本発明の請求項1に記載の発明は、
食器洗浄タンクに貯水する第1の洗浄水を洗浄室内で食器に向けて噴射して洗浄する食器洗浄ステップと、
前記食器洗浄ステップを行った後に、前記洗浄室内で前記食器洗浄ステップで洗浄した食器に向けて、共有配管を通じて流動させた清水を共有ノズルから噴射して洗浄する食器すすぎステップと、
前記共有配管を通じて流動させる弱アルカリ性洗剤を混ぜ合わせた純水である第2の洗浄水を前記洗浄室内で前記共有ノズルからグラスに向けて噴射して洗浄するグラス洗浄ステップと、
前記食器洗浄ステップおよび前記食器すすぎステップで洗浄した食器、または前記グラス洗浄ステップで洗浄したグラスに、前記洗浄室内で純水を噴射することによりすすぎを行う仕上すすぎステップと、を含み、
前記食器洗浄ステップ、前記食器すすぎステップ、前記仕上すすぎステップの順に各ステップを行う食器洗浄モードの洗浄サイクルと、
前記グラス洗浄ステップの後に前記仕上すすぎステップを行うグラス洗浄モードの洗浄サイクルと、を実施可能であり、
前記いずれかのモードの洗浄サイクルを選択するモード選択ステップを、前記いずれかのモードの洗浄サイクルを開始する前に実施する際、
前記食器洗浄モードの洗浄サイクルを行った後に、前記モード選択ステップで前記グラス洗浄モードの洗浄サイクルを選択した場合に、
前記グラス洗浄ステップを実施する前に、前記第2の洗浄水を前記共有配管を通じて流動させて前記洗浄室内で前記共有ノズルから噴射し、前記噴射した第2の洗浄水を前記食器洗浄タンクに落下流動させて、前記食器洗浄タンクに貯水する第1の洗浄水をオーバーフローさせて排水する洗浄水切替ステップを行うことを特徴とする洗浄方法としたものである。
この洗浄方法によれば、モード選択ステップによりいずれかのモードの洗浄サイクルを選択することにより、食器またはグラスを1台の洗浄装置により洗浄することができる。
そして、作業場で、食器およびグラスを洗浄するための洗浄装置が占める床面積を小さくすることができる。
また、食器洗浄モードの洗浄サイクルを行った後のモード選択ステップで、グラス洗浄モードの洗浄サイクルを選択した場合に、共有配管に残留している清水を第2の洗浄水に置換することができる。そして、続けて行うグラス洗浄ステップでは、共有ノズルから第2の洗浄水を即時に噴射させることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
食器洗浄モードの洗浄サイクルにおいて、
食器洗浄ステップでは、食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水を洗浄室内で食器に向けて噴射した後に、前記食器洗浄タンクへと落下流動させ、
前記食器洗浄ステップと食器すすぎステップとの間で、前記食器洗浄タンクから前記第1の洗浄水を所定量排水する排水ステップを行い、
前記排水ステップの後に行う前記食器すすぎステップでは、前記食器すすぎステップで前記洗浄室内で食器に向けて噴射した清水を、前記排水ステップで排水した量と少なくとも同量だけ前記食器洗浄タンクへと落下流動させることを特徴とする洗浄方法としたものである。
これにより、第1の洗浄水により洗浄した食器に付着していた汚れや油分、残菜等を、食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水とともに排水することができる。
そして、食器洗浄タンクに食器すすぎステップで噴射する清水を落下流動させて貯水することにより、食器洗浄タンクに貯水する第1の洗浄水を満水とすることができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
食器すすぎステップで洗浄室内で食器に向けて噴射した清水が食器洗浄タンクへと落下流動したとき、前記食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水が満水となる水位を越えた場合には、オーバーフローさせて排水することを特徴とする洗浄方法としたものである。
これにより、食器洗浄タンクに貯水していた第1の洗浄水の水面付近に浮かぶ油分や残菜等ともに第1の洗浄水を排水することが可能であり、食器洗浄タンクに貯水する第1の洗浄水の清浄度を高めることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、
被洗浄物である食器またはグラスを収納する略密閉された1つの洗浄室と、
第1の洗浄水を貯水する食器洗浄タンクと、
弱アルカリ性洗剤を混ぜ合わせた純水である第2の洗浄水を貯水するグラス洗浄タンクと、
純水である第3の洗浄水を貯水する仕上すすぎタンクと、
前記貯水した第1の洗浄水を吸込み、前記洗浄室内で食器に向けて噴射するよう吐出する食器洗浄ポンプと、
前記貯水した第2の洗浄水を吸込み、前記洗浄室内でグラスに向けて噴射するよう吐出するグラス洗浄ポンプと、
前記仕上すすぎタンクに貯水した前記第3の洗浄水を吸込み、前記洗浄室内で食器またはグラスに向けて噴射するよう吐出する仕上すすぎポンプと、
開閉することにより、水道水である清水若しくは前記第2の洗浄水を選択して共有配管に流動させ、前記選択した清水若しくは第2の洗浄水を前記洗浄室内で共有ノズルから噴射させる開閉弁と、
少なくとも前記食器洗浄ポンプと、グラス洗浄ポンプと、仕上すすぎポンプの駆動と停止を行う制御部と、を備え、
前記食器洗浄ポンプにより前記洗浄室内に収納した食器に前記第1の洗浄水を噴射して食器を洗浄した後に、前記第1の洗浄水を噴射して洗浄した食器に、前記共有配管を通じて流動させた清水を前記共有ノズルから噴射して食器を洗浄し、さらに前記仕上すすぎポンプにより前記第3の洗浄水を噴射して食器をすすぐ食器洗浄モードの洗浄サイクルと、
前記グラス洗浄ポンプにより、前記共有配管を通じて流動させた第2の洗浄水を前記共有ノズルから噴射して前記洗浄室内に収納したグラスを洗浄した後に、前記仕上すすぎポンプにより前記第3の洗浄水を噴射してグラスをすすぐグラス洗浄モードの洗浄サイクルと、
のいずれかのモードの洗浄サイクルを実施可能とし、
前記制御部により、前記いずれかのモードの洗浄サイクルを選択して実施する際、
直前に行っていた前記食器洗浄モードの洗浄サイクルから、前記グラス洗浄モードの洗浄サイクルへと変更した場合に、
前記グラス洗浄ポンプにより前記グラスに前記第2の洗浄水を噴射してグラスを洗浄する前に、前記グラス洗浄ポンプにより前記第2の洗浄水を前記共有配管を通じて流動させて前記共有ノズルから噴射し、前記噴射した第2の洗浄水を前記食器洗浄タンクに落下流動させて前記食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水をオーバーフローさせて排水することを特徴とする洗浄装置としたものである。
この洗浄装置によれば、いずれかのモードの洗浄サイクルを選択することにより、食器またはグラスを1台の洗浄装置により洗浄することができる。
そして、作業場で、食器およびグラスを洗浄するための洗浄装置が占める床面積を小さくすることができる。
また、直前に行っていた食器洗浄モードの洗浄サイクルから、グラス洗浄モードの洗浄サイクルを選択して変更した場合に、共有配管に残留している清水を第2の洗浄水に置換し、続けて第2の洗浄水を噴射してグラスを洗浄するときには、共有ノズルから第2の洗浄水を即時に噴射させることができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水を所定量排水する排水部を有し、
食器洗浄モードの洗浄サイクルで、食器洗浄ポンプにより食器に噴射して洗浄に使用した前記第1の洗浄水を、前記食器洗浄タンクへと落下流動させて循環させた後、
前記食器洗浄タンクに貯水する循環させて清浄度の低下した第1の洗浄水を前記排水部により所定量排水し、
共有配管を通じて共有ノズルから噴射して食器を洗浄した清水を、前記排水部により排水した第1の洗浄水と少なくとも同量だけ、前記食器洗浄タンクへと落下流動させて貯水することを特徴とする洗浄装置としたものである。
これにより、第1の洗浄水により洗浄した食器に付着していた汚れや油分、残菜等を、食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水とともに排水することができる。
そして、食器洗浄タンクに清水を落下流動させて貯水することにより、食器洗浄タンクに貯水する第1の洗浄水を満水とすることができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、
食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水が、満水となる水位を越えた場合にオーバーフローにより排水するオーバーフロー配管を有し、
共有配管を通じて流動させ、食器に向けて共有ノズルから噴射した清水が前記食器洗浄タンクへと落下流動したとき、前記貯水する第1の洗浄水が満水となる水位を越えた場合には、前記オーバーフロー配管よりオーバーフローさせて排水することを特徴とする洗浄装置としたものである。
これにより、食器洗浄タンクに貯水していた第1の洗浄水の水面付近に浮かぶ油分や残菜等とともに第1の洗浄水を排水することが可能であり、食器洗浄タンクに貯水する第1の洗浄水の清浄度を高めることができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項4~6のいずれか一項に記載の発明において、
食器洗浄タンクおよびグラス洗浄タンクを洗浄室の下方に設け、
前記洗浄室で噴射された洗浄水を、前記食器洗浄タンクまたは前記グラス洗浄タンクのいずれかを選択して流動させる切替部を有し、
前記グラス洗浄タンクに貯水した第2の洗浄水をグラス洗浄ポンプにより吸込み吐出して、共有配管に流動させて共有ノズルから前記第2の洗浄水を噴射している間に、
前記切替部により前記第2の洗浄水が落下流動する先を、前記食器洗浄タンクから前記グラス洗浄タンクへと切り替えることを特徴とする洗浄装置としたものである。
これにより、グラス洗浄モードの洗浄サイクルを行う間に、清浄度が低下しやすい食器洗浄タンクに貯水した第1の洗浄水の清浄度を向上させることができ、次に食器洗浄モードの洗浄サイクルを選択し、実施するとき、清浄度を向上させた第1の洗浄水で食器の洗浄を行うことができる。
(本願発明の概要)
本願発明の実施形態1で説明する洗浄装置1、および変形例1で説明する洗浄装置200は、いわゆるボックス型の洗浄装置である。そして、食器洗浄モードまたはグラス洗浄モードのうち、1つのモードを選択することにより、異なる洗浄水で食器またはグラスを洗浄することができる。
つまり、食器洗浄モードでは、例えば水道水である清水に洗剤を混ぜ合わせた洗浄水により食器を洗浄した後に純水にて仕上すすぎすることができ、グラス洗浄モードでは、例えば純水に洗剤を混ぜ合わせた洗浄水によりグラスを洗浄した後に純水にて仕上すすぎすることのできる洗浄装置である。なお、仕上すすぎでは、純水の他に清水を使用することができる。
本実施形態では、洗浄水により洗浄される被洗浄物のうち、ガラス以外を材質とした(例えば強化磁器や樹脂材の)皿や鉢、椀等を食器と称し、ガラスを材質としたグラスやコップ等をグラスと称する。特にグラスは、酸化鉛を含むガラスを材質としたクリスタルガラス製のグラスを含むものである。
また、例えば水道水である清水、純水器により水道水から精製した純水、そして清水、または純水に洗剤を混ぜ合わせたものを、あわせて洗浄水と称することがある。そして、後述する食器洗浄系統を流動する洗浄水を第1の洗浄水、グラス洗浄系統を流動する洗浄水を第2の洗浄水、仕上すすぎ系統を流動する洗浄水を第3の洗浄水と称することがある。
(実施形態1)
(洗浄装置の概要)
まず、本発明の洗浄装置1について、図1~図4、図8を用いて基本的な構成を説明する。
図1および図2に示すように、洗浄装置1は、略直方体の形状であり、骨格を構成するフレーム5と、フレーム5により構成される仕切部材(フレーム)6により仕切られて、仕切部材6の上側となる上部外郭体10と、仕切部材6の下側となる下部外郭体20とにより構成される。略直方体の形状である洗浄装置1の各面を、上面側、正面側、左側面側、右側面側、背面側、下面側と称する。
仕切部材6は、その内側に、上面視で中央部に開口(図示なし)を有する板金を略水平方向となるように溶接等により固着している。
上部外郭体10は、鉛直方向に開閉可能な扉部11と、複数の食器または複数のグラス(被洗浄物)を収納するラックRを収容し、ラックRの上方と下方とから洗浄水を噴射して、ラックRに収納した被洗浄物を洗浄する略密閉した洗浄室30とを備える。
鉛直方向に開閉可能な扉部11は、扉正面部12aと、扉左側面部12bと、扉右側面部12cとにより、上面視でコ字状に構成される。上部外郭体10の上面側には上面板部13が取り付けられている。そして、洗浄装置1の上部外郭体10の背面側には、背面板部17を設けている。
扉部11は、閉めた状態で被洗浄物の洗浄を行うことにより、扉部11と上面板部13と背面板部17とにより、被洗浄物の洗浄の際に使用する洗浄水と、洗浄室30内で発生する湯気とが洗浄室30外に飛散したり漏れ出すことを抑制することができる。
なお、後述する駆動手段(扉部開閉手段)33により扉部11を鉛直方向に上昇および下降させて扉部11の開閉を行うが、洗浄装置1に電気が供給されていない場合、または洗浄装置1の電源が入っていない場合には、作業者が扉正面部12aに有する取手部15を持ち、扉部11を鉛直方向に上昇および下降させて開閉させる。
扉部11を構成する扉正面部12aには、略矩形状の開口をあけて透過性の樹脂を取付けた窓部14を設けている。
また、扉左側面部12bおよび扉右側面部12cの下部には、扉部11を閉めたときに仕切部材6に当接させる扉止め16を有する。扉止め16は、扉部11を閉めたときの衝撃を吸収することができるよう、弾性素材により構成される。
図1および図2に示すように、下部外郭体20のフレーム5には、板金により製作した化粧板である正面化粧板(化粧板)21aと、左側面化粧板(化粧板)21bと、右側面化粧板(化粧板)21cとを取付けている。
正面化粧板21aおよび左側面化粧板21bには、それぞれの化粧板を把持してフレーム5から取外すための把持部22を設け、下部外郭体20に収めた食器を洗浄するための部材を修理、または交換するために正面化粧板21aおよび左側面化粧板21bをフレーム5から取外せるよう着脱自在としている。なお、右側面化粧板21cはフレーム5に固定されているが、右側面化粧板21cはフレーム5から着脱自在としてもよい。
下部外郭体20の右側面側には、洗浄装置1に備える各駆動手段、各加熱手段、各送水手段、各弁等の各部材に信号を送り駆動させ、またセンサ、操作部等から信号を受けて、あらかじめ組まれたプログラムにより機器を制御する制御盤(制御部)18を備える。制御盤18の正面側には、運転動作等を操作するボタンを有する操作部(図示なし)、および洗浄水の温度等を表示するディスプレイを有する表示部(図示なし)を設けている。
なお、制御盤18は下部外郭体20の右側面側に限らず、下部外郭体20の正面側や左側面側に備えてもよく、操作部とは別にスイッチを備えてもよい。
図3および図4(a)に示すように、下部外郭体20には、洗浄室30で食器やグラスに洗浄水を噴射して食器やグラスを洗浄するための部材を支持する基部23と、基部23に取付け、施設の床面で立脚して洗浄装置1を支える脚部24と、を有する。なお、図3は下部外郭体20内を見易くするため、便宜上、化粧板および制御盤18を表示していない。
詳しくは後述するが、洗浄装置1は、
洗浄室30内でラックRに収納する食器に洗浄水を噴射して食器の洗浄を行う食器洗浄系統と、
清水を噴射することにより、ラックRに収納する食器に付着した食器洗浄系統から噴射した洗浄水を洗い流す、または洗浄水を噴射することによりラックRに収納するグラスの洗浄を行う共有系統と、
共有系統へと清水を供給する食器すすぎ系統と、
共有系統へとグラスの洗浄を行う洗浄水を供給するグラス洗浄系統と、
食器洗浄系統および食器すすぎ系統から噴射して食器に付着した洗浄水、およびグラス洗浄系統から噴射してグラスに付着した洗浄水を洗い流す仕上すすぎ系統と、
水道に接続して清水から純水を精製して、精製した純水をグラス洗浄系統および仕上すすぎ系統へと供給する純水供給系統と、を備える。
食器洗浄系統および食器すすぎ系統で使用する洗浄水は例えば水道水である清水であり、グラス洗浄系統および仕上すすぎ系統で使用する洗浄水は純水である。純水が、一般的な耐食性をもつ樹脂や金属、例えば塩化ビニールやSUS430等を材料とする配管や板金などの部材に接触すると、その成分が溶出し、穿孔が起こるおそれがある。そのため、本実施形態に記載の洗浄装置1で純水が飛散、または流動する箇所には、耐食性と、機械的および構造的な強度とを考慮し、オーステナイト系ステンレス、例えばSUS304やSUS316を材料とした部材および板金を使用している。
また、仕上すすぎ系統には純水を貯水する仕上すすぎタンク(タンク)40、食器洗浄系統には洗浄水を貯水する食器洗浄タンク(タンク)60、グラス洗浄系統には洗浄水を貯水するグラス洗浄タンク(タンク)80を備える。食器すすぎ系統は、洗浄水を貯水するタンクを備えない構成としている。
図8に示すように、食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80は、上方を開放する直方体形状の板金により構成されたタンクである。仕上すすぎタンク40は、上部に山形の傾斜部分である流動傾斜部151を設けて、正面視で上部を三角形状とする略密閉された直方体形状の板金により構成されたタンクである。そして、仕上すすぎタンク40、食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80との、それぞれの底面は、水平方向に一直線上となるよう面一に構成されている。
なお、本実施形態の図面のうち、ブロック図である図5、図15~図28では、仕上すすぎタンク40、食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80のうち、隣り合うタンク同士の間に配管が通る程度の隙間をあけて記載している。しかしこれは、各系統の表記を見易くするための便宜上の記載であり、実際は所定の間隔、例えば0.5~1ミリメートルの隙間、または接触した状態で構成している(図8参照)。
そうすることにより、それぞれのタンクに貯水した所定の温度の洗浄水により、隣接、または接触したタンクに貯水した洗浄水の温度を保温することができる。
特に、仕上すすぎタンク40は食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80に挟まれた状態で構成しているので、仕上すすぎタンク40に貯水した純水は食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水により効果的に保温することができる。
なお、仕上すすぎタンク40、食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80は、1つのタンクを少なくとも1枚の板金により区画して構成してもよい。そうすることにより、それぞれのタンクを隔てる板金はより薄くすることができ、それぞれのタンクに貯水した洗浄水による保温性を高めることができるとともに、構成を簡略化することができる。
また、貯水および噴射される洗浄水の量に対し、食器に付着していた汚れや油分、残菜等が含まれる量が少ないほど、清浄度が高い状態として記載する。つまり、仕上すすぎタンク40に貯水した純水や、洗浄に使用していない場合の食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水は、食器に付着していた汚れや油分、残菜等が含まれていないため、最も清浄度が高い状態である。そして、喫食に用いられた食器またはグラスをまず最初に洗浄した洗浄水は、食器またはグラスに付着していた汚れや油分、残菜等が多く含まれることとなるため、清浄度が低い状態である。
(洗浄室の構成)
次に、洗浄室30の構成について、図1および図3を用いて説明する。
図3に示すように、洗浄室30は、
扉部開閉手段である、一端側を扉部11に回動自在に接続した第1の扉アーム(扉部開閉手段)31と、
第1の扉アーム31の他端側に回動自在に接続した第2の扉アーム(扉部開閉手段)32と、
第2の扉アーム32の他端側がその両端側に固定された駆動軸(扉部開閉手段)34と、
駆動軸34の中心軸線を中心として回動させることにより、扉部11を鉛直方向に昇降させて開閉する駆動手段(扉部開閉手段)33と、
扉部11に連結して、駆動手段33により扉部11を鉛直方向に上昇させて開ける動きを補助する、例えばコイルばねである弾性部材(扉部開閉手段)35と、
背面板部17の左右両端側で扉部11の上下動をガイドするガイド部材(扉部開閉手段)36と、を備える。
また洗浄室30内には収容したラックRを下方から支持するラック支持部37を備える。ラック支持部37により支持するラックRは、例えば複数の食器やグラスを収納して洗浄装置1の洗浄室30内へと運搬するものであり、洗浄室30内で洗浄水が噴射されたときには、各々の食器やグラス間に設けた所定の間隔により食器やグラスの洗浄性を向上させるものである。
駆動手段33は制御盤18と電気的に接続されており、制御盤18からの信号により、モータである駆動手段33により駆動軸34が回動する。回動した駆動軸34により第2の扉アーム32を回動させる。洗浄装置1の右側面視で、第2の扉アーム32が右回転の方向(時計回り)に駆動軸34の中心軸線を中心に回動し、第2の扉アーム32からさらに接続する第1の扉アーム31が上昇して、第1の扉アーム31から接続する扉部11が、ガイド部材36によりガイドされながら鉛直方向に上昇し、扉部11を開けた状態とする。
また、扉部11を開けた状態から運転開始ボタン(図示なし)を押すことで制御盤18からの信号により、洗浄装置1の駆動手段33により右側面視で駆動軸34を、駆動軸34の中心軸線を中心に回動させる。そして、回動させた駆動軸34により、第2の扉アーム32を左回転の方向(反時計回り)に回動させ、扉部11を鉛直方向に下降させて、扉部11を閉めることができる。扉部11を閉めた後、扉部11は弾性部材35により鉛直方向に上昇する力が加えられる状態となるが、弾性部材35の扉部11を鉛直方向に上昇させる力よりも扉部11の質量の方が大きいため、扉部11は閉めた状態に保持される。
