JP7343079B1 - フィルタ - Google Patents

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    • C12M1/00Apparatus for enzymology or microbiology
    • C12M1/12Apparatus for enzymology or microbiology with sterilisation, filtration or dialysis means

Abstract

本発明のフィルタは、第1主面と前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔が設けられたフィルタ基体部を備え、前記フィルタ基体部は、隣り合う2つの貫通孔との間に設けられた弾性変形可能な第1凸部及び第2凸部を含み、前記第1凸部と前記第2凸部との間には、前記隣り合う2つの貫通孔とを連通するギャップが設けられている。

Description

本発明は、フィルタに関する。
例えば、細胞を捕捉するためのフィルタとして、特許文献1には、細胞捕捉金属フィルタが開示されている。
特開2015-188323号公報
しかしながら、特許文献1に記載のフィルタでは、利便性を向上させるという点で未だ改善の余地がある。
本発明は、利便性を向上させることができるフィルタを提供することを目的とする。
本発明の一態様のフィルタは、
第1主面と前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔が設けられたフィルタ基体部を備え、
前記フィルタ基体部は、隣り合う2つの貫通孔との間に設けられた弾性変形可能な第1凸部及び第2凸部を含み、
前記第1凸部と前記第2凸部との間には、前記隣り合う2つの貫通孔とを連通するギャップが設けられている。
本発明によれば、利便性を向上させることができるフィルタを提供することができる。
本発明に係る実施の形態1のフィルタの一例を第1主面側から見た概略図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの一例を第2主面側から見た概略図である。 フィルタ部の一部の拡大模式図である。 弾性変形部の動作を説明するための概略模式図である。 弾性変形部の動作を説明するための概略模式図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態1のフィルタの製造工程の一例を示す図である。 変形例1のフィルタ部の一部の拡大模式図である。 変形例1の弾性変形部の動作を説明するための概略模式図である。 変形例1の弾性変形部の動作を説明するための概略模式図である。 変形例1の弾性変形部の動作を説明するための概略模式図である。 変形例2のフィルタ部の一部の拡大模式図である。 変形例3のフィルタ部の一部の拡大模式図である。
(本発明に至った経緯)
特許文献1に記載のメッシュ部材のように、複数の貫通孔が設けられたフィルタが知られている。このようなフィルタでは、複数の貫通孔の形状及び大きさが統一されている。
特許文献1に記載のフィルタを用いて濾過をする場合、フィルタで捕捉したい対象物のサイズが変わるとフィルタを交換することが多い。フィルタを交換するためには、濾過装置からフィルタを取り外し、新しいフィルタを取り付ける作業が発生する。当該作業は、ユーザにとって利便性に欠ける。
そこで、本発明者らは、1つのフィルタで異なるサイズの対象物を濾過することができるフィルタの構成を見出し、以下の発明に至った。
本発明の一態様のフィルタは、第1主面と前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔が設けられたフィルタ基体部を備え、前記フィルタ基体部は、隣り合う2つの貫通孔との間に設けられた弾性変形可能な第1凸部及び第2凸部を含み、前記第1凸部と前記第2凸部との間には、前記隣り合う2つの貫通孔とを連通するギャップが設けられている。
このような構成により、利便性を向上させることができる。
前記フィルタ基体部は、第1方向に延び、且つ互いに平行に配置される複数の第1基体部と、前記第1方向と交差する第2方向に延び、且つ互いに平行に配置される複数の第2基体部と、を含み、前記複数の貫通孔は、前記複数の第1基体部および前記複数の第2基体部によって画定され、前記第1凸部及び前記第2凸部は、前記複数の第1基体部の一部を構成してもよい。
このような構成により、フィルタの機械強度を向上させると共に、利便性を向上させることができる。
前記第1凸部及び前記第2凸部は、前記隣り合う2つの貫通孔との間で、前記第1方向に沿って延び、前記第1凸部の端部は、前記第2凸部の端部と対向してもよい。
このような構成により、第1凸部及び第2凸部の弾性変形によるギャップの大きさを調整しやすくなり、利便性をより向上させることができる。
前記フィルタ基体部は、隣り合う2つの貫通孔との間に設けられた第3凸部及び第4凸部を含み、前記第3凸部と前記第4凸部との間には、前記隣り合う2つの貫通孔とを連通するギャップが設けられており、前記第3凸部及び前記第4凸部は、前記複数の第2基体部の一部を構成してもよい。
このような構成により、フィルタにおいて弾性変形可能な箇所を増やすことができ、利便性をさらに向上させることができる。
前記第3凸部及び前記第4凸部は、前記第1凸部及び前記第2凸部によって画定される貫通孔と隣り合う貫通孔との間に設けられていてもよい。
