JP7341951B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本明細書に開示する技術は、蒸発燃料処理装置に関する。
特許文献1に蒸発燃料処理装置が開示されている。特許文献1の蒸発燃料処理装置は、燃料タンクと、燃料タンク内の燃料から発生する蒸発燃料が通過するベーパ通路と、ベーパ通路を開閉する封鎖弁(制御バルブ)と、制御部とを備えている。特許文献1の封鎖弁は、初期位置から開方向に開度を増大させても蒸発燃料の通流が遮断される不感帯領域と、不感帯領域よりも開度が増すと蒸発燃料の通流が許容される導通領域とを有している。特許文献1の制御部は、燃料タンクの内圧に基づいて、封鎖弁における不感帯領域と導通領域との切換を判定する。
特開2011-256778号公報
特許文献1の蒸発燃料処理装置では、燃料タンクの内圧に基づいて封鎖弁の不感帯領域と導通領域との切換を判定するので、封鎖弁が閉弁状態から開弁状態に変化する開弁開始位置を特定することが難しい場合がある。例えば、燃料タンク内の燃料から蒸発燃料が発生し易い状態(燃料の高揮発時)では、蒸発燃料の発生速度が比較的速く、燃料タンクの内圧の上昇速度が比較的速くなるので、その影響によって、封鎖弁の開弁開始位置を特定することが難しくなる。より詳細には、例えば特許文献1の蒸発燃料処理装置では、燃料タンクの内圧が低下し始めた時、又は、燃料タンクの内圧が一定になった時に、封鎖弁が不感帯領域から導通領域へ切り換わったと判定することがある。この構成では、燃料タンクの内圧の上昇速度が比較的速い場合(燃料の高揮発時)には、封鎖弁が閉弁状態から開弁状態に変化したとしても、燃料タンクの内圧が上昇することがある。この構成では、燃料タンクの内圧に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することが難しくなる。そこで、本明細書は、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる技術を提供する。
本明細書に開示する蒸発燃料処理装置は、燃料タンクと、前記燃料タンク内の燃料から発生する蒸発燃料が通過するベーパ通路と、前記ベーパ通路を開閉する封鎖弁と、前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサと、制御部と、を備えていてもよい。蒸発燃料処理装置では、前記封鎖弁が開弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過し、前記封鎖弁が閉弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過しない。前記制御部は、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて、前記封鎖弁が前記閉弁状態から前記開弁状態に変化する開弁開始位置を特定してもよい。
上記の構成では、封鎖弁が閉弁状態から開弁状態に変化すると(即ち、封鎖弁が開弁開始位置に到達すると)、ベーパ通路内の蒸発燃料が封鎖弁を通過する。そうすると、封鎖弁よりも下流側における蒸発燃料の濃度が上昇するので、これに基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定することができる。この構成によれば、燃料タンク内の圧力の影響を受けずに、濃度センサの検出濃度に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定することができる。そのため、ベーパ通路を開閉する封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。例えば、燃料タンク内の燃料から蒸発燃料が発生し易い状態(燃料の高揮発時)では、蒸発燃料の発生速度が比較的速く、燃料タンクの内圧の上昇速度が比較的速くなるので、封鎖弁が閉弁状態から開弁状態に変化したとしても、燃料タンク内の圧力が上昇することがある。しかしながら、上記の構成によれば、濃度センサの検出濃度に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定するので、燃料タンク内の圧力の影響を受けずに、封鎖弁の開弁開始位置を特定することができる。そのため、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。仮に燃料タンク内の燃料から蒸発燃料が発生し易い状態(燃料の高揮発時)であっても、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。
前記制御部は、前記濃度センサの検出濃度が所定の基準濃度以上に変化するときの前記封鎖弁の位置を前記開弁開始位置として特定してもよい。
この構成によれば、基準濃度に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を精度良く特定することができる。
蒸発燃料処理装置は、前記燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサを更に備えていてもよい。前記制御部は、前記圧力センサによって検出される前記燃料タンク内の圧力が所定の状態である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて前記開弁開始位置を特定してもよい。
濃度センサの検出濃度に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定する技術は、燃料タンク内の圧力の影響を受けずに封鎖弁の開弁開始位置を特定することができる。この技術は、燃料タンク内の圧力の状態に応じて用いられると特に効果的である。例えば、燃料タンク内の燃料から蒸発燃料が発生し易い状態(燃料の高揮発時)や燃料タンク内の圧力が高い状態(高圧時)において上記の技術が用いられると特に効果的である。この構成によれば、高揮発時や高圧時であっても、燃料タンク内の圧力の状態に影響されずに封鎖弁の開弁開始位置を特定することができるので、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。
前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量以上である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて前記開弁開始位置を特定してもよい。
圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量以上である場合は、燃料タンク内の燃料から蒸発燃料が発生し易い状態(燃料の高揮発時)であると考えられる。この構成によれば、燃料の高揮発時であっても、燃料タンク内の圧力の影響を受けずに封鎖弁の開弁開始位置を特定することができるので、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。また、燃料の高揮発時には、蒸発燃料がベーパ通路に流入し易くなるので、濃度センサの検出濃度が上昇し易くなる。そのため、濃度センサの検出濃度に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定する構成が特に効果的である。
前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が前記基準上昇量未満である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記圧力センサの検出圧力に基づいて前記開弁開始位置を特定してもよい。
圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量未満である場合は、高揮発時ではないと考えられる。即ち、蒸発燃料の発生速度が比較的遅く、燃料タンク内の圧力の上昇速度が比較的遅い低揮発時であると考えられる。この場合は、圧力センサの検出圧力に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定してもよい。この構成によれば、燃料タンク内の圧力の状態に応じて、封鎖弁の開弁開始位置を特定するためのセンサを切り換えることができる。
前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力の低下量が所定の基準低下量以上に変化するときの前記封鎖弁の位置を前記開弁開始位置として特定してもよい。
基準低下量に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を精度良く特定することができる。
前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力に基づいて前記開弁開始位置を特定する場合に、前記濃度センサの検出濃度が所定の基準濃度以上に変化しない場合は、前記濃度センサが異常であると判断してもよい。
制御部が封鎖弁の開弁開始位置を特定するときは、封鎖弁が開弁状態に変化するときなので、本来であれば、それに応じて濃度センサの検出濃度が基準濃度以上に変化する。したがって、濃度センサの検出濃度が基準濃度以上に変化しない場合は、濃度センサに何らかの異常が生じていると判断することができる。上記の構成よれば、圧力センサの検出圧力に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定すると共に、併せて濃度センサの異常を判断することができる。
制御部は、圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量未満である場合において、封鎖弁が閉弁状態から開弁側に動作する場合に、濃度センサの検出濃度に基づいて前記開弁開始位置を特定し、その場合に圧力センサの検出圧力の低下量が所定の基準低下量以上に変化しない場合は、圧力センサが異常であると判断してもよい。
圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量未満である場合において、制御部が開弁開始位置を特定するときは、本来であれば、圧力センサの検出圧力の低下量が基準低下量以上に変化する。したがって、圧力センサの検出圧力の低下量が基準低下量以上に変化しない場合は、燃料タンク内の圧力が低下しているにもかかわらず、圧力センサの検出圧力の低下量が足りない状態である。したがって、この場合は、圧力センサに何らかの異常が生じていると判断することができる。上記の構成よれば、濃度センサの検出濃度に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定すると共に、併せて圧力センサの異常を判断することができる。
蒸発燃料処理装置は、前記封鎖弁を動作させるステッピングモータを更に備えていてもよい。前記制御部は、前記ステッピングモータのステップ数に基づいて前記開弁開始位置を特定してもよい。
この構成によれば、ステッピングモータのステップ数に基づいて封鎖弁の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を更に精度良く特定することができる。
前記制御部は、前記ステッピングモータの初期値から前記封鎖弁が前記開弁状態に変化するまでの前記ステッピングモータのステップ数に基づいて前記開弁開始位置を特定してもよい。
この構成によれば、初期値からのステップ数に基づいて開弁開始位置を特定することにより、基準が明確になるので、開弁開始位置を更に精度良く特定することができる。
前記制御部は、特定した前記開弁開始位置に基づいて前記封鎖弁の開度を制御してもよい。
この構成によれば、明確な開弁開始位置に基づいて封鎖弁の開度を制御することができる。そのため、封鎖弁の開度を正確に制御することができる。
蒸発燃料処理装置は、ベーパ通路を通過した蒸発燃料が吸着される吸着材を備えているキャニスタを更に備えていてもよい。濃度センサは、前記封鎖弁よりも下流側かつ前記キャニスタよりも上流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度を検出してもよい。
この構成によれば、キャニスタに吸着される前の蒸発燃料の濃度を検出することができる。そのため、封鎖弁を通過した蒸発燃料の濃度を精度良く検出することができる。これにより、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。
蒸発燃料処理装置は、前記キャニスタから脱離した蒸発燃料が通過するパージ通路と、前記パージ通路を開閉するパージ弁と、を更に備えていてもよい。前記濃度センサは、前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度と、前記パージ弁よりも上流側の前記パージ通路内の蒸発燃料の濃度と、を検出可能であってもよい。
