JP7347263B2 - 加工液吐出ノズル及びワイヤ放電加工機 - Google Patents

加工液吐出ノズル及びワイヤ放電加工機 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤ電極とワークとの間に電圧を印加することでワークを放電加工するワイヤ放電加工機に適用される加工液吐出ノズル及びワイヤ放電加工機に関する。
従来、加工液中においてワイヤ電極とワークとの間にパルス電圧を印加するとともに、ワイヤ電極とワークとの相対位置を制御することでワークの放電加工を行うワイヤ放電加工機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ワイヤ放電加工機は、ワークを挟んで対向する一対のノズルを備えている。各ノズルからは、放電加工中におけるワイヤ電極とワークとの間隙、いわゆる放電ギャップに向けて加工液が吐出される。放電ギャップに供給される加工液によって、加工中に発生する加工屑が放電ギャップから排出されるとともに、ワイヤ電極及びワークが冷却される。
こうしたワイヤ放電加工機では、適切な放電ギャップが維持されるように、ワイヤ電極とワークとの間の電圧に基づいてこれらの相対位置が制御される。
国際公開第2013/54377号
ところで、こうしたワイヤ放電加工においては、加工液を放電ギャップに対して効率的に供給するために、各ノズルをワークの表面に近接させる必要がある。しかしながら、各ノズルをワークの表面に近接させたとしても、ノズルから吐出された加工液の多くはワークの表面に沿って流れるため、放電ギャップに加工液が十分に供給されないといった問題がある。このため、ワイヤ電極とワークとの間の放電現象が安定しにくく、ワイヤ放電加工における加工速度を向上させる上では、改善の余地を残すものとなっている。
本発明の目的は、加工速度を向上させることができる加工液吐出ノズル及びワイヤ放電加工機を提供することにある。
上記目的を達成するための加工液吐出ノズルは、ワイヤ電極とワークとの間に電圧を印加することで前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工機に適用され、前記ワイヤ電極が挿通されるとともに前記ワイヤ電極と前記ワークとの間隙に向けて加工液を吐出する吐出口を有するものであって、前記吐出口は、前記ワイヤ電極が挿通される中心部と、前記中心部の内周面において前記中心部の軸線を中心とする周方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記吐出口の出口まで延在する複数の溝部と、を有している。
同構成によれば、加工液は、吐出口の中心部よりも各溝部において流れにくくなる。このため、吐出口から吐出される加工液は、中心部の軸線に向かって集約されることで縮流されるようになる。これにより、加工液がワイヤ電極に沿って流れやすくなることで、放電加工中におけるワイヤ電極とワークとの間隙、いわゆる放電ギャップに加工液が供給されやすくなる。
したがって、ワイヤ放電加工における加工速度を向上させることができる。
本発明によれば、ワイヤ放電加工における加工速度を向上させることができる。
ワイヤ放電加工機の第1実施形態について、ワイヤ放電加工機の構成を示す概略図。 同実施形態のワイヤ電極とワークとの間の放電ギャップを示す平面図。 同実施形態の上部ノズルを示す図であって、(a)は、上部ノズルの斜視図、(b)は、(a)の3b-3b線に沿った断面図、(c)は、(b)の3c-3c線に沿った断面図。 同実施形態の下部ノズルを示す図であって、(a)は、下部ノズルの斜視図、(b)は、(a)の4b-4b線に沿った断面図、(c)は、(b)の4c-4c線に沿った断面図。 同実施形態のワイヤ放電加工機の作用を説明する図であって、放電ギャップにおける加工液の流れを示すワークの断面図。 変更例の加工液吐出ノズルを示す図であって、(a)は、上部ノズルを突部側から視た平面図、(b)は、下部ノズルを突部側から視た平面図。 第2実施形態の上部ノズルを示す図であって、(a)は、上部ノズルの斜視図、(b)は、(a)の7b-7b線に沿った断面図、(c)は、(b)の7c-7c線に沿った断面図。 同実施形態の下部ノズルを示す図であって、(a)は、下部ノズルの斜視図、(b)は、(a)の8b-8b線に沿った断面図、(c)は、(b)の8c-8c線に沿った断面図。
<第1実施形態>
以下、図1~図5を参照して、第1実施形態について説明する。
