[管理システムの構成]
図1は、管理システム1の構成例を示す概略図である。
図1に示す、管理システム1は、例えば、メンテナンス管理装置10と、店舗システム100と、店舗システム100とメンテナンス管理装置10とを接続する回線網80と、を備える。
回線網80は、例えば、インターネットであり、VPN(Virtual Private Network)が採用され得るほか、インターネットを活用しない物理的な専用回線であってもよい。管理システム1は、いわゆるイントラネットであってもよい。
メンテナンス管理装置10は、例えば、サーバとして機能するコンピュータであるが、クラウド環境に設けられてもよく、つまり、ソフトウェア及びデータベースがその実体である。メンテナンス管理装置10は、店舗システム100に接続可能であればよいため、設置場所は遊技場の内外を問わず、仮想化技術によって実現できる仮想サーバであってもよい。
店舗システム100は、例えば、遊技場の一施設を単位として形成される各種の装置、設備の集合である。店舗システム100は、例えば、メンテナンス端末29、補給設備管理装置31、コンディション情報管理装置41、通信・放送管理装置51、セキュリティ管理装置61、遊技管理装置71、会員管理装置72、景品POS73、精算機74、を備える。これらの各種の装置は、単体の独立した装置ではなく、機能としていずれかの装置に内蔵される場合があり、また、ソフトウェアとしてのみ存在するものも含まれる。
店舗システム100は、有線又は無線によって各装置が接続され、ネットワークの形態(トポロジ)は、バス型、ツリー型、スター型、リング型、メッシュ型、その他既知の形態を採用することができる。有線での接続としては、PLC(コンセントLAN)を含めることができる。管理システム1についても同様であり、また、管理システム1及び店舗システム100には、図示を省略するNAS(Network Attached Storage)等の記憶装置が設けられてもよい。
メンテナンス端末29は、メンテナンス管理装置10の入出力手段に相当する携帯型の端末であり、例えば、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチが想定される(特に、タブレット端末)。概念的には、メンテナンス端末29は、これらの電子機器にインストール可能なアプリケーションソフトウェアそのものであってもよい。
補給設備管理装置31は、主として島設備である補給系の設備を管理する装置であり、多数の補給制御装置から送信される各種の情報を収集、集計し、各島の情報を一括で取り扱う機能を備える。これにより、島内の遊技媒体(遊技球、メダル等)量や隷下の装置の状態が把握可能である。補給設備管理装置31は、後述する補給設備管理システム30(図2参照)を統括する。
コンディション情報管理装置41は、主として島設備の温度、湿度、遊技装置76(図6参照)の動作情報、遊技装置76の交換情報、遊技場内の各種の設備、装置の工事情報を一括で取り扱う機能を備える。コンディション情報管理装置41は、後述するコンディション情報管理システム40(図3参照)を統括する。
通信・放送管理装置51は、主として遊技場内での通信、放送設備を管理する機能を備え、インカム及びイヤホンを通じた遊技場の従業員間の通信や遊技場内に向けたアナウンス、更には遊技場内外のサイネージ(広告)などを取り扱う。通信・放送管理装置51は、後述する通信・放送管理システム50(図4参照)を統括する。
セキュリティ管理装置61は、店内、店外の保安設備、保安装置を管理する機能を備え、例えば、監視カメラ、ドアの開閉、景品交換エリアの盗難防止、駐車場での異変検知等に関する設備、機器を統括する。本願において、セキュリティ管理装置61は、後述するセキュリティ管理システム60(図5参照)を統括するが、隷下の機器に関するセキュリティ管理は、遊技場の建物ごとの建屋単体での管理や各装置のメーカによる管理が行われることと競合しない。
遊技管理装置71は、主として遊技装置76(図6参照)を管理する装置であり、多数の遊技装置76から出力される各種の遊技情報を収集、集計、分析する機能を備える。また、遊技装置76が報知する異常を表示したり、遊技装置76から出力される遊技情報の異常を検出する機能を備える。遊技管理装置71は、後述する遊技管理システム70(図6参照)を統括する。
会員管理装置72は、主として遊技客の個人情報や遊技客が所有している経済価値や貸借している遊技媒体に関する情報を管理する装置であり、遊技客の来店履歴、遊技履歴、貸借履歴等を収集、集計、分析する機能を備える。
景品POS73は、主として計数機(ジェットカウンター)が出力したバーコード用紙の読み取り、景品交換及び交換履歴、景品の在庫量、景品の発注を管理する機能を備え、売れ筋の景品、死に筋の景品等の分析が可能である。
精算機74は、遊技客に預かり金の残高がある場合に現金払いによって精算する機能を備え、硬貨紙幣の残数等を報知することが可能である。
なお、以下では、装置、機器、設備、センサ等を厳密に区別せずに扱うために「デバイス」と記載する場合がある。
[補給設備管理システムの構成]
図2は、補給設備管理システム30の構成例を示す概略図である。
補給設備管理システム30は、補給設備管理装置31が管理する補給系のシステムであり、主として補給系のデバイス、情報を管理する。
補給設備管理システム30では、各島の情報を一括で扱うため、島内の遊技媒体量や隷下の各種の装置の状態が把握可能であり、渡り補給方式の場合は、遊技場内(あるいは各階ごと)の遊技媒体の移送状況が表示可能である。
補給制御装置32は、各島内の補給機器を制御及びエラー等を報知する装置であり、通常は1つの島に1つの補給制御装置32が設けられる。補給制御装置32には、揚送研磨装置33、島上貯留タンク34、島下貯留タンク35が接続される。
揚送研磨装置33は、島内を流れる(島下貯留タンク35付近を移動する)遊技媒体の表面を研磨するとともに、研磨された遊技媒体を島上貯留タンク34に揚送する装置である。
揚送研磨装置33、島上貯留タンク34、島下貯留タンク35は、いずれも動作確認や貯留レベル、異物の混入検出等のための各種のセンサを備える。例えば、揚送研磨装置33では、揚送の駆動のためのモータに関する負荷、駆動系での異物の詰まりなどを検出しており、島上貯留タンク34、島下貯留タンク35でも同様に、遊技媒体の移送に用いるモータ等の負荷、駆動系での異物の詰まりなどの状態を検出するためのセンサを備える。
そして、補給制御装置32は、揚送研磨装置33、島上貯留タンク34、島下貯留タンク35と接続され、これら装置から出力される各種の情報をリアルタイムに受信して蓄積し、補給設備管理装置31の呼出しに応じる等の形式により適切なタイミングで蓄積したデータを補給設備管理装置31に送信する。
具体的には、補給設備管理装置31は、ルータ機能を備えるネットワーク中継装置81を介して多数の補給制御装置32に接続される。つまり、補給設備管理装置31は、n個の補給制御装置32-1、32-2、・・・、32-nから構成され、各々、揚送研磨装置33-1、33-2、・・・、33-n、島上貯留タンク34-1、34-2、・・・、34-n、島下貯留タンク35-1、35-2、・・・、35-n、と対応して電気的に接続されている。
[コンディション情報管理システムの構成]
図3は、コンディション情報管理システム40の構成例を示す概略図である。
コンディション情報管理システム40は、コンディション情報管理装置41が管理する店舗内環境や工事履歴に関する記録系のシステムであり、主として島設備に影響する環境情報を収集、管理するとともに、工事履歴を管理する。
コンディション情報管理システム40が収集、管理する情報の一例としては、島内の温度及び湿度、遊技装置76の取り付け角度、ノイズの発生状況に関する情報、稼働時間のカウント、電流値の監視、工事情報(工事履歴)に関する内容であり、以下ではこれらの情報をコンディション情報と呼ぶ。
コンディション情報は、更に島内の振動の発生状況、遊技装置76の開閉の発生状況、遊技台(遊技装置76)の交換情報等を含めることができ、島設備に限られずに店舗内及び店舗外(例えば、駐車場、駐輪場)に設けられるセンサによって収集可能なあらゆる情報を含めることができる。つまり、コンディション情報管理システム40は、IoT、もしくはインターネット環境を使用しないIoT的なシステムとして捉えることもでき、コンディション情報を収集する各種の装置、機器、設備、センサは、IoTデバイスとなる。
コンディション情報管理装置41は、これらの情報を収集及び記録して、島設備等に故障や不具合が生じた時に、異常情報(エラー情報)と当該島設備がどのような環境であったかの記録とを重ね合わせて故障原因の究明に役立てるものである。
コンディション情報管理装置41は、例えば、中継装置82(インターネット80を含めることが可能)を介して、温湿度データロガー42、角度検出データロガー43、ノイズ検知データロガー44、稼働時間カウンタ45、電流値監視データロガー46、工事情報管理装置47、と有線または無線で接続される。中継装置82と各デバイスとの接続形態も有線、無線を問わない。
温湿度データロガー42は、島設備の(特に島の内側の)温度、湿度を計測して記録する装置である。島の内側の温度、湿度は、島の外側と大きくことなるため、島に設置される装置にとっても適用外の温度、湿度になることがあり、このような状況になかったかの確認が可能となる。
角度検出データロガー43は、遊技装置76の設置角度を検出して記録する装置である。特に、パチンコ遊技機では、設置角度に変化があると遊技球の転動態様に影響が出ることから、経年変化や地震等の外的要因によって、例えば、どの時点から許容範囲を超えた角度になっているかの確認が可能となる。また、補給設備の負荷状況の観点から角度検出データロガー43は、補給系の設備を対象として各種の補給系設備の設置角度を検出して記録することも可能である。
ノイズ検知データロガー44は、島設備での電磁波ノイズを検知して記録する装置である。島内には非常に多くの電子機器が設置されて弱電設備と強電設備とが混在することからノイズ対策を施しても電磁波ノイズを抑えこめずにデバイスの許容範囲を超えるおそれがある。電磁波ノイズに起因して動作を停止するデバイスがあるが、動作停止についての原因が追及は困難であるため、電磁波ノイズの発生の程度を日時とともに記録することで、故障の原因が電磁波ノイズであったのか(可能性の検討も含めて)の確認が可能となる。
稼働時間カウンタ45は、監視対象のデバイスの稼働時間をカウントする装置である。稼働時間は経年変化(経年劣化)、耐久年数超過等を判断するための情報として重要であり、また、更新計画の策定にも活用できる。
電流値監視データロガー46は、過電流や他の装置の電源ONに伴う電圧低下、瞬断(瞬電)等を検知、記録する装置である。電流値監視データを確認することにより、あるいはソフトウェアによる判定によって、過負荷により許容以上の電流が流れた場合や、ノイズが乗ったことによる過電流、雷サージが検知される。
工事情報管理装置47は、工事情報(工事履歴)を記録する装置である。対象装置の交換や移動等の工事内容に関する記録を管理する。具体的には、工事情報(工事履歴)は、対象装置の設置作業、対象装置の交換作業、対象装置の部品の交換作業、対象装置の周辺の装置の設置作業、対象装置の周辺の装置の撤去作業、対象装置の周辺の装置の交換作業、対象装置の周辺の装置の部品の交換作業に関する情報を含む。
また、工事情報(工事履歴)は、誰が工事したのか(例えば、工事の施工会社及びその担当者)、当該装置にとって何回目の工事になるのか等に関する情報も記録、管理する。
工事情報は、工事日から一定期間が経過するまで工事実施フラグが記録される。工事実施フラグは、工事の影響が及ぶ期間を考慮して設定されるもので、機器ごとに期間を設定でき、当該期間が経過すると工事実施フラグがクリアされるになっている。つまり、工事実施から設定期間が経過すると故障の原因が工事実施の影響ではなく、機器の経年等に起因するものであるとして推定して取り扱うことになる。工事日からの一定期間は、例えば、7日を設定することができる。
[通信・放送管理システムの構成]
図4は、通信・放送管理システム50の構成例を示す概略図である。
通信・放送管理システム50は、通信・放送管理装置51が管理する通信系及び放送系のシステムであり、主として店内での従業員間の通信、遊技客向けの案内、放送、宣伝に関する設備を管理する。
通信・放送管理装置51は、例えば、中継装置82(インターネット80を含めることが可能)を介して、フロアスピーカ52、フロアマイク53、管理室スピーカ54、管理室マイク55、スマートスピーカ56、案内ロボット57、サイネージ58、インカム59、と有線または無線で接続される。中継装置82と各装置との接続形態も有線、無線を問わない。また、通信・放送管理システム50には、図示を省略する遊技客向けのテレビ設備、WIFI(無線LAN)を含めることができる。
このうち、フロアスピーカ52は、フロアマイク53、管理室マイク55からの音声を出力することができるほか、スマートスピーカ56が受け付けた操作者の要望に対応してクラウド等が提供する楽曲やニュースの読み上げを出力することができる。スマートスピーカ56は、更にスマートスピーカ56が受け付けた音声によって、例えば、図示しない空気清浄機、加湿器、看板照明のON、OFFやサイネージ58の表示画面を切り替えることが可能である。サイネージ58は、景品交換台の脇や島の脇に設けられる店内向けのデジタルサイネージや店舗外に設けられる大型のLEDビジョンを含めることができる。
案内ロボット57は、店舗入り口付近(エントランス付近)において来店客と応対する、例えば、人型のロボットである。案内ロボット57は、遊技客の要望に基づいて音声や身振りによって、どこにどの機種があるかを伝達するのみならず、付属のディスプレイによって場所等を表示することや案内ロボット57自体が移動して遊技客を目的の場所に案内する(誘導する)ことができる。また、案内ロボット57は、遊技客の注文に応じて飲み物やおしぼり等を運搬することが可能であり、同様に遊技客が排出するゴミを収集したり、ホールを清掃することが可能である。さらに、案内ロボット57は、内蔵するカメラ及び画像認識システムによって、来店を禁じた人物の出入りがあった際に従業員、管理室、本部に連絡しつつ、来店禁止者に警告を伝達することが可能であるほか、来店禁止者や不審者を映像等によって記録することができる。
各従業員が装備するインカム59は、インカム間での通信が可能である上、インカム59と管理室スピーカ54、管理室マイク55、案内ロボット57とも通信が可能である。
[セキュリティ管理システムの構成]
図5は、セキュリティ管理システム60の構成例を示す概略図である。
セキュリティ管理システム60は、セキュリティ管理装置61が管理する店舗の保安系のシステムであり、主として店舗でのドアの開閉状態、昇降装置の可動状態、監視カメラによる記録に関する設備を管理する。
セキュリティ管理装置61は、例えば、中継装置82(インターネット80を含めることが可能)を介して、案内ロボット57、エントランスドアセンサ62、従業員ドアセンサ63、セキュリティエリアドアセンサ64、エレベータ65、エスカレータ66、管理室モニタ67、カメラ68、と有線または無線で接続される。中継装置82と各装置との接続形態も有線、無線を問わない。
エントランスドアセンサ62は、遊技客用の店舗入り口のドア(エントランスドア)が閉状態であるか否かを検出するセンサである。従業員ドアセンサ63は、従業員が出入りするドアが閉状態であるか否かを検出するセンサである。例えば、店舗の内外を分ける従業員のみが開閉できるドアや、店舗内にあってホールと従業員専用エリアとを分けるドア(例えば、STAFFONLYと明示されたドア)に設けられるセンサである。セキュリティエリアドアセンサ64は、例えば、管理室の出入り口のドアが閉状態であるか否かを検出するセンサであり、特定の従業員のみしか開閉できないドアに設けられるセンサである。