この構成によれば、キャニスタに吸着される蒸発燃料の濃度と、キャニスタから脱離した蒸発燃料の濃度と、を検出することができる。状況に応じてそれぞれの濃度を検出することができる。例えば、吸着処理時には、ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度を検出することができる。また、脱離処理時には、パージ通路内の蒸発燃料の濃度を検出することができる。
蒸発燃料処理装置は、前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路の一部と、前記パージ弁よりも上流側の前記パージ通路の一部とが重複している重複通路を更に備えていてもよい。前記濃度センサは、前記重複通路内の蒸発燃料の濃度を検出可能であってもよい。
この構成によれば、重複通路を利用することにより、1つの通路で2つの濃度(キャニスタに吸着される前の蒸発燃料の濃度、及び、キャニスタから脱離した蒸発燃料の濃度)を検出することができる。
蒸発燃料処理装置は、前記ベーパ通路を通過した蒸発燃料が前記キャニスタに吸着される吸着処理と、前記キャニスタに吸着された蒸発燃料が前記キャニスタから脱離する脱離処理とを実行可能であってもよい。前記制御部は、前記脱離処理時に前記濃度センサの検出濃度に基づいて前記パージ弁の開度を制御してもよい。
パージ通路内の蒸発燃料の濃度を濃度センサにより検出する構成では、脱離処理時に蒸発燃料の濃度を濃度センサにより直接的に検出することができる。そのため、蒸発燃料の濃度を早い段階で特定することができる。これにより、脱離処理時に濃度センサの検出濃度に基づいてパージ弁の開度を早い段階で制御することができる。したがって、パージ弁の開度を早い段階で拡大することができ、パージ量を早い段階で拡大することができる。
比較例として、パージ通路内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサが無い構成では、脱離処理時に蒸発燃料の濃度を直接的に検出することができない。そのため、比較例では、制御部が、濃度センサの検出濃度と異なる指標(例えば燃料タンク内の圧力やエンジンの吸気量等)に基づいて蒸発燃料の濃度を推定しなければならない。その結果、比較例では、脱離処理時に蒸発燃料の濃度を早い段階で特定することができない。したがって、パージ弁の開度を早い段階で拡大することができず、パージ量を早い段階で拡大することができない。
前記ベーパ通路は、前記封鎖弁よりも下流側で分岐して並列で配置されている第1通路と第2通路とを備えていてもよい。蒸発燃料処理装置は、蒸発燃料が前記第1通路を通過して前記キャニスタに流入する第1状態と、蒸発燃料が前記第2通路を通過して前記キャニスタに流入する第2状態と、を切り替え可能な切替弁を更に備えていてもよい。前記濃度センサは、前記第1通路内の蒸発燃料の濃度を検出可能であってもよい。前記制御部は、前記脱離処理時に前記切替弁を前記第2状態に切り替えてもよい。
この構成によれば、脱離処理時に、燃料タンク内の燃料から発生してキャニスタに吸着される前の蒸発燃料の濃度が濃度センサによって検出されないようにすることができる。脱離処理時に、キャニスタから脱離した後の蒸発燃料の濃度が濃度センサによって検出されるように切替弁を切り替えることができる。
前記制御部は、前記燃料タンク内の圧力が前記圧力センサの検出限界圧力以上である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて、前記開弁開始位置を特定してもよい。
この構成によれば、燃料タンク内の圧力が過剰に高い場合であっても、封鎖弁の開弁開始位置を精度良く特定することができる。
第1実施例の蒸発燃料処理装置の模式図である。 第1実施例のキャニスタの断面図である。 第1実施例の開弁開始位置特定処理のフローチャートである。 第1実施例の高揮発時処理のフローチャートである。 第1実施例の再イニシャライズ処理のフローチャートである。 第1実施例の低揮発時処理のフローチャートである。 第1実施例の蒸発燃料処理装置の動作のタイミングチャートである。 第2実施例の蒸発燃料処理装置の模式図である。 第2実施例の切替処理のフローチャートである。 第2実施例のエンジン動作中脱離処理のフローチャートである。 第2実施例と比較例のタイミングチャートである。 第2実施例の変形例の蒸発燃料処理装置の模式図である。
(第1実施例)
(蒸発燃料処理装置1の構成)
第1実施例の蒸発燃料処理装置1について図面を参照して説明する。図1は、第1実施例の蒸発燃料処理装置1の模式図である。図1に示すように、蒸発燃料処理装置1は、燃料タンク30とキャニスタ40と制御部100とを備えている。また、蒸発燃料処理装置1は、ベーパ通路71と、大気通路72と、パージ通路73とを備えている。図1に示す蒸発燃料処理装置1は、例えばガソリン自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載される。
燃料タンク30は、例えばガソリン等の燃料fを収容することができる。図示省略する注入口から燃料タンク30内に燃料fが注入される。燃料タンク30内には、燃料ポンプ82が配置されている。燃料ポンプ82には、燃料通路81が接続されている。燃料ポンプ82は、燃料タンク30内の燃料fを燃料通路81に吐出する。燃料通路81に吐出された燃料fは、燃料通路81を通じて車両のエンジン92に供給される。
燃料タンク30内の燃料fは、燃料タンク30内で蒸発することがある。例えば、蒸発燃料処理装置1が搭載されている車両の走行中に燃料fが蒸発することがある。また、蒸発燃料処理装置1が搭載されている車両の駐車中に燃料fが蒸発することがある。燃料fが燃料タンク30内で蒸発することによって燃料タンク30内で蒸発燃料が発生する。
燃料タンク30には圧力センサ31が設置されている。圧力センサ31は、燃料タンク30内の圧力を検出する。圧力センサ31が燃料タンク30内の圧力を検出すると、検出圧力の情報が制御部100に送られる。制御部100が検出圧力の情報を取得する。燃料タンク30内の圧力は、燃料タンク30内で蒸発燃料が発生することにより上昇することがある。
燃料タンク30には、ベーパ通路71の上流端部が接続されている。燃料タンク30内で発生した蒸発燃料を含む気体がベーパ通路71に流入する。ベーパ通路71の下流端部は、キャニスタ40に接続されている。ベーパ通路71を通過した気体がキャニスタ40に流入する。ベーパ通路71は、燃料タンク30内で発生した蒸発燃料含む気体を燃料タンク30からキャニスタ40に案内する。なお、本明細書では、燃料タンク30側を上流側とし、燃料タンク30と反対側(大気側)を下流側として説明している。
ベーパ通路71には封鎖弁12が設置されている。封鎖弁12は、ベーパ通路71を開閉する。封鎖弁12が開弁状態になると、ベーパ通路71内の蒸発燃料を含む気体が封鎖弁12を通過する。ベーパ通路71の上流側から下流側へ気体が通過する。封鎖弁12が閉弁状態になると、ベーパ通路71内の蒸発燃料を含む気体の流れが遮断される。封鎖弁12は、例えば、グローブ弁、ボール弁、ゲート弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁等である。封鎖弁12は、ステッピングモータ14によって動作する。
ステッピングモータ14は、封鎖弁12に取り付けられており、封鎖弁12を駆動する。変形例では、封鎖弁12にステッピングモータ14が内蔵されていてもよい。ステッピングモータ14は、封鎖弁12を開弁側及び閉弁側に動作させる。例えば、ステッピングモータ14のステップ数が増加すると封鎖弁12が開弁側に動作する。一方、ステッピングモータ14のステップ数が減少すると封鎖弁12が閉弁側に動作する。ステッピングモータ14は、パルス信号に基づいてステップ数が増減することにより回転角度が変化する構成である。ステッピングモータ14の1ステップの回転角度は、例えば0.72度である。封鎖弁12の開度は、ステッピングモータ14のステップ数に応じた開度になる。
ベーパ通路71には、更に、濃度センサ16が設置されている。濃度センサ16は、封鎖弁12とキャニスタ40の間に設置されている。変形例では、濃度センサ16が封鎖弁12と一体的に構成されていてもよい。濃度センサ16は、ベーパ通路71を通過する気体に含まれている蒸発燃料の濃度を検出する。濃度センサ16は、封鎖弁12よりも下流側かつキャニスタ40よりも上流側のベーパ通路71内の気体に含まれる蒸発燃料の濃度を検出する。濃度センサ16が蒸発燃料の濃度を検出すると、検出濃度の情報が制御部100に送られる。制御部100が検出濃度の情報を取得する。封鎖弁12よりも下流側におけるベーパ通路71内の蒸発燃料の濃度は、封鎖弁12が開弁状態になることにより上昇することがある。
次に、キャニスタ40について説明する。図2は、キャニスタ40の断面図である。図2に示すように、キャニスタ40は、ケース43と、複数のポート(タンクポート44と大気ポート45とパージポート46)とを備えている。ケース43と複数のポート(タンクポート44と大気ポート45とパージポート46)は、例えば樹脂から構成されている。ケース43と複数のポート(タンクポート44と大気ポート45とパージポート46)は、一体的に形成されている。
ケース43は、ケース本体50と隔壁53とを備えている。ケース本体50と隔壁53は、一体的に形成されている。隔壁53は、ケース本体50内に配置されており、ケース本体50内の空間を仕切っている。ケース本体50内の空間が隔壁53で仕切られることによって、ケース本体50内に第1室41と第2室42が形成されている。第1室41には第1吸着材10が収容されている。第2室42には第2吸着材20が収容されている。第1吸着材10と第2吸着材20については後述する。
第1室41は、第2室42よりも上流側(燃料タンク30側)に位置している(図1参照)。第1室41には、第1多孔板51と、一対の第1フィルタ61とが配置されている。第1多孔板51は、第1室41の下流端部に配置されている。第1多孔板51には、複数の孔(図示省略)が形成されている。第1室41を流れる気体が第1多孔板51に形成されている複数の孔を通過する。一対の第1フィルタ61は、第1室41の上流端部と下流端部に配置されている。一対の第1フィルタ61の間に第1吸着材10が挟まれている。各第1フィルタ61は、第1室41を流れる気体に含まれている異物を除去する。
第2室42は、第1室41よりも下流側(燃料タンク30と反対側(大気側))に位置している(図1参照)。第2室42には、第2多孔板52と、一対の第2フィルタ62とが配置されている。第2多孔板52は、第2室42の上流端部に配置されている。第2多孔板52には、複数の孔(図示省略)が形成されている。第2室42に流入する気体が第2多孔板52に形成されている複数の孔を通過する。一対の第2フィルタ62は、第2室42の上流端部と下流端部に配置されている。一対の第2フィルタ62の間に第2吸着材20が挟まれている。各第2フィルタ62は、第2室42を流れる気体に含まれている異物を除去する。
第1室41と第2室42の間には中間室47が形成されている。ケース本体50内の空間が第1多孔板51と第2多孔板52で仕切られることによって、ケース本体50内に中間室47が形成されている。
キャニスタ40のタンクポート44は、ケース43に形成されている第1室41と隣接する位置に設けられている。タンクポート44は、第1室41と連通している。また、タンクポート44には、ベーパ通路71の下流端部が接続されている。タンクポート44を通じてベーパ通路71と第1室41が連通している。ベーパ通路71を流れた気体がタンクポート44を通じて第1室41に流入する。
キャニスタ40の大気ポート45は、ケース43に形成されている第2室42と隣接する位置に設けられている。大気ポート45は、第2室42と連通している。また、大気ポート45には、大気通路72の上流端部が接続されている。大気ポート45を通じて第2室42と大気通路72が連通している。第2室42を流れた気体が大気ポート45を通じて大気通路72に流入する。
大気通路72の下流端部は、大気に開放されている(図1参照)。大気通路72を流れた気体が大気に放出される。また、後述する蒸発燃料の脱離を行う場合には、大気中の空気が大気通路72の下流端部から大気通路72に流入する。大気通路72に流入した空気は、大気通路72を流れて大気ポート45を通じてケース43に形成されている第2室42に流入する。大気通路72にはエアフィルタ75が配置されている。エアフィルタ75は、大気通路72に流入する空気に含まれている異物を除去する。