図2に示すように、本実施形態のワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極10とワーク100との間にパルス電圧を印加することでワーク100を放電加工するものである。なお、以降において、放電加工中におけるワイヤ電極10とワーク100との間隙を放電ギャップGと称する。
図1に示すように、ワイヤ放電加工機は、ワーク100が配置される加工槽20と、ワーク100を挟んで上下に対向するとともにワイヤ電極10をそれぞれ支持する上部ガイド30及び下部ガイド50とを備えている。上部ガイド30は、下部ガイド50に対して進退可能に設けられている。
本実施形態のワイヤ放電加工機は、放電ギャップGにおけるワイヤ電極10とワーク100との間の電圧が所定の電圧値となるように、ワイヤ電極10とワーク100との相対位置を制御している。なお、上記相対位置の変更は、加工槽20を移動させることにより行ってもよいし、ワイヤ電極10を支持する上部ガイド30及び下部ガイド50を移動させることにより行ってもよい。
ワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極10が巻回されたボビン(図示略)を備えている。ワイヤ電極10は、上記ボビンからワイヤ電極10の張力を調整するテンションローラ70を介して上部ガイド30に送給されている。
加工槽20の内部には、ワーク100が載置されるテーブル21が設けられている。テーブル21は、加工槽20の底部に突設されたベース部22と、ベース部22上に固定された定盤23とを備えている。ワーク100は、定盤23上に載置される。
ワーク100の加工時における加工槽20には、ワーク100全体が浸漬するように加工液が充満する。加工液は、ワーク100の加工屑を分離するフィルタやイオン交換樹脂(いずれも図示略)などを通じて加工槽20内に循環して供給される。なお、本実施形態における加工液は水である。
上部ガイド30は、ワイヤ電極10に給電する上部ガイドブロック31と、ワイヤ電極10が挿通されるとともにワーク100の上方から放電ギャップGに向けて加工液を吐出する上部ノズル40とを備えている。上部ガイドブロック31の下部には、ワイヤ電極10が挿通されることでワイヤ電極10を支持する上部ダイス32が設けられている(図5参照)。上部ダイス32は、後述する上部ノズル40の流入口42内に位置している。
下部ガイド50は、ワイヤ電極10に給電する下部ガイドブロック51と、ワイヤ電極10が挿通されるとともにワーク100の下方から放電ギャップGに向けて加工液を供給する下部ノズル60とを備えている。下部ガイドブロック51の上部には、ワイヤ電極10が挿通されることでワイヤ電極10を支持する下部ダイス52が設けられている(図5参照)。下部ダイス52は、後述する下部ノズル60の流入口62内に位置している。
ここで、本実施形態では、上部ガイド30と下部ガイド50との間におけるワイヤ電極10の軸線、上部ノズル40の軸線、及び下部ノズル60の軸線が一致している。以降において、これらの軸線を軸線Cと称する。また、軸線Cを中心とする周方向を単に周方向と称し、軸線Cを中心とする径方向を単に径方向と称する。なお、本実施形態では軸線Cと上下方向とが一致している。
次に、上部ノズル40について詳細に説明する。
図3(a)に示すように、上部ノズル40は、円環状のフランジ部41aを有する基部41と、基部41から突出した突部43とを有している。上部ノズル40は、環状の押さえ部材(図示略)により上部ガイドブロック31に対して押し当てられることで固定されている。
図3(b)に示すように、上部ノズル40の基部41は、加工液が流入する流入口42を有している。なお、加工液は、加工液供給装置(図示略)から上部ガイドブロック31内を経由して流入口42に流入する。流入口42は、軸線Cに直交する断面形状が円形状をなしており、突部43側に向かうほど縮径している。
上部ノズル40の突部43は、基部41の流入口42に流入した加工液を吐出する吐出口44を有している。吐出口44は、軸線Cに沿って延在している。
図3(c)に示すように、吐出口44は、ワイヤ電極10が挿通される中心部45と、中心部45の内周面において中心部45の周方向に等間隔にて設けられた複数(本実施形態では8つ)の溝部46とを有している。
中心部45は、軸線Cに直交する断面形状が、同図に二点鎖線にて示す軸線Cを中心とする仮想円Vである円柱状の領域である。
各溝部46は、軸線Cに沿って中心部45の全体にわたって設けられている。より詳しくは、各溝部46は、上部ノズル40の軸線方向における途中の部分から、すなわち、流入口42と吐出口44との接続部分から吐出口44の出口まで延在している。各溝部46の周方向における幅は、径方向の外側ほど小さい。なお、流入口42と吐出口44とは滑らかに連なっている。