エレベータ65、エスカレータ66は、それぞれ可動状況、可動履歴をセキュリティ管理装置61が管理できるようにセキュリティ管理装置61に接続されている。管理室モニタ67は、カメラ(監視カメラ)68の映像を確認するためのモニタである。カメラ68は、店内の状況を監視する多数の店内カメラのほか、エントランス付近の店舗の外側、従業員ドア付近の店舗の外側、駐車場、駐輪場等を監視するために店舗外にも設けられる。
[遊技管理システムの構成]
図6は、遊技管理システム70の構成例を示す概略図である。
遊技管理システム70は、ホールコンピュータとも呼ばれる遊技管理装置71が管理する遊技系のシステムであり、主として遊技装置76が発信する情報を管理する。
遊技装置76は、遊技台である遊技機に加えて、図示を省略する遊技媒体貸機(カードユニット)、呼出しランプ、各台計数装置などが含まれる場合があり、これらの装置をまとめて遊技装置76とする。
情報収集装置75は、一対一または一対多で遊技装置76と接続され、遊技装置76から出力される各種の情報をリアルタイムに受信して蓄積し、遊技管理装置71の呼出しに応じる等の形式により情報収集装置75が蓄積したデータを適切なタイミングで遊技管理装置71に送信する。
具体的には、遊技管理装置71は、ルータ機能を備えるネットワーク中継装置81を介して多数の情報収集装置75に接続される。つまり、情報収集装置75は、n個の情報収集装置75-1、75-2、・・・、75-nから構成され、各々、遊技装置76-1、76-2、・・・、76-nと対応して電気的に接続されており、それぞれ遊技装置76が出力する遊技情報を収集する。
情報収集装置75は、図示を省略する呼出しランプと接続され、遊技装置76が出力する遊技情報は、呼出しランプを経由して情報収集装置75に入力されるようにしてもよい。また、情報収集装置75は、呼出ランプ、カードユニット等の他の装置と一体に構成されてもよく、設置場所は遊技島の内側に限られない。
ネットワーク中継装置81は、ルータ、L2スイッチ、L3スイッチ等の中継装置であり、無線LANやブリッジ、集線装置としてのハブ(例えば、リピータハブ)、その他の中継装置を含めてもよい。ネットワーク中継装置81は、ネットワークの形態、ネットワークの規模、ネットワーク中継装置81の中継能力(例えば、有するポートの数)等に応じて複数設けられる場合がある。
遊技管理装置71は、集計する遊技情報が営業稼働データとなるため、会員管理装置72、景品POS73、精算機74、図示を省略する機器、設備を含むその他機器とデータ連携可能であり、一般的にはアクセス制限が管理されるセキュリティ環境下におかれる。
[メンテナンス管理装置の構成]
図7は、メンテナンス管理装置10の構成を説明するブロック図である。
メンテナンス管理装置10は、例えば、制御手段11、データ処理手段12、記憶手段13、入力手段14、表示手段15、出力手段16、通信手段17を備える。
制御手段11は、データ処理手段12、記憶手段13、入力手段14、表示手段15、出力手段16、通信手段17をそれぞれ接続するとともに、これら各手段を制御して各種機能を動作させるために所定の処理を実行する。また、制御手段11は、通信手段17で受信した信号をデジタルデータに変換して記憶手段13に送る制御も実行する。
つまり、制御手段11は、バス的な要素とCPU的な要素を併せ持つものであるが、メンテナンス管理装置10がクラウド環境によって提供されることも踏まえると、制御手段11は演算装置でもあるし、ソフトウェアでもある。
次に、メンテナンス管理装置10のインターフェースとなる入力手段14、表示手段15、出力手段16、通信手段17の各手段から説明する。
入力手段14は、例えば、メンテナンス端末29や、キーボード、マウス等が該当し、主として、メンテナンス管理装置10に文字情報や選択情報(決定情報)を入力する手段となる。
表示手段15は、例えば、メンテナンス端末29やメンテナンス管理装置10と接続されたディスプレイが該当し、メンテナンス管理装置10が出力する情報を表示する手段となる。
出力手段16は、例えば、メンテナンス端末29や印刷装置、外部記憶媒体が該当し、メンテナンス管理装置10が扱うデータや集計、分析したデータを外部に出力する手段である。
通信手段17は、例えば、IPアドレス、ポート、通信プロトコルを管理するともに、通信先との接続を確立するための手段である。
次に、メンテナンス管理装置10のうちソフトウェアとして(各種のプログラムとして)設けられるデータ処理手段12について説明する。
データ処理手段12は、データ処理を実行するためのソフトウェアであり、データ集計手段12a、データ抽出手段12b、データ表示手段12c、データ分析手段12d、データ設定手段12e、入力処理手段12fを備える。
データ集計手段12aは、後述する「メンテナンス情報」、「コンディション情報」、「ステータス情報」の各種データを関連性に基づいて(例えば、データの種類ごとに基づいて)集計する手段である。「ステータス情報」は、遊技客に関する個人情報(会員情報)や遊技装置76の個別情報に加えて、管理システム1においてIoTデバイスとなる各種のデバイスが収集するコンディション情報を含む情報である。ステータス情報については、図11において説明する。
データ抽出手段12bは、「メンテナンス情報」、「コンディション情報」、「ステータス情報」の各種データを、例えば、データの種類ごとに抽出する手段である。データの抽出は、データベース(記憶手段13)から操作者が任意に決定できる。また、図24において詳述する、蓄積された対応記録(修理履歴)から複数回入力された用語を抽出してカウントしたり、操作者がこれから入力しようとする文言について入力補助変換により候補となる過去の入力内容を抽出する手段でもある。
データ表示手段12cは、後述する「閲覧」、「分析」、「入力」の各表示(各モード)に関する処理を実行する手段である。
データ分析手段12dは、後述する「分析モード」において、入力された分析条件に基づいてエラー原因等に関する分析を実行する手段である。
データ設定手段12eは、ユーザ設定に関する処理を実行する手段である。
入力処理手段12fは、入力手段14によって入力された情報を処理する手段であり、後述する「入力モード」におけるフリー入力に対応して入力情報の処理を実行する手段となる。また、入力処理手段12fは、文書の入力途中において、入力済の文字列から、操作者が入力しようとしている後続の文字列や内容を表示して入力を受け付ける「入力補助変換」の処理を実行する。
次に、記憶手段13について説明する。記憶手段13は、異常情報DB13a、コンディション情報DB13b、ステータス情報DB13c、修理履歴DB13d、入力支援DB13eを備える。本願において、DBは、データベースを意味するが、異常情報DB13a、コンディション情報DB13b、ステータス情報DB13c、修理履歴DB13d、入力支援DB13eは、いずれもデータベースとして構築されていないアドレス情報と記憶情報のみからなる単なる記憶手段であってもよい。また、記憶手段13における各データベースは、記憶容量に応じて古い情報から順に新しい情報が上書きされてもよい。
異常情報DB13aは、管理システム1内のデバイスについて、検出された異常状態や分類によって異常と判断された異常情報(エラー情報)を記録するデータベースである。異常情報DB13aでは、店舗コード、装置のシリアルナンバー(装置ID)、異常情報を基本にしてデータの蓄積が構成される。生じた異常情報については、修理や再起動等の対応によって異常状態が解消すると該当する異常情報の異常発生フラグがクリアされる。このため、異常状態に対して未対応の状態が続いたり、修理によっても異常状態が解消しない場合は、異常発生を示す異常発生フラグがクリアされない。
コンディション情報DB13bは、IoTデバイスとなるコンディション情報管理システム40の各種の装置、機器、設備、センサから送信される情報を記憶するとともに、工事情報を記憶するデータベースである。コンディション情報DB13bは、後述する修理履歴DB13dに対してKEY検索(キーワード検索)を実施するために利用される。
ステータス情報DB13cは、図11において説明するステータス情報(コンディション情報の一部を含めてよい)を記憶するデータベースである。
修理履歴DB13dは、管理システム1内の装置名、異常情報(エラー情報)、各種の修理情報を基本にして構成されたデータベースである。修理履歴DB13dは、例えば、「店舗コード」「装置のシリアルナンバー」(装置ID)「装置状態」「装置状態異常原因」「処置方法(処理方法)」「処置後のテスト方法」「処置方法の影響度」等の項目を備える。修理履歴DB13dには、対応者が入力した対応記録(修理履歴)が記憶される。
入力支援DB13eは、後述する図14における定型用語、変換元用語、定型となる文書を管理データベースであり、入力補助変換機能のために、修理履歴から抽出されパターン化された文言を管理する。
全ての異常情報(エラー情報)の詳細な内容は、異常情報DB13aに記憶されるデータと修理履歴DB13dに記憶されるデータとを、例えば、「装置のシリアルナンバー」(装置ID、識別子、識別情報)をKEY(キーワード)として合わせることで生成可能である。得られる詳細な内容は、例えば、どのような異常であるか、異常の原因が何であるか、異常を起こした装置の種類、異常を起こした装置の設置場所、異常を検出した時期、対応方法(修理方法)、対応者(修理者)、修理に要した時間、等を含むものとなり、対応者は、メンテナンス管理装置10からこれらの各項目の任意の項目を軸として過去の修理履歴を検索することができる。
[異常情報(エラー情報)の分類]
次に、上述したエラー情報の分類について説明する。図8は、エラー情報(異常情報)の分類を説明する図である。
図8の表は、左手にエラー原因の分類、中手にエラーの内容、右手に各種システムの装置、についてを表しており、横方向に関連性が表現されることから、一枚の表として構成されている。図中において「エラー判定RealTime性」は、エラー情報から直ちにそのエラー内容を判定可能であるか否かを表している。エラー情報が発生した機器の対応にあたった上でないとエラー内容が判定しないものや、エラー情報を人手を介して分析した上でないとエラー内容が判定しないものはRealTime性がない(図中では「×」)とする。
右手に表すシステムの装置は一例であり、他にも補給設備管理システム30等の装置を含めることができ、ここに挙げるものに限定されない。また、「○」は該当する、発生する、または、RealTimeに判定できることを表しており、「-」は該当しない、発生しないことを表している。また、「×」はRealTimeに判定できないことを表しており、「△」はRealTimeに判定できる場合もある一方RealTimeに判定できない場合もあることを表している。
図8に表すエラー原因分類、エラー内容、各システムの装置については、いずれも例示であり、エラー内容において関連した後述する図10、図11においても同様である。
エラー情報(異常情報)は、「装置異常」、「通信異常」、「データ異常」、「ヒューマンエラー」の4種類に分類される。
「装置異常」に該当するエラー内容としては、例えば、「装置故障」、「電源OFF」が該当する。
「装置故障」について、例えば、遊技管理システム70の各装置、通信・放送管理システム50の各装置、セキュリティ管理システム60の各装置、コンディション情報管理システム40の各装置、のいずれも装置故障に該当する場合があり、装置故障の発生を随時判定可能(RealTime性が「○」)である。
「電源OFF」について、例えば、遊技管理システム70の各装置、通信・放送管理システム50の各装置、セキュリティ管理システム60の各装置、コンディション情報管理システム40の各装置、のいずれも電源OFF(電源オフ、電源遮断)に該当する場合があり、電源OFFの発生を随時判定不能(RealTime性が「×」)である。つまり、装置故障なのか電源OFFなのかは、対応にあたらないと判別せず、電源OFFは装置故障の範疇に含まれる。
「通信異常」に該当するエラー内容としては、例えば、「通信切断」、「通信失敗」が該当する。
「通信切断」について、遊技管理システム70の各装置、通信・放送管理システム50の各装置、セキュリティ管理システム60の各装置、のいずれも通信切断に該当する場合があり、通信切断の発生を随時判定可能(RealTime性が「○」)である。
「通信失敗」について、遊技管理システム70の各装置、通信・放送管理システム50の各装置、セキュリティ管理システム60の各装置、のいずれも通信失敗に該当する場合があり、通信失敗の発生を随時判定可能(RealTime性が「○」)である。
「通信切断」は、セッションが切れることで「通信失敗」と判別可能であるため、「通信切断」も「通信失敗」もRealTime性はいずれも「○」である。メンテナンス管理装置10は、コンディション情報管理システム40の各装置と直接通信をすることがないため、通信切断、通信失敗に該当することがない。
「データ異常」に該当するエラー内容としては、例えば、「データ取得不能」、「データ設定外」、「データ矛盾」、「照合不一致」が該当する。
「データ異常」に該当するものは、基本的に遊技管理システム70の各装置に関するものとなり、その他には会員管理装置72が管理する会員管理システムの各装置についても該当する。「照合不一致」以外の「データ取得不能」、「データ設定外」、「データ矛盾」は、いずれも遊技管理装置71が備えるソフトウェアによって自動で検知できる場合がある(RealTime性が「△」)。
「データ取得不能」は、例えば、遊技装置76(または情報収集装置75)から信号が発信されていない場合が該当する。
「データ設定外」は、例えば、遊技装置76(または情報収集装置75)から取得した特賞回数(大当り等)が設定した上限回数を超過した場合が該当する。
「データ矛盾」は、例えば、遊技装置76(または情報収集装置75)からアウト信号が送信されていない中、出玉を示すセーフ信号が送信される場合等、複数のデータを参照すると論理的に整合しない状態が発生した場合が該当する。データ矛盾は、例えば、遊技管理装置71において検出されたものをメンテナンス管理装置10によっても報知する形態となる。
「照合不一致」は、例えば、終日データの照合によって、遊技管理装置71が取得したデータと情報収集装置75のメモリに記憶されているデータとを照合して、両者のデータに不一致が生じた場合が該当する。
「ヒューマンエラー」に該当するエラー内容としては、例えば、「操作ミス」、「設定ミス」、「工事ミス」が該当する。
「操作ミス」について、遊技管理システム70の各装置、通信・放送管理システム50の各装置、セキュリティ管理システム60の各装置、のいずれも操作ミスに該当する場合があり、操作ミスであるかの判定は、随時判定できる場合がある(RealTime性が「△」)。操作ミスは、本来的な意味における該当機器における誤った操作によって正常範囲を超えるデータが発信された場合に加え、例えば、営業時間中における遊技装置76のテストモード開始や、エレベータ65の点検によって通常とは異なるデータが発信された場合、案内ロボット57が倒れて起き上がれない等を含む。
「設定ミス」及び「工事ミス」について、遊技管理システム70の各装置、通信・放送管理システム50の各装置、セキュリティ管理システム60の各装置、コンディション情報管理システムの各装置、のいずれも設定ミスまたは工事ミスに該当する場合があり、設定ミスまたは工事ミスかの随時判定は不能(RealTime性が「×」)である。
「設定ミス」は、例えば、遊技管理装置71における誤った設定に基づくデータのエラー等ソフトウェア上での設定が正しくない場合が該当する。
「工事ミス」は、例えば、誤配線、接続不良等のハードウェアに起因する工事のミスが該当する。
[サービスマンが推定するエラー内容]
