JP7343773B2 - 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本開示は、鉄道車両用のディスクブレーキ装置に関する。
鉄道車両の制動装置として、ディスクブレーキ装置が広く使用されている。ディスクブレーキ装置は、環状のブレーキディスクと、ブレーキライニングと、を備える。ブレーキディスクは、例えば、車輪に締結され、車輪とともに回転する。ブレーキディスクには、ブレーキライニングが押し付けられる。ブレーキライニングとブレーキディスクとの摩擦により、ブレーキディスク及び車輪が制動される。
鉄道車両に用いられるディスクブレーキ装置のブレーキディスクには、その耐久性を確保する観点から、十分な冷却性能が要求される。制動時における冷却性能を確保するため、一般に、ブレーキディスクの裏面には、複数のフィンが放射状に形成されている。各フィンは、車輪に接触し、ブレーキディスクの裏面と車輪との間に通気路を形成する。当該通気路は、ブレーキディスクが車輪とともに回転するとき、ブレーキディスクの内周側から外周側に向かって空気を通過させる。通気路内を流れる空気により、ブレーキディスクが冷却される。
しかしながら、鉄道車両の走行中、ブレーキディスクと車輪との間の通気路内を空気が流れることにより、空力音が発生する。特に、鉄道車両が高速で走行する場合、通気路内の通気量が増加して大きな空力音が発生する。
これに対して、特許文献1には、周方向に隣り合うフィン同士を連結部で連結したディスクブレーキ装置が開示されている。このディスクブレーキ装置では、連結部により、フィン間の通気路各々において断面積が最小となる部分が形成される。特許文献1によれば、通気路の最小断面積の総和を18000mmとすることで、高速走行時における空力音を低減することができる。
特許文献1において、空力音を低減するための連結部は、ブレーキディスクのディスク本体及びフィンと一体的に形成されている。そのため、ブレーキディスクのうち、連結部の近傍部分の剛性が他の部分の剛性と比較して大きくなっている。よって、制動時においてブレーキライニングがブレーキディスクに対して摺動し、摩擦熱が発生したとき、連結部の近傍部分が他の部分よりも熱変形しにくく、ブレーキディスクに反りが発生する。その結果、ブレーキディスクを車輪に締結するボルトへの負荷が増大する。
そこで、特許文献2では、ブレーキディスクとは別体の空力音低減部材(制御部材)をディスクブレーキ装置に設ける技術が提案されている。特許文献2によれば、制御部材に設けられた突出部によって通気路の一部を塞ぐことで、通気路内の空気の流れを抑制し、鉄道車両の走行中に発生する空力音を低減することができる。また、ブレーキディスクと制御部材とが別個の部品であるため、制御部材の突出部がブレーキディスクの剛性に影響しない。
特開2007-205428号公報 国際公開第2019/194203号
ところで、特許文献2のディスクブレーキ装置において、制御部材は、車輪等の回転部材とブレーキディスクのフィンとの間に配置される。制御部材は、各フィンに形成された凹部に嵌め込まれている。このディスクブレーキ装置によって回転部材を制動する際、ブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦熱により、ブレーキディスクに熱変形が発生する。ブレーキディスクは、まず軸方向の外側(ブレーキライニング側)に熱膨張し、制動開始からある程度時間が経過すると径方向の外側にも熱膨張する。一方、制動部材は、ブレーキディスクとブレーキライニングとの摺動部から離れているため、ほとんど熱変形しない。そのため、ブレーキディスクが径方向の外側に熱膨張したとき、フィンの凹部の内端縁が制動部材に強く干渉し、制御部材に過大な負荷がかかる可能性がある。
本開示は、通気路内の通気量を制御するための制御部材が設けられた鉄道車両用ディスクブレーキ装置において、制御部材に対する負荷を低減することを課題とする。
