JP7344062B2 - 小型二次電池の搬送トレイ及びその搬送方法 - Google Patents
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Description
この電池の製造においては、従来の充放電用電池と同様、製造した電池の充放電検査を行い、電池が所定の性能や特性を満たしているか否かを検査してから出荷している。この充放電検査は、複数の二次電池をトレイに配置した状態で、充放電検査装置の充放電プローブを各二次電池に接触(コンタクト)させることで行われている(例えば、特許文献1参照)。
台座トレイと、
前記台座トレイの凹部内を移動可能に配置され、前記二次電池を多数収容できる載置トレイと、
前記二次電池と前記第1、第2の充放電プローブとの位置決めを行う位置決め手段とを有する。
ここで、前記載置トレイには更に、前記第1、第2の充放電プローブの先側をそれぞれ挿入可能な第1、第2の通電穴が多数形成され、
前記固定穴の底面には、前記二次電池の正極及び負極がそれぞれ当接可能な正極当接部及び負極当接部が設けられ、
前記第1、第2の通電穴の底面には、前記第1、第2の充放電プローブがそれぞれ当接可能な正極端子部及び負極端子部がそれぞれ設けられ、
前記正極当接部と前記正極端子部とが第1の導通部で、前記負極当接部と前記負極端子部とが第2の導通部で、それぞれ接続されていることが好ましい。
更に、前記固定穴の形状は、前記二次電池の輪郭よりも大きく形成され、前記二次電池を前記充放電検査装置に設けられた押圧部で前記固定穴の底面に抑え付けた際に、前記二次電池の正極及び負極が前記正極当接部及び前記負極当接部の表面を擦りながら移動可能であることが好ましい。
なお、前記押圧部が通電性を備えた材質で構成され、該押圧部が前記二次電池の絶縁性を備えた部分に接触したことを確認できることが好ましい。
従って、簡単な構成で多数の小型の二次電池を同時に充放電検査することができる。
まず、図1、図2を参照しながら、本発明の一実施の形態に係る小型二次電池の搬送トレイ(以下、単に搬送トレイとも記載)10に多数収容された二次電池11を同時に充放電検査する充放電検査装置12について説明する。なお、図1では、充放電検査装置12へ搬送トレイ10を搬入する方向、及び、充放電検査装置12から搬送トレイ10を搬出する方向を前後方向とし、これと直交する方向を左右方向(幅方向)とする。また、図2では、説明の便宜上、二次電池11と、後述する第1、第2の充放電プローブ22、23、カードエッジコネクタ32、充放電電源33、及び、固定穴54の全部を図示することなく、その一部のみを図示している。
1つの搬送トレイ10に収容される二次電池11の個数は、特に限定されるものではないが、例えば、100個以上、好ましくは500個以上、更に好ましくは1000個以上である。一方、上限値は、例えば、10000個程度にできる。
この充放電検査装置12は、図1に示すように、平面視して長方形状(又は正方形状)のベース台14と、このベース台14に立設された複数の支柱15と、搬送トレイ10を載置する昇降台16と、この昇降台16を昇降させる複数の昇降手段17と、支柱15の上端部に設けられた支持プレート18とを有している。
以下、詳しく説明する。
昇降台16は、ベース台14の左側と右側にそれぞれ配置された対となる昇降板部19、20で構成され、この昇降板部19、20が、搬送トレイ12をその両側から支持して、昇降台16上に搬送トレイ12を載置するものである。なお、図1中の符号21は、昇降台16を所定の高さ位置に支持する支持台である。
昇降手段17は、例えば、上下方向に進退駆動するエアシリンダー(油圧シリンダーでもよい)であり、平面視してベース台14の左右方向両側の前後方向中央位置(2つの支柱15の間)に対となって配置されている。この昇降手段17のシリンダチューブ17a(基部:上部)は支持プレート18が下面に固定された電源基板31に取付け固定され、ピストンロッド17b(先部:下部)は昇降板部19、20に取付け固定され、対となる昇降板部19、20を支持プレート18(電源基板31)に対して同時に昇降させることができる(同期駆動させることができる)。
なお、昇降手段17をベース台14上に立設配置し(シリンダチューブ17aをベース台14に取付け固定し)、ピストンロッド17bを昇降板部19、20に取付け固定することもでき、また、昇降台が1つであれば昇降手段は1個でもよい。
第1の充放電プローブ22は、その下端部(一端部)が二次電池11の正極に当接可能なものであり、第2の充放電プローブ23は、その下端部(一端部)が二次電池11の負極に当接可能なものである。このため、1個の支持プレート18に設けられる第1、第2の充放電プローブ22、23の本数は、第1、第2の充放電プローブ22、23を一組として、1個の搬送トレイ10に収容される二次電池11の最大個数と同じにしている。