なお、扉部開閉手段は、シリンダや、チェーン、ピニオンやラック等を適宜組み合わせて扉部11を開閉させてもよい。
なお、洗浄装置1は、扉部11を開けた状態、または閉めた状態でロックするロック機構を備えてもよい。扉部11を開けた状態でロックするロック機構を備えた場合、例えば洗浄室30にラックRを収容している間等に、誤って扉部11が閉まることを防止することができる。
また、扉部11を閉めた状態でロックするロック機構を備えた場合、例えば洗浄室30内で洗浄水が噴射されている間に扉部11が開き、洗浄水が洗浄室30から外部へと飛散して、洗浄装置1が設置されている施設の床を濡らす、作業者に洗浄水がかかってしまうことを防止することができる。
また、ロック機構は洗浄装置1の運転動作に合わせてロックを解除するよう、制御盤18により制御するのが好ましい。さらに、洗浄装置1は扉部11を開けた状態でロックするロック機構、または閉めた状態でロックするロック機構の、どちらか、またはどちらともを備えていてもよい。
扉部11を鉛直方向に下降させて閉めた状態とするとき、扉部11が仕切部材6に接触する前に、扉左側面部12bと扉右側面部12cとに有する扉止め16が洗浄装置1の仕切部材6に接触する。扉止め16が弾性素材により構成されているため、扉部11が仕切部材6に接触する際の衝撃を吸収し、発生する音を抑制し、また扉部11が勢いよく仕切部材6に接触して破損することを防止することができる。
また、洗浄室30に収容したラックRを下方から支持するラック支持部37は、後述する水返板部130である正面側水返板部131aと、左側面側水返板部131bと、右側面側水返板部131cとが一体となるよう構成され(図11(a)を参照)、水返板部130を洗浄装置1のフレーム5の内側に取付けた断面形状L字状の金具(図示なし)に載置し、洗浄室30から着脱自在としている。
(純水供給系統の構成)
次に、純水供給系統について図5を用いて構成を説明する。
図5に示すように、純水供給系統は、
水道に接続して水道水である清水を供給する給水管(純水供給配管)120と、
開閉弁121を開くことにより供給される清水から純水を精製する、例えばイオン交換樹脂方式を採用した純水器122と、
第1の純水供給配管(純水供給配管)123aを通じて流動する純水器122により精製された純水を、第2の純水供給配管(純水供給配管)123bを通じて仕上すすぎタンク40へと流動させる、または第3の純水供給配管(純水供給配管)123cを通じてグラス洗浄タンク80へと流動させるように、制御盤18からの信号を受けて経路を切替える三方弁124と、を備える。
また、給水管120は、後述する共有系統へと接続する食器すすぎ配管100へと分岐している。詳細については後述する。
なお、純水器122は逆浸透膜方式を採用したものとしてもよい。その場合、純水器122が大型化するおそれがあるため、イオン交換樹脂方式を採用するのが好ましい。
なお、三方弁124は2つの開閉弁により代用してもよい。その場合、第1の純水供給配管123aから第2の純水供給配管123bおよび第3の純水供給配管123cへと分岐させ、第2の純水供給配管123bおよび第3の純水供給配管123cにそれぞれ開閉弁を設けて、制御盤18によりどちらか、または両方の開閉弁を開くかの制御を行う。これにより、仕上すすぎタンク40およびグラス洗浄タンク80へと、同時に純水を供給することも可能となる。
なお、本実施形態では、純水器122により精製した純水を第1の純水供給配管123aから、三方弁124により経路を切り替えて第3の純水供給配管123cへと接続させ、グラス洗浄タンク80へと接続するよう構成しているが、三方弁124および第3の純水供給配管123cを設けない構成としてもよい。
その場合、後述する仕上すすぎタンク40に貯水した純水を仕上すすぎポンプ(送水手段)50により吸い込んで吐出し、仕上すすぎ系統を流動させて洗浄室30にて噴射させて、グラス洗浄タンク80側に傾けた切替板154を介してグラス洗浄タンク80へと落下流動させて貯水する。
(仕上すすぎ系統の構成)
次に、仕上すすぎの系統について図4、図5、図7、図9および図10を用いて構成を説明する。
図5および図7(a)に示すように、仕上すすぎ系統は、
正面側から見て基部23の略中央に所定の量、例えば9リットルの純水を貯水する略密閉された略直方体形状で、上部を正面視で三角形状とする仕上すすぎタンク(タンク)40と、
仕上すすぎタンク40の側面に設けた吸引口46から、第1の仕上すすぎ配管(仕上すすぎ配管)51aを通じて、仕上すすぎタンク40に貯水した純水を吸込んで、第2の仕上すすぎ配管(仕上すすぎ配管)51bへと吐出する仕上すすぎポンプ(送水手段)50と、
仕上すすぎタンク40に貯水した純水が所定の水位を越えた際に、純水を開口(符号なし)からオーバーフローさせて排水するオーバーフロー配管43と、
仕上すすぎタンク40の底部に設け、排水弁(排水部)47cを開けることにより仕上すすぎタンク40に貯水した純水を排水配管(排水部)47bを通じて排水する排水口(排水部)47aと、
仕上すすぎタンク40に貯水した純水を所定の温度、例えば略55度Cに加熱および保温する第1の加熱手段(加熱手段)41および第2の加熱手段(加熱手段)42と、
仕上すすぎタンク40に貯水した純水が満水となったときの水位を検知する例えばフロートタイプの満水センサ44と、
仕上すすぎタンク40に貯水した純水の温度を計測する温度センサ45と、を備える。
仕上すすぎタンク40に備える第1の加熱手段41および第2の加熱手段42は、満水センサ44が仕上すすぎタンク40に貯水した純水が満水であると検知しているときのみ作動し、仕上すすぎタンク40に貯水した純水を所定の温度に加熱および保温するよう、温度センサ45からの信号を受ける制御盤18により制御されている。これにより、第1の加熱手段41及び第2の加熱手段42の空炊きを防止することができる。
仕上すすぎタンク40の底部に備える排水口47aは、排水配管47bの一端側が接続される。排水配管47bには、洗浄装置1の下部外郭体20の正面側に設けた、例えば手動式の開閉弁である排水弁47cが接続される。その排水弁47cを開けることで、仕上すすぎタンク40に貯水した純水を排水する。その排水配管47bの他端側は、下部外郭体20の基部23の下方に備えた残菜受け部160に向けて設置している。
第1の加熱手段41は、第2の加熱手段42よりも上方に位置するよう取り付けている。これにより、仕上すすぎタンク40に貯水した純水の上方側と下方側とを効果的に加熱し、より短時間に仕上すすぎタンク40に貯水した純水を所定の温度に加熱し、保温することができる。
なお、仕上すすぎタンク40に備える加熱手段は2つに限定されることはなく、効果的に短時間で仕上すすぎタンク40に貯水した純水を所定の温度まで加熱することができるのであれば、1つ、あるいは3つ以上備えていてもよい。
そして、図4および図5に示すように、仕上すすぎポンプ50から接続する第2の仕上すすぎ配管51bからは、第3の仕上すすぎ配管(仕上すすぎ配管)51cへと続き、後述する第4の食器洗浄配管(食器洗浄配管)71dを貫通する内部に流路を備えた接続部(嵌入部)52aへと接続して、接続部52aより下方に延びる中空の軸部材である回転軸部(嵌入部)52bを通じて仕上すすぎ上ノズル(仕上すすぎノズル)53へと接続する。
また、第3の仕上すすぎ配管51cからは、第4の仕上すすぎ配管(仕上すすぎ配管)51dが水平方向へと分岐し、第4の仕上すすぎ配管51dは、後述する第5の食器洗浄配管(食器洗浄配管)71eを貫通する内部に流路を備えた接続部52aへと接続して、接続部52aより上方に延びる中空の軸部材である回転軸部52bを通じて仕上すすぎ下ノズル(仕上すすぎノズル)54へと接続する。
図9(b)に示すように、上方の接続部52aは、接続部52aより下方に延びる内部に流路を備えた回転軸部52bを介して仕上すすぎ上ノズル53へと接続する。図9(a)に示すように、後述する食器洗浄上ノズル(食器洗浄ノズル)72と仕上すすぎ上ノズル53とを所定の角度θ1、例えば25~26度を有した状態で保持するようボルト等で固定し、その食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53を挟み込むように複数個の軸受け(図示なし)を取付けて、食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53と、複数個の軸受けとを回転軸部52bにより貫通させ、貫通させた回転軸部52bの先端に切られた雌ネジに、下方から雄ネジ付きのキャップ(図示なし)を取付けて挟み込んで固定する。これにより、食器洗浄上ノズル72と仕上すすぎ上ノズル53とを、所定の角度θ1を有した状態で固定し、回転軸部52bに対して回転自在に固定している。
食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53は、回転軸部52bから雄ネジ付きのキャップを取り外すことで、回転軸部52bから着脱自在となるよう構成している。これにより、後述する洗浄装置1を洗浄する清掃ステップの際に、回転軸部52bから食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53を容易に取り外すことができる。
また、仕上すすぎ上ノズル53はその両端を閉じた長尺状のパイプにより構成しており、仕上すすぎ上ノズル53の両端側(一端側および他端側)には、仕上すすぎ上ノズル53から噴射する純水の圧力により、仕上すすぎ上ノズル53および食器洗浄上ノズル72を上面視で左回りの方向(反時計回り)に回転するように、回転方向とは逆側に純水を噴射する回転ノズル口(図示なし)が設けられている。
仕上すすぎ上ノズル53には、仕上すすぎ上ノズル53の長手方向に直交する方向の断面で下方側に、仕上すすぎ上ノズル53を取付ける回転軸部52bの中心軸線から、一端側に距離L1および距離L2の位置にノズル口55をあけてノズルチップ56を取付ける。また、他端側には距離L3および距離L4の位置にノズル口55をあけてノズルチップ56を取付ける。
これにより、仕上すすぎ上ノズル53が回転して純水を噴射するとき、回転軸部52bを中心として、距離L1、距離L2、距離L3、距離L4を半径とした円周上から純水を食器またはグラスに向けて噴射し、ラックRに収納された複数の食器またはグラスの上方から略まんべんなく純水を噴射することができる。
仕上すすぎ上ノズル53には、仕上すすぎ上ノズル53の長手方向に直交する方向の断面で上方側に、仕上すすぎ上ノズル53を取付ける回転軸部52bの中心軸線から、一端側に距離L5および距離L6の位置にノズル口55をあけてノズルチップ56を取付ける。また、他端側には距離L7の位置にノズル口55をあけてノズルチップ56を取付ける。
これにより、仕上すすぎ上ノズル53が回転して純水を噴射するとき、回転軸部52bを中心として、距離L5、距離L6、距離L7を半径とした円周上から純水を洗浄室30の天井面、つまり上面板部13(図1を参照)の下面に向けて純水を噴射し、上面板部13の下面に付着した洗浄水等を洗い流す。
図10(b)に示すように、下方の接続部52aは、接続部52aより上方に延びる内部に流路を備えた軸部材である回転軸部(嵌入部)52bを介して仕上すすぎ下ノズル54へと接続する。また、図10(a)に示すように、後述する食器洗浄下ノズル(食器洗浄ノズル)73と仕上すすぎ下ノズル54とを所定の角度θ3、例えば25~26度を有した状態で保持するようボルト等で固定し、その食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54を挟み込むように複数個の軸受け(図示なし)を取付けて、食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54と、複数個の軸受けとを回転軸部52bにより貫通させ、貫通させた回転軸部52bの先端に切られた雌ネジに、上方から雄ネジ付きのキャップ(図示なし)を取付けて挟み込んで固定する。これにより、食器洗浄下ノズル73と仕上すすぎ下ノズル54とを、所定の角度θ3を有した状態で固定し、回転軸部52bに対して回転自在に固定している。
食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54は、回転軸部52bから雄ネジ付きのキャップを取り外すことで、回転軸部52bから着脱自在となるよう構成している。これにより、後述する洗浄装置1を洗浄する清掃ステップの際に、回転軸部52bから食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54を容易に取り外すことができる。
また、仕上すすぎ下ノズル54はその両端を閉じた長尺状のパイプにより構成しており、仕上すすぎ下ノズル54の両端側(一端側および他端側)には、仕上すすぎ下ノズル54から噴射する純水の圧力により、仕上すすぎ下ノズル54および食器洗浄下ノズル73を上面視で右回りの方向(時計回り)に回転するように、回転方向とは逆側に純水を噴射する回転ノズル口(図示なし)が設けられている。
仕上すすぎ下ノズル54には、仕上すすぎ下ノズル54の長手方向に直交する方向の断面で上方側に、仕上すすぎ下ノズル54を取付ける回転軸部52bの中心軸線から、一端側に距離L8、距離L9、距離10、距離L11の位置にノズル口55をあけてノズルチップ56を取付ける。また、他端側には距離L12および距離L13の位置にノズル口55をあけてノズルチップ56を取付ける。
これにより、仕上すすぎ下ノズル54が回転して純水を噴射するとき、回転軸部52bを中心として、距離L8、距離L9、距離L10、距離L11、距離L12、距離13を半径とした円周上から純水を食器またはグラスに向けて噴射し、ラックRに収納された複数の食器またはグラスの下方から略まんべんなく純水を噴射することができる。
なお、前述の回転軸部52bに螺合させたキャップの雄ネジを締め付ける回転方向は、仕上すすぎ上ノズル53および食器洗浄上ノズル72、仕上すすぎ下ノズル54および食器洗浄下ノズル73の所定の回転方向と同方向とし、仕上すすぎ上ノズル53および仕上すすぎ下ノズル54が回転しても、回転軸部52bに螺合させたキャップの雄ネジがゆるむことを抑制する。
(食器洗浄系統の構成)
次に、食器洗浄系統について図4、図5、図7、図9、および図10を用いて構成を説明する。
図5および図7(b)に示すように、食器洗浄系統は、
正面側から見て基部23の右側に所定の量、例えばアルカリ性洗剤を混ぜ合わせた清水である第1の洗浄水を略26リットル貯水する上面を開口した略直方体形状である食器洗浄タンク(タンク)60と、
食器洗浄タンク60の底面に設けた吸引口66から、第1の食器洗浄配管(食器洗浄配管)71aを通じて、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を吸込んで、第2の食器洗浄配管(食器洗浄配管)71bへと吐出する食器洗浄ポンプ(送水手段)70と、
洗浄室30から食器洗浄タンク60へと流動する洗浄水と、洗浄水に含まれる汚れや残菜等とを分離するストレーナ65と、
食器洗浄タンク60の底部に設け、排水弁(排水部)68bを開けることにより食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を排水配管(排水部)68cを通じて排水する排水口(排水部)68aと、
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が所定の水位を越えた際に、第1の洗浄水を開口(符号なし)からオーバーフローさせて排水するオーバーフロー配管62と、
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を所定の温度、例えば55~70度Cに加熱および保温する第3の加熱手段(加熱手段)61と、
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が満水となったときの水位を検知する満水センサ63と、
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の温度を計測する温度センサ64と、を備える。
食器洗浄タンク60に備える第3の加熱手段61は、満水センサ63が食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が満水であると検知しているときのみ作動し、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を所定の温度に加熱および保温するよう、温度センサ64からの信号を受ける制御盤18により制御されている。これにより、第3の加熱手段61の空炊きを防止することができる。
図5および図7(b)に示すように、食器洗浄タンク60に備えるストレーナ65は上下を開放した筒状で、食器洗浄タンク60から着脱自在である。上部を上面視で略矩形状である略直方体の形状として、後述する切替板154がストレーナ65の上部に入り込むよう側面側を矩形状に切欠き、上部から連続する下部を下方に向けて開口面積を小さくする四角錐の形状として、全体を多孔板であるパンチングプレートにより構成している。
ストレーナ65の下部の四角錐の先端は水平方向に切除された形状で下方に向けて開放しており、その開放された部分から、食器洗浄タンク60の底面に備える排水口68aへと接続する。これによりストレーナ65の下方から、ストレーナ65内に貯めた汚れや残菜等を第1の洗浄水とともに排水口68aから排水することができる。
食器洗浄タンク60の底部に備える排水口68aは、ストレーナ65の外側に設けた吸引口66とは水平方向に位置をずらして設けられ、排水弁68bを設けた排水配管68cの一端側へと接続する。排水配管68cに設けた排水弁68bは例えば制御盤18からの信号により開閉を制御する電磁弁であり、制御盤18からの信号を受けて開閉を行うものである。その排水配管68cの他端側は、下部外郭体20の基部23の下方に備えた残菜受け部160に向けて設置している。残菜受け部160については後述する。
また、食器洗浄タンク60の底面に設けた吸引口66には、板金を折り曲げて製作するクランク状の整流板(整流部)67が取り付けられる。整流板67は、食器洗浄ポンプ70を起動して食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が吸引口66に吸込まれるとき、整流板67のクランク状の一端側の平面により、吸引口66に吸込まれる第1の洗浄水の流れが作り出す渦の発生を抑制して、食器洗浄ポンプ70のエア噛みを抑制することができる。これにより、食器洗浄ポンプ70による安定した送水を行うことができる。
そして、図4に示すように、第2の食器洗浄配管71bからは、断面形状が矩形状の第3の食器洗浄配管(食器洗浄配管)71cへと接続して、洗浄室30の上方で水平方向へと屈曲して断面形状が矩形状の第4の食器洗浄配管71dへと続き、第4の食器洗浄配管71dから食器洗浄上ノズル72へと接続する。
また、第3の食器洗浄配管71cからは、断面形状が矩形状の第5の食器洗浄配管71eが水平方向へと分岐し、第5の食器洗浄配管71eは洗浄室30内の下方を通って食器洗浄下ノズル73へと接続する(図11(b)参照)。
また、第1の洗浄水を流動させる第3の食器洗浄配管71c、第4の食器洗浄配管71d、第5の食器洗浄配管71eは断面形状が矩形状である。また、洗浄装置1の背面側に設けた配管を配置するための空間は上面視で矩形状に構成している。
これにより、断面形状が他の形状(例えば円形状)である場合に比較して、限られた空間内でも第1の洗浄水が流動する流路断面積を大きくすることができ、食器洗浄ポンプ70により吐出した第1の洗浄水の流量を多くすることができるとともに、洗浄装置1の省スペース化を行うことができる。
なお、断面形状が矩形状の第3の食器洗浄配管71c、第4の食器洗浄配管71d、第5の食器洗浄配管71e以外の、第1の食器洗浄配管71aおよび第2の食器洗浄配管71bも断面形状を矩形状としてもよい。
しかしながら、第1の食器洗浄配管71aおよび第2の食器洗浄配管71bは洗浄装置1の構造上、管長方向から角度を有する方向に曲げた形状となりやすく、断面形状を矩形状とすることにより製作が困難となるおそれがある。そのため、第1の食器洗浄配管71aおよび第2の食器洗浄配管71bは管長方向から角度を有する方向へと曲げやすい、断面形状が円形状である管路とするのが好ましい。また、断面形状を円形状とすることにより、曲がり部分での配管抵抗による圧力損失を減らすことができる。
図9(b)に示すように、第4の食器洗浄配管71dは、下方の接続開口76を介して食器洗浄上ノズル72へと接続する。図9(a)に示すように、食器洗浄上ノズル72と仕上すすぎ上ノズル53とを所定の角度θ1を有した状態で保持するようボルト等で固定し、その食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53を挟み込むように複数個の軸受け(図示なし)を取付けて、食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53と、複数個の軸受けとを回転軸部52bにより貫通させ、貫通させた回転軸部52bの先端に切られた雌ネジに、下方から雄ネジ付きのキャップ(図示なし)を取付けて挟み込んで固定する。これにより、食器洗浄上ノズル72と仕上すすぎ上ノズル53との回転の中心軸を同軸とし、所定の角度θ1を有した状態で固定し、回転軸部52bに対して回転自在に固定している。
また、図9(b)に示すように、中空状で内部に流路を備えた食器洗浄上ノズル72は、長手方向に直交する方向の断面で下方側に、複数の半球状の突起74を有する。図9(a)に示すように、複数の半球状の突起74は食器洗浄上ノズル72の長手方向に間隔をあけて設けられ、複数の半球状の突起74にはスリット状の孔をあけて、複数のノズル口75を形成している。
スリット状の孔である複数のノズル口75は、食器洗浄上ノズル72の長手方向から所定の角度θ2、例えば25~26度を有して一様にあけられており、食器洗浄上ノズル72と仕上すすぎ上ノズル53とが、複数のノズル口75の傾きである所定の角度θ2と同じ所定の角度θ1を有した状態で固定されているため、食器洗浄上ノズル72の複数のノズル口75から噴射する第1の洗浄水が仕上すすぎ上ノズル53に接触することを、避けることができる。