このような構成により、貫通孔周辺でより弾性変形しやすくなり、弾性変形による貫通孔の開口面積を大きくすることができる。
前記複数の第1基体部は、等間隔で配置され、前記複数の第2基体部は、等間隔で配置され、前記複数の第2基体部は、前記複数の第1基体部と直交してもよい。
このような構成により、フィルタの機械強度を向上させると共に、弾性変形しやすくなり、利便性を向上させることができる。
前記第1主面側から見て、前記複数の貫通孔は、正方形状を有し、前記ギャップの大きさは、前記ギャップと連通する側の貫通孔を画定する一辺の0.25倍以下であってもよい。
このような構成により、第1凸部及び第2凸部の弾性変形によるギャップの大きさの調整が容易となる。
前記第1主面側から見て、前記複数の貫通孔は、円形状を有し、前記ギャップの大きさは、前記ギャップと連通する貫通孔の直径の0.25倍以下であってもよい。
このような構成により、第1凸部及び第2凸部の弾性変形によるギャップの大きさの調整が容易となる。
前記第1凸部の長さは、前記第2凸部の長さの0.8倍以上1.2倍以下であってもよい。
このような構成により、第1凸部及び第2凸部の弾性変形が同等程度になり、ギャップの大きさの調整が容易となる。
前記第1凸部の長さは、前記第2凸部の長さよりも大きくてもよい。
このような構成により、第2凸部と比べて第1凸部の弾性変形を容易にすることができる。
以下、本発明に係る実施の形態1について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明に係る実施の形態1のフィルタ1の一例を第1主面PS1側から見た概略図である。図2は、本発明に係る実施の形態1のフィルタ1の一例を第2主面PS2側から見た概略図である。図中において、X、Y、Z方向は、それぞれフィルタ1の縦方向、横方向、厚み方向を示している。
例えば、フィルタ1は、濾過対象物を含む流体を濾過するフィルタである。
本明細書において、「濾過対象物」とは、流体に含まれる対象物のうち濾過されるべき対象物を意味している。例えば、濾過対象物は、流体に含まれる生物由来物質であってもよい。「生物由来物質」とは、細胞(真核生物)、細菌(真正細菌)、ウィルス等の生物に由来する物質を意味する。細胞(真核生物)としては、例えば、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、ES細胞、幹細胞、間葉系幹細胞、単核球細胞、単細胞、細胞塊、浮遊性細胞、接着性細胞、神経細胞、白血球、再生医療用細胞、自己細胞、がん細胞、血中循環がん細胞(CTC)、HL-60、HELA、菌類を含む。細菌(真正細菌)としては、例えば、大腸菌、結核菌を含む。
流体としては、例えば、液体又は気体が挙げられる。液体としては、例えば、例えば、電解質溶液、細胞懸濁液、細胞培養培地などが挙げられる。
フィルタ1は、金属製フィルタである。フィルタ1を構成する材料は、金属及び金属酸化物のうち少なくともいずれかを主成分とする。フィルタ1を構成する材料は、例えば、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、チタン、これらの合金及びこれらの酸化物であってもよい。特に、チタンや、ニッケル-パラジウム合金を使用することにより、金属の溶出が少なく、濾過対象物への影響を低減することができる。
図1及び図2に示すように、フィルタ1は、フィルタ部10と、フィルタ部10の外周に設けられた枠部20と、を有する。また、フィルタ1は、第1主面PS1と第1主面PS1と反対側の第2主面PS2とを有する。実施の形態1では、フィルタ部10と枠部20とは一体で形成されている。
<フィルタ部>
フィルタ部10は、濾過対象物を含む流体を濾過する部分である。フィルタ部10は、第1主面PS1と第2主面PS2とを連通する複数の貫通孔11が設けられたフィルタ基体部12で構成されている。また、フィルタ部10においては、フィルタ基体部12の第2主面PS2に複数の支持部13が配置されている。
フィルタ部10の形状は、フィルタ1の厚み方向(Z方向)から見て、例えば、円形、多角形、楕円形である。実施の形態1では、フィルタ部10の形状は、略円形である。なお、本明細書において、「略円形」とは、短径の長さに対する長径の長さの比が1.0以上1.2以下であることをいう。
<枠部>
枠部20は、フィルタ部10の外周に設けられており、フィルタ部10に比べて単位面積当たりの貫通孔11の数が少ない部分である。枠部20における貫通孔11の数は、フィルタ部10における貫通孔11の数の1%以下である。枠部20の厚みは、フィルタ部10の厚みよりも厚くてもよい。このような構成により、フィルタ1の機械強度を高めることができる。
フィルタ1を装置に接続して使用する場合、枠部20は、フィルタ1と装置とを接続する接続部として機能してもよい。また、枠部20には、フィルタ1の情報(貫通孔11の寸法など)を表示してもよい。
枠部20は、フィルタ部10の第1主面PS1側から見て、リング状に形成されている。フィルタ1を第1主面PS1側から見て、枠部20の中心は、フィルタ部10の中心と一致する。即ち、枠部20は、フィルタ1と同心円上に形成されている。
以下、フィルタ部10について詳細に説明する。
図3は、フィルタ部10の一部の拡大模式図である。図3は、複数の貫通孔11が設けられたフィルタ基体部12の一部を拡大した図であり、フィルタ1の第1主面PS1側から見た図である。