次に、修理にあたるサービスマン(修理担当者)が推定するエラー内容の内容について説明する。図9は、サービスマンが推定するエラー内容を説明する図である。エラー情報(異常情報)を解消するために、サービスマンを含む対応者は、まず、エラー情報(異常情報)やその他の情報、確認、調査(1つ1つの装置や通信状況テスト)等に基づいて、エラー内容を推定する。エラー内容を推定するにあたって参照する情報には、コンディション情報が含まれる(後述するエラー内容とコンディション情報との関連付け)。そして、エラー内容に基づいてエラー原因分類を行い、エラー原因をメンテナンス管理装置10に登録する。必ずしもこの手順に従って進めなければならないものではなく、ひとつの対応手法であり、エラー内容を特定できずに、外形からエラー原因分類を行うということも可能である。また、1つのエラー情報に対応するエラー内容やエラー原因は、複数に及ぶ場合がある。
エラー情報(異常情報)に対応するサービスマンが推定するエラー内容には、図9に例示する十を超えるエラー内容があり、経験を積んだサービスマンでも直ちにエラー内容に間違いなく辿り着くことが難しい。サービスマンが推定するエラー内容には、例えば、「装置故障」、「電源OFF」、「通信切断」、「通信失敗」、「データ取得不能」、「データ設定外」、「データ矛盾」、「照合不一致」、「操作ミス」、「設定ミス」、「工事ミス」がある。
「装置故障」は、装置故障によるデータの異常が発生している場合のエラー内容である。例えば、遊技装置76の経年劣化により遊技情報の一部に異常なデータが含まれている場合、サービスマンは、「装置故障」「工事ミス」等を念頭に遊技管理装置71の故障なのか、伝送経路の故障なのか、情報収集装置75の故障なのか、遊技装置76の故障なのか、等を突き詰めて行くことになる。
「電源OFF」は、装置、機器の電源OFFにより、未取得のデータがあることで発生するデータ異常のエラー内容である。
「通信切断」は、通信切断により、未取得のデータがあることで発生するデータ異常のエラー内容である。
「通信失敗」は、通信失敗により、未取得のデータがあることで発生するデータ異常のエラー内容である。
「電源OFF」、「通信切断」、「通信失敗」は、いずれも未取得のデータがあることで発生するデータ異常であり、サービスマンは、未取得のデータ異常がある場合に、例えば、「電源OFF」、「通信切断」、「通信失敗」を念頭にエラー内容を突きとめることになる。他にも「工事ミス」も念頭に含めることができる。このうち、セッションの有無によって「通信切断」と「通信失敗」とを切り分けることができるが、それ以上の原因究明については、サービスマンによる対応によって進めることになる。
「データ取得不能」は、一部または全部の取得データがない場合に該当するエラー内容である。例えば、「装置故障」「電源OFF」「通信切断」「通信失敗」「設定ミス」「工事ミス」により発生する可能性がある。
「データ設定外」は、取得データが異常値である場合に該当するエラー内容である。例えば、「装置故障」「設定ミス」「工事ミス」により発生する可能性がある。
「データ矛盾」は、取得した複数のデータの整合性が合わない場合に該当するエラー内容である。例えば、「設定ミス」「工事ミス」により発生する可能性がある。
「照合不一致」は、発信側の装置が保持するデータと受信側の装置が記憶するデータとを照合して、両者のデータに不一致が生じた場合が該当する。例えば、「工事ミス」により発生する可能性がある。
「データ取得不能」、「データ設定外」、「データ矛盾」、「照合不一致」は、いずれも「工事ミス」が該当する可能性があり、さらに「照合不一致」以外のエラー内容については、さらなるエラー内容の該当性がある。
「操作ミス」は、操作者による操作ミスによって発生するデータ異常のエラー内容である。例えば、一方の装置から誤って通信を切ってしまうことや、異常情報(エラー情報)への対応にあたり、不必要な装置、機器を再起動する等も含まれる。
「設定ミス」は、セキュリティ管理装置61、遊技管理装置71等において、別項目の設定値を設定した、許容範囲の設置値を過小に設定した等による発生するデータ異常のエラー内容である。
「工事ミス」は、配線ミス等、誤った工事内容に起因するデータ異常のエラー内容である。例えば、とある2つのデータの値が入れ替わっている(テレコ)、一部のデータが受信できていない(データ抜け)等の事象が生じ、場合によっては対象機器から全てのデータが受信できない、という場合もある。
このように、サービスマン(異常情報の対応者)は、断片的なエラー情報(異常情報)から数多くのエラー内容を念頭にエラー内容を推定する必要があり、エラー内容の推定は困難な場合もある。修正対応の結果は、最終的に図8に示す「エラー原因」に分類されるが、サービスマン等の対応者は、エラー情報のみを参照しても当初はどの機器、装置を修理すべきか見当がつかない場合もある。特に、全ての可能性を考慮すると、図9に挙げるエラー内容の全てが想定できることから、どのような対処によって対応を進めていくべきか困惑する事態になるが、一般には、ひとつひとつ確認を進めてひとつひとつのエラー内容を消去法によって絞り込むことになる。また、上述のとおり、1つのエラー情報に対応するエラー内容やエラー原因は、複数に及ぶ場合もある。
[エラー内容とコンディション情報との関連付け登録]
次に、対応者が登録するエラー内容とコンディション情報の内容について説明する。図10は、エラー内容とコンディション情報との関連付けを説明する管理システム1の(メンテナンス管理装置10の)操作画面である。当該エラー内容とコンディション情報との関連付けは、サービスマン等の対応者が行うものであるが、管理システム1が備えるソフトウェアによって自動化されてもよい。コンディション情報は、対象とする島設備等について任意の時点のコンディション情報をコンディション情報管理装置41より取得する。
図10に表す画面は、例えば、メンテナンス端末29や表示手段15(据え置き型のディスプレイ)に表示される。画面の左半分にはエラー原因とエラー内容の分類及びコードを表示する分類コード表20aが表示され、画面の右半分にはコンディション情報の内容と、コンディション情報にエラー内容の関連付け登録を入力する関連付け表20bが表示される。また、コンディション情報に関連付けられたエラー原因のコード(エラーコード)を登録する登録ボタン20c、エラーコードを再入力する再入力ボタン20d、初期画面に戻るボタン20eが表示される。
まず、分類コード表20aから説明する。エラーコードは、例えば、2桁のコードであり、1桁目が数字、2桁目がアルファベットで構成される。例えば、1桁を1バイトととすると、エラーコードは、2バイトのデータになる。2桁目のコードとなるエラー原因分類については、例えば、「装置異常」は「A」のコードが、「通信異常」は「B」のコードが、「データ異常」は「C」のコードが、「ヒューマンエラー」は「D」のコードが振られる。
また、エラー内容については、分類されるエラー原因の2桁目コードを含む数字のコードが振られる。例えば、エラー原因「装置異常(コードA)」に含まれる「装置故障」は「A-1」のコードが、「電源OFF」は「A-2」のコードが振られる。
エラー原因分類に関する2桁目のアルファベットのコード(A-D)もエラー内容に関する1桁目の数字のコードも、コンディション情報以外の情報との関連付けにも用いられる。
次に、関連付け表20bについて説明する。エラー情報に対応する設備について取得されたコンディション情報について、関連付け表20bの左側にコンディション情報内容として表示される。関連付け表20bに表示させる項目はメンテナンス管理装置10への設定によって任意に変更(増減)が可能である。
図10の関連付け表20bにおいて、コンディション情報内容の表示には、例えば、[温湿度監視]では、湿度が5%以下であり、温度が80度以上であったことが表示されている。また、[ノイズ監視]では、規定値を超えるノイズの発生回数が設定数値を超えていること、[角度検出監視]では、水平値(水平からの角度)が基準値を超えていること、が表示されている。また、[稼働監視]では、稼働時間が30000時間を超えていること、[電流値監視]では、設定された電流値を超えていること、[工事記録]では、遊技装置76の設置工事が行われていたこと、が表示されている。
コンディション情報内容の表示にあたり、[温湿度監視]のように、温度と湿度という複数のデータを取得しているものは、当該複数のデータに応じて複数の項目として表示することが可能である。
そして、これらのコンディション情報について、対応者が関連性を検討し、関連性がある、関連性が高いといった基準に基づいて、各コンディション情報に対応するエラーコードを対応者や管理システム1の管理者が入力する。入力されたエラーコードをメンテナンス管理装置10に登録する場合は、登録ボタン20cを操作し、エラーコードを再入力する(別内容での更新する)場合は、再入力ボタン20dを操作する。
コンディション情報とエラーコードとの関連付けにあたっては、コンディション情報において他の条件値の設定や表示が可能であり、また、エラーコードには、任意のコードの新設、割り振りが可能である。このようにして登録されたコンディション情報とエラーコードとの関連付けは、後述する分析処理に活用することができる。
なお、本図を含む、メンテナンス管理装置10(管理システム1)が表示する画面は、据え置き型の表示手段15での表示を念頭にした画面構成となっているが、いずれの画面もメンテナンス端末29において表示可能であり、メンテナンス端末29における縦表示、横表示には、いずれも画面の構成比率を変更する等によって対応する。また、メンテナンス端末29における入力操作にあたっては、画面の一部がキーボード表示に切り替わる等によって入力操作を受け付ける。
[ステータス情報の分類]
次に、ステータス情報について説明する。図11は、ステータス情報の内容を説明する図である。
「ステータス情報」に該当する情報には、例えば、「個人情報」、「遊技装置情報」、「遊技装置不正」、「セキュリティ情報」、「デバイス情報」が含まれる。
「個人情報」は、遊技客の登録会員情報に基づいて取得した情報である。個人情報の項目には、例えば、住所、氏名、連絡先、遊技歴、好みの台のタイプ(MAXタイプ・ミドルタイプ・羽根モノ・ノーマルタイプ・Aタイプ等)、貸球情報、持球情報、最終来店日等が含まれる。
「個人情報」は、主として会員管理装置72が管理するとともに、管理システム1(メンテナンス管理装置10)が扱う情報であり、従業員の個人情報や人事情報は含まれない。
「遊技装置情報」は、遊技装置76に関する情報であり、例えば、メーカ名、機種、遊技機のタイプ、新台/中古の区別、設置日、工事履歴等の項目を含む。
「遊技装置不正」は、遊技装置76からの不正検知情報(いわゆるゴト行為)に関する情報である。
「セキュリティ情報」は、例えば、監視カメラからの監視情報である。
「デバイス情報」は、各装置に関する情報であり、メーカ名、機種、シリアルナンバー、設置場所(設置店舗コード及び店舗内の設置場所)、工事履歴等の項目を含む。
ステータス情報は、エラー情報の原因究明のために、エラー情報との関連付けが可能である。ステータス情報とエラー情報との関連付けにあたっては、図10と同様な形式によってステータス情報内容にエラーコードを登録し、後述する分析処理に活用することができる。ステータス情報とエラー情報との関連付けによって、例えば、ゴト行為によるエラー情報については、エラー情報を発信した装置の修理や交換対応を行う必要がなく、故障として扱うことなく対応を進めることができる。
[メンテナンス管理装置の画面のモード及び処理内容]
次に、メンテナンス管理装置10の画面のモードについて説明する。図12は、メンテナンス管理装置10が表示する画面のモードの遷移を表す図である。また、図13は、メンテナンス管理装置10が表示する画面の各モードでの処理内容を表す図である。図13においては、処理内容が上から下へと一方向に実行されるものではなく、例えば、戻るボタンの操作や画面を左へスワイプする等によって前の処理(上の処理)に戻ることができる。本図は、処理ステップの上下及び左右(モードを超えた横方向)の処理の繋がりを表す図となる。
まず、各モードの遷移について説明する。図12に表すように、メンテナンス管理装置10は、メンテナンス情報閲覧モード21、メンテナンス情報分析モード22、メンテナンス情報入力モード23の3つの画面モードによって後述するメンテナンス情報を表示する。各画面モードには、例えば、後述する図16のように複数の(多数の)種類の画像表示が含まれるが、メンテナンス情報閲覧モード21は、メンテナンス端末29等においてメンテナンス情報を操作者(対応者)に閲覧させるモードである。また、メンテナンス情報分析モード22は、操作者の操作に対応して情報を分析するモードであり、メンテナンス情報入力モード23は、操作者による入力や更新を受け付けるモードである。
メンテナンス情報閲覧モード21は、例えば、メンテナンス情報分析モード22へと遷移可能であり、また、メンテナンス情報入力モード23へと遷移可能である。メンテナンス情報閲覧モード21は、メンテナンス情報の表示にあたり、メンテナンス管理装置10が操作されると(メンテナンス端末29が操作されると)最初に表示される画面モードに設定することができる。
メンテナンス情報分析モード22は、例えば、メンテナンス情報閲覧モード21へと遷移可能であり、また、メンテナンス情報入力モード23へと遷移可能である。メンテナンス情報分析モード22は、例えば、どの情報とどの情報とを用いてどのような分析を行うかの操作入力を受け付けることができる。
メンテナンス情報入力モード23は、例えば、メンテナンス情報閲覧モード21へと遷移可能である。メンテナンス情報入力モード23は、エラー情報に対応するためのメンテナンス記録を入力するモードであり、また、後述する初期設定や各装置への設定値の入力操作を受け付ける。上記の図11におけるエラー内容とコンディション情報との関連付けの登録もメンテナンス情報入力モード23における入力処理となる。
これらのモードの遷移にあたっては、メンテナンス端末29や入力手段14による操作に基づいてモード遷移がなされる。モードを遷移させるための入力手段14の操作態様としては、例えば、画面の右端部付近を操作すると(クリックすると)他の画面モードに遷移し、画面の左端部付近を操作するとひとつ前の画面モードに遷移する。また、メンテナンス端末29の操作態様としては、画面を右にスワイプする、左にスワイプするに応じて上記と同様に画面遷移が実行されてもよいし、指先で画面をダブルタップすると他の画面モードに遷移してもよい。また、付属の入力ペンで画面をタップしたり、入力ペンを接近させるとメンテナンス情報分析モード22とメンテナンス情報入力モード23と順に遷移してもよい。また、モードを選択するチェックボックス23h(図16参照)にチェックを入れて遷移させてもよい。
各画面モードについては、背景色が異なる、画像構成部品(フレーム、ボタン等)の雰囲気が異なる等によって、現在のモードがいずれのモードであるかを操作者が直ちに認識できる構成となっている。
次に、各モードの処理内容を説明する。図13に表すように、メンテナンス情報閲覧モードでは、メンテナンス管理装置10は、メンテナンス情報閲覧モードの初期画面や前回の閲覧画面が表示される閲覧モード開始(S21a)に続いて、最新のデータに基づくメンテナンス情報をチェックするメンテナンス情報チェック処理(S21b)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、メンテナンス情報チェック処理(S21b)に続いて、当該チェック処理を実行した後のメンテナンス情報を表示するメンテナンス情報表示処理(S21c)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、操作者の操作を受け付けるコマンド受付処理(S21d)を実行する。コマンド受付処理(S21d)では、操作者の操作に応じて、次のメンテナンス情報へ表示画面を切り替える、画面モードを遷移させる、メンテナンス管理装置10の操作を終了する等を受け付ける。
