JP7346080B2 - ステレオカメラシステム、及び測距方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ステレオカメラシステム、及び測距方法に関する。
自動車におけるユーザサポート機能として、自動運転、自動ブレーキ、自動追従等の開発、改良が進められている。これらのユーザサポート機能の実現には、自動車の周囲に存在する物体を検知する技術が共通して用いられており、特に、自動運転については、自動車の全周囲(周囲360°)の物体検知技術の確立が重要となる。
自動車の全周囲の物体検知技術としては、レーザパルスの反射戻り時間から物体までの距離を検出するLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)を用いる方法が知られている。
また、ステレオカメラを用いて物体までの距離を測定する方法も知られている。例えば特許文献1には、車体に複数のステレオカメラユニットを配置し、各ステレオカメラユニット間の配置距離がステレオカメラユニット単体における基線長より長く設定され、ステレオカメラユニット単体による短基線長撮像と、ステレオカメラユニットの対の組合せで構成されるステレオカメラユニットによる長基線長撮像が可能な画像生成装置が開示されている。
特開2006-33282号公報
しかしながら、LIDARを用いる方法の場合、LIDARだけでは画像を取得することができないので、検知した物体が何であるのかを認識するため、画像を撮影できるカメラを併用する必要がある。また、周囲に存在する自動車もLIDARを用いている場合、レーザ光が相互に干渉し合ってしまう可能性がある。
また、特許文献1に記載の画像生成装置では、短基線長撮像と長基線長撮像の画像処理は個別に行われており、測距のための処理負荷が増大してしまう。
本開示はこのような状況を鑑みてなされたものであって、長基線長のステレオカメラの測距のための処理負荷を低減する技術を提案する。
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本開示の一態様に係るステレオカメラシステムは、自己の画角範囲に存在する物体を撮像するとともに、物体を測距する複数の測距カメラと、測距カメラの対を長基線長ステレオカメラとし、測距カメラの対のそれぞれによって撮像された画像に基づいて前記物体を測距する統合部と、を備え、測距カメラもしくは統合部の画像処理範囲が変更可能なように構成されている。
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではないことを理解する必要がある。
本開示の技術によれば、長基線長ステレオカメラの計算負荷を低減することが可能となる。
第1の実施形態であるステレオカメラシステムの構成例を示す図である。 ステレオカメラシステムの詳細な構成例を示すブロック図である。 測距カメラにおける第1撮像部と第2撮像部との位置関係の例を示す図である。 ステレオカメラと見做される2つの測距カメラの位置関係の例を示す図である。 長基線長ステレオカメラ及び測距カメラの単体の距離に対する測距精度を表す図である。 長基線長ステレオカメラ及び測距カメラの単体の距離に対する測距精度を表す図である。 長基線長ステレオカメラ及び測距カメラの単体の距離に対する測距精度を表す図である。 ステレオカメラシステムによる動作の一例を説明するフローチャートである。 第2の実施形態である車載ステレオカメラシステムの構成例を示す図である。 車載ステレオカメラシステムにおける各測距カメラの画角範囲を示す図である。 車載ステレオカメラシステムにおける各測距カメラの単体での測距結果を採用する範囲を示す図である。 測距カメラとして採用し得るステレオカメラの構成例を示す図である。 上側双曲面ミラーと外周側双曲面ミラーと内周側双曲面ミラーとの関係を示す断面図である。 各双曲面ミラーのパラメータの一例を示す図である。 第3の実施形態に関わるステレオカメラシステムの画像処理について示す図である。 第3の実施形態に関わるステレオカメラシステムの詳細な構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態に関わるステレオカメラシステムによる動作の一例を説明するフローチャートである。 第4の実施形態に関わるステレオカメラシステムの画像処理について示す図である。 第4の実施形態に関わるステレオカメラシステムの詳細な構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態に関わるステレオカメラシステムによる動作の一例を説明するフローチャートである。 第5の実施形態に関わるステレオカメラシステムの画像処理について示す図である。 第5の実施形態に関わるステレオカメラシステムの詳細な構成例を示すブロック図である。 第5の実施形態に関わるステレオカメラシステムによる動作の一例を説明するフローチャートである。 第6の実施形態である車載ステレオカメラシステムの路面に対して水平方向の画角範囲を示す図である。 第6の実施形態である車載ステレオカメラシステムの路面に対して垂直方向の画角範囲を示す図である。 第7の実施形態である車載ステレオカメラシステムの路面に対して水平方向の画角範囲を示す図である。 第7の実施形態である車載ステレオカメラシステムの路面に対して垂直方向の画角範囲を示す図である。 第8の実施形態である車載ステレオカメラシステムの構成例を示す図である。 第8の実施形態であるステレオカメラシステムの詳細な構成例を示すブロック図である。 第8の実施形態である車載ステレオカメラシステムによる動作の一例を説明するフローチャートである。 第9の実施形態である車載ステレオカメラシステムによる動作の一例を説明するフローチャートである。 長基線長ステレオカメラと、前方用測距カメラによる、物体までの距離に対する測距精度を表す図である。
以下、本開示の技術に係る複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
(1)第1の実施形態
<ステレオカメラシステムの構成例>
図1は、第1の実施形態であるステレオカメラシステム1の構成例を示す図である。ステレオカメラシステム1は、測距カメラ10aおよび10bと、統合部20と、を備える。
測距カメラ10aは、例えば、路面に対して垂直な方向(図面に対して垂直な方向)に配置された第1撮像部11a(図2)及び第2撮像部13a(図2)を有するステレオカメラを含む。測距カメラ10aは、画角範囲AOVaを撮像し、撮像結果として得られる画像を統合部20に出力する。また、測距カメラ10aは、単体として、画角範囲AOVaに存在する物体を測距する(距離を測定する)機能を有し、測距結果を統合部20に出力する。なお、測距カメラ10aは、ステレオカメラの他、例えば、TOF(time of flight)カメラや、オプティカルフローと呼ばれる画像解析の手法を用いた単眼カメラ等によって実現できる。
同様に、測距カメラ10bは、例えば、路面に対して垂直な方向に配置された第1撮像部11b(図2)及び第2撮像部13b(図2)を有するステレオカメラを含む。測距カメラ10bは、画角範囲AOVbを撮像し、撮像結果として得られる画像を統合部20に出力する。また、測距カメラ10bは、単体として、画角範囲AOVbに存在する物体を測距する機能を有し、測距結果を統合部20に出力する。
なお、測距カメラ10bは、例えば、ステレオカメラの他、TOFカメラや、オプティカルフローと呼ばれる画像解析の手法を用いた単眼カメラ等によって実現できる。
以下、測距カメラ10a、10bを個々に区別する必要が無い場合、単に測距カメラ10と称する。
統合部20は、測距カメラ10の対(測距カメラ10a、10b)を1つの長基線長ステレオカメラSabと見做して物体を測距する。
すなわち、統合部20は、測距カメラ10aと測距カメラ10bのそれぞれで撮像された画像を取得し、取得した画像を用いたステレオマッチング処理により、測距カメラ10aの画角範囲AOVaと測距カメラ10bの画角範囲AOVbとが重複する重複領域Rabに存在している物体を測距する。当然ながら、長基線長ステレオカメラSabは、重複領域Rabに存在しない物体を測距することはできない。
