JP7342792B2 - 表面処理無機粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表面処理無機粒子の製造方法に関し、さらに詳述すると、非極性液体に再分散可能な表面処理無機粒子の製造方法に関する。
近年、光吸収性、耐熱性、導電性、磁性等の機能性を無機粒子に付与し、材料へ導入することで、様々な機能性を付与した材料の開発が進められている。
この点、本発明者らは、シリカ粒子を導入したコーティング組成物が優れた耐擦傷性を示すこと(特許文献1参照)、および酸化チタンを含んだコーティング組成物が優れた耐候性を示すこと(特許文献2参照)を既に報告している。
無機粒子は、一般的に優れた耐候性を示すものが多く、長期使用時における機能劣化や変色の心配が少ないという利点を有している一方で、シロキサン系材料を始めとした有機系材料、とりわけ非極性の有機材料に対する相溶性や分散性が低く、導入によって凝集し、透明性と機能性が大きく損なわれてしまうという問題がある。
無機粒子は、通常、揮発性有機溶媒等の溶剤に分散された状態でコーティング剤に添加されるが、この場合、必然的に有効成分が少なくなるために高濃度に無機粒子を導入することが困難であるうえ、分散媒とコーティング液の相溶性などが問題になる場合も多い。
また、揮発性有機溶媒等の溶剤の使用は、環境の悪化を引き起こす可能性があるが、溶剤を取り除いた粉体の状態では粒子が凝集し、コーティング液に再分散させることが非常に困難である。
このような理由から、当該分野では、有機溶媒や、液状の有機化合物に再分散可能な表面処理無機粒子の開発が求められている。
ところで、無機粒子の表面疎水化処理方法としては、無機粒子表面の水酸基とクロロトリメチルシラン等のオルガノハロシランまたはヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザンとの反応により、無機粒子表面に炭化水素基を導入する方法が知られている。しかし、オルガノハロシランによる表面処理では副生成物として塩化水素等のハロゲン化水素が発生し、オルガノシラザンによる表面処理では、副生成物としてアンモニアが発生するため製造工程上好ましくない。
この点、特許文献3では、片末端に反応性基を有するポリジメチルシロキサンと無機粒子とを、トルエン溶液中でサンドミルを用いて粉砕混合することで、ポリジメチルシロキサンが無機粒子にグラフト化された無機粒子を合成し、得られた無機粒子をシリコーン封止剤中に導入する手法が報告されている。
この特許文献3の手法は、無機粒子の分散性改善に有効であるものの、粒子に対して30質量%以上の表面処理剤で処理する必要があり、表面処理剤自体が不揮発性のポリシロキサンであるため、仮に未反応のポリシロキサン成分が多く存在した場合、留去等の操作で取り除くことができず、無機粒子そのものの含有量が減少してしまう。
しかも、高分子量ポリジメチルシロキサンの導入は、塗膜硬度の低下を引き起こし易く、また、未反応のポリジメチルシロキサンが塗膜に取り込まれずに、塗膜表面に染み出す等の問題もある。
特許第5353843号公報 特許第5704133号公報 特許第5472543号公報
本発明は、上記従来技術の有する問題点を解決するためになされたもので、有機溶媒等の溶剤を実質的に含まず、非極性液体に再分散可能な無機粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、極性有機溶媒を分散媒とする無機粒子分散液中で、短鎖の直鎖状シロキサンを無機粒子表面と反応させた後、極性有機溶媒を短鎖の直鎖状シロキサンに置換し、さらに直鎖状シロキサンと無機粒子とを反応させることで、非極性液体に再分散可能な無機粒子の粉体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. (α):無機粒子を分散質とし、極性有機溶媒を分散媒とする分散液、下記平均式(1)で表されるシロキサン化合物、および酸触媒を混合した状態で反応を行う工程、
1 3SiO-(R2 2SiO)n-SiR1 3 (1)
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、または(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基もしくはフッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数6~20のアリール基を表し、nは、0~10の数を表す。)
および
(β):工程(α)の後、前記極性有機溶媒を、前記平均式(1)で表されるシロキサン化合物に置換し、さらに反応を行い、表面処理無機粒子の分散液を得る工程
を含む表面処理無機粒子の製造方法、
2. 前記工程(β)の後、(γ)得られた表面処理無機粒子の分散液から分散媒を除去する工程を含む1の表面処理無機粒子の製造方法、
