以下、添付図面に従って本開示の技術に係る撮像装置の実施形態の一例について説明する。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-chip”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。USBとは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。ELとは、“Electro-Luminescence”の略称を指す。A/Dとは、“Analog/Digital”の略称を指す。I/Fとは、“Interface”の略称を指す。UIとは、“User Interface”の略称を指す。LTEとは、“Long Term Evolution”の略称を指す。5Gとは、“5th Generation”の略称を指す。LDとは、“Laser Diode”の略称を指す。IRとは、“Infrared”の略称を指す。APDとは、“Avalanche Photodiode”の略称を指す。TOFとは、“Time of Flight”の略称を指す。fpsとは、“frame per second”の略称を指す。LEDとは、“Light Emitting Diode”の略称を指す。ROIとは、“Region of Interest”の略称を指す。LANとは、“Local Area Network”の略称を指す。
本明細書の説明において、「水平」とは、完全な水平の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの水平を指す。本明細書の説明において、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの平行を指す。本明細書の説明において、「垂直」とは、完全な垂直の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの垂直を指す。本明細書の説明において、「同一」とは、完全な同一の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの同一を指す。
一例として図1に示すように、スマートデバイス10は、画角θ1で規定された撮像領域を撮像する撮像動作(以下、単に「撮像動作」とも称する)と、撮像領域に対してレーザ光を照射し、撮像領域に対するレーザ光による反射光を受光することで測距を行う測距動作(以下、単に「測距動作」とも称する)とを行う。レーザ光は、本開示の技術に係る「指向性光」の一例である。
本実施形態において、「測距」とは、スマートデバイス10から撮像領域内の測距対象までの距離を測定する処理を指す。また、ここで、「測距対象」とは、レーザ光を反射する物体を指し、図1に示す例では、撮像領域内の測距対象として、人物及び樹木が示されている。なお、スマートデバイス10としては、例えば、撮像機能付きの電子機器であるスマートフォン又はタブレット端末等が挙げられる。
一例として図2に示すように、スマートデバイス10は、筐体12を備えている。筐体12には、測距撮像装置14が収容されている。測距撮像装置14は、光照射器16及び受光器18を備えている。光照射器16は、LD24を備えており、受光器18は、光電変換素子26を備えている。スマートデバイス10において、撮像動作及び測距動作は、測距撮像装置14によって行われる。なお、測距撮像装置14は、本開示の技術に係る「撮像部(撮像装置)」及び「測距部(測距装置)」の一例である。
スマートデバイス10の側面には、指示キー13が配置されている。指示キー13は、各種の指示を受け付ける。ここで言う「各種の指示」とは、例えば、各種メニューを選択可能なメニュー画面の表示の指示、1つ又は複数のメニューの選択の指示、選択内容の確定の指示、及び選択内容の消去の指示等を指す。
スマートデバイス10を縦置きの状態にした場合の筐体12の背面12Aの左上部(縦置きの状態のスマートデバイス10の背面視左上部)には、透光窓20及び22が設けられている。透光窓20及び22は、透光性を有する光学素子(例えば、レンズ)であり、水平方向に沿って既定の間隔(例えば、数ミリの間隔)で配置されており、背面12Aから露出している。光照射器16は、LD24から出射されたレーザ光を、透光窓20を介して測距対象に照射する。本実施形態では、赤外波長域のレーザ光が採用されている。しかし、レーザ光の波長域は、これに限らず、他の波長域のレーザ光であってもよい。
受光器18は、透光窓22を介してIR反射光を取り込む。IR反射光とは、光照射器16によって測距対象に照射されたレーザ光による反射光を指す。また、受光器18は、透光窓22を介して可視反射光を取り込む。可視反射光とは、撮像領域に対して照射された可視光(例えば、太陽光に含まれる可視光)による反射光を指す。なお、以下では、説明の便宜上、IR反射光と可視反射光とを区別して説明する必要がない場合、単に「反射光」と称する。
受光器18は、光電変換素子26を備えており、光電変換素子26は、透光窓22を介して受光器18に取り込まれた反射光を受光し、受光した反射光の光量に応じた電気信号を出力する。
一例として図3に示すように、光電変換素子26は、マトリクス状に配置された複数のフォトダイオードを有している。複数のフォトダイオードの一例としては、“4896×3265”画素分のフォトダイオードが挙げられる。
光電変換素子26に含まれる各フォトダイオードには、カラーフィルタが配置されている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(緑色)波長域に対応するGフィルタ、R(赤色)波長域に対応するRフィルタ、B(青色)波長域に対応するBフィルタ、及びIR(赤外)波長域に対応するIRフィルタを含む。なお、本実施形態において、Gフィルタ、Rフィルタ、及びBフィルタは、赤外光をカットする赤外光カットフィルタとしての機能も有する。また、以下では、説明の便宜上、Gフィルタ、Rフィルタ、及びBフィルタを区別して説明する必要がない場合、「可視光フィルタ」とも称する。
光電変換素子26は、R画素、G画素、B画素、及びIR画素を有する。R画素は、Rフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素であり、G画素は、Gフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素であり、B画素は、Bフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素であり、IR画素は、IRフィルタが配置されたフォトダイオードに対応する画素である。R画素、G画素、B画素、及びIR画素は、行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)の各々に既定の周期性で配置されている。本実施形態において、R画素、G画素、B画素、及びIR画素の配列は、X-Trans(登録商標)配列のうち、一部のG画素をIR画素に置き換えられることで得られた配列である。IR画素は、行方向及び列方向に沿って特定の周期性で配置されている。
なお、ここでは、R画素、G画素、B画素、及びIR画素の配列として、X-Trans配列を基礎とした配列が例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、R画素、G画素、B画素、及びIR画素の配列は、ベイヤ配列又はハニカム(登録商標)配列などの他の配列を基礎とした配列であってもよい。
また、ここでは、R画素、G画素、及びB画素の配列として一般的に知られている配列のうち、一部のG画素がIR画素に置き換えられることで得られた配列がR画素、G画素、B画素、及びIR画素の配列として例示されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、R画素、G画素、及びB画素(以下、これらを「可視光画素」とも称する)の各々に対応する各カラーフィルタを、赤外光も透過させるカラーフィルタとし、1つのカラーフィルタにつき、可視光画素用のフォトダイオードとIR画素用のフォトダイオート(例えば、InGaAs APD)による一対のフォトダイオードが配置されるようにしてもよい。
本実施形態において、光電変換素子26は、2つの領域に区分される。すなわち、光電変換素子26は、可視光画像用区分領域26N1と測距用区分領域26N2とを有する。可視光画像用区分領域26N1は、複数の可視光画素による可視光画素群であり、可視光画像の生成に用いられる。測距用区分領域26N2は、複数のIR画素によるIR画素群であり、測距に用いられる。可視光画像用区分領域26N1は、可視反射光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する。測距用区分領域26N2は、IR反射光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する。
一例として図4に示すように、筐体12の前面12Bには、タッチパネル・ディスプレイ59が設けられている。タッチパネル・ディスプレイ59は、ディスプレイ46及びタッチパネル48を備えている。ディスプレイ46の一例としては、有機ELディスプレイが挙げられる。ディスプレイ46は、有機ELディスプレイではなく、液晶ディスプレイ又は無機ELディスプレイなどの他種類のディスプレイであってもよい。なお、ディスプレイ46は、本開示の技術に係る「表示部(ディスプレイ)」の一例である。また、タッチパネル48は、本開示の技術に係る「受付部(受付デバイス(アクセプタ))」の一例である。
ディスプレイ46は、画像(例えば、ライブビュー画像及び再生画像)及び文字情報等を表示する。タッチパネル48は、透過型のタッチパネルであり、ディスプレイ46の表示領域の表面に重ねられている。タッチパネル48は、指又はスタイラスペン等の指示体による接触を検知することで、ユーザからの指示を受け付ける。なお、ここでは、タッチパネル・ディスプレイ59の一例として、タッチパネル48がディスプレイ46の表示領域の表面に重ねられているアウトセル型のタッチパネル・ディスプレイを挙げているが、これはあくまでも一例に過ぎない。例えば、タッチパネル・ディスプレイ59として、オンセル型又はインセル型のタッチパネル・ディスプレイを適用することも可能である。
一例として図5に示すように、スマートデバイス10では、撮像を開始する指示がタッチパネル48によって受け付けられると、受光器18によって撮像領域が撮像される。すなわち、受光器18は、可視反射光を受光し、受光した可視反射光に応じた画像として、撮像領域を示す可視光画像を生成する。可視光画像は、本開示の技術に係る「撮像領域画像」の一例である。
可視光画像は、タッチパネル48によって受け付けられた指示に応じて、ライブビュー画像又は静止画像として、ディスプレイ46に表示される。図5に示す例では、撮像領域が画角θ1によって規定されている。画角θ1は、タッチパネル48によって受け付けられた指示に従って変更される。