長基線長ステレオカメラSabは、その基線長L2(図4)が、測距カメラ10の単体の基線長L1(図4)よりも長くなるので、所定の距離よりも遠くに存在する物体に対する測距精度を測距カメラ10の単体よりも上げることができる。
そこで、統合部20は、長基線長ステレオカメラSabの方が測距カメラ10の単体よりも測距精度が高くなる境の所定の距離を距離閾値THLとし、重複領域Rabに存在する物体のうち、測距カメラ10から距離閾値THLよりも遠くに存在する物体については長基線長ステレオカメラSabによる測距結果を採用し、距離閾値THLよりも近い領域Ra、Rbに存在する物体については測距カメラ10の単体による測距結果を採用する。
また、統合部20は、長基線長ステレオカメラSabによって測距できない物体については、測距カメラ10の単体での測距結果を採用する。
さらに、統合部20は、正確な距離が分かっている物体を測距することにより、正確な距離と測距結果との差分に基づいて、長基線長ステレオカメラSabの自己キャリブレーションを実行する。
なお、図1の場合は異なるが、測距カメラ10aの画角範囲AOVaに測距カメラ10bを配置し、統合部20が、測距カメラ10aによって撮像された、測距カメラ10bが写り込んでいる画像に基づき、長基線長ステレオカメラSabの基線長とその傾きを決定、補正するようにしてもよい。
次に、図2は、ステレオカメラシステム1の詳細な内部構成例を示すブロック図である。なお、図2の構成例において、測距カメラ10は、第1撮像部11及び第2撮像部13を有するステレオカメラである。
測距カメラ10は、第1撮像部11、歪補正部12、第2撮像部13、歪補正部14、及び距離算出部15を有する。
以下、測距カメラ10aの第1撮像部11を、その符号にaを追加して第1撮像部11aと称する。その他の構成要素についても同様とする。また、測距カメラ10bについても同様とする。
第1撮像部11は、例えば広角レンズや魚眼レンズ等から成る集光部31(図3)と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等から成る高解像度イメージセンサ32(図3)を有する。第1撮像部11においては、集光部31によって物体の光を高解像度イメージセンサ32に集光し、高解像度イメージセンサ32にて光電変換により第1画像を生成する。第1撮像部11は、第1画像を歪補正部12に出力する。歪補正部12は、第1画像に生じている画像歪を補正して距離算出部15に出力する。
第2撮像部13は、例えば広角レンズや魚眼レンズ等から成る集光部33(図3)と、CMOS等から成る低解像度イメージセンサ34(図3)を有する。第2撮像部13においては、集光部33によって物体の光を低解像度イメージセンサ34に集光し、低解像度イメージセンサ34にて光電変換により第2画像を生成する。第2撮像部13は、第2画像を歪補正部14に出力する。歪補正部14は、第2画像に生じている画像歪を補正して距離算出部15に出力する。
図3は、測距カメラ10における第1撮像部11と第2撮像部13との位置関係の例を示している。同図に示されるように、第1撮像部11と第2撮像部13とは、基線長L1(例えば、数cm)だけ路面に対して垂直な方向に離れて配置されている。第1撮像部11と第2撮像部13とは、路面に対して水平な方向の画角範囲が共通なので、オクルージョンの発生を抑止することができる。
なお、第1撮像部11の高解像度イメージセンサ32と、第2撮像部13の低解像度イメージセンサ34とは解像度が異なる。
したがって、高解像度イメージセンサ32から得られる第1画像は、低解像度イメージセンサ34から得られる第2画像よりも高解像度となる。
なお、低解像度イメージセンサ34は、高解像度イメージセンサ32よりも価格が安いので、その分だけ生産コストを抑えることができる。ただし高解像度イメージセンサ32と低解像度イメージセンサ34との解像度を統一するようにしてもよい。
図2に戻る。距離算出部15は、画像歪を補正した第1画像及び第2画像に基づき、ステレオマッチング処理によって、第1画像と第2画像との両方に写っている物体までの距離を算出して距離判定部23に出力する。
測距カメラ10bは、測距カメラ10aと同様に構成されているので、その説明は省略する。
図4は、測距カメラ10aの第1撮像部11a及び第2撮像部13aと、測距カメラ10bの第1撮像部11b及び第2撮像部13bとの位置関係の例を示している。
長基線長ステレオカメラSabを成す測距カメラ10aと測距カメラ10bとは、路面に対して水平な方向に、例えば数mだけ離して配置される。
したがって、長基線長ステレオカメラSabの基線長L2も数mとなり、測距カメラ10の単体での基線長L1よりも長くなる。
よって、長基線長ステレオカメラSabは、測距カメラ10の単体に比較して、高い測距精度を実現することができる。
図2に戻る。統合部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、通信I/F等から成り、画像取得部21、距離算出部22、及び距離判定部23の各機能ブロックを実現する。
画像取得部21は、測距カメラ10aの歪補正部12aから高解像度の第1画像aを取得し、測距カメラ10bの歪補正部12bから高解像度の第1画像bを取得して距離算出部22に出力する。距離算出部22は、2枚の第1画像a、bに基づき、ステレオマッチング処理によって、第1画像a、bの両方に写っている物体までの距離を算出して距離判定部23に出力する。
なお、画像取得部21が、測距カメラ10a、10bから低解像度の第2画像a、bを取得し、距離算出部22にて、第2画像a、bに基づき、物体までの距離を算出するようにしてもよい。ただし、高解像度の第1画像a、bを用いる方が、低解像度の第2画像a、bを用いる場合に比較して、より高い精度でステレオマッチング処理を行うことができるので、得られる測距結果もより高い精度を得ることができる。
距離判定部23は、測定結果が距離閾値THL(例えば、10m)未満であった物体については、測距カメラ10の単体での測距結果を採用し、測定結果が距離閾値THL以上であった物体については長基線長ステレオカメラSabによる測距結果、すなわち、距離算出部22による算出結果を採用すると判定する。
また、距離判定部23は、長基線長ステレオカメラSabによって測距できない物体についても、測距カメラ10の単体での測距結果を採用すると判定する。
さらに、距離判定部23は、何らかの原因(ステレオマッチングができない場合、故障の場合等)により、測距カメラ10の単体及び長基線長ステレオカメラSabの一方が測距結果を得られず、他方が測距結果を得られた場合、他方の測距結果を採用すると判定する。そして、距離判定部23は、判定結果に対応する測距結果を、所定の装置(不図示)等に出力する。
なお、測距カメラ10の単体と長基線長ステレオカメラSabとの両方によって測距できる重複領域Rabに存在する物体の距離については、測距カメラ10の単体による測距結果と長基線長ステレオカメラSabによる測距結果とを用いた所定の演算値(例えば、重み付け平均値)を採用するようにしてもよい。
該所定の装置に出力された物体の測距結果は、例えば、3D映像としてディスプレイに表示したり、ステレオカメラシステム1を搭載する自動車のECU(Electronic Control Unit)に供給したり、所定のサーバに送信したりするようにしてもよい。
<物体までの距離に対する測距精度>
次に、図5~図7は、長基線長ステレオカメラSabと測距カメラ10の単体とによる、物体までの距離に対する測距精度を表している。なお、各図の横軸は測距の対象となる物体までの実際の距離を示し、縦軸は測距精度を示している。ここで、測距精度とは、実際の距離に対する測距結果の誤差を百分率で示したものであり、各図においては、その値が小さいほど、測距精度が高いことを意味する。
図5は、縦軸に平行な破線によって示す所定の距離(距離閾値THL)よりも近くに存在する物体については、長基線長ステレオカメラSabではオクルージョンによって測距ができず、所定の距離よりも遠くに存在する物体については、長基線長ステレオカメラSabの方が、測距カメラ10の単体よりも測距精度が高い場合を示している。
このような場合、所定の距離を距離閾値THLとし、距離閾値THLよりも近くに存在する物体については測距カメラ10の単体による測距結果を採用し、距離閾値THLよりも遠くに存在する物体については長基線長ステレオカメラSabによる測距結果を採用するようにする。この際、例えば通常時は測距カメラのみを動作させておき、要求される測距精度を満足できない遠方の距離で距離測定が必要と判断された場合にのみ、長基線ステレオカメラを動作させて、距離測定を行うことも可能である。