コマンド受付処理(S21d)において、メンテナンス情報分析モード22へ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、後述する分析モード開始(S22a)へ移行する。また、メンテナンス情報入力モード23へ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、後述する入力モード開始(S23a)へ移行する。コマンド受付処理(S21d)において、メンテナンス情報入力モードへ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、後述する入力処理(S23d)へ移行してもよい。
メンテナンス情報分析モードでは、メンテナンス管理装置10は、メンテナンス情報分析モードへと画像構成を変更する分析モード開始(S22a)に続いて、分析条件の入力を受け付ける分析条件入力処理(S22b)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、入力された条件に従って異常情報(エラー情報)の原因や各機器、装置の状態等を分析する分析処理(S22c)を実行し、分析情報を表示する分析情報表示処理(S22d)を実行する。分析情報の表示にあたっては、過去の修理履歴を参照して、対象機器の分類において件数の多いエラー内容の順等に基づいて、修理すべき内容として推奨表示がされる。
次に、メンテナンス管理装置10は、分析情報を採用する/採用しない、分析情報を現状のメンテナンス情報に組み合わせる/組み合わせない等の選択を受け付ける分析情報選択処理(S22e)を実行し、選択内容に応じてメンテナンス情報を表示するメンテナンス情報表示処理(S22f)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、操作者の操作を受け付けるコマンド受付処理(S22g)を実行する。コマンド受付処理(S22g)では、メンテナンス管理装置10は、操作者の操作に応じて、次のメンテナンス情報へ表示画面を切り替える、分析条件の入力を受け付ける、画面モードを遷移させる等を受け付ける。
コマンド受付処理(S22g)において、分析条件を入力する処理を受けつけると、メンテナンス管理装置10は、分析条件入力処理(S22b)へ移行する。メンテナンス情報入力モード23へ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、後述する過去情報の表示処理(S23c)へ移行する。メンテナンス情報閲覧モード21へ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、閲覧モード開始(S21a)へ移行する。コマンド受付処理(S22g)において、メンテナンス情報入力モード23へ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、後述する入力処理(S23d)へ処理が移行してもよい。
メンテナンス情報分析モードにおける特徴は、分析情報表示処理(S22d)に関する内容である。分析情報の表示にあたっては、メンテナンス管理装置10に記録された(蓄積された)過去の対応記録(修理履歴)を参照し、例えば、修理履歴の多い内容、修理履歴の傾向に基づいた内容、工事があったというイベント情報に基づいた内容等に基づいて、エラー原因や修理方法についての推奨内容が表示される。
修理履歴の多い内容に基づいた内容については、例えば、案内ロボット57からのエラー情報には、移動不能に関するエラー内容とその対応である転倒した案内ロボット57の起こしや場所移動が1番多く、通信不能に関するエラー内容とその対応である案内ロボット57の再起動が2番目に多いという内容に基づく。修理履歴の傾向に基づいた内容については、例えば、1階のエントランスに近い島でのエラーには、店外からの塵埃の影響によるモータの故障が多い、という内容に基づく。工事があったというイベント情報に基づいた内容では、例えば、工事から所定期間内(工事実施フラグがクリアされていない)では、工事対象デバイスの付近において通信切断が多い、という内容に基づく。
メンテナンス情報入力モードでは、メンテナンス管理装置10は、メンテナンス情報入力モードへと画像構成を変更する入力モード開始(S23a)に続いて、メンテナンス情報の入力を受け付けるメンテナンス情報入力処理(S23b)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、該当の装置または該当のエラーコードに関する表示として、過去に記録された内容を表示する過去情報表示処理(S23c)を実行する。過去情報が複数ある場合には、件数の多い順や登録日時順、等のソート項目に基づいて過去情報を順次表示することができる。
次に、メンテナンス管理装置10は、操作者による入力(フリー入力)を受け付ける入力処理(S23d)を実行する。入力処理では、入力可能な表示欄への文字情報の入力のほか、プルダウンメニュー、ボタン、チェックボックスといった選択項目からの入力を受け付ける。情報の入力に際しては、表示中の過去情報に情報を付加する入力や過去情報から情報を削除する入力が可能であるほか、新規に一から入力することが可能である。入力処理(S23d)については、後述する入力補助変換とともに、図25において詳細に説明する。
次に、メンテナンス管理装置10は、操作者によって入力されたメンテナンス内容や操作者によって選択されたメンテナンス情報と分析情報と組み合わせた情報を保存する(登録する)メンテナンス情報保存処理(S23e)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、操作者の操作を受け付けるコマンド受付処理(S23d)を実行する。コマンド受付処理(S23d)では、メンテナンス管理装置10は、操作者の操作に応じて、次のメンテナンス情報入力へ表示画面を切り替える、閲覧モードへ遷移させる、メンテナンス管理装置10の操作を終了する等を受け付ける。メンテナンス情報閲覧モード21へ切り替える操作を受け付けた場合には、メンテナンス管理装置10は、閲覧モード開始(S21a)へ処理が移行する。
なお、ここで説明した処理内容は、一例であり、コマンド受付処理(S21d、S22g、S23d)は、適宜各処理と処理の間において実行可能であり(つまり、操作者の操作を受け付け可能である)、また、他の処理への遷移も上記の説明に限定されない。
メンテナンス情報入力モードにおける特徴は、過去情報の表示(S23c)に関する内容である。メンテナンス情報入力モードでは、これまでに蓄積された対応記録の内容を表示し、当該表示に基づいて新たな入力を受け付けるため、時間軸において共通の用語や文書に基づいてメンテナンス情報を蓄積していくことができる。つまり、順次増加する対応記録について、従来と共通する部分についての記録に要する労力が省力化されるだけでなく、用語や文書が定型化されることになる。
また、定型化された用語や文書を入力させることで、同一内容、同一種類の記録が蓄積され、分析処理にあたり、抽出漏れ(補足漏れ)が回避される。このため、分析処理の精度が向上する。
このように、過去の対応記録に基づいた入力内容を保存する(登録する)ため、例えば、今回生じたエラー内容が過去に生じた内容と同一であれば、表示された過去の対応記録に何も加筆や削除をすることなく、過去の対応記録と同一内容によって今回の対応記録を登録することができる。定型化する文書の蓄積がない新規な内容については、メンテナンス管理装置10の設定の「入力支援」において、予め定型となる文書を記録し、これを過去情報として表示することが可能である。
[定型用語の登録]
次に、定型用語の登録について説明する。図14は、管理システム1の定型用語の登録画面である。定型用語の登録は、エラー情報を解消するために行ったメンテナンスの記録(対応記録)を記載するための用語の統一を図るために用いられる。
定型用語の画面には、例えば、用語表21a、入力ボタン21b、追加用語読込ボタン21c、除外用語設定ボタン21d、更新ボタン21e、戻るボタン21f、が表示される。用語表21aは、定型用語をエラーコード順に表示する定型用語の欄、及びフリー入力時に入力された文字を定型用語に変換する変換元用語の欄、を含む。
用語表21aでは、例えば、変換元用語に登録された、「装置故障」という用語と、「故障」という用語は、「装置異常(装置故障)」という定型用語に自動で変換が可能となる。当該自動変換については、変換元用語にあたる用語が入力された場合について強制的に全て定型用語に変換してもよいし、対応者の承諾のもとに変換元用語を定型用語に変換するものでもよい。
入力ボタン21bが操作されると、定型用語、変換元用語の追加や削除を受け付ける状態になり、手動での入力に際して操作される。
また、定型用語や変換元用語の登録は、インポートによって外部から用語の登録が可能であるほか、蓄積されたメンテナンス対応の記録を参照して揺れのある記載を見つけ出して登録することができる。追加用語読込ボタン21cが操作されると、任意の範囲のメンテナンス対応記録を参照して揺れのある記載を用語表21aに追加する。追加にあたっては、カウント値が設定を超えた用語について適用することができる。追加用語読込での用語の追加にあたっては、記載数のもっとも多い用語を定型用語とし、それ以外の用語を変換元用語にすることができる。用語は、時と共に変化するものであるため、定型用語と変換元用語との位置が逆転する場合があり得、追加用語読込では、このような一般的な用語の変化に対応することができる。また、ある機器について導入した店舗で用いられる用語を定型用語としていたが、その後導入店舗が増えるに従って用いられる他の用語が主流になる場合があり、追加用語読込では、このようなメンテナンス対応の地域的変化や組織的変化に対応することができる。中でも、用語は、地域ごとに異なる場合があるほか、会社ごとや同一の会社内でも部署ごとに異なる場合があり、追加用語読込による事後的な修正が可能となる。
除外用語設定ボタン21dが操作されると、入力を受け付けない用語を登録する。例えば、図14の用語表21aの下段に表される、「信号断線」及び「信号不通」という用語は、変換元用語が空白であり、入力を受け付けない用語して登録されている。つまり、サービスマン等の対応者がメンテナンス対応の記録を記載するにあたり、信号断線という用語を入力しても、その用語の入力を受け付けず、他の用語によって記載するように促すことができる。用語によっては、複数の意味、複数の事象の説明を含むものがあり、そのような明確性を欠く用語については、除外用語として設定することができる。「信号断線」の用語を例にとると、信号が不通であるという意味として把握できるほか、配線が断線しているという意味として把握できるため、記載が禁止される。また、「不調」の用語は、機器の状態として漠然としており、具体性を欠くため、記載が禁止される。なお、追加用語読込の機能によって、除外用語設定を行うことができる。
更新ボタン21eが操作されると、用語表21aの変更を確定する。戻るボタン21fが操作されると、次の図15で説明する設定画面に遷移する。
[設定項目]
次に、メンテナンス管理装置10における設定項目について説明する。図15は、メンテナンス管理装置10に設定可能な項目や内容を説明する管理システム1の設定画面である。図15に表す設定画面は、メンテナンス管理装置10の起動後の初期表示や特定のボタンを長押しする等の特殊操作によって表示される。
管理システム1の設定画面では、管理システム1の「基本情報」に関する項目、管理システム1における「データ分析」に関する項目、管理システム1における「入力支援」に関する項目、「その他」の項目に分かれて表示される。
具体的には、「基本情報」に関する項目では、店舗情報や店舗システム100に属するデバイスに関する設定画面に遷移するための店舗基本情報の登録ボタン22aが設けられる。「店舗基本情報の登録」ボタン22aを操作すると、店舗情報の登録画面を開くための店舗情報登録ボタン(図示省略)やデバイス情報を登録するための対象システム名ごとのボタン(図示省略)が表示される。
店舗情報としては、例えば、店舗名、店舗コード、法人名、店舗住所、店舗の連絡先、導入メーカ等である。また、店舗システム100に属するデバイスに関する設定項目としては、例えば、遊技装置76について、メーカ名、機種名、タイプ、設置日等の項目の設定が該当する。これらの情報は接続先の管理装置(補給設備管理装置31、コンディション情報管理装置41、通信・放送管理装置51、セキュリティ管理装置61等)から取得することが可能であり、また、csvデータ等の形式でインポートが可能である。
「データ分析」に関する項目では、図10において説明したエラー情報とコンディション情報との関連付けを登録する、エラー情報とコンディション情報の関連付け登録ボタン22bと、エラー情報とステータス情報との関連付け登録ボタン22cが設けられる。
「入力支援」に関する項目では、除外用語設定ボタン21dと更新ボタン21eが設けられる。除外用語設定ボタン21dが操作されると、図14で説明した定型用語の登録画面に遷移する。更新ボタン21eが操作されると、図示を省略する定型文書の登録画面に遷移する。
「その他」に関する項目では、その他の登録ボタン21fが設けられる。例えば、エラー情報の報知時に出力される音に関する設定(音量、音の種類等)、画面構成に関する設定(文字の大きさ、画面のテーマ等)は、「その他」において設定する。また、後述する表示項目(例えば、メンテナンス情報画面での表示項目)の設定も「その他」において設定する。
[メンテナンス情報の表示画面-閲覧モード-]
次に、メンテナンス情報画面の構成について説明する。図16は、閲覧モードで表示されているメンテナンス情報画面である。図17は、コンディション情報の詳細画面である。
メンテナンス情報画面は、遊技管理システム・会員管理システムでのエラー情報の発生を報知する報知欄23a、補給設備管理システム30でのエラー情報の発生を報知する報知欄23b、セキュリティ管理システム60でのエラー情報の発生を報知する報知欄23c、コンディション情報やコンディション情報管理システム40でのエラー情報を報知する報知欄23d、個別のデバイスについてのメンテナンス情報を表示するメンテナンス情報欄23e、を備える。他にも、通信・放送管理システム50でのエラー情報の発生を報知する報知欄や景品POS73、精算機74でのエラー情報の発生を報知する報知欄も表示可能である。
メンテナンス情報画面の表示にあたって、表示手段15(例えば、ディスプレイ)で表示する場合は、各報知欄23a~23dとメンテナンス情報欄23eとが同一画面に表示されるが、メンテナンス端末29等のタブレット端末や小型の表示装置に表示する場合は、報知欄23a~23dとメンテナンス情報欄23eとは別々に表示され、例えば、スワイプ等の操作によって報知欄23a~23dの表示とメンテナンス情報欄23eの表示とを切り替えることができる。
報知欄23a、23b、23cの表示項目としては、例えば、エラー情報の発生日、発生時間、装置名(装置ID)、装置状態またはエラーコード、対処、が表示される。報知欄23dの表示項目としては、例えば、コンディション情報またはエラー情報の発生日、発生時間、分類、コンディション変化記録、が表示される。装置名(装置ID)は、装置を特定するための識別情報に対応し、装置状態は、装置の状態が正常であるか異常であるか、異常である場合には、どのような異常であるか等の状態に対応する。
各報知欄23a~23d、メンテナンス情報欄23eには、スクロールボタン23fが設けられ、スクロールボタン23fを操作することで報知欄に一度に表示し切れない情報を表示させることができる。
また、各報知欄23a~23dには、チェックボックス23gが設けられる。チェックボックス23gが選択状態となっているエラー情報は、デバイスごとにメンテナンス情報欄23eに表示される。最上部のチェックボックス23gを操作して選択状態にすると、当該報知欄の全ての異常表示を選択状態にすることができる。複数のチェックボックス23gを選択した場合は、複数のエラー情報をメンテナンス情報欄23eに順に表示させ、前後ボタン23lを操作することで選択されたエラー情報について次の情報や前の情報を表示する。また、複数のエラー情報が選択されている場合は、件数表示欄23mに選択件数と何件目の表示かが数値で表される。選択件数が0件である場合は、図16に表すように、上部表示欄23e1の各表示欄はグレーアウトの状態で表示され、他のモードへの変更操作が不可となる。