本開示に係るディスクブレーキ装置は、鉄道車両用のディスクブレーキ装置である。ディスクブレーキ装置は、回転部材と、ブレーキディスクと、制御部材と、を備える。回転部材は、鉄道車両の車軸に取り付けられる。ブレーキディスクは、環状のディスク本体と、複数のフィンと、を含む。ディスク本体は、回転部材に対向する裏面を有する。複数のフィンは、ディスク本体の裏面上に放射状に配置される。フィンの各々の頂面には、当該頂面をディスク本体の周方向に横断する凹部が形成されている。制御部材は、ベースプレートと、突出部と、を含む。ベースプレートは、回転部材とフィンとの間において凹部内に配置される。突出部は、ベースプレートからディスク本体に向かって突出して、ディスク本体の周方向において隣り合うフィンの間に位置付けられる。制御部材は、隣り合うフィンの間の通気量を制御する。ベースプレートの内端縁と凹部の内端縁との間には、第1隙間が形成される。ベースプレートの内端縁は、ディスク本体の径方向におけるベースプレートの両端縁のうち、内側に位置する端縁である。凹部の内端縁は、ディスク本体の径方向における凹部の両端縁のうち、内側に位置する端縁である。
本開示によれば、通気路内の通気量を制御するための制御部材が設けられた鉄道車両用ディスクブレーキ装置において、制御部材の強度を確保することができる。
図1は、実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の概略構成を示す縦断面図である。 図2は、図1に示すディスクブレーキ装置に含まれるブレーキディスクの裏面図である。 図3は、図1に示すディスクブレーキ装置に含まれる制御部材の平面図である。 図4は、図1に示すディスクブレーキ装置の部分拡大図である。 図5は、図4の部分拡大図である。
実施形態に係るディスクブレーキ装置は、鉄道車両用のディスクブレーキ装置である。ディスクブレーキ装置は、回転部材と、ブレーキディスクと、制御部材と、を備える。回転部材は、鉄道車両の車軸に取り付けられる。ブレーキディスクは、環状のディスク本体と、複数のフィンと、を含む。ディスク本体は、回転部材に対向する裏面を有する。複数のフィンは、ディスク本体の裏面上に放射状に配置される。フィンの各々の頂面には、当該頂面をディスク本体の周方向に横断する凹部が形成されている。制御部材は、ベースプレートと、突出部と、を含む。ベースプレートは、回転部材とフィンとの間において凹部内に配置される。突出部は、ベースプレートからディスク本体に向かって突出して、ディスク本体の周方向において隣り合うフィンの間に位置付けられる。制御部材は、隣り合うフィンの間の通気量を制御する。ベースプレートの内端縁と凹部の内端縁との間には、第1隙間が形成される。ベースプレートの内端縁は、ディスク本体の径方向におけるベースプレートの両端縁のうち、内側に位置する端縁である。凹部の内端縁は、ディスク本体の径方向における凹部の両端縁のうち、内側に位置する端縁である(第1の構成)。
第1の構成に係るディスクブレーキ装置によれば、制御部材により、ブレーキディスクのディスク本体の裏面上で周方向に隣り合うフィンの間の通気量を制御することができる。すなわち、上記ディスクブレーキ装置では、隣り合うフィンの間に制御部材の突出部が位置付けられているため、これらのフィンがディスク本体及び回転部材とともに形成する通気路の開口面積が部分的に小さくなる。これにより、通気路内の通気量を制限することができ、鉄道車両の走行時に発生する空力音を低減することができる。
第1の構成において、制御部材のベースプレートは、フィンの頂面に形成された凹部内に配置されている。ただし、ベースプレートの内端縁と凹部の内端縁との間には、予め第1隙間が形成されている。そのため、制動時においてブレーキディスクが径方向の外側に熱膨張し、これに伴ってフィンが径方向の外側に移動したとしても、フィンの移動量が第1隙間の量を超えるまでは、凹部の内端縁がベースプレートの内端縁に干渉しない。よって、制御部材に対する負荷を低減することができる。
第1隙間は、ディスク本体の径方向において3.0mm以上の大きさを有することが好ましい(第2の構成)。
ブレーキディスクの熱膨張に伴うフィンの径方向の外側への移動量は、通常、3.0mm未満である。これに対して、第2の構成では、制御部材のベースプレートの内端縁とフィンの凹部の内端縁との間の第1隙間の量(径方向の大きさ)が3.0mm以上に設定されている。そのため、フィンの凹部の内端縁がベースプレートの内端縁に干渉するのをより確実に防止することができる。よって、制御部材に対する負荷をより低減することができる。
ベースプレートの外端縁と凹部の外端縁との間には、第2隙間が形成されていてもよい。ベースプレートの外端縁は、ベースプレートの両端縁のうち、ディスク本体の径方向において外側に位置する端縁である。凹部の外端縁は、凹部の両端縁のうち、ディスク本体の径方向において外側に位置する端縁である(第3の構成)。
