JP7341628B1 - レイアウト計画システム - Google Patents

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Abstract

【課題】什器が配設されるフロア内に所在する人、機器若しくは移動体の位置の入力作業を省力化する。【解決手段】什器の位置及び各什器の特性に関するデータを含む構造物情報を格納する格納部101と、フロア内に所在する人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素に関するデータを含む環境条件情報を格納する格納部103と、ユーザによるフロア内を移動する人、機器若しくは移動体が通行する動線の定義、及び当該動線に沿った人、機器若しくは移動体の通行量の定義の入力を受け付ける定義入力受付部104と、前記構造物情報、前記環境条件情報、前記定義入力受付部104で受け付けた定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列を基にシミュレートされる結果である、フロア内における各所の人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素を可視化して画面表示させる表示制御部105とを具備するシステムを構成した。【選択図】図3

Description

本発明は、複数の什器を配置したフロア内の環境、例えば無線通信の状態を仮想的に表示するシステムに関する。
オフィス等のフロアには、種々の什器、例えば机や椅子、収納家具、パーティション等が配置され、執務スペースやミーティングルーム、カフェスペース等が構築される。これにあたり、コンピュータを使用してレイアウトの計画や管理、提案等を行うことが試みられている。下記特許文献1には、複数の什器をフロア内に配置する際のレイアウトの基本計画を簡便に構築して可視化できるようにしたシステムが開示されている。
今日のオフィス、店舗、宿泊施設他各種の商業施設、病院等のフロアでは、携帯電話網の他、無線LAN(Local Area Network)やWiMAX(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等による無線通信が多用される。フロア内で複数人が複数の通信端末を使用する状況下では、各人または各通信端末がどの場所にあり、また無線LANルータその他の通信用アンテナをどの場所に配置しているかによって、無線通信を円滑に行い得る(接続でき、通信速度が速い)かそうでない(接続できない、または通信速度が遅い)かが変化する。それ故、什器及び通信アンテナのレイアウトが重要となる。
その他にも、フロア内で人や移動体が活動するにあたっては、騒音や空気環境(温度、湿度、CO2濃度、その他空気中の物質濃度(花粉、揮発性有機化合物、臭気物質、PM(Particulate Matter)等)、光環境(照明環境、明度、紫外線量等)等が問題になることがある。
オフィス等のフロアのレイアウトを計画する際には、上掲の環境要素を考慮することが望まれると言える。
特許第6880722号公報
人、機器若しくは移動体が活動するフロア内の環境を精度よくシミュレーションするためには、個々の人、機器若しくは移動体が現在どの位置にあるのか、その情報が不可欠となる。何故ならば、人、機器若しくは移動体の存在自体が、フロア内の環境に影響を与え得るからである。例えば、一つの無線LANルータと接続する通信端末の個数が増えるほど、通信速度・通信品質は低下する。一定のエリアに滞在する人の密度が増せば、その分だけ同エリアの空気中のCO2濃度が上昇する。
しかしながら、フロアにおける全ての人、機器若しくは移動体の現在位置をユーザが逐一手入力することは煩瑣な作業となる。とりわけ、対象のオフィス等の規模が大きく、フロアが広大であると、人数や機器数が顕著に増加し、それら全ての位置を具体的に手入力するのに多大な労力を費やすことになる。
本発明は、什器が配設されるフロア内に所在する人、機器若しくは移動体の位置の入力作業を省力化し、フロアのレイアウトの基本計画を簡便に構築、可視化できるようにすることを所期の目的とする。
本発明では、複数の什器を配置したフロア内の環境を仮想的に表示するものであって、フロア内に配置される一または複数の什器の位置及び各什器の特性に関するデータを含む構造物情報を格納する構造物情報格納部と、フロア内に所在する人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素に関するデータを含む環境条件情報を格納する環境条件情報格納部と、ユーザによるフロア内を移動する人、機器若しくは移動体が通行する動線の定義、及び当該動線に沿った人、機器若しくは移動体の通行量の定義の入力を受け付ける定義入力受付部と、前記構造物情報格納部に格納された構造物情報、前記環境条件情報格納部に格納された環境条件情報、前記定義入力受付部で受け付けた動線及び通行量の定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列、を基にシミュレートされる結果である、フロア内における各所の人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素を可視化してユーザに提示するべくディスプレイに画面表示させる表示制御部とを具備するレイアウト計画システムを構成した。
特に、本システムは、複数の什器を配置したフロア内での無線通信の状態を仮想的に表示するものであり、前記環境条件情報は、人が携行する通信端末、機器若しくは移動体と無線通信を行うためにフロア内に配置される一または複数のアンテナの位置及び各アンテナの特性に関するデータを含み、前記表示制御部は、前記構造物情報格納部に格納された構造物情報、前記環境条件情報格納部に格納された環境条件情報、前記定義入力受付部で受け付けた動線及び通行量の定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列、を基にシミュレートされる結果である、フロア内においてどの通信端末、機器若しくは移動体がどのアンテナと通信接続可能であるか、及び当該通信端末、機器若しくは移動体と当該アンテナとの間で実現可能な通信速度を同時に可視化してユーザに提示するべくディスプレイに画面表示させる。
本発明に係るレイアウト計画システムを構成するために用いられるプログラム(または、プログラム製品)は、コンピュータを、フロア内に配置される一または複数の什器の位置及び各什器の特性に関するデータを含む構造物情報を格納する構造物情報格納部、フロア内に所在する人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素に関するデータを含む環境条件情報を格納する環境条件情報格納部、ユーザによるフロア内を移動する人、機器若しくは移動体が通行する動線の定義、及び当該動線に沿った人、機器若しくは移動体の通行量の定義の入力を受け付ける定義入力受付部、並びに、前記構造物情報格納部に格納された構造物情報、前記環境条件情報格納部に格納された環境条件情報、前記定義入力受付部で受け付けた動線及び通行量の定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列、を基にシミュレートされる結果である、フロア内における各所の人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素を可視化してユーザに提示するべくディスプレイに画面表示させる表示制御部として機能させる。
本発明によれば、什器が配設されるフロア内に所在する人、機器若しくは移動体の位置の入力作業を省力化することができ、フロアのレイアウトの基本計画を簡便に構築、可視化できる。