図6は、縦軸に平行な破線によって示す所定の距離(距離閾値THL)よりも近くに存在する物体については、測距カメラ10の単体の方が長基線長ステレオカメラSabよりも測距精度が高く、距離閾値THLよりも遠くに存在する物体については、長基線長ステレオカメラSabの方が測距カメラ10の単体よりも測距精度が高い場合を示している。このような場合でも、所定の距離を距離閾値THLとし、距離閾値THLよりも近くに存在する物体については測距カメラ10の単体による測距結果を採用し、距離閾値THLよりも遠くに存在する物体については長基線長ステレオカメラSabによる測距結果を採用するようにする。
図7は、統合部20による自己キャリブレーション前後の測距精度を示している。自己キャリブレーション後においては、測距カメラ10の単体による測距精度と長基線長ステレオカメラSabによる測距精度との優劣が逆転する縦軸に平行な破線によって示す所定の距離が変化するので、自己キャリブレーション後においては距離閾値THLも変更するようにする。なお、同図においては、長基線長ステレオカメラSabのみ自己キャリブレーションを行っているが、測距カメラ10の単体として自己キャリブレーションを行うようにしてもよい。
<ステレオカメラシステム1の動作>
次に、図8は、ステレオカメラシステム1による動作の一例を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、各処理部(統合部20、画像取得部21、距離算出部22、距離判定部23など)を動作主体としているが、ステレオシステム1の動作をプログラムで実現する場合には、走行制御ECUあるいは別のプロセッサ(コンピュータ)を動作主体としてもよい(以下、各実施形態におけるフローチャートに基づく動作説明においても同様である)。
この動作は、例えばユーザからの所定の操作に応じて開始される。
はじめに、測距カメラ10a、10bが、それぞれ単体として、自己の画角範囲に存在する物体を測距し、測距結果を統合部20に出力する(ステップS1)。
具体的には、測距カメラ10aでは、第1撮像部11aが画角範囲AOVaを撮像し、その結果得られる第1画像aを歪補正部12aに出力し、歪補正部12aが第1画像aに生じている画像歪を補正して距離算出部15aに出力する。
これと同時に、第2撮像部13aが画角範囲AOVaを撮像し、その結果得られる第2画像aを歪補正部14aに出力し、歪補正部14aが、第2画像aに生じている画像歪を補正して距離算出部15aに出力する。
さらに、距離算出部15aが、画像歪を補正した第1画像a及び第2画像aに基づき、ステレオマッチング処理によって、第1画像aと第2画像aとの両方に写っている物体までの距離を算出して距離判定部23に出力する。
なお、測距カメラ10bも、上述した測距カメラ10aと同様の動作を同時に実行するが、その説明は省略する。
次に、統合部20が、測距カメラ10a、10bを1つの長基線長ステレオカメラSabと見做して物体を測距する(ステップS2)。
具体的には、統合部20の画像取得部21が、測距カメラ10aの歪補正部12aから高解像度の第1画像aを、測距カメラ10bの歪補正部12bから高解像度の第1画像bを取得して距離算出部22に出力する。そして、距離算出部22が、画像歪を補正した高解像度の第1画像a、bに基づき、ステレオマッチング処理によって、第1画像a、bの両方に写っている、すなわち、重複領域Rab(図1)に存在する物体までの距離を算出して距離判定部23に出力する。
次に、距離判定部23が、測定結果が距離閾値THL以上であった物体については長基線長ステレオカメラSabによる測距結果を採用すると判定し、測定結果が距離閾値THL未満であった物体については測距カメラ10aまたは10bが単体で算出した測距結果を採用すると判定する。そして、距離判定部23が、判定結果に対応する測距結果を、所定の装置(不図示)等に出力する(ステップS3)。
この後、処理はステップS1に戻り、例えば、動作終了を指示する操作がユーザから入力されるまで、ステップS1~S3が繰り返し実行される。
以上説明したように、ステレオカメラシステム1によれば、2つの測距カメラ10の画角範囲に存在する物体をその距離に応じて精度良く測距することが可能となる。
(2)第2の実施形態
<車載ステレオカメラシステムの構成例>
次に、図9は、第2の実施形態である車載ステレオカメラシステム2の構成例を示す図である。なお、車載ステレオカメラシステム2の構成要素のうち、ステレオカメラシステム1(図2)の構成要素と共通するものには同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
車載ステレオカメラシステム2は、自動車40に搭載される。車載ステレオカメラシステム2は、自動車40の全周囲に存在する物体を検知するためのものである。
車載ステレオカメラシステム2は、測距カメラ10a、10b、10c、10d、及び統合部20ab、20bc、20cd、20adを備える。
測距カメラ10a~10dは、自動車40の四隅に配置することができる。すなわち、例えば、測距カメラ10aは自動車40の右前隅に右前方向に向けて配置され、測距カメラ10bは自動車40の右後隅に右後方向に向けて配置され、測距カメラ10cは自動車40の左後隅に左後方向に向けて配置され、測距カメラ10dは自動車40の左前隅に左前方向に向けて配置される。
ただし、測距カメラ10a~10dの配置は上述した例に限るものではなく、例えば、ドアミラー等の車体から突出している部分に配置してもよい。
統合部20ab、20bc、20cd、20adは、それぞれ統合部20(図2)と同様に構成される。
統合部20abは、測距カメラ10a、10bに接続されており、測距カメラ10a、10bそれぞれから単体としての測距結果を取得する。また、統合部20abは、測距カメラ10a、10bを長基線長ステレオカメラSabと見做して物体を測距する。そして、統合部20abは、測距カメラ10a、10bそれぞれの単体としての測距結果、または長基線長ステレオカメラSabによる測距結果を走行制御ECU50に出力する。
統合部20bcは、測距カメラ10b、10cに接続されており、測距カメラ10b、10cそれぞれから単体としての測距結果を取得する。また、統合部20bcは、測距カメラ10b、10cを長基線長ステレオカメラSbcと見做して物体を測距する。そして、統合部20bcは、測距カメラ10b、10cそれぞれの単体としての測距結果、または長基線長ステレオカメラSbcによる測距結果を走行制御ECU50に出力する。
統合部20cdは、測距カメラ10c、10dに接続されており、測距カメラ10c、10dそれぞれから単体としての測距結果を取得する。また、統合部20cdは、測距カメラ10c、10dを長基線長ステレオカメラScdと見做して物体を測距する。そして、統合部20cdは、測距カメラ10c、10dそれぞれの単体としての測距結果、または長基線長ステレオカメラScdによる測距結果を走行制御ECU50に出力する。
統合部20adは、測距カメラ10a、10dに接続されており、測距カメラ10a、10dそれぞれから単体としての測距結果を取得する。また、統合部20adは、測距カメラ10a、10dを長基線長ステレオカメラSadと見做して物体を測距する。
そして、統合部20adは、測距カメラ10a、10dそれぞれの単体としての測距結果、または長基線長ステレオカメラSadによる測距結果を走行制御ECU50に出力する。
したがって、車載ステレオカメラシステム2においては、4台の測距カメラ10によって4台の長基線長ステレオカメラが実現されている。
自動車40が備える走行制御ECU50は、自動車40における各種の機能を制御する。例えば、走行制御ECU50は、各統合部20から入力される測距結果に基づき、全周囲に存在する物体を検出し、自動運転機能、自動ブレーキ機能、自動追従機能等を実現する。
なお、統合部20ab、20bc、20cd、20adについては、それぞれ接続される測距カメラ10と一体的に形成してもよい。また、統合部20ab、20bc、20cd、20adによる動作を、走行制御ECU50に実行させるようにしてもよい。