図3に示すように、複数の貫通孔11は、フィルタ部10の第1主面PS1及び第2主面PS2上に周期的に配置されている。具体的には、複数の貫通孔11は、フィルタ部10においてマトリクス状に等間隔で設けられている。
実施の形態1では、複数の貫通孔11は、フィルタ部10の第1主面PS1側(Z方向)から見て正方形の各辺と平行な2つの配列方向、即ち図3中のX方向とY方向に沿って設けられている。このように、複数の貫通孔11を正方格子配列で設けることによって、開口率を高めることが可能であり、流体に対するフィルタ1の抵抗を低減することができる。このような構成により、処理時間を短くし、濾過対象物へのストレスを低減することができる。また、複数の貫通孔11の配列の対称性が向上するため、フィルタ1の観察が容易になる。
なお、複数の貫通孔11の配列は、正方格子配列に限定されず、例えば、準周期配列、又は周期配列であってもよい。周期配列の例としては、方形配列であれば、2つの配列方向の間隔が等しくない長方形配列でもよく、三角格子配列又は正三角格子配列などであってもよい。なお、貫通孔11は、フィルタ部10に複数設けられていればよく、配列は限定されない。
貫通孔11の間隔bは、分離する濾過対象物に応じて適宜設計される。例えば、濾過対象物が細胞である場合、貫通孔11の間隔bは、細胞の種類(大きさ、形態、性質、弾性)又は量に応じて適宜設計される。ここで、貫通孔11の間隔bとは、図3に示すように、貫通孔11をフィルタ部10の第1主面PS1側から見て、任意の貫通孔11の中心と隣接する貫通孔11の中心との距離を意味する。実施の形態1では、貫通孔11は第1主面PS1側から見て正方形である。貫通孔11の中心は、2つの対角線が交差する交点となる。
周期配列の構造体の場合、貫通孔11の間隔bは、例えば、貫通孔11の一辺aの1倍より大きく10倍以下であり、好ましくは貫通孔11の一辺aの3倍以下である。あるいは、例えば、フィルタ部10の開口率は10%以上であり、好ましくは、開口率は25%以上である。このような構成により、流体に対するフィルタ部10での抵抗を低減することができる。そのため、処理時間を短くすることができ、細胞へのストレスを低減することができる。なお、開口率とは、(貫通孔11が占める面積)/(貫通孔11が空いていないと仮定したときの第1主面PS1の投影面積)で計算される。
貫通孔11は、第1主面PS1側の開口と第2主面PS2側の開口とが連続した壁面を通じて連通している。具体的には、貫通孔11は、第1主面PS1側の開口が第2主面PS2側の開口に投影可能に設けられている。即ち、フィルタ部10を第2主面PS2側から見た場合に、貫通孔11は、第2主面PS2側の開口が第1主面PS1側の開口と重なるように設けられている。実施の形態1では、貫通孔11を画定する内壁は、第1主面PS1及び第2主面PS2に対して垂直となるように設けられている。
貫通孔11の形状は第1主面PS1側から見て正方形であり、貫通孔11の一辺aは0.5μm以上400μm以下である。好ましくは、貫通孔11の一辺aは1μm以上30μm以下である。
なお、貫通孔11の形状は、第1主面PS1側から見て正方形に限定されない。例えば、貫通孔11の形状は、第1主面PS1側から見て、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。
フィルタ部10において、貫通孔11が形成されていない部分は、フィルタ基体部12によって形成されている。図3に示すように、フィルタ基体部12は、格子状に形成されている。具体的には、フィルタ基体部12は、複数の第1基体部12Aと、複数の第2基体部12Bと、を含む。複数の第1基体部12Aは、第1方向に延び、且つ互いに平行に配置される。複数の第2基体部12Bは、第1方向と交差する第2方向に延び、且つ互いに平行に配置される。
複数の第1基体部12A及び複数の第2基体部12Bは、板状の部材で形成されている。複数の第1基体部12Aと複数の第2基体部12Bとが交差することによって、複数の貫通孔11が画定される。実施の形態1では、複数の第1基体部12Aが延びる第1方向はX方向であり、複数の第2基体部12Bが延びる第2方向はY方向である。即ち、実施の形態1では、第1方向と第2方向とは直交する。また、複数の第1基体部12A及び複数の第2基体部12Bは、等間隔で配置される。
実施の形態1では、複数の第1基体部12A及び複数の第2基体部12Bは、一体で形成されている。
図3に示すように、フィルタ基体部12は、弾性変形部30を含む。弾性変形部30は、所定の力以上の力を受けると弾性変形する部分である。フィルタ部10には、複数の弾性変形部30が設けられている。
弾性変形部30は、弾性変形可能な第1凸部31及び第2凸部32を含む。第1凸部31及び第2凸部32は、板状の部材で形成されている。例えば、第1凸部31及び第2凸部32は、任意の厚さ又は幅で設計することにより、弾性変形可能になっている。第1凸部31及び第2凸部32は、複数の第1基体部12Aの一部を構成している。
第1凸部31及び第2凸部32は、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとの間に設けられている。第1凸部31及び第2凸部32は、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとの間で、第1方向(X方向)に沿って延びている。本明細書では、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bを、それぞれ、第1貫通孔11A、第2貫通孔11Bと称する場合がある。
