(30)の電動機(10)側の端面(図2における上端面)を閉塞する部材である。フロントヘッド(20)は、本体部(21)と、主軸受部(22)と、外周壁部(23)とを備えている。
本体部(21)は、概ね円形の厚板状に形成されている。本体部(21)は、上側シリンダ(30)の端面を覆うように配置されている。本体部(21)の前面(図2における下面)は、上側シリンダ(30)に密着している。
主軸受部(22)は、本体部(21)から電動機(10)側(図1における上側)へ延びる円筒状に形成されている。主軸受部(22)は、本体部(21)の中央部に配置されている。
外周壁部(23)は、本体部(21)の外周縁部に連続して形成された肉厚の環状の部分である。
フロントヘッド(20)には、吐出ポート(24)が形成されている。吐出ポート(24)は、フロントヘッド(20)の本体部(21)を、その厚さ方向に貫通している。図示しないが、フロントヘッド(20)の本体部(21)には、吐出ポート(24)を開閉するための吐出弁が取り付けられている。
-リアヘッド-
リアヘッド(25)は、下側シリンダ(35)の、電動機(10)とは逆側の端面(図1における下端面)を閉塞する部材である。リアヘッド(25)は、本体部(26)と、副軸受部(27)と、外周壁部(28)とを備えている。
本体部(26)は、概ね円形の厚板状に形成されている。本体部(26)は、下側シリンダ(35)の端面を覆うように配置される。本体部(26)の前面(図2における上面)は、下側シリンダ(35)に密着している。
副軸受部(27)は、本体部(26)から下側シリンダ(35)とは逆側(図2における下側)へ延びる円筒状に形成されている。副軸受部(27)は、本体部(26)の中央部に配置されている。
外周壁部(28)は、本体部(26)の外周縁部から下側シリンダ(35)とは逆側へ延びる円筒状に形成されている。外周壁部(28)の長さ(高さ)は、副軸受部(27)の長さ(高さ)と実質的に等しい。
リアヘッド(25)には、吐出ポート(29)が形成されている。吐出ポート(29)は、リアヘッド(25)の本体部(26)を、その厚さ方向に貫通している。
-中間プレート-
上述したように、中間プレート(50)は、第1プレート部材(60)と第2プレート部材(65)とによって構成されている。第1プレート部材(60)及び第2プレート部材(65)は、円板状の部材である。各プレート部材(60,65)の中央部には、駆動軸(70)を挿し通すための貫通孔が形成されている。
第1プレート部材(60)と第2プレート部材(65)は、互いに重なり合うことによって中間プレート(50)を構成している。第1プレート部材(60)は、上側シリンダ(30)側に配置されている。第1プレート部材(60)は、上側シリンダ(30)の端面(図2における下面)を覆っている。第2プレート部材(65)は、下側シリンダ(35)側に配置されている。第2プレート部材(65)は、下側シリンダ(35)の端面(図2における上面)を覆っている。
-駆動軸-
図1及び図2に示すように、駆動軸(70)は、主軸部(72)と、上側偏心部(75)と、中間連結部(80)と、下側偏心部(76)と、下側連結部(90)と、副軸部(74)とを備えている。駆動軸(70)は、その回転中心軸(70a)が各シリンダ(30,35)のシリンダボア(31,36)の中心軸と実質的に一致するように配置されている。
駆動軸(70)では、主軸部(72)と、上側偏心部(75)と、中間連結部(80)と、下側偏心部(76)と、下側連結部(90)と、副軸部(74)とが、上から下へ向かって順に配置されている。駆動軸(70)では、主軸部(72)、上側偏心部(75)、中間連結部(80)、下側偏心部(76)、下側連結部(90)、および副軸部(74)は、一体に形成されている。
主軸部(72)は、円形断面の柱状あるいは棒状の部分である。主軸部(72)の上部には、電動機(10)の回転子(12)が取り付けられている。副軸部(74)は、円形断面の柱状あるいは棒状の部分である。主軸部(72)の中心軸と副軸部(74)の中心軸は、駆動軸(70)の回転中心軸(70a)と一致している。
各偏心部(75,76)は、主軸部(72)よりも大径の円柱状の部分である。上側偏心部(75)は第1偏心部を構成し、下側偏心部(76)は第2偏心部を構成している。各偏心部(75,76)は、それぞれの中心軸(75a,76a)が駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心している。