一例として図6に示すように、スマートデバイス10では、測距を開始する指示(以下、「測距開始指示」とも称する)がタッチパネル48によって受け付けられると、光照射器16によってレーザ光が照射される。レーザ光が照射される角度(以下、「照射角度」とも称する)は、θ2であり、照射角度θ2は、タッチパネル48によって受け付けられた指示に従って変更される。なお、図6に示す例では、可視光画像がライブビュー画像としてディスプレイ46に表示されている状態でタッチパネル48によって受け付けられた測距開始指示に応じて測距が開始される形態例を挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、可視光画像がディスプレイ46に表示されていない状態でタッチパネル48によって測距開始指示が受け付けられた場合に測距が開始されるようにしてもよい。
スマートデバイス10では、光照射器16によってレーザ光が照射されてから、受光器18の測距用区分領域26N2(図3参照)によってIR反射光が受光されるまでに要する時間と、光速とに基づいて、スマートデバイス10から測距対象までの距離が測定される。例えば、測距対象までの距離を“L”とし、光速を“c”とし、光照射器16によってレーザ光が照射されてから測距用区分領域26N2よってIR反射光が受光されるまでに要する時間を“t”とすると、距離Lは、“L=c×t×0.5”の式に従って算出される。
一例として図7に示すように、スマートデバイス10では、測距用区分領域26N2に含まれる複数のIR画素の各々によってIR反射光が受光されることで、IR画素毎に測距が行われる。そして、IR画素毎の測距結果が距離画像としてディスプレイ46に表示される。ここで、距離画像とは、IR画素毎に測定された測距対象までの距離を色別及び/又は濃淡で表現した画像を指す。
スマートデバイス10では、タッチパネル48によって受け付けられた指示に従って、測距結果が距離画像又は距離重畳画像でディスプレイ46に表示される。図8に示す例では、ディスプレイ46に距離重畳画像が表示されている距離重畳画像は、可視光画像(例えば、ライブビュー画像)に対して、測距結果を示す数値(図8に示す例では、1.6m、1.8m、及び5.3m)を重畳させることで得られる画像である。例えば、スマートデバイス10から撮像領域内のうちの代表的な複数の箇所(図8に示す例では、3箇所)の各々までの距離が可視光画像に表示された状態でディスプレイ46に表示される。代表的な複数の箇所の一例としては、撮像領域内の特定の被写体(例えば、画面中央領域に含まれる被写体、及び/又は、人間等)のうち、互いのコントラストの差が既定値以上の複数の箇所が挙げられる。
一例として図9に示すように、スマートデバイス10は、光照射器16及び受光器18の他に、コントローラ15、入出力インタフェース40、画像メモリ42、UI系デバイス44、外部I/F52、及び通信I/F54を備えている。なお、コントローラ15は、本開示の技術に係る「処理装置」及び「コンピュータ」の一例である。
コントローラ15は、CPU15A、ストレージ15B、及びメモリ15Cを備えている。CPU15Aは、本開示の技術に係る「プロセッサ」、「認識プロセッサ」及び「特定プロセッサ」の一例であり、メモリ15Cは、本開示の技術に係る「メモリ」の一例である。CPU15A、ストレージ15B、及びメモリ15Cは、バス50を介して接続されており、バス50は、入出力インタフェース40に接続されている。なお、図9に示す例では、図示の都合上、バス50として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス50は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
ストレージ15Bは、各種パラメータ及び各種プログラムを記憶している。ストレージ15Bは、不揮発性の記憶装置である。ここでは、ストレージ15Bの一例として、フラッシュメモリが採用されている。フラッシュメモリはあくまでも一例に過ぎず、ストレージ15Bとしては、例えば、フラッシュメモリに代えて、又は、フラッシュメモリと併せて、磁気抵抗メモリ及び/又は強誘電体メモリなどの各種の不揮発性メモリが挙げられる。また、不揮発性の記憶装置は、EEPROM、HDD、及び/又はSSD等であってもよい。また、メモリ15Cは、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。メモリ15Cの一例としては、RAMが挙げられるが、これに限らず、他の種類の記憶装置であってもよい。
ストレージ15Bには、各種プログラムが記憶されている。CPU15Aは、ストレージ15Bから必要なプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ15C上で実行する。CPU15Aは、メモリ15C上で実行するプログラムに従ってスマートデバイス10の全体を制御する。
入出力インタフェース40には、複数のデバイスが接続されており、入出力インタフェース40は、複数のデバイス間での各種情報の授受を司る。図9に示す例では、入出力インタフェース40に接続されている複数のデバイスとして、コントローラ15、光照射器16、受光器18、画像メモリ42、UI系デバイス44、外部I/F52、及び通信I/F54が示されている。
外部I/F52は、スマートデバイス10の外部に存在する装置(以下、「外部装置」とも称する)との間の各種情報の授受を司る。外部I/F52の一例としては、USBインタフェースが挙げられる。USBインタフェースには、スマートデバイス、パーソナル・コンピュータ、サーバ、USBメモリ、メモリカード、及び/又はプリンタ等の外部装置(図示省略)が直接または間接的に接続可能である。
通信I/F54は、LTE、5G、無線LAN、及び/又はBluetooth(登録商標)等の通信機能を有しており、外部装置とCPU15Aとの間での各種情報の授受を司る。例えば、通信I/F54は、基地局(図示省略)を介してネットワーク56(例えば、インターネット)に通信可能に接続されており、ネットワーク56上の外部装置とCPU15Aとの間での各種情報の授受を司る。
UI系デバイス44は、ディスプレイ46を備えており、CPU15Aは、ディスプレイ46に対して各種情報を表示させる。また、UI系デバイス44は、受付デバイス47を備えている。受付デバイス47は、タッチパネル48及びハードキー部53を備えている。ハードキー部53は、指示キー13(図2参照)を含む少なくとも1つのハードキーである。CPU15Aは、タッチパネル48によって受け付けられた各種指示に従って動作する。なお、ここでは、ハードキー部53がUI系デバイス44に含まれているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、ハードキー部53は、外部I/F52に接続されていてもよい。
光照射器16は、透光窓20、ビームエクスパンダ21、コリメートレンズ23、LD24、及びLDドライバ25を備えており、光軸L1に沿って、撮像領域側(物体側)からLD24にかけて、透光窓20、ビームエクスパンダ21、及びコリメートレンズ23が順に配置されている。LDドライバ25は、LD24及び入出力インタフェース40に接続されており、CPU15Aの指示に従ってLD24を駆動させてLD24からレーザ光を出射させる。
LD24から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ23によって平行光に変換されてからビームエクスパンダ21によって光径が拡げられ、透光窓20から測距対象に向けて照射される。
受光器18は、透光窓22、対物レンズ30A、フォーカスレンズ30B、絞り30C、光電変換素子26、光電変換素子ドライバ32、及び信号処理回路34を備えている。受光器18では、光軸L2に沿って、撮像領域側(物体側)から光電変換素子26にかけて、透光窓22、対物レンズ30A、フォーカスレンズ30B、及び絞り30Cが順に配置されている。光電変換素子ドライバ32は、光電変換素子26及び入出力インタフェース40に接続されており、CPU15Aの指示に従って光電変換素子26を駆動させる。例えば、光電変換素子ドライバ32は、CPU15Aの制御下で、光電変換素子26によって行われる撮像のタイミングを規定する撮像タイミング信号を光電変換素子26に供給する。光電変換素子26は、光電変換素子ドライバ32から供給された撮像タイミング信号に従って、リセット、露光、及び電気信号の出力を行う。撮像タイミング信号としては、例えば、垂直同期信号及び水平同期信号が挙げられる。
受光器18は、合焦制御機構31を備えている。合焦制御機構31は、フォーカスレンズ30B、移動機構60、モータ62、及びモータドライバ64を備えている。フォーカスレンズ30Bは、移動機構60によって光軸L2に沿ってスライド可能に支持されている。モータ62は、移動機構60及びモータドライバ64に接続されている。モータドライバ64は、入出力インタフェース40に接続されており、CPU15Aからの指示に従ってモータ62を駆動させる。移動機構60は、モータ62の駆動軸(図示省略)に接続されており、モータ62から動力を受けることで、フォーカスレンズ30Bを光軸L2に沿って物体側と像側とに選択的に移動させる。すなわち、CPU15Aは、モータドライバ64を介してモータ62の駆動を制御することで合焦位置を調整する。ここで、「合焦位置」とは、ピントが合っている状態(例えば、可視光画像のコントラストを最大値にした状態、又は、既定の被写体深度を実現した状態)でのフォーカスレンズ30Bの光軸L2上での位置を指す。以下では、説明の便宜上、フォーカスレンズ30Bを合焦位置に合わせる制御を「合焦制御」とも称する。
絞り30Cは、開口が変化しない固定絞りである。固定絞りの場合、露出調節は光電変換素子26の電子シャッタで行われる。絞り30Cは、固定絞りでなく、可変絞りであってもよい。なお、受光器18に含まれる対物レンズ30A、フォーカスレンズ30B、及び絞り30Cはあくまでも一例であり、レンズの構成及び/又は絞り30Cの位置が変わっても本開示の技術は成立する。
受光器18には、透光窓22から反射光が入射される。透光窓22に入射された反射光は、対物レンズ30A、フォーカスレンズ30B、及び絞り30Cを介して光電変換素子26に結像される。
光電変換素子26は、信号処理回路34に接続されており、可視光画素及びIR画素の各画素について、画素値を示す画素データを信号処理回路34に出力する。信号処理回路34は、光電変換素子26から入力された画素データに対してA/D変換を行うことで画素データをデジタル化し、デジタル化した画素データに対して各種の信号処理を施す。
信号処理回路34は、可視光画素データ処理回路34A及び距離画像生成回路34Bを備えている。可視光画素データ処理回路34Aは、可視光画素についての画素データに対して、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、色空間変換処理、及び色差補正などの公知の信号処理を施すことで可視光画像を生成する。そして、可視光画素データ処理回路34Aは、可視光画像を画像メモリ42に格納する。なお、画像メモリ42には、1フレーム分の可視光画像が上書き保存されることで、画像メモリ42内の可視光画像が更新される。