第1凸部31及び第2凸部32は、隣り合う2つの第2基体部12Bから第1方向(X方向)に沿って突出している。また、第1凸部31の端部31aは、第2凸部32の端部32aと対向する。第1凸部31の端部31aとは、第1凸部31の自由端を意味する。第2凸部32の端部32aとは、第2凸部32の自由端を意味する。
なお、第1凸部31及び第2凸部32の形状は、図3に示す例に限定されない。例えば、第1凸部31及び第2凸部32の幅は、フィルタ基体部12に接続される基部と端部とで異なっていてもよい。また、第1凸部31及び第2凸部32の幅は、基部から端部に向かって変化していてもよい。
第1凸部31と第2凸部32との間には、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとを連通するギャップ33が設けられている。具体的には、第1凸部31の端部31aと第2凸部32の端部32aとの間に、ギャップ33が形成されている。
ギャップ33の大きさは、ギャップ33と連通する側の貫通孔11A,11Bを画定する一辺aの0.25倍以下である。好ましくは、ギャップ33の大きさは、ギャップ33と連通する側の貫通孔11A,11Bを画定する一辺aの0.2倍以下である。より好ましくは、ギャップ33の大きさは、ギャップ33と連通する側の貫通孔11A,11Bを画定する一辺aの0.1倍以下である。なお、ギャップ33の大きさとは、第1主面PS1側から見て、第1凸部31及び第2凸部32の延びる方向におけるギャップ33のサイズを意味する。
第1凸部31の長さは、第2凸部32の長さと略等しい。例えば、第1凸部31の長さは、第2凸部32の長さの0.8倍以上1.2倍以下である。好ましくは、第1凸部31の長さは、第2凸部32の長さの0.9倍以上1.1倍以下である。なお、第1凸部31の長さ及び第2凸部32の長さとは、第1方向(X方向)における寸法を意味する。
また、第1凸部31の厚み及び第2凸部32の厚みは、貫通孔11のサイズ、即ち、貫通孔の一辺aより小さいことが好ましい。このような構成により、第1凸部31及び第2凸部32が弾性変形しやすくなる。なお、第1凸部31の厚み及び第2凸部32の厚みとは、フィルタ1の厚み方向(Z方向)の寸法を意味する。
フィルタ部10においては、複数の第1凸部31及び複数の第2凸部32が設けられている。例えば、複数の第1凸部31及び複数の第2凸部32は、フィルタ部10に分散して設けられている。
フィルタ部10におけるフィルタ基体部12の厚みは、0.5μm以上20μm以下である。これにより、機械強度を備えた上で、フィルタ1を通過する流体の圧力損失を低減することができる。好ましくは、フィルタ部10におけるフィルタ基体部12の厚みは、1.0μm以上3μm以下である。これにより、フィルタ1を通過する流体の圧力損失をさらに低減することができる。
実施の形態1では、フィルタ基体部12の厚みは、略一定に設計されている。フィルタ基体部12の厚みを略一定にすることで、湾曲部40の位置や反り量を再現性良く制御することができる。「略一定」とは、フィルタ基体部12の厚みが、±5%以内の誤差に収まっていることを意味する。なお、フィルタ基体部12の厚みは、略一定に限定されない。
フィルタ部10において、第1主面PS1及び第2主面PS2の表面粗さは、小さいことが好ましい。ここで、表面粗さとは、任意の5箇所において触針式段差計で測定された最大値と最小値の差の平均値を意味する。実施の形態1では、表面粗さは、濾過対象物の大きさより小さいことが好ましく、濾過対象物の大きさの半分より小さいことがより好ましい。濾過対象物の付着を低減し、濾過対象物をフィルタ1で捕捉後に高効率で回収できるためである。
[動作]
フィルタ1の動作の一例について図4A及び図4Bを用いて説明する。図4A及び図4Bは、弾性変形部30の動作を説明するための概略模式図である。なお、図4A及び図4中の符号「F1」及び「F2」は、流体を送液する第1圧力及び第2圧力を示す。また、第2圧力F2は第1圧力F1より大きい。
図4Aに示すように、フィルタ1に対して第1圧力F1で流体を通過させる。第1圧力F1は、弾性変形部30が弾性変形する力よりも小さい。このため、弾性変形部30は、弾性変形しない。即ち、フィルタ1に対して第1圧力F1が負荷されている状態では、弾性変形部30における第1凸部31及び第2凸部32は、第1方向(X方向)に沿って延びた状態で維持される。
したがって、弾性変形部30に対して第1圧力F1が負荷された状態では、ギャップ33の大きさは最も小さい第1サイズL1となる。このため、隣り合う第1貫通孔11Aと第2貫通孔11Bとは、弾性変形部30によって実質的に隔てられた状態となる。「実質的に隔てられた状態」とは、第1貫通孔11Aと第2貫通孔11Bとがギャップ33により繋がっているものの、第1貫通孔11A及び第2貫通孔11Bで捕捉したい濾過対象物がギャップ33を通過できない状態を意味する。これにより、フィルタ1においては、第1貫通孔11Aおよび第2貫通孔11Bより大きい濾過対象物は、フィルタ1を通過することができず、フィルタ1の第1主面PS1上に捕捉される。
図4Bに示すように、フィルタ1に対して第1圧力F1より大きい第2圧力F2で流体を通過させる。第2圧力F2は、弾性変形部30が弾性変形する力よりも大きい。このため、弾性変形部30は、第2圧力F2を受けて弾性変形する。即ち、フィルタ1に対して第2圧力F2が負荷されている状態では、弾性変形部30における第1凸部31及び第2凸部32は、流体の流れ方向に向かって変形する。
