JP7347223B2 - シートクッションエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
上記の構成によれば、膨張状態のエアバッグにおいて締結部よりも後方の部分が、取り得る最小となる。従って、膨張状態のエアバッグの上記部分が骨盤から前方へ向かう力を受けた場合、締結部よりも前方へ倒れ込む現象が効果的に抑制される。
上記の構成によれば、膨張したときのエアバッグの高さは、後端部において最も高くなる。そのため、前方へ移動しようとする骨盤がエアバッグの広い面で受け止められ、腰部の前方への移動が効果的に規制される。
上記の構成によれば、膨張状態のエアバッグが上記の形状を有している場合には、膨張状態のエアバッグの高さが前後方向に同一である場合に比べ、エアバッグの容量が少なくなる。乗物用シートにおけるエアバッグの搭載スペースが小さくてすみ、搭載性が向上する。また、エアバッグと、乗物用シート内の周囲の部品との干渉が起こりにくい。
上記の構成によれば、骨盤から前方へ向かう力を受けた膨張状態のエアバッグは、壁板部に当たることで、それ以上前方へ移動することを規制される。エアバッグは、壁板部が設けられない場合に比べ、膨張したときの形状を保持しやすい。
テザーの長さが、エアバッグのうち同テザーが重ねられた箇所の周長に対し、上記の関係を満たすように設定されることにより、エアバッグの膨張に伴いテザーの両傾斜部が引っ張られて緊張状態になる。両傾斜部は、エアバッグのうちテザーの前端部が固定された部分を後方へ引っ張る。
上記シートクッションエアバッグ装置において、各傾斜部の後端部は、前記締結部により、前記エアバッグとともに前記支持部に締結されていることが好ましい。
以下、車両用のシートクッションエアバッグ装置に具体化した第1実施形態について、図1~図3を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、車両には、クッション部12に着座し、かつシートバック13に凭れた乗員P1を拘束するためのシートベルト装置20が設けられている。
ガス発生器41は、エアバッグ50に膨張用ガスを供給するためのものであり、インフレータ42と、そのインフレータ42を覆うリテーナ43とを備えている。インフレータ42は長尺状(略円柱状)をなしており、その内部には、膨張用ガスを発生するガス発生剤(図示略)が収容されている。インフレータ42の一方の端部には、膨張用ガスを噴出するガス噴出部(図示略)が設けられ、他方の端部には、同インフレータ42への作動信号の入力配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
エアバッグ50は、膨張することでクッション部12の座面を隆起させる機能を担っている。エアバッグ50は、複数枚の布片(基布、パネル布等とも呼ばれる)を、周縁部において縫合することによって形成されている。布片としては、強度が高く、かつ可撓性を有する素材、例えば、ポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
・車幅方向については、シートクッション11の中央部分であること。
エアバッグ50は、支持部31の傾斜板部32からの高さH1が後端部において最も高くなり、後端部から前側へ遠ざかるに従い低くなる膨張形状を有している(図2の二点鎖線参照)。
ガス発生器41におけるインフレータ42及びリテーナ43は、エアバッグ50内の下部のうち、前後方向における中央部よりも後方において、車幅方向に延びる姿勢で配置されている。第1実施形態では、インフレータ42及びリテーナ43は、エアバッグ50内の下部の後端部に配置されている。
傾斜板部32において、車幅方向に互いに離間した複数箇所には、取付孔33が形成されている。ガス発生器41におけるボルト44が、上記取付孔33に挿通されている。そして、各ボルト44に対し、傾斜板部32の下方からナット45が螺合されることにより、ガス発生器41がエアバッグ50と一緒に傾斜板部32に締結されている。上記ボルト44を有するガス発生器41とナット45とによって、エアバッグ50の下部を支持部31に締結するための締結部が構成されている。エアバッグ50の傾斜板部32に対する締結は、同エアバッグ50の下部の後端部が、リテーナ43と傾斜板部32とで挟み込まれることによってなされている。