3. 前記無機粒子が、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化ケイ素、およびそれらの複合体からなる群より選ばれる1種以上である1または2の表面処理無機粒子の製造方法、
4. 前記無機粒子が、スズおよびマンガンからなる群より選ばれる1種以上を固溶した正方晶系酸化チタン固溶体粒子を核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型複合粒子である1または2の表面処理無機粒子の製造方法、
5. 前記無機粒子の動的光散乱法による体積基準の粒度分布における50%累積粒子径(D50)が、3~200nmである1~4のいずれかの表面処理無機粒子の製造方法、
6. 前記極性有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびn-プロピルアルコールからなる群から選ばれる1種以上を含む1~5のいずれかの表面処理無機粒子の製造方法、
7. 前記R1およびR2が、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基である1~6のいずれかの表面処理無機粒子の製造方法、
8. 前記工程(α)において、前記シロキサン化合物の使用量が、前記無機粒子100質量部に対して50質量部以上である1~7のいずれかの表面処理無機粒子の製造方法、
9. 前記酸触媒が、トリフルオロメタンスルホン酸を含む1~8のいずれかの表面処理無機粒子の製造方法、
10. 前記工程(α)において、前記分散液に対し、水を0.5~20.0質量%含む状態で反応を行う1~9のいずれかの表面処理無機粒子の製造方法
を提供する。
本発明の製造方法により得られる表面処理無機粒子は、粉体の状態から非極性有機溶媒や硬化性のコーティング液のような非極性液体に再分散可能であり、各種材料に高濃度に分散させることができる。
実施例3-1で製造した硬化被膜の紫外可視透過光スペクトル図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の表面処理無機粒子の製造方法は、下記工程(α)および(β)を含む。
(α):無機粒子を分散質とし、極性有機溶媒を分散媒とする分散液、下記平均式(1)で表されるシロキサン化合物、および酸触媒を混合した状態で反応を行う工程
1 3SiO-(R2 2SiO)n-SiR1 3 (1)
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、または(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基もしくはフッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数6~20のアリール基を表し、nは、0~10の数を表す。)
(β):工程(α)の後、極性有機溶媒を、平均式(1)で表されるシロキサン化合物に置換し、さらに反応を行い、表面処理無機粒子の分散液を得る工程
〔無機粒子〕
工程(α)で用いられる無機粒子は特に限定されるものではないが、核を構成する元素として、好ましくは13族元素、14族元素(炭素を除く)、第1系列遷移元素、第2系列遷移元素、ランタノイド等の無機粒子が挙げられる。
13族元素では、特にアルミニウム、ホウ素、インジウム等から誘導される酸化物が好適である。
14族元素(炭素を除く)では、金属ケイ素粒子や、ケイ素、スズ等から誘導される酸化物が好適である。
第1系列遷移元素では、チタン、マンガン、鉄、亜鉛等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収材料として用いられることが多い。
第2系列遷移元素では、イットリウム、ジルコニウム等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収および蛍光材料として用いられることが多い。
ランタノイドでは、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、テルビウム、ジスプロジウム、イッテルビウム等から誘導される酸化物が好適である。
なお、上記無機酸化物は、1種単独で用いても、2種以上を複合して用いてもよい。この複合は、広義の意味であり、単純混合および化学結合を介して複合化されたものの双方を含む。
化学結合を介した複合とは、下記一般式(2)で表されるような形態をいう。
(M1xd(M2ye (2)