キャニスタ40のパージポート46は、ケース43に形成されている第1室41と隣接する位置に設けられている。パージポート46は、第1室41と連通している。また、パージポート46には、パージ通路73の上流端部が接続されている。パージポート46を通じて第1室41とパージ通路73が連通している。第1室41を流れた気体がパージポート46を通じてパージ通路73に流入する。
パージ通路73の下流端部は、吸気通路90に接続されている。パージ通路73を流れた気体が吸気通路90に流入する。パージ通路73にはパージ弁74が設置されている。パージ弁74は、パージ通路73を開閉する。パージ弁74が開弁状態であるときに気体がパージ通路73を流れる。パージ通路73にはポンプ(図示省略)が配置されていてもよい。
吸気通路90の上流端部は、大気に開放されている。大気中の空気が吸気通路90に流入する。吸気通路90の下流端部は、車両のエンジン92に接続されている。吸気通路90を流れた空気がエンジン92に流入する。
次に、第1吸着材10と第2吸着材20について説明する。第1吸着材10は、第1室41に充填されている。第1吸着材10は、例えば活性炭から構成されている。第1吸着材10を構成する活性炭は、蒸発燃料を吸着する能力を有している。蒸発燃料を含む気体が第1吸着材10を通過する過程で、気体に含まれている蒸発燃料の一部が活性炭に吸着される。また、活性炭に吸着された蒸発燃料は、空気が第1吸着材10を通過する過程で、活性炭から空気中に脱離する(すなわち、蒸発燃料がパージされる)。活性炭の形状は、例えば、ペレット状やモノリス状等である。活性炭としては、例えば、造粒炭や破砕炭等を用いることができる。活性炭としては、例えば、石炭系や木質系の活性炭を用いることができる。なお、変形例では、第1吸着材10が多孔性金属錯体から構成されていてもよい。
第2吸着材20は、第2室42に充填されている。第2吸着材20は、例えば多孔性金属錯体から構成されている。第2吸着材20を構成する多孔性金属錯体は、蒸発燃料を吸着する能力を有している。蒸発燃料を含む気体が第2吸着材20を通過する過程で、気体に含まれている蒸発燃料の一部が多孔性金属錯体に吸着される。また、多孔性金属錯体に吸着された蒸発燃料は、空気が第2吸着材20を通過する過程で、多孔性金属錯体から空気中に脱離する(すなわち、蒸発燃料がパージされる)。多孔性金属錯体の形状は、例えば、ペレット状、モノリス状や通気性を有する基材に塗布された状態の薄膜等である。なお、変形例では、第2吸着材20が活性炭から構成されていてもよい。
蒸発燃料処理装置1の制御部100は、例えば、CPU(図示省略)と、メモリ102(例えばROM、RAM)とを備えており、所定のプログラムに基づいて所定の制御や処理を実行する。制御部100は、ECU(Engine Control Unit)と呼ばれることもある。制御部100が実行する制御や処理については後述する。制御部100には、車両のエンジン92をオン/オフするイグニッションスイッチ105(以下「IGスイッチ」という)が接続されている。
(蒸発燃料処理装置1の動作)
(吸着処理)
次に、蒸発燃料処理装置1の動作について説明する。まず、蒸発燃料がキャニスタ40に吸着される吸着処理について説明する。ここでは、ベーパ通路71に設置されている封鎖弁12が開弁状態である場合の動作について説明する。上記の蒸発燃料処理装置1では、燃料タンク30内の燃料fから発生した蒸発燃料を含む気体が、燃料タンク30からベーパ通路71に流入する。ベーパ通路71に流入した蒸発燃料を含む気体は、開弁状態の封鎖弁12を通過してベーパ通路71の下流側へ流れる。その後、ベーパ通路71を通過した蒸発燃料を含む気体は、キャニスタ40のタンクポート44を通じてケース本体50内の第1室41に流入する。蒸発燃料を含む気体がベーパ通路71を通過する過程で、ベーパ通路71に設置されている濃度センサ16によって蒸発燃料の濃度が検出される。なお、封鎖弁12が閉弁状態である場合は、ベーパ通路71内の気体の流れが遮断される。
ベーパ通路71から第1室41に流入した蒸発燃料を含む気体は、第1室41に収容されている第1吸着材10を通過して中間室47に流入する。蒸発燃料を含む気体が第1吸着材10を通過する過程で、第1吸着材10が気体に含まれている蒸発燃料の一部を吸着する。第1吸着材10を構成する活性炭に蒸発燃料が吸着される。活性炭に吸着されなかった蒸発燃料が第1室41から中間室47に流入する。
第1吸着材10を通過して中間室47に流入した蒸発燃料を含む気体は、その後に第2室42に流入する。第2室42に流入した蒸発燃料を含む気体は、第2室42に収容されている第2吸着材20を通過して、大気ポート45を通じて大気通路72に流入する。蒸発燃料を含む気体が第2吸着材20を通過する過程で、第2吸着材20が気体に含まれている蒸発燃料の一部を吸着する。第2吸着材20を構成する多孔性金属錯体に蒸発燃料が吸着される。多孔性金属錯体に吸着されなかった蒸発燃料が第2室42から大気通路72に流入する。
第2吸着材20を通過して大気通路72に流入した蒸発燃料を含む気体は、その後に大気に放出される。第1吸着材10(例えば活性炭)と第2吸着材20(例えば多孔性金属錯体)に吸着されなかった蒸発燃料が大気に放出される。
(脱離処理)
次に、蒸発燃料がキャニスタ40から脱離する脱離処理について説明する。上記の蒸発燃料処理装置1では、パージ通路73に設置されているパージ弁74が開弁状態になると、気体がパージ通路73を通過可能な状態になる。また、蒸発燃料処理装置1が搭載されている車両のエンジン92が動作すると、吸気通路90を流れる空気がエンジン92に吸い込まれ、吸気通路90に負圧が発生する。そうすると、パージ通路73から吸気通路90に気体が流入する。それと共に、大気中の空気が大気通路72に流入する。大気通路72に流入した空気は、その後にキャニスタ40の大気ポート45を通じてケース本体50内の第2室42に流入する。第2室42に流入した空気は、第2室42に収容されている第2吸着材20を通過して中間室47に流入する。空気が第2吸着材20を通過する過程で、第2吸着材20に吸着されている蒸発燃料が第2吸着材20から空気中に脱離する。すなわち、蒸発燃料がパージされる。パージされた蒸発燃料を含む空気が第2室42から中間室47に流入する。
中間室47に流入した蒸発燃料を含む空気は、その後に第1室41に流入する。第1室41に流入した空気は、第1室41に収容されている第1吸着材10を通過して、パージポート46を通じてパージ通路73に流入する。空気が第1吸着材10を通過する過程で、第1吸着材10に吸着されている蒸発燃料が第1吸着材10から空気中に脱離する。すなわち、蒸発燃料がパージされる。パージされた蒸発燃料を含む空気が第1室41からパージ通路73に流入する。
パージ通路73に流入した蒸発燃料を含む空気は、その後にパージ通路73を通過して吸気通路90に流入する。吸気通路90に流入した蒸発燃料を含む空気がエンジン92に吸い込まれる。
(開弁開始位置特定処理;図3)
次に、蒸発燃料処理装置1で実行される処理について説明する。まず、開弁開始位置特定処理について説明する。図3は、開弁開始位置特定処理のフローチャートである。開弁開始位置特定処理は、例えば、蒸発燃料処理装置1が搭載されている車両のIGスイッチ105がオンになると開始される。IGスイッチ105は、例えば、車両の運転手がエンジン92のスタートボタンを押した場合にオンになる。
図3に示すように、開弁開始位置特定処理のS12では、制御部100が、ステッピングモータ14のイニシャライズを実行する。ステッピングモータ14のイニシャライズは、ステッピングモータ14のステップ数を減少させることにより(即ち、ステッピングモータ14をマイナス側に回転させることにより)ステッピングモータ14の初期値を設定する処理である。ステッピングモータ14のイニシャライズが実行されると、ステッピングモータ14の初期値が設定される。また、ステッピングモータ14のイニシャライズが実行されると、封鎖弁12が閉弁側に動作して閉弁状態になる。
続くS14では、制御部100が、ステッピングモータ14のイニシャライズが完了したか否かを判断する。イニシャライズが完了したか否かは、例えば、封鎖弁12を閉弁状態にするためにステッピングモータ14のステップ数を十分に減少させたか否かにより判断される。イニシャライズが完了した場合は、S14で制御部100がYESと判断してS16に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断して待機する。
S16では、制御部100が、車両の燃料タンク30に設置されている圧力センサ31の検出圧力(即ち、燃料タンク30内の圧力)を監視する。制御部100は、所定の時間(例えば、30秒間)にわたって圧力センサ31の検出圧力を監視する。続くS18では、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力の単位時間(例えば、1秒間)あたりの上昇量(kPa/sec)が所定の基準上昇量以上であるか否かを判断する。検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量以上である場合は、S18で制御部100がYESと判断してS20に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS22に進む。
圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量以上である場合は、燃料タンク30内の圧力の上昇速度が比較的速い状態である。この状態は、燃料タンク30内の燃料から発生する蒸発燃料の単位時間あたりの発生量が比較的多い状態である。即ち、燃料タンク30内の燃料が比較的蒸発し易い状態である。この状態は、例えば、高揮発状態と呼ぶことができる。
一方、圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量未満である場合は、燃料タンク30内の圧力の上昇速度が比較的遅い状態である。この状態は、燃料タンク30内の燃料から発生する蒸発燃料の単位時間あたりの発生量が比較的少ない状態である。即ち、燃料タンク30内の燃料が比較的蒸発し難い状態である。この状態は、例えば、低揮発状態と呼ぶことができる。
図3に示すように、S18でYESの後のS20では、制御部100が、高揮発時処理を実行する。即ち、燃料タンク30内の状態が高揮発状態である場合は、高揮発時処理を実行する。一方、S18でNOの後のS22では、制御部100が、低揮発時処理を実行する。即ち、燃料タンク30内の状態が低揮発状態である場合は、低揮発時処理を実行する。
(高揮発時処理;図4)
次に、高揮発時処理について説明する。図4は、高揮発時処理のフローチャートである。図4に示すように、高揮発時処理のS30では、制御部100が、ベーパ通路71を開閉する封鎖弁12を開弁側へ駆動する。より詳細には、制御部100が、封鎖弁12を駆動するステッピングモータ14のステップ数を例えば1ステップ増加させる。ステッピングモータ14のステップ数が例えば1ステップ増加すると、それに応じて封鎖弁12が開弁側に1ステップ分動作する。ステッピングモータ14のステップ数が増加してゆくと、ある時点で封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する。即ち、封鎖弁12が開弁開始位置に到達する。
S30の処理で封鎖弁12が開弁側に動作することにより、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化すると、ベーパ通路71内の蒸発燃料が封鎖弁12を通過し、ベーパ通路71の下流側に流入する。これにより、封鎖弁12よりも下流側のベーパ通路71内の蒸発燃料の濃度が上昇する。この場合は、ベーパ通路71に設置されている濃度センサ16の検出濃度が上昇する。一方、封鎖弁12が開弁側に動作したとしても封鎖弁12が依然として閉弁状態である場合は、濃度センサ16の検出濃度が上昇しない。
続くS32では、制御部100が、濃度センサ16から取得する情報に基づいて、濃度センサ16の検出濃度が所定の基準濃度以上であるか否かを判断する。即ち、制御部100が、封鎖弁12よりも下流側のベーパ通路71内の蒸発燃料の濃度が基準濃度以上であるか否かを判断する。濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上である場合は、S32で制御部100がYESと判断してS34に進む。そうでない場合(検出濃度が基準濃度未満である場合)は、制御部100がNOと判断してS40に進む。S32の基準濃度は、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化したことが認識できる程度の濃度である。
