以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技管理システムの全体構成図である。
本発明の遊技管理システムは、サービスセンタ1、複数の遊技場(遊技店)2及びサービスセンタ1と各遊技場2とを接続するネットワーク3で構成される。
サービスセンタ1は、後述する異常報告201(図4)を、ネットワーク3を通じて遊技場2から受信すると、当該異常報告201の内容に応じた異常対処方法を遊技場2に提示する。
遊技場2には、複数の遊技機20及び遊技場内管理装置21(図2)が設置され、また、情報収集端末装置22(図2)、中継装置24(図2)、取付ベース又は中継装置用配線等の種々の構成要素(遊技店設備)が設置される。また、遊技場2には、複数の従業員(遊技管理システムを操作する者。以後、操作者40と呼称する。)が業務に従事している。
ここでは、遊技場Aを遊技場2Aとし、遊技場Bを遊技場2Bとする。また、遊技場Aで勤務する操作者40を操作者40Aとし、遊技場Bで勤務する操作者40を操作者40Bとする。
なお、特許請求の範囲の「操作者」とは、遊技場2を単位とする操作者、後述のチーム4を単位とする操作者、個々の操作者40の全てを含む。
いずれかの構成要素で異常が発生すると、操作者40は、ネットワーク3を通じてサービスセンタ1に異常報告201を送信する。サービスセンタ1は、当該異常報告201に応じた異常対処方法を操作者40に提示する。そして、操作者40は、当該異常対処方法に従うことで異常に対応できる。
なお、本明細書において「異常に対応」とは、異常に対処する場合と、異常を確認する場合とを含む。
操作者40は、個々に異常に対応する場合と、複数の操作者40でチーム4を構成して異常に対応する場合とがある。チーム4には、例えば、遊技場2のフロアで接客を担当するフロアチームや、遊技者が遊技を通じて獲得した遊技球を景品に交換するカウンタエリアチーム等が含まれる。ここでは、操作者40Aが構成するチーム4をチーム4Aとし、操作者40Bが構成するチーム4をチーム4Bとする。
発生した異常に対応する能力(異常対応能力)は、操作者40毎、チーム4毎又は遊技場2毎に異なる。異常対応能力が高い操作者40A等は、容易に解決できる異常についてはサービスセンタ1に異常報告201をすることなく独自に対応することができる。しかし、異常対応能力が低い操作者40B等は、一般的に容易に解決できるような異常についてもサービスセンタ1に異常報告201をして異常対処方法の提示を要求する。
本実施の形態の遊技管理システムは、操作者40等によって異なる異常対応能力を、付与経験値を用いて評価する。そして、サービスセンタ1は、操作者40等に提示する異常対処方法の内容を、付与経験値に応じて変更する。さらに、遊技場2に設置された構成要素に関する情報(設備情報DB(図4))を考慮することで、サービスセンタ1は、より適切な異常対処方法を提示することができる。
なお、付与経験値とは、操作者40が異常に対応することで付与されるポイントの積算値であって、各操作者40の異常対応能力を評価した値である。付与経験値については、図6で詳細に説明する。
例えば、サービスセンタ1は、異常対応能力が低い操作者40Bから「遊技機20が動作しない。」という異常報告201がされた場合、当該操作者40Bに「コンセントが挿入されているか確認してください。」という異常対処方法を提示する。すると操作者40Bは、遊技機20に電源を供給するコンセントが接続されているかを確認し、コンセントが正しく接続されていれば、次の異常対処方法の提示をサービスセンタ1に要求する。つまり、異常対応能力が低い操作者40Bは、サービスセンタ1から丁寧に細かく異常対処方法を提示されることによって、一つ一つ確認しながら確実に異常に対応できる。
一方、サービスセンタ1は、異常対応能力が高い操作者40Aから「遊技機20が動作しない。」という異常報告201がされた場合、操作者40Aは、異常への基本的な対応(元電源が入っているか、元電源が入っていればコンセントが接続されているか、コンセントが接続されていればヒューズが切れていないか)を既に確認していると判断できる。したがって、当該操作者40Aに対しては「配線の断線を確認してください。」という異常対処方法を提示する。そこで、操作者40Aは、サービスセンタ1からのメッセージにしたがって、いずれかの配線が断線していないかのみを確認する。
つまり、異常対応能力が高い操作者40Aは、サービスセンタ1から異常対処方法を細かく提示されないため、サービスセンタ1からのメッセージに逐一応答する必要がなく、迅速に異常に対応できる。
なお、本実施の形態では、遊技場2毎の異常対応能力を付与経験値で評価して、当該遊技場2に異常対処方法を提示する場合を示し、操作者40毎及びチーム4毎の異常対応能力を付与経験値で評価する場合については省略する。
ネットワーク3は、サービスセンタ1と各遊技場2とを接続する通信回線であり、例えば、インターネットを用いることができる。サービスセンタ1と各遊技場2との通信は、VPN(Virtual Private Network)等を利用して公衆回線網で通信されるデータを暗号化する。これによって、サービスセンタ1と各遊技場2との間でやり取りされる情報の漏洩、改竄又は盗聴が防止される。
なお、サービスセンタ1と各遊技場2とを接続する通信回線であれば、インターネットに限らず、専用線を用いてもよい。
図2は、本発明の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
サービスセンタ1の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには、異常対応管理装置11、Webサーバ12、オペレータ端末13及び中継装置14が接続される。サービスセンタ1内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成される。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
異常対応管理装置11は、遊技場2から異常報告201がされると、当該遊技場2で発生している可能性の高い異常を異常一覧DB102(図4)から絞り込む。そして、異常対応管理装置11は、当該遊技場2に付与された経験値(付与経験値)を経験情報DB105(図4)から読み出して、当該付与経験値に応じた異常対処方法を遊技場2に提示する。なお、異常対応管理装置11は、サービスセンタ1に設けることなく外部機関に設けてもよい。
Webサーバ12は、異常対応管理装置11から異常対処方法に関する情報を受信すると、当該情報を、ネットワーク3を通じて遊技場2のクライアント端末23に送信する。
オペレータ端末13は、後述のクライアント端末23からの異常報告201、及び、異常対応管理装置11による異常絞込結果103(図4)を表示するとともに、クライアント端末23に異常対処方法を送信する。
なお、サービスセンタ1は、クライアント端末23からの異常報告201に対して、オペレータ端末13による直接対応ではなく、異常対応管理装置11による自動対応をしてもよい。自動対応の場合、例えば、クライアント端末23が異常報告201を入力すると、異常対応管理装置11が異常一覧DB102から対応する異常対処方法を抽出する。そして、異常対応管理装置11は、当該異常対処方法をWebサーバ12に送信する。Webサーバ12は、異常対応管理装置11から受信した異常対処方法を表示する提示画面を作成して、クライアント端末23の出力装置231に送信する。
中継装置14及び中継装置15は、サービスセンタ1内に設けられている。中継装置14は、異常対応管理装置11又はオペレータ端末13からの情報を中継するルータで、外部からアクセス可能なWebサーバ12の属するネットワーク(DMZ)と、異常対応管理装置11及びオペレータ端末13の属する内部ネットワーク(LAN)との間の通信を中継する。中継装置15は、外部からアクセス可能なWebサーバ12の属するネットワーク(DMZ)とネットワーク3との間の通信を中継する。
また、遊技場2のホール内部には内部ネットワークが設けられている。当該内部ネットワークには、遊技場内管理装置21及び情報収集端末装置22が接続される。また、各情報収集端末装置22には、図示しない遊技用装置が接続される。遊技用装置は、遊技機20及び球貸ユニットで構成される。なお、一台の情報収集端末装置22に対して複数(例えば、二台)の遊技用装置を接続する構成でもよい。
遊技場2のホール内部に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成される。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
遊技場内管理装置21は、情報収集端末装置22を介して遊技用装置から遊技情報(例えば、遊技用装置が所定数の賞球を排出する毎に出力する「賞球信号」や、遊技用装置で特別遊技状態が発生している間だけ出力される「特賞信号」等)を収集し、各遊技用装置の動作状態を監視する。