次に、下部ノズル60について詳細に説明する。
図4(a)に示すように、下部ノズル60は、円環状のフランジ部61aを有する基部61と、基部61から突出した突部63とを有している。下部ノズル60は、環状の押さえ部材(図示略)により下部ガイドブロック51に対して押し当てられることで固定されている。
図4(b)に示すように、下部ノズル60の基部61は、加工液が流入する流入口62を有している。なお、加工液は、加工液供給装置(図示略)から下部ガイドブロック51内を経由して流入口62に流入する。流入口62は、軸線Cに直交する断面形状が円形状をなしており、突部63側に向かうほど縮径している。
下部ノズル60の突部63は、基部61の流入口62に流入した加工液を吐出する吐出口64を有している。吐出口64は、軸線Cに沿って延在している。
図4(c)に示すように、吐出口64は、ワイヤ電極10が挿通される中心部65と、中心部65の内周面において中心部65の周方向に等間隔にて設けられた複数(本実施形態では8つ)の溝部66とを有している。
中心部65は、軸線Cに直交する断面形状が、同図に二点鎖線にて示す軸線Cを中心とする仮想円Vである円柱状の領域である。
各溝部66は、軸線Cに沿って中心部65の全体にわたって設けられている。より詳しくは、各溝部66は、下部ノズル60の軸線方向における途中の部分から、すなわち、流入口62と吐出口64との接続部分から吐出口64の出口まで延在している。各溝部66の周方向における幅は、径方向の外側ほど小さい。なお、流入口62と吐出口64とは滑らかに連なっている。
なお、上部ノズル40の吐出口44の軸線Cに直交する断面形状と、下部ノズル60の吐出口64の軸線Cに直交する断面形状とは同一である。すなわち、軸線Cに直交する断面において、吐出口44の中心部45と吐出口64の中心部65とは同一の断面形状を有しており、吐出口44の溝部46と吐出口64の溝部66とは同一の断面形状を有している。
本実施形態の作用について説明する。
各ノズル40,60の吐出口44,64は、中心部45,65と、中心部45,65の内周面に設けられた複数の溝部46,66とを有している。このため、吐出口44,64から吐出される加工液は、中心部45,65よりも各溝部46,66において流れにくくなる。このため、吐出口44,64から吐出される加工液は、中心部45,65の軸線Cに向かって集約されることで縮流されるようになる。これにより、各ノズル40,60によりワーク100の上方及び下方から吐出される加工液がワイヤ電極10に沿って流れやすくなることで、放電ギャップGに加工液が供給されやすくなる(以上、作用1)。
図5に示すように、各ノズル40,60によりワーク100の上方及び下方から吐出される加工液がワイヤ電極10に沿って流れやすくなることで、ワイヤ電極10とワーク100との対向面、すなわちワーク100の加工面の全体に加工液が供給されやすくなる。
このとき、上部ノズル40から吐出される加工液と、下部ノズル60から吐出される加工液とがワーク100の厚さ方向における中央部において衝突する。同図に矢印にて示すように、互いに衝突した加工液は、上記加工面から離れる方向に流れるようになる。これにより、ワーク100の加工屑の排出が促進される(以上、作用2)。
本実施形態の効果について説明する。
(1)各ノズル40,60の吐出口44,64は、ワイヤ電極10が挿通される中心部45,65と、中心部45,65の内周面において中心部45,65の周方向に互いに間隔をおいて設けられ、吐出口44,64の出口まで延在する複数の溝部46,66とを有している。
こうした構成によれば、上記作用1を奏することから、ワイヤ放電加工における加工速度を向上させることができる。
(2)複数の溝部46,66は、周方向に等間隔にて設けられている。
こうした構成によれば、吐出口44,64から吐出される加工液が中心部45,65の軸線Cに向かって均一に縮流されるようになる。これにより、加工液がワイヤ電極10の全周にわたってワイヤ電極10に沿って流れやすくなる。このため、ワイヤ電極10とワーク100との相対移動の方向によらず、加工速度を向上させることができる。
(3)各溝部46,66の周方向における幅は、径方向の外側ほど小さい。
こうした構成によれば、各溝部46,66の周方向における幅が径方向の外側ほど小さいため、各溝部46,66を通過する加工液は、径方向の外側ほど流れにくくなる。これにより、吐出口44,64から吐出される加工液が、中心部45,65の軸線Cに向かって一層集約されやすくなる。したがって、加工液が放電ギャップGに供給されやすくなる。