次に、図10は、車載ステレオカメラシステム2における各測距カメラ10の画角範囲を示している。
なお、車載ステレオカメラシステム2における各測距カメラ10は、ステレオカメラシステム1(図1)における各測距カメラ10よりも画角が広く、例えば、240°程度の画角範囲を有する。
自動車40の右前隅に配置された測距カメラ10aに注目した場合、その画角範囲AOVaには、自動車40の右後隅に配置された測距カメラ10bの画角範囲AOVbと重なり合う重複領域Rabと、自動車40の左前隅に配置された測距カメラ10dの画角範囲AOVdと重なり合う重複領域Radと、画角範囲AOVb及びAOVdが重複しないオクルージョン領域Baとが生じている。
重複領域Rabに存在する物体は、測距カメラ10aの単体によって測距でき、且つ、測距カメラ10a、10bから成る長基線長ステレオカメラSabによって測距できる。重複領域Radに存在する物体は、測距カメラ10aの単体によって測距でき、且つ、測距カメラ10a、10dから成る長基線長ステレオカメラSadによって測距できる。オクルージョン領域Baに存在する物体は、測距カメラ10aの単体によってのみ測距できる。したがって、総合部20abは、図11に示すように、測距カメラ10aの単体による測距結果を採用する範囲Raを定める距離閾値THLを、測距カメラ10aからオクルージョン領域Baの最遠距離よりも大きな値に設定すればよい。
そして、統合部20abが、測定結果が距離閾値THL以上であった物体については長基線長ステレオカメラSabによる測距結果を採用すると判定し、測定結果が距離閾値THL未満であった物体については測距カメラ10aの単体による測距結果を採用すると判定し、判定結果に対応する測距結果を、走行制御ECU50に出力するようにすればよい。
測距カメラ10b~10dに注目した場合については、上述した測距カメラ10aに注目した場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上説明したように、車載ステレオカメラシステム2によれば、自動車40の全周囲に存在する物体を、その距離に応じて精度良く測距することが可能となる。
<測距カメラ10の変形例>
図12は、測距カメラ10として採用し得るステレオカメラ101の構成例を示している。
ステレオカメラ101は、上側双曲面ミラー102、下側双曲面ミラー103、結像光学系104、イメージセンサ105、駆動制御部118、及び画像処理部119を備える。
上側双曲面ミラー102、及び下側双曲面ミラー103は、凸状の双曲面を有するミラーである。上側双曲面ミラー102及び下側双曲面ミラー103は、中心軸を共通とし、それぞれの頂点が対向する向きで所定の間隔を空けて上下に配置されている。
上側双曲面ミラー102は、頂点部分に開口106を有する。
下側双曲面ミラー103は、中心軸を共通とし、曲率が異なる外周側双曲面ミラー107、及び内周側双曲面ミラー108からなる。外周側双曲面ミラー107と内周側双曲面ミラー108との境界には、多少の段差があってもよい。
結像光学系104は、1枚以上のレンズから成り、開口106の中に配置される。結像光学系104は、下側双曲面ミラー103にて反射した光を収束してイメージセンサ105に入射させる。
イメージセンサ105は、例えばCMOSから成り、駆動制御部118からの制御に従い、結像光学系104を介して入射された光に基づき、出力画像117を生成し駆動制御部118に出力する。
駆動制御部118は、イメージセンサ105の駆動を制御する。また、駆動制御部118は、イメージセンサ105が出力する出力画像117を画像処理部119に供給する。画像処理部119は、供給された出力画像117に基づき、被写体109の3次元位置情報120を生成する。
ここで、上側双曲面ミラー102、外周側双曲面ミラー107、及び内周側双曲面ミラー108をなす双曲面ミラーの一般的な性質について説明する。
上側双曲面ミラー102、外周側双曲面ミラー107、及び内周側双曲面ミラー108それぞれの双曲面は、次式(1)によって表される2次曲面において、円錐定数κが-1よりも小さい場合に相当する。
Figure 0007346080000001
ここで、式(1)におけるz(r)は光軸上の頂点を原点とする光軸方向の面のサグ量である。cは光軸上の曲率(軸上曲率)である。rは光軸からの半径座標である。
一般に、双曲面は2つの焦点を有する。2つの焦点の座標は、面頂点を基準として次式(2)によって表される。
Figure 0007346080000002
なお、式(2)における±が+である場合が双曲面の内側にある焦点の座標を表す。式(2)における±が-である場合が双曲面の外側にある焦点の座標を表す。以下、双曲面の内側にある焦点を第1焦点と称し、双曲面の外側にある焦点を第2焦点と称する。
双曲面ミラーは、第1焦点に向かう光線を双曲面にて反射すると、その反射光を第2焦点に集光させる性質を有する。逆に、双曲面ミラーは、第2焦点から出射された光を第1焦点から出射されたかのように反射する性質を有する。
次に、図13は、上側双曲面ミラー102と外周側双曲面ミラー107と内周側双曲面ミラー108との関係を示す断面図である。
上側双曲面ミラー102と外周側双曲面ミラー107と内周側双曲面ミラー108との関係は、上側双曲面ミラー102の第2焦点1022が、内周側双曲面ミラー108の第1焦点1081と略一致するようになされている。また、この一致点は、外周側双曲面ミラー107の第1焦点1071と略一致する必要はないが、近傍に位置するようになされている。
さらに、外周側双曲面ミラー107の第2焦点1072が、内周側双曲面ミラー108の第2焦点1082と略一致するようになされている。この一致点には、結像光学系104が配置されている。この一致点は、上側双曲面ミラー102の第1焦点1021と略一致する必要はないが、近傍に位置するようになされている。
これにより、図12に示された測距カメラ10においては、被写体109からの光110のうち、上側双曲面ミラー102の第1焦点(上側視点)1021に向かう光112は、上側双曲面ミラー102によって反射されて、上側双曲面ミラー102の第2焦点1022に集光される。
上側双曲面ミラー102の第2焦点1022は、内周側双曲面ミラー108の第1焦点1081と略一致する。よって、上側双曲面ミラー102の第2焦点1022に集光される光は、内周側双曲面ミラー108の第1焦点1081に向かう光と見做せるので、この光は、内周側双曲面ミラー108によって再び反射されて、内周側双曲面ミラー108の第2焦点1082に集光される。
一方、被写体109からの光110のうち、外周側双曲面ミラー107の第1焦点(下側視点)1071に向かう光114は、外周側双曲面ミラー107によって反射され、外周側双曲面ミラー107の第2焦点1072に向けて集光反射される。
外周側双曲面ミラー107の第2焦点1072と内周側双曲面ミラー108の第2焦点1082は略一致し、この一致点には結像光学系104が配置されている。
したがって、上側双曲面ミラー102によって反射され、さらに内周側双曲面ミラー108によって反射された反射光と、外周側双曲面ミラー107によって反射された反射光とは、結像光学系104によって同時にイメージセンサ105に入射される。
これにより、イメージセンサ105は、内周側に上側視点(第1焦点)1021から見た被写体109の像115が写され、それと同時に外周側に下側視点(第1焦点)1071から見た被写体109の像116が写された出力画像117を生成することができる。
このようにして得られた出力画像117は、図12に示されるように、駆動制御部118を介して画像処理部119に供給される。画像処理部119は、出力画像117を、像115が写されている内周領域と、像116が写されている外周領域とに分離し、それぞれに射影変換処理を行い、その結果得られる2枚の画像においてステレオマッチング処理を行い、被写体109の3次元位置情報120を生成する。
生成された3次元位置情報120は、統合部20(図1)に供給される。
なお、上述したステレオカメラ101における一部の構成要素、例えば、駆動制御部118や画像処理部119については、ステレオカメラ101から独立させて、例えば、自動車40の走行制御ECU50(図9)に実行させてもよい。