本発明の一実施形態のシステムの全体構成を示す図。 同実施形態におけるシステムの主体となるコンピュータが有するハードウェア資源を示す図。 同実施形態のコンピュータの機能ブロック図。 同実施形態のコンピュータによるフロアの画面表示例を示す図。 同実施形態のコンピュータによるフロア及び什器のレイアウトの画面表示例を示す図。 同実施形態のコンピュータによるフロア及び什器のレイアウトの画面表示例を示す図。 同実施形態におけるフロアに配置される什器のユニット及びグループについて説明する図。 同実施形態において構造物情報格納部が格納する構造物情報の内容の一部を例示する図。 同実施形態において構造物情報格納部が格納する構造物情報の内容の一部を例示する図。 同実施形態において構造物情報格納部が格納する構造物情報の内容の一部を例示する図。 同実施形態において構造物情報格納部が格納する構造物情報の内容の一部を例示する図。 同実施形態において構造物情報格納部が格納する構造物情報の内容の一部を例示する図。 同実施形態において構造物情報格納部が格納する構造物情報の内容の一部を例示する図。 同実施形態において端末情報格納部が格納する端末情報の内容を例示する図。 同実施形態において環境条件情報格納部が格納する環境条件情報の内容を例示する図。 同実施形態においてユーザが行う操作の内容を説明する図。 同実施形態のシステムが自動生成する人若しくは通信端末の配置を例示する図。 同実施形態のシステムが自動生成する端末情報の内容を例示する図。 同実施形態においてユーザが行う操作の内容を説明する図。 同実施形態のシステムが自動生成する人若しくは通信端末の配置を例示する図。 同実施形態のシステムが自動生成する端末情報の内容を例示する図。 同実施形態のコンピュータによる無線通信環境のシミュレーション結果の画面表示例を示す図。 同実施形態のコンピュータによる無線通信環境のシミュレーション結果の画面表示例を示す図。 同実施形態のコンピュータによる無線通信環境のシミュレーション結果の画面表示例を示す図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態のレイアウト計画システムは、オフィス等のフロア内に複数の什器F及び複数の無線通信用のアンテナRを配置する無線通信環境の構築を支援するものである。本システムは、レイアウトの計画を行おうとするユーザが使用するコンピュータ1を主体として構成される。
ここで、通信アンテナRとは、フロア内に存在する通信端末Tとの間で無線通信を行い、それにより、テキストデータ、静止画像データ、動画像データ、音声データその他各種データを送信及び/または受信するための装置一般を言う。典型的には、無線LANルータや中継器(回線補償器)等である。あるいは、建物外の携帯電話網等用の基地局であることもある。加えて、人Hが使用する通信端末T自体が、ここに言う通信アンテナRとなることがある。テザリングやBluetooth等の近接通信で、ある通信端末Tが他の通信端末Tと無線通信を行い、またはいわゆるメッシュネットワークを構築することもあるからである。換言すれば、通信アンテナRの位置はフロア内で常に固定であるとは限られず、移動する可能性がある。
通信端末Tとは、フロア内で通信アンテナRとの間で無線通信を行うことが可能な機器または装置一般を言う。パーソナルコンピュータ(デスクトップ型コンピュータやラップトップ(ノートブック)型コンピュータ)、タブレット、ウェアラブルコンピュータ、スマートフォンに代表される携帯電話端末等はおしなべて、ここに言う通信端末Tに該当する。人Hが使用し若しくは携行するものの他、ロボットやドローン等の移動体も通信端末Tに該当し得る。通信端末Tの位置は、フロア内で常に不動・固定であるとは限られず、移動することがある。例えば、デスクトップ型コンピュータ等の比較的大形の機器は平時には移動しないが、携帯電話端末等は常に移動する可能性がある。
什器Fが配置され、複数人Hが滞在、行動または活動するフロアは、ビルの内部のように上下に複数の階層Vを有することがある。そして、ある階Vに所在する通信端末Tが、同じ階Vに設置されているアンテナRではなく、上の階Vまたは下の階Vに設置されたアンテナRと通信接続することも実際に起こる。本実施形態のレイアウト計画システムは、そのような階層Vを跨いだ通信のシミュレーション結果をも出力してユーザに提示することが可能である。
フロアの各階層Vに現存する什器F、建築物の躯体、天井や床等、通信端末T及び人H(人体)、アンテナRの配置は何れも、ある通信端末TとあるアンテナRとの間の通信接続の可否及び通信速度に影響を及ぼす。対象の通信端末Tが所在している階Vのそれらは勿論のこと、上の階Vや下の階Vにあるそれらもまた、通信接続の可否及び通信速度に影響を及ぼし得る。ある階V(に所在する通信端末T)と他の階V(に設置されたアンテナR)との間に介在する天井や床による、電磁波の反射や吸収は小さくない可能性がある。シミュレーションでは、他の階Vの什器F、建築物、人体等や電波干渉を総合的に考慮に入れて演算を実行する。さらに、フロア外からフロア内に伝搬する外来波を加味することも好ましい。
図1に示すように、本レイアウト計画システムのユーザの使用するコンピュータ1は、電気通信回線3を介して外部のコンピュータ2と接続し、当該コンピュータ2との間で情報通信を行うことができる。電気通信回線3の具体例としては、インターネット、公衆電話網、携帯電話網、PHS(Personal Handyphone System)網、公衆無線LANまたはWiMAXその他の移動体無線通信網のような、公開のネットワークが挙げられる。尤も、ユーザの使用するコンピュータ1と外部のコンピュータ2とを繋ぐ通信路の全体が公開ネットワークであるとは限らない。例えば、各コンピュータ1は、直接には非公開の有線LANまたは無線LANに接続しており、そのLANを経由して間接的にインターネット等の公開ネットワークに接続することがある。
コンピュータ1は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルコンピュータ、携帯電話端末等である。図2に示すように、コンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)1a、メインメモリ1b、補助記憶デバイス1c、操作入力デバイス1d、オーディオコーデック1e、ビデオコーデック1f、通信インタフェース1g、スピーカ1h、ディスプレイ1i、マイク1j、カメラ(イメージセンサ)1k等のハードウェア資源を備え、これらがコントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)1lにより制御されて連携動作するものである。
補助記憶デバイス1cは、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、その他である。操作入力デバイス1dは、手指で操作可能なタッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイスや、押下ボタン、キーボード等である。タッチパネル1dは、ディスプレイ1iの画面に重ねて設けられていることがある。オーディオコーデック1eは、マイク1jを介して入力される音声を符号化する一方、符号化されている音声データを復号化してスピーカ1hから音声出力する。ビデオコーデック1fは、CPU1aより受けた描画指示をもとに表示させるべき画面を生成しその画面信号をディスプレイ1iに向けて送出するGPU(Graphics Processing Unit)、画面や画像のデータを一時的に格納しておくビデオメモリ等を要素とする。オーディオコーデック1e、ビデオコーデック1fはそれぞれ、ハードウェアでなくソフトウェアとして実装することも可能である。
通信インタフェース1gは、電気通信回線3を介して外部のコンピュータ2と情報の授受を行うためのデバイスであって、無線LAN用のWi-Fi(登録商標)デバイスや移動体無線通信網用の無線デバイス、短距離通信用のBluetoothトランシーバ、Ethernet(登録商標)用のNIC(Network Interface Card)等である。これら以外に、USB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを実装することもある。