コンディション情報の報知欄23dのチェックボックス23gにチェックを入れて選択した場合は、図17に示すコンディション情報の詳細画面が表示される。
コンディション情報として、工事に関する情報(図16の報知欄23dにおいて分類が工事に該当するもの)のチェックボックス23gが選択された場合は、図17に示す工事情報欄24aが表示される。
工事情報欄24aの表示項目としては、工事対象が遊技装置76である場合には、例えば、工事日、完了時間、台番、島番、種別、機種名、工事者、が表示される。種別は、例えば、パチンコ機(P)であるか、パチスロ機(S)であるか、を表示し、工事者は、遊技店の従業員(個人まで特定可能)、外部の施工業者等の情報が表示される。
コンディション情報として、工事情報以外の情報(図16の報知欄23dにおいて分類がコンディション監視に該当するもの)のチェックボックス23gが選択された場合は、図17に示すコンディション監視情報欄24bが表示される。コンディション監視情報欄24bの表示項目としては、表示内容が温湿度データロガー42による情報である場合には、例えば、取得日、取得時間、島番、温度、湿度、が表示される。これらの表示項目にあっては、どの項目をどの順番で表示させるかを、その他の設定ボタン22f(図15参照)から設定が可能である。
図17において、表示設定のチェックボックス24cが選択されている場合は、工事情報欄24aが図16に表すメンテナンス情報画面に表示され、チェックボックス24dが選択されている場合は、コンディション監視情報欄24bがメンテナンス情報画面に表示される。
次に、図16に表すメンテナンス情報欄23eを説明する。メンテナンス情報欄23eの上部には、モードの切り替え手段としてチェックボックス23hが設けられる。ここでは、閲覧モードと入力モードとが選択可能である。チェックボックス23hは、表示モードの切り替え手段として機能する。メンテナンス情報欄23eには、装置名の表示欄23i、装置状態の表示欄23jが表示される。装置状態の表示欄23jには、報知欄23a~23cの「装置状態またはエラーコード」の内容が表示される。
また、メンテナンス情報欄23eには、装置状態異常原因の表示欄23n、処置方法の表示欄23o、処置後のテスト方法の表示欄23p、処置方法の影響度の表示欄23qが表示される。
これらの表示欄23i~23qは、上部表示欄23e1を構成し、上部表示欄23e1には、報知欄23a~23cで選択されたエラー情報に対応する内容が自動で読み込まれて表示される。ここで、報知欄23a~23cの「対処」の欄が「済」のエラー情報が選択されると、上部表示欄23e1には、対応済のメンテナンス情報が表示される。また、「対処」の欄が「未」のエラー情報が選択されると、上部表示欄23e1の各表示欄には、対応未実施等の表示がされる。「対処」の欄が「未」であるエラー情報が選択された場合でも、対象デバイスの状態やエラー情報の内容等から異常原因、処置方法、テスト方法、影響等について確定的なものについては、対応未実施であっても確定的内容として自動で表示することができる。
閲覧終了ボタン23kが操作されると、選択された報知欄のチェックボックス23gのチェックが外れ、メンテナンス情報欄23eの表示がクリアされる。
次に、下部表示欄23e2について説明する。閲覧モードの下部表示欄23e2には、絞り込み欄23r、自動ボタン23s、分析開始ボタン23t、分析結果の表示欄23u、自由表示欄23vが表示される。
絞り込み欄23rには、メンテナンス情報のデータ抽出のための検索用語を入力することができる。自動ボタン23sは、該当割合の高い用語や頻度の高い用語を自動で絞り込み欄23rに表示させることができる。また、分析開始ボタン23tの操作によって分析モードへ遷移させるとともに、選択されたエラー情報についての異常原因や対処方法についての分析が開始される。分析結果は、分析結果の表示欄23uに表示される。修理対応について、管理システム1の管理者等から対応者に対して確認応答を求める場合、及び確認応答に応える場合には、自由表示欄23vを活用してやりとりを行う。
分析モードでの分析には、エラー情報の分析だけでなく、コンディション情報についても分析が可能である。例えば、工事情報欄24aの表示項目の1つの項目をKEYとして絞り込みをかけ、他の項目を関連KEYとして2つ目の絞り込みとして分析を行うことができ、エラー情報の発生原因と発生の特徴とを把握することができる。例えば、×○電気による修理対応には、工事ミスが多い等の分析が可能であり、このような分析に基づいて事前に工事ミスを低減させることができる。
このように、コンディション情報を利用し、絞り込みを行うことで、従来は発見できなかったエラーの発生傾向や発生要因を見つけ出すことができる。かかる分析を用いることでエラー発生の予防や対策に活用することができ、エラー発生に対する労力を抑えることが可能となる。
コンディション監視情報欄24bに表示される項目については、単純に測定結果のみを記録するだけでなく、各項目に閾値を設けて閾値を超えるデータが計測された場合には、閾値フラグを設定することができる。閾値フラグが設定されている計測データがある場合には、チェックボックス24dが選択されていないくてもメンテナンス情報の表示に際してコンディション監視情報欄24bを表示させることができる。
なお、閲覧モード及び次に説明する分析モードでは、上部表示欄23e1に文字情報を入力することができないものの、上部表示欄23e1以外の欄には文字情報を入力することができる。
[メンテナンス情報の表示画面-分析モード-]
図18は、分析モードで表示されているメンテナンス情報画面である。図18以降は、メンテナンス情報画面の報知欄23a~23dの表示を省略してメンテナンス情報欄23eについてを主として説明する。分析モードへは、例えば、閲覧モードにおいて分析開始ボタン23tが操作されて遷移する。
分析開始ボタン23tは、有効な修理方法を抽出させるためのコマンドボタンとなる。修理方法を抽出するにあたっては、装置名の表示欄23i、装置状態の表示欄23jに表示される装置名及び装置状態に基づいて分析を行うほか、さらに絞り込みを行うために、絞り込み欄23rを活用することができる。
自動ボタン23sは、上記のとおり、装置名、装置の種類、装置状態(エラーコード)等に基づいて、該当性の高い用語を自動で抽出して絞り込み欄23rに表示するコマンドボタンとなる。例えば、上の自動ボタン23sを一回操作すると、上の絞り込み欄23r(絞込み1)に抽出された該当性が最も高い用語が表示され、下の自動ボタン23sを操作すると、下の絞り込み欄23r(絞込み2)に該当性が次に高い用語を表示する。さらに、下の自動ボタン23sを操作すると、該当性が3番目に高い用語を下の絞り込み欄23rに表示する。
絞り込み欄23rの用語に基づく分析を行うにあたっては、1回目の修理方法の抽出(つまり、装置名、装置状態に基づく分析を行った)後に行ってもよいし、当初から行ってもよい(つまり、絞り込み用語を入力してから1回目の分析を開始する)。
分析開始ボタン23tを操作すると、抽出された修理方法が分析結果の表示欄23uに表示される。抽出した修理方法の表示にあたっては、過去の修理履歴に関する円グラフ23wや修理履歴(修理方法)の件数表示23y、割合表示23zが表示され、各修理方法にはチェックボックス23x等が表示される。このうち、今回の修理方法として推薦されるものには、例えば、推薦マークが表示される。図18において推薦マークが表示されている修理Aのチェックボックス23xが選択されると、22件ある修理Aの対応記録が上部表示欄23e1に表示される(図18では表示を省略)。また、修理Aの件数を分母として何件目の対応記録を表示しているかが件数表示欄23mに表示され、前後ボタン23lを操作することで、1件前の対応記録や1件後の対応記録を表示させることができる。修理履歴DB13d(図7参照)に記録された情報には、他にも対応者に有益な情報が記録されている可能性があり、前後ボタン23lは、他の情報を参照する表示手段となる。
チェックボックス23xは、複数のチェックボックスを選択することが可能であり、例えば、修理A、修理B、修理Cのチェックボックスを選択した場合は、修理A、修理B、修理Cの合計件数である33件を分母して件数表示欄23mに表示される。さらに、後述するように、コピー内容による同一対応記録については「同一内容18件」のように件数表示欄23mの横に表示するとともに、前後ボタン23lの操作時には同一内容の対応記録は1件分のみの表示とすることができる。
ここで、各修理方法である修理A、修理B、修理Cは、それぞれ、装置状態の異常原因や処置方法が同じ内容と判断されるものによってまとめられたものとなる。メンテナンス管理装置10が同じ内容として判断するにあたっては、例えば、「異常原因」及び「処置方法」の全文比較において8割以上の合致率である対応記録を同一タイプの修理方法として判断することである。この判断基準や項目については、図15に示す「その他」の設定から個別に設定することができる。合致率は、例えば、記録内容の全文比較における文字情報の一致率に基づいて算出される。
対応者は、分析モードに表示される対応記録に基づいて目の前の装置異常に対応し、異常が解消したと判断される場合は、自由表示欄23vに表示される「エラーが解除され、復旧しましたか?」に対して「はい」のボタンを選択して操作する。「はい」が選択されると、異常発生フラグがクリアされ、報知欄23a~23cの対処の該当欄が「未」から「済」に変更されるとともに、メンテナンス情報表示は分析モードから入力モードへ遷移する。
自由表示欄23vに表示される「いいえ」のボタンが操作された場合は、異なる修理タイプへと表示が変更し(例えば、修理Aから修理Bへ)、変更可能な修理タイプがない場合には、例えば、「DBに参考になる対応記録がありません。新たな対応によって解決を目指すとともに、異常が解消した場合は対応記録の入力をして下さい」と表示され、入力モードに遷移する。このとき、自由表示欄23vには、「閲覧記録を残したまま入力画面に移行しますか。」と表示されるとともに、「はい」「いいえ」の選択操作を受け付けるようにしてもよい。
[メンテナンス情報の表示画面-入力モード-]
図19は、入力モードで表示されているメンテナンス情報画面である。入力モードでは、上部表示欄23e1に文字情報を入力することができる。
入力モードへの遷移は、閲覧モード、分析モードにおいて、入力モードに対応したチェックボックス23hを選択する操作によって遷移することができる。また、入力モードへは、分析モードにおいて、「有効対処方法分析を実行したとき、復旧しましたか。」に対して「はい」を選択した場合や「いいえ(閲覧内容を残す)」を選択した場合に入力モードへ遷移する。当該場面において、「いいえ(閲覧内容を残さない)」を選択した場合も入力モードに遷移するが、閲覧内容はクリアされる。また、入力モードへ遷移すると、入力モードに対応したチェックボックス23hにチェックが入る。
入力モードの画面は、例えば、メンテナンス管理装置10の表示手段15(例えば、ディスプレイ)に表示する場合は、図19の画面が表示される。これに対して、入力モードの画面をメンテナンス端末29に表示する場合は、キーボード入力にあたるキー配列画面を上部表示欄23e1や下部表示欄23e2の上部レイヤに表示することができ(つまり、キー配列画面を上部表示欄23e1や下部表示欄23e2の前面に重ねて表示する)、キーボード入力を受け付けることができる。キー配列画面は、いわゆるQWERTY配列でもよいし、テンキーに複数の文字を割り当てるテンキー配列でもよい。また、メンテナンス端末29付属のペンや指先による手書き入力を受け付けることができる。
入力モードでは、下部表示欄23e2に分析結果に関する内容が表示されなくてもよい。
上部表示欄23e1では、閲覧終了ボタン23k、前後ボタン23l、件数表示欄23m(いずれも図16参照)が表示されない。また、分析モードにおいて「いいえ(閲覧内容を残さない)」が選択された場合に、入力モードの上部表示欄23e1では、装置状態異常原因の表示欄23n、処置方法の表示欄23o、処置後のテスト方法の表示欄23p、処置方法の影響度の表示欄23qがクリアされる。
分析モードにおいて「いいえ(閲覧内容を残さない)」が選択された場合以外では、入力モードの装置状態異常原因の表示欄23n、処置方法の表示欄23o、処置後のテスト方法の表示欄23p、処置方法の影響度の表示欄23qには、分析モードで表示された内容がそのまま表示される。
そのため、分析モードで表示された内容に付加する記載がなければ、表示された内容のまま入力内容を保存することで、新たな対応記録(修理履歴、対応履歴)として修理履歴DB13dに保存することができる。このように表示された過去履歴の内容に一切加筆や削除を行うことなく対応記録を保存することは、コピー内容による同一対応記録となる。コピー内容による同一対応記録が蓄積されることは、管理システム1において用語の定型化が進むことになる。
入力モードにおいて、入力可能な欄は、閲覧モード時や分析モード時の表示とは異なる態様に変化する(例えば、枠の色が変化する、欄の色が変化する)ことで、入力可能な欄と入力不可の欄とが対応者に伝達される。
入力モードを終了するには、対応者は、自由表示欄23vに表示される「入力した内容を保存しますか?」に対する「はい」または「いいえ」を操作する。
入力モードにおいて、自由表示欄23vの「はい」を操作されると、入力中の対応記録を保存して閲覧モードに遷移する。このとき、全修理件数が1件増加する。対応記録の入力途中である場合は、対応者は、閲覧モードより装置名等に基づいて一度保存した対応記録を呼び出し、更なる入力が可能である。
自由表示欄23vに表示される「入力した内容を保存しますか?」に対して「いいえ」が操作された場合は、入力モードの装置状態異常原因の表示欄23n、処置方法の表示欄23o、処置後のテスト方法の表示欄23p、処置方法の影響度の表示欄23qに表示される内容を破棄して処理が閲覧モードへ遷移する。このとき、異常発生フラグはクリアされず、報知欄23a~23cの対処の欄は「未」のまま表示される。また、「入力した内容を保存しますか?」に対して「いいえ」が選択された場合は、「入力箇所の内容が全て破棄されます。よろしいですか。」と表示され、さらに「はい」が操作されることに基づいて対応記録を保存せずに閲覧モードに遷移してもよい。
[メンテナンス情報の表示画面例1]
次に、表示例について説明する。図20は、入力モードにおける表示例1を説明する図である。ここでは、島上貯留タンク34に渡り樋シャッタの開閉異常が発生しているエラー対応の画面を例示する。
メンテナンス情報欄23eには、対象装置である島上貯留タンク34が表示され、装置状態の表示欄23jには、現在の状態としてerr03に分類される渡り樋シャッタの開閉異常が表示されている。そして、対応者は、装置名の表示欄23iに表示される島上貯留タンク34と、装置状態の表示欄23jに表示されるerr03とに基づいて分析開始ボタン23tを操作して、表示された分析結果から修理Aを選択している。さらに、対応者は修理Aとして複数ある対応記録の中から今回の対応として最適と思われる対応記録に基づいて島上貯留タンク34の対応にあたって異常状態が解消したことにより、入力モードに遷移した状態となっており、図20は、そのような状態を表している。
分析結果の表示欄23uには、過去の修理履歴として修理A、修理B、修理Cの3タイプの対応記憶を表示しているが、島上貯留タンク34に対する対応記録として、例えば、修理Aは、島上貯留タンク34のソレノイドの故障に分類される装置故障に対する修理内容である。また、例えば、修理Bは、補給設備管理システム30内の信号線の断線に分類される装置故障に対する修理内容である。また、例えば、修理Cは、島上貯留タンク34の開閉検知センサの故障に分類される装置故障に対する修理内容である。