<上側双曲面ミラー102と外周側双曲面ミラー107と内周側双曲面ミラー108とのその他との関係>
ステレオカメラ101においては、内周側双曲面ミラー108の円錐定数κの絶対値が、外周側双曲面ミラー107の円錐定数κの絶対値よりも大きくなる値に設定されている。これにより、出力画像117においては、上側視点1021から見た被写体109の像115と、下側視点1071から見た被写体109の像116との大きさが揃えられている。
出力画像117における内周側の像115と外周側の像116とのサイズを揃えることにより、像115と像116の解像度を合わせることができ、ステレオマッチング処理の精度を上げることができる。
また、ステレオカメラ101においては、上側双曲面ミラー102には、下側双曲面ミラー103よりも口径が大きい双曲面ミラーが採用されている。上側双曲面ミラー102の口径を下側双曲面ミラー103よりも大きくすることで、下側視点1071の上向き画角の光線を上側視点1021で受光でき、ステレオ視を行うことができる上下の画角範囲を最大限まで広く確保することが可能となる。
なお、仮に、上側双曲面ミラー102と下側双曲面ミラー103との口径が略等しい場合、下側双曲面ミラー103は外周側双曲面ミラー107と内周側双曲面ミラー108とに分離されているため、下側視点1071の視野範囲は必然的に狭くなってしまうことになる。
ところで、ステレオカメラ101は、口径が大きく結像光学系104含む上側双曲面ミラー102が上側に、口径が小さい方の下側双曲面ミラー103が下側に配置されている。この上下の位置関係は反対にしても実用上支障はない。
しかしながら、ステレオカメラ101を自動車40の四隅に配置する場合、ステレオ視できる画角範囲があまり広くないという課題がある。特に、完全自動運転のための周囲センシング用途にステレオカメラ101を用いるためには自動車近傍を撮影することが必須であり、下向きの画角範囲を確保することが必要である。
ステレオカメラ101においては、上側視点1021に入射する下向き画角の光線が、下側視点1071に入射する画角範囲よりも広い範囲をカバーできるようにしている。これにより上側視点1021による単眼視にはなるが、自動車の近傍を撮影することが可能とすることができる。自動車の近傍の画像は、主に路面にひかれたセンタライン等の白線を検知するために必要となるが、白線は路面にひかれていることが既知であるため、単眼視でも距離を計測することが可能である。そのため、結像光学系104が配置されている大きい方の上側双曲面ミラー102を上側に配置することが有効となる。
次に、図14は、上側双曲面ミラー102、外周側双曲面ミラー107、及び内周側双曲面ミラー108に関する曲率半径r、円錐定数κ、頂点位置、及び口径の一例を示している。
同図の例では、上側双曲面ミラー102の曲率半径rは15mm、円錐定数κは-3.1、頂点位置は0mm、口径は34mm、外周側双曲面ミラー107の曲率半径rは-17mm、円錐定数κは-2.94、頂点位置は-18.5056mm、口径は25mm、内周側双曲面ミラー108の曲率半径rは-22mm、円錐定数κは-130、頂点位置は-18.5086mm、口径は9mmとされている。
ただし、図14は、一例に過ぎず、ステレオカメラ101には、任意の上側双曲面ミラー102、外周側双曲面ミラー107、及び内周側双曲面ミラー108を採用することができる。
(3)第3の実施形態
<ステレオカメラシステムの構成例>
図15は、第3の実施形態に関わるステレオカメラシステムの画像処理の概念を説明するための図である。ここでは例として図9の10dと10aが前記ステレオカメラ101となっており、車両の前方の左側と右側に、基線長が路面に対して垂直な方向のステレオカメラが配置されていることを前提として考える。
このため、取得する画像としては左視点かつ上視点の1501a、左視点かつ下視点の1501b、右視点かつ上視点の1501c、右視点かつ下視点の1501dの4つの画像を取得することができる。なお、図15では射影変換後の図として示している。取得した画像には近傍の車両1502と遠方の車両1503がそれぞれ写っているものとする。
ステレオカメラ101単体の測距としては路面に垂直な方向の視差を求めるために1501bの所定の範囲の領域1504を垂直方向にステレオマッチングの処理を行う。具体的には1501bの所定の範囲の領域1504を1501aと比較し相関を算出する処理を、対象とする1501aの位置を走査方向1505にずらしながら行い、最も相関が高い位置をブロックマッチングしたものと判定し、視差を求める。同様の処理を1501bの全体に対して行うことで、視差画像が得られ、基線長と対物レンズの焦点距離との関係から距離画像を求める。
長基線長ステレオカメラの測距としては路面に水平な方向の視差を求めるために1501cの所定の範囲の領域1506を水平方向にステレオマッチングの処理を行う。この際、ステレオカメラ101単体の測距結果があるため、遠方における測距精度は長基線長ステレオカメラに劣るものの、長基線長ステレオカメラのおおよそのブロックマッチングする位置を推定可能である。
したがって、推定したブロックマッチング位置の前後を水平方向に1507の走査を行うことでステレオマッチングさせることが可能となる。ステレオカメラ101の測距結果が無い場合には、想定する最大の走査範囲で走査する必要があるが、それと比較して、ステレオカメラ101の測距結果がある場合には、走査範囲を短くすることができる。
このため、視差画像を得るための計算負荷を低減、もしくは、処理時間を短縮することが可能である。長基線長ステレオカメラでは視差が大きくなり、走査範囲が長くなるため、走査範囲を限定することの効果が大きい。視差画像が得られれば、長基線長ステレオカメラの基線長と対物レンズの焦点距離との関係から距離画像を求める。
上記では測距カメラ10dと10aが路面に対して垂直な方向の基線長を前提に説明したが、測距カメラ10dと10aが路面に対して水平な方向の基線長であってもステレオマッチングの走査の方向が水平に変わるだけであり、長基線長ステレオカメラに対しては同様にして計算負荷を低減、もしくは処理時間を短縮することができる。
また、測距カメラ10dと10aの測距結果を長基線長ステレオカメラに利用するものとして説明したが、逆に長基線長ステレオカメラの測距結果を測距カメラに用いることも可能である。
図16は、ステレオカメラシステム1の詳細な構成例を示すブロック図であり、第1の実施形態における図2と同様の構成要素に対しては同じ参照番号が付与されている。ここでは便宜上、測距カメラ10dの代わりに測距カメラ10bで説明するが、処理内容は変わらない。
測距カメラ10aと測距カメラ10bの距離算出処理は図2と同様であるが、統合部20における長基線長ステレオカメラの距離算出部22において、測距カメラ10aもしくは測距カメラ10bの距離算出部の結果を利用している点が異なる。
距離算出部22ではステレオマッチング処理を行うが、前述の通り、測距カメラ10aもしくは測距カメラ10bの距離算出の結果を用いることで、ステレオマッチングのための走査範囲を短くすることができる。
図16では測距カメラ10aと測距カメラ10bの両者の距離算出部の結果を距離算出部22に入力しているが、いずれか一方の結果のみを用いても良いし、両者の結果を用いて判断しても構わない。
<カメラシステムの動作>
図17は、ステレオカメラシステム1による動作の一例を説明するフローチャートである。第1の実施例における図8のフローチャートのステップS1とステップS2の間にステップS1701を追加したフローとなっている。ステップS1701ではステップS1で算出した測距結果から隣り合う2台の測距カメラから成る長基線長ステレオカメラのステレオマッチングの走査範囲を算出する。
このため、ステップS2では第1の実施例と比較してステレオマッチングの走査範囲を短くすることができ、計算負荷を低減、もしくは、処理時間を短縮することができる。
(4)第4の実施形態
<ステレオカメラシステムの構成例>
図18は、第4の実施形態に関わるステレオカメラシステムの画像処理の概念を説明するための図である。ここでは、一例として、図9の10dと10aがステレオカメラ101となっており、車両の前方の左側と右側に、基線長が路面に対して垂直な方向のステレオカメラが配置されていることを前提として考える。