ここで、M1は、Al、B、In、Si、Ge、Sn、Ti、Mn、Fe、Zn、Y、Zr、Hf、Ta、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、およびYbの元素記号で表されるいずれか1種であり、M2は、Al、B、In、Si、Ge、Sn、Ti、Mn、Fe、Zn、Y、Zr、Hf、Ta、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、およびYbの元素記号で表されるいずれか1種であり、M1で選択されたものと同一ではない元素である。x、yは、M1の価数をaとすればx=a/2、M2の価数をbとすればy=b/2で表すことができる。d、eは、d+e=1を満たす実数であって、かつ0<d<1および0<e<1を満たす。すなわち、構造中において、M1とM2が酸素を介して結合した単位を有している。
1とM2は、構造中において散在していてもよく、偏在していてもよい。M1とM2が構造中に散在しているものは、複数種の金属アルコキシドの共加水分解物で見られる構造である。M1とM2が構造中に偏在しているものは、コアシェル粒子(金属酸化物粒子を核とし、この核の外側に他の金属酸化物の殻を有する粒子)で見られる構造であり、例えば、複数種の金属アルコキシドを種類に応じて段階的に加水分解することで形成される。
無機粒子は、上述した金属元素や、金属酸化物の1種単独または2種以上を複合したものを核とし、この核の外側に上述した金属元素の酸化物の1種単独または2種以上を複合した物の殻を有するコアシェル型複合粒子であってもよい。このようなコアシェル型複合粒子の例としては、スズおよびマンガンからなる群より選ばれる1種以上を固溶した正方晶系酸化チタン固溶体粒子を核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型正方晶系酸化チタン粒子等が挙げられる。
無機粒子の粒子径は、特に限定されるものではないが、動的光散乱法による体積基準の粒度分布における50%累積粒子径(D50、メジアン径)で3~200nmが好ましく、5~100nmがより好ましく、10~60nmがより一層好ましい。
D50が3nm以上の場合、得られる表面処理無機粒子の耐擦傷性が良好となり、D50が200nm以下の場合は、得られる表面処理無機粒子を硬化性組成物に添加した場合の硬化被膜の透明性が良好となる。
工程(α)で用いる分散液において、分散質である無機粒子の濃度は、好ましくは1~35質量%、より好ましくは5~30質量%、より一層好ましくは10~25質量%である。分散質濃度が1質量%より高いと、製造効率が向上し、分散質濃度が35質量%より低いと、pHや温度、シロキサン化合物の添加等によるゲル化を抑制できる。
〔極性有機溶媒〕
工程(α)で用いる無機粒子分散液において、分散媒である極性有機溶媒は、留去、濃縮、限外ろ過等の操作により反応系から除去可能なものであれば特に制限はないが、シロキサン化合物との相溶性、除去容易性の観点からメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコールが好ましい。
〔シロキサン化合物〕
工程(α)および工程(β)で用いるシロキサン化合物は上記平均式(1)で表され、無機粒子の表面処理を行い、かつ分散媒としても作用する成分である。
上記式(1)において、R1およびR2の炭素数1~20のアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル基等が挙げられるが、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
炭素数2~20のアルケニル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、その具体例としては、ビニル、アリル、1-プロペニル、3-ブテニル、4-ペンテニル基等が挙げられるが、炭素数2~6のアルケニル基が好ましく、ビニル基がより好ましい。
炭素数6~20のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル基等が挙げられるが、炭素数6~10のアリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
上記R1およびR2の一部がメチル基である場合、保存安定性や耐熱性の高い表面処理無機粒子が得られる場合がある。
また、上記R1およびR2の一部がフェニル基である場合、フェニル系シリコーン材料と高い親和性を有する表面処理無機粒子が得られる場合がある。
さらに、R1およびR2の少なくとも1つが水素原子、ビニル基またはアリル基である場合、シリコーン組成物中のハイドロジェンシリコーンまたはビニルシリコーンとヒドロシリル化反応することにより、得られる表面処理無機粒子とシリコーン組成物との混合組成物を硬化させるときに表面処理無機粒子がシリコーン組成物に架橋された強固な複合体が得られる場合がある。