上側偏心部(75)は、駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して、下側偏心部(76)とは反対側へ偏心している。換言すると、駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対する上側偏心部(75)の偏心方向は、駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対する下側偏心部(76)の偏心方向と180°異なっている。
上側偏心部(75)の偏心量と、下側偏心部(76)の偏心量は、互いに等しい。上側偏心部(75)の偏心量は、上側偏心部(75)の中心軸(75a)と駆動軸(70)の回転中心軸(70a)との距離である。下側偏心部(76)の偏心量は、下側偏心部(76)の中心軸(76a)と駆動軸(70)の回転中心軸(70a)との距離である。
中間連結部(80)は、上側偏心部(75)と下側偏心部(76)の間に配置されている。中間連結部(80)は、上側偏心部(75)と下側偏心部(76)を連結している。下側連結部(90)は、下側偏心部(76)と副軸部(74)の間に配置されている。下側連結部(90)は、下側偏心部(76)と副軸部(74)を連結している。
-ピストン部材-
圧縮機構(15)には、上側ピストン部材(40)と下側ピストン部材(45)とが設けられている。図6に示すように、上側ピストン部材(40)は、上側ピストン本体(41)及び上側ブレード(42)を備えている。下側ピストン部材(45)は、下側ピストン本体(46)及び下側ブレード(47)を備えている。上側ピストン部材(40)の材質と、下側ピストン部材(45)の材質とは同じである。
各ピストン本体(41,46)は、ピストン部材(40,45)において、やや厚肉の円筒状に形成された部分である。各ピストン本体(41,46)の外側面と内側面は、いずれもピストン本体(41,46)の中心軸(41a,46a)を曲率中心軸とする円柱面である。
上側ピストン部材(40)は、上側ピストン本体(41)の中心軸(41a)が、駆動軸(70)の上側偏心部(75)の中心軸(75a)と実質的に一致している。下側ピストン部材(45)は、下側ピストン本体(46)の中心軸(46a)が、駆動軸(70)の下側偏心部(76)の中心軸(76a)と実質的に一致している。
各ブレード(42,47)は、ピストン部材(40,45)において、やや厚肉の矩形平板状に形成された部分である。各ブレード(42,47)は、対応するピストン本体(41,46)から、ピストン本体(41,46)の径方向の外側へ向かって突出している。上側ブレード(42)は上側ピストン本体(41)と一体に形成されている。下側ブレード(47)は下側ピストン本体(46)と一体に形成される。以下、ブレード(42,47)の外側の端を「ブレード(42,47)の先端」と呼ぶ。
上側ブレード(42)は、上側シリンダ(30)のブレード収容孔(32)に嵌まっている。上側ブレード(42)は、上側シリンダ(30)内に形成された上側流体室(34)を、吸入ポート(33)側の低圧室と、吐出ポート(24)側の高圧室に仕切る。
下側ブレード(47)は、下側シリンダ(35)のブレード収容孔(37)に嵌まっている。下側ブレード(47)は、下側シリンダ(35)内に形成された下側流体室(39)を、吸入ポート(38)側の低圧室と、吐出ポート(29)側の高圧室に仕切る。
上側ピストン部材(40)の高さと、下側ピストン部材(45)の高さとは、互いに等しい(図2を参照)。上側ピストン部材(40)は、上側ピストン本体(41)の高さと上側ブレード(42)の高さが等しい。また、下側ピストン部材(45)は、下側ピストン本体(46)の高さと下側ブレード(47)の高さが等しい。
上側ピストン部材(40)は、図6に示す二点鎖線よりも上側ピストン本体(41)の径方向の外側に位置する部分が上側ブレード(42)であり、残りの部分が上側ピストン本体(41)である。図6に示す二点鎖線は、直径が上側ピストン本体(41)の外径が等しく、中心が上側ピストン本体(41)の中心軸(41a)上に位置する円弧である。
下側ピストン部材(45)は、図6に示す二点鎖線よりも下側ピストン本体(46)の径方向の外側に位置する部分が下側ブレード(47)であり、残りの部分が下側ピストン本体(46)である。図6に示す二点鎖線は、直径が下側ピストン本体(46)の外径が等しく、中心が下側ピストン本体(46)の中心軸(46a)上に位置する円弧である。
-ブッシュ-
上側シリンダ(30)と下側シリンダ(35)のそれぞれには、一対のブッシュ(43,48)が設けられている。各ブッシュ(43,48)は、前面が平坦面であり、背面が円弧面である、小さい板状の部材である。