さらに、食器洗浄上ノズル72の両端側(一端側および他端側)には、食器洗浄上ノズル72から噴射する第1の洗浄水の圧力により、食器洗浄上ノズル72および仕上すすぎ上ノズル53を上面視で左回りの方向(反時計回り)に回転するように、回転方向とは逆側に第1の洗浄水を噴射する回転ノズル口(図示なし)が設けられている。
食器洗浄上ノズル72に有する複数の半球状の突起74は、食器洗浄上ノズル72を取付ける回転軸部52bの中心軸線から、一端側に距離L14、距離L15、距離16の位置に有する。また、他端側には距離L17および距離L18の位置に有する。そしてそれぞれの複数の半球状の突起74には、ノズル口75が形成されている。
これにより、食器洗浄上ノズル72が回転して第1の洗浄水を噴射するとき、回転軸部52bを中心として、距離L14、距離L15、距離L16、距離L17、距離L18を半径とした円周上から第1の洗浄水を食器に向けて噴射し、ラックRに収納された複数の食器の上方から略まんべんなく洗浄水を噴射することができる。
なお、食器洗浄上ノズル72の複数のノズル口75の傾きである所定の角度θ2と、食器洗浄上ノズル72と仕上すすぎ上ノズル53とが固定される所定の角度θ1とは一例であり、食器洗浄上ノズル72から噴射した第1の洗浄水が仕上すすぎ上ノズル53に接触しなければ、どのような角度で構成してもよい。
また、食器洗浄上ノズル72と仕上すすぎ上ノズル53とが固定される所定の角度θ1と、食器洗浄上ノズル72の複数のノズル口75の傾きである所定の角度θ2とは、異なっていてもよい。
また、図10(b)に示すように、第5の食器洗浄配管71eは、上方の接続開口76を介して食器洗浄下ノズル73へと接続する。図10(a)に示すように、食器洗浄下ノズル73と仕上すすぎ下ノズル54とを所定の角度θ3で保持するようボルト等で固定し、その食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54を挟み込むように複数個の軸受け(図示なし)を取付けて、食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54と、複数個の軸受けとを回転軸部52bにより貫通させ、貫通させた回転軸部52bの先端に切られた雌ネジに、上方から雄ネジ付きのキャップ(図示なし)を取付けて挟み込んで固定する。これにより、食器洗浄下ノズル73と仕上すすぎ下ノズル54との回転の中心軸を同軸とし、所定の角度θ3を有した状態で固定し、回転軸部52bに対して回転自在に固定している。
また、図10(b)に示すように、中空状で内部に流路を備えた食器洗浄下ノズル73は、長手方向に直交する方向の断面で上方側に、複数の半球状の突起74を有する。図10(a)に示すように、複数の半球状の突起74は食器洗浄下ノズル73の長手方向に間隔をあけて設けられ、複数の半球状の突起74にはスリット状の孔をあけて、複数のノズル口75を形成している。
スリット状の孔である複数のノズル口75は、食器洗浄下ノズル73の長手方向から所定の角度θ4、例えば25~26度を有して一様にあけられており、食器洗浄下ノズル73と仕上すすぎ下ノズル54とが、複数のノズル口75の傾きと同じ所定の角度θ3を有した状態で固定されているため、食器洗浄下ノズル73の複数のノズル口75から噴射する第1の洗浄水が仕上すすぎ下ノズル54に接触することを、避けることができる。
さらに、食器洗浄下ノズル73の両端側(一端側および他端側)には、食器洗浄下ノズル73から噴射する第1の洗浄水の圧力により、食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54を上面視で右回りの方向(時計回り)に回転するように、回転方向とは逆側に第1の洗浄水を噴射する回転ノズル口(図示なし)が設けられている。
食器洗浄下ノズル73に有する複数の半球状の突起74は、回転軸部52bの中心軸線から、一端側に距離L19、距離L20、距離L21、距離L22の位置に有する。また、他端側には距離L23、距離L24、距離L25の位置に有する。そしてそれぞれの複数の半球状の突起74に、ノズル口75が形成されている。
これにより、食器洗浄下ノズル73が回転して第1の洗浄水を噴射するとき、回転軸部52bを中心として、距離L19、距離L20、距離L21、距離L22、距離L23、距離L24、距離L25を半径とした円周上から第1の洗浄水を食器に向けて噴射し、ラックRに収納された複数の食器の下方から略まんべんなく第1の洗浄水を噴射することができる。
なお、食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54は、回転軸部52bから雄ネジ付きのキャップを取り外すことで、回転軸部52bから着脱自在となるよう構成している。これにより、後述する洗浄装置1を洗浄する清掃ステップの際に、回転軸部52bから食器洗浄下ノズル73および仕上すすぎ下ノズル54を容易に取り外すことができる。
なお、食器洗浄下ノズル73の複数のノズル口75の傾きである所定の角度θ4と、食器洗浄下ノズル73と仕上すすぎ下ノズル54とが固定される所定の角度θ3とは一例であり、食器洗浄下ノズル73から噴射した第1の洗浄水が仕上すすぎ下ノズル54に接触しなければ、どのような角度で構成してもよい。
また、食器洗浄下ノズル73と仕上すすぎ下ノズル54とが固定される所定の角度θ3と、食器洗浄下ノズル73の複数のノズル口75の傾きである所定の角度θ4とは、異なっていてもよい。
(グラス洗浄系統の構成)
次に、グラス洗浄の系統について図5および図7を用いて構成を説明する。
図5および図7(c)に示すように、グラス洗浄系統は、
正面側から見て基部23の左側に所定の量、例えば弱アルカリ性洗剤を混ぜ合わせた純水である第2の洗浄水を略16リットル貯水する上面を開口した略直方体形状であるグラス洗浄タンク(タンク)80と、
グラス洗浄タンク80の底面に設けた吸引口86から、第1のグラス洗浄配管(グラス洗浄配管)91aを通じて、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を吸込んで、第2のグラス洗浄配管(グラス洗浄配管)91bへと吐出するグラス洗浄ポンプ(送水手段)90と、
開くことにより、第2のグラス洗浄配管91bから共有系統の合流配管(共有配管)110へと、グラス洗浄ポンプ90により吐出された第2の洗浄水を流動させる開閉弁92と、
グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水が所定の水位を越えた際に、第2の洗浄水を開口(符号なし)からオーバーフローさせて排水するオーバーフロー配管82と、
洗浄室30からグラス洗浄タンク80へと流動する洗浄水と、洗浄水に含まれるグラスに付着していた汚れや残菜等とを分離するストレーナ85と、
グラス洗浄タンク80の底部に設け、排水弁(排水部)87bを開けることによりグラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を排水配管(排水部)87cを通じて排水する排水口(排水部)87aと、
グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を所定の温度、例えば略45度Cに加熱および保温する第4の加熱手段(加熱手段)81と、
グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水が満水となったときの水位を検知する、例えばフロートタイプの満水センサ83と、
グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の温度を計測する温度センサ84と、を備える。
グラス洗浄タンク80に備える第4の加熱手段81は、満水センサ83がグラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水が満水であると検知しているときのみ作動し、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を所定の温度に加熱および保温するよう、温度センサ84からの信号を受ける制御盤18により制御されている。これにより、第4の加熱手段81の空炊きを防止することができる。
図5および図7(c)に示すグラス洗浄タンク80に備えるストレーナ85は、グラス洗浄タンク80から着脱自在である。上部を上面視で略矩形状である直方体の形状として、後述する切替板154がストレーナ85の上部に入り込むよう側面側を矩形状に切欠き、上部から連続する下部を上面断面視で対向する両辺を下方に向けて短くして、側面視で台形の形状としている。上部と下部とを連続させて、上方を開放した状態で全体を多孔板であるパンチングプレートにより構成している。台形形状の側面視のうち、下方の水平方向の辺を上方の水平方向の辺より短くすることにより、グラス洗浄タンク80に備える満水センサ83および温度センサ84への干渉を避けることができる。
グラス洗浄タンク80の底部に備える排水口87aは、吸引口86とは水平方向に位置をずらして設けられ、排水弁87bを設けた排水配管87cの一端側へと接続する。排水配管87cに設けた排水弁87bは、例えば制御盤18からの信号により開閉を制御する電磁弁であり、制御盤18からの信号を受けて開閉を行うものである。その排水配管87cの他端側は、下部外郭体20の基部23の下方に備えた残菜受け部160に向けて設置している。残菜受け部160については後述する。
(食器すすぎ系統および共有系統の構成)
次に、食器すすぎ系統および共有系統について図4、図5、図9および図10を用いて構成を説明する。
図4および図5に示すように、食器すすぎ系統は、
純水供給系統の給水管120から分岐し、開閉弁101を開くことにより、水道水である清水を流動させる食器すすぎ配管100と、
食器すすぎ配管100を流動する清水を管路上で所定の温度、例えば55~70度Cに加熱する、例えばインラインヒーターである第5の加熱手段(加熱手段)102と、
食器すすぎ配管100内を流動する、第5の加熱手段102により加熱した清水の温度を計測する温度センサ103と、
温度センサ103と合流配管110との間で、洗浄水を下流側である合流配管110側へのみ流動させる逆止弁104と、
を備える。
温度センサ103は、第5の加熱手段102により加熱した清水の温度を測定し、制御盤18へと信号を送る。制御盤18はその信号を受けて、食器すすぎ配管100を流動する清水を所定の温度に加熱するよう第5の加熱手段102の出力を調整する。
また、共有系統は、
食器すすぎ配管100と、第2のグラス洗浄配管91bとを合流させる配管である合流配管(共有配管)110を備える。
合流配管110からは、断面形状が矩形状の第1の共有配管(共有配管)112aへと接続して、第1の共有配管112aの上端付近で水平方向に延びる断面形状が矩形状の第2の共有配管(共有配管)112bへと続く。
温度センサ103と合流配管110との間に逆止弁104を備えていることにより、逆止弁104より下流側である第1の共有配管112a内の洗浄水が、合流配管110を通じて、食器すすぎ配管100へと逆流することを防止する。
つまり、詳細については後述するが、第1の共有配管112a内の洗浄水が第2の洗浄水であった場合、食器すすぎ配管100内の清水への逆流を防止することができる。
第2の共有配管112bは、2つに分岐する第3の共有配管(共有配管)112cへと続き、それぞれの第3の共有配管112cは洗浄室30の上方を通ってそれぞれ2つの共有上ノズル(共有ノズル)114へと接続する。
また、第1の共有配管112aからは、水平方向に延びる断面形状が矩形状の第4の共有配管(共有配管)112dへと分岐し、さらに2つに分岐する第5の共有配管(共有配管)112eへと続いて、ノズル接続部(共有配管)113を介してそれぞれ2つの共有下ノズル(共有ノズル)115へと接続する(図10(a)参照)。
また、洗浄水を流動させる第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第4の共有配管112dは断面形状が矩形状である。また、洗浄装置1の背面側に設けた配管を配置するための空間は上面視で矩形状に構成している。
これにより、断面形状が他の形状(例えば円形状)である場合に比較して、限られた空間内でも洗浄水が流動する流路断面積を大きくすることができ、共有配管内を流動する洗浄水の流量を多くすることができるとともに、洗浄装置1の省スペース化を行うことができる。
なお、断面形状が矩形状の第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第4の共有配管112d以外の、第3の共有配管112cおよび第5の共有配管112eも断面形状を矩形状としてもよい。
しかしながら、第3の共有配管112cおよび第5の共有配管112eは洗浄装置1の構造上、管長方向から角度を有する方向に曲げた形状となりやすく、断面形状を矩形状とすることにより製作が困難となるおそれがある。そのため、第3の共有配管112cおよび第5の共有配管112eは管長方向から角度を有する方向へと曲げやすい、断面形状が円形状である管路とするのが好ましい。また、断面形状を円形状とすることにより、曲がり部分での配管抵抗による圧力損失を減らすことができる。
図9(a)に示すように、略水平方向に長手方向を位置させるように洗浄室30の上部に取付けられる2つの共有上ノズル114は、一方端近傍を第3の共有配管112cに接続し、両端側(一方端および他方端)を閉じている。長手方向に間隔をあけて下方に向けて孔を設け、複数のノズルチップ117を取付けている。
また、図10(a)に示すように、第5の共有配管112eは共有下ノズル115へと接続する。共有下ノズル115は、一端側を第5の共有配管112eの端面であるノズル接続部113に着脱自在となるよう差し込んで接続しており、他端側を共有下ノズル115としてそれぞれ3つに分岐して先端を閉塞させ、後述する水返板部130である正面側水返板部131aに固定している。3つに分岐した共有下ノズル115は、長手方向に間隔をあけ、上方に向けて孔を設けて複数のノズル口116を形成している。
前述の通り食器洗浄上ノズル72と食器洗浄下ノズル73とは、洗浄水の圧力により回転するように構成されている。それに対して、共有上ノズル114と共有下ノズル115とは、食器洗浄上ノズル72と食器洗浄下ノズル73のように回転せずに固定された状態で洗浄室30内に取り付けられている。
このように、共有上ノズル114のノズルチップ117と共有下ノズル115のノズル口116とから洗浄水を噴射する方向は、食器洗浄上ノズル72のノズル口75と食器洗浄下ノズル73のノズル口75とから洗浄水を噴射する方向とは異なる方向に洗浄水を噴射するよう構成している。
これにより、ラックRに収納した被洗浄物に対し、食器洗浄上ノズル72と食器洗浄下ノズル73から噴射する洗浄水により届きにくい位置へと、共有上ノズル114と共有下ノズル115から噴射する洗浄水を届け、洗浄室30に収納した食器やグラスを略まんべんなく洗浄することができる。
なお、2つの共有下ノズル115はそれぞれ3つに分岐し、長手方向に間隔をあけ、上方に向けて孔を設けて複数のノズル口116を形成するよう説明したが、2つの共有下ノズル115をそれぞれ分岐させずに1本にて構成してもよい。その場合、共有下ノズル115の長手方向に間隔をあけ、上方の複数方向に向けて複数の角度で、孔を設けて複数のノズル口116を形成するのが好ましい。
なお、共有下ノズル115にあける複数のノズル口116は、例えば円形であるが、他にも矩形状であったり、三角形状、スリット状であってもよい。また、複数のノズル口116には、ノズルチップを取り付けてもよい。複数のノズル口116の形状を変更、またはノズルチップを取り付けることにより、共有下ノズル115から多角的に洗浄水を噴射させることができ、食器の洗浄性を向上させることができる。
(洗剤供給系統について)
次に、洗剤供給系統について説明する。
洗剤供給系統は、公知のものを使用しているのであえて図示しないが、
食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水へと、例えばアルカリ性洗剤を供給する食器洗浄タンク用洗剤供給器(洗剤供給器)(図示なし)と、
グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水へと、例えば弱アルカリ性洗剤を供給するグラス洗浄タンク用洗剤供給器(洗剤供給器)(図示なし)と、
食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水の洗剤濃度を、例えば電導度により測定する濃度センサ(図示なし)と、
グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水の洗剤濃度を、例えば電導度により測定する濃度センサ(図示なし)と、
2つの濃度センサが測定した洗剤濃度に合わせて、あらかじめ定めた洗剤濃度となるように食器洗浄タンク用洗剤供給器とグラス洗浄タンク用洗剤供給器から洗剤を供給するよう制御する洗剤供給制御部(図示なし)と、を備える。
なお、食器洗浄タンク用洗剤供給器から供給する洗剤、およびグラス洗浄タンク用洗剤供給器から供給する洗剤について、洗剤の種類を例示したが、例えばそれぞれから供給する洗剤は中性洗剤等でもよく、被洗浄物に付着した汚れにより適宜選択するのが好ましい。
ただし、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水とは洗浄室30内で接触するため、第1の洗浄水と第2の洗浄水とに混ぜ合わせる洗剤は、混ぜ合わせたとしても安全なものを使用するのが好ましい。
なお、洗剤供給制御部を制御部18に電気的に接続し、洗剤供給制御部の制御を制御部18にて行ってもよい。また、洗剤供給制御部は制御部18に備えていてもよい。これにより、洗剤供給器からの洗剤の供給量の制御を、制御盤18により行うことができる。
なお、仕上すすぎタンク40に貯水した純水に、表面張力を低下させるリンス剤を供給する仕上すすぎタンク用リンス剤供給器を設けてもよい。これにより、後述する食器洗浄モードおよびグラス洗浄モードの仕上すすぎステップを終えた後に、食器やグラスに付着した洗浄水の水切れをよくして、食器やグラスの表面にウォータースポットが残りにくくすることができる。
なお、純水系統の純水器122を軟水器とし、軟水にて仕上すすぎステップを終えた食器やグラスに付着した洗浄水の水切れがよく、食器やグラスの表面にウォータースポットが残らない、または残ったとしても極端に少ない場合は、そのような構成としてもよい。なお、食器やグラスの表面にウォータースポットが極端に少なくとも残る場合に、そのウォータースポットが食器やグラスの表面に残らないようにするために、仕上すすぎタンク40にリンス剤を供給する仕上すすぎタンク用リンス剤供給器を設けてもよい。
なお、純水系統の純水器122を取り外して給水管120と第1の純水供給配管123aとを接続し、仕上すすぎタンク40にリンス剤を供給する仕上すすぎタンク用リンス剤供給器を設けた場合であって、仕上すすぎステップを終えた食器やグラスに付着した洗浄水の水切れがよく、食器やグラスの表面にウォータースポットが残らない、または残ったとしても極端に少ない場合は、そのような構成としてもよい。
(水返板部、集水部、切替部の構成)
次に、水返板部130、集水部140および切替部150について、図7、図11、図12を用いて構成を説明する。
洗浄室30の下部には、図11(a)に示すように、扉部11と仕切部材6との間から外部へと洗浄水を漏れ出さないように水返しをする水返板部130を備える。洗浄装置1のフレーム5の内側に取付けた水返板部130は、正面側水返板部131aと、左側面側水返板部131bと、右側面側水返板部131cとにより構成されており、正面側水返板部131aと、左側面側水返板部131bと、右側面側水返板部131cとは、扉部11を閉めたとき、扉部11の内側に位置するように取り付けられる。
そして、正面側水返板部131aと、左側面側水返板部131bと、右側面側水返板部131cとは、洗浄室30に収容したラックRを下方から支持するラック支持部37と共有下ノズル115と、一体となるよう構成され、洗浄装置1のフレーム5の内側に取付けた断面形状L字状の金具(図示なし)に載置し、洗浄室30から着脱自在としている。
水返板部130は、洗浄室30内で噴射された洗浄水が仕切部材6に向かって飛散したとしても、後述する集水部140へと落下流動させるよう導く。また、正面側水返板部131aと左側面側水返板部131bとの間、および正面側水返板部131aと右側面側水返板部131cとの間には隙間が形成されており、扉部11の内側に向かって飛散し、扉部11の内側を伝って流動した洗浄水を、より下方に備える集水部140へと落下流動させるよう導く。
また、図11(b)に示すように、水返板部130の下方には、洗浄室30で噴射した洗浄水を下方へと導く、洗浄装置1のフレーム5に着脱自在に取り付けた集水部140を備える。集水部140は、板金により形成され、着脱自在となるようフレーム5の仕切部材6に載置して取付ける。
集水部140は、略鉛直方向に立てた側壁部141と、上面視で集水部140の中央側に向かって、鉛直方向の下方へと傾斜する傾斜部142と、上面視で集水部140の略中央で開口する開口部143と、側壁部141と傾斜部142とにまたがって張出し、開口部143から開口が洗浄装置1の背面側に連続した張出部144と、を備える。
張出部144は、洗浄装置1の背面側から正面側に向かって管長方向を水平方向に配置した第5の食器洗浄配管71eおよび第4の仕上すすぎ配管51dを通すための空間を形成するために設けられている。
なお、集水部140は樹脂により形成してもよい。これにより、集水部140を構成する部材を軽量化して、後述する清掃ステップにおいて集水部140の取り外しと取り付けをしやすくし、洗浄装置1の清掃を容易とすることができる。
図11(c)、および図12に示すように、集水部140の下方には、開口部143から落下流動した洗浄水を、目的とするタンクである食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80へと落下流動させる切替部150を備える。なお、図12は駆動手段152と切替板154との構成を示しているため、一部の構成を省略している。