第3の構成によれば、制御部材のベースプレートの外端縁と、フィンの凹部の外端縁との間に第2隙間が形成されている。これにより、制動時において、ブレーキディスクの熱が制御部材に伝達されるのを抑制することができる。よって、制御部材の熱負荷を低減することができる。
フィンのうち少なくとも一部のフィンは、締結部材を通すための締結孔を含むことができる。締結部材は、ブレーキディスクを回転部材に締結する。締結孔は、フィンの頂面のうち凹部の内側の部分に開口する。フィンの頂面側の締結孔の端部には、締結部材を支持する底部が設けられていてもよい(第4の構成)。
締結孔の底部は、1.0mm以上の厚みを有することが好ましい(第5の構成)。
第5の構成によれば、ブレーキディスクの締結孔において、締結部材を支持する底部の強度を確保することができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[ディスクブレーキ装置の構成]
図1は、本実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置100の概略構成を示す縦断面図である。縦断面とは、中心軸Xを含む平面でディスクブレーキ装置100を切断した断面をいう。中心軸Xは、鉄道車両の車軸200の軸心である。以下、中心軸Xが延びる方向を軸方向という。
図1に示すように、ディスクブレーキ装置100は、回転部材10と、ブレーキディスク20と、制御部材30と、を備える。
回転部材10は、車軸200に取り付けられ、車軸200と一体で中心軸X周りに回転する。本実施形態の例では、回転部材10は、鉄道車両の車輪であり、板部11を有する。ただし、回転部材10は、車輪以外のディスク体であってもよい。
ブレーキディスク20は、ディスク状の回転部材10の両面に設けられている。これらのブレーキディスク20は、例えば、ボルト及びナットで構成される締結部材40により、回転部材10の板部11に締結される。軸方向において各ブレーキディスク20の外側には、ブレーキライニング50が設けられる。制御部材30は、回転部材10と各ブレーキディスク20との間に配置されている。
図2は、回転部材10の両面上に配置されたブレーキディスク20の一方を回転部材10側から見た図(裏面図)である。図2では、ブレーキディスク20の1/4周部分を示す。図2では、ブレーキディスク20(実線)に加え、制御部材30を破線で示している。
図2を参照して、ブレーキディスク20は、ディスク本体21と、複数のフィン22と、を含む。
ディスク本体21は、環状をなす。ディスク本体21は、実質的に、中心軸Xを軸心とする円環板状を有する。ディスク本体21は、摺動面211及び裏面212を有する。摺動面211は、ディスク本体21において軸方向の一方側に設けられた面である。摺動面211には、制動力を発生させるためにブレーキライニング50(図1)が押し付けられる。裏面212は、ディスク本体21において軸方向の他方側に設けられた面であり、回転部材10(図1)に対向する。以下、ディスク本体21の周方向及び径方向を単に周方向及び径方向という。
複数のフィン22は、ディスク本体21の裏面212上に放射状に配置されている。これらのフィン22は、ディスク本体21の内周側から外周側に延びている。各フィン22は、裏面212から回転部材10(図1)側に突出する。これにより、回転部材10と、周方向において隣り合うフィン22と、ディスク本体21との間に空間が形成される。これらの空間は、ブレーキディスク20が回転部材10とともに回転する際に空気が通過する通気路となる。フィン22各々の頂面221には、頂面221を周方向に横断する凹部222が形成されている。
ディスク本体21に設けられた複数のフィン22のうち、一部のフィン22は、締結部材40(図1)を通すための締結孔223を含む。各締結孔223は、ディスク本体21及びフィン22を貫通する。その他のフィン22の頂面221には、凹状のキー溝224が形成されている。キー溝224には、ブレーキディスク20と回転部材10(図1)との相対回転を規制するためのキー(図示略)が嵌め込まれる。フィン22の数、締結孔223の数、及びキー溝224の数は、適宜設定することができる。本実施形態の例では、全てのフィン22に締結孔223又はキー溝224が形成されているが、締結孔223及びキー溝224が形成されていないフィン22が存在してもよい。