(4)ワイヤ放電加工機は、ワーク100を挟む上方及び下方から放電ギャップGに向けて加工液をそれぞれ供給する上部ノズル40及び下部ノズル60を備えている。
こうした構成によれば、上記作用2を奏することから、ワイヤ放電加工における加工速度を向上させることができる。
また、上記構成によれば、放電ギャップGにおける放電現象が安定しやすくなり、ワイヤ放電加工機の加工精度を向上させることができる。
<第2実施形態>
以下、図7及び図8を参照して、第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、第1実施形態と対応する構成については、第1実施形態の符号「**」に「200」を加算した「2**」を付す。
第2実施形態では、上部ノズル240及び下部ノズル260の形状が第1実施形態と異なる。このため、以降においては、上部ノズル240及び下部ノズル260の構成について説明する。
まず、上部ノズル240について詳細に説明する。
図7(a)に示すように、上部ノズル240は、円環状のフランジ部41aを有する基部41と、基部41から突出した突部43とを有している。上部ノズル240は、環状の押さえ部材(図示略)により上部ガイドブロック31に対して押し当てられることで固定されている。
図7(b)に示すように、上部ノズル240の基部41は、加工液が流入する流入口42を有している。なお、加工液は、加工液供給装置(図示略)から上部ガイドブロック31内を経由して流入口42に流入する。流入口42は、軸線Cに直交する断面形状が円形状をなしており、突部43側に向かうほど縮径している。
上部ノズル240の突部43は、基部41の流入口42に流入した加工液を吐出する吐出口244を有している。吐出口244は、軸線Cに沿って延在している。
図7(c)に示すように、吐出口244は、ワイヤ電極10が挿通される中心部245と、中心部245の内周面において中心部245の周方向に等間隔にて設けられた複数(本実施形態では8つ)の溝部246とを有している。また、吐出口244は、中心部245の径方向の外側、且つ周方向における溝部246同士の間に設けられ、中心部245の軸線方向に貫通する複数(本実施形態では8つ)の貫通部247を有している。
中心部245は、軸線Cに直交する断面形状が、同図に二点鎖線にて示す軸線Cを中心とする仮想円V1である円柱状の領域である。
各溝部246は、軸線Cに沿って中心部245の全体にわたって設けられている。より詳しくは、各溝部246は、上部ノズル240の軸線方向における途中の部分から、すなわち、流入口42と吐出口244との接続部分から吐出口244の出口まで延在している。各溝部46の周方向における幅は、径方向の外側ほど小さい。なお、流入口42と吐出口244とは滑らかに連なっている。
各貫通部247は、軸線Cに直交する断面形状が円形状をなしている。1つの貫通部247の断面積は、1つの溝部246の断面積よりも小さい。
各貫通部247は、突部43を軸線方向に貫通しており、流入口42に連なっている。各貫通部247の軸線は、各溝部246における径方向の最外側の縁同士を結ぶ仮想円V2よりも径方向の内側に位置している。したがって、図示は省略するが、各貫通部247の軸線を結ぶ仮想円の直径は、仮想円V1の直径よりも大きく、仮想円V2の直径よりも小さい。
次に、下部ノズル260について詳細に説明する。
図8(a)に示すように、下部ノズル260は、円環状のフランジ部61aを有する基部61と、基部61から突出した突部63とを有している。下部ノズル260は、環状の押さえ部材(図示略)により下部ガイドブロック51に対して押し当てられることで固定されている。
図8(b)に示すように、下部ノズル260の基部61は、加工液が流入する流入口62を有している。なお、加工液は、加工液供給装置(図示略)から下部ガイドブロック51内を経由して流入口62に流入する。流入口62は、軸線Cに直交する断面形状が円形状をなしており、突部63側に向かうほど縮径している。
下部ノズル260の突部63は、基部61の流入口62に流入した加工液を吐出する吐出口264を有している。吐出口264は、軸線Cに沿って延在している。
図8(c)に示すように、吐出口264は、ワイヤ電極10が挿通される中心部265と、中心部265の内周面において中心部265の周方向に等間隔にて設けられた複数(本実施形態では8つ)の溝部266とを有している。また、吐出口264は、中心部265の径方向の外側、且つ周方向における溝部266同士の間に設けられ、中心部265の軸線方向に貫通する複数(本実施形態では8つ)の貫通部267を有している。