切替部150は、板状の上面で洗浄水の流れを導く切替板154と、切替板154を着脱自在に取り付けて支持する支持部156と、駆動することで支持部156および切替板154の傾きを変更する駆動手段152と、切替板154の傾いている位置を検知するリミットスイッチ(センサ)157と、を有する。
図12に示すように、切替板154は上面視矩形状で、板金を折り曲げて製作した板状の部材で、一端側を食器洗浄タンク60側に、または他端側をグラス洗浄タンク80側に傾けることで、集水部140の開口部143から落下流動した洗浄水を上面に受け、食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80へと落下流動させる。
切替板154の水平方向に対する傾きは、集水部140の傾斜部142の傾きと略同角度であり、これにより集水部140の開口部143から落下流動する洗浄水を、切替板154を介して食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80へと円滑に、確実に落下流動させることができる。
また、正面視で、切替板154は仕上すすぎタンク40の上部の三角形状の流動傾斜部151の上に設けている。これにより、万が一、切替板154から洗浄水が溢れたとしても、食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80へと、洗浄水を落下流動させることができる。
また、切替板154は、両端側(一端側および他端側)に上方に折り曲げた折返し部(誘導手段)155を有する。折返し部155は、切替板154を食器洗浄タンク60側またはグラス洗浄タンク80側に傾けることにより、食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80のうちの目的とする一方側のタンクに、洗浄室30で噴射され落下流動する洗浄水を誘導し、目的としない他方側のタンクに洗浄水が落下流動することを抑制することができる。折返し部155の詳細については、後述する。
モータである駆動手段152の回動する駆動軸(符号なし)の一端側には、駆動軸の中心軸線に直交する方向に長手方向を配置した長尺状の接触部153を取付ける。そして、接触部153の一端側を食器洗浄タンク60側へと、他端側をグラス洗浄タンク80側へと延在させる。接触部153は、駆動手段152を駆動して駆動軸を回動させることにより、食器洗浄タンク60側またはグラス洗浄タンク80側へと傾く。
また、駆動軸の他端側は、切替板154を支持する支持部156に固定している。駆動手段152を駆動して駆動軸を回動することにより接触部153の傾きは変わるが、同時に切替板154を支持する支持部156の傾きも同じように変わる。そのため、水平方向に対する支持部156の傾き、つまり切替板154の傾きと、接触部153の傾きとは同じとなるように構成される。
駆動手段152を駆動して駆動軸を回動し、切替板154を食器洗浄タンク60側に傾けたとき、接触部153の一端側は食器洗浄タンク60側のリミットスイッチ157の検知部(符号なし)に接触する。また、駆動手段152を駆動して駆動軸を回動し、切替板154をグラス洗浄タンク80側に傾けたとき、接触部153の他端側はグラス洗浄タンク80側のリミットスイッチ157の検知部(符号なし)に接触する。
リミットスイッチ157は、検知部に接触部153が接触することで制御盤18へと信号を送る。これにより、切替板154が食器洗浄タンク60側またはグラス洗浄タンク80側のどちらに傾いているかをリミットスイッチ157により検知して、制御盤18へと知らせることができる。
万が一、意図していない側のリミットスイッチ157に接触部153が接触している状態、またはどちら側のリミットスイッチ157にも接触していない状態で所定の時間、例えば5秒が経過した場合は、食器の洗浄を中止し、制御盤18はエラー表示をして、警告音等を鳴らすことで作業者に知らせるよう構成している。
このように、切替部150は選択したタンク、つまり洗浄水を落下流動させるよう意図したタンクを、選択して切り替えることができるものである。
図7(b)および図7(c)における二点鎖線で示す切替板154は、切替板154をグラス洗浄タンク80側へと傾けたときの位置を示すが、切替板154は、食器洗浄タンク60側へと傾けることにより食器洗浄タンク60に備えるストレーナ65の上部に有する切欠きの内側へと入り込み、切替板154をグラス洗浄タンク80側へと傾けることによりグラス洗浄タンク80に備えるストレーナ85の上部に有する切欠きの内側へと入り込む。つまり、切替板154の幅は、ストレーナ65、85の幅より狭くなるよう構成されている。
なお、切替板154の水平方向に対する傾きの角度は、集水部140の傾斜部142の傾きの角度よりも大きい角度としてもよい。その場合、集水部140の開口部143から落下流動する洗浄水を、切替板154を介して食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80へとより速やかに、落下流動させることができる。
(残菜受け部の構成)
次に、残菜受け部160について、図5、図6および図13を用いて構成を説明する。
図6および図13に示すように、洗浄装置1の基部23と施設の床面との間には残菜受け部160を備えている。残菜受け部160は、上面視で略矩形状の枠材の底面側に多孔板であるパンチングプレートを取付けた残菜篭162と、上面視で略矩形状の枠材の底面側を板金により構成し、板金の一部に施設側の排水溝へと接続する排水口164を有する排水受け163と、残菜篭162および排水受け163を基部23の下方に支持する支持部161とにより構成されている。残菜篭162は支持部161から水平方向にスライドすることにより着脱可能であり、排水受け163は支持部161に固定されている。
図5に示すように、残菜篭162のパンチングプレートには、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を排水する排水配管68cの排水側の口と、グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水を排水する排水配管87cの排水側の口と、仕上すすぎタンク40のオーバーフロー配管43の排水側の口と、食器洗浄タンク60のオーバーフロー配管62の排水側の口と、グラス洗浄タンク80のオーバーフロー配管82の排水側の口とが向けられるよう配置する。
これにより、それぞれの排水配管68c、87cおよびオーバーフロー配管62、82から排水された洗浄水を集め、パンチングプレートにより残菜等を分離して排水受け163に一時的に貯水し、排水受け163の排水口164から施設側の排水溝へと排水する。
また、仕上すすぎ系統のオーバーフロー配管43は食器やグラスに付着していた汚れや油分、残菜等を含まないが、オーバーフロー配管43からパンチングプレートに向けて排水することにより、洗浄装置1からの排水経路をまとめることができる。
図13に示す残菜篭162の枠材の底面側には多孔板であるパンチングプレートを取付けているが、図面の見やすさを考慮して、パンチングプレートの孔は省略している。
(集水部および切替部での洗浄水の落下流動について)
集水部140および切替部150での、洗浄水の落下流動について、図5、図7、図8、および図11を用いて具体的に説明する。
図5に示す洗浄室30で噴射された洗浄水は、ラックRに収納した食器やグラスに噴射された後に、洗浄室30で食器やグラス、ラックRに接触して飛散、または食器やグラスに接触することなく飛散し、扉部11の内側に付着して下方へと落下流動する。または、ラックRに収納した食器やグラスに噴射された後に、洗浄室30で食器やグラス、ラックRに接触してそのまま下方へと落下流動する。
扉部11の内側に付着して下方へと落下流動した洗浄水は、扉部11と水返板部130との間を通り、図11(a)に示す正面側水返板部131aと左側面側水返板部131bとの隙間、および正面側水返板部131aと右側面側水返板部131cとの隙間から、集水部140へと落下流動する。そして、直接、集水部140へと落下流動した洗浄水とともに、開口部143から切替部150へと落下流動する。
集水部140の開口部143から切替部150へと落下流動した洗浄水は、図11(c)に示す切替板154の上に落下流動する。駆動手段152を駆動して駆動軸を回動させ、切替板154を食器洗浄タンク60側、またはグラス洗浄タンク80側に傾けているため、傾けた切替板154の下方側へと洗浄水を落下流動させる。
図7(b)および図8(a)に示すように、切替板154が食器洗浄タンク60側に傾いている場合、切替板154の一端側は食器洗浄タンク60のストレーナ65の上部に有する側面視で矩形状の切欠きの内側へ入り込んでいるため、切替板154の上を流動する洗浄水は食器洗浄タンク60のストレーナ65内へと落下流動する。
そして、洗浄水に含まれていた汚れや残菜等のうち、ストレーナ65を構成するパンチングプレートの目よりも大きなものはストレーナ65の内側に捕集され、パンチングプレートの目よりも小さなものと、洗浄水とは、ストレーナ65の内側および外側、つまり食器洗浄タンク60内に貯められる。
食器洗浄タンク60のストレーナ65へと落下流動した洗浄水は、ストレーナ65により、パンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等と、油分やパンチングプレートの目よりも小さな汚れ、残菜等とに分離される。
また、図7(c)および図8(b)に示すように、切替板154がグラス洗浄タンク80側に傾いている場合、切替板154の他端側はグラス洗浄タンク80のストレーナ85の上部に有する側面視で矩形状の切欠きの内側へ入り込んでいるため、切替板154の上を流動する洗浄水はグラス洗浄タンク80のストレーナ85内へと落下流動する。
そして、洗浄水に含まれていた油分や汚れ、残菜等のうち、ストレーナ85を構成するパンチングプレートの目よりも大きなものはストレーナ85の内側に捕集され、油分やパンチングプレートの目よりも小さなものと、洗浄水はストレーナ85から下方へと落下流動して、グラス洗浄タンク80に貯められる。
グラス洗浄タンク80のストレーナ85へと落下流動した洗浄水は、ストレーナ85によりパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等と、油分やパンチングプレートの目よりも小さな汚れ、残菜等とに分離される。
また、図8(a)に示すように、食器洗浄タンク60側に傾けた切替板154に洗浄水を落下流動させたとき、切替板154に有する折返し部155により、洗浄水がグラス洗浄タンク80へと落下流動することを抑制することができる。
具体的に説明すると、切替板154が食器洗浄タンク60側に傾いているとき、切替板154に落下流動する洗浄水は食器洗浄タンク60側へと落下流動する。しかしながら、そのときの開口部143から落下流動する洗浄水の勢いや向きにより、切替板154の傾斜を上昇するように流動し、グラス洗浄タンク80へと落下流動しようとする流れも生まれる。その流れの洗浄水がグラス洗浄タンク80へと落下流動しないように他端側の折返し部155により勢いを止め、食器洗浄タンク60へと落下流動するように導くことができる。
また、図8(b)に示すように、切替板154がグラス洗浄タンク80側に傾いているときは、食器洗浄タンク60へと洗浄水が落下流動しないように一端側の折返し部155により勢いを止め、グラス洗浄タンク80へと落下流動するように導くことができる。
これにより、洗浄水を目的とするタンクである食器洗浄タンク60またはグラス洗浄タンク80へと落下流動するよう制御し、後述する洗浄装置1の動きにおいて、清浄度の異なる洗浄水が、意図しない洗浄水に混ざり合うことを抑制して、清浄度が意図せず低くなることを防止することができる。そして、食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水による食器やグラスの洗浄における洗浄性が、意図せず低下することを防止することができる。
なお、折返し部155は切替板154の両端側(一端側と他端側)を折り返す形状に限定されない。例えば、集水部140の側壁部141および傾斜部142や切替板154の上面に、板材を取付ける、エンボス加工を施す、等により凹凸を設けることで、洗浄水の流動の勢いを制御し、その流れを誘導してもよい。
(洗浄装置の動き)
次に、本実施形態の洗浄装置1を用いた洗浄方法の概要について図14を参照しつつ、図1、図5、および図15~図16を用いて説明する。
まず、各ステップの概略を説明するが、図14に示すように、本実施形態の洗浄装置1を用いた洗浄方法は、大きく分けて運転準備ステップと、モード選択ステップと、洗浄ステップと、清掃ステップとにより構成される。
そして、モード選択ステップで選択したモード、すなわち食器洗浄モードまたはグラス洗浄モードにより洗浄ステップで行う内容が異なるため、洗浄ステップの内容については、運転準備ステップから清掃ステップの概要について説明した後に説明する。
まず初めに説明する運転準備ステップでは、図15に示すように、純水器122により給水管120より供給した清水から精製した純水を、純水供給配管123a、123b、三方弁124を通じて仕上すすぎタンク40に満水となる水位まで貯水する。満水となる水位まで貯水した後に、仕上すすぎタンク40に貯水した純水を加熱手段41、42により所定の温度に加熱する。
それとともに、給水管120から供給する清水を、食器すすぎ配管100に設けた第5の加熱手段102により所定の温度に加熱しつつ、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112eを通じて、共有ノズル114、115から洗浄室30内で噴射する。これにより、洗浄室30内の部材を昇温しつつ、切替板154を介して食器洗浄タンク60へと清水を落下流動させて、満水となる水位まで貯水する。
図16に示すように、仕上すすぎタンク40に貯水する純水が満水となる水位となった後、純水供給系統の三方弁124の経路を切替えて、純水を純水供給配管123a、123cを通じてグラス洗浄タンク80へと供給する。
そして、食器洗浄タンク60に貯水した清水と、グラス洗浄タンク80に貯水した純水とが、満水となる水位まで貯水する。食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80に満水となる水位まで貯水した後に、食器洗浄タンク60に貯水した清水を第3の加熱手段61により所定の温度に加熱し、グラス洗浄タンク80に貯水した純水を第4の加熱手段81により所定の温度に加熱する。
また、仕上すすぎタンク40およびグラス洗浄タンク80に貯水した純水、食器洗浄タンク60に貯水した清水のそれぞれを所定の温度まで加熱しつつ、図示しない洗剤供給系統により、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の洗剤濃度と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の洗剤濃度とが、あらかじめ定めた洗剤濃度となるまで洗剤を供給する。
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水との洗剤濃度があらかじめ定めた洗剤濃度となった後に、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18により運転準備ステップが終了したことを作業者に伝える。
運転準備ステップの後に行うモード選択ステップでは、図1に示す制御盤18の操作部を操作することにより、食器を洗浄する食器洗浄モードと、グラスを洗浄するグラス洗浄モードとのどちらかを選択する。そして、切替板154がグラス洗浄タンク80側に傾いていた場合は、駆動手段152を駆動させて、切替板154を食器洗浄タンク60側へと傾ける。
モード選択ステップの後に行う洗浄ステップでは、モード選択ステップで選択したモードにより行う内容が異なる。そのため、食器洗浄モードを選択した場合の洗浄ステップと、グラス洗浄モードを選択した場合の洗浄ステップについては、後述する。
もし、洗浄ステップの後に食器やグラスの洗浄を行う予定が長時間ない場合、後述する洗浄ステップのうちの仕上すすぎステップの後に清掃ステップを行う。清掃ステップでは、図5に示す食器洗浄タンク60の排水弁68b、およびグラス洗浄タンク80の排水弁87bを制御盤18から送る信号で開くことで、食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水を、食器またはグラスに付着していた汚れや油分、残菜等とともに排水する。また、仕上すすぎタンク40の排水弁47cを手動で開くことにより、仕上すすぎタンク40に貯水した純水を排水する。
そして、洗浄水の排水が完了した後に、洗浄室30内と、食器洗浄タンク60内と、グラス洗浄タンク80内の着脱自在な部材等を取り外してシンク等へと運び、清掃する。清掃した着脱自在な部材を洗浄装置1に取付けて、次回の運転準備ステップに備える。
なお、モード選択ステップ、および洗浄ステップをあわせて、洗浄サイクルと称する。また、本実施形態の洗浄装置1は、繰り返し複数の洗浄サイクルを行い得るものである。
次に、図14を参照しつつ、モード選択ステップで食器洗浄モードを選択した場合の洗浄ステップの概要について、図17~図22を用いて説明する。その場合の洗浄ステップは、洗浄水切替ステップと、食器収納ステップと、食器洗浄ステップと、排水ステップと、食器すすぎステップと、仕上すすぎステップと、再洗浄準備ステップとにより構成される。
食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、まず最初に行う洗浄水切替ステップでは、前回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択したモードが、現在選択されているモードと異なる場合に行う。後述するグラス洗浄モードでの洗浄ステップでは、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115に第2の洗浄水を供給しているため、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115には洗浄水が残留した状態となっている。
そこで、図17に示すように、食器すすぎ配管100から所定の温度の清水を合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115へと供給することで、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115内で残留していた洗浄水と、所定の温度の清水とを、共有ノズル114、115から噴射させる。
これにより、洗浄室30内の部材を昇温させつつ、後述する食器すすぎステップで共有ノズル114、115から噴射する洗浄水を意図した洗浄水、つまり所定の温度の清水とすることができる。
洗浄水切替ステップの後に行う食器収納ステップでは、作業者が制御盤18に設けたボタン(図示なし)を押すことにより、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18から送る信号により扉部11を上昇させて開ける。そして、作業者が複数の食器を収納したラックRを洗浄室30に収容し、制御盤18に有する洗浄開始スイッチ(図示なし)を押すことで、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18から送る信号により扉部11を下降させて閉める。
そして、扉部11が下降して閉まると次の食器洗浄ステップに移る。
図18に示すように、食器収納ステップの後に行う食器洗浄ステップでは、食器洗浄タンク60に貯水した所定の温度の第1の洗浄水を食器洗浄ポンプ70により吸込んで吐出し、食器洗浄配管71a、71b、71c、71d、71eを通じて、食器洗浄ノズル72、73からラックRに収納された食器に向けて、所定の時間噴射する。そして、噴射した第1の洗浄水を切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動させることにより、第1の洗浄水を循環させて食器に付着した汚れや油分、残菜等を洗い流す食器洗浄を行う。
図19に示すように、食器洗浄ステップの後に行う排水ステップでは、食器洗浄タンク60の排水配管68cに有する排水弁68bを制御盤18から送る信号で所定の時間開くことにより、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水のうち所定の量を排水する。これにより、食器洗浄タンク60に貯まった食器に付着していた汚れや油分、残菜等を、第1の洗浄水とともに食器洗浄タンク60から排出する。
図20に示すように、排水ステップの後に行う食器すすぎステップでは、食器すすぎ配管100から所定の温度の清水を、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112eを通じて供給することで、洗浄室30内で共有ノズル114、115からラックRに収納した食器に向けて所定の時間噴射する。これにより、食器に食器洗浄ステップで付着した第1の洗浄水や、食器に付着した汚れや油分、残菜等を洗い流しつつ、噴射した清水を食器洗浄タンク60へと落下流動させて、食器洗浄タンク60に洗浄水を供給する食器すすぎステップを行う。
図21に示すように、食器すすぎステップの後に行う仕上すすぎステップでは、仕上すすぎタンク40に貯水した所定の温度の純水を仕上すすぎ配管51a、51b、51c、51dを通じて、仕上すすぎポンプ50により吸込んで吐出し、仕上すすぎノズル53、54からラックRに収納した食器に向けて、所定の時間噴射する。
これにより、噴射した純水により食器に付着した洗浄水を洗い流す仕上すすぎを行う。そして、仕上すすぎを行いつつ、食器洗浄タンク60へと純水を落下流動させ、食器洗浄タンク60に洗浄水を貯水する。