このため、取得する画像としては左視点かつ上視点の1501a、左視点かつ下視点の1501b、右視点かつ上視点の1501c、右視点かつ下視点の1501dの4つの画像を取得することができる。
なお、図15では射影変換後の図として示している。取得した画像には近傍の車両1502と遠方の車両1503がそれぞれ写っているものとする。図中の一点鎖線は各視点の画像において正面の位置を示すものとする。
市街地等の交差点があるような箇所や左右から歩行者や自転車の飛び出しが想定されるような箇所で車両が低速に走行している場合には、左右の物体検知や物体認識を行う必要があるため、取得した画像の全範囲でステレオマッチング処理を行う。高速道路のような専用道で車両が高速に走行している場合には、前方の物体検知や物体認識が重要となるため、正面を中心としてステレオマッチングを行う範囲を水平方向に縮小することができる。例えば、取得した各視点の画像1501a、1501b、1501c、1501dに対して、処理範囲1801a、1801b、1801c、1801dを用いてステレオマッチング処理をすれば良い。
これにより、高速走行時には計算負荷を低減、もしくは処理時間を短縮することができる。水平画角が大きい場合にはステレオマッチング処理を行うべき範囲が広いため、処理範囲を限定することの効果が大きい。
なお、ここでは正面を中心として水平方向に縮小する例を示したが、必ずしも正面が中心でなくとも構わないし、水平方向だけでなく上下方向に縮小しても構わない。
また、車両の前方の例として示したが、車両の側方や後方に対して同様の処理をすることも可能である。
また、射影変換後の画像を例として説明したが、射影変換前にイメージセンサの縮小後の範囲に対応する部分を計算し、射影変換前に対象の範囲を縮小しても構わない。
図19は、ステレオカメラシステム1の詳細な構成例を示すブロック図であり、第1の実施形態における図2と同様の構成要素に対しては同じ参照番号が付与されている。ここでは便宜上、測距カメラ10dの代わりに測距カメラ10bで説明するが、処理内容は変わらない。
第1の実施形態の図2と比較して、画像抽出部1901a、1901b、1902a、1902b、および車両速度検出部1903を追加した構成となっている。第1撮像部11aは、取得した第1画像を画像抽出部1901aに出力する。画像抽出部1901aは、車両速度検出部1903から車両の速度の情報を受け取り、車両の速度に応じた画像抽出範囲を決定する。画像抽出部1901aは、抽出した第1画像を歪み補正部12aに出力する。画像抽出部1901b、1902a、1902bについては、1901aと同様の処理であり、その他の処理は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
なお、図19では撮像部と歪み補正部の間に画像抽出部を追加した構成としたが、歪み補正部と距離算出部の間に画像抽出部がある構成でも構わないし、さらに後段に画像抽出部がある構成でも構わない。また、これらの処理は走行制御ECUの中で行われる処理であっても構わない。
<カメラシステムの動作>
図20は、ステレオカメラシステム1による動作の一例を説明するフローチャートである。第1の実施例における図8のフローチャートのステップS1の前にステップS2001を追加したフローとなっている。ステップS2001では車両速度に応じて画像抽出範囲を変化させる。
このため、ステップS1とステップS2では第1の実施例と比較してステレオマッチング処理を行う範囲を高速走行時に縮小することができ、計算負荷を低減、もしくは処理時間を短縮することができる。
(5)第5の実施形態
<ステレオカメラシステムの構成例>
図21は、第5の実施形態に関わるステレオカメラシステムの画像処理の概念を説明するための図である。ここでは例として図9の右側前方の測距カメラ10aで取得した画像を2101として示す。なお、図21では射影変換後の図として示している。取得した画像はおおよそ270度の水平画角を持っているものとし、図中の一点鎖線は左より順に左側、正面、右側、後方の位置を示すものとする。
例えば、十字路の交差点においては左側と右側の車両を物体検知もしくは物体認識する必要があるため、道路のある範囲が含まれるように、左側2102a、正面2102b、右側2102c、および後方2102dの範囲で画像抽出する。一方、高速道路のような専用道では左右方向は常に物体検知もしくは物体認識する必要がないため、2102aや2102cは画像抽出しないようにすれば良い。
これにより、道路状況に応じて計算負荷を低減、もしくは処理時間を短縮することができる。道路状況の把握のためには地図情報(例えば、車載ナビゲーションシステムと連携し、そこで使用される地図情報を取得し、道路状況を判断することができる)を用いても構わないし、路車間通信や車間通信などにより取得しても構わない。
なお、ここでは十字路の交差点と高速道路の例を示したが、道路の状況に応じて、任意の画像抽出範囲を設定することができる。また、通常時は測距カメラのみステレオマッチング処理を行い、測距カメラから所定の範囲の遠方測距が必要になった場合に、長基線長ステレオカメラの処理を所定の範囲でステレオマッチング処理をすることも可能である。
また、射影変換後の画像を例として説明したが、射影変換前にイメージセンサの縮小後の範囲に対応する部分を計算し、射影変換前に対象の範囲を縮小しても構わない。
<カメラシステムの詳細構成例>
図22は、ステレオカメラシステム1の詳細な構成例を示すブロック図であり、第1の実施形態における図2と同様の構成要素に対しては同じ参照番号が付与されている。
当該ステレオカメラシステム1は、第4の実施形態の図19と比較して、車両速度検出部1903の代わりに画像抽出範囲選択部2201aと2201bを追加した構成となっている。第1撮像部11aは、取得した第1画像を画像抽出部1901aに出力する。画像抽出部1901aは、画像抽出範囲選択部2201aから道路状況に応じた画像抽出範囲の情報を受け取り、画像抽出範囲を決定する。画像抽出部1901aは、抽出した第1画像を歪み補正部12aに出力する。画像抽出範囲選択部2201bは画像抽出範囲選択部2201aと同様の処理を実行し、画像抽出部1901b、1902a、および1902bは、画像抽出部1901aと同様の処理を実行する。その他の処理は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
なお、図22では撮像部と歪み補正部の間に画像抽出部を追加した構成としたが、歪み補正部と距離算出部の間に画像抽出部がある構成でも構わないし、さらに後段に画像抽出部がある構成でも構わない。また、これらの処理は走行制御ECUの中で行われる処理であっても構わない。
<ステレオカメラシステムの動作>
図23は、ステレオカメラシステム1による動作の一例を説明するためのフローチャートである。当該動作は、第1の実施形態における図8のフローチャートのステップS1の前にステップS2301を追加した処理となっている。ステップS2301では道路状況に応じて画像抽出範囲を変化させる。
このため、ステップS1とステップS2では第1の実施例と比較してステレオマッチング処理を行う範囲を縮小することができ、計算負荷を低減、もしくは処理時間を短縮することができる。
(6)第6の実施形態
<車載ステレオカメラシステムの構成例>
図24は、第6の実施形態である車載ステレオカメラシステム2の路面に対して水平方向の画角範囲を示す図である。本実施形態の車載ステレオカメラシステム2の構成は第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態と第2の実施形態との違いは、測距カメラ10の水平画角にある。測距カメラ10a、10b、10c、10dはそれぞれ車両の4隅に配置される。死角が無いようにするためには、車両が上方から見て長方形であることを前提とすると、各測距カメラはおおよそ270度の水平画角を有する。
なお、車両の上方から見た形状は必ずしも矩形ではないため、形状に応じて死角が無くなるように水平画角を最適化しても構わない(例えば、統合部20ab、20bc、20ad、および20cdで最適化することができる)。
測距カメラ10aと10b、10bと10c、10cと10d、10dと10aによりそれぞれ長基線長ステレオカメラを構成することができ、長基線長ステレオカメラの水平画角は180度となる。