中心部265は、軸線Cに直交する断面形状が、同図に二点鎖線にて示す軸線Cを中心とする仮想円V1である円柱状の領域である。
各溝部266は、軸線Cに沿って中心部265の全体にわたって設けられている。より詳しくは、各溝部266は、下部ノズル260の軸線方向における途中の部分から、すなわち、流入口62と吐出口264との接続部分から吐出口264の出口まで延在している。各溝部266の周方向における幅は、径方向の外側ほど小さい。なお、流入口62と吐出口264とは滑らかに連なっている。
各貫通部267は、軸線Cに直交する断面形状が円形状をなしている。1つの貫通部267の断面積は、1つの溝部266の断面積よりも小さい。
各貫通部267は、突部63を軸線方向に貫通しており、流入口62に連なっている。各貫通部267の軸線は、各溝部266における径方向の最外側の縁同士を結ぶ仮想円V2よりも径方向の内側に位置している。したがって、図示は省略するが、各貫通部267の軸線を結ぶ仮想円の直径は、仮想円V1の直径よりも大きく、仮想円V2の直径よりも小さい。
なお、上部ノズル240の吐出口244の軸線Cに直交する断面形状と、下部ノズル260の吐出口264の軸線Cに直交する断面形状とは同一である。すなわち、軸線Cに直交する断面において、吐出口244の中心部245と吐出口264の中心部265とは同一の断面形状を有しており、吐出口244の溝部246と吐出口264の溝部266とは同一の断面形状を有している。さらに、軸線Cに直交する断面において、吐出口244の貫通部247と吐出口264の貫通部267とは同一の断面形状を有している。
本実施形態の作用について説明する。
各ノズル240,260の吐出口244,264は、貫通部247,267を有している。このため、流入口42,62から流入された加工液は、中心部245,265及び溝部246,266と、貫通部247,267とから吐出される。ここで、各貫通部247,267から吐出される加工液によって、中心部245,265及び溝部246,266から吐出された加工液が径方向の外側に拡散しにくくなる。このため、吐出口244,264から吐出される加工液は、中心部245,265の軸線Cに向かって集約されることで縮流されるようになる。これにより、各ノズル240,260によりワーク100の上方及び下方から吐出される加工液がワイヤ電極10に沿って流れやすくなることで、放電ギャップGに加工液が供給されやすくなる(以上、作用3)。
本実施形態の効果について説明する。
本実施形態の各ノズル240,260によれば、第1実施形態の効果(1)~(4)に加えて、新たに以下に示す効果が得られるようになる。
(5)吐出口244,264は、中心部245,265の径方向の外側、且つ周方向における溝部246,266同士の間に設けられ、中心部245,265の軸線方向に貫通する貫通部247,267を有している。
こうした構成によれば、上記作用3を奏することから、ワイヤ放電加工における加工速度を向上させることができる。
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上部ノズル40,240及び下部ノズル60,260の一方のみが本発明に係る加工液吐出ノズルであってもよい。
・図6(a)及び図6(b)に示すように、各溝部46,66に代えて、周方向における幅が径方向において一定である複数の溝部146,166が設けられた吐出口144,164を有する上部ノズル140及び下部ノズル160を採用することもできる。なお、本変更例では、4つの溝部146,166が周方向に等間隔にて設けられている。
なお、本変更例において、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すとともに、対応する構成については、第1実施形態の符号「**」に「100」を加算した符号を付すことにより重複した説明を省略している。
・各溝部46,66,246,266の個数や配置は適宜変更することができる。
・中心部45,65,245,265及び各溝部46,66,246,266の形状は適宜変更することができる。
・上記実施形態では、上部ガイド30と下部ガイド50との間におけるワイヤ電極10の軸線、上部ノズル40,240の軸線、及び下部ノズル60,260の軸線が一致するものとして説明したが、上記実施形態における「一致」とは、厳密に一致している場合のみでなく、上記実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね一致する場合も含まれる。