食器すすぎステップおよび仕上すすぎステップで食器洗浄タンク60に流動し、食器洗浄タンク60に貯水された第1の洗浄水が満水となる水位よりも高い水位となったとき、所定の水位を越えた分の洗浄水をオーバーフロー配管62により排水する。これにより、排水ステップでは排水することが困難であった食器洗浄タンク60に貯水した洗浄水の水面付近に漂う油分を、第1の洗浄水とともに排水することができ、食器洗浄タンク60の清浄度を高めることができる。
そして、所定の時間の純水の噴射が終了した後に、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18から送る信号により扉部11を開けて、作業者が複数の食器を収納したラックRを取り出す。
仕上すすぎステップが終了した後に、引き続き食器やグラスの洗浄を行う場合、再洗浄準備ステップを行う。
図22に示すように、再洗浄準備ステップでは、扉部11を閉めて、仕上すすぎステップで満水である水位よりも低い水位となった仕上すすぎタンク40に、満水となる水位まで純水を供給して貯水する。
加えて、もし食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が満水である水位よりも低い水位となっていた場合は、開閉弁101を開放し、食器すすぎ配管100に設けた第5の加熱手段102により所定の温度に加熱しつつ、共有ノズル114、115から洗浄室30内で噴射する。これにより、洗浄室30内の部材を昇温しつつ、切替板154を介して食器洗浄タンク60へと清水を落下流動させて、満水となる水位まで貯水する。
そして、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の洗剤濃度と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の洗剤濃度とがあらかじめ定めた洗剤濃度となるように、洗剤供給系統により洗剤を供給する。これにより、食器洗浄モードでの洗浄ステップが終了する。
次に、図14を参照しつつ、モード選択ステップでグラス洗浄モードを選択した場合の洗浄ステップの概要について図23~図27を用いて説明する。その場合の洗浄ステップは、洗浄水切替ステップと、グラス収納ステップと、グラス洗浄ステップと、排水ステップと、仕上すすぎステップと、再洗浄準備ステップとにより構成される。
グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、まず最初に行う洗浄水切替ステップは、前回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択したモードが、現在選択されているモードと異なる場合に行う。食器洗浄モードで行う洗浄ステップのうち、食器すすぎステップでは、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115に清水を供給しているため、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115には洗浄水が残留した状態となっている。
そこで、図23に示すように、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水をグラス洗浄配管91a、91bを通じて、グラス洗浄ポンプ90により吸込んで吐出し、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115へと供給することで、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112e、共有ノズル114、115内で残留していた洗浄水と、所定の温度の第2の洗浄水とを、共有ノズル114、115から噴射させる。
これにより、洗浄室30内の部材を昇温させつつ、後述するグラス洗浄ステップで共有ノズル114、115から噴射する洗浄水を意図した洗浄水、つまり第2の洗浄水とすることができる。
洗浄水切替ステップの後に行うグラス収納ステップでは、作業者が制御盤18に設けたボタン(図示なし)を押すことにより、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18から送る信号により扉部11を上昇させて開ける。そして、作業者が複数のグラスを収納したラックRを洗浄室30に収容し、制御盤18に有する洗浄開始スイッチ(図示なし)を押すことで、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18から送る信号により扉部11を下降させて閉める。
そして、扉部11が下降して閉まると次のグラス洗浄ステップに移る。
図24に示すように、グラス収納ステップの後に行うグラス洗浄ステップでは、まず、食器洗浄タンク60側に傾いている切替板154を、駆動手段152により、グラス洗浄タンク80側に傾ける。
そして、グラス洗浄タンク80に貯水した所定の温度の第2の洗浄水をグラス洗浄ポンプ90により吸込んで吐出し、グラス洗浄配管91a、91bを通じて、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112eへと供給することで、共有ノズル114、115からラックRに収納したグラスに向けて、所定の時間噴射する。そして、第2の洗浄水を切替板154を介してグラス洗浄タンク80へと落下流動させることにより、第2の洗浄水を循環させてグラスに付着した汚れや油分、残菜等を洗い流すグラス洗浄を行う。
図25に示すように、グラス洗浄ステップの後に行う排水ステップでは、グラス洗浄タンク80の排水配管87cに有する排水弁87bを制御盤18から送る信号で所定の時間開くことにより、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水のうち所定の量を排水する。これにより、グラス洗浄タンク80に貯まったグラスに付着していた汚れや油分、残菜等を、第2の洗浄水とともにグラス洗浄タンク80から排出する。
図26に示すように、排水ステップの後に行う仕上すすぎステップでは、仕上すすぎタンク40に貯水した所定の温度の純水を仕上すすぎ配管51a、51b、51c、51dを通じて、仕上すすぎポンプ50により吸込んで吐出し、仕上すすぎノズル53、54からグラスに向けて、所定の時間噴射する。
これにより、噴射した純水によりラックRに収納したグラスに付着した洗浄水を洗い流す仕上すすぎを行う。そして、仕上すすぎを行いつつ、グラス洗浄タンク80へと純水を落下流動させ、グラス洗浄タンク80に貯水する。
仕上すすぎステップでグラス洗浄タンク80に流動し、グラス洗浄タンク80に貯水された第2の洗浄水が満水となる水位よりも高い水位となったとき、所定の水位を越えた分の洗浄水をオーバーフロー配管82により排水する。これにより、排水ステップでは排水することが困難であったグラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水の水面付近に漂う油分を、第2の洗浄水とともに排水することができ、グラス洗浄タンク80の清浄度を高めることができる。
そして、所定の時間の純水の噴射が終了した後に、制御盤18から鳴る警告音とともに、制御盤18から送る信号により扉部11を開けて、作業者が複数のグラスを収納したラックRを取り出す。
仕上すすぎステップが終了した後に、引き続き食器やグラスの洗浄を行う場合、再洗浄準備ステップを行う。
図27に示すように、再洗浄準備ステップでは、扉部11を閉めて、仕上すすぎステップで満水である水位よりも低い水位となった仕上すすぎタンク40に、満水となる水位まで純水を供給して貯水する。加えて、もしグラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水が満水である水位よりも低い水位となっていた場合は、三方弁124を切替えて、グラス洗浄タンク80に満水となる水位まで純水を供給する。
そして、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の洗剤濃度と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の洗剤濃度とがあらかじめ定めた洗剤濃度となるように、洗剤供給系統により洗剤を供給する。これにより、グラス洗浄モードでの洗浄ステップが終了する。
次に、図14に示す各ステップについて、具体的に説明していく。
(運転準備ステップ)
まず、運転準備ステップについて、図15および図16を用いて具体的に説明する。
制御盤18に有する電源ボタン(図示なし)により電源を入れると、もし扉部11が開いた状態であったときは、制御盤18から鳴る警告音とともに、扉部開閉手段である駆動手段33の駆動軸34が回動して、第1の扉アーム31と第2の扉アーム32とにより扉部11を鉛直方向に下降させて閉めた状態とする。
扉部11を閉めた状態で、図15に示すように、三方弁124を制御盤18からの信号により、第1の純水供給配管123aから第2の純水供給配管123bへと純水が流動するように設定した上で、制御盤18から送る信号により純水供給系統の開閉弁121を開き、給水管120から供給される清水を純水器122へと流動させる。そして、純水器122により純水を精製する。それとともに、もし、切替板154がグラス洗浄タンク80側に傾いている場合は、制御盤18から送る電気信号により駆動手段152を駆動させて、切替板154を食器洗浄タンク60側に傾ける。
純水器122により精製された純水は、第1の純水供給配管123aから三方弁124を介して第2の純水供給配管123bへと流動し、仕上すすぎタンク40へと供給されて貯水される。
そして、満水センサ44が仕上すすぎタンク40に貯水した純水が満水である水位となったことを検知した後に、制御盤18により純水供給系統の開閉弁121を閉じて、仕上すすぎタンク40に設けた第1の加熱手段41および第2の加熱手段42により、仕上すすぎタンク40に貯水した純水を所定の温度まで加熱し、保温する。
それとともに、図16に示すように、制御盤18から送る信号により食器すすぎ系統の開閉弁101を開き、給水管120から供給される清水を第5の加熱手段102により所定の温度に加熱して、逆止弁104へと流動させ、さらに合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112cを通じて洗浄室30内で、共有上ノズル114から噴射する。
また、所定の温度の清水は、第1の共有配管112aから分岐する第4の共有配管112d、さらに第5の共有配管112eを通じてノズル接続部113を介し、洗浄室30内で、共有下ノズル115から噴射される。
共有上ノズル114および共有下ノズル115から噴射された所定の温度の清水は、洗浄室30内の部材を昇温しつつ、切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動し、食器洗浄タンク60へと貯水される。そして、満水センサ63が食器洗浄タンク60に貯水した所定の温度の清水が満水であると検知した後に、制御盤18により食器すすぎ系統の開閉弁101を閉じて、第5の加熱手段102の作動を停止し、洗浄室30内での共有上ノズル114および共有下ノズル115からの所定の温度の清水を噴射することを停止する。
満水センサ63が、食器洗浄タンク60に貯水した清水が満水である水位となったことを検知した後に、第3の加熱手段61により食器洗浄タンク60に貯水した清水を所定の温度に加熱し、保温する。そして、洗剤供給系統により食器洗浄タンク60に貯水した清水へと洗剤を供給し、食器洗浄タンク60に貯水した清水があらかじめ定めた洗剤濃度となるように濃度センサ(図示なし)により洗剤の濃度を測定しつつ、食器洗浄タンク用洗剤供給器により供給する洗剤の量を調整し、食器洗浄タンク60に貯水した清水を、食器の洗浄に使用する第1の洗浄水とする。
また、仕上すすぎタンク40に貯水した純水が満水である水位となったことを満水センサ44が検知した後に、制御盤18からの信号により開閉弁121を閉じる。その後、三方弁124の経路を第1の純水供給配管123aから第3の純水供給配管123cへと純水が流動するように切替えてから、開閉弁121を開く。
三方弁124の経路が切り替わると、純水器122により清水から精製した純水が第1の純水供給配管123aから三方弁124を介して、第3の純水供給配管123cへと流動して、グラス洗浄タンク80へと貯水される。
満水センサ83が、グラス洗浄タンク80に貯水した純水が満水である水位となったことを検知した後に、グラス洗浄タンク80に設けた第4の加熱手段81により、グラス洗浄タンク80に貯水した純水を所定の温度に加熱し、保温する。そして、洗剤供給系統によりグラス洗浄タンク80に貯水した純水へと洗剤を供給し、グラス洗浄タンク80に貯水した純水があらかじめ定めた洗剤濃度となるように濃度センサ(図示なし)により洗剤の濃度を測定しつつ、グラス洗浄タンク用洗剤供給器により供給する洗剤の量を調整し、グラス洗浄タンク80に貯水した純水を、グラスの洗浄に使用する第2の洗浄水とする。
グラス洗浄タンク80に貯水した純水が満水である水位となった後に、制御盤18により開閉弁121を閉じ、次いで第1の純水供給配管123aから第2の純水供給配管123bへと純水が流動するように、三方弁124の経路を切替える。
仕上すすぎタンク40、食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水が満水である水位であり、それぞれが所定の温度となり、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水とがあらかじめ定めた洗剤濃度となったところで、制御盤18から鳴る警告音とともに、運転準備ステップは終了する。
そして、次のステップであるモード選択ステップへと移行する。
このように、運転準備ステップでは、共有上ノズル114および共有下ノズル115から所定の温度の清水を噴射して洗浄室30内および洗浄室30内の部材を昇温しつつ、食器洗浄タンク60に清水を落下流動させて、満水まで貯水する。これにより、後述する洗浄ステップで洗浄室30内に噴射する洗浄水の温度が、洗浄室30内の部材に接触して低下することを抑制する。そして、洗浄室30内で噴射される洗浄水の所定の温度を保ち、食器の洗浄性を向上させることができる。
なお、本実施形態の運転準備ステップでは純水を満水となる水位まで貯水する順番を、仕上すすぎタンク40、グラス洗浄タンク80としたが、グラス洗浄タンク80、仕上すすぎタンク40の順としてもよい。しかしながら、順番として仕上すすぎタンク40に先に満水となる水位まで純水を貯水し、その純水を第1の加熱手段41および第2の加熱手段42により所定の温度に加熱することにより、仕上すすぎタンク40に隣接または近接する食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80に貯水する洗浄水の温度が低下するのを抑制することができる。そのため、運転準備ステップで純水を満水となる水位まで貯水する順番は、仕上すすぎタンク40を先とするのが好ましい。
なお、後述するモード選択ステップで、食器洗浄モードを連続して使用し、グラス洗浄モードを長時間使用しない場合は、運転準備ステップまたは後述の再洗浄準備ステップでグラス洗浄タンク80に、洗剤供給器により洗剤を供給しないよう制御してもよい。その場合は、グラス洗浄モードを選択した時点で、グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水が所定の洗剤濃度となるよう、洗浄供給器により洗剤を供給する。
また、後述するモード選択ステップで、グラス洗浄モードを連続して使用し、食器洗浄モードを長時間使用しない場合は、運転準備ステップまたは後述の再洗浄準備ステップで食器洗浄タンク60に、洗剤供給器により洗剤を供給しないよう制御してもよい。その場合は、食器洗浄モードを選択した時点で、食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水が所定の洗剤濃度となるよう、洗浄供給器により洗剤を供給する。
これにより、食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水に供給する洗剤、またはグラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水に供給する洗剤の使用量を抑えることができる。
(モード選択ステップ)
次に、モード選択ステップについて、図1および図14を用いて具体的に説明する。
運転準備ステップが終了した後に、作業者が制御盤18の操作部に設けられたボタン(図示なし)を操作することにより、これから洗浄装置1により行う洗浄のモード選択を行う。モードは、食器洗浄モードと、グラス洗浄モードの2種類のうちから、1つを選択する。
食器洗浄モードではラックRに収納した複数の食器を洗浄し、グラス洗浄モードではラックRに収納した複数のグラスを洗浄する。これら2つのモードでは、被洗浄物に合わせて洗浄室30内で噴射される洗浄水の所定の温度をあらかじめ設定している。以下に、後述する洗浄ステップで食器またはグラスの洗浄に使用する洗浄水の、あらかじめ設定された所定の温度を例示する。
(1)食器洗浄モードの、食器洗浄ステップで用いる第1の洗浄水は55~70度C、食器すすぎステップで用いる清水は55~70度C、仕上すすぎステップで用いる純水は略55度Cとしている。
(2)グラス洗浄モードの、グラス洗浄ステップで用いる第2の洗浄水は略45度C、仕上すすぎステップで用いる純水は略55度Cとしている。
これらの洗浄水の所定の温度は、食器洗浄モードでは被洗浄物を食器としているため、食器に付着した油脂汚れ、でんぷん汚れ、たんぱく汚れを洗い流せるようあらかじめ設定している。
また、グラス洗浄モードでは被洗浄物をグラスとしているため、高温の洗浄水に触れることにより白く濁る性質をもつ酸化鉛を含む、ガラスを材料としたクリスタルガラスのグラスに合わせて洗浄水の所定の温度をあらかじめ設定している。
そして、モード選択ステップにてモードを選択した後に、切替板154がグラス洗浄タンク80側に傾いていた場合は、駆動手段152を駆動させて、切替板154を食器洗浄タンク60側へと傾け、次のステップである洗浄ステップへと移行する。
なお、被洗浄物にあわせてそれぞれの洗浄水の温度を変更してもよい。これにより、例えば、高温の洗浄水であるほど流し落しやすい油脂汚れや、略60度Cを超えると凝固する性質をもつたんぱく汚れ等に、洗浄水の所定の温度を合わせることができる。また、酸化鉛を含まないガラスを材料としたグラスを洗浄する場合に合わせ、グラスに付着した油脂汚れ等をより流し落しやすくするために、例えば略60度Cの洗浄水によりグラス洗浄ステップを行うこともできる。
(食器洗浄モードの洗浄ステップ)
まず、被洗浄物が食器の場合であり、モード選択ステップで選択したモードが食器洗浄モードであった場合の洗浄ステップを説明する。
図14に示すように、食器洗浄モードの洗浄ステップは、洗浄水切替ステップ、食器収納ステップ、食器洗浄ステップ、排水ステップ、食器すすぎステップ、仕上すすぎステップ、再洗浄準備ステップの順に進行する。また、便宜上、今回行う洗浄ステップを含む洗浄サイクルの前、つまり前回の洗浄サイクルで行ったモード選択ステップでは、グラス洗浄モードを選択していたものとする。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの洗浄水切替ステップ)
まず、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、洗浄水切替ステップについて、図17を用いて具体的に説明する。
モード選択ステップの後に行う洗浄水切替ステップでは、制御盤18は前回に実施していた洗浄サイクルのモード選択ステップで、食器洗浄モードまたはグラス洗浄モードのどちらが選択されていたかの確認を行う。その確認の結果、グラス洗浄モードが選択されていた場合に、以下に記載する動作を行う。なお、前回の洗浄サイクルで、今回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択されたモードと同じモードが選択されていた場合は、以下に記載する洗浄水切替ステップの内容を行わず、食器収納ステップへと移る。
まず、図17に示すように、制御盤18により純水供給系統の開閉弁121を閉じて、食器すすぎ配管100に設けた開閉弁101を開き、第5の加熱手段102を作動させ、給水管120より供給される清水を第5の加熱手段102により所定の温度に加熱しつつ流動させる。そして、逆止弁104、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112cを通じて、洗浄室30内で、所定の温度の清水と、すでに前回の洗浄サイクルで合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、共有上ノズル114に残留している第2の洗浄水とを、共有上ノズル114から所定の時間、例えば略5秒間だけ噴射する。
同様に、第4の共有配管112d、第5の共有配管112eを通じて、洗浄室30内で、所定の温度の清水と、すでに前回の洗浄サイクルで第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有下ノズル115に残留している第2の洗浄水とを、共有下ノズル115から所定の時間、例えば5秒間だけ噴射する。
洗浄室30内で噴射した所定の温度の清水と第2の洗浄水は、食器洗浄タンク60側へと傾いた切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動し、食器洗浄タンク60に貯水される。食器洗浄タンク60には運転準備ステップ、または前回の洗浄サイクルで行った後述の再洗浄準備ステップにより、満水となる水位まで第1の洗浄水が貯水されているため、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水は満水である水位を越えて貯水されることとなるが、第1の洗浄水は満水となる水位までオーバーフロー配管62を通じて残菜篭162へと排水される。
そして、次のステップである食器収納ステップへと移行する。