S32でYESの後のS34では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数が所定の下限ステップ数以上であるか否かを判断する。より詳細には、制御部100が、ステッピングモータ14のイニシャライズ後の初期値から現在までのステップ数が下限ステップ数(例えば、4ステップ)以上であるか否かを判断する。現在のステップ数が下限ステップ数以上である場合は、S34で制御部100がYESと判断してS36に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS42に進む。S42では、制御部100が、後述する再イニシャライズ処理を実行する。
S34でYESの後のS36では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数に基づいて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定する。より詳細には、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数に応じた封鎖弁12の現在の位置を特定し、その位置を開弁開始位置として特定する。封鎖弁12の開弁開始位置は、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する位置である。上記のS32でYESである場合は、上記のS30の処理によって封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化することにより、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満から基準濃度以上に変化する場合である。制御部100は、この時の封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定する。
また、S36では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数をメモリ102に記憶する。変形例では、制御部100が、現在のステップ数の直前(即ち、1ステップ前)のステップ数をメモリ102に記憶してもよい。制御部100が、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する直前(即ち、開弁開始位置の直前)のステップ数をメモリ102に記憶してもよい。また、S36では、制御部100が、封鎖弁12の開弁開始位置の特定が完了したことを示す完了フラグを設定してメモリ102に記憶する。
続くS38では、制御部100が、封鎖弁12を閉弁側に駆動して封鎖弁12を閉弁状態にする。より詳細には、制御部100が、ステッピングモータ14のステップ数を減少させる。ステッピングモータ14のステップ数が減少すると封鎖弁12が閉弁側に動作する。
上記のS32でNO(濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満である場合)の後のS40では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数が所定の上限ステップ数以上であるか否かを判断する。より詳細には、制御部100が、ステッピングモータ14のイニシャライズ後の初期値から現在までのステップ数が上限ステップ数(例えば、20ステップ)以上であるか否かを判断する。現在のステップ数が上限ステップ数以上である場合は、S40で制御部100がYESと判断してS42に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS30に戻る。S42では、制御部100が、後述する再イニシャライズ処理を実行する。
S30では、制御部100が、再び封鎖弁12を開弁側へ駆動する。より詳細には、制御部100が、再びステッピングモータ14のステップ数を例えば1ステップ増加させる。ステッピングモータ14のステップ数が例えば1ステップ増加すると、それに応じて封鎖弁12が開弁側に1ステップ分動作する。
封鎖弁12が開弁側に動作しても濃度センサ16の検出濃度が依然として基準濃度以上に変化しない場合は(S32でNO)、制御部100が、ステッピングモータ14のステップ数が上限ステップ数以上になるまでS30の処理を繰り返す(S40でNO、S30)。制御部100は、例えば、3秒間に1ステップの速度でステッピングモータ14のステップ数を増加させる。制御部100は、S30の処理を繰り返すことによりステッピングモータ14のステップ数が上限ステップ数に達した場合は、S40でYESと判断してS42に進む。S42では、制御部100が、後述する再イニシャライズ処理を実行する。以上、高揮発時処理について説明した。
(再イニシャライズ処理;図5)
次に、再イニシャライズ処理について説明する。図5は、再イニシャライズ処理のフローチャートである。図5に示すように、再イニシャライズ処理のS50では、制御部100が、メモリ102に再イニシャライズ履歴が存在するか否かを判断する。再イニシャライズ履歴は、過去にステッピングモータ14の再イニシャライズが実行されたことを示す情報である。メモリ102に再イニシャライズ履歴が存在する場合は、S50で制御部100がYESと判断してS52に進む。再イニシャライズ履歴が存在しない場合は、制御部100がNOと判断してS54に進む。
S52では、制御部100が、蒸発燃料処理装置1の部品に異常が生じていると判断する。例えば、封鎖弁12に異常が生じていると判断する。或いは、圧力センサ31や濃度センサ16に異常が生じていると判断する。S52の処理が終了すると、制御部100は、図3に示す開弁開始位置特定処理の「A」に戻り、開弁開始位置特定処理を終了する。
S50でNOの後のS54では、制御部100が、ステッピングモータ14の再イニシャライズを実行する。ステッピングモータ14の再イニシャライズが実行されると、ステッピングモータ14の初期値が再設定される。また、ステッピングモータ14の再イニシャライズが実行されると、封鎖弁12が再び閉弁側に動作して再び閉弁状態になる。
続くS56では、制御部100が、ステッピングモータ14の再イニシャライズが完了したか否かを判断する。再イニシャライズが完了した場合は、S56で制御部100がYESと判断してS58に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断して待機する。
S58では、制御部100が、再イニシャライズ履歴を設定してメモリ102に記憶する。再イニシャライズ履歴は、ステッピングモータ14の再イニシャライズが実行されたことを示す情報である。S58の処理が終了すると、制御部100は、図3に示す開弁開始位置特定処理の「B」に戻り、S16の処理を実行する。以上、再イニシャライズ処理について説明した。
(低揮発時処理;図6)
次に、上述した開弁開始位置特定処理(図3参照)のS18でNOの後の低揮発時処理について説明する。なお、低揮発時処理の説明において、上述した高揮発時処理(図4参照)と同様の処理については、対応する参照番号を付して詳細な説明を省略する場合がある。図6は、低揮発時処理のフローチャートである。図6に示すように、低揮発時処理のS70では、制御部100が、封鎖弁12を開弁側へ駆動する(S30参照)。
続くS72では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上であるか否かを判断する(S32参照)。濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上である場合は、制御部100がYESと判断してS74に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS86に進む。
S74では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数が下限ステップ数以上であるか否かを判断する(S34参照)。ステッピングモータ14の現在のステップ数が下限ステップ数以上である場合は、制御部100がYESと判断してS76に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS82に進む。S82では、制御部100が再イニシャライズ処理を実行する(S42参照)。
S74でYESの後のS76では、制御部100が、燃料タンク30に設置されている圧力センサ31から取得する情報に基づいて、圧力センサ31の検出圧力の低下量が所定の基準低下量以上であるか否かを判断する。即ち、制御部100が、燃料タンク30内の圧力の低下量が基準低下量以上であるか否かを判断する。
上記のS70の処理で封鎖弁12が開弁側に動作することにより、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化すると、ベーパ通路71内の蒸発燃料が封鎖弁12を通過し、ベーパ通路71の下流側に流入する。そうすると、燃料タンク30内の蒸発燃料がベーパ通路71内に流入して燃料タンク30内の圧力が低下する。これにより、圧力センサ31の検出圧力が低下する。圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上である場合は、S76で制御部100がYESと判断してS78に進む。例えば、基準低下量が1kPaである場合は、制御部100は、圧力センサ31の検出圧力が1kPa以上低下した場合にS76でYESと判断する。一方、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量未満である場合は、S76で制御部100がNOと判断してS84に進む。
S84では、制御部100が、圧力センサ31に異常が生じていると判断する。上記のS70の処理で封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する場合は、燃料タンク30内の圧力が低下し、圧力センサ31が正常であれば、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上になる(S76でYES)。そうでない場合は(S76でNO)、圧力センサ31に異常が生じていると判断することができる。
続くS78では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数に基づいて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(S36参照)。また、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数をメモリ102に記憶する(S36参照)。また、制御部100が、封鎖弁12の開弁開始位置の特定が完了したことを示す完了フラグを設定してメモリ102に記憶する(S36参照)。続くS80では、制御部100が、封鎖弁12を閉弁側に駆動して封鎖弁12を閉弁状態にする(S38参照)。
次に、上記のS72でNO(濃度センサ16の検出濃度が基準未満である場合)の後の処理について説明する。S72でNOの後のS86では、制御部100が、圧力センサ31から取得する情報に基づいて、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上であるか否かを判断する。圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上である場合は、S86で制御部100がYESと判断してS88に進む。そうでない場合(検出圧力の低下量が基準低下量未満である場合)は、制御部100がNOと判断してS96に進む。上記のS70の処理で封鎖弁12が開弁側に動作したとしても封鎖弁12が依然として閉弁状態である場合(開弁状態に変化しない場合)は、燃料タンク30内の圧力が低下せず、圧力センサ31の検出圧力が低下しない(或いは、低下したとしても低下量が少ない。)。この場合は、S86で制御部100がNOと判断する。
S86でYESの後のS88では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数が下限ステップ数以上であるか否かを判断する(S34参照)。ステッピングモータ14の現在のステップ数が下限ステップ数以上である場合は、制御部100がYESと判断してS92に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS94に進む。S94では、制御部100が再イニシャライズ処理を実行する(S42参照)。