なお、上記R1およびR2の水素原子の一部は、(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基またはフッ素原子で置換されていてもよいが、(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基等の官能基で置換されている場合、有機樹脂に導入した際に樹脂と反応することで、樹脂の機械特性が向上する場合がある。
nは0~10の数である。10を超えると無機粒子表面との反応性に劣り、また、揮発性が低下して留去や濃縮操作により反応系から除去できない場合がある。
このようなシロキサン化合物の具体例としては、ヘキサメチルジシロキサン、ジビニルテトラメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、揮発性を有する低分子量のトリメチルシロキシ基末端ポリジメチルシロキサン、ビニルジメチルシロキシ基末端ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキシ基末端ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。揮発性を有する低分子量のトリメチルシロキシ基末端ポリジメチルシロキサンとしては、信越化学工業(株)製のKF96L-0.65CS、KF96L-1CS、KF96L-1.5CS、KF96L-2CS等が挙げられる。
工程(α)において、シロキサン化合物の使用量は、上記無機粒子100質量部に対して50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、100質量部以上がより一層好ましい。このような範囲であれば、工程(β)において上記極性有機溶媒をシロキサン化合物に置換する際、シロキサン化合物が表面処理剤と分散媒の両方の働きをすることで、粒子の凝集を防ぎながら極性有機溶媒を除去することができ、表面処理反応を阻害する極性有機溶媒が全くないか、ほとんど存在しない、表面処理剤と無機粒子のみからなる分散液となるために、高密度に表面処理を行うことができる。
〔酸触媒〕
本発明で用いる酸触媒は、シロキサン化合物による無機粒子の表面処理を促進させるための触媒であり、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、カチオン性イオン交換樹脂等が挙げられる。
また、カチオン性イオン交換樹脂の具体例として、アンバーライト(オルガノ(株)製)、レバチット(ランクセス社製)、ピュロライト(ピュロライト(株)製)、ムロマック(室町ケミカル(株)製)等が挙げられる。
これらの中でも、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、特に制限されないが、無機粒子に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、1~5質量%がより一層好ましい。使用量が20質量%以下であると、反応の急激な進行を抑制でき、0.01質量%以上であると反応が良好に進行する。
酸触媒は、塩基による中和、水洗操作による抽出、イオン捕捉能を有する無機酸化物による吸着等の処理によって取り除くことが可能である。製品の保存安定性や、添加する材料との反応を抑制する観点から、中和または吸着処理で除去することが好ましい。
工程(α)において、反応温度は、特に限定されないが、通常、極性有機溶媒の還流温度とされ、特に、50~250℃が好ましく、60~200℃がより好ましく、80~150℃がより一層好ましい。
反応時間は特に限定されないが、1~24時間が好ましい。
さらに、工程(α)において、無機粒子を分散質とし、極性有機溶媒を分散媒とする分散液に対し、水を0.5~20.0質量%含む状態で反応を行うことが好ましく、水を1.0~10.0質量%含む状態で反応を行うことがより好ましい。水分量が0.5質量%以上の場合、粒子表面の表面処理が十分に進行し、非極性液体中への分散性が良好となり、水分量が20.0質量%以下の場合、粒子間またはシロキサン化合物間の加水分解縮合によるゲル化が抑制される。
工程(β)は、工程(α)の後、分散媒である上記極性有機溶媒を、上記シロキサン化合物に置換した後、さらに反応を行う工程である。
工程(β)における極性有機溶媒の置換方法は、溶媒の留去、限外ろ過等の方法によって行うことができる。
極性有機溶媒の留去は、常圧留去と減圧留去のいずれの操作で行ってもよい。極性有機溶媒の留去に加熱を用いる場合、溶媒の留去と並行して、シロキサン化合物による無機粒子の表面処理が促進されるため、より非極性溶媒に対する分散性に優れる表面処理無機粒子が得られることがある。
減圧留去を行う場合、圧力は20~760mmHgが好ましく、30~760mmHgがより好ましく、40~760mmHgがより一層好ましい。このような範囲であれば、極性有機溶媒の突沸を抑制し、かつ、留去の進行が良好となる。