情報収集端末装置22は、遊技用装置から遊技情報を収集して、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、「回収信号」に基づいて算出されるアウト球数(回収球数)の累積値や、「特賞信号」に基づいて算出される特別遊技状態の発生回数の累積値等)を生成する。そして、当該累積値に基づいて遊技用装置の稼動量を算出し、算出した稼動量を遊技場内部管理装置21に送信する。この情報収集端末装置22が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積して算出される。
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前及び午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
また、遊技場2の内部には、遊技場の管理事務所に設けられたクライアント端末23とホール内の遊技場内管理装置21とを接続する内部ネットワークが設けられる。当該内部ネットワークには、クライアント端末23のほか、中継装置(ルータ)24が接続される。当該内部ネットワークは、遊技場2のホール内部に設けられた内部ネットワークと同様に、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成される。
クライアント端末23は、マイク、カメラ、キーボード又はマウス等の入力装置232(応答入力手段)を備える。操作者40は、いずれかの構成要素に異常が発生すると、当該入力装置232を用いてサービスセンタ1に異常報告201を送信する。なお、異常報告201は、マイクを用いて音声で入力してもよく、カメラを用いて画像で入力してもよく、キーボード又はマウスを用いて文字又は画像を選択して入力してもよい。
また、クライアント端末23は、スピーカ又はディスプレイ等の出力装置231(出力手段)を備える。異常対応管理装置11からWebサーバ12を介して受信した異常対処方法は、出力装置231から音声又は画像で操作者40に認識可能に出力される。そして、操作者40は、出力装置231に表示された異常対処方法に従うことで、異常に対応できる。なお、クライアント端末23は、遊技場2の管理事務所に設置されるものに限らず、可搬型で、操作者40がホール内を持ち運べるものでもよい。この場合、クライアント端末23は、無線LANによって、内部ネットワークと接続されるとよい。
中継装置24は、遊技場内管理装置21又はクライアント端末23からの情報を中継して、当該情報をネットワーク3に送信する。
オペレータ端末13による直接対応の場合、クライアント端末23から入力された異常報告201は、オペレータ端末13にも出力される。このとき、対応案内202はオペレータ端末13に出力される。オペレータ端末13は、出力された対応案内202は、オペレータ端末13を操作することによって、クライアント端末23に送信する。又は、サービスセンタ1のオペレータがオペレータ端末13を見ながら電話による回答をしてもよい。
また、自動対応の場合、クライアント端末23から入力された異常報告201は異常対応管理装置11に送られ、異常対応管理装置11によって検索された対応案内202が、Webサーバ12を介してクライアント端末23に出力される。
なお、遊技場2の操作者40からサービスセンタ1に電話によって異常の対応に関する問い合わせがあり、サービスセンタ1のオペレータが、オペレータ端末13を操作して、異常報告201を入力し、対応案内202を得て、遊技場2の操作者40に電話によって回答する場合も、本発明の範疇に含む。この場合、異常報告201はオペレータ端末13に入力され、対応案内202はオペレータ端末13に出力される。さらに、対応報告203もオペレータ端末13に入力される。
図3は、本発明の実施の形態の異常対応管理装置11の構成を示すブロック図である。
異常対応管理装置11には、CPU111、プログラム等を予め格納したROM112、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM113、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)114が設けられる。
RAM113は、各種データ(例えば、付与経験値の積算値、異常発生値、異常発生値の期限、又は、最後に異常に対応した日から経過した日数を計測するカウンタ等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU111の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
また、HDD114は、遊技場2で発生する可能性のある異常の内容やその異常対処方法の候補を記録する異常一覧DB102(図4)、各異常の発生頻度や遊技場2の付与経験値を記録する経験情報DB105(図4)及び各構成要素の異常発生値や当該構成要素が遊技場2に設置された日を記録する設備DB106を記憶する。
これらのCPU111、ROM112、RAM113及びHDD114は、バス115によって接続されている。バス115は、CPU111がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
バス115には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート116及びI/Oポート117が接続される。
ネットワーク通信ポート116は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続される。
I/Oポート117には、遊技場2からの異常報告201に関する情報を表示するディスプレイや、遊技場2からの異常報告201を音声で報知するスピーカによって構成される出力装置118が接続される。また、I/Oポート117には、異常対応管理装置11の操作(例えば、異常対処方法の入力)のための入力装置(カメラ、マイク、キーボード、マウス等)119が接続される。
図4は、本発明の実施の形態の遊技管理システムの機能ブロック図である。
遊技場2に設置されたいずれかの構成要素で異常が発生すると、当該遊技場2は、構成要素の異常に関する異常関連情報(異常報告201)をサービスセンタ1に送信する。このとき遊技場2の操作者40は、ログイン名を入力してサービスセンタ1に接続する。
なお、遊技場2として異常に対応するときは、ログイン名として店舗コードを用いるとよい。店舗コードは、各遊技場2を一意に識別する識別子である。また、操作者40として異常に対応するときは、ログイン名として操作者コードを用いるとよい。操作者コードは、各操作者40を一意に識別する識別子である。また、チーム4として異常に対応するときは、ログイン名としてチームコードを用いるとよい。チームコードは、各チーム4を一意に識別する識別子である。
遊技場2は、異常報告201として、異常が発生した場所(例えば、フロア又はカウンタエリア)、異常の対象(例えば、情報収集端末装置22又は中継装置24)、異常が発生した日時(例えば、3月23日16時43分)及び異常の状況(例えば、電源が入らない)をサービスセンタ1に送信する。
サービスセンタ1の異常対応管理装置11は、遊技場2から異常報告201を受信すると、当該異常報告201に含まれる店舗コードに基づいて対象となる遊技場2を特定する。そして、異常対応管理装置11の異常絞込手段101は、受信した異常報告201の内容に基づいて、遊技場2で発生している可能性の高い異常を異常一覧DB102に記憶された候補から絞り込み、異常絞込結果103を生成する。なお、異常一覧DB102は、異常対処方法(対応手順)の候補を記憶する候補記憶手段として機能し、異常の内容と当該異常を解決する異常対処方法とが対応付けて記憶される。
また、異常絞込手段101は、設備DB106を参照して、遊技場2で発生している可能性の高い異常を絞り込む。このとき、当該遊技場2に設置されていない構成要素に関する異常は、絞り込みの対象から除外する。なお、遊技場2にいずれの構成要素が設置されているかは、遊技場毎設備情報DB1062(図8)に記憶された情報によって特定される。
なお、設備DB106には、設備情報DB1061(図7)及び遊技場毎設備情報DB1062が含まれる。設備情報DB1061及び遊技場毎設備情報DB1062については、図7又は図8で説明する。
このようにして、異常絞込結果103が生成されると、異常対応管理装置11の整列手段104は、異常報告201を送信した遊技場2の経験情報DB105を読み出す。そして、整列手段104は、経験情報DB105から付与経験値(経験情報)を特定し、当該付与経験値に基づいて絞り込まれた異常を並べ替える。これによって、異常対処方法を遊技場2に提示する優先順序が決定する。経験情報DB105については、図6で説明する。
整列手段104は、遊技場2が過去に経験した異常については、異常対処方法を遊技場2に提示する優先順位を下げる。つまり、付与経験値が大きい異常ほど、遊技場2に異常対処方法が提示されなくなる。
例えば、元電源が入っていないため情報収集端末装置22の電源が入らないという異常(異常Xとする。)の対応を遊技場2が経験したとする。すると、次にまた異常Xが発生しても、当該遊技場2は、サービスセンタ1から「元電源を確認して下さい。」という異常対処方法が提示されるまでもなく、元電源を確認して独自に異常Xに対応できると推定できる。