なお、空間部26内では、第1、第2の充放電プローブ22、23の拡径部27がその軸心方向に隙間29、30を有した状態で配置される。
なお、ばね材は、第1、第2の充放電プローブ22、23の拡径部27の軸心方向片側(上側の隙間29又は下側の隙間30)のみに配置することもできる。
この電源基板31の上面には、複数のカードエッジコネクタ32が設けられ、充放電電源33が取付け取外し可能になっているので、メンテナンス性を良好にできる。また、電源基板31の下面には、基板端子34が設けられ、第1、第2の充放電プローブ22、23の上端部(他端部)が当接可能になっている。これにより、第1、第2の充放電プローブ22、23の上端部が充放電電源33に接続されることになる。
このカードエッジコネクタ32と基板端子34は、1個の充放電電源33に複数の二次電池11が並列接続されるように、電源基板31に形成した配線で接続されている。
これにより、支持プレート18と電源基板31を一体化できると共に、電源基板31の基板端子34と第1、第2の充放電プローブ22、23との接触を確実に実施できる。
なお、第1、第2の充放電プローブ22、23は、電源基板31の基板端子34とは隙間を有した状態で配置され、当接可能となっているが、当接させた状態(接触状態)でもよい。
これにより、充放電制御部37は、センサ38の情報(昇降台16の高さ位置)をPLC40を介して読み取ることができ、また、センサ38の情報を基に、充放電制御部37の指令によってPLC40の信号で電磁弁39(昇降手段17)を操作して、昇降台16を昇降させることができる。
この送風ファンは、例えば、充放電検査装置12の奥側(後ろ側)に配置して、支持プレート18と搬送トレイ10の間を奥側から手前側(前側)へかけて送風することができ、また、充放電検査装置12の左右方向の両側又は片側に配置して、左側から右側又は右側から左側へかけて送風することもできる。なお、送風ファンの設置台数は、特に限定されるものではなく、1台又は2台以上の複数台でもよい。
以下、詳しく説明する。
台座トレイ50は平面視して正方形状又は長方形状となって、その下側には、下方へ向けて開口した断面凹状の挿入部52が形成され、例えば、スタッカクレーン(搬送手段)のフォーク(爪部)を挿入部52に差し込むことで、搬送トレイ10を搬送可能な構成となっている。なお、挿入部の形成位置や数は、例えば、搬送トレイの大きさや使用するスタッカクレーンの種類等に応じて種々変更できる。
凹部53の底面と載置トレイ51の裏面とは互いに接触し、載置トレイ51が、凹部53の底面に沿って凹部53内を移動可能(摺動可能)になっている。なお、載置トレイ51の移動をスムーズに行うため、凹部53の底部及び/又は載置トレイ51の裏面部を、潤滑性のある材料で構成してもよく、また、凹部53の底面と載置トレイ51の裏面との間に潤滑材を配置してもよい。
この凹部53の内幅は、載置トレイ51の移動範囲に応じて設定できるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、載置トレイ51の外幅よりも20mm以下、好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下の範囲で広くする(あそびを設ける)のがよい。
なお、1つの載置トレイ51に形成する固定穴54の数は、収容する二次電池11の最大個数に対応し、特に限定されるものではないが、例えば、50個以上、好ましくは150個以上、更に好ましくは300個以上にすることができる。一方、上限値は、例えば、1000個程度にできる。
この位置決め用孔55は断面円形となって、前記した貫通孔36を貫通した位置決めピン35の下部が挿通されるものであり、この位置決め用孔55に位置決めピン35の下部が挿通されることで、支持プレート18に対する載置トレイ51の位置、即ち、第1、第2の充放電プローブ22、23に対する二次電池11の位置を調整(位置決め)できる(平面視して、第1、第2の充放電プローブ22、23が二次電池11の正極及び負極に重なるように調整できる)。従って、位置決め用孔の個数や配置位置は、この位置調整ができる構成であれば、特に限定されるものではない。
この位置調整は、支持プレート18に対して搬送トレイ10を上昇させる際に、位置決め用孔55に位置決めピン35が進入することで実施できるため、位置決めピン35の先部(下部)を先細り形状にするのがよく、また、位置決め用孔55の上側を上方に向けて拡径するテーパ状にするのがよい。