S88でYESの後のS92では、制御部100が、濃度センサ16に異常が生じていると判断する。上記のS70の処理で封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する場合は、ベーパ通路71内の蒸発燃料が封鎖弁12を通過し、ベーパ通路71の下流側に流入することにより、濃度センサ16が正常であれば、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上になる(S72でYES)。そうでない場合は(S72でNO)、濃度センサ16に異常が生じていると判断することができる。
続くS78では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数に基づいて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(S36参照)。また、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数をメモリ102に記憶する(S36参照)。また、制御部100が、封鎖弁12の開弁開始位置の特定が完了したことを示す完了フラグを設定してメモリ102に記憶する(S36参照)。続くS80では、制御部100が、封鎖弁12を閉弁側に駆動して封鎖弁12を閉弁状態にする(S38参照)。
次に、上記のS86でNO(圧力センサ31の検出圧力が基準未満である場合)の後の処理について説明する。S86でNOの後のS96では、制御部100が、ステッピングモータ14の現在のステップ数が上限ステップ数以上であるか否かを判断する(S40参照)。現在のステップ数が上限ステップ数以上である場合は、制御部100がYESと判断してS94に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS70に戻る。S94では、制御部100が、再イニシャライズ処理を実行する(S42参照)。S70では、制御部100が、再びステッピングモータ14のステップ数を増加させることにより、封鎖弁12を再び開弁側へ動作させる(S30参照)。以上、低揮発時処理について説明した。
図3に示すように、開弁開始位置特定処理は、S20の高揮発時処理、又は、S22の低揮発時処理が終了した後に終了する。
(ケース1)
次に、具体的なケースについて説明する。まず、ケース1について説明する。図7は、蒸発燃料処理装置1の動作のタイミングチャートである。蒸発燃料処理装置1では、制御部100が、ステッピングモータ14のイニシャライズ(又は再イニシャライズ)を実行した後、圧力センサ31の検出圧力を監視する(図3のS12、S14でYES、S16参照)。そして、図7(a)に示すように、検出圧力の単位時間あたりの上昇量Yが所定の基準上昇量Z以上である場合は、制御部100が、高揮発時処理を実行する(図3のS16、S18でYES、S20参照)。
続いて、制御部100が、図7()に示すように、ステッピングモータ14の初期値からステップ数を増加させる(図4のS30、図6のS70等参照)。ステッピングモータ14のステップ数の増加に伴って、封鎖弁12が開弁側へ動作する。
図7(b)及び(c)に示すように、ステッピングモータ14のステップ数の増加に伴って封鎖弁12が開弁側に動作すると、あるステップXで封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する。封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化すると、図7(d)に示すように、濃度センサ16の検出濃度が上昇して、検出濃度が基準濃度未満から基準濃度以上に変化する(図4のS32でYES参照)。
制御部100は、高揮発時処理において、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満から基準濃度以上に変化した場合は、その時の封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定する。制御部100は、ステッピングモータ14のステップ数に基づいて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定する。制御部100は、ステッピングモータ14のステップ数をメモリ102に記憶する(図4のS36、S38参照)。制御部100は、封鎖弁12の開弁開始位置を特定した場合は、その後に、特定した開弁開始位置に基づいて封鎖弁12の開度を制御してもよい。封鎖弁12の開度は、封鎖弁12の開弁開始位置からのステッピングモータ14のステップ数によって定まる。
(ケース2)
次に、ケース2について説明する。制御部100は、図7(a)に示す圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量Yが所定の基準上昇量Z未満である場合は、低揮発時処理を実行する(図3のS18でNO、S22参照)。
図7(b)及び(c)に示すように、ステッピングモータ14のステップ数の増加に伴って封鎖弁12が開弁側に動作すると、あるステップXで封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する。封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化すると、図7(d)に示すように、濃度センサ16の検出濃度が上昇して、検出濃度が基準濃度未満から基準濃度以上に変化する(図6のS72でYES参照)。また、図7(a)に示すように、圧力センサ31の検出圧力が低下して、検出圧力の低下量ΔPが基準低下量ΔQ以上になる(図6のS76でYES参照)。
制御部100は、低揮発時処理において、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満から基準濃度以上に変化した場合は、その時の封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定する。制御部100は、ステッピングモータ14のステップ数に基づいて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定する。制御部100は、ステッピングモータ14のステップ数をメモリ102に記憶する(図6のS78、S80参照)。
制御部100は、低揮発時処理において、圧力センサ31の検出圧力に基づいて、封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定してもよい。制御部100は、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量未満から基準低下量以上に変化した場合は、その時の封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定してもよい。
(ケース3)
次に、ケース3について説明する。制御部100は、低揮発時処理において、図7(d)に示す濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上に変化する場合に、図7(a)に示す圧力センサ31の検出圧力の低下量ΔPが基準低下量ΔQ未満である場合は、圧力センサ31に異常が生じていると判断する(図6のS72でYES、S76でNO、S84参照)。
(ケース4)
次に、ケース4について説明する。制御部100は、低揮発時処理において、図7(a)に示す圧力センサ31の検出圧力の低下量ΔPが基準低下量ΔQ以上に変化する場合に、図7(d)に示す濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満である場合は、濃度センサ16に異常が生じていると判断する(図6のS72でNO、S86でYES、S92参照)。
この場合は、制御部100は、圧力センサ31の検出圧力に基づいて、封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定する。制御部100は、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量未満から基準低下量以上に変化した場合は、その時の封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定する(図6のS72でNO、S86でYES、S78参照)。
(ケース5)
次に、ケース5について説明する。制御部100は、高揮発時処理において、ステッピングモータ14のステップ数を上限ステップ数まで増加させたとしても濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満である場合は、再イニシャライズ処理を実行する(図4のS30、S32でNO、S40でYES、S42、図5参照)。
また、制御部100は、低揮発時処理において、ステッピングモータ14のステップ数を上限ステップ数まで増加させたとしても濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満であり、かつ、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量未満である場合は、再イニシャライズ処理を実行する(図6のS70、S72でNO、S86でNO、S96でYES、S94、図5参照)。
再イニシャライズ履歴が存在する場合は、蒸発燃料処理装置1の部品に異常が生じていると判断して、開弁開始位置特定処理を終了する(図5のS50でYES、S52、図3参照)。
以上、第1実施例の蒸発燃料処理装置1について説明した。上記の説明から明らかなように、蒸発燃料処理装置1は、封鎖弁12よりも下流側のベーパ通路71内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサ16を備えている。制御部100は、封鎖弁12が閉弁状態から開弁側に動作する場合に、濃度センサ16の検出濃度に基づいて、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する開弁開始位置を特定する(図4のS30、S32でYES、S36、図6のS70、S72でYES、S78参照)。
上記の構成によれば、封鎖弁12が閉弁状態から開弁状態に変化する開弁開始位置に到達すると、ベーパ通路71内の蒸発燃料が封鎖弁12を通過して封鎖弁12よりも下流側へ流れる。これにより濃度センサ16の検出濃度が変化するので、その検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することができる。この構成によれば、燃料タンク30内の圧力の影響を受けずに封鎖弁12の開弁開始位置を特定することができ、開弁開始位置を精度良く特定することができる。例えば、燃料タンク30内の燃料から蒸発燃料が発生し易い高揮発時には、蒸発燃料の発生速度が比較的速く、燃料タンク30内の圧力の上昇速度が比較的速くなる。そのため、封鎖弁12が開弁開始位置に到達したとしても、燃料タンク30内の圧力が上昇することがある。従来の構成では、燃料タンク30内の圧力に基づいているので、高揮発時には封鎖弁12の開弁開始位置を特定することが難しくなる。これに対して、上記の構成によれば、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定するので、燃料タンク30内の圧力の影響を受けずに、封鎖弁12の開弁開始位置を精度良く特定することができる。
上記の蒸発燃料処理装置1では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度が所定の基準濃度以上に変化するときの封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定する。この構成によれば、基準濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を精度良く特定することができる。
蒸発燃料処理装置1は、燃料タンク30内の圧力を検出する圧力センサ31を更に備えている。制御部100は、燃料タンク30内の圧力が所定の状態である場合において、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(図3のS18でYES、S20、図4のS30、S32でYES、S36参照)。
濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する構成は、燃料タンク30内の圧力の状態に応じて利用されると特に効果的である。例えば、燃料タンク30内の圧力の上昇速度が速くなる高揮発時に上記の構成が利用されることにより、燃料タンク30内の圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することが難しい状態であっても、燃料タンク30内の圧力の影響を受けずに封鎖弁12の開弁開始位置を精度良く特定することができる。また、上記の構成は、燃料タンク30内の圧力が高い高圧時に利用されても効果的である。
