JP7348042B2 - 外科用骨切削器具 - Google Patents
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Description
そのような状況の場合、骨切削器具によって切削部位までの視界が遮られることがあり、切削アクセサリーで切削すべき部位の特定が困難となる。骨切削器具の後方から切削部位を確認する場合の医師の視界を確保するための技術として、切削アクセサリーの露出部分を伸縮させる技術が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献2には、骨切削器具の先端部(切削アクセサリーの軸部分を覆う管状部材)を伸縮させる技術が開示されている。特許文献2に記載の技術は、切削アクセサリーに設けられた固定溝が1箇所で、かつ、固定部材の位置が一定であっても、管状部材を前後させることで切削アクセサリーの露出部分を伸縮させることができる。
外科手術においては、治療以外の行為に要する時間を低減させることが好ましく。そのため、露出部分の伸縮操作に費やす時間をより短縮することができる機器が求められている。
また、特許文献1に記載の技術では、切削アクセサリーを伸縮させる際には、人が切削アクセサリーを保持しなくてはならない。例えば、外科手術中に医師又は医療従事者が伸縮の操作を行う場合がある。このような場合、機器本体の電源を切ることは稀である。そのため、医療従事者が露出部を伸縮させる際に、何らかの要因で回転動作が行われてしまう場合等を考慮した、より高いリスク管理が必須であった。
この特許文献2に記載の技術の場合、骨切削器具の把持位置から切削アクセサリー先端部までの距離は変動しない。外科手術では骨切削器具の把持位置を治療部位から遠い位置に保ったままでの、体内の深い領域への切削アクセサリーの挿入が要求されることがある。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、視界を確保するために骨切削器具の先端部(切削アクセサリーの軸部分を覆う管状部材)を縮めた場合、骨切削器具の把持位置を治療部位に近づけなければならなかった。
上記の課題を解決する為に、駆動力を生成する動力部(12)を備えるハンドピース本体(7)と、ハンドピース本体(7)に連結され、その駆動力に応答して回転する切削工具(8)を保持するアタッチメント(9)とを具備する外科用骨切削器具(1)(4)を構成する。ここでのアタッチメント(9)とは、切削工具(8)を保持する回転可能な保持部(18)と、保持部(18)を覆うアタッチメント外殻と、アタッチメント外殻の前方に配置され、切削工具(8)の先端切刃(13)から続くシャンク(14)の少なくとも一部を覆うスリーブ(17)とを備える部材である。そして、そのアタッチメント(9)内部の保持部(18)は、先端切刃(13)と保持部(18)との距離を一定に保ちつつ、先端切刃(13)とスリーブ(17)の端との距離が可変となるようにアタッチメント(9)の内部を移動する。
これによって、切削工具(8)(切削アクセサリー)の装着時に自動的にロックがかかる構成を実現することができるため、伸縮可能な領域の全体において作業を安全に行うことが可能となる。
また、本発明の外科用骨切削器具(1)(4)は、切削アクセサリーの露出部分を伸縮させる際に、切削アクセサリーを人の手で保持する必要がない。そのため、切削アクセサリーの露出量を変更しようとするときに何らかの要因で切削アクセサリーの回転動作が行われるような場合のリスクを低減させることができる。また、本発明の外科用骨切削器具(1)(4)は、切削アクセサリーの取り外しをする際に回転を停止する機構を有している。そのため、取り外しをする際のリスクを低減させることができる。
さらに、本発明の外科用骨切削器具(1)(4)は、骨切削器具を挿入しにくい状況であっても効果を発揮できる。
以下に、図面を参照して本願発明を実施するための形態について説明を行う。図1は、本発明の実施形態の骨切削器具システム1の構成を例示するシステム構成図である。外科手術において、骨切削器具システム1は、主要な医療機器の一つである。その中でも、骨を切削、穿孔、切断等を行う術式においては、骨切削器具システム1は、必要不可欠な医療機器である。骨切削器具システム1には、電動式の骨切削器具システム(以下、電動式骨切削器具システム2と記載する)や、気動式の骨切削器具システム(以下、気動式骨切削器具システム3と記載する)など駆動方式によって様々なタイプが存在する。以下の第1実施形態においては、本願発明の理解を容易にするため、電動式骨切削器具システム2に基づいて本実施形態の構成・動作について説明を行う。