留去の際の温度は、圧力を適宜変更することにより調節することができ、50~250℃が好ましく、60~200℃がより好ましく、80~150℃がより一層好ましい。このような範囲であれば、シロキサン化合物の変質を抑制し、留去の進行が良好となる。加熱方法としては、熱媒との接触による加熱、誘導加熱、マイクロ波による加熱等の各種方法を用いることができる。
工程(β)において、反応系中のシロキサン化合物の量は、粒子の凝集を防ぐ観点から、上記無機粒子100質量部に対して50質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、100質量部以上がより一層好ましい。ここで、極性有機溶媒をシロキサン化合物に置換する際、当該シロキサン化合物を追加してもよい。
工程(β)において、極性有機溶媒をシロキサン化合物に置換した後、さらに反応を行う際の反応温度は、シロキサン化合物の変質を抑制する観点から、50~250℃が好ましく、60~200℃がより好ましく、80~150℃がより一層好ましい。
反応時間は特に限定されないが、1~24時間が好ましい。
本発明の製造方法において、上記工程(β)の後、(γ)得られた表面処理無機粒子の分散液から余剰のシロキサン化合物等を含む分散媒を除去する工程を設けてもよい。本工程により、表面処理無機粒子を粉体として得ることができる。
工程(γ)における分散媒の除去方法は特に限定されないが、例えば常圧留去や減圧留去等の操作が挙げられ、留去条件としては上記工程(β)と同様の条件が挙げられる。
なお、工程(γ)で得られた表面処理無機粒子の粉体に対し、必要に応じてさらに常圧乾燥や減圧乾燥等を行ってもよい。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1]無機粒子の水分散液(TW-1)の製造
36質量%塩化チタン(IV)水溶液(石原産業(株)製、製品名:TC-36)66.0gに、50質量%塩化第二スズ(IV)溶液(日本化学産業(株)製)3.3g、一酸化マンガン(II)((株)高純度化学研究所製)0.1gを添加し、混合した後、これをイオン交換水1,000gで希釈した。この金属塩水溶液中のTiに対するSnおよびMnのモル比は[Ti/Sn]が20、[Ti/Mn]が100である。この金属塩水溶液混合物に5質量%アンモニア水(富士フイルム和光純薬(株)製)300gを徐々に添加して中和、加水分解することによりスズおよびマンガンを含有する水酸化チタンの沈殿物を得た。このときの水酸化チタンスラリーのpHは8であった。得られた水酸化チタンの沈殿物を、イオン交換水の添加とデカンテーションを繰り返して脱イオン処理した。この脱イオン処理後のスズおよびマンガンを含有する水酸化チタン沈殿物に30質量%過酸化水素水(富士フイルム和光純薬(株)製)100gを徐々に添加し、その後60℃で3時間撹拌して十分に反応させた。その後、純水を添加して濃度調整を行うことにより、半透明のスズ、マンガン含有ペルオキソチタン酸溶液(固形分濃度1質量%)を得た。容積500mLのオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、製品名:TEM-D500)に、上記のように合成したペルオキソチタン酸溶液350mLを入れ、200℃、1.5MPaの条件下、240分間水熱処理した。その後、オートクレーブ内の反応混合物を、サンプリング管を経由して、25℃の水浴中に保持した容器に排出し、急速に冷却することで反応を停止させ、スズおよびマンガンを固溶した酸化チタン固溶体粒子分散液(i)を得た。得られた分散液を105℃で24時間乾燥させて粉末にした後、粉末X線回折装置(Bruker AXS(株)製、D2 Phaser)によって結晶相を確認したところ、ルチル型(正方晶)であった。
磁気回転子と温度計を備えたセパラブルフラスコに、酸化チタン固溶体粒子分散液(i)1,000質量部、エタノール100質量部、アンモニア2.0質量部を25℃で加えて磁気撹拌した。このセパラブルフラスコを氷浴に浸漬し、内容物温度が5℃になるまで冷却した。ここに、テトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、製品名:KBE-04)18質量部を加えた後に、セパラブルフラスコをμReactorEx(四国計測工業(株)製)内に設置して、周波数2.45GHz・出力1,000Wのマイクロ波を1分間にわたって照射しながら磁気撹拌した。その間、温度計を観測して内容物温度が85℃に達するのを確認した。得られた混合物を定性ろ紙(Advantec 2B)でろ過して希薄コロイド溶液を得た。この希薄コロイド溶液を限外ろ過によって8.8質量%まで濃縮し、スズおよびマンガンを固溶した正方晶系酸化チタン粒子を核とし酸化ケイ素を殻とするコアシェル型複合粒子の水分散液(TW-1)を得た。TW-1について、動的光散乱法(日機装(株)製、装置名「ナノトラック」)によって体積基準の粒度分布における50%累積径を求めたところ、17.9nmであった。また、コアシェル型複合粒子全体に対する殻の酸化ケイ素の割合はSiO2換算で、18.0質量%であった。