測距撮像装置14は、TOFカメラ19を備えている。TOFカメラ19は、光照射器16、測距用区分領域26N2、及び距離画像生成回路34Bを備えている。距離画像生成回路34Bは、LD24からレーザ光が出射されたタイミング(以下、「出射タイミング」とも称する)を示す出射タイミング信号をCPU15Aから取得する。距離画像生成回路34Bは、出射タイミング信号により示される出射タイミングと、各IR画素によってIR反射光が受光されたタイミング(以下、「受光タイミング」とも称する)とに基づいて、各IR画素について、スマートデバイス10から測距対象までの距離を測定する。そして、距離画像生成回路34Bは、IR画素毎の測定結果に基づいて距離画像を生成し、生成した距離画像を画像メモリ42に格納する。なお、画像メモリ42には、1フレーム分の距離画像が上書き保存されることで、画像メモリ42内の距離画像が更新される。
一例として図10に示すように、ストレージ15Bには、撮像処理プログラム70、測距処理プログラム72、並行処理プログラム74、変更処理プログラム76、表示制御処理プログラム78、画像認識用辞書80、及び照射エネルギーテーブル82が記憶されている。なお、以下では、説明の便宜上、撮像処理プログラム70、測距処理プログラム72、並行処理プログラム74、変更処理プログラム76、及び表示制御処理プログラム78を区別して説明する必要がない場合、「測距撮像処理プログラム」と称する。
ところで、従来技術によれば、IR反射光は、IR画素によって受光され、出射タイミングと受光タイミングとに基づいて、スマートデバイス10から測距対象までの距離が測定される。IR反射光は、可視光フィルタによって完全にカットされるのが理想であるが、IR反射光の強度によっては、可視光フィルタで完全にカットすることが困難である。この場合、IR反射光が、可視光画素に到達することで、可視光画像にノイズとして現れ、可視光画像の画質に影響を及ぼしてしまう虞がある。
IR反射光が可視光画像にノイズとして現れないようにする方法としては、被写体との距離が既定距離(例えば、0.5m)以下の場合、撮像動作が行われる期間(例えば、光電変換素子26によって露光が行われる期間)に測距動作を停止させる、という方法が考えられる。
しかし、測距結果を合焦制御に用いる場合において、撮像動作が行われる期間に、常に測距動作を停止させると、測距動作を停止している間は合焦制御に測距結果を反映させることができないため、常に測距動作を行う場合に比べ、合焦制御の精度の低下が懸念される。特に、動き続ける被写体を測距対象とする場合に、現状に合わない測距結果に従って合焦制御が行われてしまう虞がある。また、撮像シーン次第では、被写体との距離が既定距離であっても、被写体の反射率によっては、IR反射光が可視光画像にノイズとして現れない場合も考えられるが、このような場合であっても、被写体との距離が既定距離以下であれば、測距動作が停止してしまう。
そこで、スマートデバイス10では、一例として図11に示すように、CPU15Aが、ストレージ15Bから測距撮像処理プログラムを読み出し、読み出した測距撮像処理プログラムに従って測距撮像処理を実行する。測距撮像処理は、後述の撮像処理(図18参照)、後述の測距処理(図19参照)、後述の並行処理(図17参照)、後述の変更処理(図20参照)、及び後述の表示制御処理(図21A及び図21B参照)を含む処理である。
CPU15Aは、ストレージ15Bから撮像処理プログラム70を読み出し、読み出した撮像処理プログラム70に従って撮像処理(図18参照)を実行する。また、CPU15Aは、ストレージ15Bから測距処理プログラム72を読み出し、読み出した測距処理プログラム72に従って測距処理(図19参照)を実行する。また、CPU15Aは、ストレージ15Bから並行処理プログラム74を読み出し、読み出した並行処理プログラム74に従って並行処理(図17参照)を実行する。また、CPU15Aは、ストレージ15Bから変更処理プログラム76を読み出し、読み出した変更処理プログラム76に従って変更処理(図20参照)を実行する。更に、CPU15Aは、ストレージ15Bから表示制御処理プログラム78を読み出し、読み出した表示制御処理プログラム78に従って表示制御処理(図21A及び図21B参照)を実行する。
一例として図12に示すように、測距撮像処理は、CPU15Aが制御部90、認識部92、取得部94、判定部96、及び変更部98として動作することによって実現される。
制御部90は、並行処理を実行する。すなわち、制御部90は、測距撮像装置14に対して、撮像動作と測距動作とを並行して行わせる制御を行う。なお、ここでは、撮像動作と測距動作とを並行して行わせる形態例を挙げているが、これはあくまでも一例に過ぎず、撮像動作と測距動作とを並行して行わせなくても本開示の技術は成立する。例えば、撮像動作が行われる期間と測距動作が行われる期間との一部が重複していても本開示の技術は成立する。
また、制御部90は、画像メモリ42から可視光画像及び距離画像を取得し、取得した可視光画像及び距離画像に基づく画像をディスプレイ46に対して表示させる。具体的には、ディスプレイ46には、制御部90の制御下で、可視光画像、距離画像、及び距離重畳画像が切替可能に表示される。
認識部92は、画像メモリ42から可視光画像を取得し、取得した可視光画像に対して画像認識を行う。認識部92は、ストレージ15Bから画像認識用辞書80を取得し、取得した画像認識用辞書80を参照して可視光画像に含まれる画像を認識する。画像認識用辞書80は、複数種類の高反射率物体画像と、複数種類の高反射率物体画像の各々を特定可能な識別子(以下、単に「識別子」とも称する)とが対応付けられた情報である。高反射率物体画像とは、基準反射率以上の反射率を有する物体(以下、「高反射率物体」とも称する)を示す画像を指す。基準反射率としては、例えば、物体に照射されたレーザ光によるIR反射光が可視光フィルタを透過して可視光画素に到達することで可視光画像にノイズとして現れる反射率として官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め導き出された反射率が挙げられる。基準反射率以上の物体としては、光沢性を有する物体として予め定められた物体、及び白色の物体として予め定められた物体等が挙げられる。光沢性を有する物体として予め定められた物体とは、例えば、ミラー板及び光沢球体等を指す。また、白色の物体として予め定められた物体とは、例えば、白衣、白色の風船、及び白髪等を指す。なお、ミラー板は、本開示の技術に係る「鏡状の物体」の一例である。
ここでは、画像認識用辞書80に含まれる情報として複数種類の高反射率物体画像が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、複数種類の高反射率物体画像の各々の特徴量(例えば、空間周波数及び/又は輝度等)であってもよい。また、画像認識用辞書80は、画像と被写体認識結果との対応関係が機械学習されることによって得られた学習結果に基づく情報である。なお、ここでは、機械学習されることによって得られた学習結果に基づく情報が画像認識用辞書80として用いられる形態例を挙げているが、この形態例はあくまでも一例に過ぎず、官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め導き出された情報が画像認識用辞書80として用いられるようにしてもよい。
取得部94は、撮像領域内の反射率を特定可能な反射率情報を取得する。ここでは、反射率情報として画像認識結果が取得部94によって取得される。画像認識結果とは、可視光画像に対して認識部92によって画像認識が行われることで得られた結果を指す。具体的には、認識部92によって高反射率物体画像が認識された場合、画像認識結果は、認識された高反射率物体画像を特定可能な識別子を含み、認識部92によって高反射率物体画像が認識されなかった場合、画像認識結果は、高反射率物体画像が認識されなかったことを示す情報を含む。なお、ここで、「画像認識結果」は、本開示の技術に係る「反射率情報」及び「撮像領域画像に基づく情報」の一例である。
判定部96は、取得部94によって取得された画像認識結果を参照して、可視光画像内に高反射率物体画像が含まれているか否かを判定する。可視光画像内に高反射率物体画像が含まれていると判定部96によって判定された場合、変更部98は、測距撮像装置14によって撮像動作と測距動作とが行われている状態で、取得部94によって取得された画像認識結果に応じて、レーザ光の照射エネルギー(以下、単に「照射エネルギー」とも称する)を変更する。
具体的には、変更部98は、ストレージ15Bから照射エネルギーテーブル82を取得し、取得した照射エネルギーテーブル82に従って、LDドライバ25を介してLD24から出射されるレーザ光の強度を変更することで、照射エネルギーを変更する。つまり、制御部90によって並行処理が実行されることによって撮像動作と測距動作とが並行して行われている状態下で、LDドライバ25は、変更部98によって変更された強度のレーザ光をLD24から出射させる。
照射エネルギーテーブル82には、識別子と強度情報とが対応付けられている。強度情報とは、LD24に対して出射させるレーザ光の強度を示す情報を指す。強度情報により示されるレーザ光の強度は、基準強度よりも弱い強度である。ここで、基準強度は、本開示の技術に係る「第1~第4基準照射エネルギー」の一例である。
基準強度とは、例えば、LD24に対して出射させるレーザ光の強度としてデフォルト値として設定されている強度を指す。デフォルト値として設定されている強度とは、例えば、基準被写体(例えば、一般的な人物の顔として予め定められた人物の顔)に照射されたレーザ光によるIR反射光がIR画素によって測距可能な光量で受光されるレーザ光の強度として官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め導き出された強度を指す。
強度情報は、識別子により特定される高反射率物体画像により示される高反射率物体が有する反射率が高いほどレーザ光の強度が弱くなるように定められている。図12に示す例では、照射エネルギーテーブル82において、識別子により特定される高反射率物体画像として、ミラー板、光沢球体、及び白衣が示されている。ミラー板に対しては、強度X11を示す強度情報が対応付けられている。光沢球体に対しては、強度X12を示す強度情報が対応付けられている。白衣に対しては、強度X13を示す強度情報が対応付けられている。強度X11、強度X12、及び強度X13間では、“強度X11<強度X12<強度X13”という大小関係が成立している。
制御部90の制御下で、ディスプレイ46に表示される可視光画像、距離画像、及び距離重畳画像を切り替える場合、一例として図13に示すように、制御部90は、タッチパネル48によって受け付けられた指示に従って、ディスプレイ46に対して表示モード選択画面100を表示させる。表示モード選択画面100は、可視光画像表示モード、距離画像表示モード、及び距離重畳画像表示モードの何れかをユーザ等に対して選択させる場合にユーザ等によって用いられる画面である。可視光画像表示モードは、制御部90がディスプレイ46に対して可視光画像を表示させる動作モードである。距離画像表示モードは、制御部90がディスプレイ46に対して距離画像を表示させる動作モードである。距離重畳画像表示モードは、制御部90がディスプレイ46に対して距離重畳画像を表示させる動作モードである。