CPU1aによって実行されるべきプログラムは補助記憶デバイス1cに格納されており、プログラムの実行の際には補助記憶デバイス1cからメインメモリ1bに読み込まれ、CPU1aによって解読される。本実施形態では、既知のOS(Operating System)プログラムやこれに付帯する各種デバイスドライバプログラムが予めインストールされ、他のプログラムによるハードウェア資源の利用を仲介する。
コンピュータ1には、本実施形態のレイアウト計画システムを構築するために必要となるプログラムがインストールされる。なお、このプログラムは、ウェブサーバその他の外部のコンピュータ2から電気通信回線3を介して提供され、ウェブブラウザ上で起動する(ウェブブラウザにより解釈、実行される)、HTML(HyperText Markup Language)やJavaScript(登録商標)等で記述されたスクリプトであることがある。コンピュータ1は、プログラムに従い、図3に示す構造物情報格納部101、端末情報格納部102、環境条件情報格納部103、入力受付部104及び表示制御部105としての機能を発揮する。
構造物情報格納部101は、メインメモリ1bまたは補助記憶デバイス1cの所要の記憶領域を利用して、フロア内に配置される構造物の位置及び各構造物の特性に関するデータを含む構造物情報を格納する。構造物とは、什器FやそのユニットU若しくはブロックB、並びに、フロア(の階層V)を具現する建築物の躯体、柱、天井、床、壁その他建材等を言う。
図4ないし図6に示すように、本実施形態では、フロアの平面図M内の所望の区域を什器F等を配置するべきエリアAとして設定し、かつその各エリアA内に適した什器FのユニットU及び/または什器FのブロックB等の構造物を配置することができる。
図7に示すように、ユニットUとは、現実のフロアにおける所定寸法の空間に一または複数の什器Fを配置した状態である。そして、そのようなユニットUを複数連結したものを一つのブロックBと見なしている。一つのユニットUの現実のフロアにおける幅寸法及び奥行寸法は、例えば1500mm×1500mm、3000mm×1500mm、3000×3000mm、6000mm×3000mm、9000mm×4500mm等である。
図8A及び図8Bに示すように、構造物情報格納部101は、構造物情報の一部として、什器F(または、複数の什器FからなるユニットU若しくは複数のユニットUからなるブロックB)等の構造物毎に、その寸法、二次元画像データ、三次元立体データ(既存のCAD(Computer-Aided Design)アプリケーションソフトウェアが読み込んで処理できるようなデータ形式のファイルであることがある)、材質(その他、無線通信を媒介する電磁波に影響を与え得る特性)、品名や価格、種類、型番等のデータを、当該構造物を識別する識別子に関連づけて記憶保持する。各ブロックBについてのデータとしては、当該ブロックBの寸法、当該ブロックBに属する複数のユニットUのそれぞれの識別子、それら各ユニットUの当該ブロックB内での配置位置を規定する座標値及びそのユニットUのブロックB内での向き(東西南北どの方向を向くかや、方位角)等のデータを、当該ブロックBを識別する識別子に関連づけて記憶保持する。また、各ブロックB毎に、そのブロックBがどの種別のエリアAに適用可能であるかを規定する情報、即ちそのブロックBに属する什器Fがどの種別のエリアAに配置されるのにふさわしいのかを示す情報を、当該ブロックBの識別子に関連づけて記憶保持することがある。
また、図8C及び図8Dに示すように、構造物情報格納部101は、構造物情報の一部として、建築物の躯体、柱、梁、天井、床、壁その他建材等の構造物毎に、その寸法(厚さを含む)、二次元画像データ、三次元立体データ、材質(その他、無線通信を媒介する電磁波に影響を与え得る特性)、名称や種類等のデータを、当該構造物を識別する識別子に関連づけて記憶保持する。建築物の構成要素である構造物には、フロアの各階Vに所在する人Hの目に必ずしも触れない内側素材(例えば、床スラブ、柱や梁、壁等の被覆されない基体)と、人Hの目に触れる外側素材(例えば、床スラブ上に敷設される床パネルやカーペット、床スラブ下に支持される天井板、柱や梁、壁等の基体の外表面を被覆するクロス、壁紙、パネル等)とがある。並びに、構造物情報格納部101は、構造物情報の一部として、建築物が具現するフロアの各階V毎に、その寸法(東西方向(または、幅方向、左右方向)に沿った寸法、及び南北方向(または、奥行方向、前後方向)に沿った寸法)、天井高(当該階Vの床(床パネル)の上面から天井の下面までの上下寸法)、床高(当該階Vの床スラブの上面から床(床パネル)の上面までの高さ)、階高(当該階Vの床(床パネル)の上面から、そのすぐ上の階Vの床(床パネル)の上面、までの高さ)のデータを、当該階Vを識別する識別子に関連付けて記憶保持する。柱、梁、壁等の構造物については、構造物毎に、それが配設される階V、及び当該階V内での位置を規定する座標値や向き等を、当該構造物を識別する識別子に関連づけて記憶保持することがある。
上記に加えて、図9A及び図9Bに示すように、構造物情報格納部101は、構造物情報の一部として、什器FまたはユニットU若しくはブロックB等の構造物が配置される各エリアA毎に、そのエリアAが設定された階V、及び当該階V内で同エリアAの輪郭線Oを規定する複数の頂点Pの座標値を、当該エリアAを識別する識別子に関連づけた上で、メインメモリ1bまたは補助記憶デバイス1cに記憶保持する。そして、何れかの階VのエリアA内に配置される各什器FまたはユニットU若しくはブロックB等の構造物毎に、その配置位置を規定する座標値や向き、当該構造物が配置される階V及びエリアAを識別する識別子等を、当該構造物を識別する識別子に関連づけて記憶保持する。
構造物情報格納部101が格納する構造物情報は、外部のコンピュータ2から電気通信回線3を介してダウンロードされるものであることがある。
端末情報格納部102は、メインメモリ1bまたは補助記憶デバイス1cの所要の記憶領域を利用して、フロア内に所在する一または複数の人H、機器若しくは移動体の各々の位置に関するデータを含む端末情報を格納する。
図10に示すように、端末情報格納部102は、端末情報として、各通信端末Tまたは通信端末Tを携行する各人H若しくは各移動体毎、あるいは通信端末Tを携行しない人H毎に、そのフロア内での位置を規定する情報(どの階Vに所在するか、そして当該階V内での二次元または三次元位置座標)、当該通信端末Tが使用可能な通信方式若しくは通信規格(あるいは、周波数帯等)、当該通信端末Tによる無線通信の用途(電子メールや文書等のデータの送信若しくは受信なのか、音声通話なのか、ビデオ会議なのか、等)といったデータを、当該通信端末T、人H若しくは移動体の個体を識別する識別子に関連付けて記憶保持する。生身の人Hそれ自体は、フロア内で何れかのアンテナRとの間で無線通信することはないが、人体の存在がフロア内の無線通信環境(電波の伝搬、電界強度分布)に影響を与えることはあり得るので、当該人Hの位置情報を取得して用いることが高精度のシミュレーションのために有益である。
通信端末Tは、デスクトップ型コンピュータのように基本的にフロア内で位置が移動しないものであることもあれば、ラップトップ型コンピュータのように時に人Hによって持ち運ばれ移動するものであったり、スマートフォン等のように随時人Hとともに移動するものであったりすることもある。人Hも同様で、基本的にフロア内で移動しない(ある程度以上の時間同じ場所に居続ける)人Hもいれば、時々またはしばしばフロア内を移動する人Hもいる。移動する通信端末Tや人H、移動体については、その動線(移動経路)Cに沿って変位する現在位置の二次元または三次元座標の時系列のデータを、端末情報として有する。動線Cは、同一階V内で完結することもあれば、途中である階Vから他の階Vに遷移することもある。後者の場合、動線C上の現在位置の座標に、当該位置の所在する階Vの情報を付加することになる。