つまり、当該遊技場2から異常報告201があった場合、遊技場2で発生している異常は異常X以外のものである可能性が高い。よって、この場合、整列手段104は異常Xの異常対処方法を遊技場2に提示する優先順位を下げる。
一方、異常Xを遊技場2が過去に経験していなければ、異常Xが発生しても、遊技場2は、サービスセンタ1から「元電源を確認して下さい。」という異常対処方法を提示されるまで、元電源を確認するという異常対処方法に想到しないと推定できる。
つまり、当該遊技場2から異常報告201があった場合、遊技場2で発生している異常は異常Xである可能性が高い。よってこの場合、整列手段104は、異常Xの異常対処方法を遊技場2に提示する優先順位を上げる。
また、整列手段104は、設備DB106の遊技場毎設備情報DB1062を参照して、絞り込まれた異常を、各異常の異常発生頻度に基づいて並べ替える。なお、遊技場毎設備情報DB1062に、各構成要素の異常発生頻度(図8)が記憶されており、この各構成要素の異常発生頻度から各異常の異常発生頻度(図6)が導き出される。
異常発生頻度が低い異常は、異常対処方法が遊技場2に提示される優先順位が下がり、異常発生頻度が高い異常は、異常対処方法が遊技場2に提示される優先順位が上がる。
なお、整列手段104は、経験情報DB105のみを参照して異常対処方法の整列をしてもよく、設備DB106のみを参照して異常対処方法の整列をしてもよく、経験情報DB105及び設備DB106を参照して異常対処方法を整列してもよい。
整列手段104によって、異常対処方法を提示する優先順位が決定されると、優先順位が高い異常対処方法から順次、対応案内202として遊技場2に提示される。遊技場2は、提示された対応案内202に基づいて異常に対応する。異常が解決しない場合、遊技場2は、サービスセンタ1に更に異常報告201をする。そして、サービスセンタ1は、次に優先順位が高い異常対処方法を、対応案内202として遊技場2に提示する。
遊技場2は、異常に対応すると、その旨をサービスセンタ1に対応報告(応答)203として送信する。対応報告203には、異常に対応した遊技場2の店舗コード、異常に対応した内容(例えば、コンセントを挿入した又は構成要素を交換した)及び異常対処方法の次の候補の提示を要求するか否かが含まれる。
異常対応管理装置11の経験情報更新手段107は、遊技場2から対応報告203を受信すると、当該遊技場2の経験情報DB105を読み出す。そして、当該遊技場2が対応した異常の付与経験値に所定のポイントを加算して更新する。このように、異常対応管理装置11は、遊技場2が異常に対応したことに対して付与経験値にポイントを加算して評価する。
また、遊技場2が過去に対応した異常について当該遊技場2から所定期間異常報告201がない場合、当該所定期間中に異常が発生したにもかかわらず、遊技場2は異常報告201をすることなく独自に異常に対応したと推定できる。よって、この場合も、経験情報更新手段107は、日時情報108を参照して所定期間の経過後に、異常対応管理装置11は、遊技場2が独自に異常に対応したことを付与経験値にポイントを加算して評価する。
ただし、異常に対応した操作者40が退職等によって遊技場2に属さなくなった場合、当該遊技場2は独自に同じ異常に対応できなくなる。また、同じ操作者40であっても、時間の経過とともに異常対処方法を忘れてしまう。これらの事実を考慮して、経験情報更新手段107は、日時情報108を参照して、時間の経過とともに付与経験値から所定のポイントを減算する。
一方、遊技場2は、遊技場2の構成要素の保守のために新たに構成要素を発注した場合、その旨の報告(構成要素発注情報204)をサービスセンタ1に送信する。また、遊技場2は、遊技場2内で構成要素を移動した場合や、構成要素を交換した(例えば、故障した情報収集端末装置22を交換した)場合も、その旨の報告をサービスセンタ1に送信する。
なお、遊技場2から構成要素発注情報204を受信する保守対応窓口を設けて、当該構成要素発注情報204を当該保守対応窓口がサービスセンタ1に通知してもよい。
異常対応管理装置11の設備DB更新手段109は、遊技場2から構成要素発注情報204を受信すると、遊技場毎設備情報DB1062の設置日(図8)を、構成要素を発注した日に更新する。また、設備DB更新手段109は、遊技場2内で構成要素を移動させた旨の報告を遊技場2から受信すると、遊技場毎設備情報DB1062の更新日(図8)を、構成要素を移動させた日に更新する。そして、設備DB更新手段109は、構成要素発注情報204又は遊技場2内で構成要素を移動させた旨の報告を遊技場2から受信する毎に、遊技場毎設備情報DB1062の保守に関する情報(設置日又は更新日)を更新する。
また、遊技場2は、構成要素を発注した場合に限らず、構成要素の保守のために遊技場2が独自に構成要素の交換をした場合(遊技場2の在庫の構成要素を使用した場合又は発注以外の方法で入手した構成要素を使用した場合等)も、その旨をサービスセンタ1に送信してもよい。この場合、設備DB更新手段109は、遊技場2から構成要素を交換した旨の報告を受信すると、遊技場毎設備情報DB1062の設置日を、構成要素を交換した日に更新する。
構成要素は、時間の経過とともに異常発生値(図7)が変化する。よって、設備DB更新手段109は、日時情報108を参照して、時間の経過とともに各構成要素の異常発生値を切り替える。そして、設備DB更新手段109は、遊技場毎設備情報DB1062の異常発生頻度(図8)を更新する。
また、異常対応管理装置11の経験情報更新手段107は、遊技場2から構成要素発注情報204を受信すると、発注された構成要素に関する全ての異常の付与経験値に所定のポイントを加算して更新する。これによって、新たに発注された構成要素に関する異常の付与経験値が上がり、整列手段104による整列において、当該異常の異常対処方法の優先順位が下がる。つまり、発注に至ることになった構成要素の異常に対しては遊技場2にて対応が可能であると考えられるため、当該構成要素に関する異常対処方法が遊技場2に提示されにくくなる。
なお、異常対応管理装置11は、異常が発生していない状態で行われる遊技場2の日常的なメンテナンス作業についても評価の対象としてもよい。メンテナンス作業とは、操作者40が遊技場2に設置されている各構成要素に異常がないか否かを点検する作業である。この場合、遊技場2は、メンテナンス作業を行った場合はその旨をサービスセンタ1に報告する。経験情報更新手段107は、遊技場2からメンテンナンス作業を行った旨の報告があると、当該遊技場2の全ての異常の付与経験値に所定のポイントを加算する。これにより、遊技場2がメンテナンス作業によって異常の発生前に未然に対応したと評価できる。
図5は、本発明の実施の形態の異常一覧DB102の構成図であり、異常対応管理装置11のHDD114に記憶される。
異常一覧DB102には、異常コード、異常個所、異常内容、異常対処方法、付与Pt1及び付与Pt2が記憶される。
「異常コード」は、遊技場2で発生する可能性のある全ての異常を識別するために一意に割り当てられた番号であって、例えば、E00001〜E00004が記憶される。
「異常個所」は、異常が発生した構成要素であって、例えば、異常コードE00001〜E00004の異常個所として情報収集端末装置22が記憶されている。「異常個所」には、情報収集端末装置22のほか、遊技場内管理装置21、中継装置24、取付ベース又は中継装置用配線等の構成要素が記憶される。
「異常内容」は、どのような異常が発生したかを示す異常の内容であって、例えば、異常コードE00001〜E00004の異常内容としては情報収集端末装置22の電源が入らないと記憶されている。「異常内容」には、電源が入らないほか、ランプが点滅している、警告音が鳴っている又は液晶画面に画像が表示されない等の内容が記憶される。
「異常対処方法」は、異常の解決方法であって、例えば、異常コードE00001の異常対処方法としては元電源確認と記憶されている。「異常対処方法」には、元電源確認のほか、異常コードE00002の異常対処方法にコンセント確認、異常コードE00003の異常対処方法にヒューズ確認又は異常コードE00004の異常対処方法に断線確認等の方法が記憶されている。なお、異常対処方法は、対応案内202としてサービスセンタ1から遊技場2に提示される。
「付与Pt1」は、対応する異常対処方法に従って、操作者40が異常に対処することで遊技場2に付与されるポイントである。また、「付与Pt2」は、対応する異常対処方法に従って、操作者40が異常を確認することで遊技場2に付与されるポイントである。なお、付与Pt2よりも付与Pt1を大きな値に設定することが望ましい。
例えば、異常コードE00001の付与Pt1は365ポイントに設定され、付与Pt2は200ポイントに設定されている。また、異常コードE00002の付与Pt1は365ポイント、及び、付与Pt2は200ポイントに設定され、異常コードE00003の付与Pt1は200ポイント、及び、付与Pt2は20ポイントに設定され、異常コードE00004の付与Pt1は200ポイント、及び、付与Pt2は20ポイントに設定されている。