上記の蒸発燃料処理装置1では、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量以上である場合において、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(図3のS18でYES、S20、図4のS30、S32でYES、S36参照)。
圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量以上である場合は、燃料タンク30内の燃料から蒸発燃料が発生し易い高揮発時であると考えられる。この構成によれば、燃料タンク30内の圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することが難しい高揮発時であっても、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を精度良く特定することができる。また、高揮発時には、燃料タンク30内の燃料から発生する蒸発燃料がベーパ通路71に流入し易くなる。そのため、封鎖弁12が開弁開始位置に到達したときに濃度センサ16の検出濃度が上昇し易くなる。したがって、高揮発時には、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する構成が特に効果的である。
制御部100は、圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量未満である場合に、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(図3のS18でNO、S22、図6のS70、S86でYES、S78参照)。
圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量未満である場合は、高揮発時ではないと考えられる。この場合は、燃料タンク30内の圧力の影響が少ないので、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。この構成によれば、燃料タンク30内の圧力の状態に応じて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定するためのセンサを濃度センサ16と圧力センサ31の間で切り替えることができる。
制御部100は、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上に変化するときの封鎖弁12の位置を封鎖弁12の開弁開始位置として特定する。この構成によれば、基準低下量に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を精度良く特定することができる。
上記の蒸発燃料処理装置1では、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する場合に、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上に変化しない場合は、濃度センサ16が異常であると判断する(図6のS72でNO、S86でYES、S92、S78参照)。
制御部100が封鎖弁12の開弁開始位置を特定するときは、封鎖弁12が開弁状態に変化するときなので、本来であれば、それに応じて濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上に変化する。したがって、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度以上に変化しない場合は、濃度センサ16に何らかの異常が生じていると判断することができる。上記の構成よれば、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定すると共に、併せて濃度センサ16の異常を判断することができる。
上記の蒸発燃料処理装置1では、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量未満である場合において、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定し、その場合に圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上に変化しない場合は、圧力センサ31が異常であると判断する(図3のS18でNO、S22、図6のS72でYES、S76でNO、S84、S78参照)。
圧力センサ31の検出圧力の単位時間あたりの上昇量が基準上昇量未満である場合において、制御部100が封鎖弁12の開弁開始位置を特定するときは、本来であれば、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上に変化する。したがって、圧力センサ31の検出圧力の低下量が基準低下量以上に変化しない場合は、燃料タンク30内の圧力が低下しているにもかかわらず、圧力センサ31の検出圧力の低下量が足りない状態である。したがって、この場合は、圧力センサ31に何らかの異常が生じていると判断することができる。上記の構成よれば、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定すると共に、併せて圧力センサ31の異常を判断することができる。
制御部100は、封鎖弁12を動作させるステッピングモータ14のステップ数に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(図4のS36、図6のS78参照)。ステッピングモータ14のステップ数に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することにより、開弁開始位置を更に精度良く特定することができる。
制御部100は、ステッピングモータ14の初期値から封鎖弁12が開弁状態に変化するまでのステッピングモータ14のステップ数に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する(図3のS12、S14でYES、図4のS36、図6のS78参照)。この構成によれば、基準が明確になるので、封鎖弁12の開弁開始位置を更に精度良く特定することができる。なお、変形例では、ステッピングモータ14の現在値が既知である場合は、制御部100が、ステッピングモータ14の現在値から封鎖弁12が開弁状態に変化するまでのステッピングモータ14のステップ数に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。
制御部100は、封鎖弁12の特定した開弁開始位置に基づいて封鎖弁12の開度を制御する。この構成によれば、封鎖弁12の開度を正確に制御することができる。
上記の蒸発燃料処理装置1では、濃度センサ16が、封鎖弁12よりも下流側かつキャニスタ40よりも上流側のベーパ通路71内の蒸発燃料の濃度を検出する。この構成によれば、キャニスタ40に吸着される前の蒸発燃料の濃度を検出することができ、封鎖弁12を通過した蒸発燃料の濃度を精度良く検出することができる。そのため、封鎖弁12の開弁開始位置を精度良く特定することができる。
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上記の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
(変形例)
(1)上記の実施例では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度が基準濃度未満から基準濃度以上に変化するときの封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定していた。変形例では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度の上昇量が所定の基準上昇量未満から基準上昇量以上に変化するときの封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定してもよい。更なる変形例では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度の単位時間あたりの上昇量に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。
(2)上記の実施例は、制御部100が、高揮発時処理及び低揮発時処理を実行する構成であった。変形例では、制御部100が、高揮発時処理及び低揮発時処理のそれぞれに代えて、高圧時処理及び低圧時処理を実行してもよい。制御部100が、圧力センサ31の検出圧力が所定の基準圧力以上である場合に高圧時処理を実行し、圧力センサ31の検出圧力が基準圧力未満である場合に低圧時処理を実行してもよい。高圧時処理は、高揮発時処理(図4参照)と同様の処理である。低圧時処理は、低揮発時処理(図6参照)と同様の処理である。
(3)変形例では、制御部100が、高揮発時処理及び低揮発時処理のそれぞれに代えて、正圧時処理及び負圧時処理を実行してもよい。制御部100が、圧力センサ31の検出圧力が正圧である場合に正圧時処理を実行し、検出圧力が負圧である場合に負圧時処理を実行してもよい。正圧は大気圧以上の圧力であり、負圧は大気圧未満の圧力である。正圧時処理は、高揮発時処理(図4参照)と同様の処理である。負圧時処理は、低揮発時処理(図6参照)と同様の処理である。
負圧時処理では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定せずに、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。負圧時処理では、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力の上昇量が所定の基準上昇量以上に変化したときの封鎖弁12の位置を開弁開始位置として特定してもよい。
(4)変形例では、燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力以上である場合に、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。圧力センサ31の検出限界圧力は、圧力センサ31が検出可能な圧力の最大値である。燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力以上である場合は、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定することが難しくなる。そのため、この場合は、制御部100が、制御部100が濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する。この構成によれば、燃料タンク30内の圧力が過剰に高い場合であっても、封鎖弁12の開弁開始位置を精度良く特定することができる。なお、制御部100が濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する処理については、上述したので詳細な説明を省略する。
一方、燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力未満である場合は、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。制御部100が圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する処理については、上述したので詳細な説明を省略する。
また、燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力以上である場合であっても、その後に燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力未満に低下した場合は、制御部100が、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。例えば、燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力以上である場合に、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する処理を開始したとする。この場合に、例えば燃料タンク30の温度が低下する等によって燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力未満に低下したとする。その場合は、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定する処理を開始した場合であっても、その処理を終了して、圧力センサ31の検出圧力に基づいて封鎖弁12の開弁開始位置を特定してもよい。