上側ブッシュ(43)は、上側シリンダ(30)の各ブッシュ収容部(32a)に一つずつ設けられている。各上側ブッシュ(43)は、それぞれの背面がブッシュ収容部(32a)の壁面と摺接する。
一対の上側ブッシュ(43)は、ブレード収容孔(32)に嵌まった上側ブレード(42)を、両側から挟み込んでいる。上側ブレード(42)は、上側ブッシュ(43)を介して上側シリンダ(30)に揺動自在で且つ進退自在に支持されている。
下側ブッシュ(48)は、下側シリンダ(35)の各ブッシュ収容部(37a)に一つずつ設けられている。各下側ブッシュ(48)は、それぞれの背面がブッシュ収容部(37a)の壁面と摺接する。
一対の下側ブッシュ(48)は、ブレード収容孔(37)に嵌まった下側ブレード(47)を、両側から挟み込んでいる。下側ブレード(47)は、下側ブッシュ(48)を介して下側シリンダ(35)に揺動自在で且つ進退自在に支持されている。
以下では、説明の便宜のため、上側シリンダ(30)、上側ピストン部材(40)、および上側ブッシュ(43)を含んでいる一方の気筒を第1圧縮機構(101)と呼ぶ。下側シリンダ(35)、下側ピストン部材(45)、および下側ブッシュ(48)を含んでいるもう一方の気筒を第2圧縮機構(102)と呼ぶ。
〈ピストン部材の詳細な構成〉
電動機(10)が駆動軸(70)を駆動すると、圧縮機構(15)の各ピストン部材(40,45)が駆動軸(70)によって駆動される。各ピストン部材(40,45)は、シリンダ(30,35)内において、駆動軸(70)が一回転する毎に、周期的に変位する。上側ピストン部材(40)の変位と、下側ピストン部材(45)の変位は、位相が180°(即ち、半周期)ずれている。
図7は、ピストン部材(40,45)の回転角度(以下、クランク角という)と、ピストン部材(40,45)の回転軸回りの加振トルク等を示している。図7では、横軸がクランク角であり、縦軸がトルク[N・m]である。図7において、Tmは、電動機(10)のトルクである。図7において、Tgpは、圧縮されたガスからの荷重による加振トルク(以下、圧縮トルク(Tgp)という)である。図7において、Tsは、ピストンの慣性力によるトルクである。
図7に示すように、ピストン慣性力によるトルク(Ts)と、圧縮トルク(Tgp)とは、ピークの位相が概ね逆である。図7において、Ttotalは、圧縮トルク(Tgp)とトルク(Ts)とを合成したものである。Ttotalの波形から分かるように、圧縮機構(15)では、ピストン慣性力(トルク(Ts))によって、圧縮トルク(Tgp)を低減するように、各ピストン部材(40,45)が動作している。
圧縮トルク(Tgp)の低減効果は、ピストン部材(40,45)の慣性モーメント(Ipis)の値によって異なってくる。図8は、ロータリ圧縮機(1)の回転数(rps)と、圧縮トルク(Tgp)(加振トルク)との関係を例示している。
図8に示すように、ピストン部材(40,45)の慣性モーメント(Ipis)が大きいほど、低周波数の領域での振動の低減効果が向上する傾向にある(以下、傾向1という)。一方、ピストン部材(40,45)の慣性モーメント(Ipis)を大きくし過ぎると、高周波の所定領域での振動が悪化する傾向にある(以下、傾向2という)。
本実施形態では、傾向1、および傾向2を考慮して、両ピストン部材(40,45)は、慣性モーメント(Ipis)が所定の範囲となるように構成されている。具体的には、両ピストン部材(40,45)は、次の不等式(1)を満足するように構成されている。
Figure 0007348495000002
ここで、ピストン慣性モーメントとは、ピストン本体(41,46)(ピストンの円筒部)の中心を通り、端面に垂直な軸まわりのピストンの慣性モーメントである。シリンダ容積とは、シリンダボア(31,36)の体積から、ピストン本体(41,46)の外径を直径とし、厚みがピストンの肉厚に等しい円柱の体積を差し引いた値である。最高回転数は、ロータリ圧縮機(1)が使用される際の最高回転数である。空気調和機で使用する場合は、最高回転数は、低温暖房運転時の回転数となる。差圧とは、そのときの圧縮機の吐出冷媒圧力と吸入冷媒圧力の差で、具体的には、凝縮温度を45℃、蒸発温度を-7℃、過冷却度を5℃、過熱度を8℃としてロータリ圧縮機(1)を運転したときの上記圧力差である。不等式(1)における、Vcc、ΔP、Nmaxは、ロータリ圧縮機(1)に求められる能力(仕様)が定まれば、決定することができる。