表示モード選択画面100には、ソフトキー100A、100B、及び100Cが表示されている。ソフトキー100Aは、ユーザ等が可視光画像表示モードを選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。ソフトキー100Bは、ユーザ等が距離画像表示モードを選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。ソフトキー100Cは、ユーザ等が距離重畳画像表示モードを選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。なお、以下では、説明の便宜上、可視光画像表示モード、距離画像表示モード、及び距離重畳画像表示モードを区別せずに説明する場合、「表示モード」と称する。
表示モード選択画面100に対する操作によって表示モードが選択されると、一例として図14に示すように、制御部90は、ディスプレイ46に対して測距範囲指定案内画面102を表示させる。測距範囲指定案内画面102は、ユーザ等に対して測距範囲の指定を案内する画面である。測距範囲指定案内画面102には、測距範囲を指定するか否かをユーザに対して問うメッセージ(以下、「案内メッセージ」とも称する)が表示されている。図14に示す例では、案内メッセージの一例として、「測距範囲を指定しますか?」というメッセージが示されている。また、測距範囲指定案内画面102には、ソフトキー102A及び102Bが表示されている。ソフトキー102Aは、ユーザ等が測距範囲を指定する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。ソフトキー102Bは、ユーザ等が測距範囲を指定しない場合、すなわち、撮像領域の全体を測距範囲とする場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。
測距範囲指定案内画面102がディスプレイ46に表示されている状態で、タッチパネル48を介してソフトキー102Aがユーザ等によってオンされると、一例として図15に示すように、制御部90は、ディスプレイ46に対して、可視光画像をライブビュー画像として表示させる。ディスプレイ46にライブビュー画像が表示されている状態で、タッチパネル48を介してユーザ等によって画像領域(図15に示す例では、可視光画像上の破線で囲まれた矩形領域)が指定される。ユーザ等によって指定された画像領域(以下、「指定画像領域」とも称する)に対応する実空間領域は、測距撮像装置14による測距対象として指定される。
この場合、一例として図16に示すように、タッチパネル48から、可視光画像上での指定画像領域の位置を特定可能な領域位置特定情報(例えば、座標)が制御部90に出力される。制御部90は、測距用区分領域26N2のうちの測距用指定区分領域26N2aの位置を特定可能な区分領域位置情報(例えば、画素アドレス)を光電変換素子ドライバ32に出力する。ここで、測距用指定区分領域26N2aとは、測距用区分領域26N2のうち、タッチパネル48から入力された領域位置特定情報により特定される指定画像領域の位置に対応する位置の区分領域を指す。
光電変換素子ドライバ32は、測距動作において、測距用区分領域26N2のうちの測距用指定区分領域26N2aのみを駆動させることで、測距撮像装置14に対して、測距用指定区分領域26N2aのみによって受光されたIR反射光を用いて測距を行わせる。つまり、測距は、TOFカメラ19(図9参照)に含まれる複数のIR画素のうちの指定された領域内に含まれる少なくとも1つのIR画素のみによって受光されたIR反射光を用いて行われる。
次に、スマートデバイス10の本開示の技術に係る部分の作用について図17~図21Bを参照しながら説明する。
先ず、CPU15Aによって実行される並行処理について図17を参照しながら説明する。
図17に示す並行処理では、先ず、ステップST10で、制御部90は、並行処理を開始する条件(以下、「並行処理開始条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。並行処理開始条件の一例としては、タッチパネル48に対して、並行処理を開始する指示が受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST10において、並行処理開始条件を満足してない場合は、判定が否定されて、ステップST10の判定が再び行われる。ステップST10において、並行処理開始条件を満足した場合は、判定が肯定されて、並行処理はステップST12へ移行する。
ステップST12で、制御部90は、撮像処理及び測距処理を開始することで、測距撮像装置14に対して撮像動作及び測距動作を開始させ、その後、並行処理はステップST14へ移行する。
ステップST14で、制御部90は、並行処理を終了させる条件(以下、「並行処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。並行処理終了条件の一例としては、タッチパネル48に対して、並行処理を終了させる指示が受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST14において、並行処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップST14の判定が再び行われる。ステップST14において、並行処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、並行処理はステップST16へ移行する。
ステップST16で、制御部90は、撮像処理及び測距処理を終了させることで、測距撮像装置14に対して撮像動作及び測距動作を終了させ、その後、並行処理が終了する。
次に、CPU15Aによって実行される撮像処理について図18を参照しながら説明する。
図18に示す撮像処理では、まず、ステップST20で、制御部90は、測距撮像装置14に対して撮像を行わせるタイミング(以下、「撮像タイミング」とも称する)が到来したか否かを判定する。撮像タイミングの一例としては、フレームレートを規定する周期によって定められたタイミングが挙げられる。例えば、フレームレートが120fpsであれば、フレームレートを規定する周期は、1/120秒である。ステップST20において、撮像タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、撮像処理はステップST28へ移行する。ステップST20において、撮像タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、撮像処理はステップST22へ移行する。
ステップST22で、制御部90は、光電変換素子ドライバ32に対して撮像タイミング信号を出力させることで、光電変換素子26をリセットし、光電変換素子26に対して露光を行わせ、その後、撮像処理はステップST24へ移行する。
ステップST24で、制御部90は、可視光画素データ処理回路34Aに対して各種の信号処理を行わせる。すなわち、可視光画素データ処理回路34Aは、光電変換素子26に含まれる可視光画素についての画素データに対して各種の信号処理を施すことで可視光画像を生成する。
ステップST26で、制御部90は、可視光画素データ処理回路34Aに対して可視光画像を画像メモリ42に格納させ、その後、撮像処理はステップST28へ移行する。
ステップST28で、制御部90は、撮像処理を終了させる条件(以下、「撮像処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。撮像処理終了条件の一例としては、図17に示すステップST16の処理が実行された、との条件が挙げられる。ステップST28において、撮像処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、撮像処理はステップST20へ移行する。ステップST28において、撮像処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、撮像処理が終了する。
次に、CPU15Aによって実行される測距処理について図19を参照しながら説明する。
図19に示す測距処理では、先ず、ステップST40で、制御部90は、測距撮像装置14に対して測距を行わせるタイミング(以下、「測距タイミング」とも称する)が到来したか否かを判定する。測距タイミングは、例えば、撮像タイミングよりも短い周期で到来するタイミングである。ステップST40において、測距タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、測距処理はステップST56へ移行する。ステップST40において、測距タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、測距処理はステップST42へ移行する。
ステップST42で、制御部90は、光照射器16に対してレーザ光を照射させる。すなわち、制御部90は、LDドライバ25を制御することで、LD24に対してレーザ光を出射させ、その後、測距処理はステップST44へ移行する。
ステップST44で、制御部90は、測距用指定区分領域26N2aによってIR反射光が受光されたか否かを判定する。ステップST44において、測距用指定区分領域26N2aによってIR反射光が受光されていない場合は、判定が否定されて、ステップST44の判定が再び行われる。ステップST44において、測距用指定区分領域26N2aによってIR反射光が受光された場合は、判定が肯定されて、測距処理はステップST46へ移行する。
ステップST46で、制御部90は、距離画像生成回路34Bに対して測距結果に基づいて距離画像を生成させ、その後、測距処理はステップST48へ移行する。
ステップST48で、制御部90は、ステップST46で生成された距離画像を、距離画像生成回路34Bに対して画像メモリ42に格納させ、その後、測距処理はステップST50へ移行する。
ところで、測距撮像装置14によって行われる測距動作は、合焦用の測距動作であり、測距撮像装置14は、合焦用の測距動作によって測距が行われることで得られた測距結果に基づいて撮像領域に対する合焦を行う。そこで、測距処理では、ステップST50~ステップST54の処理が制御部90によって実行される。
ステップST50で、制御部90は、画像メモリ42から距離画像を取得し、取得した距離画像に基づいて、スマートデバイス10から撮像領域内の特定領域までの距離を導出し、その後、測距処理はステップST52へ移行する。ここで、特定領域とは、例えば、ピントを合わせる物体側の領域として、ユーザ等によってタッチパネル48を介して指定された領域を指す。なお、特定領域は、これに限定されず、例えば、いわゆる顔検出機能を働かせることで特定された人物の顔であってもよいし、代表的な複数の箇所(図8参照)のうちの1つの箇所であってもよい。
ステップST52で、制御部90は、ステップST50で導出された距離に基づいて合焦位置を導出し、その後、測距処理はステップST54へ移行する。合焦位置は、例えば、距離と合焦位置とが対応付けられた合焦位置導出テーブル(図示省略)、又は、距離を独立変数とし、合焦位置を従属変数とする合焦位置導出演算式(図示省略)から制御部90によって導出される。
ステップST54で、制御部90は、合焦制御機構31を作動させることで、ステップST52で導出した合焦位置にフォーカスレンズ30Bを移動させ、その後、測距処理はステップST56へ移行する。