装置状態異常原因の表示欄23nには、修理Aに対応する内容となる「装置異常(装置故障)」と「渡り樋シャッタ装置のソレノイド故障」との2つの異常原因が表示され、処置方法の表示欄23oには、修理Aとして「渡り樋シャッタ装置の交換」が表示されている。仮に、修理Bが選択されると、装置状態異常原因の表示欄23nには、修理Bに対応する内容として、例えば、「装置異常(装置故障)」と「渡り樋シャッタ装置と補給制御装置32との信号線断線」が表示され、処置方法の表示欄23oには、「信号線配線の再施行」が表示される。
処置後のテスト方法には、修理Aに対応する内容となる「強制動作スイッチをON-OFFで、開閉動作の確認」と「球量検知センサを変化させ、渡り樋シャッタ装置の開閉動作を確認」の2つが表示されている。対応者は、当該表示に基づいた対応をとることで今回の装置異常が解消するか否かを確認する。仮に、装置異常が解消しない場合は、対応者は、修理A以外の修理Bまたは修理Cを選択して、表示される処置方法に基づいて対応を進め、修理Aから修理Cのいずれの修理方法でも解消しない場合は、対応記録(対応履歴)にない新規な対応方法によって解消を試みることになる。
処置方法の影響度の表示欄23qには、作業時間及び他装置への影響度(影響範囲、影響が出た場合の支障の程度)が表示されているが、作業時間については、作業時間が長時間に及ぶ場合は即時の対応を見送って営業時間終了後に対応する等の対応者への判断材料となる。また、他装置への影響度についても二次障害が発生する可能性や影響範囲等、処置方法を実行した場合に生じるリスクが表示されるため、対応者のリスク把握の材料となる。
なお、処置方法の表示欄23oには、作業時間が短い、他装置への影響度が小さい等の理由により選択可能な、一時的な対応である暫定処置に関する内容を表示することができる。暫定処置による対応では、一旦エラー情報が解消して対処の欄が「済」になるものの、対応記録には暫定処置である旨の記録が必要となる。暫定処置による対応では、異常発生フラグをクリアせずに、タイマーによって再度エラー情報を報知するようにしてもよいし、図示を省略するメンテナンス管理装置10が表示するToDoリストの欄に対象装置の抜本的対応(交換等)を表示してもよい。
[メンテナンス情報の表示画面例2]
図21及び図22は、分析モードにおける表示例2を説明する図である。具体的には、図21は、遊技管理装置71のデータ異常に基づいて分析開始を実行した表示画面であり、図22は、一度選択した修理内容によっても装置異常が解消せず、絞り込み表示を行った表示画面である。
図21において、メンテナンス情報欄23eには、対象装置である遊技管理装置71が表示され、装置状態の表示欄23jには、現在の状態としてデータ異常が表示されている。そして、対応者は、装置名の表示欄23iに表示される遊技管理装置71と、装置状態の表示欄23jに表示されるデータ異常とに基づいて分析開始ボタン23tを操作して、表示された分析結果から修理Cを選択している。修理Cには52件の過去履歴があり、5件目の過去履歴が表示されている。図21は、そのような状態を表している。
分析結果の表示欄23uには、過去の修理履歴として修理A、修理B、修理C、修理D、修理E、修理F、修理Gの7タイプの対応記憶及びその他に分類される対応記録の件数及び割合を表示している。このうち、遊技管理装置71ないし遊技管理システム70に対する対応記録として、例えば、修理Aは、遊技管理装置71の設定ミスに分類されるデータ異常に対する修理内容である。また、例えば、修理Bは、遊技管理システム70内の工事ミスに分類されるデータ異常に対する修理内容である。また、例えば、修理Cは、遊技管理装置71でのデータ取得不能に分類されるデータ異常に対する修理内容である。また、例えば、修理Dは、遊技管理装置71で受信するデータのデータ矛盾(大当り信号有・図柄の変動を示すスタート信号なし)に分類されるデータ異常に対する修理内容である。また、例えば、修理Eは、遊技管理装置71で受信するデータがデータ設定外(上下限オーバー)に分類されるデータ異常に対する修理内容である。また、例えば、修理Fは、遊技管理装置71で受信するデータが照合不一致に分類されるデータ異常に対する修理内容である。また、例えば、修理Gは、遊技管理システム70内の装置の故障に分類されるデータ異常に対する修理内容である。表示される修理のタイプ数が多い場合は、円グラフ23wは表示されない。
装置状態異常原因の表示欄23nには、修理Cに対応する内容となる「データ異常(データ取得不能)」と「遊技機からの信号なし」との2つの異常原因が表示され、処置方法の表示欄23oには、修理Cとして「遊技機の修理対応(遊技機メーカ対応)」が表示されている。
処置後のテスト方法には、修理Cに対応する内容となる「遊技機を稼働させ、正しい信号取得ができていることを確認」が表示されている。また、処置方法の影響度の表示欄23qには、修理Cに対応する作業時間及び他装置への影響度が表示されている。
ここで、対応者は、修理C(つまり、メーカ対応での遊技機の修理)を選択したが、対象の遊技装置76についてコンディション情報を確認すると、前日に設置工事が実施されていることが判明したため、絞り込み欄23rに「遊技機設置工事」と入力した後に、分析開始ボタン23tを再度操作した。図22は、そのような状態を表している。
対応者が「遊技機設置工事」をKEY(キーワード)として絞り込みをかけたことにより、メンテナンス管理装置10は、修理A(設定ミス)と修理B(工事ミス)との2つの修理方法が抽出し、分析結果の表示欄23uには修理A、修理Bのみに関する件数、割合及び円グラフ23wが表示されている。「設定ミス」、「工事ミス」は、「工事」の用語とKEYが関連付けられており、「遊技機設置工事」は当該「工事」の用語を含むことから「工事」をKEYとして修理A、修理Bの2つが抽出された。
[メンテナンス情報の表示画面例3]
図23及び図24は、入力モードにおける表示例3を説明する図である。ここでは、過去履歴に基づいた対応記録の入力ではなく、新規な内容として対応記録を入力する画面を例示する。具体的には、図23は、過去履歴の参照内容を消去して新規に対応記録を入力する入力モードの画面であり、図24は、定型用語変換の表示欄25a~25cの表示例を表す画面である。
上記のとおり、表示例3は、今回の対応記録の記載にあたり、適当な過去履歴がないために一から対応記録を入力する場合の入力モードの画面となる。例えば、分析モードにおいて、自由表示欄23vに表示される「エラーが解除され、復旧しましたか。」に対して「いいえ」を選択した場合であって、「閲覧内容を残しますか。」に対して「いいえ」を選択した場合に、図23に表す入力モードの画面へ遷移する。ここでの特徴は、下部表示欄23e2に定型用語変換に関する表示欄25a~25cが表示されることである。定型用語変換に関する表示欄25a~25cは、上から順に定型用語変換の表示欄25a、文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25c、を含む。また、定型用語変換に関する表示欄25a~25cの欄外に変換実行ボタン25dが表示される。定型用語変換に関する表示欄25a~25cでの実際の表示例については、次の図24において詳述する。
図23、図24は、入力モードでのメンテナンス情報画面であるが、例えば、装置名の表示欄23i、装置状態の表示欄23jは、閲覧モードまたは分析モードから装置名、装置状態がそのまま表示され、対応者の入力を受け付けない。
上部表示欄23e1である、装置状態異常原因の表示欄23n、処置方法の表示欄23o、処置後のテスト方法の表示欄23p、処置方法の影響度の表示欄23q及び下部表示欄23e2である定型用語変換に関する表示欄25a~25cは、対応者の入力を受けつける。
上部表示欄23e1の各表示欄23n~23qは、短漢字、熟語、分節、連文節、文章一括変換を含む一般的な入力変換手段が利用可能である。また、変換元用語に該当する用語が入力された場合は、定型用語に変換して表示される(図14参照)。さらに、入力された定型用語や記載のパターンに基づいて未だ入力していない文字列や文章(対応者が入力しようとした文字列や文章)をメンテナンス管理装置10が候補として表示する入力補助変換の機能が利用可能である。変換元用語が入力されても、定型用語に変換され、さらに変換された定型用語に基づいて入力補助変換が可能である。
変換元用語が入力されて定型用語に変換される場合は、定型用語変換の表示欄25aに変換内容が表示され、変換を許容する場合や変換を確定する場合に対応者は変換実行ボタン25dを操作する。変換実行ボタン25dを操作すると定型用語変換の表示欄25aは表示内容がクリアされる。なお、図14においても記載のとおり、入力される用語ごとにカウンタが設けられ、一定回数(例えば、10回)以上の入力カウントがある用語については、定型用語及び変換元用語への自動登録(機械登録)の対象となる。
入力補助変換機能により候補となる文字列や文章を表示可能である場合は、優先度が高い順に文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25cに候補となる文字列や文章が表示される。対応者は、表示された文書候補1、文書候補2のいずれかを採用する場合は、採用する候補が表示される表示欄25bまたは25cを選択操作する(マウスでクリックする、ペン先や指先でタップする等)ことによって、入力中の上部表示欄23e1に採用した文字列や文章が引き込まれる。また、3番目以降の候補となる文章については、文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25cのいずれかを特定操作(マウスでダブルクリックする、指先でダブルタップする等)することによって特定操作を行った表示欄に表示することができる。
定型用語の登録や入力補助変換の候補となる文章の登録にあたっては「学習機能」が活用される。メンテナンス管理装置10には、入力された文書に対して用語を抽出する機能があり、抽出した用語の全てについて、カウンタによる入力回数が記録される。上記のように、例えば、10回以上入力された用語は自動登録の対象となり、さらに定型用語となった後は、入力された用語(定型用語となった用語)の前後の文章についても過去の入力内容と比較の上、重複する文字列がある場合は、定型文として記録される。
[入力補助変換の表示例]
図24は、入力補助変換の表示例である。装置状態異常原因の表示欄23nに入力する文章について、定型用語への変換及び、入力補助変換が表示される画面例となる。
装置状態異常原因の表示欄23nには、「データ中継器から遊技台に接」と入力されている。このうち、「データ中継器」は、「情報収集装置」に集約される用語として「情報収集装置」の変換元用語に登録される用語である。また、遊技台は、「遊技機」に集約される用語して「遊技機」の変換元用語に登録される用語である。
定型用語変換の表示欄25aには、変換元用語である「データ中継器」を定型用語の「情報収集装置」に変換し、変換元用語である「遊技台」を定型用語の「遊技機」に変換して表示している。定型用語に変換した箇所は、文字の囲いが表示される等の強調が伴う。強調については、下線表示、文字色の変更、フォントの変更、文字サイズの変更等のハイライトが可能である。
文書候補1の表示欄25bには、優先度が一番高い文章候補である「情報収集装置から遊技機に接続する信号線の接続ミス」が表示される。また、文書候補2の表示欄25cには、優先度が二番目に高い文章候補である「情報収集装置から遊技機に接続する信号線の断線」が表示される。
当該表示は、装置状態異常原因の表示欄23nに入力された「データ中継器から遊技台に接」をメンテナンス管理装置10が定型用語に変換した「情報収集装置から遊技機に接」として、過去の同様の入力履歴を複数抽出したものである。さらに、メンテナンス管理装置10は、過去の各々の入力履歴のエラーコードと、今回のエラーコードとに基づいて優先度を決定する。そして、抽出された文言の候補から優先度に基づいて「情報収集装置から遊技機に接」より先の文章が表示されてもよい。
抽出にあたっては、例えば、過去の入力履歴のうち、今回入力された定型用語が含まれる、定型用語の前後の文字列が一致する、定型用語が多く含まれる、内容の合致率が高い、という評価点に基づく。かかる抽出方法によれば、装置状態異常原因の表示欄23n等に「情報収集装置から遊技機」という入力と、「遊技機から情報収集装置」という入力であっても同じ文章を入力補助変換の候補として抽出できる。このため、故障原因に関連すると想定できる用語を定型用語として登録することで、必然的に関連する文章が抽出され、入力補助変換が実行される割合が高まる。
定型用語の登録の手間を軽減させる定型用語及び変換元用語の学習機能(自動登録)は、対応記録の入力数が増えるに応じて自動的に登録数が増えるため、入力補助変換において抽出対象となる文章が増加する。このため、管理システム1においては、対応記録の入力数が増えるほど、入力補助変換が実行される割合が高まり、入力に要する労力が軽減されるとともに、統一された用語による対応記録の蓄積が増加する。
[入力処理]
次に、入力処理について説明する。図25は、入力処理の処理内容を表す図である。入力処理は、入力モードの制御処理において実行される(S23d)。図25では、フローチャートの各ステップと同じ高さに表す各画面の状態が図示されている。
図25に表すように、入力処理では、メンテナンス管理装置10は、対応者の情報入力を受け付ける入力受付処理(S24a)を実行する。入力受付処理では、入力した文字や入力補助変換によって置換された文言を入力する操作を受け付けることができる。入力受付処理の実行時は、上部表示欄23e1及び定型用語変換に関する表示欄25a~25cにおいて入力された文字が表示される。
次に、メンテナンス管理装置10は、入力された文言から変換元用語の認識を行うとともに、認識した変換元用語を定型用語へ変換する定型用語変換処理(S24b)を実行する。定型用語変換処理の実行時は、定型用語変換の表示欄25aに変換された定型用語がハイライトとともに表示される。
次にメンテナンス管理装置10は、変換された定型用語による文章に基づいて過去の入力履歴から入力補助変換により表示する文章の候補を複数抽出する文書候補抽出処理(S24c)を実行する。文書候補抽出処理の実行時は、文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25cに優先度に基づいて抽出された文章が表示される。文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25cに表示された文章は仮確定表示の状態である。また、メンテナンス管理装置10は、対応者による他の候補の文章を表示させる操作を受け付け、他の候補を表示させる操作を受け付けた場合には次の優先度の候補の文章を表示する。
次に、メンテナンス管理装置10は、文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25cに表示された文章候補が選択されたか否かを判定する(S24d)。文章候補が選択されていない場合は(S24dの結果が「N」)、メンテナンス管理装置10は、入力受付処理(S24a)を実行する。文章候補が選択されている場合は(S24dの結果が「Y」)、メンテナンス管理装置10は、選択された文章候補を入力中の文章に置換する入力補助変換確定処理(S24e)を実行する。入力補助変換確定処理の実行時は、入力中の上部表示欄23e1において、対応者が入力中の文章が選択された文章候補に置換されて表示される。また、文書候補1の表示欄25b、文書候補2の表示欄25cでは、選択された文章候補を表示する表示欄25b、25cにおいて確定表示の状態となる。入力補助変換確定処理(S24e)では、文章候補が選択される操作(例えば、シングルタップ)によって入力中の文章を置換してもよいし、文章候補が選択され、さらに変換実行ボタン25dが操作されたことに基づいて入力中の文章を置換してもよい。