具体的には、第1凸部31の端部31a及び第2凸部32の端部32bが、流体の流れ方向に向かって移動する。第1凸部31の端部31aと反対側の端部、および第2凸部32の端部32aの反対側の端部は、それぞれ、第2基体部12Bと接続されており、固定端となっている。このため、第1凸部31及び第2凸部32は、流体の流れ方向に向かって屈曲するように弾性変形する。言い換えると、第1凸部31及び第2凸部32は、隣接する2つの第2基体部12Bによって片持ち支持されている。
第1凸部31と第2凸部32とが弾性変形することによって、ギャップ33の大きさが第1サイズL1から第2サイズL2に大きくなる。このため、隣り合う第1貫通孔11Aと第2貫通孔11Bとが弾性変形部30によって実質的に隔てられた状態が解除され、隣り合う第1貫通孔11Aと第2貫通孔11Bとが実質的に繋がった状態となる。「実質的に繋がった状態」とは、第1貫通孔11Aと第2貫通孔11Bとがギャップ33により大部分が繋がり、第1貫通孔11A及び第2貫通孔11Bのサイズより大きい濾過対象物が第1貫通孔11A、第2貫通孔11B及びギャップ33を通過できる状態を意味する。これにより、第2圧力F2が負荷された状態では、第1貫通孔11A及び第2貫通孔11Bのサイズより大きい濾過対象物がフィルタ1を通過することができる。
また、弾性変形部30に負荷される圧力が第2圧力F2より小さくなると、第1凸部31及び第2凸部32は元の形状に戻る方向に移動する。即ち、第1凸部31の端部31a及び第2凸部32の端部32aは、流体の流れ方向と反対方向に移動する。これにより、ギャップ33の大きさが第2サイズL2よりも小さくなる。例えば、第1圧力よりF1より大きく第2圧力F2より小さい圧力を弾性変形部30に対して負荷した場合、ギャップ33の大きさは第1サイズL1より大きく第2サイズL2よりも小さくなる。
このように、弾性変形部30に負荷する圧力を調整することによって、弾性変形部30の変形を制御することができる。これにより、ギャップ33の大きさを変更し、第1貫通孔11A及び第2貫通孔11Bを通過可能な濾過対象物の大きさを調整することができる。言い換えると、弾性変形部30は、負荷する圧力により調整可能な弁として機能する。その結果、フィルタ1では、フィルタ1を交換せずとも、フィルタ1に対して負荷する圧力を調整することによって、サイズの異なる複数の濾過対象物を濾過することができる。
[製造方法]
フィルタ1の製造方法の一例について図5A~図5Gを用いて説明する。図5A~図5Gは、本発明に係る実施の形態1のフィルタ1の製造工程の一例を示す。
図5Aに示すように、シリコンなどの基板41を準備する。基板41は、例えば、表面洗浄されていてもよい。
図5Bに示すように、基板41上にCu膜42を形成する。例えば、Cu膜42は、スパッタ成膜装置によりスパッタリングすることによって形成される。あるいは、Cu膜42は、蒸着装置により蒸着することによって形成されてもよい。このとき、基板41とCu膜42との接着性を向上させるために、基板41とCu膜42との間にTi膜を形成してもよい。
図5Cに示すように、Cu膜42上にレジストを塗布し、乾燥させることでレジスト膜43を形成する。例えば、Cu膜42上にスピンコーターを用いて感光性ポジ型液体レジスト(住友化学株式会社製:Pfi-3A)を塗布する。次に、ホットプレートを用いてレジストを加熱乾燥して、レジスト膜43を形成する。
図5Dに示すように、レジスト膜43を露光および現像処理し、フィルタ基体部12に相当する箇所のレジスト膜43を除去する。例えば、露光機にはi線ステッパー(Canon製Pfi-37A)を使用する。例えば、露光では、弾性変形部30及びギャップ33を形成するためにマスクを使用する。具体的には、フィルタ基体部12に相当する箇所のレジスト膜43において、ギャップ33を形成したい位置にライン状のマスクを設計する。
現像はパドル現像装置を使用して行われる。現像液はTMAH(Tetramethylammonium hydroxide)を使用する。露光および現像処理した後、水洗及び乾燥処理を行う。なお、ライン状のマスクが設計された箇所には、レジスト残渣が形成される。
図5Eに示すように、電解めっき装置を用いて電解めっきを行う。これにより、レジスト膜43を除去した部分にめっき膜44を形成する。また、上述したように、フィルタ基体部12に相当する箇所において、マスクが設計されている箇所にレジスト残渣が形成されている状態である。この状態で電解めっきを行うと、レジスト残渣が形成されている位置ではめっき膜44が形成されない。これにより、弾性変形部30及びギャップ33を形成することができる。なお、レジスト残渣の厚みが小さくなるほど、第1凸部31及び第2凸部32の厚みは均一になりやすく、レジスト残渣の厚みが大きくなるほど、第1凸部及び第2凸部32の厚みは端部に向かって薄くなる。レジスト残渣の厚みは、マスクの設計、露光および現像の条件によって調整できる。
図5Fに示すように、高圧スプレー処理が可能なレジスト剥離装置を用い、剥離液NMP(N-methyl-2-pyrrolidone)でレジスト膜43を剥離する。その後、めっき膜44をIPA(Isopropyl alcohol)洗浄及び水洗処理し、乾燥させる。