両ピストン部材(40,45)に不等式(1)を満足させるために、本実施形態では、これらのピストン部材(40,45)の材料として、鉄よりも密度の大きな金属を採用した。この例では、密度(ρ)が10g/cm以上の金属によって、両ピストン部材(40,45)を形成した。より具体的には、モリブデンをピストン部材(40,45)の材料として用いた。
ここで、不等式(1)における、1.5×10-4は、慣性モーメント(Ipis)の下限値(以下、下限慣性モーメント(Imin)という)を規定するパラメータである。不等式(1)における、1.5×10-4は、比較的、低周波数の領域におけるロータリ圧縮機(1)の加振力を、8%減らすのに必要な値である。8%の意義については後述する。ここでの低周波数は、ロータリ圧縮機(1)が、比較的、低速回転しているときの振動の周波数であり、例えば、60Hz以下の周波数である。
不等式(1)における、1.8×10-4は、ロータリ圧縮機(1)における高周波数の振動を考慮して定めたものである。ここでの高周波数は、ロータリ圧縮機(1)が、比較的、高回転しているときの振動の周波数であり、例えば、120Hz程度の周波数である。
傾向1および傾向2を考慮すると、低周波数の所定領域(例えば60Hz以下)と高周波の所定領域(例えば120Hz程度)とで、振動低減効果の度合いのバランスをとるのが望ましい。そこで、本実施形態では、高周波の所定領域におけるロータリ圧縮機(1)の加振力と、低周波領域の所定領域における加振力とが同等となるように慣性モーメント(Ipis)の上限値を定めた。この上限値を定めるための値が、不等式(1)における、1.8×10-4である。
〈動作例〉
電動機(10)が駆動軸(70)を駆動すると、圧縮機構(15)の各ピストン部材(40,45)が駆動軸(70)によって駆動される。各ピストン部材(40,45)の位置は、対応するシリンダ(30,35)内において、駆動軸(70)が一回転する毎に、周期的に変位する。
このようにピストン部材(40,45)が変位すると、ピストン慣性力(トルク(Ts))によって、圧縮トルク(Tgp)が低減する。ピストン慣性力によるトルク(Ts)と、圧縮トルク(Tgp)とは、ピークの位相が概ね逆だからである(図7参照)。本実施形態では、ピストン部材(40,45)が不等式(1)を満足するように構成されているので、効果的に圧縮機の加振力(加振トルク)を低減できる。
図9は、加振トルクの低減効果を説明する図である。図9では、縦軸は、配管の所定位置における応力[MPa]であり、横軸は、振動の周波数[Hz]である。図9では、下限慣性モーメント(Imin)のピストン部材(40,45)を用いた場合における応力を本実施形態の応力としてプロットしてある。図9では、下限慣性モーメント(Imin)よりも小さい慣性モーメントのピストン部材(鉄製)を用いた場合における応力を従来例の応力としてプロットしてある。
空気調和装置(冷凍装置の一例)では、冷媒回路を構成する配管は、60Hz以下の範囲において、幾つかの応力ピークを持つ傾向にある(図9参照)。図9に示すように、鉄製のピストン部材(従来例)と比べると、本実施形態では、40Hzから80Hzの帯域(詳しくは60Hz付近)に現れていたピークが低減している。より具体的に、下限慣性モーメント(Imin)のピストン部材(40,45)では、加振力(加振トルク)が概ね8%減っている。
配管の応力を、低減する手段としては、圧縮機に付属する補器(例えばアキュームレータ)に、おもりを付けて振動対策を行うこと等が考えられる。本実施形態では、加振力(加振トルク)が8%低減すると、振動対策のおもりの量を2割程度削減できることを確認できている。換言すると、不等式(1)における1.5×10-4には、振動対策のおもりの2割削減を実現するという技術的な意義がある。
以上をまとめると、本開示は、第1圧縮機構(101)、第2圧縮機構(102)、および駆動軸(70)を備えた圧縮機(ロータリ圧縮機(1))において、前記第1圧縮機構(101)および第2圧縮機構(102)は、それぞれ、シリンダ(30,35)と、前記シリンダ(30,35)に収容されたピストン部材(40,45)と、を備え、前記ピストン部材(40,45)は、円筒状のピストン本体(41,46)と、前記ピストン本体(41,46)と一体で且つ前記ピストン本体(41,46)から延びる平板状のブレード(42,47)とを有し、前記駆動軸(70)は、前記駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心した円柱状に形成されて一方のピストン本体(41,46)が嵌まる第1偏心部(75)と、前記駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心した円柱状に形成されて他方のピストン本体(41,46)が嵌まる第2偏心部(76)とを有し、前記第1偏心部(75)と前記第2偏心部(76)とは、前記回転中心軸(70a)に対する偏心方向が180°異なっており、それぞれの前記ピストン部材(40,45)は、不等式(1)を満たすことを特徴とする圧縮機である。