[製造例2]無機粒子のエタノール分散液(TE-1)の製造
ジムロート冷却管、窒素導入管、温度計、機械撹拌羽を備えた4つ口2Lセパラブルフラスコに、上記コアシェル型複合粒子の水分散液(TW-1、固形分濃度8.8質量%)300gと、触媒としてスルホン酸系カチオン性イオン交換樹脂3gを加えた。ここにメチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、製品名:KBM-13)225gを撹拌(250rpm)しながら加えた。撹拌によって分散液とアルコキシシランが反応し、均一になる様子が観測された。その際、分散液の温度が25℃から52℃まで上昇した。分散液の温度が50℃になるように保ちながら2時間撹拌した後、分散液にエタノール750gを撹拌(250rpm)しながら添加して希釈した。希釈分散液を限外ろ過機に導入し、滲出液を800g分取した。濃縮された分散液に対して、継続してエタノールを加圧供給した。滲出液が800gに達するまでエタノールの加圧供給を行い、コアシェル型複合粒子のエタノール分散液(TE-1)を得た。TE-1の固形分濃度は13.0質量%、水分濃度1.1質量%であった。TE-1について、動的光散乱法(日機装(株)製、装置名「ナノトラック」)によって体積基準の粒度分布における50%累積径を求めたところ、9.9nmであった。
[実施例1-1]表面処理無機粒子(TS-1)の製造
ジムロート冷却管、窒素導入管、温度計、機械撹拌羽を備えた4つ口2Lセパラブルフラスコに、製造例2で得られた分散液(TE-1、固形分濃度13.0質量%、100g)およびヘキサメチルジシロキサン(信越化学工業(株)製)50gを加え、25℃で撹拌しながらイオン交換水2.5gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.5gを加えた。25℃で30分間撹拌した後、加熱還流状態で2時間撹拌した。その後、フラスコにエステルアダプターを取り付け、分散媒100gを大気圧にて留去した。反応系を40℃まで冷却した後、ヘキサメチルジシロキサン50gを加え、さらに80℃で1時間撹拌した。25℃に冷却後、合成ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、「キョーワード500」)5gを加え、酸触媒を吸着した。合成ハイドロタルサイトをろ過によって取り除いた後、分散媒を減圧留去によって取り除き、表面処理無機粒子(TS-1)の粉体を得た。
[実施例1-2]表面処理無機粒子(TS-2)の製造
ヘキサメチルジシロキサンを同質量の下記平均式(3)で表されるポリシロキサンに変更した以外は、実施例1-1と同様の手順を行い、表面処理無機粒子(TS-2)の粉体を得た。
(CH33SiO-((CH32SiO)3.5-Si(CH33 (3)
[実施例1-3]表面処理無機粒子(TS-3)の製造
ヘキサメチルジシロキサンを同質量の下記平均式(4)で表されるポリシロキサンに変更した以外は、実施例1-1と同様の手順を行い、表面処理無機粒子(TS-3)の粉体を得た。
(CH33SiO-((CH32SiO)5-Si(CH33 (4)
[実施例1-4]表面処理無機粒子(TS-4)の製造
ヘキサメチルジシロキサンを同質量の1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(信越化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1-1と同様の手順を行い、表面処理無機粒子(TS-4)の粉体を得た。
[比較例1-1]表面処理無機粒子(TS-5)の製造
ジムロート冷却管、窒素導入管、温度計、機械撹拌羽を備えた4つ口2Lセパラブルフラスコに、製造例2で得られた分散液(TE-1、固形分濃度13.0質量%、100g)およびヘキサメチルジシロキサン(信越化学工業(株)製)50gを加え、25℃で撹拌しながらイオン交換水2.5gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.5gを加えた。25℃で30分間撹拌した後、加熱還流状態で2時間撹拌した。25℃に冷却後、合成ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、「キョーワード500」)5gを加え、酸触媒を吸着した。合成ハイドロタルサイトをろ過によって取り除いた後、エタノールおよび未反応のヘキサメチルジシロキサンを減圧留去によって取り除き、表面処理無機粒子(TS-5)の粉体を得た。
[比較例1-2]無機粒子(TS-6)の製造
製造例2で得られた分散液(TE-1)中の揮発成分を減圧留去によって取り除き、無機粒子(TS-6)の粉体を得た。