図3は、制御部材30をブレーキディスク20側から見た図(平面図)である。図3では、制御部材30の1/4周部分を示す。図3では、説明の便宜上、制御部材30(実線)に加え、ブレーキディスク20を破線で示す。
図3を参照して、制御部材30は、ブレーキディスク20とは別の部材である。制御部材30は、周方向に隣り合うフィン22の間の通気量を制御する。制御部材30は、ベースプレート31と、複数の突出部32と、を含んでいる。
ベースプレート31は、概略円環板状をなし、ディスク本体21と実質的に同軸に配置されている。ベースプレート31は、フィン22の頂面221上に配置される。より具体的には、ベースプレート31は、各フィン22の頂面221に設けられた凹部222内に配置されている。したがって、径方向におけるベースプレート31の長さは、径方向におけるフィン22の頂面221の長さよりも短い。
ベースプレート31には、締結部材40(図1)を挿通させるため、ブレーキディスク20の締結孔223に対応して複数の開口311が形成されている。また、ベースプレート31には、上述したキー(図示略)を挿通させるため、ブレーキディスク20のキー溝224に対応して複数の開口312が形成されている。
ベースプレート31の両面のうち、ブレーキディスク20側の面には、複数の突出部32が形成されている。突出部32は、周方向に間隔を空けて設けられている。突出部32の各々は、ベースプレート31からディスク本体21に向かって突出して、周方向に隣り合うフィン22の間に位置付けられる。すなわち、周方向において隣り合うフィン22の間に、突出部32が1つずつ配置される。
以下、図4及び図5を参照して、ブレーキディスク20及び制御部材30の各部の寸法及び位置関係について詳細に説明する。図4は、図1に示すディスクブレーキ装置100の部分拡大図である。図5は、図4に示すディスクブレーキ装置100の一部をさらに拡大した図である。なお、図1、図4、及び図5では、説明の便宜上、ブレーキディスク20及び制御部材30をそれぞれ異なる平面で切断した断面で示している。図1、図4、及び図5において、ブレーキディスク20の断面は、締結部材40の軸心を含む平面で切断した断面であり、制御部材30の断面は、突出部32の径方向中央部を通る平面で切断した断面である。
図4を参照して、上述したように、ブレーキディスク20のフィン22の頂面221には、凹部222が形成されている。凹部222は、内端縁222a及び外端縁222bを有する。内端縁222aは、径方向における凹部222の両端縁のうち、内側に位置する端縁である。外端縁222bは、径方向における凹部222の両端縁のうち、外側に位置する端縁である。
フィン22の頂面221の内端縁221aから凹部222の内端縁222aまでの径方向における距離Li1は、例えば、1.0mm~14.0mmとすることができる。凹部222の内端縁222aから締結孔223の内端までの径方向における距離Li2は、例えば、20.0mm~30.0mmとすることができる。
凹部222の外端縁222bからフィン22の頂面221の外端縁221bまでの径方向における距離Le1は、例えば、1.0mm~14.0mmとすることができる。締結孔223の外端から凹部222の外端縁222bまでの径方向における距離Le2は、例えば、13.0mm~23.0mmとすることができる。
フィン22の頂面221のうち凹部222の内側の部分には、締結部材40を通す締結孔223が開口している。締結孔223は、大径部223aと、小径部223bとを有する。大径部223aの直径は、小径部223bの直径よりも大きい。小径部223bは、締結孔223において、フィン22の頂面221側の端部を構成する。大径部223aと小径部223bとの径差により、小径部223bの周囲に環状の底部225が形成されている。
大径部223a内には、締結部材40の頭部41が収容される。頭部41は、ボルトの頭部又はナットである。大径部223a内の頭部41は、底部225によって直接又は間接的に支持される。本実施形態の例では、頭部41と底部225との間に、1枚以上の皿ばね60が配置されている。すなわち、頭部41は、皿ばね60を介して底部225に支持されている。底部225の厚み(軸方向の長さ)tは、強度確保の観点から、1.0mm以上であることが好ましく、2.0mm以上であることがより好ましい。底部225の厚みtは、例えば、6.0mm以下である。