ハンドピース4は、骨などの硬組織を切削するための装置である。ハンドピース4は、制御装置5から入力された直流電流や電圧を用いて、切削アクセサリー8を回転させて対象となる部位の切削を行う。
制御装置5は、
フットペダル6は、
上述したように、ハンドピース4は、制御装置5から入力された直流電流や電圧を用いて、電気信号から機械的な回転運動へ変換し、患者の治療をする装置である。尚、本発明の実施形態のハンドピース4において、骨切削器具9は、切削アクセサリー8を容易に伸縮させることが可能である。骨切削器具9における切削アクセサリー8の伸縮のための構成・動作については、後述する。
図7は、伸縮操作部23の内部に設けられた前後方向の溝25の構成を例示する斜視図である。また、ハウジング22には、前後方向に傾斜したスリット27が備えられてあり、そこにも連結部材26が接続している。連結部材26は、伸縮操作部23の溝25及びハウジング22のスリット27内を移動することができる。伸縮操作部23を回転させた際に、連結部材26が溝25及びスリット27に誘導されて回転動作と同時に前後移動をする。その結果、連結部材26に接続している伸縮調整シャフト19が前後移動する。
図8は、第1接続部材28の構成を例示する斜視図である。また、図9は、第2接続部材29の構成を例示する斜視図である。
上述の図7で説明したように、伸縮操作部23の後方には、ばね30の一端が固定的に設けられている。そのばね30によって、伸縮操作部23には前方向に常時ばね力がかかっている。そのばね力によって、伸縮操作部23が前方向に押し付けられて第1接続部材28と第2接続部材29とが接続される。それらの部材が接続する(嵌り合う)ことにより、伸縮操作部23の回転を制限している。
以下に、図面を参照して本願発明の第2実施形態について説明を行う。上述したように、骨切削器具システム1は、気動式骨切削器具システム3にも対応可能である。したがって以下では、本願発明を気動式骨切削器具システム3に対応させた場合を例示して、その構成・動作について説明を行う。
図14は、第2実施形態の骨切削器具システム1の構成を例示する構成図である。第2実施形態の気動式骨切削器具システム3は、気動式モータ44が回転することにより骨切削器具9及び切削アクセサリー8が回転する。気動式モータ44は回転動作指示機器43に接続され、回転動作指示機器43は窒素ガスボンベ又は病棟壁配管に接続される。回転動作指示機器43から回転動作の指示があった場合は、窒素ガスボンベ又は病棟壁配管から窒素ガス又は空気が気動式モータ44へ流れ、気動式モータ44が回転する。その回転に伴い、骨切削器具9及び切削アクセサリー8が回転する。
2…電動式骨切削器具システム
3…気動式骨切削器具システム
4…ハンドピース
5…制御装置
6…フットペダル
7…電動式モータ部
8…切削アクセサリー
9…骨切削器具
10…モータコード
11…モータケース
12…電動モータ
13…ヘッド
14…シャンク
15…固定部
16…回転伝達部
17…切削アクセサリー格納管
18…固定シャフト
19…伸縮調整シャフト
20…回転入力シャフト
21…ブレーキディスク
22…ハウジング
23…伸縮操作部
24…電動式モータ挿入部
25…溝
26…連結部材
27…スリット
28…第1接続部材
29…第2接続部材
30…ばね
31…ブレーキばね
32…固定球
33…固定部材
34…回転伝達部
37…ばね
38…ばね固定部材
40…切削アクセサリーの挿入穴
41…固定解除部材
42…ギヤ
43…回転動作指示機器
44…気動式モータ
Claims (13)
- 駆動力を生成する動力部を備えるハンドピース本体と、
前記ハンドピース本体に連結され、前記駆動力に応答して回転する切削工具を保持するアタッチメントと
を具備し、
前記アタッチメントは、
前記切削工具を保持する回転可能な保持部と、
前記保持部を覆うアタッチメント外殻と
前記アタッチメント外殻の前方に配置され、前記切削工具の先端切刃から続くシャンクの少なくとも一部を覆うスリーブと
を備え
前記アタッチメントは、
前記先端切刃と前記保持部との距離を一定に保ちつつ、前記先端切刃と前記スリーブの端との距離が可変となるように前記保持部を移動させる
外科用骨切削器具。 - 請求項1に記載の外科用骨切削器具において、
前記アタッチメントは、さらに、
前記アタッチメント外殻に並置され、前記切削工具が回転するときの回転軸と同軸に回転可能な指掛けリングと、
前記指掛けリングの回転運動に連動して前記保持部の位置を変動させる制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記指掛けリングの回転運動に応答して前記保持部を直線的に移動させる