ステップST56で、制御部90は、測距処理を終了させる条件(以下、「測距処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。測距処理終了条件の一例としては、図17に示すステップST16の処理が実行された、との条件が挙げられる。ステップST56において、測距処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、測距処理はステップST40へ移行する。ステップST56において、測距処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、測距処理が終了する。
次に、制御部90によって並行処理が実行されている状態で、CPU15Aによって実行される変更処理について図20を参照しながら説明する。
図20に示す変更処理では、先ず、ステップST70で、認識部92は、画像メモリ42内の可視光画像が更新されたか否かを判定する。ステップST70において、画像メモリ42内の可視光画像が更新されていない場合は、判定が否定されて、変更処理はステップST82へ移行する。ステップST70において、画像メモリ42内の可視光画像が更新された場合は、判定が肯定されて、変更処理はステップST71へ移行する。
ステップST71で、認識部92は、画像メモリ42から可視光画像を取得し、その後、変更処理はステップST72へ移行する。
ステップST72で、認識部92は、ステップST70で取得した可視光画像に対して画像認識用辞書80を参照して画像認識を実行し、その後、変更処理はステップST74へ移行する。
ステップST74で、取得部94は、ステップST72で認識部92によって画像認識が実行されることで得られた画像認識結果を取得し、その後、変更処理はステップST76へ移行する。
ステップST76で、判定部96は、ステップST74で取得された画像認識結果に基づいて、ステップST70で取得された可視光画像内に高反射率物体画像が含まれているか否かを判定する。ステップST76において、ステップST70で取得された可視光画像内に高反射率物体画像が含まれていない場合は、判定が否定されて、変更処理はステップST82へ移行する。ステップST76において、ステップST70で取得された可視光画像内に高反射率物体画像が含まれている場合は、判定が肯定されて、変更処理はステップST78へ移行する。
ステップST78で、変更部98は、照射エネルギーテーブル82から、ステップST74で取得された画像認識結果に含まれる識別子に対応する強度情報を取得し、その後、変更処理はステップST80へ移行する。
ステップST80で、変更部98は、LDドライバ25を介してLD24から出射されるレーザ光の強度を、ステップST78で取得した強度情報により示される強度に変更し、その後、変更処理はステップST82へ移行する。
ステップST82で、制御部90は、変更処理を終了させる条件(以下、「変更処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。変更処理終了条件の一例としては、図17に示すステップST16の処理が実行された、との条件が挙げられる。ステップST82において、変更処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、変更処理はステップST70へ移行する。ステップST82において、変更処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、変更処理が終了する。
次に、CPU15Aによって実行される表示制御処理について図21A及び図21Bを参照しながら説明する。
図21Aに示す表示制御処理では、先ず、ステップST100で、制御部90は、可視光画像表示モードが設定されているか否かを判定する。ステップST100において、可視光画像表示モードが設定されている場合は、判定が肯定されて、表示制御処理はステップST102へ移行する。ステップST100において、可視光画像表示モードが設定されていない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップST106へ移行する。
ステップST102で、制御部90は、画像メモリ42から最新の可視光画像を取得し、その後、表示制御処理はステップST104へ移行する。
ステップST104で、制御部90は、ディスプレイ46に対して、ステップST102で取得した最新の可視光画像を表示させ、その後、表示制御処理はステップST122へ移行する。
なお、測距撮像装置14によって、撮像動作として、ライブビュー画像用に撮像領域を撮像するライブビュー画像用撮像動作が行われることによって得られたライブビュー画像は、ステップST100~ステップST104の処理が繰り返し実行されることによって、ディスプレイ46に表示される。
ステップST106で、制御部90は、距離画像表示モードが設定されているか否かを判定する。ステップST106において、距離画像表示モードが設定されている場合は、判定が肯定されて、表示制御処理はステップST108へ移行する。ステップST106において、距離画像表示モードが設定されていない場合は、判定が否定されて、表示制御処理は、図21Bに示すステップST112へ移行する。
ステップST108で、制御部90は、画像メモリ42から最新の距離画像を取得し、その後、表示制御処理はステップST110へ移行する。
ステップST110で、制御部90は、ディスプレイ46に対して、ステップST108で取得した最新の距離画像を表示させ、その後、表示制御処理はステップST122へ移行する。
図21Bに示すステップST112で、制御部90は、画像メモリ42から最新の距離画像を取得し、その後、表示制御処理はステップST114へ移行する。
ステップST114で、制御部90は、ステップST112で取得した最新の距離画像に基づいて、スマートデバイス10から代表的な複数の箇所(図8参照)までの距離を導出し、その後、表示制御処理はステップST116へ移行する。
ステップST116で、制御部90は、画像メモリ42から最新の可視光画像を取得し、その後、表示制御処理はステップST118へ移行する。
ステップST118で、制御部90は、ステップST116で取得した最新の可視光画像に対して、ステップST114で導出した距離を重畳させることで距離重畳画像を生成し、その後、表示制御処理はステップST120へ移行する。なお、ステップST116で取得した最新の可視光画像に対して、ステップST114で導出した距離を重畳させる位置は、代表的な複数の箇所に対応する位置である。
ステップST120で、制御部90は、ディスプレイ46に対して、ステップST118で生成した距離重畳画像を表示させ、その後、表示制御処理は、図21Aに示すステップST122へ移行する。
ステップST122で、制御部90は、表示制御処理を終了させる条件(以下、「表示制御処理終了条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。表示制御処理終了条件の一例としては、表示制御処理を終了させる指示がタッチパネル48によって受け付けられた、との条件が挙げられる。ステップST122において、表示制御処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、表示制御処理はステップST100へ移行する。ステップST122において、表示制御処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、表示制御処理が終了する。
以上説明したように、スマートデバイス10では、測距撮像装置14に対して撮像動作と測距動作とを行わせる制御が制御部90によって行われる。また、撮像領域内の反射率を特定可能な反射率情報(図12に示す例では「画像認識結果」)が取得部94によって取得される。そして、撮像動作と測距動作とが行われている状態で、取得部94によって取得された反射率情報に応じてレーザ光の強度が変更部98によって変更される。従って、本構成によれば、レーザ光の強度が撮像領域内の反射率とは無関係に決定される場合に比べ、可視光画像に対してレーザ光が与える影響を低減することができる。
また、スマートデバイス10では、可視光画像に基づく情報(図12に示す例では「画像認識結果」)に応じてレーザ光の強度が変更部98によって変更される。従って、本構成によれば、撮像領域との距離のみ又はシャッタスピードのみに依拠してレーザ光の強度を変更する場合に比べ、可視光画像に対してIR反射光が与える影響を高精度に低減することができる。
また、スマートデバイス10では、画像認識結果に応じてレーザ光の強度が変更部98によって変更される。従って、本構成によれば、撮像領域との距離のみ又はシャッタスピードのみに依拠してレーザ光の強度を変更する場合に比べ、可視光画像に対してIR反射光が与える影響を高精度に低減することができる。
また、スマートデバイス10では、認識部92によって画像認識用辞書80が参照されて可視光画像に対して画像認識が行われることによって得られた画像認識結果が取得部94によって取得される。画像認識用辞書80は、画像と被写体認識結果との対応関係が機械学習されることによって得られた学習結果に基づく情報である。従って、本構成によれば、撮像領域をユーザ等が視認した結果のみから可視光画像に対してIR反射光が影響を与えるか否かを判定する場合に比べ、可視光画像に対してIR反射光が与える影響を高精度に低減することができる。
また、スマートデバイス10では、取得部94によって取得された画像認識結果が、高反射率物体画像が含まれていることを示す画像認識結果の場合に、レーザ光の強度が変更部98によって基準強度よりも弱められる。従って、本構成によれば、撮像領域内に高反射率物体が含まれているか否かに関わらずレーザ光の強度が常に基準強度以上の場合に比べ、高反射率物体からのIR反射光が可視光画像に対して与える影響を低減することができる。
また、スマートデバイス10では、取得部94によって取得された画像認識結果が、光沢性を有する物体が含まれていることを示す画像認識結果の場合に、レーザ光の強度が変更部98によって基準強度よりも弱められる。従って、本構成によれば、撮像領域内に光沢性を有する物体が含まれているか否かに関わらずレーザ光の強度が常に基準強度以上の場合に比べ、高反射率物体からのIR反射光が可視光画像に対して与える影響を低減することができる。
また、スマートデバイス10では、取得部94によって取得された画像認識結果が、鏡状の物体(例えば、ミラー板)が含まれていることを示す画像認識結果の場合に、レーザ光の強度が変更部98によって基準強度よりも弱められる。従って、本構成によれば、撮像領域内に鏡状の物体が含まれているか否かに関わらずレーザ光の強度が常に基準強度以上の場合に比べ、高反射率物体からのIR反射光が可視光画像に対して与える影響を低減することができる。
また、スマートデバイス10では、測距撮像装置14がTOFカメラ19を有している。従って、本構成によれば、測距結果を距離画像として出力することができる。
また、スマートデバイス10では、ディスプレイ46に距離画像が表示される。従って、本構成によれば、ユーザ等に対して距離画像を視覚的に認識させることができる。
また、スマートデバイス10では、測距用指定区分領域26N2a(図16参照)のみによって受光されたIR反射光を用いて測距が行われる。従って、本構成によれば、測距用区分領域26N2に含まれる全てのIR画素によって受光されたIR反射光を用いて測距が行われる場合に比べ、測距に要する処理の負荷を軽減することができる。