なお、上記した位置決め用孔55と、充放電検査装置12に設けられた貫通孔36及び位置決めピン35とで位置決め手段が構成されているが、第1、第2の充放電プローブ22、23に対する二次電池11の位置を調整できれば、位置決め手段の構成は特に限定されるものではなく、例えば、支持プレート(充放電検査装置)に設けられた位置決めピンと載置トレイ(搬送トレイ)に設けられた位置決め用孔で構成することもできる。
載置トレイ60は、トレイ本体61と、トレイ本体61の裏面側(支持プレート18とは反対側、下面側)に取付け固定される樹脂製の端子基板62とを有している。トレイ本体61には、二次電池11の輪郭に対応した断面長方形状の貫通孔63と、この貫通孔63の隣接位置に形成された断面円形の2つの貫通孔64、65が形成されている。このトレイ本体61の裏面に端子基板62を取付け固定することで、各貫通孔63~65の底が塞がれ、固定穴66(固定穴54に相当)と第1、第2の充放電プローブ22、23の先側がそれぞれ挿入可能な第1、第2の通電穴67、68が形成される。
この正極当接部と負極当接部の表面は平滑であるが、例えば、表面が凹凸状になった端子を正極当接部及び負極当接部として端子基板に実装することで、二次電池11の正極及び負極との接触を更に安定させることができる。
また、第1、第2の通電穴67、68の底面となる端子基板62の表面には、第1、第2の充放電プローブ22、23がそれぞれ当接可能な正極端子部71及び負極端子部72が、金メッキにより形成されている。この正極端子部71と負極端子部72は、二次電池11の正極及び負極の最小幅よりも幅広に形成されている。
上記した構成により、第1、第2の充放電プローブ22、23を二次電池11の正極及び負極に直接接触させることなく、正極端子部71と負極端子部72を介して間接的に充放電検査を実施できる。このため、第1、第2の充放電プローブ22、23の二次電池11への接触領域が狭くても(二次電池11が特に小型の場合でも)、充放電検査を確実に実施できる。また、充放電検査を行う二次電池の形状が変わっても、充放電検査装置の構成を変更することなく、トレイ本体の形状(二次電池を収容配置する貫通孔の形状)を変更するのみで、充放電検査を実施できる。
この場合、第1、第2の充放電プローブ22、23が設けられた支持プレート18に更に、その下方に突出した抑えピン(押圧部)75を多数設け、この抑えピン75で二次電池11の絶縁部分を上方から押圧し、二次電池11を搬送トレイ10に抑え付ける。なお、抑えピン75も、ばね材(弾性部材)を介して支持プレート18に設けることが好ましい。
更に、この抑えピン76の代わりに、図6に示す抑えピン(押圧部の一例)76aを使用することもできる。この抑えピン76aは、その先側(下側)に、二股に分かれた傾斜したスライド部78aを有し、この対向するスライド部78aの間隔が、下方へ向けて徐々に広がっている。なお、対向するスライド部78aの間隔は、スライド部78aの下端位置で、二次電池11のスライド方向の幅より大きくなっており、スライド部78aの上端位置で、二次電池11のスライド方向の幅と同等又は小さくなっている。
このため、図6に示す固定穴79aのように、その形状を、二次電池11が移動可能な程度に二次電池11の輪郭よりも大きく形成し(少なくとも二次電池11のスライド方向に大きくし)、二次電池11の移動方向両側にスライド部78aがそれぞれ進入可能な補助凹部80、80aを設ける。
これにより、二次電池11の正極及び負極が、正極当接部69及び負極当接部70の表面を擦りながら移動するため、正極当接部69や負極当接部70の表面に形成された酸化皮膜を除去でき、正極及び負極と正極当接部69及び負極当接部70との接触性の向上を図ることができる。
この場合、抑えピンに、例えば、従来公知のスイッチ付プローブ等を使用して、二次電池の樹脂製の絶縁性を備えた材質(即ち、正極と負極を除く部分)に対し、抑えピンの接触を確認することができる。
搬送トレイ10は、スタッカクレーンによって、検査ステージ13に配置された充放電検査装置12に自動で搬入され、搬送トレイ10が昇降台16上に載置される。この搬送トレイ10の載置トレイ51には、多数の二次電池11が収容配置されている。
更に搬送トレイ10が上昇すると、位置決めピン35に対して正確な位置に配列された第1、第2の充放電プローブ22、23と、二次電池11の正極及び負極とがそれぞれコンタクトされ、昇降手段17は、第1、第2の充放電プローブ22、23のストローク(ばね圧)と、二次電池11の正極及び負極との接触圧力の関係から決定した上昇位置で停止する。これにより、第1、第2の充放電プローブ22、23と二次電池11の正極及び負極とは、最適な接圧条件となる。
この充放電検査においては、送風ファンを駆動させて、熱エネルギーが二次電池11に干渉することを抑制、更には防止する。しかし、図3、図4に示す載置トレイ60では、第1、第2の充放電プローブ22、23が正極端子部71及び負極端子部72に接触することから、二次電池11を抑えピン75で載置トレイ60に抑え付け、支持プレート18と載置トレイ60の間に向けて送風ファンによる送風を行う。これにより、送風によって二次電池11が載置トレイ60から飛び出すことを防止できる。