外科用骨切削器具。 - 請求項2に記載の外科用骨切削器具において、
前記アタッチメントは、さらに、
前記指掛けリングよりも内側に配置された円筒形状の内筒と、
前記内筒よりも内側に配置され、前記保持部に接続する従動体と、
前記指掛けリングを介して供給される力を前記従動体に伝達する伝達部材と、
を備え、
前記制御部は、
前記指掛けリングの内側の面に設けられた第1案内溝と、
前記内筒を貫通し、前記第1案内溝に交差するように斜め方向に設けられた第2案内溝と、
前記従動体に設けられた受容穴と、前記受容穴は、前記第1案内溝と前記第2案内溝とがオーバーラップする領域に対応する位置に設けられ、
前記第1案内溝と前記第2案内溝と前記受容穴とに収容される前記伝達部材と
を含み、
前記伝達部材は、
前記指掛けリングの回転に応答して前記第1案内溝と前記第2案内溝とがオーバーラップする位置を運動しながら前記従動体に接続し、
前記従動体は、
前記伝達部材の動きに合わせて移動することで前記保持部を前記第1案内溝に平行な方向に移動させる
外科用骨切削器具。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の外科用骨切削器具において、
前記アタッチメントは、さらに、
前記保持部からの前記切削工具の解放を支援するロック解除部を備え、
前記保持部は、
前記シャンクの端部を掴むチャック部と、
前記チャック部から連続して構成され、前記動力部から供給される前記駆動力を前記チャック部に伝達する駆動力伝達部と
を備え、
前記チャック部は、
前記端部を受けるシャンク端部収容部と、
前記シャンク端部収容部に収容される前記端部の保持と解放とを行う固定球である固定部と、
前記固定部を前記端部に向かって押すことによって前記シャンク端部収容部での前記端部の固定を実現するロック制御部と
を含み、
前記ロック解除部は、
前記固定部に対する前記ロック制御部の相対位置を変えることによって、前記シャンク端部収容部での前記端部の固定を解除する
外科用骨切削器具。 - 請求項4に記載の外科用骨切削器具において、
前記ロック解除部は、
前記スリーブとの相対位置を固定に前記ロック制御部に接触可能な位置に配置され、
前記保持部の動きに対応して前記固定部が前進するとき、前記ロック解除部は、前記ロック制御部の前進を制限することによって前記固定部から前記ロック制御部を遠ざける
外科用骨切削器具。 - 請求項5に記載の外科用骨切削器具において、
前記アタッチメントは、
前記ロック制御部と前記ロック解除部との接触が可能な解放可能領域と、
前記ロック制御部と前記ロック解除部との接触が不可能な保持領域と
を含み、
前記ロック制御部は、
前記保持領域の全体において前記固定部を前記端部に向かって一定の力で押し続ける
外科用骨切削器具。 - 請求項4から6の何れか一項に記載の外科用骨切削器具において、
前記アタッチメントは、さらに、前記保持部の回転を制動する制動部を備え、
前記制動部は、
前記ロック解除部が前記シャンク端部収容部での前記端部の固定を解除しているとき、前記保持部が回転しないように前記保持部の回転を制動する
外科用骨切削器具。 - 請求項7に記載の外科用骨切削器具において、
前記制動部は、
制動ディスクと、
前記保持部の前記駆動力伝達部に設けられた制動用肩部と、
前記制動ディスクを付勢する制動用バネと
を備え、
前記指掛けリングの回転運動に対応して前記保持部が前進するとき、
前記制動用肩部は、所定の位置で前記制動用ディスクと接触し、
前記制動用バネは、前記制動用肩部に接触する前記制動用ディスクに所定の力を加えて前記制動用ディスクと前記制動用肩部との界面に摩擦力を提供する
外科用骨切削器具。 - 請求項2から8の何れか一項に記載の外科用骨切削器具において、
前記アタッチメントは、さらに、前記指掛けリングの回転を禁止するための回り止め機構を備え、
前記指掛けリングは、
第1の位置において前記指掛けリングの回転を許容する移動可能モードを提供し、
前記第1の位置から前記回転軸に沿って平行移動した第2の位置において前記指掛けリングの回転を禁止する移動禁止モードを提供する
外科用骨切削器具。 - 請求項9に記載の外科用骨切削器具において、
前記回り止め機構は、
前記アタッチメント外殻に設けられた回り止め第1部分と、
前記指掛けリングに設けられた回り止め第2部分と、
前記指掛けリングを付勢するバネと
を備え、
前記回り止め第2部分は、
前記第2の位置で前記回り止め第1部に嵌まり、
前記バネは、