また、スマートデバイス10では、ライブビュー画像が表示されている状態の画面内から指定された画像領域(図15に示す例では「指定画像領域」)の位置に対応する位置のIR画素のみによって受光されたIR反射光を用いて測距が行われる。従って、本構成によれば、測距用区分領域26N2に含まれる全てのIR画素のうち、ユーザが意図するIR画素のみによって受光されたIR反射光を用いて測距を行うことができる。
また、スマートデバイス10では、測距撮像装置14によって、撮像動作として、ライブビュー画像用に撮像領域を撮像するライブビュー画像用撮像動作が行われる。従って、本構成によれば、レーザ光の強度が撮像領域内の反射率とは無関係に決定される場合に比べ、ライブビュー画像に対してレーザ光が与える影響を低減することができる。
また、スマートデバイス10では、測距撮像装置14によって、測距動作として、合焦用の測距動作が行われる。すなわち、測距結果が合焦制御に用いられる。従って、本構成によれば、測距結果を合焦制御に用いない場合に比べ、測距対象に対してピントを高精度に合わせることができる。
また、スマートデバイス10では、指向性を有する光である指向性光としてレーザ光を用いて測距が行われる。従って、本構成によれば、指向性光を用いないで測距が行われる場合に比べ、遠距離に存在する測距対象までの距離を高精度に測定することができる。
なお、上記実施形態では、変更部98が照射エネルギーテーブル82から、画像認識結果に含まれる識別子に対応する強度情報を導出し、導出した強度情報に従ってレーザ光の強度を変更する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図22に示すように、変更部98は、照射エネルギーテーブル182から、画像認識結果に含まれる識別子、及び撮像シーンに対応する強度情報を導出し、導出した強度情報に従ってレーザ光の強度を変更するようにしてもよい。
図22に示す例において、照射エネルギーテーブル182は、識別子毎に、撮像シーンと強度情報とが対応付けられた情報である。図22に示す例では、撮像シーンの一例として、夜景及び夕焼け等が挙げられている。照射エネルギーテーブル182に含まれる複数の強度情報のうち、上記実施形態で説明した基準反射率以上の撮像シーン反射率を有する特定の撮像シーンに対応する強度情報により示される強度は、上記実施形態で説明した基準強度よりも弱い強度である。撮像シーン反射率とは、撮像シーンに対して照射されたレーザ光の反射率として予め定められた反射率を指す。撮像シーン反射率は、官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め導き出された反射率である。
タッチパネル48は、撮像シーンを指示する撮像シーン指示情報を受け付ける。変更部98は、タッチパネル48によって受け付けられた撮像シーン指示情報により指示された撮像シーンと、画像認識結果に含まれる識別子とに対応する強度情報を照射エネルギーテーブル182から導出する。そして、変更部98は、照射エネルギーテーブル182から導出した強度情報に応じてレーザ光の強度を変更する。
タッチパネル48によって撮像シーン指示情報が受け付けられる場合、一例として図23に示すように、ディスプレイ46には、制御部90の制御下で、撮像シーン選択画面104が表示される。撮像シーン選択画面104は、複数の撮像シーンのうちの何れかをユーザ等に対して選択させる場合にユーザ等によって用いられる画面である。撮像シーン選択画面104には、撮像シーンの選択をユーザ等に促すメッセージ(図23に示す例では、「撮像シーンを選んで下さい。」というメッセージ)が表示されている。また、撮像シーン選択画面104には、ソフトキー104A、104B、104C、及び104D等の複数のソフトキー(以下、「撮像シーン選択画面104内のソフトキー」とも称する)が表示されている。ソフトキー104Aは、ユーザ等が夜景のシーンを撮像シーンとして選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。ソフトキー104Bは、ユーザ等が夕焼けのシーンを撮像シーンとして選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。ソフトキー104Cは、ユーザ等が風景のシーンを撮像シーンとして選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。ソフトキー104Dは、ユーザ等がポートレートのシーンを撮像シーンとして選択する場合にタッチパネル48を介してユーザ等によってオンされる。このように、撮像シーン選択画面104内のソフトキーがユーザ等によってオンされることで、撮像シーン指示情報がタッチパネル48によって受け付けられる。
このように構成されたスマートデバイス10では、一例として図24に示す変更処理がCPU15Aによって実行される。図24に示す変更処理は、図20に示す変更処理に比べ、ステップST78の処理に代えてステップST178の処理を有する点、及びステップST76の処理とステップST178の処理との間にステップST77の処理を有する点が異なる。
ステップST77で、変更部98は、タッチパネル48によって受け付けられた撮像シーン指示情報を取得し、その後、変更処理はステップST178へ移行する。
ステップST178で、変更部98は、照射エネルギーテーブル182から、ステップST74で取得された画像認識結果に含まれる識別子と、ステップST77で取得した撮像シーン指示情報とに対応する強度情報を取得し、その後、変更処理はステップST80へ移行する。
このように、図22~図24に示す例では、タッチパネル48によって受け付けられた撮像シーン指示情報と、画像認識結果に含まれる識別子とに応じてレーザ光の強度が変更部98によって変更される。従って、本構成によれば、レーザ光の強度が撮像シーンとは無関係に決定される場合に比べ、可視光画像に対してIR反射光が与える影響を低減することができる。
また、図22~図24に示す例では、タッチパネル48によって受け付けられた撮像シーン指示情報により指示された撮像シーンが基準反射率以上の撮像シーン反射率を有する特定の撮像シーンの場合に、レーザ光の強度は、変更部98によって基準強度よりも弱められる。従って、本構成によれば、指定された撮像シーンが基準反射率以上の撮像シーン反射率を有する特定の撮像シーンであるにも関わらずレーザ光の強度が常に基準強度以上の場合に比べ、特定の撮像シーンでのIR反射光が可視光画像に対して与える影響を低減することができる。
図22~図24に示す例では、タッチパネル48によって受け付けられた撮像シーン指示情報に応じた強度情報が変更部98によって取得される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、認識部92による可視光画像に対する画像認識によって撮像シーンが特定されるようにしてもよい。
この場合、一例として図25に示すように、認識部92は、画像メモリ42から可視光画像を取得し、取得した可視光画像に対して画像認識を行うことで、可視光画像により示される撮像領域の撮像シーンを特定する。具体的には、認識部92は、画像認識用辞書80を参照して撮像シーンを特定する。画像認識用辞書80は、撮像シーンを示す撮像シーン画像と、撮像シーン画像により示される撮像シーンを特定可能なシーン特定情報とが対応付けられた情報を含んでいる。認識部92は、画像メモリ42から取得した可視光画像に対して、画像認識用辞書80を参照して画像認識を行う。すなわち、認識部92は、画像認識用辞書80から、可視光画像に対応する撮像シーン画像を特定し、特定した撮像シーン画像に対応するシーン特定情報を画像認識用辞書80から取得する。
変更部98は、照射エネルギーテーブル182から、認識部92によって取得されたシーン特定情報により特定される撮像シーンと、画像認識結果に含まれる識別子とに対応する強度情報を導出する。そして、変更部98は、レーザ光の強度を、照射エネルギーテーブル182から導出した強度情報により示される強度に変更する。なお、図25に示す例において、認識部92は、本開示の技術に係る「特定部」の一例である。
このように構成されたスマートデバイス10では、一例として図26に示す変更処理がCPU15Aによって実行される。図26に示す変更処理は、図24に示す変更処理に比べ、ステップST77の処理を有しない点、ステップST74の処理とステップST76の処理との間にステップST275の処理を有する点、及びステップST178の処理に代えてステップST278の処理を有する点が異なる。
ステップST275で、認識部92は、画像認識用辞書80から、可視光画像に対応する撮像シーン画像を特定し、特定した撮像シーン画像に対応するシーン特定情報を画像認識用辞書80から取得する。
ステップST278で、変更部98は、照射エネルギーテーブル182から、ステップST74で取得された画像認識結果に含まれる識別子と、ステップST275で取得されたシーン特定情報により特定される撮像シーンとに対応する強度情報を取得し、その後、変更処理はステップST80へ移行する。
このように、図25及び図26に示す例では、認識部92によって特定された撮像シーンと、画像認識結果に含まれる識別子とに応じてレーザ光の強度が変更部98によって変更される。従って、本構成によれば、レーザ光の強度が撮像シーンとは無関係に決定される場合に比べ、可視光画像に対してIR反射光が与える影響を低減することができる。
また、図22~図24に示す例と同様に、図25及び図26に示す例でも、認識部92によって取得されたシーン特定情報により特定された撮像シーンが基準反射率以上の撮像シーン反射率を有する特定の撮像シーンの場合に、レーザ光の強度は、変更部98によって基準強度よりも弱められる。従って、本構成によれば、認識部92によって特定された撮像シーンが基準反射率以上の撮像シーン反射率を有する特定の撮像シーンであるにも関わらずレーザ光の強度が常に基準強度以上の場合に比べ、特定の撮像シーンでのIR反射光が可視光画像に対して与える影響を低減することができる。
また、上記実施形態では、測距対象に対してレーザ光が光照射器16によって照射される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像用の補助光(例えば、いわゆる赤目防止対策として用いられる可視光)が測距対象に対して照射され、測距対象によって反射された補助光の反射光(以下、「補助反射光」とも称する)が受光器18によって受光されることで測距が行われるようにしてもよい。
この場合、一例として図27に示すように、スマートデバイス200が用いられる。スマートデバイス200は、上記実施形態で説明したスマートデバイス10に比べ、測距撮像装置14に代えて測距撮像装置214を有する点、及び受光器18に代えて受光器218を有する点が異なる。測距撮像装置214は、測距撮像装置14に比べ、補助光照射器213を有する点が異なる。