・軸線Cは上下方向に対して傾斜していてもよい。すなわち、ワイヤ電極10の軸線と、各ノズル40,60,240,260の軸線とを一致させた状態で、ワーク100に対してワイヤ電極10を傾斜させて加工するテーパ加工に対しても本発明に係る加工液吐出ノズルを適用することができる。
・本発明は、油を主成分とする加工液を使用するワイヤ放電加工機に対しても適用することができる。
・1つの貫通部247,267の断面積は、1つの溝部246,266の断面積と同一であってもよいし、1つの溝部246,266の断面積よりも大きくてもよい。
・貫通部247,267の断面形状は、円形状でなくてもよく、三角形状や四角形状などの多角形状であってもよい。
・貫通部247,267の径方向における位置は適宜変更できる。例えば、各貫通部247,267の軸線を結ぶ仮想円の直径が仮想円V2の直径よりも大きくなるようにしてもよい。
・貫通部247,267の個数は、適宜変更できる。
10…ワイヤ電極、20…加工槽、21…テーブル、22…ベース部、23…定盤、30…上部ガイド、31…上部ガイドブロック、32…上部ダイス、40,140,240…上部ノズル、41…基部、41a…フランジ部、42…流入口、43…突部、44,144,244…吐出口、45,145,245…中心部、46,146,246…溝部、50…下部ガイド、51…下部ガイドブロック、52…下部ダイス、60,160,260…下部ノズル、61…基部、61a…フランジ部、62…流入口、63…突部、64,164,264…吐出口、65,165,265…中心部、66,166,266…溝部、70…テンションローラ、100…ワーク、247…貫通部、267…貫通部。

Claims (6)

  1. ワイヤ電極とワークとの間に電圧を印加することで前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工機に適用され、前記ワイヤ電極が挿通されるとともに前記ワイヤ電極と前記ワークとの間隙に向けて加工液を吐出する吐出口を有する加工液吐出ノズルであって、
    前記吐出口は、
    前記ワイヤ電極が挿通される中心部と、
    前記中心部の内周面において前記中心部の軸線を中心とする周方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記吐出口の出口まで延在する複数の溝部と、を有しており、
    前記溝部の各々の前記周方向における幅は、前記軸線を中心とする径方向において一定である、
    加工液吐出ノズル。
  2. ワイヤ電極とワークとの間に電圧を印加することで前記ワークを放電加工するワイヤ放電加工機に適用され、前記ワイヤ電極が挿通されるとともに前記ワイヤ電極と前記ワークとの間隙に向けて加工液を吐出する吐出口を有する加工液吐出ノズルであって、
    前記吐出口は、
    前記ワイヤ電極が挿通される中心部と、
    前記中心部の内周面において前記中心部の軸線を中心とする周方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記吐出口の出口まで延在する複数の溝部と、を有しており、
    前記軸線を中心とする径方向を径方向とするとき、
    前記吐出口は、前記中心部の前記径方向の外側、且つ前記周方向における前記溝部同士の間に設けられ、前記中心部の軸線方向に貫通する貫通部を有している、
    加工液吐出ノズル。
  3. 前記複数の溝部は、前記周方向に等間隔にて設けられている、
    請求項1または請求項2に記載の加工液吐出ノズル。
  4. 前記溝部の各々の前記周方向における幅は、前記軸線を中心とする径方向の外側ほど小さい、
    請求項または請求項に記載の加工液吐出ノズル。
  5. ワイヤ電極に電圧を印加することでワークを放電加工するワイヤ放電加工機であって、
    前記ワークを挟む一方及び他方から前記ワイヤ電極と前記ワークとの間隙に向けて加工液を供給する一対のノズルを備え、
    前記一対のノズルの少なくとも一方が、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の加工液吐出ノズルである、
    ワイヤ放電加工機。
  6. 前記一対のノズルの双方が、前記加工液吐出ノズルである、
    請求項に記載のワイヤ放電加工機。
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