そして、搬送トレイ10は、スタッカクレーンによって、充放電検査装置12から自動で搬出される。
以上の操作を、予め設定されたプログラムに基づいて、各搬送トレイ10に対し順次行う。これにより、簡単な構成で多数の小型の二次電池を同時に充放電検査できる。
なお、充放電検査が終了した二次電池11は、例えば、搬送トレイ10に収容配置された状態で搬出できる。また、搬送トレイ10からの二次電池11の取出しは、例えば、吸引手段等を用いて実施できる。
前記実施の形態においては、搬送トレイを支持プレートに対して昇降させる場合について説明したが、支持プレートを搬送トレイに対して昇降させることもできる。
Claims (9)
- 充放電可能な小型の二次電池を多数収容でき、該二次電池の正極及び負極にそれぞれ接続される第1、第2の充放電プローブを多数備えた充放電検査装置で前記二次電池を充放電検査するために使用可能な搬送トレイであって、
台座トレイと、
前記台座トレイの凹部内を移動可能に配置され、前記二次電池を多数収容できる載置トレイと、
前記二次電池と前記第1、第2の充放電プローブとの位置決めを行う位置決め手段とを有することを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。 - 請求項1記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記載置トレイには、前記二次電池を収容配置する固定穴が多数形成されていることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。
- 請求項2記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記載置トレイには更に、前記第1、第2の充放電プローブの先側をそれぞれ挿入可能な第1、第2の通電穴が多数形成され、
前記固定穴の底面には、前記二次電池の正極及び負極がそれぞれ当接可能な正極当接部及び負極当接部が設けられ、
前記第1、第2の通電穴の底面には、前記第1、第2の充放電プローブがそれぞれ当接可能な正極端子部及び負極端子部がそれぞれ設けられ、
前記正極当接部と前記正極端子部とが第1の導通部で、前記負極当接部と前記負極端子部とが第2の導通部で、それぞれ接続されていることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。 - 請求項3記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記正極当接部及び前記負極当接部は、その表面が凹凸状になっていることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。
- 請求項3又は4記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記固定穴の形状は、前記二次電池の輪郭よりも大きく形成され、前記二次電池を前記充放電検査装置に設けられた押圧部で前記固定穴の底面に抑え付けた際に、前記二次電池の正極及び負極が前記正極当接部及び前記負極当接部の表面を擦りながら移動可能であることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。
- 請求項5記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記押圧部は通電性を備えた材質で構成され、該押圧部が前記二次電池の絶縁性を備えた部分に接触したことを確認できることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記位置決め手段は、前記充放電検査装置に設けられた位置決めピンと、前記載置トレイに設けられ、前記位置決めピンの下部が挿入する位置決め用孔とで構成されていることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の小型二次電池の搬送トレイにおいて、前記二次電池はSMD型であることを特徴とする小型二次電池の搬送トレイ。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の小型二次電池の搬送トレイに多数の前記二次電池を収容した状態で、前記充放電検査装置への搬入と該充放電検査装置からの搬出を行うことを特徴とする小型二次電池の搬送方法。
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