図5Gに示すように、エッチング液として酢酸過水を調整し、スターラーを攪拌させながら浸漬処理してCu膜42をエッチング除去する。これにより、基板41からめっき膜44を剥離することによって、フィルタ基体部12を作製する。
このようにして、フィルタ1を作製することができる。
[効果]
実施の形態1に係るフィルタ1によれば、以下の効果を奏することができる。
フィルタ1は、第1主面PS1と第1主面PS1と反対側の第2主面PS2とを有し、第1主面PS1と第2主面PS2とを連通する複数の貫通孔11が設けられたフィルタ基体部12を備える。フィルタ基体部12は、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとの間に設けられた弾性変形可能な第1凸部31及び第2凸部32を含む。第1凸部31と第2凸部32との間には、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとを連通するギャップ33が設けられている。
このような構成により、フィルタ1の利便性を向上させることができる。フィルタ1を用いて濾過する場合、フィルタ1に対して負荷する圧力を調整することによってフィルタ1を通過可能な濾過対象物のサイズを調整することができる。
例えば、第1凸部31及び第2凸部32が弾性変形しない程度の圧力がフィルタ1に負荷されている状態で流体の濾過を行う場合、第1凸部31及び第2凸部32は弾性変形せずに隣り合う2つの貫通孔11A,11Bの間に位置する。このため、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bより大きい濾過対象物は、貫通孔11A,11Bを通じてフィルタ1を通過することができずに第1主面PS1上に捕捉される。
第1凸部31及び第2凸部32が弾性変形する程度の圧力がフィルタ1に負荷されている状態で流体の濾過を行う場合、第1凸部31及び第2凸部32は、流体の流れる方向に向かって弾性変形する。これにより、ギャップ33が大きくなり、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとが連通する領域が大きくなる。即ち、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bが形成されている部分の開口面積が大きくなる。その結果、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bより大きい濾過対象物は、貫通孔11A,11B及びギャップ33を通じてフィルタ1を通過することができる。
このように、フィルタ1に対して負荷する圧力を負荷することによって、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bを隔てる第1凸部31及び第2凸部32を弾性変形させることができる。また、フィルタ1に負荷する圧力を調整することによって、第1凸部31と第2凸部32との間に形成されるギャップ33の大きさを調整することができる。これにより、第1主面PS1側から見て隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとの連通している領域をギャップ33によって調整し、捕捉したい濾過対象物のサイズを選択することができる。その結果、捕捉したい濾過対象物のサイズに応じて、フィルタ1を交換せずとも濾過を行うことができるため、フィルタ1の利便性を向上させることができる。
また、第1凸部31及び第2凸部32が弾性変形していない状態で流体の濾過を行う場合、ギャップ33に流体が流れることによって、濾過対象物による目詰まりを抑制することができる。即ち、ギャップ33によってフィルタ1の通液性を向上させることができる。
また、濾過中にフィルタ1に対して負荷する圧力を小さくすることによって、第1凸部31及び第2凸部32が弾性力によって流体の流れ方向と反対方向に戻る。このとき、第1凸部31及び第2凸部32は、流体の流れる力に逆らって移動するため、フィルタ1の近傍において乱流が生じる。この乱流により、フィルタ1の第1主面PS1上に捕捉された濾過対象物が第1主面PS1から離れる方向に剥離させることができる。これにより、濾過対象物による目詰まりを抑制することができる。
また、第1凸部31及び第2凸部32が流体の流れる方向に弾性変形している間、流体が隣り合う貫通孔11A,11B及びギャップ33によって開口面積を大きくなるため、流体が隣り合う貫通孔11A,11B及びギャップ33に流入しやすくなる。このため、流体により生じる圧力が隣り合う貫通孔11A,11B及びギャップ33付近に集中しやすくなる。これにより、フィルタ1にかかる圧力を隣り合う貫通孔11A,11B及びギャップ33から逃がし、フィルタ1の破損を抑制することができる。
フィルタ基体部12は、複数の第1基体部12Aと、複数の第2基体部(12B)と、を含む。複数の第1基体部12Aは、第1方向に延び、且つ互いに平行に配置される。複数の第2基体部12Bは、第1方向と交差する第2方向に延び、且つ互いに平行に配置される。複数の貫通孔11は、複数の第1基体部12Aおよび複数の第2基体部12Bによって画定される。第1凸部31及び第2凸部32は、複数の第1基体部12Aの一部を構成する。このような構成により、フィルタ1の機械的強度を向上させると共に、利便性を向上させることができる。