なお、操作者40が異常に対処せず、かつ、異常の確認もしなかった場合は、遊技場2にはどちらのポイントも付与されない。また、操作者40が異常の確認だけをした場合は、遊技場2に付与Pt2だけが付与される。また、操作者40が異常の確認のみならず対処もすれば、遊技場2に付与Pt1だけが付与される。つまり、操作者40の異常への対応如何によって、遊技場2は、付与Pt1及び付与Pt2のどちらかが付与され、又は、どちらも付与されない。なお、操作者40が異常に対処したときに、遊技場2に両方のポイントが付与されるように、各ポイントを設定してもよい。
例えば、遊技場2で異常コードE00001の異常が発生した場合、サービスセンタ1から当該遊技場2に対して「元電源確認」という異常対処方法が提示される。これに対して、遊技場2の操作者40が元電源を確認して、サービスセンタ1に異常を確認した旨の対応報告203をする。これにより、200ポイントが遊技場2の異常コードE00001の付与経験値(図6)に加算される。
また、遊技場2の操作者40が元電源を確認して、実際に元電源が遮断されている状態から電源を投入した状態に切り替えて、サービスセンタ1に異常に対処した旨の対応報告203をする。これにより、365ポイントが遊技場2の異常コードE00001の付与経験値に加算される。
なお、操作者40が、一の異常について複数の異常対処方法を確認した場合は、確認した異常対処方法の各々の付与Pt2が遊技場2に付与される。
このように、異常対応管理装置11は、操作者40が異常を確認しただけであっても、当該異常に接したという経験を評価する。つまり、操作者40が異常を確認することで、次回同じ異常が発生した場合、当該操作者40は独自に異常に対応できると期待できるため、遊技場2の付与経験値にポイント(付与Pt2)を加算する。また、操作者40が異常に対処することで、次回同じ異常が発生した場合、当該操作者40は独自に異常に対応できるとより強く期待できるため、付与Pt2よりも大きいポイント(付与Pt1)を遊技場2の付与経験値に加算する。このように、異常対処方法毎にポイントを加算することによって、経験した異常への対応が出力される優先順序を下げるのである。
図6は、本発明の実施の形態の経験情報DB105(経験情報記憶手段)の構成図であり、異常対応管理装置11のHDD114に記憶される。
経験情報DB105は、遊技場2の店舗コード(例えば、3760001)が記憶されており、遊技場2毎に作成される。異常対応管理装置11は、異常報告201に含まれる店舗コードによって対象となる遊技場2を特定して、特定された遊技場2の経験情報DB105を読み出す。
経験情報DB105には、異常コード、異常発生頻度及び付与経験値が、店舗コードに関連付けられて記憶される。
「異常コード」は、遊技場2で発生する可能性のある全ての異常を識別するために一意に割り当てられた番号であって、例えば、E00001〜E00004が記憶される。経験情報DBの異常コードは、異常一覧DB102に記憶された異常コードと同一である。
「異常発生頻度」は、異常が一日当たりに発生する頻度であって、異常個所である構成要素が遊技場2に設置されている数量や当該構成要素の故障率を加味した数値である。なお、構成要素の故障率とは、全遊技場2における構成要素の異常の対応に関する情報、具体的には、他の遊技場も含む全ての遊技場2で当該構成要素に異常が発生した頻度に基づいて算出された値である。
なお、理論的には、同一の構成要素(異常個所)についての異常発生頻度の総和は、遊技場毎設備情報DB1062(図8)に記憶された構成要素の異常発生頻度と等しくなる。構成要素の異常発生頻度は、適用される異常発生値と構成要素の数量に応じて変化するため、異常の異常発生頻度も構成要素の異常発生頻度に応じて変化する。各異常の異常発生頻度が構成要素の異常発生頻度を構成する比率は、設計値とする。ただし、設計値に限らず、統計によって導き出された比率、又は、実態に即した任意の設定比率であってもよい。
例えば、異常コードE00001の異常の異常発生頻度は1%と記憶されている。異常発生頻度が1%ということは、店舗コード3760001の遊技場2において一日のうちで異常コードE00001の異常(情報収集端末装置22の元電源が入っていないために電源が入らないという異常)が発生する可能性が1%ということである。なお、異常コードE00002の異常の異常発生頻度は0.1%、異常コードE00003の異常の異常発生頻度は0.1%と記憶されている。
「付与経験値」は、遊技場2が異常に対応することで付与されるポイントの積算値であって、例えば、店舗コード3760001の遊技場2が、異常コードE00001の異常に対応したことによる付与経験値は300ポイントと記憶されている。また、ここでは、異常コードE0002の異常の付与経験値は25ポイント、異常コードE0003の異常の付与経験値は25ポイント、異常コードE0004の異常の付与経験値は25ポイントと記憶されている。
付与経験値は、経験情報更新処理(図11、図12又は図14)によって所定のポイントが加算される。経験情報更新処理では、遊技場2が異常に対応した場合のほか、遊技場2から構成要素発注情報204の報告があった場合、又は、定期的に発生する蓋然性のある異常があるにも拘らず所定期間当該異常についての異常報告201が遊技場2からされない場合も、遊技場2が異常報告201をすることなく独自に異常に対応したと推定して、この構成要素発注情報204の報告毎又は所定期間が経過する毎に、付与経験値に所定のポイントを加算する。
また、遊技場2が、過去に対応した異常であっても、時間の経過とともに異常対処方法を忘れてしまうことを考慮して、経験情報更新処理(図13)は、営業単位が更新される毎に、付与経験値から所定のポイントを減算する。
なお、異常に対応することで遊技場2に付与された付与経験値を全ての異常について合算すると、遊技場2がいずれの異常を経験したかが不明確になる。そうすると、サービスセンタ1は、対応案内202としていずれの異常対処方法を優先して遊技場2に提示すべきか判断が困難になる。よって、付与経験値は、遊技場2で発生した異常毎(異常コード毎)に積算される。これにより、遊技場2の異常対応能力を付与経験値に基づいて評価できる。
なお、経験情報DB105は、遊技場2毎ではなく、操作者40毎又はチーム4毎に作成してもよい。
図7は、本発明の実施の形態の設備情報DB1061の構成図であり、異常対応管理装置11のHDD114に記憶される
設備情報DB1061には、構成要素コード、構成要素名、異常発生値1、期限1、異常発生値2、期限2、異常発生値3、期限3及び発注Ptが記憶される。
「構成要素コード」は、構成要素を識別するために一意に割り当てられた番号であって、例えば、情報収集端末装置22には10001280が、中継装置24には10002560が、取付ベース(図示省略)には10002562が設定されている。
「構成要素名」は、構成要素の名称である。
「異常発生値1」は、遊技場2に構成要素を設置してから期限1の期間内に、一台の当該構成要素について一日当たりに異常が発生する確率(異常発生率)である。遊技場2に構成要素を設置してから期限1の期間内に発生する異常には、初期不良や施工不良が含まれる。本実施の形態では期限1は日で記憶されているが、期間を示す他の単位によって記憶してもよい。
例えば、情報収集端末装置22の異常発生値1は0.1%、期限1は7と記憶されている。つまり、情報収集端末装置22を遊技場2に設置してから7日間は、一日当たりの異常発生値は0.1%である。また、中継装置24の異常発生値1は0.1%で期限1は7、取付ベースの異常発生値1は0.01%で期限1は14と記憶されている。
「異常発生値2」は、遊技場2内で構成要素を移動した場合に、移動をしてから期限2の期間内に、一台の当該構成要素について一日当たりに異常が発生する確率であって、例えば、情報収集端末装置22の異常発生値2は1%で期限2は7、中継装置24の異常発生値2は1%で期限2は7、取付ベースの異常発生値2は0.01%で期限2は14と記憶されている。
なお、遊技場2でイベントが行われ、又は、新たな機種の遊技機20が搬入されると、目玉機種の遊技機20が遊技場2の目立つ位置に設置され、古い機種の遊技機20は遊技場2の奥に移動される。そして、この遊技機20の移動に伴って構成要素が移動されたり、構成要素に今までと異なる遊技機20が接続されたりする場合がある。これらの場合、新たに配線を接続する際に断線や配線の不備が生じて異常が発生する可能性が高い。そのため、構成要素の移動から所定期間は、当該構成要素に拘る異常発生値を高くして、当該構成要素を監視する。よって、異常発生値2は異常発生値1よりも高く見積もるとよい。
「異常発生値3」は、期限1及び期限2が経過した後に、一台の当該構成要素について一日当たりに異常が発生する確率であって、例えば、情報収集端末装置22の異常発生値3は0.01%、中継装置24の異常発生値3は0.01%、取付ベースの異常発生値3は0.001%、中継装置用配線の異常発生値3は0.001%と記憶されている。
構成要素は、遊技場2に設置してから所定期間又は遊技場2内で移動してから所定期間は異常が発生する確率が高い。しかし、異常が発生しないで所定期間が経過すると、その後は状態が安定して異常が発生する確率が低くなる。よって、異常発生値3を異常発生値1及び異常発生値2よりも低く見積もる。ただし、構成要素が消耗品の場合は、異常発生値3を異常発生値1及び異常発生値2より高く見積もってもよい。