端末情報格納部102が格納する端末情報は、外部のコンピュータ2から電気通信回線3を介してダウンロードされるものであることがある。
環境条件情報格納部103は、メインメモリ1bまたは補助記憶デバイス1cの所要の記憶領域を利用して、フロア内に所在する人H、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素に関するデータを含む環境条件情報を格納する。本実施形態のシステムは、什器F及びアンテナRが配設されたフロアの無線通信環境のシミュレーション結果をユーザに提示するものである。そのため、環境条件情報格納部103は、環境条件情報として、フロア内に所在する通信端末Tと無線通信を行う一または複数のアンテナRの各々の位置、及び各アンテナRの特性に関するデータを含むアンテナ情報を格納する。
図11に示すように、環境条件情報格納部103は、アンテナ情報として、各アンテナR毎に、そのフロア内での位置を規定する情報(どの階Vに所在するか、そして当該階V内での二次元または三次元位置座標)、当該アンテナRが使用可能な通信方式または通信規格(あるいは、周波数帯等)、当該アンテナRから放射される無線通信用の電波強度(空中線電力(出力dBm))といったデータを、当該アンテナRを識別する識別子に関連付けて記憶保持する。
アンテナRは、無線LANルータや中継器等のようにフロア内で位置が移動しない固定のものであることもあれば、人Hが携行する通信端末Tのように移動するものであることもある。移動するアンテナRについては、その動線に沿って変位する現在位置の二次元または三次元座標の時系列のデータを、端末情報として有する。動線は、同一階V内で完結することもあれば、途中である階Vから他の階Vに遷移することもある。後者の場合、動線上の位置の座標に、当該位置の所在する階Vの情報を付加することになる。
また、フロア内で無線通信用の電磁波と干渉する外来波に係るデータを、アンテナ情報に含めてもよい。外来波の具体例として、電子レンジやコードレス電話機等が発する電磁波や、フロア外のアンテナその他のアクセスポイントが発する電磁波、フロア外からフロア内に侵入するレーダ波(気象レーダ、航空管制レーダ、船舶レーダ)等を挙げることができる。外来波に係るデータとして、その発信源の位置を規定する情報(フロア内またはフロア外におけるどの階Vに相当する高さに所在するか、発信源の当該階V内での二次元または三次元位置座標。什器Fが配置され人Hが活動するフロアから見て無限遠方またはそれに近い場所にあることがある)、当該発信源が使用する通信方式または通信規格(あるいは、周波数帯等)、当該発信源から放射される外来波の電波強度(空中線電力)または階層Vにおける外来波の到達範囲(例えば、外壁から3000mmまでの範囲、等)を、当該発信源を識別する識別子に関連付けて記憶保持する。
環境条件情報格納部103が格納する環境条件情報即ちアンテナ情報は、外部のコンピュータ2から電気通信回線3を介してダウンロードされるものであることがある。
入力受付部104は、ユーザの手による、上述の構造物情報、端末情報及び/または環境条件情報のうちの少なくとも一部または全部を入力するための操作を、操作入力デバイス1dを介して受け付ける。入力された情報は、構造物情報格納部101、端末情報格納部102または環境条件情報格納部103にそれぞれ格納することになる。
本システムにおける、端末情報の入力に関して補記する。フロア内の無線通信環境を精度よくシミュレーションするためには、個々の人Hや通信端末Tとして働く機器若しくは移動体が現在どの位置にあるのか、その時系列の情報が不可欠である。しかしながら、フロアにおける全ての人Hや機器、移動体の現在位置の時系列を、ユーザが逐一手入力することは極めて煩瑣な作業となる。とりわけ、対象のオフィス等の規模が大きく、フロアが広大であると、人数や機器数が顕著に増加し、それら全ての各時点での位置を具体的に手入力するのは事実上困難になる。
そこで、本実施形態では、入力受付部104の機能として、フロア内に所在する各人Hや各通信端末Tの現在位置の時系列そのものの入力を受け付けることに代えて、複数の人H若しくは通信端末Tの集合がフロア内でどのように振る舞い、またはフロア内のどこに散在するかの簡略な定義の入力を受け付ける。そして、その受け付けた定義に基づき、個々人H及び個々の通信端末Tのそれぞれの現在位置の時系列を、コンピュータ1においてプログラムに従い自動生成する。
フロア内を移動する人H(通信端末Tを所持し、または所持しない人H)や通信端末Tとなる移動体について、定義入力受付部104は、人H及び通信端末Tが通行する動線Cの定義、及び、その動線Cに沿った人H及び通信端末Tの通行量の定義の入力を受け付ける。動線Cの定義には、人Hや通信端末Tが移動する際に順次通過する複数の位置C1、C2、C3、C4の二次元または三次元座標が含まれる。例えば、図12に示すように、ユーザは、コンピュータ1のディスプレイ1iの画面に表示されたフロアの何れかの階層Vの平面図M上の複数の位置C1、C2、C3、C4を指定する操作を行う。それら複数の位置C1、C2、C3、C4を結ぶ直線または曲線が、一つの動線Cとなる。定義入力受付部104は、ユーザの手による各位置C1、C2、C3、C4を順次指定する入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付けるとともに、各位置C1、C2、C3、C4のフロア内での位置座標を動線Cの定義として知得する。図12中の位置C5、C6、C7、C8も同様で、これは位置C1、C2、C3、C4により定義される動線Cとは別の動線Cとなる。
併せて、ユーザは、先に設定した動線C上を移動する人Hや通信端末Tの通行量を規定する値を、ディスプレイ1iの画面に表示された入力欄(ボックス)N1に入力したり、プルダウンメニューの候補の中から選択したりする。通行量を規定する値の具体例としては、
・対象の動線Cに沿って同時に通行する人H若しくは通信端末Tの数(常時動線C上に存在する人H若しくは通信端末Tの数であることもあれば、平均して動線C上に存在する人H若しくは通信端末Tの数(瞬時的には対象の動線C上の人H若しくは通信端末Tの数が増減し得るが、時間平均すると当該人数が対象の動線Cを通行している)であることもある)
・対象の動線Cの通行を開始する人H若しくは通信端末Tが出現する周期(例えば、一分ないし数分、十分ないし数十分、一時間ないし数時間の所定長さの時間。一定周期であることもあれば、平均周期(ある一人H若しくは一つの通信端末Tが出現してから、次の一人H若しくは一つの通信端末Tが出現するまでの時間差が拡縮し得る)であることもある)
・単位時間(例えば、一分ないし数分、十分ないし数十分、一時間ないし数時間の所定長さの時間単位)毎の、対象の動線Cの通行を開始する人H若しくは通信端末Tが出現する確率(%)
等が考えられる。定義入力受付部104は、ユーザの手による通行量を規定する値の入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付けるとともに、その数値を対象の動線Cの通行量の定義として知得する。なお、ユーザが、複数の動線Cに対して一括・一律に同じ値を指定することもでき、その場合、定義入力受付部104は入力された値を対象となる複数の動線Cにおける通行量の定義として知得する。コンピュータ1は、各動線C毎の通行量の定義を、メインメモリ1b若しくは補助記憶デバイス1cに一時記憶する。