第1凸部31及び第2凸部32は、隣り合う2つの貫通孔11A,11Bとの間で、第1方向に沿って延びる。第1凸部31の端部31aは、第2凸部32の端部32aと対向する。このような構成により、第1凸部31及び第2凸部32の弾性変形によるギャップ33の大きさの調整が容易となる。その結果、フィルタ1の利便性を更に向上させることができる。
複数の第1基体部12Aは、等間隔で配置される。複数の第2基体部12Bは、等間隔で配置される。複数の第2基体部12Bは、複数の第1基体部12Aと直交する。このような構成により、格子状のフィルタ基体部12を形成することができ、フィルタ1の濾過効率を向上させることができる。
第1主面PS1側から見て、複数の貫通孔11は、正方形状を有する。ギャップ33の大きさは、ギャップ33と連通する側の貫通孔11A、11Bを画定する一辺aの0.25倍以下である。このような構成により、捕捉したい濾過対象物の大きさを容易に調整できる。例えば、第1凸部31及び第2凸部32が弾性変形していないとき、貫通孔11A,11Bよりも大きい濾過対象物を通過させず、第1凸部31及び第2凸部32が弾性変形していないとき、貫通孔11A,11Bよりも大きい濾過対象物を通過させることができる。
第1凸部31の長さは、第2凸部32の長さの0.8倍以上1.2倍以下である。このような構成により、第1凸部31の弾性変形と第2凸部32の弾性変形とが同じになりやすい。これにより、ギャップ33の大きさの調整が容易となる。
なお、実施の形態1では、フィルタ1が枠部20を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、フィルタ1は枠部20を備えていなくてもよい。
実施の形態1では、第1凸部31の長さと第2凸部32の長さとが略等しい例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1凸部31の長さと第2凸部32の長さとが異なっていてもよい。
実施の形態1では、第1凸部31と第2凸部32とが第1基体部12Aの一部を構成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1凸部31と第2凸部32とが第2基体部12Bの一部を構成していてもよい。
以下、変形例について説明する。
[変形例1]
図6は、変形例1のフィルタ部10Aの一部の拡大模式図である。図6に示すように、変形例1の弾性変形部30Aにおいて、第1凸部31Aの長さと第2凸部32Aの長さが異なっていてもよい。変形例1では、第1凸部31Aの長さは、第2凸部32Aの長さよりも大きい。このような構成により、第1凸部31Aは、第2凸部32Aよりも弾性変形しやすい。
図7A~図7Cは、変形例1の弾性変形部30Aの動作を説明するための概略模式図である。図7A~図7Cにおいて、符号「F11」,「F12」,「F13」は、それぞれ、フィルタ1に負荷される第1圧力、第2圧力及び第3圧力を示す。なお、圧力の大きさの関係は、「F11<F12<F13」である。
図7Aに示すように、第1圧力F11が負荷されている状態では、第1凸部31A及び第2凸部32Aが弾性変形しない。このため、ギャップ33Aの大きさは、最小である第1サイズL11となる。
図7Bに示すように、第2圧力F12が負荷されている状態では、第1凸部31Aは弾性変形する一方、第2凸部32Aは弾性変形しない。このため、ギャップ33Aの大きさは、第1サイズL11より大きい第2サイズL12となる。
図7Cに示すように、第3圧力F13が負荷されている状態では、第1凸部31A及び第2凸部32Aは弾性変形する。このため、ギャップ33Aの大きさは、第2サイズL12より大きい第3サイズL13となる。
このように、第1凸部31Aの長さが第2凸部32の長さよりも大きい場合も、ギャップ33の大きさを調整することができる。これにより、変形例1においても、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏することができる。
また、第1凸部31の長さが長くなるため、弾性変形した後、元の形状に戻る際に、流体の流れに逆らう力も大きくなりやすい。このため、乱流を発生しやすくなり、フィルタ1の第1主面PS1上に捕捉された濾過対象物をフィルタ1から剥離しやすくなる。
[変形例2]
図8は、変形例2のフィルタ部10Bの一部の拡大模式図である。図8に示すように、変形例2のフィルタ部10Bにおいて、フィルタ基体部12は、弾性変形部34をさらに含む。弾性変形部34は、隣り合う2つの貫通孔11A,11Cとの間に設けられている。
弾性変形部34は、弾性変形可能な第3凸部35及び第4凸部36を含む。変形例2にておいて、第3凸部35及び第4凸部36は、実施の形態1で述べた第1凸部31及び第2凸部32と同様である。
具体的には、第3凸部35及び第4凸部36は、第1凸部31及び第2凸部32によって画定される貫通孔11Aと隣り合う貫通孔11Cとの間に設けられている。第3凸部35及び第4凸部36は、複数の第2基体部12Bの一部を構成する。
第3凸部35及び第4凸部36は、隣り合う2つの第1基体部12Aから第2方向(Y方向)に沿って突出している。また、第3凸部35の端部35aは、第4凸部36の端部36aと対向する。第3凸部35の端部35aとは、第3凸部35の自由端を意味する。第4凸部36の端部36aとは、第4凸部36の自由端を意味する。
第3凸部35と第4凸部36との間には、隣り合う2つの貫通孔11A,11Cとを連通するギャップ37が設けられている。具体的には、第3凸部35の端部35aと第4凸部36の端部36aとの間に、ギャップ37が形成されている。