(5)変形例では、燃料タンク30内の圧力が圧力センサ31の検出限界圧力以上である場合に、制御部100が、封鎖弁12を開弁して燃料タンク30内の圧力を減圧してもよい。この構成によれば、燃料タンク30の圧抜きをすることができ、燃料タンク30を保護することができる。
(6)変形例では、蒸発燃料処理装置1が、燃料タンク30内の温度を検出する温度センサ(図示省略)を備えていてもよい。制御部100が、高揮発時処理及び低揮発時処理のそれぞれに代えて、高温時処理及び低温時処理を実行してもよい。制御部100が、温度センサの検出温度が所定の基準温度以上である場合に高温時処理を実行し、検出温度が基準温度未満である場合に低温時処理を実行してもよい。高温時処理は、高揮発時処理(図4参照)と同様の処理である。低温時処理は、低揮発時処理(図6参照)と同様の処理である。
(7)上記の実施例では、ステッピングモータ14が封鎖弁12を駆動する構成であったが、変形例では、ステッピングモータ14とは異なる駆動機構が封鎖弁12を駆動する構成であってもよい。封鎖弁12の駆動機構は特に限定されない。
(8)上記の実施例では、IGスイッチ105がオンになる毎に開弁開始位置特定処理が実行されるが、この構成に限定されない。変形例では、IGスイッチ105がオフにされてからオンにされるまでの時間が短い場合は、開弁開始位置特定処理が実行されなくてもよい。更なる変形例では、例えば、IGスイッチ105が10回オンになる毎に1回の割合で開弁開始位置特定処理が実行されてもよい。
(9)変形例では、再イニシャライズ履歴が設定されてから所定の期間(例えば1ヶ月)が経過した場合に、再イニシャライズ履歴が消去されてもよい。
(第2実施例)
第2実施例の蒸発燃料処理装置1について図面を参照して説明する。図8は、第2実施例の蒸発燃料処理装置1の模式図である。図8に示すように、第2実施例の蒸発燃料処理装置1では、ベーパ通路71が、第1通路21と第2通路22とを備えている。また、ベーパ通路71に切替弁24が設置されている。第1通路21と第2通路22は、封鎖弁12よりも下流側において並列で配置されている。ベーパ通路71が切替弁24を介して第1通路21と第2通路22に分岐している。
第1通路21は、切替弁24からキャニスタ40のパージポート46に向けて延びている。第1通路21の上流端部が切替弁24に接続されている。第1通路21の下流端部がパージポート46に接続されている。第1通路21を通過した気体がパージポート46を介してキャニスタ40の第1室41に流入する。
第1通路21は、パージポート46に接続されているパージ通路73の一部と重複する重複通路23を備えている。第1通路21のパージポート46側の一部と、パージ通路73のパージポート46側の一部とが重複しており、両者が重複通路23を共有している。重複通路23の一端部がパージポート46に接続されており、重複通路23の他端部が第1通路21とパージ通路73に分岐している。重複通路23は、第1通路21の一部を構成すると共にパージ通路73の一部を構成する。
重複通路23には濃度センサ16が設置されている。濃度センサ16は、重複通路23を通過する気体に含まれている蒸発燃料の濃度を検出する。吸着処理時には、濃度センサ16が、第1通路21を通過する気体に含まれている蒸発燃料の濃度を検出する。脱離処理時には、濃度センサ16が、パージ通路73を通過する気体に含まれている蒸発燃料の濃度を検出する。濃度センサ16の検出濃度の情報は、制御部100に送られる。
ベーパ通路71の第2通路22は、切替弁24からキャニスタ40のタンクポート44に向けて延びている。第2通路22の上流端部が切替弁24に接続されている。第2通路22の下流端部がタンクポート44に接続されている。第2通路22を通過した気体がタンクポート44を介してキャニスタ40の第1室41に流入する。
切替弁24は、三方弁から構成されている。切替弁24は、第1通路21側と、第2通路22側とに切り替え可能に構成されている。切替弁24が第1通路21側に切り替わると、ベーパ通路71を流れる気体が第1通路21に流入する。第1通路21に流入した気体は、重複通路23を通過して、キャニスタ40のパージポート46を介して第1室41に供給される。蒸発燃料が第1通路21を通過してキャニスタ40に流入する状態を第1状態とする。
切替弁24が第2通路22側に切り替わると、ベーパ通路71を流れる気体が第2通路22を通過して、キャニスタ40のタンクポート44を介して第1室41に供給される。蒸発燃料が第2通路22を通過してキャニスタ40に流入する状態を第2状態とする。切替弁24は、第1状態と第2状態とを切り替え可能である。切替弁24が第2通路22側に切り替わると、キャニスタ40の第1室41からパージポート46を介してパージ通路73に流出する気体が重複通路23を通過する。
(切替処理;図9)
次に、切替処理について説明する。図9は、切替処理のフローチャートである。切替処理は、例えば、蒸発燃料処理装置1が搭載されている車両のIGスイッチ105がオンになると開始される。IGスイッチ105は、例えば、車両の運転手がエンジン92のスタートボタンを押した場合にオンになる。
図9に示すように、切替処理のS100では、制御部100が、開弁開始位置特定要求が設定されているが否かを判断する。開弁開始位置特定要求は、開弁開始位置特定処理(図3参照)を実行するための要求である。この要求は、例えば、車両のIGスイッチ105がオンになる毎に設定される。開弁開始位置特定要求が設定されている場合は、S100で制御部100がYESと判断してS102に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断して、続くS102及びS104をスキップしてS106に進む。
続くS102では、制御部100が、ベーパ通路71に設置されている切替弁24を第1通路21側(第1状態)に切り替える。切替弁24が第1通路21側に切り替わると、ベーパ通路71がキャニスタ40のパージポート46と連通する。なお、切替弁24が既に第1通路21側に切り替えられている場合は、制御部100は、その状態を維持する。
続くS104では、制御部100が、開弁開始位置特定処理(図3参照)を実行する。開弁開始位置特定処理では、制御部100が、ベーパ通路71の重複通路23に設置されている濃度センサ16の検出濃度に基づいて、封鎖弁12の開弁開始位置を特定する。開弁開始位置特定処理(図3参照)については、上述したので詳細な説明を省略する。
切替処理のS106では、制御部100が、脱離処理開始要求が設定されているが否かを判断する。脱離処理開始要求は、脱離処理を実行するための要求である。この要求は、例えば、所定の基準吸着量以上の蒸発燃料がキャニスタ40に吸着されたと判断される場合に設定される。例えば、前回の脱離処理から所定の時間が経過した場合や、前回の脱離処理から車両が所定の距離以上走行した場合に、脱離処理開始要求が設定される。また、圧力センサ31の検出圧力が所定の基準圧力以上である場合に脱離処理開始要求が設定されてもよい。なお、脱離処理開始要求は、パージ要求と呼ばれることもある。
脱離処理開始要求が設定されている場合は、S106で制御部100がYESと判断してS108に進む。そうでない場合は、制御部100が続くS108、S110及びS112をスキップしてS100に戻る。
続くS108では、制御部100が、完了フラグがメモリ102に記憶されているか否かを判断する。完了フラグは、封鎖弁12の開弁開始位置の特定が完了したことを示すフラグである。図4のS36又は図6のS78で完了フラグが設定された場合は、メモリ102に完了フラグが記憶されている。完了フラグがメモリ102に記憶されている場合は、S108で制御部100がYESと判断してS110に進む。そうでない場合は、制御部100が続くS110及びS112をスキップしてS100に戻る。
続くS110では、制御部100が、ベーパ通路71に設置されている切替弁24を第2通路22側(第2状態)に切り替える。切替弁24が第2通路22側に切り替わると、ベーパ通路71がキャニスタ40のタンクポート44と連通する。なお、切替弁24が既に第2通路22側に切り替えられている場合は、制御部100は、その状態を維持する。続くS112では、制御部100が、脱離処理を実行する。
(エンジン動作中脱離処理;図10)
次に、エンジン動作中脱離処理について説明する。図10は、エンジン動作中脱離処理のフローチャートである。図10に示すように、エンジン動作中脱離処理のS120では、制御部100が、車両のエンジン92が動作中であるか否かを判断する。エンジン92が動作中である場合は、S120で制御部100がYESと判断してS121に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断して処理を終了する。
続くS121では、制御部100が、パージ通路73に設置されているパージ弁74を開弁する。パージ弁74の開度は、S121では小さい状態に設定される。パージ弁74が開弁状態になると、パージ通路73を気体が通過可能な状態になる。
続くS122では、制御部100が、ベーパ通路71に設置されている封鎖弁12を開弁する。制御部100は、開弁開始位置特定処理(図9のS104、図3等参照)で特定した封鎖弁12の開弁開始位置に基づいて、封鎖弁12を開弁する。封鎖弁12の開度は、S122では小さい状態に設定される。エンジン動作中脱離処理では、切替弁24が第2通路22側に切り替えられている状態である(図9のS110参照)。そのため、封鎖弁12が開弁状態になると、ベーパ通路71を流れる蒸発燃料を含む気体が第2通路22を通過する。第2通路22を通過した気体は、キャニスタ40のタンクポート44を介して第1室41に流入する。第1室41に流入した蒸発燃料が第1室41内の第1吸着材10に吸着される。
パージ弁74と封鎖弁12が開弁状態で車両のエンジン92が動作すると、キャニスタ40に吸着されている蒸発燃料がキャニスタ40から脱離する脱離処理が開始される。脱離処理では、キャニスタ40から脱離した蒸発燃料を含む気体がパージ通路73を通過する。蒸発燃料を含む気体がパージ通路73を通過する過程で、パージ通路73の重複通路23に設置されている濃度センサ16によって蒸発燃料の濃度が検出される。エンジン動作中脱離処理のS124では、制御部100が、濃度センサ16の検出濃度に基づいて、パージ通路73内の蒸発燃料の濃度を特定する。なお、脱離処理については、上述したので詳細な説明を省略する。
続くS126では、制御部100が、S124で特定したパージ通路73内の蒸発燃料の濃度に基づいて、封鎖弁12の開度及びパージ弁74の開度を制御する。例えば、キャニスタ40に多量の蒸発燃料を吸着させる場合は、制御部100が封鎖弁12の開度を拡大する。また、例えば、エンジン92に多量の蒸発燃料を供給する場合は、制御部100がパージ弁74の開度を拡大する。封鎖弁12の開度及びパージ弁74の開度は、予め準備されているマップに基づいて設定されてもよい。このマップは、例えば、燃料タンク30内の圧力と、封鎖弁12及びパージ弁74の開度との関係が示されており、メモリ102に予め記憶されている。
続くS128では、制御部100が、脱離処理終了要求が設定されているが否かを判断する。脱離処理終了要求は、脱離処理を終了するための要求である。この要求は、例えば、キャニスタ40に吸着されている蒸発燃料が所定の基準吸着量未満であると判断される場合に設定される。例えば、脱離処理が開始されてから所定の時間が経過した場合や、脱離処理が開始されてから車両が所定の距離以上走行した場合に脱離処理終了要求が設定される。また、圧力センサ31の検出圧力が所定の基準圧力未満である場合に脱離処理終了要求が設定されてもよい。脱離処理終了要求が設定されている場合は、S128で制御部100がYESと判断してS130に進む。そうでない場合は、制御部100がNOと判断してS124に戻る。
続くS130では、制御部100が、封鎖弁12及びパージ弁74を閉弁する。以上より、エンジン動作中脱離処理が終了する。
以上、第2実施例について説明した。上記の説明から明らかなように、第2実施例の蒸発燃料処理装置1では、濃度センサ16が、封鎖弁12よりも下流側のベーパ通路71内の蒸発燃料の濃度と、パージ弁74よりも上流側のパージ通路73内の蒸発燃料の濃度とを検出可能である。この構成によれば、キャニスタ40に吸着される前の蒸発燃料の濃度と、キャニスタ40から脱離した後の蒸発燃料の濃度とを検出することができる。状況に応じてそれぞれの濃度を検出することができる。