上記の他に、ユーザが、対象の動線C上を移動する人Hや通信端末Tが無線通信において使用する通信方式若しくは通信規格(あるいは、周波数帯等)、及び/または、人Hや通信端末Tによる無線通信の用途(アプリケーション。それが電子メールやチャットのような文字列通信なのか、音声通話なのか、ビデオ映像のやり取りなのか、等。あるいは、無線通信で消費する通信量(bps/秒))の定義を与えることがある。ここに言う定義には、動線C上で無線通信を行わない、即ち携行可能な通信端末Tを所持しない人Hという定義もあり得る。ユーザは、通信方式若しくは通信規格を規定する値(通信端末Tを所持しない人、という選択肢を含む)を、ディスプレイ1iの画面に表示された入力欄N2に入力したり、プルダウンメニューの候補の中から選択したりする。定義入力受付部104は、ユーザの手による値の入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付けるとともに、その値を対象の動線C上の人Hや通信端末Tが使用する通信方式若しくは通信規格の定義として知得する。なお、ユーザが、複数の動線Cに対して一括・一律に同じ通信方式若しくは通信規格を指定することもでき、その場合、定義入力受付部104は入力された値を対象となる複数の動線Cにおける通信方式若しくは通信規格の定義として知得する。コンピュータ1は、各動線C毎の通信方式若しくは通信規格の定義を、メインメモリ1b若しくは補助記憶デバイス1cに一時記憶する。
対象の動線C上を移動する人Hや通信端末Tの移動速度については、予め定められた所定値、または所定の値の範囲内でランダムに設定することとしてよい。オフィス等のフロア内で人H若しくは通信端末Tが移動する速度は、通常、大人の歩行の速さ程度と考えられる。対象の動線Cが複数の階層Vに跨がっている、即ちこの動線Cを通行する人Hや通信端末Tがその過程である階Vから別の階Vに移動するとき、その移動中の移動速度を、同一階V内を移動するときの移動速度とは異なる値に設定してもよい。例えば、階段の上り下りの速さや、エレベータにより階を移動する際の所要時間に応じた値とすることが考えられる。コンピュータ1が実行するプログラム上で人H若しくは通信端末Tの移動速度を設定しておけば、ユーザが手ずから移動速度の値を入力する手間が省ける。尤も、ユーザが移動速度を決定しその値を手入力する態様をとることを妨げるものではなく、その場合には、定義入力受付部104が、ユーザによる値の入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付け、その数値を対象の動線C上での人Hや通信端末Tの移動速度の定義として知得する。なお、ユーザが、複数の動線Cに対して一括・一律に同じ移動速度を指定することもでき、その場合、定義入力受付部104は入力された値を対象となる複数の動線Cにおける移動速度の定義として知得する。コンピュータ1は、各動線C毎の移動速度の定義を、メインメモリ1b若しくは補助記憶デバイス1cに一時記憶する。
コンピュータ1は、各動線Cを移動する複数の人H若しくは通信端末Tの各々について、その現在位置の二次元または三次元座標の時系列を、ユーザの手によらず自動で生成する。具体的には、図13に例示するように、ある動線Cについて、その動線Cに係る通行量の定義の条件を満たすように、通行する人H若しくは通信端末Tの仮想的な個体を順次設定する。各個体H、Tの動線C上での初期位置は、一定の位置または一定の複数の位置の何れかとしてもよいし、動線C上のランダムな位置としてもよい。各個体H、Tの初期位置を、それら個体H、T間の距離が略等間隔となるように定めることも一案である。または、ユーザが手ずから個体H、Tの初期位置(個体H、T毎に個別の初期位置でもよく、複数の複数の個体H、Tで共有する一または複数の初期位置でもよい)を指定する手入力を、定義入力受付部104を介して受け付けても構わない。各個体H、Tが動線C上で初期位置から移動する方向は、一定としてもよいし、ランダムとしてもよい。図13中に矢印で表しているように、順次生成する個体H、T毎に、その初期位置からの移動方向を交互に入れ替えてもよい。個体H,Tが対象の動線Cの始端または終端に到達したときには、当該個体H、Tの移動方向を反転させる(いわば、動線Cを往復する)こととしてもよく、当該個体H、Tを消滅させる(動線C上から消去する)こととしてもよい。何れにせよ、対象の動線C上に同時に存在する個体H、Tの数を、ユーザが入力した当該動線Cの通行量の定義に合致させる。
そして、コンピュータ1は、対象の動線C上にある各個体H、T毎について、単位時間毎に(例えば、一秒ないし数秒の所定長さの時間単位)その現在位置の座標を算定する。現在位置の算定にあたっては、動線Cに対して定義された人H若しくは通信端末Tの移動速度を参照し、各人H若しくは各通信端末Tの直近の過去の(現在時点から単位時間分だけ過去に遡った)時点の位置座標から動線Cに沿って移動速度分だけ変位した現在時点の位置座標を求める;そのような直近の過去の位置座標から現在の位置座標を演算する処理を反復することで、個々の人H若しくは通信端末の位置座標の推移の時系列を得る。既に述べた通り、対象の個体H、Tが同一階V内を移動する(当該個体H、Tの現在位置が動線C上のそのような場所にある)ときと、ある階Vから別の階Vに移動する(当該個体H、Tの現在位置が動線C上の階Vを跨ぐ場所にある)ときとで、当該個体H、Tの移動速度は異なる可能性がある。
このようにして、図14に例示するように、複数の動線Cの各々に沿って移動する複数の人Hや通信端末Tの個々の現在位置座標の時系列を得る。この時系列のデータは、端末情報として端末情報格納部102に格納する。本システムのユーザは、動線C毎にその定義(当該動線C上の複数の位置C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8)、人Hや通信端末Tの通行量、加えて必要に応じ通信方式若しくは通信規格等を入力するという簡易な操作のみで、多数の人H若しくは通信端末Tとなる移動体の現在位置の時系列をシミュレータに与えることができる。ユーザは、個々の人Hや端末Tの刻一刻と変化する多数の位置座標を逐一手入力する作業の負担を負わない。
自動生成され動線C上に配置される人Hは、皆が必ず通信端末Tを所持することとしてもよいし、通信端末Tを所持する人Hと所持しない人Hとが混在することとしてもよい。
また、フロア内を移動しない人H(通信端末Tを所持し、または所持しない人H)や通信端末Tとなる機器について、定義入力受付部104は、人H若しくは通信端末Tが滞在するフロア内のエリアA、及び当該エリアA内の人H若しくは通信端末Tの数若しくは滞在率の定義の入力を受け付ける。エリアAの定義には、対象のエリアAを識別する識別子、対象のエリアAの存在する階層V及び同エリアAの輪郭線Oを規定する複数の頂点Pの座標、または、対象のエリアAの種別を指定する(個々のエリアA自体を個別には指定しない)情報の何れかが含まれる。例えば、図15に示すように、ユーザは、コンピュータ1のディスプレイ1iの画面に表示されたフロアの何れかの階層Vの平面図M上の任意のエリアAを指定する操作、または任意のエリアAの種別を指定する操作を行う。エリアAの種別を指定する操作では、種別を規定する値を、ディスプレイ1iの画面に表示された入力欄に入力したり、プルダウンメニューの候補の中から選択したりする。定義入力受付部104は、ユーザの手による対象のエリアAまたは対象のエリアAの種別を指定する入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付け、対象のエリアAまたは種別を知得する。
併せて、ユーザは、先に指定したエリアA、または指定した種別に属している各エリアA内に滞在する人H若しくは通信端末Tの数若しくは滞在率を規定する値を、ディスプレイ1iの画面に表示された入力欄N3に入力したり、プルダウンメニューの候補の中から選択したりする。数若しくは滞在率を規定する値の具体例としては、
・対象のエリアA内の数(常時エリアA内に存在する人H若しくは通信端末Tの数であることもあれば、平均してエリアA内に存在する人H若しくは通信端末Tの数(瞬時的には対象のエリアA内の人H若しくは通信端末Tの数が増減し得るが、時間平均すると当該人数がエリアA内に存在する)であることもある)
・対象のエリアA内に人H若しくは通信端末Tが出現する周期(例えば、一分ないし数分、十分ないし数十分、一時間ないし数時間の所定長さの時間。一定周期であることもあれば、平均周期(ある一人H若しくは一つの通信端末Tが出現してから、次の一人H若しくは一つの通信端末Tが出現するまでの時間差が拡縮し得る)であることもある)