このような構成により、弾性変形部34においても、弾性変形部30と同様の効果を奏することができ、変形例2においても実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏することができる。
また、変形例2では、弾性変形部30と弾性変形部34とを第1貫通孔11Aの付近に設けている。このため、第1貫通孔11Aを画定するフィルタ基体部12の部分38が、流体が流れる際に圧力を受けて弾性変形する。これにより、開口面積をより大きくすることができる。また、部分38は振動しやすいため、フィルタ1に捕捉された濾過対象物をフィルタ1から剥離しやすくなり、目詰まりを抑制することができる。
[変形例3]
図9は、変形例3のフィルタ部10Cの一部の拡大模式図である。図9に示すように、変形例3では、複数の貫通孔14が第1主面PS1側から見て直径dの円形状を有する。
弾性変形部30Cは、隣り合う2つの貫通孔14A,14Bとの間に設けられている。第1凸部31C及び第2凸部32Cは、貫通孔14A,14Bの形状に沿って第1方向(X方向)に突出している。第1凸部31Cと第2凸部32Cとの間には、ギャップ33Cが設けられている。例えば、ギャップ33Cの大きさは、ギャップ33Cと連通する貫通孔14A、14Bの直径の0.25倍以下である。
変形例3においても、実施の形態1で述べた効果と同様の効果を奏することができる。
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明のフィルタは、流体中の濾過対象物を濾過する用途に有用である。
1 フィルタ
10,10A,10B,10C フィルタ部
11 貫通孔
11A 第1貫通孔
11B 第2貫通孔
11C 第3貫通孔
12 フィルタ基体部
12A 第1基体部
12B 第2基体部
13 支持部
13A 第1支持部
13B 第2支持部
14 貫通孔
14A 第1貫通孔
14B 第2貫通孔
20 枠部
30,30A,30B,30C 弾性変形部
31,31A,31C 第1凸部
31a 端部
32,32A,32C 第2凸部
32a 端部
33,33A,33C ギャップ
34 弾性変形部
35 第3凸部
35a 端部
36 第4凸部
36a 端部
37 ギャップ
38 部分

Claims (10)

  1. 第1主面と前記第1主面と反対側の第2主面とを有し、前記第1主面と前記第2主面とを連通する複数の貫通孔が設けられたフィルタ基体部を備え、
    前記フィルタ基体部は、隣り合う2つの貫通孔との間に設けられた弾性変形可能な第1凸部及び第2凸部を含み、
    前記第1凸部と前記第2凸部との間には、前記隣り合う2つの貫通孔とを連通するギャップが設けられている、
    フィルタ。
  2. 前記フィルタ基体部は、
    第1方向に延び、且つ互いに平行に配置される複数の第1基体部と、
    前記第1方向と交差する第2方向に延び、且つ互いに平行に配置される複数の第2基体部と、
    を含み、
    前記複数の貫通孔は、前記複数の第1基体部および前記複数の第2基体部によって画定され、
    前記第1凸部及び前記第2凸部は、前記複数の第1基体部の一部を構成する、
    請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記第1凸部及び前記第2凸部は、前記隣り合う2つの貫通孔との間で、前記第1方向に沿って延び、
    前記第1凸部の端部は、前記第2凸部の端部と対向する、
    請求項2に記載のフィルタ。
  4. 前記フィルタ基体部は、隣り合う2つの貫通孔との間に設けられた第3凸部及び第4凸部を含み、
    前記第3凸部と前記第4凸部との間には、前記隣り合う2つの貫通孔とを連通するギャップが設けられており、
    前記第3凸部及び前記第4凸部は、前記複数の第2基体部の一部を構成する、
    請求項2又は3に記載のフィルタ。
  5. 前記第3凸部及び前記第4凸部は、前記第1凸部及び前記第2凸部によって画定される貫通孔と隣り合う貫通孔との間に設けられている、
    請求項4に記載のフィルタ。
  6. 前記複数の第1基体部は、等間隔で配置され、
    前記複数の第2基体部は、等間隔で配置され、
    前記複数の第2基体部は、前記複数の第1基体部と直交する、
    請求項2又は3に記載のフィルタ。
  7. 前記第1主面側から見て、前記複数の貫通孔は、正方形状を有し、
    前記ギャップの大きさは、前記ギャップと連通する側の貫通孔を画定する一辺の0.25倍以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  8. 前記第1主面側から見て、前記複数の貫通孔は、円形状を有し、
    前記ギャップの大きさは、前記ギャップと連通する貫通孔の直径の0.25倍以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  9. 前記第1凸部の長さは、前記第2凸部の長さの0.8倍以上1.2倍以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
  10. 前記第1凸部の長さは、前記第2凸部の長さよりも大きい、
    請求項1~のいずれか一項に記載のフィルタ。
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