このように洗浄水切替ステップでは、前回のモード選択ステップで、グラス洗浄モードが選択されていたとしても、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有上ノズル114、共有下ノズル115に残留している洗浄水を清水に置換し、後述する食器すすぎステップで共有上ノズル114、共有下ノズル115から所定の温度の清水を即時に噴射させることができる。
さらに、前回の洗浄サイクルで食器洗浄タンク60に貯水していた第1の洗浄水の清浄度が低下していた場合、第1の洗浄水の水面付近に浮かぶ油分や残菜等ともに第1の洗浄水をオーバーフロー配管62から排水することが可能であり、これにより食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水の清浄度を高めることができる。
また、逆止弁104を備えていることにより、逆止弁104より下流側である合流配管110、第1の共有配管112a内に残留していた洗浄水が、食器すすぎ配管100へと逆流することを防止できる。これにより、前回の洗浄サイクルで合流配管110、第1の共有配管112aに残留していた第2の洗浄水が食器すすぎ配管100内に混ざり合うことを防止し、食器すすぎステップで、洗浄室30内に噴射する洗浄水を意図したしたものとして、食器の洗浄性を安定させることができる。
なお、洗浄水切替ステップは前回の洗浄サイクルで選択していたモードが、今回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択したモードと異なる場合に行うが、前回の洗浄サイクルで選択したモードと今回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択したモードとが同じであったとしても、洗浄水切替ステップを行ってもよい。
なお、洗浄水切替ステップで、所定の温度の清水と、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有上ノズル114、共有下ノズル115に残留している洗浄水を排水し、共有上ノズル114、共有下ノズル115から噴射させず、別途排水弁を設けた排水配管を接続して、その排水配管から残菜篭162へと排水してもよい。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの食器収納ステップ)
次に、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、食器収納ステップについて図1および図3を用いて説明する。
まず、図1および図3に示すように、作業者が制御盤18に設けられたボタン(図示なし)を押すことにより、制御盤18は警告音を鳴らすとともに、制御盤18から送る信号により駆動手段33を駆動させて、扉部11を開ける。
扉部11が開いた後に、作業者が複数の食器を収納したラックRを洗浄室30内に収容してラック支持部37で支持し、制御盤18に有する洗浄開始スイッチ(図示なし)を押すことで、制御盤18は警告音を鳴らすとともに、制御盤18から送る信号により駆動手段33を駆動させて、図1に示す扉部11を閉める。
そして、次のステップである食器洗浄ステップへと移行する。
なお、食器洗浄モードの洗浄ステップの洗浄水切替ステップは、食器収納ステップの前に行わず、食器収納ステップの後に行ってもよい。
その場合、後述する食器洗浄ステップの前に、ラックRに収納された食器に付着した汚れを洗浄水により洗い流し、食器洗浄ステップにより食器に付着した汚れを洗い流しやすくすることができる。
加えて、食器洗浄ステップの前に、ラックRに収納された食器の温度を上昇させて、食器洗浄ステップ以降で食器に対して噴射する洗浄水が、食器に触れたときに温度が低下することを抑制し、洗浄装置1による食器の洗浄効果を向上させることができる。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの食器洗浄ステップ)
次に、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、食器洗浄ステップについて、図7~図10および図18を用いて具体的に説明する。
まず、図18に示すように、食器収納ステップを行った後に、制御盤18は、食器洗浄ポンプ70を駆動する。食器洗浄ポンプ70は、吸引口66から第1の食器洗浄配管71aを通じて食器洗浄タンク60に貯水された第1の洗浄水を吸込んで、第2の食器洗浄配管71bへ吐出する。さらに第1の洗浄水は、第3の食器洗浄配管71cおよび第4の食器洗浄配管71dを通じて、食器洗浄上ノズル72から所定の時間、例えば約40秒間、食器に向けて噴射される。
同様に、所定の温度の第1の洗浄水は、第3の食器洗浄配管71cから水平方向に分岐した第5の食器洗浄配管71eを通じて、食器洗浄下ノズル73から所定の時間、例えば約40秒間、食器に向けて噴射される。このようにして、ラックRに収納した食器に付着した汚れや油分、残菜等を洗い流す食器洗浄を行う。
図9および図10に示すように、洗浄水を噴射する食器洗浄上ノズル72、食器洗浄下ノズル73は、所定の角度θ1、θ3を有した状態で仕上すすぎ上ノズル53、仕上すすぎ下ノズル54を固定し、食器洗浄上ノズル72および食器洗浄下ノズル73にあけた複数のノズル口75は同様の角度である所定の角度θ2、θ4を有して一様にあけている。
そのため、食器洗浄上ノズル72、食器洗浄下ノズル73から噴射する第1の洗浄水が、食器洗浄上ノズル72の下方に固定した仕上すすぎ上ノズル53、食器洗浄下ノズル73の上方に固定した仕上すすぎ下ノズル54に直接的に接触することを避け、ラックRに収納する食器に効果的に第1の洗浄水を噴射し、食器を洗浄することができる。
また、食器洗浄上ノズル72、食器洗浄下ノズル73のスリット状の孔である複数のノズル口75が、食器洗浄上ノズル72、食器洗浄下ノズル73の長手方向から所定の角度θ2、θ4を有して一様にあけられている。つまり、複数のノズル口75は、食器洗浄上ノズル72、食器洗浄下ノズル73のそれぞれで平行となるよう構成されている。
噴射された第1の洗浄水は側面視でノズル口75から扇状に広がるが、複数のノズル口75がそれぞれ平行となるように構成されているため、扇状に広がる第1の洗浄水同士の干渉を防止することができる。
そして、側面視で複数のノズル口75から扇状に広がるように噴射された第1の洗浄水は、所定の時間だけ行う食器洗浄ステップのうちで、より多くの食器に噴射され、噴射されたときの水圧を可能な限り維持して、効果的に食器に付着した汚れや油分、残菜等を洗い流すことができる。
図18に示すように、食器へ噴射された所定の温度の第1の洗浄水は、食器を洗浄した後に、切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動する。このとき、食器洗浄タンク60へと落下流動する第1の洗浄水は、切替板154の有する折返し部155によりグラス洗浄タンク80への第1の洗浄水の流動を抑制され、第1の洗浄水をより確実に食器洗浄タンク60へと落下流動させることができる。これにより、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の清浄度を維持して、異なる洗浄サイクルにて行う後述のグラス洗浄ステップでのグラス洗浄をより効果的なものとすることができる。
食器洗浄タンク60へと落下流動した第1の洗浄水は、食器洗浄ポンプ70により吸込んで吐出され、再び食器の洗浄に使用される。このように、食器洗浄ステップでは第1の洗浄水を循環させて、食器洗浄を行う。
また、切替板154の有する折返し部155により、グラス洗浄タンク80への流動を抑制し、第1の洗浄水を確実に食器洗浄タンク60へと落下流動させて、食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水の量が徐々に減少することを抑制して、食器洗浄ポンプ70が食器洗浄タンク60から吸い込んで吐出するときにエア噛みしない水位とすることができ、これにより、食器洗浄タンク60から第1の洗浄水を確実に送水することを可能とすることができる。
また、食器洗浄上ノズル72および食器洗浄下ノズル73より噴射されて食器の洗浄を行い食器洗浄タンク60へと落下流動する第1の洗浄水は、図7(b)および図8(a)に示す食器洗浄タンク60のストレーナ65の上部に有する側面視で矩形状の切欠きの内側へ入り込んだ切替板154の端部から落下流動し、食器洗浄タンク60へと貯水される。
食器洗浄タンク60に落下流動した第1の洗浄水に含まれる食器に付着していた汚れや残菜等のうち、ストレーナ65を構成するパンチングプレートの目よりも大きなものは、ストレーナ65の内側に捕集される。そして、第1の洗浄水は、食器洗浄タンク60のストレーナ65の内外を問わず貯水される。
そして、循環する洗浄水を吸込む吸引口66は、ストレーナ65の外側に、ストレーナ65から接続する排水口68aとは水平方向に位置をずらして設けているため、吸引口66に吸込む第1の洗浄水にストレーナ65の内側に捕集したパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等が混ざることを抑制することができる。これにより、食器洗浄系統を流動する第1の洗浄水からストレーナ65のパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等を分離し、より清浄度の高い状態で第1の洗浄水を循環させることができる。
さらに、第1の洗浄水からストレーナ65のパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等を分離することにより、食器洗浄上ノズル72および食器洗浄下ノズル73のノズル口75の汚れや残菜等による目詰まりを防止することができる。加えて、吸引口66から第1の食器洗浄配管71aを通じて接続する食器洗浄ポンプ70に、食器洗浄ポンプ70が破損するようなもの(例えば喫食に用いる箸等)が吸込まれることを防止し、食器洗浄ポンプ70の寿命を長くすることができる。
食器洗浄上ノズル72および食器洗浄下ノズル73から所定の温度の第1の洗浄水を所定の時間だけ食器に向けて噴射した後には、食器洗浄ポンプ70を停止して、次のステップである排水ステップへと移行する。
また、このように食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水は、喫食後の汚れた食器の初期洗浄を行うため、食器に付着していた汚れや油分、残菜等がより多く混ざり易い。そのため、食器洗浄タンク60に貯水される第1の洗浄水は、清浄度が低下しやすい。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの排水ステップ)
次に、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、排水ステップについて、図19を用いて具体的に説明する。
食器洗浄ステップを行った後、制御盤18は食器洗浄タンク60の排水弁68bへと信号を送り、所定時間、例えば約0.5~1秒だけ排水弁68bを開く。これにより、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を、例えば0.5~1秒で約0.5リットル排水する。
このとき、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を排水することで、食器洗浄ステップで食器洗浄タンク60の、特にストレーナ65の内側に貯まった食器に付着していた汚れや残菜等を第1の洗浄水とともに排出する。排水配管68cを通じて食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水を排水すると、食器洗浄タンク60の満水センサ63が第1の洗浄水が満水である水位まで貯水されていないことを検知するが、この排水ステップでは、食器洗浄タンク60に洗浄水等を供給することはない。
また、排水口68aはストレーナ65の下端から接続しているため、効果的にストレーナ65に捕集した食器に付着していた汚れや残菜等を、第1の洗浄水とともに排出することができる。
これにより、食器洗浄タンク60内の汚れや残菜等の量を減らし、汚れや残菜等と、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水とが接触する機会を減らすことができ、食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水の清浄度が低下することを抑制することができる。
また、ストレーナ65の内側に溜まった残菜等を排出することでストレーナ65の目詰まりを防止し、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の良好な循環の状態を保ち、次回以降の洗浄サイクルで行う食器洗浄ステップでの食器の洗浄を、より効果的なものとすることができる。
排水された第1の洗浄水は、食器洗浄ステップで食器洗浄タンク60に貯まった食器に付着していた汚れや油分、およびストレーナ65の内側に捕集された残菜等とともに、排水配管68cを通り、残菜受け部160へと送られる。
残菜受け部160では、残菜篭162のパンチングプレートにより、パンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等と、油分やパンチングプレートの目よりも小さな汚れ、残菜等を含んだ第1の洗浄水とに分離される。
分離された第1の洗浄水は、排水受け163に一時的に貯水された後に排水受け163の排水口164から施設側の排水溝へと排水される。また、パンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等は、残菜篭162のパンチングプレートの上に捕集される。
食器洗浄タンク60の排水弁68bを開く所定時間が経過した後に、制御盤18からの信号により排水弁68bを閉める。そして、次のステップである食器すすぎステップへと移行する。
なお、食器洗浄モードの排水ステップでは、後述のグラス洗浄モードの排水ステップでグラス洗浄タンク80から排水する洗浄水の量よりも多く排水することができる。これは、食器洗浄モードでこの後に続く食器すすぎステップや、仕上すすぎステップで洗浄室30内で噴射する洗浄水により、食器洗浄タンク60に洗浄水を貯水することができるためである。
なお、食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水の清浄度が高い場合は、排水ステップを行わず、次の食器すすぎステップを行ってもよい。
なお、排水ステップは、食器洗浄ステップが終了する前に開始してもよい。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの食器すすぎステップ)
次に、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、食器すすぎステップについて、図9、図10および図20を用いて具体的に説明する。
排水ステップを行った後に、図20に示すように、制御盤18により純水供給系統の開閉弁121を閉じて、制御盤18により食器すすぎ配管100に設けた開閉弁101を開き、第5の加熱手段102を作動させる。そして、給水管120より供給される清水を第5の加熱手段102により所定の温度に加熱しつつ流動させ、逆止弁104、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112cを通じて、洗浄室30内で、所定の温度の清水を、共有上ノズル114から所定の時間、例えば略5秒間だけ噴射する。
同様に、第4の共有配管112d、第5の共有配管112eを通じて、洗浄室30内で、所定の温度の清水を、共有下ノズル115から所定の時間、例えば5秒間だけ噴射する。このようにして、食器に食器洗浄ステップで付着した第1の洗浄水や、食器に付着した汚れや油分、残菜等を洗い流す食器すすぎを行う。
図9および図10に示すように、所定の温度の清水を噴射する共有上ノズル114は洗浄室30の上部の左右両側、および共有下ノズル115は洗浄室30の下部に、それぞれ固定されている。これにより、食器洗浄ステップで食器洗浄上ノズル72および食器洗浄下ノズル73から噴射する第1の洗浄水が噴射される方向とは異なる方向から所定の温度の清水を噴射し、ラックRに収納した食器を略まんべんなく洗浄することができる。
つまり、食器洗浄ステップで洗浄水を噴射する食器洗浄ノズル72、73は回転しており、噴射される洗浄水は同心円状に広がるが、共有ノズル114、115は回転せず、固定されているため、食器洗浄ステップで第1の洗浄水の届きにくいあらかじめ設定した箇所へと清水を噴射することができ、食器の洗浄性を向上させることができる。
そして、洗浄室30内で噴射した所定の温度の清水は、食器洗浄タンク60側へと傾いた切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動し、排水ステップで水位の下がった食器洗浄タンク60に貯水される。
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水は排水ステップで所定の量を排出しているので、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の水位は満水よりも低い水位となっている。食器すすぎステップでは、切替板154を食器洗浄タンク60側に傾けているので、共有上ノズル114および共有下ノズル115から噴射した清水を食器洗浄タンク60へと落下流動させて、食器洗浄タンク60を満水とすることができる。すなわち、食器すすぎステップでは、排水ステップで排水した食器洗浄タンク60に貯水した洗浄水と少なくとも同量の洗浄水を食器洗浄タンク60へと落下流動させて満水とすることができる。
食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の水位が、満水となる水位を越えた場合、第1の洗浄水は満水となる水位までオーバーフロー配管62を通じて残菜篭162へと排水される。これにより、食器洗浄ステップで食器洗浄タンク60に貯水していた第1の洗浄水の清浄度が低下していた場合、第1の洗浄水の水面付近に浮かぶ油分や残菜等ともに第1の洗浄水を排水することが可能であり、これにより食器洗浄タンク60に貯水する第1の洗浄水の清浄度を高めることができる。
このとき、切替板154の有する折返し部155により、共有上ノズル114および共有下ノズル115から噴射した所定の温度の清水をより確実に食器洗浄タンク60へと落下流動させることができる。
そして、次のステップである仕上すすぎステップへと移行する。
なお、食器すすぎステップは排水ステップと同時、または排水ステップを行っている途中に開始してもよい。そうすることにより、食器の洗浄にかかる時間を短縮することができる。
なお、食器に付着した汚れの量が少ない場合は、食器すすぎステップを行わなくともよい。その場合、洗浄装置1は食器すすぎ系統を備えなくともよい。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの仕上すすぎステップ)
次に、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、仕上すすぎステップについて、図21を用いて具体的に説明する。
食器すすぎステップを行った後、制御盤18は仕上すすぎポンプ50を駆動し、仕上すすぎタンク40の吸引口46から第1の仕上すすぎ配管51aを通じて所定の温度の純水を吸込んで、第2の仕上すすぎ配管51bへと吐出し、第3の仕上すすぎ配管51cから、嵌入部である接続部52aと回転軸部52bとを通じて、仕上すすぎ上ノズル53から所定の温度の純水を所定の時間、例えば略5秒間だけ食器に向けて噴射する。
同様に、第2の仕上すすぎ配管51bから水平方向に分岐した第4の仕上すすぎ配管51dから、嵌入部である接続部52aと回転軸部52bとを通じて、仕上すすぎ下ノズル54から所定の温度の純水を所定の時間、例えば略5秒間だけ食器に向けて噴射する。これにより、食器洗浄ステップおよび食器すすぎステップで食器に付着した洗浄水を洗い流す仕上すすぎを行う。
純水は、接触した成分を強く純水へと溶かし込む性質があるため、食器に付着した汚れをはじめとして、第1の洗浄水をもその溶液である純水へと溶かし込み、流し落す効果がある。これにより、所定の温度の純水を使用した仕上すすぎステップでは、食器の表面に付着した汚れ成分や第1の洗浄水等を効果的に流し落とすことができ、高い洗浄性を発揮することができる。
そして、洗浄室30内で噴射した所定の温度の純水は、食器洗浄タンク60側へと傾いた切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動し、食器洗浄タンク60に貯水される。食器洗浄タンク60には満水となる水位まで第1の洗浄水が貯水されているため、第1の洗浄水は満水となる水位までオーバーフロー配管62を通じて残菜受け部160へと排水される。
このとき、切替板154の有する折返し部155により、仕上すすぎ上ノズル53および仕上下ノズル54から噴射した純水をより確実に食器洗浄タンク60へと落下流動させることができる。
そして、仕上すすぎポンプ50を停止し、仕上すすぎ上ノズル53、仕上すすぎ下ノズル54からの純水の噴射が止まった後に、制御盤18は警告音を鳴らしつつ、制御盤18から送る信号により扉部11を開ける。作業者が洗浄室30に収容されたラックRを取り出し、次のステップである再洗浄準備ステップへと移行する。
このように、仕上すすぎステップでラックRに収納された食器に向けて所定の温度の純水を噴射することにより、食器洗浄ステップで食器に付着した第1の洗浄水と、食器すすぎステップで食器に付着した清水とを洗い流すとともに、万が一、食器に汚れが付着していた場合は、その汚れを洗い流すことができる。
特に、食器すすぎステップで食器に付着した清水を洗い流すことにより、食器表面に残るウォータースポットの発生を防止することができる。特に、有色の食器の表面にウォータースポットが残ると、その食器を使用して盛付けした食事は外観による影響により、本来の味を楽しむことが困難となる。そのため、食器表面に残るウォータースポットの発生を防止することにより、洗浄後の食器を、盛付けた食事の本来の味を楽しむために好適な状態とすることができる。