・対象のエリアA内に配置された什器(特に、チェア(椅子)またはデスク(机))Fの数に対する、同エリアA内に存在する人H若しくは通信端末Tの割合(在席率(また、は離席率)。在席率100%(離席率0%)は、エリアA内の全てのチェアまたはデスクFに人H若しくは通信端末Tが配置される(空席がない)ことを意味する。常時エリアA内に存在する人H若しくは通信端末Tの在席率であることもあれば、平均してエリアA内に存在する人H若しくは通信端末Tの在席率(瞬時的には対象のエリアA内の人H若しくは通信端末Tの在席率が増減し得るが、時間平均するとエリアA内に存在する人H若しくは通信端末Tの数が当該在席率に合う)であることもある)
等が考えられる。定義入力受付部104は、ユーザの手による人H若しくは通信端末Tの数若しくは滞在率を規定する値の入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付けるとともに、その数値を対象のエリアAにおける数若しくは滞在率の定義として知得する。なお、ユーザが、複数のエリアA(特に、同じ種別に属する複数のエリアA)に対して一括・一律に同じ値を指定することもでき、その場合、定義入力受付部104は入力された値を対象となる複数のエリアAにおける数若しくは滞在率の定義として知得する。コンピュータ1は、各エリアA毎の人H若しくは通信端末Tの数若しくは滞在率の定義を、メインメモリ1b若しくは補助記憶デバイス1cに一時記憶する。
上記の他に、ユーザが、対象のエリアA内に滞在する人Hや通信端末Tが無線通信において使用する通信方式若しくは通信規格(あるいは、周波数帯等)、及び/または、人Hや通信端末Tによる無線通信の用途の定義を与えることがある。ここに言う定義には、エリアA内で無線通信を行わない、即ち通信端末Tを所持しない人Hという定義もあり得る。ユーザは、通信方式若しくは通信規格を規定する値(通信端末Tを所持しない人、という選択肢を含む)を、ディスプレイ1iの画面に表示された入力欄N4に入力したり、プルダウンメニューの候補の中から選択したりする。定義入力受付部104は、ユーザの手による値の入力を操作入力デバイス(特に、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスやキーボード)1dを介して受け付けるとともに、その値を対象のエリアA内の人Hや通信端末Tが使用する通信方式若しくは通信規格の定義として知得する。なお、ユーザが、複数のエリアA(特に、同じ種別に属する複数のエリアA)に対して一括・一律に同じ通信方式若しくは通信規格を指定することもでき、その場合、定義入力受付部104は入力された値を対象となる複数のエリアAにおける通信方式若しくは通信規格の定義として知得する。コンピュータ1は、各エリアA毎の通信方式若しくは通信規格の定義を、メインメモリ1b若しくは補助記憶デバイス1cに一時記憶する。
コンピュータ1は、各エリアA内に滞在する複数の人H若しくは通信端末Tの各々について、その現在位置の二次元または三次元座標の時系列を、ユーザの手によらず自動で生成する。具体的には、図16に例示するように、あるエリアAについて、そのエリアAに係る数若しくは滞在率の定義の条件を満たすように、人H若しくは通信端末Tの仮想的な個体を順次設定する。各個体H、Tの対象のエリアAでの配置は、例えば、当該エリアAに配設された什器(特に、チェアまたはデスク)Fの位置座標に合わせる。そのために、対象のエリアAを識別する識別子に関連付けて構造物情報格納部101に格納している、当該エリアAに配設された什器Fに係る構造物情報を参照する。一例として、対象のエリアA内のチェアまたはデスクFの数が六基、滞在率が50%と定義されているならば、当該エリアA内の三基のチェアまたはデスクFに人H及び/または通信端末Tを配置することとし、それら人H及び/または通信端末Tの各々の位置座標を決定することになる。
このようにして、図17に例示するように、各エリアA毎にそのエリアA内に滞在する一または複数の人H若しくは通信端末Tのそれぞれの位置座標を得る。このデータは、端末情報として端末情報格納部102に格納する。本システムのユーザは、各エリアA毎に、または複数のエリアAを一括して、当該エリアA内の人H若しくは通信端末Tの数若しくは滞在率、加えて必要に応じ通信方式若しくは通信規格等を入力するという簡易な操作のみで、多数の人H若しくは通信端末Tとなる機器の配置位置をシミュレータに与えることができる。ユーザは、個々の人Hや端末Tの一つ一つの位置座標を手入力する作業の負担を負わない。
自動生成されエリアAに配置される人Hは、皆が必ず通信端末Tを所持することとしてもよいし、通信端末Tを所持する人Hと所持しない人Hとが混在することとしてもよい。
本システムの表示制御部105は、構造物情報、端末情報及び環境条件情報(アンテナ情報)を基にシミュレートされる結果である、フロア内においてどの通信端末TがどのアンテナRと通信接続可能であるか、及び当該通信端末Tと当該アンテナRとの間で実現可能な通信速度を、同時に可視化してユーザに提示するべくディスプレイ1iの画面に表示させる。
図18に、シミュレーション結果の画面表示例を示す。ディスプレイ1iの画面に表示する内容は、下記の(1)及び(2)の両方である。
(1)フロア内の各所に設置した各無線通信用アンテナRから放射される通信用の電波の強度及びそのフロア内での到達範囲を視覚的に表示したもの;図示例では、各アンテナRから拡散し三次元方向に球状に広がるパーティクル(ドット、点)Wで表現するようにしている。パーティクルWの間隔が広い(または、薄い)ほど、その位置における電波の強度が小さくなる。が、無論、表現形式はこれに限られず、各位置における電波の強度を色や濃度で表すサーモグラフィ的またはグラデーション的な表現でも構わない
(2)フロア内の各所において通信を行う各通信端末Tと、フロア内に設置したアンテナRとの間において、どの通信端末TとどのアンテナRとが通信接続可能であるか(ネットワークトポロジ)、及びそれら両者間で実現され得る通信速度(スループット(伝送速度、単位時間あたり送受信可能なデータ転送量)bps);図示例では、各通信端末Tと、当該通信端末Tが必要な無線通信接続を確立する際に電波を送受信する対象のアンテナRとの間を線Lで結び(即ち、トポロジを視覚化)、その線L上に通信速度を示唆するような(線Lに沿って行き交うように動く)光の点L1、L2をアニメーションで描画して、上り通信速度及び/または下り通信速度を示唆する。また、ある通信端末Tとこれと通信接続を確立するアンテナRとの間で用いられる通信方式若しくは通信規格を、線Lの色や太さ等によって表現する。が、無論、表現形式はこれに限られず、線Lの色や太さ等で通信速度を示唆してもよい。なお、既述の通り、いわゆる「メッシュネットワーク」を構築する場合、人Hが使用する通信端末T間(何れか少なくとも一方が無線通信用アンテナRとなる)での通信接続及び通信速度を示唆する表示を行うことがある
これらを表示するためのシミュレーション計算は、コンピュータ1内部で実行してもよいが、外部のコンピュータ2に委託することもある。後者の場合、格納している構造物情報、端末情報、環境条件情報をコンピュータ1からコンピュータ2に送信し、シミュレーション結果の情報をコンピュータ2から受信して、画面表示することになる。
シミュレーション方法は、既知の任意のものを採用してよい。(1)のシミュレーションでは、什器Fや建物の躯体、柱、壁、床建材等の構造物の位置や構造、厚み、材質等が、シミュレーション結果に影響を及ぼす可能性がある。特に、フロア内に配置した什器Fの寸法(一例として、ローパーティションとハイパーティションとでは電波の遮蔽の度合いが異なる)や材質(木製家具、スチール(鉄金属)家具、アルミ(非鉄金属)家具の何れかにより、電波の遮蔽の度合いが異なる)等が、シミュレーション結果に影響を及ぼす可能性がある。