小径部223bには、締結部材40のうち、ボルトの軸部42が挿入される。軸部42は、頭部41から軸方向に延び、小径部223b、制御部材30の開口311、及び回転部材10の締結孔12を通過する。
図5を参照して、制御部材30は、締結部材40により、ブレーキディスク20とともに回転部材10に締結されている。制御部材30のうち、ベースプレート31は、回転部材10とフィン22との間において、このフィン22の頂面221に設けられた凹部222内に配置されている。ベースプレート31の厚み(軸方向の長さ)は、凹部222の深さ(軸方向の長さ)以下となっている。
ベースプレート31は、内端縁313及び外端縁314を有する。内端縁313は、径方向におけるベースプレート31の両端縁のうち、内側に位置する端縁である。外端縁314は、径方向におけるベースプレート31の両端縁のうち、外側に位置する端縁である。ディスクブレーキ装置100の縦断面視で、ベースプレート31の内端縁313は、凹部222の内端縁222aと、締結孔223の内端との間に配置されている。ディスクブレーキ装置100の縦断面視で、ベースプレート31の外端縁314は、凹部222の外端縁222bと、締結孔223の外端との間に配置されている。締結孔223の内端及び外端は、ディスクブレーキ装置100の縦断面視で、締結孔223の大径部223aの内周面と、締結部材40の頭部41の座面となる底部225の表面とが交差する点である。
ベースプレート31の内端縁313は、径方向において、凹部222の内端縁222aよりも外側に配置されている。よって、ベースプレート31の内端縁313と、凹部222の内端縁222aとの間には隙間G1が形成されている。すなわち、ベースプレート31の内端縁313は、凹部222の内端縁222aに接触していない。
隙間G1は、例えば、径方向において3.0mm以上の大きさを有する。径方向における隙間G1の大きさが周方向に沿って変動する場合は、隙間G1の大きさの最小値が3.0mm以上であることが好ましい。なお、隙間G1の大きさとは、非制動状態、つまりブレーキディスク20の熱変形が生じていない状態での大きさである。
本実施形態において、ベースプレート31の外端縁314は、径方向において、凹部222の外端縁222bよりも内側に配置されている。そのため、ベースプレート31の外端縁314と、凹部222の外端縁222bとの間には隙間G2が形成されている。すなわち、ベースプレート31の外端縁314は、凹部222の外端縁222bに接触していない。
本実施形態の例では、ベースプレート31と凹部222との間の外周側の隙間G2は、内周側の隙間G1よりも小さい(G1>G2)。ただし、隙間G1,G2の大きさが同程度であってもよい。あるいは、ベースプレート31の内端縁313と凹部222の内端縁222aとが非接触である一方、ベースプレート31の外端縁314は、凹部222の外端縁222bに接触していてもよい(G1>0、且つG2=0)。
制御部材30において、突出部32は、ベースプレート31からディスク本体21の裏面212に向かって突出する。突出部32の先端は、ディスク本体21の裏面212には接触しない。また、突出部32の両側縁は、フィン22の側面226に接触しない。そのため、突出部32とブレーキディスク20との間には、径方向視で概略U字状の空間が形成されている。
各突出部32とブレーキディスク20との間に形成される概略U字状の空間の断面積の総和は、例えば、18000mm以下とすることができる。当該断面積の総和は、例えば、2500mm以上とすることができる。概略U字状の空間の断面積とは、各突出部32とブレーキディスク20との間に形成される概略U字状の空間の周方向に沿った断面の最小面積である。断面積の総和とは、各空間の断面積を周方向に全て足し合わせて算出した値である。
本実施形態において、突出部32は、概略三角形状の縦断面(径方向に沿った断面)を有する。すなわち、ブレーキディスク20の内周側における突出部32の表面は、径方向で外側に向かうにつれてディスク本体21に近づくように傾倒する。ただし、突出部32の形状は、これに限定されるものではない。突出部32は、中空に形成されていてもよいし、中実に形成されていてもよい。通気路内の空気を円滑に案内する観点から、突出部32の表面は、角部を有しない滑らかな形状であることが好ましい。