「発注Pt」は、遊技場2が構成要素を発注することで、当該構成要素に関する異常の付与経験値に付与されるポイントであって、例えば、情報収集端末装置22は300ポイント、中継装置24は300ポイント、取付ベースは500ポイント、中継装置用配線は300ポイントと記憶されている。
このように、遊技場2が構成要素を発注することに対して付与経験値にポイントを加算することで、遊技場2が、構成要素を交換することで独自に異常に対応したと推定して評価できる。ただし、異常の根本的な原因が交換した構成要素ではない場合は、ただちに再度異常が発生する可能性が高い。よって、この場合は交換した構成要素の異常発生値1を高く見積もる。
異常発生値更新処理(図16)で説明するように、異常発生値には、各構成要素について予測される異常が発生する確率の初期値(設計値)と、当該構成要素が遊技場2に設置された後に統計的に算出される異常が発生する確率(実績値)とが含まれる。
図8は、本発明の実施の形態の遊技場毎設備情報DB1062(設備情報記憶手段)の構成図であり、異常対応管理装置11のHDD114に記憶される。
遊技場毎設備情報DB1062は、遊技場2の店舗コード(例えば、3760001)が記憶されており、遊技場2毎に作成される。異常対応管理装置11は、異常報告201に含まれる店舗コードによって対象となる遊技場2を特定して、当該遊技場2の遊技場毎設備情報DB1062を読み出す。
遊技場毎設備情報DB1062には、構成要素コード、設置日、更新日、数量及び異常発生頻度が、店舗コードに関連付けられて記憶される。
「構成要素コード」は、構成要素を識別するために一意に割り当てられた番号であって、例えば、10001280、10002560、10002562又は10002564が記憶される。遊技場毎設備情報DB1062の構成要素コードは、設備情報DB1061に記憶された構成要素コードと同一である。
「設置日」は、構成要素が遊技場2に新たに設置された日であって、構成要素が遊技場2に設置されてからの経過時間の情報を含む。例えば、構成要素コード10001280の構成要素(情報収集端末装置22)の設置日は2005年12月20日、構成要素コード10002560の構成要素(中継装置24)の設置日は2005年12月20日、構成要素コード10002562の構成要素(取付ベース)の設置日は2005年12月20日と記憶されている。
本実施の形態では、現時点を2006年4月1日とすると、情報収集端末装置22、中継装置24及び取付ベースはいずれも、構成要素が遊技場2に設置されてから現時点で102日が経過している。よって、情報収集端末装置22、中継装置24及び取付ベースはいずれも、2005年12月20日から7日間は異常発生値1が適用され、現時点では7日間以上経過しているため異常発生値3が適用される。
なお、遊技場2から構成要素発注情報204の報告があった場合も、当該発注の日から構成要素が新たに設置されたとみなして、当該構成要素の設置日に構成要素発注情報204の報告があった日が記憶される。
そして、この設置日(構成要素が遊技場2に導入された時期)に基づいて、異常対処方法を整列する順序が決定される。つまり、遊技場毎設備情報DB1062に設置日を記憶することで、時期に応じた適正な異常発生値が適用される。そして、当該異常発生値から各構成要素の異常発生頻度を算出して、当該異常発生頻度に基づいて異常対処方法を整列する(図10)。したがって、遊技場毎設備情報DB1062に設置日を記憶することで、遊技場2に構成要素を導入した時期に応じて異常発生の原因を推定できるので、効率の良い順序で遊技場2に異常対処方法を出力できる。
「更新日」は、構成要素が遊技場2内で移動した日であって、構成要素が遊技場2内で移動してからの経過時間の情報を含む。例えば、構成要素コード10001280の構成要素(情報収集端末装置22)の更新日は2006年3月3日と記憶される。つまり、情報収集端末装置22は、構成要素が遊技場2内で移動してから現時点で29日が経過している。よって、情報収集端末装置22は、2006年3月3日から7日間は異常発生値2が適用され、現時点では7日間以上経過しているため異常発生値3が適用される。
なお、構成要素コード10002560の構成要素(中継装置24)及び構成要素コード10002562の構成要素(取付ベース)はいずれも移動されていないため、更新日が記憶されていない。よって、中継装置24及び取付ベースは、異常発生値2は適用されない。
そして、この更新日(遊技場2において構成要素が移動された時期)に基づいて、異常対処方法を整列する順序が決定される。つまり、遊技場毎設備情報DB1062に更新日を記憶することで、時期に応じた適正な異常発生値が適用される。そして、当該異常発生値から各構成要素の異常発生頻度を算出して、当該異常発生頻度に基づいて異常対処方法を整列する(図10)。したがって、遊技場毎設備情報DB1062に更新日を記憶することで、遊技場2内で構成要素を移動した時期に応じて異常発生の原因を推定できるので、効率の良い順序で遊技場2に異常対処方法を出力できる。
なお、遊技場2内で遊技機20を入れ替えた場合、つまり、構成要素は移動させないで構成要素に接続される遊技機20のみを移動させた場合、新たに配線を接続する際に断線や配線の不備が生じて異常が発生する可能性が高い。そこで、構成要素自体が遊技場2内で移動した日のみならず、構成要素の接続対象又は監視対象である遊技機20(構成要素に対応する遊技機20)を遊技場2内で入れ替えた日を、構成要素が遊技場2内で移動した日として「更新日」に入力してもよい。
例えば、構成要素が情報収集端末装置22の場合は、当該情報収集端末装置22に接続された遊技機20が他の遊技機20と入れ替えられた日を「更新日」に入力する。構成要素が中継装置24の場合は、当該中継装置24が監視する遊技機20が他の遊技機20と入れ替えられた日を「更新日」に入力する。
なお、遊技機20を構成要素に含めて、遊技場2内で遊技機20を入れ替えた(移動した)日を「更新日」に入力してもよく、遊技場毎設備情報DB1062に「遊技機20の入替日」という項目を別途設けてもよい。そして、遊技機20を入れ替えた日(「更新日」又は「遊技機の入替日」)から所定期間の異常発生値を別途設定してもよい。
このように、遊技機20を入れ替えた日を遊技場毎設備情報DB1062に記憶することで、遊技場2内で遊技機20を移動した時期に応じて異常発生の原因を推定できるので、構成要素と比較して頻繁に移動がある遊技機20に基づく異常を容易に抽出できる。
「数量」は、遊技場2に設置され又は更新された構成要素の数量であって、例えば、構成要素コード10001280の構成要素(情報収集端末装置22)は500、構成要素コード10002560の構成要素(中継装置24)は10、構成要素コード10002562の構成要素(取付ベース)は600、構成要素コード10002564の構成要素(中継装置用配線)は100と記憶されている。
つまり、情報収集端末装置22は、2005年12月20日に設置され、2006年3月3日に遊技場2内で500台のうち少なくとも一台が移動している。中継装置24は、2005年12月20日に10台が設置され、その後移動されていない。取付ベースは、2005年12月20日に600台が設置され、その後移動されていない。中継装置用配線は、2005年12月20日に1000台が設置され、その後移動されていない。
「異常発生頻度」は、「数量」に記憶された数の構成要素に異常が一日当たりに発生する頻度であって、適用される異常発生値に数量を乗じて算出される。
例えば、構成要素コード10001280の構成要素(情報収集端末装置22)は、更新日から7日(期限2)以上経過しているため、異常発生値3が適用される。情報収集端末装置22は遊技場2に500台設置されているため、異常発生値3に500台を乗じて、0.01%×500台=5%が異常発生頻度として記憶されている。
また、構成要素コード10002560の構成要素(中継装置24)は、異常発生値3(0.01%)が適用され、数量が10であるので、0.01%×10=0.1%が異常発生頻度として記憶されている。構成要素コード10002562の構成要素(取付ベース)は、異常発生値3(0.001%)が適用され、数量が600であるので、0.001%×600=0.6%が異常発生頻度として記憶されている。構成要素コード10002564の構成要素(中継装置用配線)は、異常発生値3(0.001%)が適用され、数量が1000であるので、0.001%×1000=1%が異常発生頻度として記憶されている。
適用される異常発生値は、現時点が期限1内又は期限2内であるか否かによって異なり、後述する異常発生頻度更新処理で切り替えられる。異常発生値が切り替えられると異常発生頻度が変化して、経験情報DB105の異常発生頻度も変化し、結果として遊技場2に提示される異常対処方法の順序も変化する。つまり、遊技場毎設備情報DB1062に記憶された異常発生頻度に基づいて、異常対処方法を整列する順序が決定される。