衝撃センサ61は加速度センサ等からなり、車両に対し前方から加わる衝撃を検出する。制御装置62は、衝撃センサ61からの検出信号に基づきインフレータ42の作動を制御する。
車両の前突等により、同車両に対し前方から衝撃が加わった場合、クッション部12に着座している乗員P1は、慣性によって前方へ移動しようとする。このとき、乗員P1が、手動運転に適した正規の姿勢で車両用シート10に着座していれば、その乗員P1は、シートベルト装置20の保持作用によってクッション部12上に引き留められる。すなわち、前方へ移動しようとする腰部PPがラップベルト部24に引っ掛かる。ラップベルト部24が腰部PPを拘束し、同腰部PPの前方への移動を規制する。
・仮に、大腿部PFの下方にエアバッグ50が配置されると、同エアバッグ50が膨張したときに、大腿部PFが押し上げられて骨盤PVが後傾し、腰部PPがラップベルト部24に適正に引っ掛からないおそれがある。
そのため、上記高さH1が前後方向に同一である場合に比べ、エアバッグ50の容量が少なくなる。車両用シート10におけるエアバッグ50、ひいてはエアバッグモジュールABMの搭載スペースが小さくてすみ、搭載性が向上する。また、エアバッグ50の小容量化により、同エアバッグ50と車両用シート10(シートクッション11)内の周囲の部品との干渉が起こりにくい。
次に、車両用のシートクッションエアバッグ装置に具体化した第2実施形態について、図4を参照して説明する。
こうした構成のテザー56の連結部58は、傾斜面55の前後方向における中央部55cよりも前下側の箇所に配置されている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
車両の前突等により、同車両に対し前方から衝撃が加わると、乗員P1の腰部PP(骨盤PV)が前方へ移動しようとする。一方で、エアバッグ装置40では、膨張用ガスの供給を受けたエアバッグ50が膨張する。
・テザー56の連結部58がエアバッグ50の前部に固定されている。そのため、エアバッグ50の膨張時はもちろんのこと、膨張前にも連結部58がエアバッグ50に連結された状態に保持される。エアバッグ50の膨張前、例えば、車両用シート10に組付けられる前のエアバッグ装置40の運搬時や、同車両用シート10へのエアバッグ装置40の組付け時に、連結部58のエアバッグ50に対する位置がずれるのを抑制することができる。
・支持部31から壁板部35が省略されてもよい。
・締結部は、エアバッグ50の下部の前後方向における中央部よりも後方の領域であることを条件に、上記各実施形態(後端部)よりも前方の箇所に設けられてもよい。
なお、図示はしないが、第1及び第2実施形態においても、また後述する図6~図9の変形例においても、上記と同様に、ガス発生器41の締結に際しブラケット71が用いられてもよい。
・上記図5の変形例におけるブラケット71は省略可能である。
・エアバッグ50は、折り重ねられずに、展開させられた状態で、クッション部12と支持部31との間に配置されてもよい。
また、下膨張部53の周縁部と上膨張部54の周縁部との間に環状の空間S1が形成される。図6中の二点鎖線で示すように、1つの膨張部によってエアバッグ50を構成した場合に比べ、上記空間S1の分、エアバッグ50の膨張時の容量を少なくすることが可能である。
・図7に示すように、第2実施形態と同様の帯片からなるテザー56が複数本用いられてもよい。図7では、テザー56が2本用いられているが、3本以上用いられてもよい。ただし、全てのテザー56の連結部58は、傾斜面55の前後方向における中央部55cよりも前下側の箇所に配置されることが、エアバッグ50のつぶれ代を確保するうえで望ましい。
・図8に示すように、膨張状態のエアバッグ50よりも後方において、ガス発生器41のボルト44及びナット45とは別に設けられた締結部によって、各傾斜部57の後端部57rが傾斜板部32に締結されてもよい。
・テザー56は、連結部58においてエアバッグ50の傾斜面55に固定されることに加え、傾斜部57の前端部において同エアバッグ50の側面に固定されてもよい。
<その他>