[効果]
本実施形態に係るディスクブレーキ装置100では、周方向において隣り合う各フィン22の間に、制御部材30の突出部32が配置されている。これにより、回転部材10と、フィン22と、ディスク本体21とで画定される各通気路の断面積が部分的に小さくなる。よって、通気路内の通気量を制限することができ、鉄道車両の走行時に発生する空力音を低減することができる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置100において、制御部材30のベースプレート31は、フィン22の頂面221に形成された凹部222内に配置されている。ただし、ベースプレート31の内端縁313と凹部222の内端縁222aとの間には、非制動状態で隙間G1が形成されている。そのため、制動時においてブレーキディスク20が径方向の外側に熱膨張し、フィン22が径方向の外側に移動したとしても、フィン22の移動量が隙間G1を超えるまでは、凹部222の内端縁222aがベースプレート31の内端縁313に干渉しない。よって、ブレーキディスク20から制御部材30に過大な負荷がかかるのを防止することができる。
本実施形態において、ベースプレート31の内端縁313と凹部222の内端縁222aとの間の隙間G1の径方向の大きさは、3.0mm以上に設定されている。これにより、制動時におけるブレーキディスク20の熱膨張に伴い、凹部222の内端縁222aがベースプレート31の内端縁313に干渉するのをより確実に防止することができる。よって、制御部材30に対する負荷を低減することができる。
本実施形態では、ベースプレート31の外端縁314と凹部222の外端縁222bとの間にも、隙間G2が形成されている。そのため、制動時に発生するブレーキディスク20の熱が制御部材30に伝達されるのを抑制することができる。よって、制御部材30の熱負荷を低減することができる。
本実施形態では、フィン22において、締結孔223の底部225の厚みtが好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0mm以上に設定されている。これにより、締結部材40の頭部41を支持する底部225の強度を確保することができる。そのため、制動時における底部225の熱変形を低減することができ、制御部材30が底部225から過大な負荷を受けるのを回避することができる。
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、ディスク本体21の径方向において中央付近に制御部材30の突出部32が配置されているが、突出部32の位置はこれに限定されるものではない。突出部32は、ディスク本体21の外周側に配置されていてもよいし、ディスク本体21の内周側に配置されていてもよい。
上記実施形態において、制御部材30のベースプレート31は、実質的に円環板状をなす。しかしながら、ベースプレート31は、周方向において複数に分割されていてもよい。すなわち、複数の円弧状部品によってベースプレート31が構成されていてもよい。これらの円弧状部品は、回転部材10とブレーキディスク20との間において、互いに接触して又は間隔を空けて周方向に配列される。円弧状部品は、それぞれ、複数の突出部32を有することが好ましい。
以下、実施例によって本開示をさらに詳しく説明する。ただし、本開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
制御部材30のベースプレート31の内端縁313と、フィン22の頂面221に設けられた凹部222の内端縁222aとの間の隙間G1について、適切な大きさを検証するため、汎用の解析ソフトウェア(ABAQUS,Version 6.14-3、ダッソー・システムズ社製)を用い、有限要素法による数値解析を実施した。
解析では、周方向の対称性を考慮し、回転部材(車輪)10、ブレーキディスク20、制御部材30、締結部材40、及び皿ばね60を含むディスクブレーキ装置100の15°領域をモデル化した。制御部材30は、ベースプレート31が回転部材10とフィン22の頂面221との間に単純に挟み込まれる形態とした。材料は、ブレーキディスク20を弾塑性体、その他を弾性体とし、材料物性値として実験で予め測定されたデータを与えた。ただし、制御部材30については、一般構造用鋼の材料物性値を使用した。