次に、メンテナンス管理装置10は、自由表示欄24vに表示される「入力した内容を保存しますか?」の表示に対して「はい」のボタンが操作されたか否かを判定する(S24f)。「はい」のボタンが操作されない場合は(S24fの結果が「N」)、メンテナンス管理装置10は、入力受付処理(S24a)を実行する。「はい」のボタンが操作された場合は(S24fの結果が「Y」)、入力した内容のうち必要な情報を入力支援DB13eや修理履歴DB13d等のDBに保存して、メンテナンス管理装置10は、本処理を終了する。
[自動登録処理]
次に、自動登録処理について説明する。図26は、自動登録処理の処理内容を表す図である。自動登録処理は、定型用語を自動的に登録する処理であり、例えば、対応記録を保存したタイミングや所定時間における管理システム1の更新処理のタイミング等において実行される。
メンテナンス管理装置10は、まず、記録されている対応記録(入力履歴)を読み込む(S25a)。読み込む対応記憶は全ての対応記録でもよいし、前回の読み込み以降に生じた差分の対応記録のみでもよい。
次に、メンテナンス管理装置10は、読み込んだ対応記録から熟語を含む単語を抽出する単語抽出処理(S25b)を実行する。単語抽出処理では、名詞に限らず、動詞や助詞を含む単語が認識可能であり、また、分節としての単語認識が可能である。
次に、メンテナンス管理装置10は、単語の入力回数を確認する単語入力回数確認処理(S25c)を実行する。単語の入力回数の確認にあたっては、単語として認識された単語ごとにカウンタが設けられて、全ての対応記録に入力された単語ごとの入力回数がカウントされる。各単語のカウンタは、前回の自動登録処理の実行時のカウント値に対して、今回の読み込み分によって得たカウント値を加算する差分加算でもよいし、自動登録処理が実行されるたびに全ての単語の入力回数をカウントするものでもよい。
次に、メンテナンス管理装置10は、各単語の入力回数が(つまり、カウンタ値が)所定値以上であるか否かを判定する(S25d)。所定値については、任意に設定可能である。当該判定は、カウンタが設けられた単語ごとに実行される。
単語の入力回数が所定値以上である場合は(S25dの結果が「Y」)、メンテナンス管理装置10は、当該単語がすでに入力支援DB13eに登録されているかを参照した上で、登録されていない単語を入力支援DB13eに登録する定型用語登録処理(S25e)を実行する。
メンテナンス管理装置10は、判定対象の単語の入力回数が所定値以上ではない場合(S25dの結果が「N」)、または、定型用語登録処理(S25e)を実行した後は、全ての単語の入力回数の判定が終了したか否かを判定する(S25f)。
全ての単語の入力回数の判定が終了していない場合は(S25fの結果が「N」)、メンテナンス管理装置10は、各単語の入力回数が所定値以上であるか否かを判定するS25dの処理を実行する。全ての単語の入力回数の判定が終了している場合は(S25fの結果が「Y」)、メンテナンス管理装置10は、本処理を終了する。
[定型用語・変換元用語の追加パターン]
次に、定型用語及び変換元用語の追加パターンについて説明する。図27は、定型用語及び変換元用語の追加パターンを表す図である。図27において、AAA、BBB等の記載は、用語を表している。
定型用語及び変換元用語を管理する入力支援DB13eは、複数の店舗システム100を範囲とする対応記録に基づいて定型用語及び変換元用語を自動登録することができるが、管理システム1が他の管理システム1と接続されて外部の入力支援DB13eの定型用語及び変換元用語を参照することができる。例えば、遊技場を運営する会社組織の統合、合併による異なる管理システム1の統合である。また、遊技場を運営する会社と遊技設備を保守管理する会社や遊技設備を製造する会社の入力支援DBとが接続されることで、メンテナンス管理装置10は、外部の入力支援DBを参照することができる。このため、図27において、入力支援DB(A)は、メンテナンス管理装置10が備える入力支援DB13eであり、入力支援DB(B)、入力支援DB(C)、入力支援DB(D)は、例えば、他の会社で管理する入力支援DB(外部サーバの入力支援DB13e)である。
このように、メンテナンス管理装置10は、外部の入力支援DBを参照して自らの入力支援DB13eに登録する定型用語及び変換元用語を追加することができる。かかる定型用語・変換元用語の追加処理となる追加用語読込処理については、次の図28において説明する。
パターンAは、入力支援DB(A)が入力支援DB(B)と接続されている状態である。入力支援DB(A)には、定型用語にAAAが登録されており、変換元用語は登録がない。入力支援DB(B)には、定型用語にAAAが登録されており、変換元用語にBBBが登録されている。そして、メンテナンス管理装置10において定型用語・変換元用語の追加処理(追加用語読込処理)が実行されると、入力支援DB(A)の定型用語及び入力支援DB(B)の定型用語に「AAA」が登録されていることをKEYとして、入力支援DB(B)に登録されている変換元用語BBBが入力支援DB(A)の変換元用語に追加される。このように、パターンAは、処理を実行する側のDBの定型用語と参照される側のDBの定型用語とをKEYとして、参照される側のDBの変換元用語を引き込んで処理を実行する側のDBに変換元用語を追加する。その後、当該処理では、入力支援DB(A)、入力支援DB(B)に登録された定型用語及び変換元用語を再度対比して、入力支援DB(A)に登録する変換元用語の不足がないかが確認され、パターンAでは不足がないため、処理が終了する。
パターンBは、パターンAと同様に入力支援DB(A)が入力支援DB(B)と接続されている状態である。入力支援DB(A)には、定型用語にAAAが登録されており、変換元用語は登録がない。入力支援DB(B)には、定型用語にBBBが登録されており、変換元用語にはAAAが登録されている。そして、メンテナンス管理装置10において追加用語読込処理が実行されると、入力支援DB(A)の定型用語及び入力支援DB(B)の変換元用語に「AAA」が登録されていることをKEYとして、入力支援DB(B)に登録されている定型用語BBBが入力支援DB(A)の変換元用語に追加される。このように、パターンBは、処理を実行する側のDBの定型用語と参照される側のDBの変換元用途とをKEYとして参照される側の入力支援DBの定型用語を引き込んで処理を実行する側のDBに変換元用語を追加する。その後、当該処理では、入力支援DB(A)、入力支援DB(B)に登録された定型用語及び変換元用語を再度対比して、入力支援DB(A)に登録する変換元用語の不足がないかが確認され、パターンBでは不足がないため、処理が終了する。
パターンCは、入力支援DB(A)が入力支援DB(B)、入力支援DB(C)、入力支援DB(D)と接続されている状態である。入力支援DB(A)には、定型用語にAAAが登録されており、変換元用語は登録がない。入力支援DB(B)には、定型用語にAAAが登録されており、変換元用語にはBBBが登録されている。入力支援DB(C)には、定型用語にBBBが登録されており、変換元用語にはCCCが登録されている。入力支援DB(D)には、定型用語にCCCが登録されており、変換元用語にはDDDが登録されている。
そして、メンテナンス管理装置10において追加用語読込処理が実行されると、入力支援DB(A)と入力支援DB(B)~(D)とに登録された定型用語及び変換元用語を対比して、入力支援DB(A)の定型用語及び入力支援DB(B)の定型用語に「AAA」が登録されていることをKEYとして、入力支援DB(B)に登録されている変換元用語BBBが入力支援DB(A)の変換元用語に追加される(処理1)。
次に、入力支援DB(A)と入力支援DB(B)~(D)とに登録された定型用語及び変換元用語を対比して、入力支援DB(A)の変換元用語に追加された「BBB」と入力支援DB(C)の定型用語に登録されている「BBB」とをKEYとして次の用語の追加が行われる。具体的には、入力支援DB(A)の変換元用語に追加された「BBB」と入力支援DB(C)の定型用語に登録されている「BBB」とがKEYとなり、入力支援DB(C)の変換元用語に登録されているCCCが、入力支援DB(A)の変換元用語に追加される(処理2)。
次に、入力支援DB(A)の変換元用語に追加された「CCC」と入力支援DB(D)の定型用語に登録されている「CCC」とをKEYとして、入力支援DB(D)の変換元用語に登録されているDDDが、入力支援DB(A)の変換元用語に追加される(処理終了時)。このように、パターンCは、処理を実行する側のDBの変換元用語に追加された用語と参照される側のDBの定型用語または変換元用途とをKEYとして参照される側の入力支援DBの用語を引き込んで処理を実行する側のDBに変換元用語を追加する。その後、当該処理では、入力支援DB(A)と入力支援DB(B)~(D)とに登録された定型用語及び変換元用語を再度対比して、入力支援DB(A)に登録する変換元用語の不足がないかが確認され、パターンBでは不足がないため、処理が終了する。
[追加用語読込処理]
次に、追加用語読込処理について説明する。図28は、追加用語読込処理の処理内容を表す図である。追加用語読込処理は、追加用語読込ボタン21c(図14参照)の操作時に実行される。追加用語読込処理は、例えば、外部の入力支援DB13eと接続された際に実行する。
メンテナンス管理装置10は、まず、入力支援DB13eに登録されている定型用語と、外部の入力支援DB13eに登録されている定型用語及び変換元用語(以下、外部登録用語)とを対比する登録情報内容対比処理(S26a)を実行する。
次に、メンテナンス管理装置10は、入力支援DB13eに登録されていない外部登録用語があるか否かを判定する(S26b)。入力支援DB13eに登録されていない外部登録用語がある場合は(S26bの結果が「Y」)、メンテナンス管理装置10は、登録されていない外部登録用語を入力支援DB13eに登録する不足用語追加処理(S26c)を実行する。
登録されていない外部登録用語がない場合は(S26bの結果が「N」)、メンテナンス管理装置10は、本処理を終了する。
[発明内容及び効果]
ここまで説明した発明内容について、以下に発明内容を列挙する。
(1)遊技場に設置される各種の装置と接続される遊技場の管理システムにおいて、
記憶手段と、
操作者による入力操作を受け付ける入力手段と、
各種の内容を表示する表示手段と、
前記各種の内容の表示にあたり表示モードを切り替える表示モード切替手段と、を備え、
前記表示モード切替手段は、表示対象となる装置について前記記憶手段に記憶される過去の修理対応の内容を表示する閲覧モードと、前記入力操作を受け付け可能な入力モードと、に切り替え可能であり、
前記入力モードにおいては、前記閲覧モードにおいて表示された内容を残したまま前記閲覧モードにおいて表示された内容に前記入力手段により入力された情報を追加可能であることを特徴とする遊技場の管理システム。
(1)の発明において、「記憶手段」は、例えば、記憶手段13が対応する。「入力手段」は、例えば、入力手段14が対応する。「表示手段」は、例えば、表示手段15が対応する。「表示状態切替手段」は、例えば、チェックボックス23hが対応する。「表示対象となる装置」は、例えば、表示欄23iの装置名(装置ID)を有する装置である。「閲覧モード」は、例えば、閲覧モード21が対応する。「入力モード」は、例えば、入力モード23が対応する。「過去の修理対応の内容」は、例えば、対応記録、入力履歴が対応する。
(1)の発明によれば、閲覧状態において表示された過去の修理対応の内容を残したまま情報を追加できるため、過去の修理対応と同様の記載によって新たな修理対応を作成することができ、過去の修理対応による用語が用いられることによる用語の定型化が進む。
(2)遊技場に設置される各種の装置と接続される遊技場の管理システムにおいて、
記憶手段と、
操作者による入力操作を受け付ける入力手段と、
各種の内容を表示する表示手段と、
前記各種の内容の表示にあたり表示モードを切り替える表示モード切替手段と、を備え、
前記表示モード切替手段は、表示対象となる装置について前記記憶手段に記憶される過去の修理対応の内容を表示する閲覧モードと、前記入力操作を受け付け可能な入力モードと、に切り替え可能であり、
前記入力モードにおいては、前記閲覧モードにおいて表示された前記修理対応の内容のまま新たな修理対応の内容として登録可能であることを特徴とする遊技場の管理システム。
(2)の発明において、「記憶手段」は、例えば、記憶手段13が対応する。「入力手段」は、例えば、入力手段14が対応する。「表示手段」は、例えば、表示手段15が対応する。「表示状態切替手段」は、例えば、チェックボックス23hが対応する。「表示対象となる装置」は、例えば、表示欄23iの装置名(装置ID)を有する装置である。「閲覧モード」は、例えば、閲覧モード21が対応する。「入力モード」は、例えば、入力モード23が対応する。「過去の修理対応の内容」は、例えば、対応記録、入力履歴が対応する。
(2)の発明によれば、今回の修理対応が過去の修理対応と同一である場合に、過去の修理対応の内容に変更を加えることなく(過去の修理対応の内容のまま)、今回の修理対応を記録することができ、過去の修理対応による用語が用いられることによる用語の定型化が進む。
(3)携帯端末と接続可能であり、
前記入力手段は、前記携帯端末からの入力操作を受け付け、
前記表示手段は、前記携帯端末または据え置き型のディスプレイであり、前記表示手段の種類によらず同一の表示形態で所定の内容が表示可能であることを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技場の管理システム。
(3)の発明において、「携帯端末」は、例えば、メンテナンス端末29が対応し、具体的には、例えば、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、及び概念的にはこれらの電子機器にインストール可能なアプリケーションソフトウェアそのものが含まれる。「所定の内容」は、例えば、報知欄23a~23dの内容、または、メンテナンス情報欄23eの内容である。例えば、据え置き型のディスプレイのアスペクト比が4:3であれば、2:3のアスペクト比のメンテナンス端末29に据え置き型のディスプレイの半分の画面をそのまま同一の表示形態で表示できる。
(3)の発明によれば、据え置き型のディスプレイに表示することで、いわゆるデスクトップ環境においてキーボードやマウス等の入力手段とともに管理システム1を操作することができるため、長時間の操作の場合は、携帯端末での操作よりもストレスを軽減できる。また、携帯端末に表示することで、表示情報の携帯性が高まり、異常状態の装置の目の前において異常の解消方法等を表示することで対応者がスムーズに修理対応にあたることができる。また、異常状態の装置の目の前において情報の入力ができるため、より具体的な内容による異常原因の把握や対応記録の保存が可能となる。また、表示手段の種類によらず同一の表示形態で所定の内容が表示可能であるため、プログラムの開発費などのコストの削減につながる。
(4)前記閲覧モードから前記入力モードに切り替えられた場合の表示内容には、
装置を特定するための識別情報と、当該装置の状態と、当該装置の状態が異常である場合の異常の原因に関する情報と、当該装置の状態が異常である場合の異常の解消方法と、が表示可能であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の遊技場の管理システム。
(4)の発明において、「装置を特定するための識別情報」は、例えば、装置名、装置IDが対応する。「装置の状態」は、例えば、装置状態、エラーコードが対応する。「異常の原因に関する情報」は、例えば、装置状態異常原因の表示欄23nに表示される異常原因(エラー原因)が対応する。「異常の解消方法」は、例えば、処置方法の表示欄23oに表示される処置方法が対応する。
(4)の発明によれば、入力モードに切り替えられた場合に、装置を特定するための識別情報と、当該装置の状態と、装置の異常原因と、異常の解消方法と、が表示されるため、修理の対応に必要な情報が表示され、対応者はスムーズに修理対応を進めることができる。
(5)前記異常の解消方法の表示にあたっては、