図25は車載ステレオカメラシステム2の路面に対して垂直方向の画角範囲を示す図である。ここでは一例として、測距カメラがステレオカメラ101の場合として図示している。左右の車輪の近傍の路面状況を把握するためには左右のステレオカメラで相互に車輪の直下が見えるような下側の垂直画角とすれば良い。
なお、必ずしも両眼で下側の垂直画角を上記の通り設計する必要は無く、ステレオ視が必要なければ、片側の視点のみで下側の垂直画角を上記の通り設計しても良い。
測距カメラに以上のような画角を持たせることにより、死角がなくなるため、車両近傍の、例えば、白線、車両止め、車両近傍の道路形状などの検知や認識が可能となる。
(7)第7の実施形態
<車載ステレオカメラシステムの構成例>
図26は、第7の実施形態である車載ステレオカメラシステム2の路面に対して水平方向の画角範囲を示す図である。本実施形態の車載ステレオカメラシステム2の構成は第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。本実施形態と第2の実施形態との違いは測距カメラ10の水平画角にある。測距カメラ10a、10b、10c、10dはそれぞれ車両の4辺に配置される。死角が無いようにするためには、車両が上方から見て長方形であることを前提とすると、各測距カメラはおおよそ180度の水平画角を有する。
なお、車両の上方から見た形状は必ずしも矩形ではないため、形状に応じて死角が無くなるように水平画角を最適化しても構わない(例えば、統合部20ab、20bc、20ad、および20cdで最適化することができる)。
測距カメラ10aと10b、10bと10c、10cと10d、10dと10aによりそれぞれ長基線長ステレオカメラを構成することができ、長基線長ステレオカメラの水平画角は90度となる。
図27は車載ステレオカメラシステム2の路面に対して垂直方向の画角範囲を示している。ここでは一例として、測距カメラがステレオカメラ101の場合として図示している。左右の車輪の近傍の路面状況を把握するためにはステレオカメラで車輪の直下が見えるような下側の垂直画角とすれば良い。
なお、必ずしも両眼で下側の垂直画角を上記の通り設計する必要は無く、ステレオ視が必要なければ、片側の視点のみで下側の垂直画角を上記の通り設計しても良い。
測距カメラに以上のような画角を持たせることにより、死角がなくなるため、車両近傍の、例えば、白線、車両止め、車両近傍の道路形状などの検知や認識が可能となる。
また、第6の実施例では測距カメラを車両の角に配置する例を、第7の実施例では車両の辺に配置する例を示したが、4つの測距カメラの配置は任意に変更可能であり、それぞれの配置位置に合わせた水平画角とすれば良い。
(8)第8の実施形態
<車載ステレオカメラシステムの構成例>
図28は、第8の実施形態である車載ステレオカメラシステム2の構成例を示す図である。なお、車載ステレオカメラシステム2の構成要素のうち、ステレオカメラシステム1(図2)の構成要素と共通するものには同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
本実施形態の車載ステレオカメラシステム2は、第2の実施形態による車載ステレオカメラシステムに前方用測距カメラ2801を追加した構成となっている。測距カメラ2801は、ステレオカメラの他、例えば、TOFカメラや、オプティカルフローと呼ばれる画像解析の手法を用いた単眼カメラ等によって実現できる。
前方用測距カメラ2801により取得した画像や距離画像は、統合部20adに出力される。また、統合部20adの測距結果は、前方用測距カメラ2801に出力される。
図29は、車載ステレオカメラシステム2の詳細な内部構成例を示すブロック図であり、第1の実施例における図2と同様の構成部品を同じ番号で示す。前方用測距カメラ2801の一例としてステレオカメラを採用した例を示す。測距カメラ10aと測距カメラ10bの距離算出は図2と同様である。
なお、図29の構成例において、測距カメラ2801は、第1撮像部2911及び第2撮像部2913を有するステレオカメラである。
測距カメラ2801は、第1撮像部2911、歪補正部2912、第2撮像部2913、歪補正部2914、距離算出部2915、及び画像認識部2916を有する。
前方用測距カメラ2801における距離算出の処理は第1の実施形態における測距カメラ10と同様のため、説明を省略する。なお、前方用測距カメラ2801においては、歪補正部2912は、画像歪を補正した第1画像を画像認識部2916に出力する。画像認識部2916は、画像歪を補正した第1画像、および距離算出部2915で算出された距離の情報を用いて、車両や歩行者などの認識を行う。この際、距離算出部2915、もしくは、長基線長ステレオカメラの距離判定部23の情報を用いて、画像認識を行う範囲を特定することもできる。
前方用測距カメラ2801は水平画角が前方に制限されるため、測距カメラ10に比べて、高い角度分解能を有することができる。すなわち、同一の対象物を測距カメラ10よりも多い画素数で取得することができる。したがって、距離算出は長基線長ステレオカメラの距離判定部23により行い、画像認識は前方用測距カメラの画像認識部2916で行うことにより、前方用ステレオカメラ単体では距離精度が低い遠方の物体に対して、物体認識と高精度な距離測定が可能となる。
<車載ステレオカメラシステムの動作>
図30は、車載ステレオカメラシステム2による動作の一例を説明するためのフローチャートである。当該動作は、第1の実施形態における図8のフローチャートのステップS3の後に、ステップS3001、及び、ステップS3002を追加した処理となっている。ステップS3001ではステップS3で算出した測距結果から前方用測距カメラで画像認識を行うべき範囲を特定する。ステップS3002では測距カメラ10より角度分解能が高い前方用測距カメラ2701で画像認識を行う。このため、測距カメラ10により画像認識をする場合と比較して画像認識の精度を高めることが可能である。
なお、画像認識の結果、操舵やブレーキなどの車両制御が必要になった場合は走行制御ECU50を介して、車両制御を行う。
(9)第9の実施形態
<車載ステレオカメラシステムの動作例>
図31は、第9の実施形態である車載ステレオカメラシステム2による動作の一例を説明するためのフローチャートである。システム構成とブロック図は第8の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
当該車載ステレオカメラシステム2においては、第1の実施形態における図8のフローチャートのステップS1~S3と並列して、ステップS3101で前方用測距カメラにより測距処理が実行される。
ステップS3102では、ステップS3101の前方用測距カメラの測距結果をステップ3の測距結果と比較する。この際、遠方の測距結果については、長基線長ステレオカメラの方が前方用測距カメラよりも基線長が長いため高精度となる。
このため、前方用測距カメラの測距結果がステップ3の測距結果とずれている場合には、前方用測距カメラの歪み補正のパラメータをステップ3の測距結果に近づくように補正することで、前方用測距カメラの校正が可能となる。具体的には、前方用測距カメラの消失点誤差を長基線長ステレオカメラの測距結果を基準に補正すれば良い。
図32は、長基線長ステレオカメラと、前方用測距カメラ10による、物体までの距離に対する測距精度を表している。なお、各図の横軸は測距の対象となる物体までの実際の距離を示し、縦軸は測距精度を示している。前方用測距カメラよりも長基線長ステレオカメラの方が距離精度が高い(誤差が小さい)場合、前方用測距カメラでは要求される測距精度となる距離THLまでは前方用測距カメラの測距結果を採用し、それよりも遠方の距離においては長基線長ステレオカメラの測距結果を採用すれば良い。
この際、例えば通常時は前方用測距カメラのみを動作させておき、要求される測距精度を満足できない遠方の距離で距離測定が必要と判断された場合にのみ、長基線ステレオカメラを動作させて、距離測定を行うことも可能である。
なお、前方用測距カメラ2801、測距カメラ10a、10b、10c、10d、長基線長ステレオカメラSab、Sbc、Scd、Sadは常に動作させる必要はなく、道路状況や走行状況に応じて処理を行えば良い。
(10)まとめ