・エアバッグ50は、膨張することでクッション部12を押し破って、同クッション部12の外部へ出て、左右の両大腿部PFの間であって、腰部PP(骨盤PV)の前方で上方へ膨張するものであってもよい。この場合、エアバッグ50のうち、クッション部12の外部で膨張した部分が、骨盤PVを受け止める。
・上記エアバッグ装置40は、車両に限らず、航空機、船舶等の他の乗物における乗物用シートに装備されるエアバッグ装置にも適用可能である。
12…クッション部
31…支持部
35…壁板部
40…シートクッションエアバッグ装置
41…ガス発生器(締結部及び後締結部のそれぞれの一部を構成)
45…ナット(締結部及び後締結部のそれぞれの一部を構成)
50…エアバッグ
51…第1膨張予定部
52…第2膨張予定部
55…傾斜面
55c…中央部
56,81…テザー
57…傾斜部
57r,81r…後端部
58…連結部
59,82…縫糸
65…締結具(前締結部を構成)
81f…前端部
H1…高さ
P1…乗員
PP…腰部
Claims (11)
- 乗員が着座するクッション部を備える乗物用シートに適用されるものであり、
前記クッション部と、前記クッション部の下側に配置された支持部との間であって、前記乗物用シートの幅方向における中央部分にエアバッグを配置し、膨張用ガスにより前記エアバッグを膨張させることで、前記乗員の腰部の前方への移動を規制するようにしたシートクッションエアバッグ装置であって、
前記エアバッグを前記支持部に締結するための締結部が、膨張状態の前記エアバッグの下部のうち、前後方向における中央部よりも後方に設けられていて、
前記エアバッグの周りには帯状のテザーが配置されており、
前記テザーは、前記幅方向における前記エアバッグの両側部に配置された一対の傾斜部を備え、
各傾斜部の後端部は前記支持部に固定され、
前記テザーの前端部は前記エアバッグの前部に固定されており、
各傾斜部は、前記エアバッグの膨張に伴い、前側ほど高くなるように傾斜していて、
膨張状態の前記エアバッグは、前側ほど低くなる傾斜面を有しており、前記テザーの前端部は、前記傾斜面の前後方向における中央部よりも前下側の箇所に配置されているシートクッションエアバッグ装置。 - 前記締結部は、膨張状態の前記エアバッグの後端部に設けられている請求項1に記載のシートクッションエアバッグ装置。
- 膨張状態の前記エアバッグは、前記支持部からの高さが後端部で最も高くなる形状を有している請求項1又は2に記載のシートクッションエアバッグ装置。
- 膨張状態の前記エアバッグは、前記後端部から前側へ遠ざかるに従い前記高さが低くなる形状を有している請求項3に記載のシートクッションエアバッグ装置。
- 膨張前の前記エアバッグは、前記支持部上に配置される第1膨張予定部と、前記第1膨張予定部の上側に折り重ねられる第2膨張予定部とからなり、
前記第1膨張予定部及び前記第2膨張予定部は、互いの後端部において連通している請求項1~4のいずれか1項に記載のシートクッションエアバッグ装置。 - 前記支持部は、膨張状態の前記エアバッグに対し前側に隣接する箇所に、上方へ延びる壁板部を備えている請求項1~5のいずれか1項に記載のシートクッションエアバッグ装置。
- 前記締結部を後締結部とした場合において、
前記エアバッグの前記後締結部よりも前方には、前記エアバッグを前記支持部に締結するための前締結部が設けられている請求項1~6のいずれか1項に記載のシートクッションエアバッグ装置。 - 前記テザーは、一対の前記傾斜部の前端部同士を、前記エアバッグよりも前側に配置された連結部で連結してなる単一の帯片により構成されており、
前記テザーは、少なくとも前記連結部において前記エアバッグの前端部に固定されている請求項1~7のいずれか1項に記載のシートクッションエアバッグ装置。 - 前記テザーの長さは、前記エアバッグのうち前記テザーが重ねられた箇所の周長よりも短く設定されている請求項8に記載のシートクッションエアバッグ装置。
- 前記テザーの前端部の前記エアバッグの前部に対する固定は、前記テザー及び前記エアバッグを縫合する縫糸によりなされている請求項1~9のいずれか1項に記載のシートクッションエアバッグ装置。
- 各傾斜部の後端部は、前記締結部により、前記エアバッグとともに前記支持部に締結されている請求項1~10のいずれか1項に記載のシートクッションエアバッグ装置。
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