解析モデルの主な寸法条件は、以下の通りである。
・ブレーキディスクの内径:466.0mm
・ブレーキディスクの外径:720.0mm
・ブレーキディスクの全厚み:43.5mm
・ディスク本体の厚み:22.0mm
解析は、最も厳しい地震検知ブレーキ条件で実施した。すなわち、鉄道車両が360km/hで走行しているときに停止ブレーキをかけた場合を想定して、ブレーキディスク20の熱変形を評価した。
解析の結果、制動中のブレーキディスク20において、軸方向の外側への熱膨張が発生した後、径方向の外側への熱膨張が発生することが確認された。ブレーキ開始から15.3秒後において、ブレーキディスク20の内周端の位置で測定された軸方向外側への移動量は0.5mmであった。また、ブレーキ開始から73.6秒後において、ブレーキディスク20の外周端の位置で測定された径方向外側への移動量は2.9mmであった。
このように、最も厳しい地震検知ブレーキ条件で、ブレーキディスク20の径方向外側への移動量が3.0mm未満であることが確認された。よって、制御部材30のベースプレート31の内端縁313と、フィン22の頂面221に設けられた凹部222の内端縁222aとの間に3.0mm以上の隙間G1を予め設けておけば、制動時において制御部材30のベースプレート31にフィン22が接触せず、ブレーキディスク20から制御部材30への負荷をより確実に回避することができるといえる。
100:ディスクブレーキ装置
10:回転部材
20:ブレーキディスク
21:ディスク本体
22:フィン
221:頂面
222:凹部
222a:内端縁
222b:外端縁
223:締結孔
225:底部
30:制御部材
31:ベースプレート
313:内端縁
314:外端縁
32:突出部
G1,G2:隙間

Claims (5)

  1. 鉄道車両用のディスクブレーキ装置であって、
    前記鉄道車両の車軸に取り付けられる回転部材と、
    前記回転部材に対向する裏面を有する環状のディスク本体と、前記裏面上に放射状に配置される複数のフィンと、を含み、前記フィンの各々の頂面に、当該頂面を前記ディスク本体の周方向に横断する凹部が形成されたブレーキディスクと、
    前記回転部材と前記フィンとの間において前記凹部内に配置されるベースプレートと、前記ベースプレートから前記ディスク本体に向かって突出して前記フィンのうち前記周方向において隣り合うフィンの間に位置付けられる突出部と、を含み、前記隣り合うフィンの間の通気量を制御する制御部材と、
    を備え、
    前記ディスク本体の径方向における前記ベースプレートの両端縁のうち内側に位置する端縁である前記ベースプレートの内端縁と、前記径方向における前記凹部の両端縁のうち内側に位置する端縁である前記凹部の内端縁との間に、第1隙間が形成される、ディスクブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキ装置であって、
    前記第1隙間は、前記径方向において3.0mm以上の大きさを有する、ディスクブレーキ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のディスクブレーキ装置であって、
    前記ベースプレートの前記両端縁のうち前記径方向において外側に位置する端縁である前記ベースプレートの外端縁と、前記凹部の前記両端縁のうち前記径方向において外側に位置する端縁である前記凹部の外端縁との間に、第2隙間が形成される、ディスクブレーキ装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のディスクブレーキ装置であって、
    前記フィンのうち少なくとも一部のフィンは、
    前記ブレーキディスクを前記回転部材に締結する締結部材を通すための締結孔であって、前記頂面のうち前記凹部の内側の部分に開口する前記締結孔、
    を含み、
    前記締結孔の前記頂面側の端部には、前記締結部材を支持する底部が設けられる、ディスクブレーキ装置。
  5. 請求項4に記載のディスクブレーキ装置であって、
    前記底部は、1.0mm以上の厚みを有する、ディスクブレーキ装置。
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