また、無線ルータ等のアンテナRの設置位置(例えば、高さ。アンテナRを天井板に取り付けた場合には、広範囲を見通せるので電波が遮蔽されにくいが、テーブルや床上に置いた場合には遮蔽されやすくなる)や、当該無線ルータ等アンテナRが用いる通信規格若しくは周波数帯(一般に、周波数が高い=波長が短いほど回折しにくく遮蔽されやすい)、当該無線ルータ等から放射される電波出力強度が、シミュレーション結果に影響を及ぼす可能性がある。
並びに、オフィス等空間内で活動する人Hや移動体の存在が、シミュレーション結果に影響を及ぼす可能性がある(例えば、人体はいわば“水の袋”であり、高速無線通信によく用いられるマイクロ波ないしミリ波帯の電磁波のエネルギをよく吸収する。シミュレーションにおいては、通信端末Tを携行しまたは携行しない人Hを所定寸法の水の柱状体(円柱、角柱等)と仮定して、結果を計算することがある)。
(2)のシミュレーションでは、無線ルータ等が各通信端末Tとの間で用いる通信規格若しくは周波数帯により、各通信端末Tの通信速度即ちスループットが変化する可能性がある(例えば、IEEE802.11nは、レガシーな規格IEEE 802.11b/gよりも速い)。
また、通信端末Tが古いパーソナルコンピュータである場合等、当該通信端末Tが用いることのできる通信規格若しくは周波数帯が制限され、当該通信端末Tのスループットが変化する可能性がある。
当然、一基の無線ルータ等アンテナRと同時または同時期に無線通信しようとする通信端末Tの数により、各通信端末Tのスループットが変化する可能性がある。個々の通信端末Tは、電波が届く無線ルータ等アンテナRとの間でしか通信接続を確立できないので、一基の無線ルータ等アンテナRと同時または同時期に通信する通信端末Tの数は刻一刻と変化し得る。これをシミュレーションすることになろう。
各通信端末Tが実行しようとする無線通信の用途(アプリケーション。それが電子メールやチャットのような文字列通信なのか、音声通話なのか、ビデオ映像のやり取りなのか、等)により、各通信端末Tのスループットが変化する可能性がある。従って、シミュレーションに際しては、各通信端末Tが用いるアプリケーションの種別(または、通信負荷の程度)の情報を参照することになる。
その上で、人Hや通信端末T、アンテナRはフロア内を移動し得るので、刻々と移動するそれらの位置を基に、単位時間あたりの時系列的なシミュレーションを反復的に実行し、その結果をディスプレイ1iの画面にアニメーション表示することになる。
本実施形態のレイアウト計画システムによれば、フロア内にある什器Fその他構造物の影響を考慮して電波伝搬挙動をシミュレーションし、什器F等構造物とともに可視化してユーザに提示することができる。しかも、フロア内での通信トポロジ(どの通信端末TとどのアンテナRとが通信接続可能な状態になっているか、そのネットワーク)及び通信速度を同時に可視化してユーザに提示することができる。
実際に通信を利用する、通信端末Tを使用する人Hや移動体の存在位置またはその動き(移動の軌跡、移動の頻度や時間間隔)を表示できる。さらに言えば、それら各人Hや移動体による通信速度への影響を考慮したシミュレーション結果を表示するので、その時その時の通信挙動が明らかとなる。現実には、通信主体がどこに何人Hいるか、通信端末Tが何台あるか、それが移動する場合にどの程度の頻度やタイミングであるか(または、一基の無線LANルータ等アンテナRを何人Hが同時に共用するか)という分布が、定常的なまたは瞬時的な通信速度に大きな影響を与え得る。例えば、多くの人Hが集まっている場所の無線LANは遅くなる。本実施形態のシステムによれば、静的な電波強度分布のみならず、実際に人Hが使用する通信端末Tの数や分布及びそれによる影響が考慮された、通信の挙動をユーザに提示できる。つまり、動的なシナリオに沿って、ミリ秒毎に通信の実行がシミュレーションされ(通信端末Tと接続するアンテナRが自動的に切り替わる可能性や、通信端末TとアンテナRとの距離が変化することによる通信速度への影響、また通信端末Tのアプリケーションが要求する通信帯域幅(音声通話ならば然程通信帯域幅を圧迫しないが、ビデオ通話では通信帯域幅を多く取るので、その分他のスマホ等端末の通信速度が低下するかもしれない)、通信環境を時系列で評価し得る。
従って、本システムを利用するユーザにとって、什器F類やアンテナR等の配置レイアウトの基本計画を構築する際の作業が省力化される。
本システムは、複数の階層Vを包括したシミュレーションの結果を画面表示することもできる。図19及び図20に例示するように、表示制御部105は、上掲の構造物情報、端末情報及びアンテナ情報を基にシミュレートされる結果である、フロアの何れかの階Vにおいてどの通信端末Tが、他の階Vにあるものも含めどのアンテナRと通信接続可能であるか、及び当該通信端末Tと当該アンテナRとの間で実現可能な通信速度を、同時に可視化してユーザに提示するべくディスプレイ1iの画面に表示させる。
繰り返しになるが、ディスプレイ1iの画面に表示する内容は、下記の(1)及び(2)の両方である。
(1)フロアの階V内の各所に設置した各無線通信用アンテナRから放射される通信用の電波の強度及びその到達範囲を視覚的に表示したもの;図19に示す例では、各アンテナRから拡散し三次元方向に球状に広がるパーティクル(ドット、点)Wで表現するようにしている。パーティクルWの間隔が広い(または、薄い)ほど、その位置における電波の強度が小さくなる。特に、ある階Vに設置しているアンテナRから放射される電波の強度及び到達範囲を、その同一階V内に止まらず、上方の階V内及び/下方の階V内に至るまでシミュレーション計算し、その結果を出力することができる。
(2)フロアの階V内の各所において通信を行う各通信端末Tと、設置したアンテナRとの間において、どの通信端末TとどのアンテナRとが通信接続可能であるか(ネットワークトポロジ)、及びそれら両者間で実現され得る通信速度(スループット(伝送速度、単位時間あたり送受信可能なデータ転送量));図19及び図20に示す例では、各通信端末Tと、当該通信端末Tが必要な無線通信接続を確立する際に電波を送受信する対象のアンテナRとの間を線Lで結び(即ち、トポロジを視覚化)、その線L上に通信速度を示唆するような(線Lに沿って行き交うように動く)光の点L1、L2をアニメーションで描画して、上り通信速度及び/または下り通信速度を示唆する。また、ある通信端末Tとこれと通信接続を確立するアンテナRとの間で用いられる通信方式若しくは通信規格を、線Lの色や太さ等によって表現する。が、無論、表現形式はこれに限られず、線Lの色や太さ等で通信速度を示唆してもよい。特に、ある階Vに所在する通信端末Tが、その階Vとは異なる階Vに設置しているアンテナRと通信接続可能であるか否かをもシミュレーション計算し、通信接続可能である場合に、階Vを跨いでそれら通信端末TとアンテナRとを線Lで結ぶ。
また、図20に示しているように、フロアの各階Vにおける、各アンテナRから放射される通信用の電磁波の強度、換言すれば階V内の個々の位置で通信端末Tが享受できる通信速度の予想値(どの場所で高速・高品位(ノイズ、エラーが少ない)の通信が可能か、またはどの場所で通信速度・通信品質が低下するか、その程度)を、それぞれの位置の色や濃度で表すサーモグラフィ的またはグラデーション的な表現を行うことがある。
総括すると、本実施形態のレイアウト計画システムは、複数の什器Fを配置したフロア内の環境を仮想的に表示するものであって、フロアF内に配置される一または複数の什器Fの位置及び各什器Fの特性に関するデータを含む構造物情報を格納する構造物情報格納部101と、フロア内で活動する人H、機器または移動体(通信端末)Tの活動に影響を及ぼす要素(通信接続のトポロジ、通信速度といった通信接続環境)に関するデータを含む情報(端末情報、環境条件情報)を格納する端末情報格納部102、環境条件情報格納部103と、前記構造物情報格納部101に格納するべき構造物情報、前記端末情報格納部102に格納するべき端末情報、前記環境条件情報格納部103に格納するべき環境条件情報の入力を受け付ける入力受付部104と、前記構造物情報、前記端末情報及び前記環境条件情報を基にシミュレートされる結果である、フロア内における各所の人H、機器または移動体Tの活動に影響を及ぼす要素を可視化してユーザに提示するべくディスプレイ1iに画面表示させる表示制御部105とを具備するものである。