[比較例1-3]
ジムロート冷却管、窒素導入管、温度計、機械撹拌羽を備えた4つ口2Lセパラブルフラスコに、製造例2で得られた分散液(TE-1、固形分濃度13.0質量%)100gおよびメチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、製品名:KBM-13)50gを加え、25℃で撹拌しながらイオン交換水2.5gおよびトリフルオロメタンスルホン酸0.5gを加えた。25℃で30分間撹拌した後、加熱還流状態で2時間撹拌した。その後、フラスコにエステルアダプターを取り付け、分散媒を大気圧にて留去した際に反応系がゲル化した。
[比較例1-4]
メチルトリメトキシシランを同質量のジメチルジメトキシシラン(信越化学工業(株)製、製品名:KBM-22)に変更した以外は、比較例1-2と同様の手順を行ったところ反応系がゲル化した。
上記実施例1-1~1-4および比較例1-1~1-2で得られた粉体について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)トルエン再分散性
各粉体を10質量%となるようにトルエンで希釈し、2時間超音波を照射した後、得られた分散液を500メッシュ(25μm目開き)フィルターに通した際に、フィルターを通過しなかった成分の粉体全体に対する質量分率を粗粉量として算出し、粗粉量が10質量%より小さい場合を「○」、粗粉量が10質量%以上の場合を「×」として再分散性の指標とした。
(2)粒子径
各粉体を1質量%となるようにトルエンで希釈し、10分間超音波を照射することにより分散させたときの粒度分布を、動的光散乱法/レーザードップラー法ナノトラック粒度分布測定装置(UPA-EX150:日機装(株)製)により測定し、その体積基準の粒度分布におけるメジアン径(D50)を算出した。
(3)表面処理量
熱質量(Tg)測定後に減少した質量分を表面処理成分のものとして、粉体全体の質量に対する表面処理量(質量%)を求めた。測定は、Rigaku社製のThermo Plus装置にて、プラチナ製のパンを用いて窒素雰囲気下、25~900℃まで行った。
(4)M単位量
各粉体が25質量%、およびリファレンスとしてオクタメチルテトラシクロシロキサンが1質量%となるように重クロロホルムで希釈し、クロム(III)アセチルアセトナート(関東化学(株)製)の1M重クロロホルム溶液を数滴加えた後、ポリテトラフルオロエチレン製NMRチューブ(φ10mm)に入れ、29Si-NMRスペクトルの測定を行った。測定条件は、ゲート付デカップリング、45度パルス、パルス間隔6秒のパルスシークエンスを用い、磁場強度11.75Tにおいて3,000回の積算を行い、その結果得られた全てのM単位ケイ素に由来する29Si-NMRシグナルの積分値(ΣSi(M))とリファレンスであるオクタメチルテトラシクロシロキサンに由来するシグナル積分値(ΣSi(Oct))との比から、添加した粒子質量中に存在するM単位ケイ素成分のモル数を求めることで、無機粒子中に含まれるM単位量(mmol/100g)を算出した。
(5)アルコキシ基量
各粉体が25質量%、およびリファレンスとしてトルエンが1質量%となるように重クロロホルムで希釈したものをガラス製NMRチューブに入れ、1H-NMR共鳴スペクトルの測定を行った。その結果得られた全てのアルコキシ基に由来する1H-NMRシグナルの積分値(ΣOR)とリファレンスであるトルエン上のメチル基に由来したシグナルの積分値(ΣTol))との比から、添加した粒子質量中に存在するアルコキシ基成分のモル数を求めることで、無機粒子中に含まれるアルコキシ基量(mmol/100g)を算出した。
Figure 0007342792000001
表1に示されるように、実施例1-1~1-4の表面処理無機粒子の粉体は、トルエンへの再分散性を示した。一方、本発明の製造方法における工程(β)を有しない比較例1-1、工程(α)および工程(β)の両方を有しない比較例1-2では、無機粒子の表面処理量が不足し、トルエンへの再分散性に劣っていた。また、工程(α)において、シロキサン化合物をメチルトリメトキシシランおよびジメチルジメトキシシランにそれぞれ変更した比較例1-3および比較例1-4では、反応系全体のゲル化が生じる結果となった。
[実施例2-1~2-4、比較例2-1]
実施例1-1~1-4および比較例1-2で得られた粉体10gを、それぞれデカメチルシクロペンタシロキサン10gに加え、2時間超音波を照射することにより分散させた。得られた分散液について、下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(6)分散安定性
分散液を25℃で24時間静置した時、目視にて粒子の分散媒からの分離が確認できる場合を「×」、確認できない場合を「○」として評価した。
(7)動粘度