蒸発燃料処理装置1は、封鎖弁12よりも下流側のベーパ通路71の一部と、パージ弁74よりも上流側のパージ通路73の一部とが重複している重複通路23を備えている。濃度センサ16は、重複通路23内の蒸発燃料の濃度を検出可能である。この構成によれば、重複通路23内の蒸発燃料の濃度を検出することにより、1つの通路で2つの濃度(キャニスタ40に吸着される前の蒸発燃料の濃度、及び、キャニスタ40から脱離した後の蒸発燃料の濃度)を検出することができる。
制御部100は、脱離処理時に濃度センサ16の検出濃度に基づいてパージ弁74の開度を制御する。パージ通路73内の蒸発燃料の濃度を濃度センサ16により検出する構成では、脱離処理時に蒸発燃料の濃度を濃度センサ16により直接的に検出することができる。そのため、図11に示すように、濃度センサ16によって蒸発燃料の濃度を早い段階で特定することができる。これにより、脱離処理時に濃度センサ16の検出濃度に基づいてパージ弁74の開度を早い段階で制御することができる。したがって、パージ弁74の開度を早い段階で拡大することができ、パージ量を早い段階で拡大することができる。
比較例として、パージ通路73内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサ16が無い構成では、脱離処理時に蒸発燃料の濃度を直接的に検出することができない。そのため、比較例では、制御部が、濃度センサ16の検出濃度と異なる指標(例えば燃料タンク30内の圧力やエンジン92の吸気量等)に基づいて蒸発燃料の濃度を推定しなければならない。その結果、比較例では、脱離処理時に蒸発燃料の濃度を早い段階で特定することができない。したがって、図11に示すように、パージ弁74の開度を早い段階で拡大することができず、パージ量を早い段階で拡大することができない。
以上より、第2実施例の蒸発燃料処理装置1では、図11に示すように、比較例よりも時間Tだけ早い段階でパージ弁74の開度を拡大することができ、領域Sだけパージ量を拡大することができる。
上記の蒸発燃料処理装置1では、ベーパ通路71が、封鎖弁12よりも下流側で分岐して並列で配置されている第1通路21と第2通路22とを備えている。蒸発燃料処理装置1は、蒸発燃料が第1通路21を通過してキャニスタ40に流入する第1状態と、蒸発燃料が第2通路22を通過してキャニスタ40に流入する第2状態とを切り替え可能な切替弁24を備えている。濃度センサ16は、第1通路21内の蒸発燃料の濃度を検出可能である。制御部100は、脱離処理時に切替弁24を第2状態に切り替える。
この構成によれば、脱離処理時に、燃料タンク30内の燃料から発生してキャニスタ40に吸着される蒸発燃料の濃度が濃度センサ16によって検出されないようにすることができる。脱離処理時に、キャニスタ40から脱離した蒸発燃料の濃度が濃度センサ16によって検出されるように切替弁24を切り替えることができる。また、脱離処理時に、第2通路22を通過した蒸発燃料をキャニスタ40で吸着することができる。
(変形例)
変形例では、重複通路23が存在しなくてもよい。図12に示すように、パージ通路73の上流端部が第1パージポート46aに接続されており、ベーパ通路71の第1通路21の下流端部が第2パージポート46bに接続されていてもよい。キャニスタ40の第1室41から第1パージポート46aを介してパージ通路73に蒸発燃料が流入する。一方、第1通路21から第2パージポート46bを介してキャニスタ40の第1室41に蒸発燃料が流入する。濃度センサ16は、ベーパ通路71の第1通路21と、パージ通路73とに跨って設置されていている。濃度センサ16は、第1通路21内の蒸発燃料の濃度と、パージ通路73内の蒸発燃料の濃度とを検出可能である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:蒸発燃料処理装置、10:第1吸着材、12:封鎖弁、14:ステッピングモータ、16:濃度センサ、20:第2吸着材、21:第1通路、22:第2通路、23:重複通路、24:切替弁、30:燃料タンク、31:圧力センサ、40:キャニスタ、43:ケース、44:タンクポート、45:大気ポート、46:パージポート、71:ベーパ通路、72:大気通路、73:パージ通路、74:パージ弁、81:燃料通路、82:燃料ポンプ、90:吸気通路、92:エンジン、100:制御部、105:イグニッションスイッチ

Claims (12)

  1. 燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料から発生する蒸発燃料が通過するベーパ通路と、
    前記ベーパ通路を開閉する封鎖弁と、
    前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサと、
    前記燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサと、
    制御部と、を備えており、
    前記封鎖弁が開弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過し、前記封鎖弁が閉弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過しない蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記圧力センサによって検出される前記燃料タンク内の圧力が所定の状態である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて、前記封鎖弁が前記閉弁状態から前記開弁状態に変化する開弁開始位置を特定し、
    前記圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量未満である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記圧力センサの検出圧力に基づいて前記開弁開始位置を特定する、蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記濃度センサの検出濃度が所定の基準濃度以上に変化するときの前記封鎖弁の位置を前記開弁開始位置として特定する、蒸発燃料処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量以上である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて前記開弁開始位置を特定する、蒸発燃料処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力の低下量が所定の基準低下量以上に変化するときの前記封鎖弁の位置を前記開弁開始位置として特定する、蒸発燃料処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力に基づいて前記開弁開始位置を特定する場合に、前記濃度センサの検出濃度が所定の基準濃度以上に変化しない場合は、前記濃度センサが異常であると判断する、蒸発燃料処理装置。
  6. 請求項からのいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記圧力センサの検出圧力の単位時間あたりの上昇量が所定の基準上昇量未満である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて前記開弁開始位置を特定し、その場合に前記圧力センサの検出圧力の低下量が所定の基準低下量以上に変化しない場合は、前記圧力センサが異常であると判断する、蒸発燃料処理装置。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記封鎖弁を動作させるステッピングモータを更に備えており、
    前記制御部は、前記ステッピングモータのステップ数に基づいて前記開弁開始位置を特定する、蒸発燃料処理装置。
  8. 請求項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記ステッピングモータの初期値から前記封鎖弁が前記開弁状態に変化するまでの前記ステッピングモータのステップ数に基づいて前記開弁開始位置を特定する、蒸発燃料処理装置。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、特定した前記開弁開始位置に基づいて前記封鎖弁の開度を制御する、蒸発燃料処理装置。
  10. 燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料から発生する蒸発燃料が通過するベーパ通路と、
    前記ベーパ通路を開閉する封鎖弁と、
    前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサと、
    前記ベーパ通路を通過した蒸発燃料が吸着される吸着材を備えているキャニスタと、
    前記キャニスタから脱離した蒸発燃料が通過するパージ通路と、
    前記パージ通路を開閉するパージ弁と、
    制御部と、を備えており、
    前記封鎖弁が開弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過し、前記封鎖弁が閉弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過しない蒸発燃料処理装置であって、
    前記ベーパ通路を通過した蒸発燃料が前記キャニスタに吸着される吸着処理と、前記キャニスタに吸着された蒸発燃料が前記キャニスタから脱離する脱離処理とを実行可能であり、
    前記制御部は、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて、前記封鎖弁が前記閉弁状態から前記開弁状態に変化する開弁開始位置を特定し、
    濃度センサは、前記封鎖弁よりも下流側かつ前記キャニスタよりも上流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度と、前記パージ弁よりも上流側の前記パージ通路内の蒸発燃料の濃度と、を検出可能であり、
    前記制御部は、前記脱離処理時に前記濃度センサの検出濃度に基づいて前記パージ弁の開度を制御し、
    前記ベーパ通路は、前記封鎖弁よりも下流側で分岐して並列で配置されている第1通路と第2通路とを備えており、
    蒸発燃料処理装置は、蒸発燃料が前記第1通路を通過して前記キャニスタに流入する第1状態と、蒸発燃料が前記第2通路を通過して前記キャニスタに流入する第2状態と、を切り替え可能な切替弁を更に備えており、
    前記濃度センサは、前記第1通路内の蒸発燃料の濃度を検出可能であり、
    前記制御部は、前記脱離処理時に前記切替弁を前記第2状態に切り替える、蒸発燃料処理装置。
  11. 請求項10に記載の蒸発燃料処理装置であって、
    前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路の一部と、前記パージ弁よりも上流側の前記パージ通路の一部とが重複している重複通路を更に備えており、
    前記濃度センサは、前記重複通路内の蒸発燃料の濃度を検出可能である、蒸発燃料処理装置。
  12. 燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料から発生する蒸発燃料が通過するベーパ通路と、
    前記ベーパ通路を開閉する封鎖弁と、
    前記封鎖弁よりも下流側の前記ベーパ通路内の蒸発燃料の濃度を検出する濃度センサと、
    前記燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサと、
    制御部と、を備えており、
    前記封鎖弁が開弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過し、前記封鎖弁が閉弁状態である場合に前記ベーパ通路内の蒸発燃料が前記封鎖弁を通過しない蒸発燃料処理装置であって、
    前記制御部は、前記圧力センサによって検出される前記燃料タンク内の圧力が前記圧力センサの検出限界圧力以上である場合において、前記封鎖弁が前記閉弁状態から開弁側に動作する場合に、前記濃度センサの検出濃度に基づいて、前記封鎖弁が前記閉弁状態から前記開弁状態に変化する開弁開始位置を特定する、蒸発燃料処理装置。
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