また、仕上すすぎ上ノズル53から純水を噴射するとき、洗浄室30の天井である上面板部13の下面に向けて所定の温度の純水を噴射している。これにより、上面板部13の下面に付着した洗浄水等を洗い流すことができる。その場合、上面板部13を正面側から背面側に向けて下降傾斜させるよう構成することにより、上面板部13の下面に付着した洗浄水等を集水部140へと落下流動させることができる。これにより、ラックRに収納した複数の食器に、上面板部13の下面に付着した洗浄水等が垂れ落ち、仕上ステップ後の食器に付着することを抑制することができる。
なお、食器に付着した汚れの量が少ない場合は、仕上すすぎステップを行わなくともよい。その場合は、食器すすぎステップを行うことにより、食器に付着した第1の洗浄水を流し落とす。これにより、仕上すすぎタンク40に貯水した所定の温度の純水の使用量を減らすことができる。
(食器洗浄モードの洗浄ステップの再洗浄準備ステップ)
次に、食器洗浄モードの洗浄ステップのうち、再洗浄準備ステップについて、図22を用いて具体的に説明する。
仕上すすぎステップが終了した後に、引き続き食器やグラスの洗浄を行う場合、再洗浄準備ステップを行う。もし、引き続き食器やグラスの洗浄を行わないということであれば、再洗浄準備ステップを行わずに洗浄ステップを終了して、次の清掃ステップへと移行する。
再洗浄準備ステップでは、まず、制御盤18に設けたボタンを押して扉部11を閉める。
扉部11を閉めた後、開閉弁121を開けて、満水である水位よりも低い水位となった仕上すすぎタンク40に、給水管120から供給した清水から純水器122により精製した純水を、第1の純水供給配管123a、三方弁124、第2の純水供給配管123bを通じて、満水となる水位まで供給して貯水する。
そして、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の洗剤濃度と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の洗剤濃度とがあらかじめ定めた洗剤濃度となるように、洗剤供給系統により洗剤を供給する。
また、仕上すすぎタンク40に貯水した純水が所定の温度よりも低い温度となっていた場合は、第1の加熱手段41および第2の加熱手段42により所定の温度まで加熱する。食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が所定の温度よりも低い温度となっていた場合は、第3の加熱手段61により所定の温度まで加熱する。そして、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水が所定の温度よりも低い温度となっていた場合は、第4の加熱手段81により所定の温度まで加熱する。
これにより、食器洗浄モードでの洗浄ステップが終了する。このように、モード選択ステップから再洗浄準備ステップまでで、1つの洗浄サイクルを形成する。そして、再洗浄準備ステップの次に再びモード選択ステップを行うことにより、本実施形態の洗浄装置1は洗浄サイクルを繰り返すことができる。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップ)
次に、被洗浄物がグラスの場合であり、モード選択ステップで選択したモードがグラス洗浄モードであった場合の洗浄ステップを説明する。
図14に示すように、グラス洗浄モードの洗浄ステップは、洗浄水切替ステップ、グラス収納ステップ、グラス洗浄ステップ、排水ステップ、仕上すすぎステップ、再洗浄準備ステップの順に進行する。また、便宜上、今回行う洗浄ステップを含む洗浄サイクルの前、つまり前回の洗浄サイクルで行ったモード選択ステップでは、食器洗浄モードを選択していたものとする。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップの洗浄水切替ステップ)
まず、グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、洗浄水切替ステップについて、図23を用いて具体的に説明する。
モード選択ステップの後に行う洗浄水切替ステップでは、制御盤18は前回に実施していた洗浄サイクルのモード選択ステップで、食器洗浄モードまたはグラス洗浄モードのどちらが選択されていたかの確認を行う。その確認の結果、食器洗浄モードが選択されていた場合に、以下に記載する動作を行う。なお、前回の洗浄サイクルで、今回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択されたモードと同じモードが選択されていた場合は、以下に記載する洗浄水切替ステップの内容を行わず、グラス収納ステップへと移行する。
まず、図23に示すように、制御盤18により第2のグラス洗浄配管91bと合流配管110との間に設けた開閉弁92を開き、グラス洗浄ポンプ90を駆動して、グラス洗浄タンク80に貯水した所定の温度の第2の洗浄水を、第1のグラス洗浄配管91aを通じて吸い込んで第2のグラス洗浄配管91bへと吐出する。そして、第2のグラス洗浄配管91bから開閉弁92、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112cを通じて、洗浄室30内で、所定の温度の第2の洗浄水と、すでに前回の洗浄サイクルで第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、共有上ノズル114に残留している清水とを、共有上ノズル114から所定の時間、例えば略5秒間だけ噴射する。
同様に、第4の共有配管112d、第5の共有配管112eを通じて、洗浄室30内で、所定の温度の第2の洗浄水と、すでに前回の洗浄サイクルで第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有下ノズル115に残留している清水とを、共有下ノズル115から所定の時間、例えば5秒間だけ噴射する。
洗浄室30内で噴射した所定の温度の第2の洗浄水と清水は、食器洗浄タンク60側へと傾いた切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動し、食器洗浄タンク60に貯水される。食器洗浄タンク60には運転準備ステップ、または前回の洗浄サイクルで行った後述の再洗浄準備ステップにより、満水となる水位まで第1の洗浄水が貯水されているため、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水は満水である水位を越えて貯水されることとなるが、第1の洗浄水は満水となる水位までオーバーフロー配管62を通じて残菜篭162へと排水される。
そして、次のステップであるグラス収納ステップへと移行する。
このように洗浄水切替ステップでは、前回のモード選択ステップで、食器洗浄モードが選択されていたとしても、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有上ノズル114、共有下ノズル115に残留している洗浄水を第2の洗浄水に置換し、後述するグラス洗浄ステップで共有ノズル114、115から所定の温度の第2の洗浄水を即時に噴射させることができる。
なお、洗浄水切替ステップは前回の洗浄サイクルで選択していたモードが、今回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択したモードと異なる場合に行うが、前回の洗浄サイクルで選択したモードと今回の洗浄サイクルのモード選択ステップで選択したモードとが同じであったとしても、洗浄水切替ステップを行ってもよい。
なお、洗浄水切替ステップで、所定の温度の第2の洗浄水と、合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有上ノズル114、共有下ノズル115に残留していた清水とを、共有上ノズル114、共有下ノズル115から噴射させず、別途排水弁を設けた排水配管を接続して、その排水配管から残菜篭162へと排水してもよい。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップのグラス収納ステップ)
次に、グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、グラス収納ステップについて図1および図3を用いて説明する。
まず、図1および図3に示すように、作業者が制御盤18に設けられたボタン(図示なし)を押すことにより、制御盤18は警告音を鳴らすとともに、制御盤18から送る信号により駆動手段33を駆動させて、扉部11を開ける。
扉部11が開いた後に、作業者が複数のグラスを収納したラックRを洗浄室30内に収容してラック支持部37で支持し、制御盤18に有する洗浄開始スイッチ(図示なし)を押すことで、制御盤18は警告音を鳴らすとともに、制御盤18から送る信号により駆動手段33を駆動させて、扉部11を閉める。
そして、次のステップであるグラス洗浄ステップへと移行する。
なお、グラス洗浄モードの洗浄ステップの洗浄水切替ステップは、グラス収納ステップの前に行わず、グラス収納ステップの後に行ってもよい。
その場合、後述するグラス洗浄ステップの前に、ラックRに収納されたグラスに付着した汚れを洗浄水により洗い流し、グラス洗浄ステップによりグラスに付着した汚れを洗い流しやすくすることができる。
加えて、グラス洗浄ステップの前に、ラックRに収納されたグラスの温度を上昇させて、グラス洗浄ステップ以降でグラスに対して噴射する洗浄水が、グラスに触れたときに温度が低下することを抑制し、洗浄装置1によるグラスの洗浄効果を向上させることができる。
しかしながら、すでに前回の洗浄サイクルで合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112c、第4の共有配管112d、第5の共有配管112e、共有上ノズル114および共有下ノズル115に残留していた洗浄水と、グラス洗浄タンク80に貯水した所定の温度の第2の洗浄水とを、共有上ノズル114および共有下ノズル115からグラスに向けて、所定の時間だけ噴射することにより、グラスによくない影響を及ぼす場合は、洗浄水切替ステップはグラス収納ステップの前に行うのが好ましい。
例えば、比較的高温である60度C以上の洗浄水で洗浄すると白化してグラスの透明度が低下するクリスタルガラスを使用したグラスのように、高温に対してよくない影響を受けるグラスに関しては、洗浄水切替ステップでグラスに向けて噴射する洗浄水の温度が60度Cを越えている場合があるため、洗浄水切替ステップをグラス収納ステップの前に行うのが好ましい。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップのグラス洗浄ステップ)
次に、グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、グラス洗浄ステップについて、図7~図10および図24を用いて具体的に説明する。
図24に示すように、グラス収納ステップを行った後に制御盤18は、開閉弁92を開け、グラス洗浄ポンプ90を駆動するとともに、食器洗浄タンク60側に傾いている切替板154を、駆動手段152により、グラス洗浄タンク80側に傾ける。
なお、食器洗浄タンク60側に傾いている切替板154をグラス洗浄タンク80側へと傾ける動作は、洗浄水切替ステップの直後またはグラス収納ステップに行ってもよい。
そして、グラス洗浄ポンプ90は、吸引口86から第1のグラス洗浄配管91aを通じてグラス洗浄タンク80に貯水された第2の洗浄水を吸込んで、第2のグラス洗浄配管91bへ吐出する。さらに第2の洗浄水は、開閉弁92から合流配管110、第1の共有配管112a、第2の共有配管112b、第3の共有配管112cを通じて、洗浄室30内で、共有上ノズル114から第2の洗浄水をグラスに向けて所定の時間、例えば略90秒間だけ噴射する。
同様に、所定の温度の第2の洗浄水を、第4の共有配管112d、第5の共有配管112eを通じて、洗浄室30内で共有下ノズル115からグラスに向けて所定の時間、例えば略90秒間だけ噴射する。このようにして、ラックRに収納したグラスに付着した汚れや油分、残菜等を洗い流すグラス洗浄を行う。
このとき、開閉弁92を介して合流配管110を通じて第1の共有配管112aへと第2の洗浄水を流動させるが、合流配管110から食器すすぎ配管100へと接続する経路には逆止弁104が設けられている。そのため、合流配管110へと流動した第2の洗浄水が食器すすぎ配管100へと流動することを防止することができる。
図9および図10に示すように、第2の洗浄水を噴射する共有上ノズル114は洗浄室30の上部の左右両側、および共有下ノズル115は洗浄室30の下部に、それぞれ回転せず固定されている。これにより、意図した角度でラックRに収納された複数のグラスへと第2の洗浄水を噴射することができ、グラスがラックR内で倒れたり、グラス同士が接触して割れたりすることを抑制することができる。
図24に示すように、グラスへ噴射された所定の温度の第2の洗浄水は、グラスを洗浄した後に、切替板154を介してグラス洗浄タンク80へと落下流動する。グラス洗浄タンク80に落下流動した第2の洗浄水は、グラス洗浄ポンプ90により吸込んで吐出され、再びグラスの洗浄に使用される。このように、グラス洗浄ステップでは第2の洗浄水を循環させて、グラス洗浄を行う。
共有上ノズル114および共有下ノズル115より噴射されてグラスの洗浄を行い、グラス洗浄タンク80へと落下流動する第2の洗浄水は、図7(c)および図8(b)に示すグラス洗浄タンク80のストレーナ85の上部に有する側面視で矩形状の切欠きの内側へ入り込んだ切替板154の端部から落下流動し、グラス洗浄タンク80へと貯水される。グラス洗浄タンク80に落下流動した洗浄水に含まれるグラスに付着していた汚れや残菜等のうち、ストレーナ85を構成するパンチングプレートの目よりも大きなものは、ストレーナ85に捕集される。
そして、ストレーナ85のパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等を分離された第2の洗浄水は、吸引口86へと吸い込まれ、循環して洗浄室30でグラスに噴射される。これにより、グラス洗浄系統を流動する洗浄水からストレーナ85のパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等を分離し、より清浄度の高い状態で循環させることができる。
さらに、洗浄水からストレーナ85のパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等を分離することにより、共有上ノズル114のノズルチップ117、および共有下ノズル115のノズル口116の汚れや残菜等による目詰まりを防止することができる。
加えて、吸引口86から第1のグラス洗浄配管91aを通じて接続するグラス洗浄ポンプ90に、グラス洗浄ポンプ90が破損するようなもの(例えば喫食に用いるスプーン等)が吸込まれることを防止し、グラス洗浄ポンプ90の寿命を長くすることができる。
また、グラス洗浄タンク80へと落下流動する第2の洗浄水は、切替板154の有する折返し部155により食器洗浄タンク60への洗浄水の流動を抑制して、グラス洗浄タンク80の洗浄水をより確実にグラス洗浄タンク80へと落下流動させることができる。
また、切替板154の有する折返し部155により、第2の洗浄水を確実にグラス洗浄タンク80へと落下流動させて、グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水の量が徐々に減少することを抑制して、グラス洗浄ポンプ90がグラス洗浄タンク80から吸い込んで吐出するときにエア噛みしない水位とすることができ、グラス洗浄タンク80から第2の洗浄水を確実に送水することを可能とすることができる。
共有上ノズル114および共有下ノズル115から所定の温度の第2の洗浄水を所定の時間だけグラスに向けて噴射した後には、グラス洗浄ポンプ90を停止して、次のステップである排水ステップへと移行する。
また、このようにグラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水は、喫食後の汚れたグラスの初期洗浄を行うため、グラスに付着していた汚れや油分、残菜等がより多く混ざり易い。そのため、グラス洗浄タンク80に貯水される第2の洗浄水は、清浄度が低下しやすい。
なお、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の清浄度を向上させたい場合は、グラス洗浄ステップの最初の所定の時間だけ切替板154を食器洗浄タンク60側へと傾けて、第1の洗浄水よりも清浄度が高い第2の洗浄水を食器洗浄タンク60へと落下流動させて所定の水位を越えた分の洗浄水をオーバーフロー配管62により排水してもよい。その後に、切替板154をグラス洗浄タンク80側へと傾けて、第2の洗浄水をグラス洗浄タンク80に落下流動させる。この場合、後述する排水ステップにおける排水量を少なくすればよい。
これにより、グラス洗浄モードの洗浄ステップを行う間に、清浄度が低下しやすい食器洗浄タンク60の第1の洗浄水の清浄度を向上させることができ、次に食器洗浄モードを選択し、実行するとき、清浄度を向上させた第1の洗浄水で食器洗浄ステップを行うことができる。
なお、グラス洗浄タンク80に貯水された第2の洗浄水の清浄度が低下した場合に、後述する排水ステップにおける第2の洗浄水の排水量を多くするとともに、後述する仕上すすぎステップにおいて噴射する純水の量を多くすればよい。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップの排水ステップ)
次に、グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、排水ステップについて、図25を用いて具体的に説明する。
グラス洗浄ステップを行った後、制御盤18はグラス洗浄タンク80の排水弁87bへと信号を送り、所定時間、例えば約0.5~1秒だけ排水弁87bを開く。これにより、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を、例えば0.5~1秒で約0.5リットル排水する。
このとき、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を排水することで、グラス洗浄ステップでグラス洗浄タンク80に貯まったストレーナ85のパンチングプレートの目よりも小さな汚れ、残菜等を第2の洗浄水とともに排出する。排水配管87cを通じてグラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を排水すると、グラス洗浄タンク80の満水センサ83が第2の洗浄水が満水である水位まで貯水されていないことを検知するが、この排水ステップでは、グラス洗浄タンク80に洗浄水等を供給することはない。
また、この排出した水量に略等しい量だけ、後述する仕上すすぎステップで清浄度の高い所定の温度の純水を、グラスの仕上すすぎを行った後にグラス洗浄タンク80に落下流動させる。これにより、グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水の清浄度が低下することを抑制することができる。
排水された第2の洗浄水は、グラス洗浄ステップでグラス洗浄タンク80に貯まったグラスに付着していた汚れや油分、残菜等とともに、排水配管87cを通り、残菜受け部160へと送られる。
残菜受け部160では、残菜篭162のパンチングプレートにより、パンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等と、油分やパンチングプレートの目よりも小さな汚れ、残菜等を含んだ第2の洗浄水とに分離される。
分離された第2の洗浄水は、排水受け163に一時的に貯水された後に排水受け163の排水口164から施設側の排水溝へと排水される。また、パンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等は、残菜篭162のパンチングプレートの上に捕集される。
グラス洗浄タンク80の排水弁87bを開く所定時間が経過した後に、制御盤18からの信号により排水弁87bを閉める。そして、次のステップである仕上すすぎステップへと移行する。
なお、グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水の清浄度が高い場合は、排水ステップを行わず、次の仕上すすぎステップを行ってもよい。
なお、排水ステップは、グラス洗浄ステップが終了する前に開始してもよい。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップの仕上すすぎステップ)
次に、グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、仕上すすぎステップについて、図26を用いて具体的に説明する。
排水ステップを行った後、制御盤18は仕上すすぎポンプ50を駆動し、仕上すすぎタンク40の吸引口46から第1の仕上すすぎ配管51aを通じて所定の温度の純水を吸込んで、第2の仕上すすぎ配管51bへと吐出し、第3の仕上すすぎ配管51cから、嵌入部である接続部52aと回転軸部52bとを通じて、仕上すすぎ上ノズル53から所定の温度の純水を所定の時間、例えば略5秒間だけグラスに向けて噴射する。
同様に、第2の仕上すすぎ配管51bから水平方向に分岐した第4の仕上すすぎ配管51dから、嵌入部である接続部52aと回転軸部52bとを通じて、仕上すすぎ下ノズル54から所定の温度の純水を所定の時間、例えば略5秒間だけグラスに向けて噴射する。これにより、グラス洗浄ステップでグラスに付着した第2の洗浄水を洗い流す仕上すすぎを行う。
純水は、接触した成分を強く純水へと溶かし込む性質があるため、グラスに付着した汚れをはじめとして、第2の洗浄水をもその溶液である純水へと溶かし込み、流し落す効果がある。これにより、所定の温度の純水を使用した仕上すすぎステップでは、グラスの表面に付着した汚れ成分や第2の洗浄水等を効果的に流し落とすことができ、高い洗浄性を発揮することができる。