また、構成要素が保守された時からの経過時間の情報に基づいて、異常対処方法を整列する順序が決定される。つまり、遊技場2が構成要素の保守をした時期(構成要素が保守された時からの経過時間の情報)を遊技場毎設備情報DB1062に関連付けて記憶することで、適用される異常発生値が変化して、その変化に伴って遊技場2に提示される異常対処方法の優先順位も変化する。したがって、遊技場毎設備情報DB1062に当該経過時間の情報を関連付けて記憶することで、構成要素の保守をした時点から経過した時間に応じた異常発生の原因を推定できるので、効率の良い順序で遊技場2に異常対処方法を出力できる。
また、このように異常発生値と数量とから異常発生頻度を算出して遊技場毎設備情報DB1062に記憶することによって、構成要素が故障する頻度に応じて異常発生の原因を推定できるので、効率の良い順序で遊技場2に異常対処方法を出力できる。
なお、異常発生頻度が100%の場合は、遊技場2で一日に一回の頻度で異常が発生し得ることを示す。また、例えば、異常発生頻度が1000%の場合は、遊技場2で一日に十回の頻度で異常が発生し得ることを示す。つまり、異常発生頻度は、遊技場2における一日(又は一営業単位)当たりの異常が発生する回数の期待値である。
また、同一の構成要素には同一の構成要素コードが割り当てられているが、同一の構成要素であっても、設置や移動の時期が異なるものが混在する場合は、設置された時期が同一のものを一つのグループとして区分して、当該グループ毎に構成要素コードを割り当ててもよい。
例えば、遊技場2に設置された構成要素のうちの一部だけが移動又は交換された場合、又は、遊技場2に設置された構成要素に接続された遊技機20のうち一部だけが移動又は交換された場合は、移動又は交換の対象となった構成要素だけを一つのグループとして区分して、当該グループに新たに構成要素コードを付与して遊技場毎設備情報DB1062に記憶する。このように構成することで、同一の構成要素であっても、その設置や移動の時期の違いに応じて、より精度よく構成要素の保守をした時点から経過した時間に応じた異常発生の原因を推定できる。
図9は、本発明の実施の形態の異常絞込処理のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。
異常絞込処理では、異常対応管理装置11は、遊技場2からの異常報告201に基づいて、当該遊技場2で発生している可能性のある異常を、異常一覧DB102から絞り込む。
まず、異常対応管理装置11は、遊技場2からの異常報告201に含まれる遊技場情報(例えば、ログイン名)を取得する(S11)。そして、当該遊技場情報から、異常報告201を送信した遊技場2を特定する。
次に、遊技場毎設備情報DB1062を参照して(S12)、ステップS11で特定した遊技場2の遊技場毎設備情報を取得する(S13)。これによって、遊技場2に設置されている構成要素のうち異常が発生する可能性があるものを絞り込むことができる。そして、遊技場2に設置されていない構成要素に関する異常は発生する可能性がないため、絞り込みの対象から除外される。
なお、遊技場毎設備情報とは、遊技場毎設備情報DB1062に記憶された情報である。
次に、遊技場2からの異常報告201に基づいて、遊技場2で異常が発生した時間、異常が発生した場所、異常が発生した個所及び異常の内容等の異常絞込情報を取得する(S14)。
次に、異常一覧DB102を参照して(S15)、ステップS13で取得した遊技場毎設備情報及びステップS14で取得した異常絞込情報により把握できる状況から、遊技場2で発生している可能性のある異常を絞り込む。そして、絞り込まれた異常の一覧である異常一覧絞込データ(異常絞込結果103)を取得する(S16)。
図10は、本発明の実施の形態の異常一覧整列処理のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。異常一覧整列処理が実行されることによって、整列手段104が実現される。
異常一覧整列処理では、異常対応管理装置11は、遊技場2に提示する異常対処方法の優先順位を決定して整列する。
まず、異常対応管理装置11は、異常絞込処理のステップS16で取得された異常一覧絞込データを参照する(S21)。そして、経験情報DB105を参照して(S22)、異常一覧絞込データに列挙された各異常を、異常発生頻度で降順に並べ替えて整列する(S23)。具体的には、異常一覧絞込データに列挙された各異常を、遊技場2で発生している可能性の最も高い異常(異常発生頻度が最も高い異常)から最も低い異常(異常発生頻度が最も低い異常)へと並べ替える。この時点では、異常発生頻度の最も高い異常の異常対処方法が、優先順位が最も高く、つまり、遊技場2に提示される順序が最も早い。
経験情報DB105の異常発生頻度は、構成要素の保守をした日から経過した時間によって変化するため、異常発生頻度の値によって時間の経過に応じた異常発生の原因を推定できる。よって、異常発生頻度に基づいて整列することで、構成要素の保守を考慮した順序で異常対処方法が整列される。また、異常発生の原因である可能性の高い異常対処方法が優先して出力され、効率の良い順序で遊技場2に異常対処方法を出力でき、操作者40は早急に異常に対応できる。
また、異常発生頻度に基づいて整列することで、他の遊技場2の一般的な経験に基づいて異常対処方法の順序が決定されるため、異常一覧絞込データの中に遊技場2が経験したことがない異常があったとしても、当該異常の異常対処方法も無難な順序で遊技場2に提示できる。
次に、経験情報DB105を参照して、ステップS23で整列された異常一覧絞込データに列挙された各異常を、付与経験値で昇順に並べ替えて整列する(S24)。このように整列することで、異常一覧絞込データに列挙された各異常を、遊技場2の経験が少ない異常(付与経験値が最も低い異常)から遊技場2の経験が多い異常(付与経験値が最も高い異常)へと並べ替えられる。
なお、同一の付与経験値の異常が複数ある場合は、ステップS23の処理によって異常発生頻度で降順に並べ替えられているため、異常発生頻度の高い異常の方が優先順位が高い。よって、付与経験値が最も低い異常であって、かつ、当該異常のうち異常発生頻度が最も高い異常の異常対処方法が、優先順位が最も高く、つまり、遊技場2に提示される順序が最も早い。
このように、付与経験値に基づいて異常一覧絞込データに列挙された異常を並べ替えることで、異常対応管理装置11は、遊技場2が過去に経験していない異常対処方法を優先して出力するため、異常対応方法の冗長な出力を抑制して、操作者40は早急に異常に対応できる。
なお、本実施の形態の異常一覧整列処理では、異常発生頻度及び付与経験値に基づいて並び替えるが、異常発生頻度を付与経験値で修正した「修正異常発生頻度」を算出して、この修正異常発生頻度に基づいて降順に並び替える等、異常一覧整列処理には多くの並べ替え方法が含まれる。
次に、ステップS23及びステップS24で整列された異常一覧整列データを取得する(S25)。ここで取得された異常一覧整列データの異常は、遊技場2の経験情報DB105及び遊技場毎設備情報DB1062に基づいて整列されている。異常対応管理装置11は、整列されたこれらの異常のうち、最も優先順位が高い異常対処方法から順に、対応案内203として遊技場2に提示する。
図11は、本発明の実施の形態の経験情報更新処理1のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。経験情報更新処理1が実行されることによって、経験情報更新手段107が実現される。
異常対応管理装置11は、遊技場2から対応報告203があると、当該遊技場2の付与経験値にポイントを加算することで異常に対応したことを評価する。
まず、異常対応管理装置11は、異常一覧整列処理のステップS25で取得した異常一覧整列データを参照して、最も優先順位の高い異常対処方法を対応案内202として遊技場2に提示する(S31)。
次に、ステップS31で提示した対応案内202に対して遊技場2から対応報告203があると、当該対応報告203が異常を確認した旨の報告であったか否かを判定する(S32)。遊技場2からの対応報告203が異常を確認していない旨の報告であった場合は、当該遊技場2が、確認するまでもなく提示された異常対処方法では異常は解決しないと判断したと推定できる。よってこの場合、ステップS36に移行して、遊技場2が異常対処方法の次の候補を要求しているか否かを判定する。
なお、対応報告203が異常を確認していない旨の報告であるにも拘らず、遊技場2が異常対処方法の次の候補を要求しない場合は、当該遊技場2は異常の解決を断念したと推定できる。よってこの場合、経験情報DB105を最新の情報に更新して(S37)処理を終了する。
また、遊技場2から所定期間対応報告203がない場合は、遊技場2が異常の解決を断念したと推定できる。よってこの場合、当該遊技場2に異常対処方法の次の候補を提示することなく、かつ、付与経験値にポイントを加算することなく、所定期間が経過した後に処理を終了してもよい。
一方、遊技場2からの対応報告203が異常を確認した旨の報告であった場合は、当該対応報告203が、確認だけではなく異常を解決した旨の報告であったか否かを判定する(S33)。