特に、端末情報は、人H、機器または移動体Tがフロア内を移動する場合の動線C及び移動速度を規定するデータを含み、前記表示制御部105は、時系列的に変化する、フロア内における各所の人H、機器または移動体Tの活動に影響を及ぼす要素を可視化してディスプレイ1iに画面表示させることができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。図3に示す各部の機能が複数のコンピュータに分散され、それらが協働することで本発明に係るレイアウト計画システムとして成立している態様を妨げない。
本発明に係るレイアウトシステムが可視化しようとする、フロア内における各所の人H、機器または移動体の活動に影響を及ぼす影響要素は、フロア内を移動可能な通信端末Tが享受する通信接続環境に限定されるものではない。考えられる影響要素の具体例を列挙すると、
・騒音。アンテナ情報に代えて、固定の音源(サウンドマスキング音源を含む)の位置座標や、人Hや移動体等の移動する音源の位置座標及び移動の軌跡の入力を受け付け、端末情報格納部102または環境条件情報格納部103に格納する。格納する情報には、各音源から発せられる騒音の周波数及び出力強度等が含まれ得る。その上で、什器F類による音波の吸収・反射・遮蔽を考慮したシミュレーション計算を実行し、フロア内の各所での騒音の大きさ(dB)を表示制御部が可視化して表示する
・空気環境(温度、湿度、CO2濃度、空気中の物質濃度(花粉、揮発性有機化合物、臭気物質、PM2.5他)等)。空気環境は、フロア内の人Hだけでなく、コンピュータやその他種々の機器に影響を及ぼし得る。アンテナ情報に代えて、熱源(暖房の吹き出し口、夏の窓ガラス、人体H、移動体、パーソナルコンピュータやコピー機等の放熱源等を含む)や冷熱源(冷房の吹き出し口、冬の窓ガラス等を含む)、湿度源(加湿器、除湿器、人体H)、CO2発生源(特に、人体H)、その他の物質の発生源(花粉等の侵入箇所)の位置座標及び移動の軌跡の入力を受け付け、端末情報格納部102または環境条件情報格納部103に格納する。熱源やCO2発生源等となる人Hや移動体等は、通信端末TやアンテナRの如く、フロア内を移動することがある。格納する情報には、熱源、冷熱源、湿度源、CO2発生源、その他の物質の発生源からの各々から発せられる影響の強さ・大きさ・量の度合い等が含まれ得る。その上で、什器F類による空気の流れや輻射熱の吸収・反射・遮蔽を考慮したシミュレーション計算を実行し、フロア内の各所での空気環境を表示制御部が可視化して表示する。
・光環境(照度や輝度、紫外線量等)。アンテナ情報に代えて、光源(照明やディスプレイ、紫外線が入ってくる窓等)の位置座標及び移動の軌跡の入力を受け付け、端末情報格納部102または環境条件情報格納部103に格納する。光源もまた、通信端末TやアンテナRの如く、フロア内を移動することがある。格納する情報には、各光源から発せられる光強度(光束、光量等)や光波長等が含まれ得る。その上で、什器F類による光の吸収・反射・遮蔽を考慮したシミュレーション計算を実行し、フロア内の各所での光環境を表示制御部が可視化して表示する
これらにより、どのような什器F類その他の配置(人員Hの配置数や配置場所を含む)が好適なオフィス等フロアを構築するためにふさわしいかを、簡便に試行錯誤できるようになるのである。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…コンピュータ
1d…操作入力デバイス
1i…ディスプレイ
101…構造物情報格納部
102…端末情報格納部
103…環境条件情報格納部
104…定義入力受付部
105…表示制御部
2…外部のコンピュータ
3…電気通信回線
A…フロア内のエリア
B…什器のユニットの集合であるブロック
C…動線
F…什器
H…人
L…通信端末が通信接続可能なアンテナを可視化する表現
L1、L2…実現可能な通信速度を可視化する表現
R…アンテナ
T…通信端末
U…什器の集合であるユニット
V…フロアの階(階層)

Claims (3)

  1. 複数の什器を配置したフロア内の環境を仮想的に表示するものであって、
    フロア内に配置される一または複数の什器の位置及び各什器の特性に関するデータを含む構造物情報を格納する構造物情報格納部と、
    フロア内に所在する人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素に関するデータを含む環境条件情報を格納する環境条件情報格納部と、
    ユーザによるフロア内を移動する人、機器若しくは移動体が通行する動線の定義、及び当該動線に沿った人、機器若しくは移動体の通行量の定義の入力を受け付ける定義入力受付部と、
    前記構造物情報格納部に格納された構造物情報、前記環境条件情報格納部に格納された環境条件情報、前記定義入力受付部で受け付けた動線及び通行量の定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列、を基にシミュレートされる結果である、フロア内における各所の人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素を可視化してユーザに提示するべくディスプレイに画面表示させる表示制御部と
    を具備するレイアウト計画システム。
  2. 複数の什器を配置したフロア内での無線通信の状態を仮想的に表示するものであり、
    前記環境条件情報は、人が携行する通信端末、機器若しくは移動体と無線通信を行うためにフロア内に配置される一または複数のアンテナの位置及び各アンテナの特性に関するデータを含み、
    前記表示制御部は、前記構造物情報格納部に格納された構造物情報、前記環境条件情報格納部に格納された環境条件情報、前記定義入力受付部で受け付けた動線及び通行量の定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列、を基にシミュレートされる結果である、フロア内においてどの通信端末、機器若しくは移動体がどのアンテナと通信接続可能であるか、及び当該通信端末、機器若しくは移動体と当該アンテナとの間で実現可能な通信速度を同時に可視化してユーザに提示するべくディスプレイに画面表示させる請求項1記載のレイアウト計画システム。
  3. 請求項1記載のレイアウト計画システムを構成するために用いられるものであって、コンピュータを、
    フロア内に配置される一または複数の什器の位置及び各什器の特性に関するデータを含む構造物情報を格納する構造物情報格納部、
    フロア内に所在する人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素に関するデータを含む環境条件情報を格納する環境条件情報格納部、
    ユーザによるフロア内を移動する人、機器若しくは移動体が通行する動線の定義、及び当該動線に沿った人、機器若しくは移動体の通行量の定義の入力を受け付ける定義入力受付部、並びに、
    前記構造物情報格納部に格納された構造物情報、前記環境条件情報格納部に格納された環境条件情報、前記定義入力受付部で受け付けた動線及び通行量の定義から自動生成された個々の人、機器若しくは移動体の現在位置の時系列、を基にシミュレートされる結果である、フロア内における各所の人、機器若しくは移動体の活動に影響を及ぼす要素を可視化してユーザに提示するべくディスプレイに画面表示させる表示制御部
    として機能させるプログラム。
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