前記回り止め第1部分と前記回り止め第2部分とが嵌まるときに、前記移動禁止モードを維持するように前記指掛けリングを付勢し、
前記指掛けリングは、
ユーザの操作に応答して前記バネに力を蓄えるように前記第2の位置から前記第1の位置に移動して前記回り止め第1部分と前記回り止め第2部分との嵌め合いを解消することで移動可能モードを提供する、
外科用骨切削器具。 - 駆動力を生成する動力部を備えるハンドピース本体と、前記ハンドピース本体に連結され前記駆動力に応答して回転する切削工具を保持するアタッチメントと、を具備する外科用骨切削器具の動作方法であって、
前記切削工具を、アタッチメントに設けられた保持部で回転可能に保持する保持ステップと、
回転可能な状態で保持される前記切削工具の先端切刃から続くシャンクの少なくとも一部を、前記アタッチメントの前方に配置されるスリーブで覆う保護ステップと、
前記先端切刃と前記保持部との距離を一定に保ちつつ、前記先端切刃と前記スリーブとの距離が可変となるように前記保持部を移動させる移動ステップと
を具備する
外科用骨切削器具の動作方法。 - 請求項11に記載の外科用骨切削器具の動作方法において、前記移動ステップは、さらに、
前記切削工具が回転するときの回転軸と同軸に回転可能な指掛けリングの回転運動に連動して前記保持部を前記回転軸に沿って直線的に移動させる直線移動ステップを備える
外科用骨切削器具の動作方法。 - 請求項12に記載の外科用骨切削器具の動作方法において、
前記直線移動ステップは、
前記指掛けリングよりも内側に配置された円筒形状の内筒と、前記内筒よりも内側に配置され、前記保持部に接続する従動体と、前記指掛けリングを介して供給される力を前記従動体に伝達する伝達部材と、を連動して用いる連動ステップを含み、
前記連動ステップは、
前記指掛けリングの内側の面に設けられた第1案内溝と、前記内筒を貫通し前記第1案内溝に交差するように斜め方向に設けられた第2案内溝と、前記従動体に設けられた受容穴と、を配置するステップと、
前記第1案内溝と前記第2案内溝と前記受容穴とが連絡するように前記伝達部材を収容するステップと
を含み、
前記収容するステップは、
前記指掛けリングの回転に応答して前記第1案内溝と前記第2案内溝とがオーバーラップする位置を運動しながら前記従動体に接続するステップと、
前記伝達部材の動きに合わせるように前記従動体を移動させることで前記保持部を前記第1案内溝に平行な方向に移動させるステップと
を含む
外科用骨切削器具の動作方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019213578A JP7348042B2 (ja) | 2019-11-26 | 2019-11-26 | 外科用骨切削器具 |
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JP2019213578A Active JP7348042B2 (ja) | 2019-11-26 | 2019-11-26 | 外科用骨切削器具 |
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Citations (3)
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---|---|---|---|---|
US20040122460A1 (en) | 2002-12-20 | 2004-06-24 | Medtronic, Inc. | Surgical instrument with telescoping attachment |
US20160120553A1 (en) | 2013-07-09 | 2016-05-05 | Jenny Xie | Surgical drill having a brake that, upon the drill bit penetrating through bone, prevents further insertion of the drill |
JP2018537188A (ja) | 2015-11-30 | 2018-12-20 | ストライカー・コーポレイション | 伸縮ノーズ機構を有する手術器具 |
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2019
- 2019-11-26 JP JP2019213578A patent/JP7348042B2/ja active Active
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