そして、洗浄室30内で噴射した所定の温度の純水は、グラス洗浄タンク80側へと傾いた切替板154を介してグラス洗浄タンク80へと落下流動し、排水ステップで水位の下がったグラス洗浄タンク80に貯水される。このとき、切替板154の有する折返し部155により、仕上すすぎ上ノズル53および仕上下ノズル54から噴射した純水をより確実にグラス洗浄タンク80へと落下流動させることができる。
そして、仕上すすぎポンプ50を停止し、仕上すすぎ上ノズル53、仕上すすぎ下ノズル54からの純水の噴射が止まった後に、制御盤18は警告音を鳴らしつつ、制御盤18から送る信号により扉部11を開ける。作業者が洗浄室30に収容されたラックRを取り出し、次のステップである再洗浄準備ステップへと移行する。
このように、仕上すすぎステップでラックRに収納されたグラスに向けて所定の温度の純水を噴射することにより、グラス洗浄ステップでグラスに付着した第2の洗浄水を洗い流すとともに、万が一、グラスに汚れ、例えば口紅や脂質汚れ等が付着していた場合は、その汚れを洗い流すことができる。
さらに、仕上すすぎステップで使用する洗浄水である純水には、ウォータースポットの原因となるカルシウム分が略含まれていないため、グラス表面に残るウォータースポットの発生を防止することができる。特に、透明なグラスの表面にウォータースポットが残ると、そのグラスを使用して提供された飲み物は外観による影響により、本来の味を楽しむことが困難となる。そのため、グラス表面に残るウォータースポットの発生を防止することにより、洗浄後のグラスを、提供した飲み物の本来の味を楽しむために好適な状態とすることができる。
また、仕上すすぎ上ノズル53から純水を噴射するとき、洗浄室30の天井である上面板部13の下面に向けて所定の温度の純水を噴射してもいる。これにより、上面板部13の下面に付着した洗浄水等を洗い流すことができる。その場合、上面板部13を正面側から背面側に向けて下降傾斜させるよう構成することにより、上面板部13の下面に付着した洗浄水等を集水部140へと落下流動させることができる。これにより、ラックRに収納した複数のグラスに、上面板部13の下面に付着した洗浄水等が垂れ落ち、仕上すすぎステップ後のグラスに付着することを抑制することができる。
(グラス洗浄モードの洗浄ステップの再洗浄準備ステップ)
次に、グラス洗浄モードの洗浄ステップのうち、再洗浄準備ステップについて、図27を用いて具体的に説明する。
仕上すすぎステップが終了した後に、引き続き食器やグラスの洗浄を行う場合、再洗浄準備ステップを行う。もし、引き続き食器やグラスの洗浄を行わないということであれば、洗浄ステップを終了して、次の清掃ステップへと移行する。
再洗浄準備ステップでは、まず、制御盤18に設けたボタンを押して扉部11を閉める。
扉部11を閉めた後、開閉弁121を開けて、満水である水位よりも低い水位となった仕上すすぎタンク40に、給水管120から供給した清水から純水器122により精製した純水を、第1の純水供給配管123a、三方弁124、第2の純水供給配管123bを通じて、満水となる水位まで供給して貯水する。
また、もし、グラス洗浄ステップで、グラス洗浄タンク80に貯水する第2の洗浄水が満水である水位よりも低い水位となった場合は、三方弁124を切替えて、第3の純水供給系統123cを通じてグラス洗浄タンク80に満水となる水位まで純水を供給して貯水する。
そして、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の洗剤濃度と、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の洗剤濃度とがあらかじめ定めた洗剤濃度となるように、洗剤供給系統により洗剤を供給する。
また、仕上すすぎタンク40に貯水した純水が所定の温度よりも低い温度となっていた場合は、第1の加熱手段41および第2の加熱手段42により所定の温度まで加熱する。食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が所定の温度よりも低い温度となっていた場合は、第3の加熱手段61により所定の温度まで加熱する。そして、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水が所定の温度よりも低い温度となっていた場合は、第4の加熱手段81により所定の温度まで加熱する。
これにより、グラス洗浄モードでの洗浄ステップが終了する。このように、モード選択ステップから再洗浄準備ステップまでで、1つの洗浄サイクルを形成する。そして、再洗浄準備ステップの次に再びモード選択ステップを行うことにより、本実施形態の洗浄装置1は洗浄サイクルを繰り返すことができる。
(清掃ステップ)
次に、清掃ステップについて、図5および図13を用いて具体的に説明する。
食器やグラスの洗浄を行う予定が長時間ない場合、仕上すすぎステップで食器やグラスを収納したラックRを取出した後に、扉部11を開けた状態で制御盤18を操作して洗浄ステップを終了し、制御盤18から送る信号により図5に示す食器洗浄タンク60の排水弁68b、およびグラス洗浄タンク80の排水弁87bを開け、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水、およびグラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水、および洗浄水内に貯まった、食器やグラスに付着していた汚れや油分、残菜等を、排水配管68c、87cを通じて残菜受け部160へと排水する。そして、制御盤18の電源ボタンにより電源を切る。
食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80から排水した洗浄水と、排出された汚れや油分、残菜等は、残菜篭162のパンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等と、洗浄水や油分、パンチングプレートの目よりも小さな汚れ、残菜等とに分離される。
分離された洗浄水や油分、パンチングプレートの目より小さな汚れ、残菜等は、図13に示す排水受け163に一時的に貯水された後に排水受け163の排水口164から施設側の排水溝へと排水される。また、パンチングプレートの目よりも大きな汚れや残菜等は、残菜篭162のパンチングプレートの上に捕集される。
そして、図5に示す洗浄室30内の着脱自在な部材、例えば、一体となるよう構成しているラック支持部37と水返板部130と共有下ノズル115、仕上すすぎ上ノズル53および仕上すすぎ下ノズル54、食器洗浄上ノズル72および食器洗浄下ノズル73、集水部140、切替板154を取り外し、さらに食器洗浄タンク60のストレーナ65、およびグラス洗浄タンク80のストレーナ85を取り外してシンク等の清掃できる場所へと移動させ、それぞれの部材を清掃する。
次に、仕上すすぎタンク40の排水弁47cを開き、排水配管47bを通じて仕上すすぎタンク40に貯水した純水を排水する。
なお、仕上すすぎタンク40に貯水した純水は、食器に付着した汚れや油分、残菜等と接触していないため清浄度が高い上に、純水であるため洗浄力が高い。そのため、排水配管47bから排水する仕上すすぎタンク40に貯水した純水は、容器等に貯めておき、洗浄装置1の清掃に使用してもよい。そうすることにより、洗浄装置1の清掃に使用する水の使用量を減らすことができる。
食器洗浄タンク60およびグラス洗浄タンク80から洗浄水を排水し、着脱自在な部材を取外した後に、ブラシ等により洗浄室30や食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80、洗浄装置1の外面に付着した汚れを落とし、施設側から供給した清水をホース等で散水することにより洗い流す。
洗い流した後、図13に示す残菜篭162を支持部161から取外して、残菜篭162に捕集された残菜等を廃棄する。そして、残菜篭162をシンク等で清掃し、排水受け163をホース等で散水することにより洗い流す。
着脱自在な部材や残菜篭162に付着した水分を除去して再び洗浄装置1へ取り付け、次回に洗浄装置1を使用するための運転準備ステップに備える。
(変形例1)
次に、実施形態1の変形例である変形例1について、図5および図28を用いて説明する。なお、実施形態1と同様の符号のものに関しては、記載を省略する。
変形例1の洗浄装置200では、主に、実施形態1に比較して、純水供給系統、グラス洗浄系統および食器すすぎ系統の構成が異なる。
実施形態1の純水供給系統では、図5に示すように、給水管120から供給した清水を開閉弁121を介して純水器122へと送り、純水器122により精製した純水を第1の純水供給系統123aを通じて供給し、三方弁124により経路を切替えることで第2の純水供給系統123bから仕上すすぎタンク40へと、第3の純水供給系統123cからグラス洗浄タンク80へと供給していた。
また、グラス洗浄系統では、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水を、グラス洗浄ポンプ90により吸込んで吐出し、グラス洗浄配管91a、91b、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112eを通じて共有ノズル114、115へと供給し、洗浄室30内で噴射させていた。
また、食器すすぎ系統では、給水管120から食器すすぎ配管100へと供給した清水を、開閉弁101を介して、第5の加熱手段102で所定の温度に加熱しつつ、合流配管110、共有配管112a、112b、112c、112d、112eを通じて共有ノズル114、115へと供給し、洗浄室30内で噴射させていた。
図28に示すように、変形例1の純水供給系統では、給水管120から供給した清水を開閉弁121を介して純水器122へと送り、純水器122により精製した純水を第1の純水供給系統123aを通じて供給し、三方弁290により経路を切替えることで、仕上すすぎタンク40へと純水を供給する第2の純水供給系統123b、またはグラス洗浄系統であるグラス洗浄配管310へと純水を供給する。
変形例1のグラス洗浄系統は、三方弁290からグラス洗浄配管310へと供給された純水を、開閉弁311を介して、第7の加熱手段(加熱手段)312により所定の温度に加熱し、温度センサ313でその温度を測定し、制御盤18へと信号を送る。制御盤18はその信号を受けて、グラス洗浄配管310を流動する純水を所定の温度に加熱するよう第7の加熱手段312の出力を調整する。
そして、グラス洗浄配管310を流動する純水は、図示しない洗剤供給系統により所定の量の洗剤が混ぜ合わされて第2の洗浄水となり、第2の洗浄水は逆止弁314を介して合流配管110へと合流する。
合流配管110へと合流した第2の洗浄水は実施形態1に記載したように、共有配管112a、112b、112cを通じて共有上ノズル114へと供給され、洗浄室30内で噴射される。また、共有配管112d、112eを通じて共有下ノズル115へと供給され、洗浄室30内で噴射され、切替板154を介して食器洗浄タンク60へと落下流動する。
また、変形例1の食器すすぎ系統は、給水管120から供給した清水を給水分岐管288へと分岐させ、開閉弁289を介して食器すすぎタンク(タンク)280へと供給している。そして、食器すすぎタンク280に貯水した清水は、満水センサ282により検知される満水である水位まで貯水され、温度センサ283でその温度を測定しつつ、第6の加熱手段(加熱手段)281により所定の温度まで加熱される。
そして、所定の温度の清水は、第1の食器すすぎ配管(食器すすぎ配管)301aを通じて食器すすぎポンプ(送水手段)300により吸込んで、第2の食器すすぎ配管(食器すすぎ配管)301bへと吐出される。そして、所定の温度の清水は、第2の食器すすぎ配管301bから開閉弁302を介して合流配管110へと合流する。
合流配管110へと合流した清水は実施形態1に記載したように、共有配管112a、112b、112cを通じて共有上ノズル114へと供給され、洗浄室30内で噴射される。また、共有配管112d、112eを通じて共有下ノズル115へと供給され、洗浄室30内で噴射され、切替板154を介して食器洗浄タンク60および/または食器すすぎタンク280へと落下流動する。
また、図5に示すように、実施形態1の洗浄装置1では、グラス洗浄タンク80にオーバーフロー配管82を接続していた。変形例1の洗浄装置200では、図28に示すように、グラス洗浄タンク80に代わる食器すすぎタンク280にはオーバーフロー配管を接続せず、代わりに食器すすぎタンク280の側面に矩形状の開口である流出開口287を設けて、断面矩形状の流動管(オーバーフロー部)320の一方側を接続し、流動管320の他方側を食器洗浄タンク60の側面に設けた矩形状の開口である流入開口321へと接続する。
食器すすぎタンク280の側面に設けた流出開口287は、食器すすぎタンク280に清水を満水となるまで貯水したときの水位よりも高い位置に設けられ、かつ食器洗浄タンク60のオーバーフロー配管62の開口よりも高い高さ位置に設けられている。
また、食器洗浄タンク60の流入開口321は、食器洗浄タンク60に第1の洗浄水を満水となるまで貯水したときの水位よりも高い位置であり、かつオーバーフロー配管62の開口(図示なし)よりも低い高さ位置に設けられている。そして、食器すすぎタンク280に設けた流出開口287は、食器洗浄タンク60に設けた流入開口321よりも高い高さ位置に設けられている。
つまり、高さ位置の高い順番から記載すると、食器すすぎタンク280の流出開口287、食器洗浄タンク60のオーバーフロー配管62の開口、食器洗浄タンク60の流入開口321となる。
流動管320は管状で、長手方向に直交する断面形状が水平方向を長手方向とする矩形状であり、その矩形状の断面形状の底辺は略水平方向と一致させるように構成している。加えて、流出開口287および流入開口321の形状は、流動管320の断面形状と略一致する形状である。これにより、食器すすぎタンク280に貯水する清水が所定の水位を越えると、他の断面形状である場合に比較して、より早いタイミングで、より多くの清水を食器洗浄タンク60へと流動させることができる。
これにより、食器すすぎタンク280に貯水した清水が所定の水位を越えた場合に、食器洗浄タンク60へと流動管320を通じて流動させて、食器洗浄タンク60へと貯水することができる。そして、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が満水である水位を越えた場合に、オーバーフロー配管62により排水することができる。
このとき、食器洗浄タンク60のオーバーフロー配管62の開口は、食器すすぎタンク280の流出開口287の高さ位置よりも低いため、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水が流動管320を通じて食器すすぎタンク280へと逆流することはない。
このように変形例1の洗浄装置200の構造は実施形態1の洗浄装置1と異なるが、洗浄装置200の動作の流れは実施形態1の動作の流れと略同じである。そのため、図28に示す洗浄装置200の構造から、当業者であれば実施形態1に記載のように動作させることは容易に想到が可能であるため、ここでは動作の説明を省略する。
本願発明の洗浄装置1、200は、主に以下のような作用効果を備える。
(1)本実施形態に記載した洗浄装置1、200は、モード選択ステップで、食器洗浄モードとグラス洗浄モードのいずれかを選択することにより、複数の食器または複数のグラスを、1台の洗浄装置1、200で洗浄することができる。これにより、作業場で、食器とグラスを洗浄するための洗浄装置1、200が占める床面積を小さくすることができる。
(2)食器洗浄モードの洗浄ステップである、洗浄水切替ステップ、食器収納ステップ、食器洗浄ステップ、排水ステップ、食器すすぎステップ、仕上すすぎステップ、および再洗浄準備ステップの7つのステップは、食器を収納したラックRを入れ替えて、繰り返し食器を洗浄することができる食器洗浄モードの洗浄サイクルを形成する。
また、グラス洗浄モードの洗浄ステップである、洗浄水切替ステップ、グラス収納ステップ、グラス洗浄ステップ、排水ステップ、仕上すすぎステップ、および再洗浄準備ステップの6つのステップは、グラスを収納したラックRを入れ替えて、繰り返しグラスを洗浄することができるグラス洗浄モードの洗浄サイクルを形成する。
これにより、食器洗浄モードの洗浄サイクルと、グラス洗浄モードの洗浄サイクルとのうち、いずれかのモードを連続して行うことも、交互に行うことも可能である。これにより、多様な洗浄に対応することのできる洗浄装置1、200を提供することができる。
(3)洗浄装置1、200は、食器洗浄モードと、グラス洗浄モードでそれぞれの洗浄水を流動させる配管系統を、異なる配管系統により構成している。例えば、食器洗浄モードで洗浄水を流動させる系統は、食器洗浄系統、食器すすぎ系統、仕上すすぎ系統、のそれぞれ混じり合うことのない3系統により構成している。また、グラス洗浄モードでは、グラス洗浄系統、仕上すすぎ系統、のそれぞれ混じり合うことない2系統により構成している。これにより、異なる清浄度、異なる種類の洗浄水を接触させることなく食器とグラスとを切り替えて洗浄することができ、食器やグラスの洗浄性を向上させることができる。
(4)食器洗浄モードの食器洗浄ステップの後、およびグラス洗浄モードのグラス洗浄ステップの後には、排水ステップを行っている。これにより、繰り返し行う洗浄サイクルのなかで、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の清浄度、およびグラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水(または食器すすぎタンク280に貯水した清水)の清浄度の低下を抑制することができる。
なお、各ステップで第1の洗浄水や、第2の洗浄水、清水、純水を噴射する時間は例示であり、被洗浄物の状態や、1つの洗浄サイクルあたりの洗浄時間の長さを考えて、洗浄水を噴射する時間を変更してもよい。
なお、変形例1に記載した洗浄装置200で行う食器すすぎステップの後に、食器すすぎタンク280に貯水した清水を所定量だけ排水する排水ステップを行ってもよい。これにより、食器すすぎタンク280に貯水した清水の清浄度を維持することができる。
なお、実施形態1および変形例1では食器洗浄モードの被洗浄物を食器として説明したが、食器以外に、調理に使用した調理器具等であってもよい。
なお、洗浄装置1、200で、三方弁124、290、開閉弁92、101、121、289、302、311、排水弁47c、68b、87b、286bは電動弁でもよく、また電磁弁でもよい。またその場合、各弁は、手動でも開閉できるように構成してもよい。特に、排水弁47cは清掃ステップで制御盤18の電源を切った後に開くこととなるため、排水弁47cは手動でも開閉できるように構成するのがよい。
なお、実施形態1の給水管120から共有する清水の水圧が低く、食器すすぎステップで清水を共有ノズル114、115から噴射させることが困難となる場合は、例えば水道から供給する清水を一時的に貯めるタンクと、タンクに貯水した清水を吸い込んで吐出するポンプとを設けてもよい。その場合、清水を一時的に貯めるタンクの底面に配管を接続し、その配管をポンプへと接続して、そのポンプから本実施形態に記載の給水管120へと接続する。なお、その場合、第5の加熱手段102を取り除き、清水を一時的に貯めるタンクに加熱手段を取付けてもよい。
また、変形例1の給水管120から供給する清水の水圧が低い場合に、グラス洗浄配管310を流動する純水器122により清水から精製した純水の水圧が低くなる。その場合は、例えばグラス洗浄配管310の途中に、純水を一時的に貯めるタンクと、タンクに貯水した純水を吸い込んで吐出するポンプとを設けてもよい。その場合、純水を一時的に貯めるタンクの底面に配管を接続し、その配管をポンプへと接続して、そのポンプから変形例1に記載のグラス洗浄配管310へと接続する。なお、その場合、第7の加熱手段312を取り除き、純水を一時的に貯めるタンクに加熱手段を取付けてもよい。
なお、第1の加熱手段41、第2の加熱手段42、第3の加熱手段61、第4の加熱手段81、第5の加熱手段102、第6の加熱手段281、第7の加熱手段312は、電気式であっても、ガス式であっても、蒸気式であっても構わない。洗浄装置1、200は、電気式である場合、ヒータ等を備えることとなる。また、ガス式である場合、ガスの供給管やバーナ、熱交換器、排気筒等を備えることとなる。また、蒸気式である場合、タンクや配管内に蒸気を供給する蒸気配管、熱交換器等を備えることとなる。
なお、実施形態1のストレーナ65、85、および残菜篭162に用いる多孔板をパンチングプレートと記載したが、これは一例であり、さらに目の細かい樹脂製のフィルターや金属製の網等を用いてもよい。その場合、目が細かいため、樹脂製のフィルターや金属製の網等に残菜が付着し、清掃しにくくなるおそれがある。もちろん、図28に記載の変形例1のストレーナ284も同様である。
なお、実施形態1の食器洗浄タンク60の吸引口66に取付けられる整流板67は、仕上すすぎタンク40の吸引口46、またはグラス洗浄タンク80の吸引口86に取付けてもよい。また、変形例1の食器すすぎタンク280の吸引口285も同様である。
なお、清掃ステップで、洗浄室30や食器洗浄タンク60、グラス洗浄タンク80の汚れ具合が少ない場合は、食器洗浄タンク60および/またはグラス洗浄タンク80に貯水した洗浄水のみを排水し、残菜篭162を支持部161から取り外して清掃するだけでもよい。また、食器洗浄タンク60のストレーナ65や、グラス洗浄タンク80のストレーナ85(または変形例1のストレーナ284)を取り外して清掃するだけでもよい。
なお、制御盤18は、各種機器を一括して設定するためのモードを備えていてもよい。これにより、食器洗浄モードおよびグラス洗浄モードでの、各種設定、例えば仕上すすぎタンク40に貯水した純水の所定の温度、食器洗浄タンク60に貯水した第1の洗浄水の所定の温度や洗剤濃度、グラス洗浄タンク80に貯水した第2の洗浄水の所定の温度や洗剤濃度、を一括して設定することができる。また、仕上すすぎポンプ50、食器洗浄ポンプ70、グラス洗浄ポンプ90の周波数をインバータにより変更して回転数を制御し、それぞれの吐出量を設定することができる。