〈本実施形態の効果〉
以上の通り、本実施形態によれば、圧縮機の振動を低減することが可能になる。本実施形態では、振動対策のおもりの2割削減に成功している。
本実施形態では、ピストン部材(40,45)の慣性モーメント(Ipis)の上限値を定めてあるので、低周波数の領域と高周波数の領域の双方で、バランス良く振動低減効果を得ることが可能になる。
《その他の実施形態》
《変形例1》
図10は、実施形態の変形例1に係るピストン部材(40,45)を示す。図10に示すように、各ピストン部材(40,45)のブレード(42,47)の先端には、おもり(42a,47a)が設けられている。このようにおもり(42a,47a)を設けることで、ピストン部材(40,45)が、より容易に不等式(1)を満足するようにできる。
このおもり(42a,47a)には、ピストン本体(41,46)よりも密度が大きな材料を用いるとよい。それにより、ピストン部材(40,45)が不等式(1)を容易に満足するようにできる。
《変形例2》
ブレード(42,47)の幅(t1)は、ピストン本体(41,46)の径方向の肉厚(t2)よりも大きくするとよい(幅(t1)、肉厚(t2)は、図6参照)。こうすることで、ピストン部材(40,45)が不等式(1)を容易に満足するようにできる。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、圧縮機について有用である。
1 ロータリ圧縮機(圧縮機)
30 上側シリンダ
35 下側シリンダ
40 上側ピストン部材
41 上側ピストン本体
42 上側ブレード
45 下側ピストン部材
46 下側ピストン本体
47 下側ブレード
70 駆動軸
70a 回転中心軸
75 上側偏心部(第1偏心部)
76 下側偏心部(第2偏心部)
101 第1圧縮機構
102 第2圧縮機構

Claims (5)

  1. 第1圧縮機構(101)、第2圧縮機構(102)、および駆動軸(70)を備えた圧縮機において、
    前記第1圧縮機構(101)および第2圧縮機構(102)は、それぞれ、
    シリンダ(30,35)と、
    前記シリンダ(30,35)に収容されたピストン部材(40,45)と、
    を備え、
    前記ピストン部材(40,45)は、円筒状のピストン本体(41,46)と、前記ピストン本体(41,46)と一体で且つ前記ピストン本体(41,46)から延びる平板状のブレード(42,47)とを有し、
    前記駆動軸(70)は、
    前記駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心した円柱状に形成されて一方のピストン本体(41,46)が嵌まる第1偏心部(75)と、
    前記駆動軸(70)の回転中心軸(70a)に対して偏心した円柱状に形成されて他方のピストン本体(41,46)が嵌まる第2偏心部(76)とを有し、
    前記第1偏心部(75)と前記第2偏心部(76)とは、前記回転中心軸(70a)に対する偏心方向が180°異なっており、
    それぞれの前記ピストン部材(40,45)は、
    Figure 0007348495000003
    を満たすことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    前記ピストン部材(40,45)を構成する材料の密度(ρ)は、10g/cm3以上であることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    少なくとも一方の前記ブレード(42,47)の先端には、おもり(42a,47a)が設けられていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3において、
    前記おもり(42a,47a)は、ピストン本体(41,46)よりも密度が大きな材料で形成されていることを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項1において、
    前記ブレード(42,47)の幅は、前記ピストン本体(41,46)の径方向の肉厚よりも大きいことを特徴とする圧縮機。
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