遊技場2からの対応報告203が異常を解決していない旨の報告であった場合は、当該遊技場2は、異常の確認はしたが対処はしていないと判断できるため、当該遊技場2に付与Pt2を付与する(S34)。なお、ここで付与する付与Pt2は、ステップS31で提示された異常対処方法に対応する付与Pt2であって、異常一覧DB102を参照して特定する。
そして、遊技場2が異常対処方法の次の候補を要求しているか否かを判定する(S36)。遊技場2が次の候補を要求している場合は、ステップS31に戻って異常一覧整列データを参照して、前回提示した異常対処方法の次に優先順位が高い異常対処方法を対応案内202として遊技場2に提示する。その後、ステップS32以後の処理を実行する。
一方、ステップS33で、遊技場2からの対応報告203が異常を解決した旨の報告であった場合は、当該遊技場2は、異常に対処したと判断できるため、当該遊技場2に付与Pt1を付与する(S35)。なお、ここで付与する付与Pt1は、ステップS31で提示された異常対処方法に対応する付与Pt1であって、異常一覧DB102を参照して特定する。
そして、遊技場2の経験情報DB105の付与経験値を、ステップS34又はステップS35で付与されたポイントを加算した値に更新して(S37)、処理を終了する。
このように、遊技場2から対応報告203を受信する毎に、その内容に基づいて経験情報DB105の付与経験値を更新することで、付与経験値が常に最新の情報になり、異常対処方法をより適切な順序に整列できる。
図12は、本発明の実施の形態の経験情報更新処理2のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。経験情報更新処理2が実行されることによって、経験情報更新手段107が実現される。
遊技場2で異常が発生した場合、必ずしもサービスセンタ1に異常報告201がされるわけではなく、遊技場2が構成要素を発注して、異常が発生している構成要素と交換することで、独自に異常に対応することがある。しかし、このような保守作業によって遊技場2が異常に対応したことを、サービスセンタ1は知ることができず、評価ができない。
よって、遊技場2は、構成要素を発注した場合、サービスセンタ1に構成要素発注情報204を報告することとする。異常対応管理装置11は、遊技場2から構成要素発注情報204の報告があると、遊技場毎設備情報DB1062の設置日を更新して、当該遊技場2に付与経験値にポイントを加算する。これによって、異常対応管理装置11は、遊技場2が有する独自の異常対応能力を評価できる。
まず、異常対応管理装置11は、遊技場2から構成要素発注情報204の報告があると、設備情報DB1061を参照して(S41)、遊技場2が発注した構成要素の発注Ptを取得する(S42)。例えば、遊技場2が発注した構成要素が情報収集端末装置22の場合、発注Ptは300ポイントである。
次に、異常一覧DB102を参照して(S43)、遊技場2が発注した構成要素に関する異常を全て抽出する(S44)。例えば、遊技場2が発注した構成要素が情報収集端末装置22である場合、異常一覧DB102に記憶された情報収集端末装置22に関する異常(例えば、異常コードE00001〜E00004の異常)を全て抽出する。
次に、ステップS42で取得した発注Ptを、ステップS44で抽出した全ての異常に対して、既に付与されている付与経験値の割合に応じて割り振る(S45)。付与経験値の割合に応じてポイントを割り振ることで、構成要素の発注により遊技場2が対応したと考えられる異常の付与経験値に、多くのポイントを加算できる。つまり、遊技場2は、経験の多い異常(付与経験値が高い異常)については、構成要素を発注して独自に対応することが容易であるが、経験の少ない異常(付与経験値が低い異常)については独自に対応することは困難である。よって、付与経験値が高い異常ほど、遊技場2が構成要素を発注することで独自に対応した可能性が高いとして、付与経験値が高い異常に多くの割合でポイントを加算する。
例えば、情報収集端末装置22に関する異常が一つしかない場合は、全ての発注Ptを当該異常に割り振る。情報収集端末装置22に関する異常が二つあって、その二つの異常の付与経験値が300ポイントと200ポイントの場合は、発注Ptを3:2の割合で各異常に割り振る。
なお、上記の方法のほか、抽出した全ての異常に対して発注Ptを均等に割り振ってもよい。例えば、情報収集端末装置22に関する異常が五つあって、発注Ptが300ポイントの場合、全ての異常の付与経験値に60ポイントずつ割り振る。
また、経験情報DB105を参照して、抽出した異常の異常発生頻度の割合に応じて発注Ptを割り振ってもよい。例えば、情報収集端末装置22に関する異常が二つあって、その二つの異常の異常発生頻度が1%と0.1%の場合は、発注Ptを10:1の割合で各異常に割り振る。これによって、遊技場2が各異常を経験したことがあるか否かを問うことなく発注Ptの割り振りができる。
次に、ステップS45で割り振った発注Ptを、経験情報DB105の各付与経験値に加算して更新する(S46)。このように、構成要素発注情報204に基づいて遊技場2の付与経験値にポイントを加算することで、構成要素の保守状態が遊技場2の付与経験値に加味されるため、異常対応管理装置11は、効率の良い順序で遊技場2に異常対処方法を出力できる。
図13は、本発明の実施の形態の経験情報更新処理3のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。経験情報更新処理3が実行されることによって、経験情報更新手段107が実現される。
遊技場2は、異常の対応を経験することで、同じ異常が直後に発生した場合は当該経験に基づいて独自に異常に対応できる。しかし、同じ異常が長期間発生しない場合、遊技場2は時間の経過とともに異常対処方法を忘れてしまう。よって、異常対応管理装置11は、時間の経過とともに遊技場2の付与経験値から所定のポイントを差し引く。
まず、異常対応管理装置11は、日付が更新したか否かを判定する(S51)。日付が更新していない場合は、処理を終了する。
日付が更新している場合は、遊技場2の各付与経験値から1ポイントずつ減算して経験情報DB105を更新する(S52)。例えば、ある異常の付与経験値が300ポイントであって、当該異常がその後300日間発生しない場合は、付与経験値は0ポイントとなる。これによって、付与経験値に時間的な忘却を加味することができる。
なお、ポイントは、一日経過する毎に2ポイント以上減算してもよく、また、一営業単位が経過する毎又は一週間が経過する毎に1ポイント減算してもよい。また、最後に異常が発生してから一ヶ月間は一日経過する毎に1ポイントを減算して、その後は、経験した異常対処方法の忘却速度が速くなるため、一日経過する毎に2ポイント以上を減算してもよい。
また、本実施の形態では、付与経験値の負数への更新を許可する。負数への更新を許可することによって、遊技場2が異常の対応を経験していない期間や、遊技場2で異常が発生していない期間(異常対処間隔)等を知ることができる。つまり、付与経験値には、遊技場2が構成要素の異常に対応した時からの経過時間の情報が含まれる。例えば、一営業単位が経過する毎に1ポイントを減算する場合に、ある異常の付与経験値がマイナス300ポイントの場合は、遊技場2は少なくとも300日前から当該異常の対応を経験していないと判断できる。
そして、このように遊技場2が構成要素の異常に対応した時からの経過時間の情報を含む付与経験値に基づいて、遊技場2に提示される異常対処方法が整列される(図10のステップS24)。具体的には、遊技場2が構成要素の異常に対応した時からの経過時間が長ければ、付与経験値が下がるため、当該異常の異常対処方法が遊技場2に提示される順序が上がるように整列される。
なお、遊技場2が異常に対応したことで付与経験値にポイントが加算された場合に、当該ポイントを負数の付与経験値に加算すると、加算後の付与経験値が0又は負数になって、遊技場2が当該異常の対応を経験していないと評価されるおそれがある。よって、付与経験値が負数になった後に、遊技場2の付与経験値にポイントを加算する場合は、負数の付与経験値をいったん0に置換する。その後、付与されたポイントを加算して更新する(図11のステップS37)。これによって、遊技場2が異常に対応したことが正当に評価される。
なお、付与経験値の負数への更新を禁止してもよい。この場合、遊技場2が最後に異常に対応した日から現時点まで、経過した日数を計測するカウンタを経験情報DB105に別途設ける。このカウンタによって、遊技場2が構成要素の異常に対応した時からの経過時間を特定できる。そして、日付が更新される毎に、当該カウンタが示す値を付与経験値から減じて、各日の付与経験値を算出する。
なお、時間の経過に限らず、遊技場2で操作者40の人事異動があった場合又は過去に異常の対応を経験した操作者40が退職等によって遊技場2に属さなくなった場合も、当該遊技場2の付与経験値から所定のポイントを差し引いてもよい。
図14は、本発明の実施の形態の経験情報更新処理4のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。経験情報更新処理4が実行されることによって、経験情報更新手段107が実現される。