補助光照射器213は、LED202及びLEDドライバ204を備えている。LEDドライバ204は、LED202及び入出力インタフェース40に接続されている。LEDドライバ204は、CPU15A(例えば、制御部90)からの指示に従ってLED202を制御する。LEDドライバ204は、CPU15Aの制御下で、LED202に対して補助光を発生させることで、撮像領域に向けて補助光を照射させる。なお、LED202は、本開示の技術に係る「光源」の一例である。
受光器218は、受光器18に比べ、光電変換素子26に代えて光電変換素子226を有する点が異なる。光電変換素子226は、測距用指定区分領域26N2a(図16参照)に代えて測距用指定区分領域26N2bを有する点が異なる。測距用指定区分領域26N2bは、測距用指定区分領域26N2aに比べ、IR画素に代えてG画素が適用されている点が異なる。測距用指定区分領域26N2bは、制御部90の制御下で、補助反射光を受光する。なお、測距用指定区分領域26N2bは、本開示の技術に係る「受光素子」の一例である。
一例として図28に示すように、CPU15Aは、測距撮像処理プログラムに従って制御部90、取得部94、及び変更部98として動作することで測距撮像処理を実現する。信号処理回路34は、A/D変換器34Cを備えている。A/D変換器34Cは、測距用指定区分領域26N2bに接続されており、測距用指定区分領域26N2bによって受光された補助反射光の受光量をデジタル化する。
取得部94は、A/D変換器34Cによってデジタル化された受光量を取得し、測距用指定区分領域26N2bによって補助反射光が単位時間あたりに受光された受光量(以下、「単位時間受光量」とも称する)を算出することで取得する。
ストレージ15Bには、照射エネルギーテーブル282が記憶されている。照射エネルギーテーブル282は、照射エネルギーテーブル82に比べ、識別子に代えて単位時間受光量が適用されている点が異なる。
変更部98は、照射エネルギーテーブル282から、取得部94によって取得された単位時間受光量に対応する強度情報を取得する。そして、変更部98は、LEDドライバ204を介してLED202から照射される補助光の強度を、照射エネルギーテーブル282から取得した強度情報により示される強度に変更する。
このように構成されたスマートデバイス200では、一例として図29に示す変更処理がCPU15Aによって実行される。
図29に示す変更処理では、先ず、ステップST200で、制御部90は、LED202に対して補助光を照射させる条件(以下、「補助光照射条件」とも称する)を満足したか否かを判定する。補助光照射条件の一例としては、例えば、赤目防止対策として補助光を照射するタイミングが到来した、との条件が挙げられる。ステップST200において、補助光照射条件を満足していない場合は、判定が否定されて、変更処理はステップST210へ移行する。ステップST200において、補助光照射条件を満足した場合は、判定が肯定されて、変更処理はステップST202へ移行する。
ステップST202で、制御部90は、LED202に対して補助光を照射させ、その後、変更処理はステップST204へ移行する。
ステップST204で、取得部94は、測距用指定区分領域26N2bによって補助反射光が単位時間あたりに受光された受光量(以下、「単位時間受光量」とも称する)を算出することで取得し、その後、変更処理はステップST206へ移行する。
なお、ここでは、単位時間受光量を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、単位時間受光量に代えて、単位時間受光量が微調整されることで得られた微調整済み情報(例えば、単位時間受光量に対して微調整用の係数が乗じられることによって得られた微調整済み情報)を適用してもよい。ここで、「微調整済み情報」とは、本開示の技術に係る「単位時間当たりの受光量に基づく情報」の一例である。
ステップST206で、変更部98は、照射エネルギーテーブル282から強度情報を取得し、その後、変更処理はステップST208へ移行する。本ステップST206では、照射エネルギーテーブル282から、ステップST204で算出された単位時間受光量に対応する強度情報が変更部98によって取得される。
ステップST208で、変更部98は、LEDドライバ204を介してLED202から照射される補助光の強度を、ステップST206で取得した強度情報により示される強度に変更し、その後、変更処理はステップST210へ移行する。
ステップST210で、制御部90は、上述した変更処理終了条件を満足したか否かを判定する。ステップST210において、変更処理終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、変更処理はステップST200へ移行する。ステップST210において、変更処理終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、変更処理が終了する。
このように、図27~図29に示す例では、LED202から測距対象に対して補助光が照射され、測距用指定区分領域26N2bによって補助反射光が受光される。補助反射光が受光された受光結果に基づく情報は、取得部94によって取得される。そして、取得部94によって取得された受光結果に基づく情報に従って変更部98によって補助光の強度が変更される。従って、本構成によれば、補助反射光が受光された受光結果に基づく情報とは無関係に補助光の強度が決定される場合に比べ、可視光画像に対して補助反射光が与える影響を低減することができる。
また、図27~図29に示す例では、単位時間受光量が取得部94によって取得される。そして、取得部94によって取得された単位時間受光量に従って変更部98によって補助光の強度が変更される。従って、本構成によれば、単位時間受光量とは無関係に補助光の強度が決定される場合に比べ、可視光画像に対して補助反射光が与える影響を低減することができる。
また、図27~図29に示す例では、照射エネルギーテーブル282から導出された強度情報に従って補助光の強度が変更部98によって変更される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図30に示すように、取得部94は、単位時間受光量から、撮像領域内の反射率(以下、単に「反射率」とも称する)を換算することで強度情報を取得するようにしてもよい。単位時間受光量から反射率を換算する場合に用いられる換算式としては、例えば、単位時間受光量を独立変数とし、撮像領域内の反射率を従属変数とした換算式が挙げられる。図30に示す例において、ストレージ15Bには、照射エネルギーテーブル382が記憶されている。照射エネルギーテーブル382は、図28に示す照射エネルギーテーブル282に比べ、単位時間受光量に代えて反射率が適用されている点が異なる。変更部98は、照射エネルギーテーブル382から、取得部94によって取得された反射率に対応する強度情報を取得する。そして、変更部98は、照射エネルギーテーブル382から取得した強度情報により示される強度に変更する。
このように構成されたスマートデバイス200では、一例として図31に示す変更処理がCPU15Aによって実行される。図31に示す変更処理は、図29に示す変更処理に比べ、ステップST206の処理に代えて、ステップST300の処理及びステップST302の処理を有する点が異なる。
図31に示す変更処理では、ステップST300で、取得部94は、ステップST204で取得した単位時間受光量に基づいて反射率を算出する。具体的には、取得部94は、単位時間受光量を、換算式を用いて反射率に換算する。
次のステップST302で、変更部98は、照射エネルギーテーブル382から、ステップST300で取得された反射率に対応する強度情報を取得する。
このように、図30及び図31に示す例では、取得部94によって撮像領域内の反射率が取得され、変更部98によって、補助光の強度が撮像領域内の反射率に応じた強度に変更される。従って、本構成によれば、撮像領域内の反射率とは無関係に補助光の強度が決定される場合に比べ、可視光画像に対して補助反射光が与える影響を低減することができる。
また、図30及び図31に示す例では、照射エネルギーテーブル382から変更部98によって取得された強度情報に従って補助光の強度が変更部98によって変更される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、変更部98は、照射エネルギーテーブル382を用いずに、取得部94によって取得された反射率が閾値以上の場合に、補助光の強度を基準強度よりも弱めるようにしてもよい。ここで、閾値は、例えば、補助反射光が可視光画像にノイズとして現れる強度の補助光が撮像領域内に照射された場合の補助反射光の受光量として、官能試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め導き出された受光量に相当する値である。
このように構成されたスマートデバイス200では、一例として図32に示す変更処理がCPU15Aによって実行される。図32に示す変更処理は、図31に示す変更処理に比べ、ステップST302の処理及びステップST208の処理に代えて、ステップST400の処理及びステップST402の処理を有する点が異なる。
図32に示す変更処理では、ステップST400で、変更部98は、ステップST300で算出された反射率が閾値以上であるか否かを判定する。ステップST400において、ステップST300で算出された反射率が閾値未満の場合は、判定が否定されて、変更処理はステップST210へ移行する。ステップST400において、ステップST300で算出された反射率が閾値以上の場合は、判定が肯定されて、変更処理はステップST402へ移行する。
ステップST402で、変更部98は、補助光の強度を、基準強度よりも弱め、その後、変更処理はステップST210へ移行する。
このように、単位時間受光量から換算された反射率が閾値以上の場合に、補助光の強度は、変更部98によって基準強度よりも弱められる。従って、本構成によれば、単位時間受光量から換算された反射率が閾値以上であるか否かに関わらず補助光の強度が常に基準強度以上の場合に比べ、補助反射光が可視光画像に対して与える影響を低減することができる。
また、図27~図32に示す例では、LED202によって照射される補助光を例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、図27~図32に示す例において、補助光をレーザ光に置き換えたとしても本開示の技術は成立する。なお、以下では、説明の便宜上、補助光とレーザ光とを区別して説明する必要がない場合、「測距光」と称し、補助反射光とIR反射光とを区別して説明する必要がない場合、「反射光」と称する。
また、上記実施形態では、本露光が行われるタイミングであるか否かに関わらず測距光の強度が変更部98によって変更される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、撮像動作中に行われる本露光のタイミングに合わせて測距光の強度が変更部98によって変更されるようにしてもよい。本露光のタイミングとは、例えば、静止画像用の撮像において露光が行われるタイミングを指す。
この場合、一例として図33に示すように、ディスプレイ46には、制御部90の制御下で、ライブビュー画像及びソフトキー106Aが表示される。ソフトキー106Aは、ユーザ等が静止画像用の撮像の開始を指示する場合にユーザ等によってオンされる。測距撮像装置14によってライブビュー画像用の撮像が行われる状態で、ソフトキー106Aがユーザ等によってオンされると、本露光のタイミングに合わせて測距光の強度が変更部98によって変更される。これにより、本露光とは無関係なタイミングで測距光の強度が変更される場合に比べ、本露光時に撮像領域に対して適切な強度で測距光を照射することができる。