分散液を25℃で24時間静置した後、キャノンフェンスケ型粘度計((株)柴田製)を用いて25℃における動粘度を測定した。なお、比較例2-1については粒子が分散せず測定不可であった。
Figure 0007342792000002
表2に示されるように、実施例2-1~2-4では、環状シロキサンに再分散させた際にも粒子の凝集は観測されず、また、いずれの分散液も25℃において24時間静置後に流動性を示し、分散安定性に優れていた。一方、比較例2-1では、環状シロキサンへの分散性を示さなかった。
[実施例3-1~3-4、比較例3-1]
実施例1-1~1-4および比較例1-2で得られた粉体0.3gと、無溶剤型シリコーンコーティング組成物(信越化学工業(株)製、製品名:KR-400)10gとを混合し、1時間振とうしてコーティング組成物を調製した。
得られたコーティング組成物を石英基板にフローコートし、25℃で24時間静置して石英基板上に厚さ約1μmの硬化被膜を形成した試験片について、下記の評価を行った。結果を表3に示す。また、実施例3-1で得られた硬化被膜の紫外可視透過光スペクトルを図1に示す。
(8)可視光透過性
分光光度計(日立ハイテクサイエンス(株)製、U-3900H、以下同様)による、石英基板をベースラインとしたときの波長500nmにおける硬化被膜の光透過率の値が、80%以上の場合を「○」、80%未満の場合を「×」とした。
(9)紫外光遮蔽性
分光光度計による、石英基板をベースラインとしたときの波長250nmにおける硬化被膜の光透過率の値が、50%以下の場合を「○」、50%を超える場合を「×」とした。
Figure 0007342792000003
表3に示されるように、実施例3-1~3-4で得られた硬化被膜の紫外可視光透過スペクトル測定の結果、波長500nmにおける光透過率が80%以上であり、高い透明性を有していることが明らかになった。加えて、酸化チタンに特徴的な優れた紫外線吸収特性を示した。一方、比較例3-1では、無溶剤型シリコーンコーティング組成物への無機粒子の分散性が劣り、得られた硬化被膜の可視光透過性が低いことがわかる。

Claims (8)

  1. (α):無機粒子を分散質とし、極性有機溶媒を分散媒とする分散液、下記平均式(1)で表されるシロキサン化合物、および酸触媒を混合した状態で反応を行う工程、
    1 3SiO-(R2 2SiO)n-SiR1 3 (1)
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、または(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基もしくはフッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数6~20のアリール基を表し、nは、0~10の数を表す。)
    および
    (β):工程(α)の後、前記極性有機溶媒を、前記平均式(1)で表されるシロキサン化合物に置換し、さらに反応を行い、表面処理無機粒子の分散液を得る工程
    を含み、
    前記無機粒子が、スズおよびマンガンからなる群より選ばれる1種以上を固溶した正方晶系酸化チタン固溶体粒子を核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル型複合粒子である表面処理無機粒子の製造方法。
  2. 前記工程(β)の後、(γ)得られた表面処理無機粒子の分散液から分散媒を除去する工程を含む請求項1記載の表面処理無機粒子の製造方法。
  3. 前記無機粒子の動的光散乱法による体積基準の粒度分布における50%累積粒子径(D50)が、3~200nmである請求項1または2記載の表面処理無機粒子の製造方法。
  4. 前記極性有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびn-プロピルアルコールからなる群から選ばれる1種以上を含む請求項1~3のいずれか1項記載の表面処理無機粒子の製造方法。
  5. 前記R1およびR2が、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基である請求項1~4のいずれか1項記載の表面処理無機粒子の製造方法。
  6. 前記工程(α)において、前記シロキサン化合物の使用量が、前記無機粒子100質量部に対して50質量部以上である請求項1~5のいずれか1項記載の表面処理無機粒子の製造方法。
  7. 前記酸触媒が、トリフルオロメタンスルホン酸を含む請求項1~6のいずれか1項記載の表面処理無機粒子の製造方法。
  8. 前記工程(α)において、前記分散液に対し、水を0.5~20.0質量%含む状態で反応を行う請求項1~7のいずれか1項記載の表面処理無機粒子の製造方法。
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