遊技場2の各構成要素は、異常が発生する平均的な時間的間隔(MTBF:Mean Time Between Failure)を有する。MTBFは、設計情報DB1061に記憶された異常発生値の逆数により算出される。そして、このMTBFよりも十分に長い期間が経過しても、遊技場2からサービスセンタ1に異常報告201がない場合は、異常が発生したにも拘らず、遊技場2が独自に当該異常に対応したと推定できる。
よって、異常対応管理装置11は、最後の異常の発生からMTBFより十分に長い期間が経過すると、遊技場2の付与経験値にポイントを加算する。これによって、異常対応管理装置11は、遊技場2が有する独自の異常対応能力を評価できる。
まず、異常対応管理装置11は、遊技場2の負の付与経験値の絶対値が、MTBFに係数αを乗じた値以上であるか否かを判定する(S61)。係数αは、遊技場2で実際に異常が発生する時間的間隔のばらつきを加味した係数である。例えば、遊技場2に構成要素が複数設置されている場合は、異常が発生する時間的間隔は、異常発生値に構成要素の台数を乗じた値の逆数により算出されるため、MTBFよりも短くなる。また、MTBFは平均的な値であるため、異常が発生する実際の時間的間隔はMTBFよりも長い場合もある。よって、MTBFに係数αを乗じることで、遊技場2で異常が発生する時間的間隔がMTBFよりも十分に大きな値になるかを判定できる。
なお、遊技場2の付与経験値が正数の場合は異常対処間隔を確認できないため、処理を終了する。
遊技場2の負の付与経験値の絶対値がMTBF×αよりも小さい場合は、遊技場2で異常が発生していないと判断できるため、当該遊技場2の付与経験値にポイントを加算することなく処理を終了する。
一方、遊技場2の負の付与経験値の絶対値がMTBF×α以上の場合は、MTBFよりも十分に長い期間が経過しており、遊技場2が独自に異常に対応したと推定できるため、当該遊技場2の付与経験値に付与Pt1を加算する(S62)。そして、遊技場2の経験情報DB105の付与経験値を、ステップS62で付与されたポイントを加算した値に更新して(S63)、処理を終了する。
なお、遊技場2で異常が発生する時間的間隔がMTBFよりも十分に大きな値になった場合、当該遊技場2は十分な異常対応能力を備えていると推定できる。よってこの場合、付与Pt1を加算した値に付与経験値を更新(S63)した後は、経験情報更新処理3のステップS52において一日経過する毎に付与経験値から減算するポイントを小さくしてもよく、又は、一日経過する毎に付与経験値の減少率を小さくしてもよい。
なお、経験情報更新処理4は、初期不良(初期故障)や偶発的に発生する性質の異常(偶発故障)ではなく、経年劣化や磨耗劣化により定期的に発生する性質の異常(磨耗故障)を対象とすることが望ましい。
図15は、本発明の実施の形態の異常設計値切替処理のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。
遊技場2に設置された各構成要素は、設置日又は更新日から経過した期間によって適用される異常発生値が異なる。よって、異常対応管理装置11は、構成要素の設置日又は更新日から経過した期間を監視して、適用される異常発生値を所定のタイミングで切り替える。なお、異常対応管理装置11は、遊技場2から構成要素発注情報204の報告があった場合も、構成要素が新たに設置されたものとして、適用される異常発生値を切り替える。
なお、遊技場2は、構成要素発注情報204の報告をした場合や、構成要素を新たに設置した場合に、当該構成要素の設置日を設定してサービスセンタ1に送信することとする。また、遊技場2は、遊技場2内で構成要素を移動させた場合に、当該構成要素の更新日を設定してサービスセンタ1に送信することとする。
まず、異常対応管理装置11は、遊技場2から構成要素の設置日の設定があったか否かを判定する(S71)。遊技場2から構成要素の設置日の設定があった場合は、当該遊技場2の遊技場毎設備情報DB1062の設置日を当該設置日に設定する(S72)。また、遊技場毎設備情報DB1062の異常発生値に異常発生値1を設定する。また、当該異常発生値の期限として期限1を設定する。その後、ステップS75に移行して、設定された期限(ここでは期限1)を経過しているか否かを判定する。
また、遊技場2から構成要素の設置日の設定がない場合は、遊技場2から当該構成要素の更新日の設定があったか否かを判定する(S73)。遊技場2から構成要素の更新日の設定があった場合は、当該遊技場2の遊技場毎設備情報DB1062の更新日を当該更新日に設定する(S74)。また、遊技場毎設備情報DB1062の異常発生値に異常発生値2を設定する。また、当該異常発生値の期限として期限2を設定する。その後、ステップS75に移行して、設定された期限(ここでは期限2)を経過しているか否かを判定する。
一方、遊技場2から構成要素の更新日の設定がない場合は、ステップS75に移行して、設定された期限を経過していないか否かを判定する。なお、この場合の期限は、遊技場毎設備情報DB1062に設置日のみが設定されている場合は期限1、遊技場毎設備情報DB1062に設置日及び更新日が設定されている場合は期限2である。
遊技場毎設備情報DB1062に設定された期限が経過していない場合は、現在設定されている異常発生値は有効であるため、異常発生値を切り替えることなく処理を終了する。
一方、遊技場毎設備情報DB1062に設定された期限が経過している場合は、現在設定されている異常発生値(異常発生値1又は異常発生値2)を異常発生値3に切り替える(S76)。なお、既に異常発生値3が設定されている場合は、異常発生値を切り替えることなく処理を終了する。
以上の処理によって、遊技場2に適用される異常発生値を適正な異常発生値に切り替えると、次に、異常対応管理装置11は、異常発生頻度更新処理を実行する。
まず、異常対応管理装置11は、異常発生値切替処理で切り替えられた異常発生値に構成要素の数量を乗じて異常発生頻度を算出する。例えば、情報収集端末装置22の異常発生値が異常発生値2(1%)に切り替えられた場合、数量は500であるので、異常発生頻度は1%×500=500%となる。
次に、遊技場毎設備情報DB1062の異常発生頻度を、算出した異常発生頻度に上書きして更新する。これによって、遊技場2に設置された構成要素の異常発生値に応じた適正な異常発生頻度が、遊技場毎設備情報DB1062に記憶される。
図16は、本発明の実施の形態の異常発生値更新処理のフローチャートであり、異常対応管理装置11のCPU111で実行される。
設備情報DB1061の異常発生値1、異常発生値2及び異常発生値3に最初に記憶された値は、各構成要素について予測される異常発生率の初期値(設計値)である。設計値は、構成要素の設計段階で予測された大まかな値であって、当該構成要素が遊技場2に設置された後に統計的に算出される異常発生率(実績値)とは異なる。よって、異常対応管理装置11は、遊技場2からの異常報告201を収集して、収集した情報に基づいて各構成要素の異常発生値を設計値から実績値に置換する。これによって、異常発生値の精度が高まり、遊技場2の実際の状況にそった値となる。
まず、異常対応管理装置11は、遊技場2からの異常報告201の量を評価する(S81)。評価の対象となるのは、遊技管理システムに含まれる全て遊技場2からの異常報告201である。これらの異常報告201が、異常発生値を統計的に算出した場合にある程度の精度を有するだけの十分な量であるかを評価する。
次に、異常報告201が十分な量であるか否かを判定する(S82)。十分な量の異常報告201とは、例えば、1000件又は1500件とする。
異常報告201が十分な量である場合は、当該異常報告201から実績値を算出する。そして、設備情報DB1061に記憶された異常発生値を、設計値から実績値に置換する(S83)。
一方、異常報告201が十分な量ではない場合は、まず、当該異常報告201から実績値を算出する。そして、設備情報DB1061に記憶された異常発生値を、設計値と実績値とから算出した値に置換する(S84)。具体的には、異常発生値は、実績値と設計値とのそれぞれの案分に応じた値であって、式(遊技場2からの異常報告201の量/十分な異常報告201の量)×実績値+{(十分な異常報告201の量−遊技場2からの異常報告201の量)/十分な異常報告201の量}×設計値によって算出できる。
以上の処理によって、設備情報DB1061の異常発生値を、遊技管理システムに含まれる全ての遊技場2からの異常報告201から算出された実績値(全体実績値)に置換する。ただし、全体実績値は各遊技場2に対応した実績値ではないため、さらに各遊技場2からの異常報告201から算出された実績値(個別実績値)に置換する。これによって、設備情報DB1061の異常発生値が、各遊技場2に対応したものに置換される。
ただし、全体実績値を完全に個別実績値に置換すると、ある遊技場2で特定の構成要素について未だ異常が発生していない場合、当該構成要素の異常発生値は当該遊技場2では0になるという不具合が生じる。よって、設備情報DB1061の異常発生値は、全体実績値と個別実績値とを混合させた値とすることが望ましい。全体実績値と個別実績値とを混合させる割合は、例えば、1:1とする。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。