また、上記実施形態では、受光器18が搭載されたスマートデバイス10を例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、図34に示すように、受光器18及び350が搭載されたスマートデバイス300であっても本開示の技術は成立する。一例として図34に示すように、スマートデバイス10を縦置きの状態にした場合の筐体12の背面12Aの左上部(縦置きの状態のスマートデバイス10の背面視左上部)には、透光窓22に隣接して透光窓352が設けられている。透光窓352は、透光窓20及び22と同様に、透光性を有する光学素子(例えば、レンズ)であり、透光窓20、22及び352は、水平方向に沿って既定の間隔で配置されている。透光窓352も、透光窓20及び22と同様に、背面12Aから露出している。
受光器350は、光電変換素子354を備えている。光電変換素子354は、IR反射光の受光用に特化した光電変換素子であり、マトリクス状に配置された複数のIR画素を有している。複数のIR画素の一例としては、“4896×3265”画素分のIR画素用のフォトダイオート(例えば、InGaAs APD)が挙げられる。光電変換素子354は、透光窓352を介して受光器350に取り込まれたIR反射光を受光し、受光したIR反射光の光量に応じた電気信号を信号処理回路34(図9参照)に出力する。
また、図34に示す例では、受光器18及び350が搭載されたスマートデバイス300を示したが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、図35に示すように、受光器18及び450が搭載されたスマートデバイス400であっても本開示の技術は成立する。一例として図35に示すように、スマートデバイス10を縦置きの状態にした場合の筐体12の背面12Aの左上部(縦置きの状態のスマートデバイス10の背面視左上部)には、透光窓20に隣接して透光窓452が設けられている。透光窓452は、透光窓20及び22と同様に、透光性を有する光学素子(例えば、レンズ)であり、透光窓452、20及び22は、水平方向に沿って既定の間隔で配置されている。透光窓452も、透光窓20及び22と同様に、背面12Aから露出している。
受光器450は、単一のフォトダイオード454を備えている。フォトダイオード454は、例えば、IR反射光を受光可能なフォトダイオードである。フォトダイオード454の一例としては、InGaAs APDが挙げられる。フォトダイオード454は、透光窓452を介して受光器450に取り込まれたIR反射光を受光し、受光したIR反射光の光量に応じた電気信号を信号処理回路34(図9参照)に出力する。
また、上記実施形態では、距離画像生成回路34Bによって距離画像が生成される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、測距撮像装置14によって、測距動作として、距離画像が生成されずに、スマートデバイス10から測距対象までの距離を測定する動作が行われるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、測距光の強度が変更される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、測距光の強度に代えて、又は、測距光の強度と共に、測距光の発光時間及び/又は単位時間あたりの測距光の発光回数が変更されることによって測距光の照射エネルギーが変更されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、測距用区分領域26N2が測距用指定区分領域26N2aに変更されることによって、ユーザ等が指定した測距対象(いわゆるROI)に絞って測距が行われるようにしたが、測距対象を絞る方法は、これに限定されない。例えば、ユーザ等によって指定された測距対象にレーザ光が照射されるように、受付デバイス47によって受け付けられた指示に従って制御部90によってレーザ光のビーム径及び/又は向きを変更させる制御が行われるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本開示の技術に係る「指向性光」の一例としてレーザ光を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されず、レーザ光に代えて、スーパールミネッセント光を用いてもよく、測距可能な指向性を有する光を用いて測距が行われるようにすればよい。
また、上記実施形態では、測距撮像装置14がスマートデバイス10に内蔵されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図36に示すように、一般的なスマートデバイス500、すなわち、測距撮像装置14が内蔵されていないスマートデバイス500に対して測距撮像装置14が外付けされていてもよい。
また、上記実施形態では、UI系デバイス44がスマートデバイス10に組み込まれている形態例を挙げて説明したが、UI系デバイス44に含まれる複数の構成要素のうちの少なくとも一部がスマートデバイス10に対して外付けされていてもよい。また、UI系デバイス44に含まれる複数の構成要素のうちの少なくとも一部が別体として外部I/F52に接続されることによって使用されるようにしてもよい。
また、図1に示す例では、スマートデバイス10を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。すなわち、測距撮像装置14が内蔵された各種の電子機器(例えば、レンズ交換式カメラ、レンズ固定式カメラ、パーソナル・コンピュータ、及び/又はウェアラブル端末装置等)に対しても本開示の技術は適用可能であり、これらの電子機器であっても、上記のスマートデバイス10と同様の作用及び効果が得られる。
また、上記実施形態では、ディスプレイ46を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、スマートデバイス10に対して後付けされた別体のディスプレイを、本開示の技術に係る「表示部」として用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、認識部92がスマートデバイス10に搭載されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、認識部92を有する外部装置(例えば、他のスマートデバイス、パーソナル・コンピュータ及び/又はサーバ等)がスマートデバイス10に対して接続されていてもよい。この場合、外部装置からスマートデバイス10に対して提供される画像認識結果は、スマートデバイス10の取得部94によって取得されるようにすればよい。また、クラウド・コンピューティング(図示省略)に認識部92の機能を担わせ、クラウド・コンピューティングからスマートデバイス10に対して画像認識結果が提供されるようにしてもよい。この場合、クラウド・コンピューティングからスマートデバイス10に対して提供される画像認識結果は、スマートデバイス10の取得部94によって取得されるようにすればよい。
また、上記実施形態では、ストレージ15Bに測距撮像処理プログラムが記憶されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、図37に示すように、測距撮像処理プログラムが記憶媒体900に記憶されていてもよい。記憶媒体900の一例としては、非一時的記憶媒体であるSSD又はUSBメモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
記憶媒体900に記憶されている測距撮像処理プログラムは、コントローラ15にインストールされる。CPU15Aは、測距撮像処理プログラムに従って測距撮像処理を実行する。
また、通信網(図示省略)を介してコントローラ15に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に測距撮像処理プログラムを記憶させておき、上述のスマートデバイス10の要求に応じて測距撮像処理プログラムがダウンロードされ、コントローラ15にインストールされるようにしてもよい。
なお、コントローラ15に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部、又はストレージ15Bに測距撮像処理プログラムの全てを記憶させておく必要はなく、測距撮像処理プログラムの一部を記憶させておいてもよい。
図37に示す例では、スマートデバイス10にコントローラ15が内蔵されている態様例が示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、コントローラ15がスマートデバイス10の外部に設けられるようにしてもよい。
図37に示す例では、CPU15Aは、単数のCPUであるが、複数のCPUであってもよい。また、CPU15Aに代えてGPUを適用してもよい。
図37に示す例では、コントローラ15が例示されているが、本開示の技術はこれに限定されず、コントローラ15に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、コントローラ15に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
上記実施形態で説明した測距撮像処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、測距撮像処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで測距撮像処理を実行する。
測距撮像処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、測距撮像処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、測距撮像処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、測距撮像処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、測距撮像処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の測距撮像処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記)
プロセッサと、
上記プロセッサに接続又は内蔵されたメモリと、を含み、
上記プロセッサは、
撮像領域を撮像する撮像部による撮像動作と、測距部が上記撮像領域に対して光を照射し、上記撮像領域に対する上記光による反射光を受光することで測距を行う測距動作とを行わせる制御を行うこと、
上記撮像領域内の反射率を特定可能な反射率情報を取得すること、及び、
上記撮像動作と上記測距動作とが行われている状態で、取得した上記反射率情報に応じて上記光の照射エネルギーを変更することを含む処理を実行する
処理装置。