本開示による実施形態の機能は、ソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本開示を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータ上のメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータのCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現されるようにしてもよい。
さらに、実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することにより、それをシステム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、使用時にそのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしても良い。
上述のように、本願明細書では様々な実施形態について説明したが、本開示の技術は、上記した実施形態に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本開示の技術を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本開示は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 ステレオカメラシステム
2 車載ステレオカメラシステム
10 測距カメラ
11 第1撮像部
12 歪補正部
13 第2撮像部
14 歪補正部
15 距離算出部
20 統合部
21 画像取得部
22 距離算出部
23 距離判定部
31 集光部
32 高解像度イメージセンサ
33 集光部
34 低解像度イメージセンサ
40 自動車
50 走行制御ECU
101 ステレオカメラ
102 上側双曲面ミラー
103 下側双曲面ミラー
104 結像光学系
105 イメージセンサ
106 開口
107 外周側双曲面ミラー
108 内周側双曲面ミラー
109 被写体
115 像
116 像
117 出力画像
118 駆動制御部
119 画像処理部
120 3次元位置情報

Claims (14)

  1. 自己の画角範囲に存在する物体を撮像するとともに、前記物体を測距する複数の測距カメラと、
    前記測距カメラの対を長基線長ステレオカメラとし、前記測距カメラの対のそれぞれによって撮像された画像に基づいて前記物体を測距する統合部と、
    を備え、
    前記長基線長ステレオカメラは、前記複数の測距カメラそれぞれの測距範囲よりも遠方の測距が可能な基線長を有し、
    前記測距カメラもしくは前記統合部の画像処理範囲が変更可能なように構成され、
    前記測距カメラと前記統合部は、距離算出部を有し、
    前記統合部は、前記測距カメラの距離算出の結果を用いて距離算出のステレオマッチング処理の走査範囲を決定する、ステレオカメラシステム。
  2. 請求項1に記載のステレオカメラシステムであって、
    さらに車両速度検出部を有し、
    前記測距カメラは、画像抽出部を有し、
    前記測距カメラは、車両の速度に応じて前記距離算出のための対象画像範囲を変更する、ステレオカメラシステム。
  3. 請求項2に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記測距カメラは、車両の速度が高速な場合に低速な場合に比べて距離算出のための対象画像範囲を縮小する、ステレオカメラシステム。
  4. 請求項1に記載のステレオカメラシステムであって、
    さらに画像抽出範囲選択部を有し、
    前記測距カメラは、画像抽出部を有し、
    前記測距カメラは、道路状況に応じて距離算出のための対象画像範囲を変更可能なように構成された、ステレオカメラシステム。
  5. 請求項1に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記測距カメラを構成するステレオカメラは、
    中心軸を共通とし、頂点を対向して上下に配置された第1及び第2の凸双曲面ミラーと、
    前記第1の凸双曲面ミラーの頂点部分に設けた開口に配置された結像光学系と、
    被写体の光が前記第1の凸双曲面ミラーで反射された後、さらに、前記第2の凸双曲面ミラーで反射されてから前記結像光学系を介して入射する光、及び前記被写体の光が前記第2の凸双曲面ミラーで反射されてから前記結像光学系を介して入射する光に基づいて、異なる2視点から前記被写体を撮像した場合にそれぞれ対応する2つの像が同時に写し出されている出力画像を生成するイメージセンサと、を備える、
    ステレオカメラシステム。
  6. 請求項1に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記統合部は、前記測距カメラの画角を車両の搭載箇所に応じて最適化するように構成された、ステレオカメラシステム。
  7. 請求項6に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記測距カメラは車両の4隅に配置され、それぞれの水平画角は略270°である、ステレオカメラシステム。
  8. 請求項6に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記測距カメラは車両の4辺に配置され、それぞれの水平画角は略180°である、ステレオカメラシステム。
  9. 請求項6に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記測距カメラの垂直画角の下側は車輪の直下を立体視可能である、ステレオカメラシステム。
  10. 請求項1に記載のステレオカメラシステムであって、
    さらに、水平画角が前方に制限される前方用測距カメラを備え、
    前記前方用測距カメラの角度分解能は前記測距カメラの角度分解能よりも高い、ステレオカメラシステム。
  11. 請求項10に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記前方用測距カメラは、画像認識部を有し、
    前記前方用測距カメラは、前記画像認識部を用いて、遠方の物体に対しては、前記統合部で測距した結果に基づいて画像認識する、ステレオカメラシステム。
  12. 請求項10に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記統合部は、前記測距カメラの単体による測距結果、または前記統合部による測距結果のいずれを採用するかを判定する距離判定部を有し、
    前記前方用測距カメラは、撮像した画像の歪みの補正を行う歪み補正部を有し、
    前記歪み補正部は、前記距離判定部による測距結果を用いて校正可能なように構成された、ステレオカメラシステム。
  13. 請求項10に記載のステレオカメラシステムであって、
    前記車両制御部は、前記前方用測距カメラにおいて必要な測距精度が担保できる距離範囲では前記前方用測距カメラによる測距結果を用いて車両制御を行い、それ以外では前記統合部による測距結果を用いて車両制御を行う、ステレオカメラシステム。
  14. ステレオカメラシステムにおける測距方法であって、
    前記ステレオカメラシステムは、画像処理範囲が変更可能なように構成された、少なくとも一対の測距カメラ、もしくは当該少なくとも一対の測距カメラで構成される長基線長ステレオカメラと、前記測距カメラの対のそれぞれによって撮像された画像に基づいて自己の画角範囲に存在する物体を測距する統合部と、を含み、前記長基線長ステレオカメラは、前記複数の測距カメラそれぞれの測距範囲よりも遠方の測距が可能な基線長を有し、
    前記少なくとも一対の測距カメラを用いて、自己の画角範囲に存在する物体を撮像することと、
    前記長基線長ステレオカメラを用いて、前記少なくとも一対の測距カメラのそれぞれによって撮像された画像に基づいて前記物体を測距することと、
    前記統合部によって、前記測距カメラの距離算出の結果に基づいて距離算出のステレオマッチング処理の走査範囲を決定することと、
    を含む測距方法。
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