前記装置を特定する識別情報と、当該装置の異常の原因に関する情報と、に基づいて分類される複数の解消方法を表示可能であることを特徴とする(4)に記載の遊技場の管理システム。
(5)の発明において、「装置を特定する識別情報と、当該装置の異常の原因に関する情報と、に基づいて分類される複数の解消方法」は、例えば、上記の説明における修理A、修理B、修理Cという修理方法のタイプ(修理タイプ)である。(5)の発明によれば、装置の異常に対応する者が理解し易い方法によって異常の解消方法を表示できる。
また、本願においては、以下の課題2と課題2を解決する手段として(6)~(12)の発明とを挙げることができる。
[課題2]
例えば、上記の特許文献1には、遊技装置の一部である遊技機の故障に対し、故障診断のデータをサーバ等から受信し、コンピュータ機器で表示するものが開示されており、特許文献1に開示される方法によって遊技機の故障診断及び修理対応を行うと、故障の把握者の認識に基づいて故障状態を端末に入力し、該当性の高い故障原因がデータベースから返信される。
そのため、遊技機の故障状態を適切に把握できないと、復旧に向けた作業能率が低下するばかりか遊技機や部品の不要な交換等を行うことになる。また、遊技場には、遊技機のみならず、遊技場を運営するための多数の設備、装置、機器が設置されており、これらの設備、装置、機器が通常とは異なる異常状態となると遊技場の運営に支障をきたすことになる。
このため、遊技場に設置されるあらゆる設備、装置、機器を対象とした異常状態に対応するデータベースが求められるところ、各種の設備、装置、機器は、それぞれに故障を含む異常状態が発生する頻度、故障の仕方、修理方法、影響範囲が異なるものであり、一律的に修理を行うことはできない。
このような問題に鑑み、本発明は、遊技場に設けられる遊技機や多種多様な設備、装置、機器の故障や異常に迅速に対応すべく、設備、装置、機器ごとに最適な修理方法を提示する遊技場の管理システムを提供することを目的とする。
(6)遊技場に設置される各種の装置と接続される遊技場の管理システムにおいて、
前記装置の異常時の対応記録を記憶する記憶手段と、
前記対応記録を分析する分析手段と、を備え、
前記記憶手段は、
前記装置の状態情報と、前記装置からの異常情報と、前記異常情報に対応する前記対応記録と、を記憶し、
前記分析手段は、
前記装置の種類と、前記装置の状態情報と、前記異常情報とに基づいて、関連する過去の前記対応記録を抽出することを特徴とする遊技場の管理システム。
(6)の発明において、「記憶手段」は、例えば、記憶手段13が対応する。「対応記録」は、例えば、対応記録、修理履歴、メンテナンス情報が対応する。「分析手段」は、例えば、データ分析手段12dが対応する。また、例えば、データ分析手段12dの上位の構成となるデータ処理手段12が対応する。「状態情報」は、例えば、装置状態が対応し、具体的には、装置状態またはエラーコードの欄や装置状態の表示欄23jに表示される該当装置がどのような状態であるかに関する情報及び異常状態である場合のエラーコードが対応する。「異常情報」は、例えば、異常情報、エラー情報が対応する。「装置の種類」は、例えば、装置の種類が対応し、具体的には、装置名(装置ID)の欄に表示される装置の名称が対応する。「関連する過去の対応記録を抽出する」は、例えば、分析開始ボタン23tが操作されることに基づいて有効な修理方法を抽出させることに対応する。また、例えば、修理方法を抽出するにあたっては、装置名の表示欄23i、装置状態の表示欄23jに表示される装置名及び装置状態に基づいて分析を行うことが対応する。
(6)の発明によれば、多種多様な装置について、装置の種類と、装置の状態情報と、異常情報とに基づいて、関連する過去の対応記録を抽出するため、対応者は、装置ごとに有効な対応記録(修理履歴)を確認することができる。また、対応記録の蓄積が増加することに伴って、抽出される対応記録の精度が高まり、効率的に装置異常に対応することができる。
(7)前記装置が設置される環境情報を計測する環境情報計測手段を備え、
前記環境情報計測手段は、
前記装置が設置される環境下の温度、前記装置の稼働時間を計測可能であり、
前記記憶手段は、
類型化される前記装置の異常状態と前記環境情報とを関連付けた情報を記憶し、
前記分析手段は、
前記異常情報が前記類型化された異常状態のいずれの異常状態に属するか、及び、該当する異常状態と関連付けられた前記環境情報、に基づいて、関連する過去の前記対応記録を抽出することが可能な(6)に記載の遊技場の管理システム。
(7)の発明において、「環境情報」は、例えば、コンディション情報が対応する。「環境情報計測手段」は、例えば、温湿度データロガー42、稼働時間カウンタ45等の取得する情報が対応する。また、例えば、これら計測手段の上位の構成となるコンディション情報管理システム40が対応する。「類型化される装置の異常状態」は、例えば、エラーコードであり、具体的には、エラー-内容、エラー原因分類が対応する。「異常状態と関連付けられた環境情報」は、例えば、エラー内容とコンディション情報との関連付け登録が対応する。
(7)の発明によれば、環境情報を用いてエラー情報の背景を浮かび上がらせることで、従来は発見できなかったエラーの発生傾向や発生要因を見つけ出すことができる。このため、分析を用いることでエラー発生の予防や対策に活用することができ、エラー発生に対する労力を抑えることが可能となる。
(8)前記環境情報には、前記装置の工事履歴に関する情報が含まれ、
前記工事履歴は、前記装置の設置作業、前記装置の交換作業、前記装置の部品の交換作業、工事の実施者、工事の日時、に関する情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする(7)に記載の遊技場の管理システム。
(8)の発明において、「工事履歴」は、例えば、工事情報、工事履歴が対応する。
(8)の発明によれば、異常情報のみでは把握できなかった人的なエラー要因についても原因の追跡が可能となり、より迅速な修理対応が可能となる。人的エラーについては、修理作業に対する異常発生率を示すことが可能となり、事前に工事時の注意を促すことができ、また、工事後の装置異常の発生を未然に防ぐことができる。さらに、工事の実施者による装置異常の発生の傾向を把握することが可能となり、装置異常に対して誰を派遣するかを効果的に決定することができる。
(9)前記抽出された複数の対応記録を記録内容の合致率に基づいて分類するとともに、前記分類された対応記録のうち、件数の多い前記分類の対応記録について推奨することを特徴とする(6)から(8)のいずれかに記載の遊技場の管理システム。
(9)の発明において、「合致率」は、例えば、記録内容の全文比較における文字情報の一致率が対応する。
(9)の発明によれば、分類された対応記録に対し、有効な対応記録を推奨するため、対応者は推奨された対応記録に基づいて装置異常に対応することで効果的な修理が可能となる。
(10)前記抽出された複数の対応記録を記録内容の合致率に基づいて分類するとともに、前記分類のそれぞれについて、各分類が占める割合を報知することを特徴とする(6)から(9)のいずれかに記載の遊技場の管理システム。
(10)の発明において、「各分類が占める割合を報知する」は、例えば、過去の修理履歴に関する円グラフ23wや修理履歴(修理方法)の件数表示23y、割合表示23zによる表示が対応する。
(10)の発明によれば、今回の装置異常に対してこれまでどのような対応がされたのかが分類され、かつ各分類についての割合が表示されるため、どの対応をとるとどの程度の割合で装置異常が解消するかを対応者が事前に把握することができる。このため、選択した対応記録に基づく修理方法による修理結果に対して、対応者の期待度と修理結果との乖離を低減させることができる。また、選択した対応記録に基づく修理方法によって装置異常が解消しなかった場合でも他の対応記録に基づく修理方法に取り掛かれるため、対応者は網羅的な対応をとることが可能となる。
(11)前記抽出された対応記録に基づいて前記装置の異常の解消を試みた場合の影響度を報知することを特徴とする(6)から(10)のいずれかに記載の遊技場の管理システム。
(11)の発明において、「影響度」は、例えば、処置方法の影響度の表示欄23qに表示される影響度が対応する。具体的には、作業時間及び他装置への影響度(影響範囲、影響が出た場合の支障の程度)であり、二次障害が発生する可能性処置方法を実行した場合に生じるリスクが含まれる。
(11)の発明によれば、修理に入る前に修理に対するコストリスク(作業時間、他の装置への影響、影響が出た場合の支障の程度)が把握可能であるため、その方法での修理を選択せずに、コストリスクの低い修理方法から対応するという選択が可能となる。例えば、大規模なデータの移し替えの修理方法が提示された場合、作業として3~4時間を要する場合に、当該作業を営業時間外において行う等の選択が可能となる。
(12)対応者による入力操作を受け付ける入力手段を備え、
前記入力手段が特定の入力操作を受け付けると、
前記分析手段は、
前記異常情報に基づいて該当割合の高い用語や記録された数の多い用語を絞り込み、
当該絞り込んだ用語に基づいて前記対応記録の抽出をすることを特徴とする(6)から(11)に記載の遊技場の管理システム。
(12)の発明において、「入力手段」は、例えば、入力手段14、メンテナンス端末29が対応する。「特定の入力操作」は、例えば、自動ボタン23sを選択する操作が対応する。「異常情報に基づいて該当割合の高い用語や記録された数の多い用語を絞り込み」は、例えば、自動ボタン23sは、該当割合の高い用語や頻度の高い用語を自動で絞り込み欄23rに表示させることができるが対応する。
(12)の発明によれば、修理方法が多数存在しても特定の用語によって絞り込みが行えるため、適切な修理方法を用意に抽出することができる。また、用語の絞り込みにあたっては、自動ボタンを操作する(特定の入力操作をする)だけで自動的に絞り込みが行われるため、対応者は、特定の用語を自ら考えて入力する必要がなく、対応者の負荷が軽減される。
また、本願においては、以下の課題3と課題3を解決する手段として発明(13)~(16)とを挙げることができる。
[課題3]
例えば、上記の特許文献1には、遊技装置の一部である遊技機の故障に対し、故障診断のデータをサーバ等から受信し、コンピュータ機器で表示するものが開示されており、特許文献1に開示される方法によって遊技機の故障診断及び修理対応を行うと、故障の把握者の認識に基づいて故障状態を端末に入力し、該当性の高い故障原因がデータベースから返信される。
このようなデータベースへの入力及び更新にあたっては、故障部品、故障状態、故障原因などを入力する必要があるが、故障時の装置の状態や対応方法は多種多様であるため、データベースに入力する用語の定型化は極めて難しい。しかしながら、入力された情報の定型化がされていないと、利用者が情報を取得しようとして故障状態となるキーワードに基づいて検索をしても、本来得られるべき情報の一部しか情報が取得できないことが発生してしまう。
この問題を解消するには、入力した用語を定型化させる必要があるが、データベース構築には、適切な用語選択だけでなく、修理履歴情報を把握できる技術知識、どのレベルまで原因を入力すべきかなど、データベース運用の設計センスも必要になり、用語の定型化を実現させるには多大な手間と労力が必要となる。
このような問題に鑑み、本発明は、遊技場に設けられる遊技機や多種多少な装置、設備の故障や異常に対応すべく、簡易に用語の定型化を図る遊技場の管理システムを提供することを目的とする。
(13)遊技場に設置される各種の装置と接続される遊技場の管理システムにおいて、
前記装置の異常時の対応記録を記憶する記憶手段と、
操作者による入力操作を受け付ける入力手段と、
入力された用語を定型用語に変換することが可能な定型用語変換手段と、
各種の内容を表示する表示手段と、を備え、
前記対応記憶の入力は、前記入力手段を介して入力され、
前記定型用語変換手段は、前記入力操作によって入力された用語が前記定型用語に変換可能な用語であるかを判定し、前記定型用語に変換可能である場合は、対応記録の入力欄とは異なる表示欄に前記定型用語へ変換可能であることを表示するとともに、前記対応記録の入力欄に入力された用語を前記定型用語へ変換することを特徴とする遊技場の管理システム。
(13)の発明において、「入力手段」は、例えば、入力手段14、メンテナンス端末29が対応する。「定型用語変換手段」は、例えば、入力処理手段12fが対応し、具体的には、変換元用語に該当する用語が入力された場合は、定型用語に変換して表示される、定型用語の変換機能が対応する。「表示手段」は、例えば、表示手段15、メンテナンス端末29が対応する。「対応記録の入力欄」は、例えば、装置状態異常原因の表示欄23n、処置方法の表示欄23o、処置後のテスト方法の表示欄23p、処置方法の影響度の表示欄23qが対応する。「異なる表示欄」は、例えば、定型用語変換の表示欄25aが対応する。
(13)の発明によれば、定型用語に変換可能な用語が入力された場合は、その旨を入力者に報知するとともに、定型用語に変換して対応記録が作成されるため、データベースに記憶される対応記録の用語の統一化が進む。
(14)前記対応記録の入力欄に入力されている文字情報と、前記記憶手段に記憶される前記対応記録の文字情報との対比により、文字情報が所定の合致率である場合に、前記対応記録の文字情報に基づいて前記入力欄に未入力の文字情報を表示可能であることとともに、当該表示された未入力の文字情報を選択可能であるを特徴とする(13)に記載の遊技場の管理システム。
(14)の発明において、「合致率」は、例えば、入力中の文字情報と対応記録の文字情報との全文比較における文字情報の一致率が対応する。「対応記録の文字情報に基づいて前記入力欄に未入力の文字情報を表示可能である」は、例えば、入力補助変換の機能が対応する。
(14)の発明によれば、操作者が未入力の文字情報を蓄積された対応記録を参照して表示するため、操作者はこれから入力しようとした記載内容を選択して取り込むことができ、対応記録の作成に要する労力を低減させることができる。また、これから入力しようとした記載内容について、過去の対応記録に基づく記載内容が取り込まれるため、新たに作成する対応記録についても用語や文章の統一化が図られる。
(15)前記記憶手段に記憶された文字情報を集計する用語集計手段、を備え、
前記用語集計手段による集計によって所定値を超える用語がある場合には、当該所定値を超える用語を前記定型用語に登録することを特徴とする(13)または(14)に記載の遊技場の管理システム。
(15)の発明において、「用語集計手段」は、例えば、データ集計手段12aが対応する。また、「当該所定値を超える用語を所定の用語に登録する」は、例えば、定型用語の自動登録の機能が対応する。
(15)の発明によれば、予め定型用語に登録した用語のみならず、その後の対応記録の蓄積に合わせて頻出する用語を定型用語に登録することができるため、定型用語を登録する労力が低減する。また、自動的に定型用語が増加することにともなって、対応記録が増加しても用語の揺れを抑えて用語の統一化が進む。
(16)前記記憶手段に記憶された定型用語と、前記記憶手段とは別の記憶手段に記憶される定型用語と、を対比する外部用語対比手段を備え、
対比の結果、前記別の記憶手段にのみ記憶される定型用語がある場合には、前記別の記憶手段に記憶される定型用語を前記記憶手段の定型用語として登録可能であることを特徴とする(15)に記載の遊技場の管理システム。
(16)の発明において、「別の記憶手段」は、例えば、外部の入力支援DB13eが対応する。
(16)の発明によれば、外部の入力支援DB13eに記録される対応記録に基づいて定型用語の追加登録が可能であり、より広範な定型用語の追加が可能となる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、遊技装置76として弾球遊技機(パチンコ機)、パチスロ機(スロットマシーン)、メダル遊技機等の遊技機にも本発明を適用可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。