JP7341074B2 - 交互共重合体、交互共重合体の製造方法、高分子化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が行われている。また、これらのエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEUV(極紫外線)や、EB(電子線)、X線などについても検討が行われている。
このような要求を満たすレジスト材料として、従来、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、を含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
例えば上記現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用によりベース樹脂の極性が増大して、レジスト膜の露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そのためアルカリ現像することにより、レジスト膜の未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。
一方で、このような化学増幅型レジスト組成物を、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いた溶剤現像プロセスに適用した場合、ベース樹脂の極性が増大すると相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下するため、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、レジスト膜の露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。このようにネガ型のレジストパターンを形成する溶剤現像プロセスをネガ型現像プロセスということがある。
例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分の場合、酸発生剤等から発生した酸の作用により分解して極性が増大する酸分解性基を含む構成単位が用いられ、その他、ラクトン含有環式基を含む構成単位、水酸基等の極性基を含む構成単位等が併用されている。
オニウム塩系酸発生剤としては、主に、カチオン部にトリフェニルスルホニウム等のオニウムイオンを有するものが用いられている。オニウム塩系酸発生剤のアニオン部には、一般的に、アルキルスルホン酸イオンやそのアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフッ素化アルキルスルホン酸イオンが用いられている。
特にEUV(極紫外線)又はEB(電子線)を露光する際、レジスト材料においては、酸拡散制御性が問題となる。酸拡散を制御するため、従来、高分子化合物の設計を種々変更する方法が提案されている。
例えば、特定の酸解離性官能基を有する高分子化合物を採用し、酸に対する反応性を向上させて、現像液に対する溶解性の向上が図られた、レジスト組成物等が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、上述したような従来のレジスト組成物においては、EUV等の露光光源に対して高感度化を図ると、所望のレジストパターン形状等が得られにくくなり、これらの特性をいずれも満足させることが困難であった。
しかし、本発明者らは検討により、EUV又はEBを露光光源としてレジストパターンを形成する際、従来の重合方法を用いてモノマーを交互共重合させて得られた前記高分子化合物、を含有するレジスト組成物を用いた場合に、リソグラフィー特性に悪影響が出やすい問題があることを確認した。
これに対し、ヒドロキシスチレン骨格が酸成分で脱保護可能な保護基で保護された構成単位と特定のイミド構造を有する構成単位とを共重合した後に、加水分解することにより、それぞれの保護基を脱保護することで得られた高分子化合物を採用することによって、リソグラフィー特性の改善が図れることを見出し、本発明を完成するに至った。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」又は「置換基を有してもよい」と記載する場合、水素原子(-H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(-CH2-)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明の第1の態様に係る交互共重合体は、上記一般式(a0-1)で表される構成単位(a0-1)と、上記一般式(a0-2)で表される構成単位(a0-2)と、を有することを特徴とする交互共重合体である。
構成単位(a0-1)は、下記一般式(a0-1)で表される構成単位である。
Rp01の炭素数1~5のアルキル基としては、炭素数1~5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rp01の炭素数1~5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1~5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rp01としては、水素原子、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
Vp01における2価の連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好適なものとして挙げられる。
Vp01が置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である場合、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
該脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
該直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1~10であることが好ましく、炭素数1~6がより好ましく、炭素数1~4がさらに好ましく、炭素数1~3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[-CH2-]、エチレン基[-(CH2)2-]、トリメチレン基[-(CH2)3-]、テトラメチレン基[-(CH2)4-]、ペンタメチレン基[-(CH2)5-]等が挙げられる。
該分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2~10であることが好ましく、炭素数3~6がより好ましく、炭素数3又は4がさらに好ましく、炭素数3が最も好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH3)-、-CH(CH2CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CH3)(CH2CH3)-、-C(CH3)(CH2CH2CH3)-、-C(CH2CH3)2-等のアルキルメチレン基;-CH(CH3)CH2-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH(CH2CH3)CH2-、-C(CH2CH3)2-CH2-等のアルキルエチレン基;-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2-等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
該構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個を除いた基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3~20であることが好ましく、炭素数3~12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1~5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、-O-、-C(=O)-O-、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-が好ましい。
該芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5~30であることが好ましく、炭素数5~20がより好ましく、炭素数6~15がさらに好ましく、炭素数6~12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子2つを除いた基(アリーレン基又はヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子2つを除いた基;前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子1つを除いた基(アリール基又はヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記のアリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1~4であることが好ましく、炭素数1~2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子及びハロゲン化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
Vp01がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、該連結基として好ましいものとして、-O-、-C(=O)-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-、-NH-C(=NH)-(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-、一般式-Y21-O-Y22-、-Y21-O-、-Y21-C(=O)-O-、-C(=O)-O-Y21-、-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-、-Y21-O-C(=O)-Y22-または-Y21-S(=O)2-O-Y22-で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m”は0~3の整数である。]等が挙げられる。
前記のへテロ原子を含む2価の連結基が-C(=O)-NH-、-C(=O)-NH-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=NH)-の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1~10であることが好ましく、1~8であることがさらに好ましく、1~5であることが特に好ましい。
一般式-Y21-O-Y22-、-Y21-O-、-Y21-C(=O)-O-、-C(=O)-O-Y21-、-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-、-Y21-O-C(=O)-Y22-または-Y21-S(=O)2-O-Y22-中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基)と同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基又はエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基又はアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1~3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
式-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-で表される基において、m”は0~3の整数であり、0~2の整数であることが好ましく、0又は1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-で表される基としては、式-Y21-C(=O)-O-Y22-で表される基が特に好ましい。中でも、式-(CH2)a’-C(=O)-O-(CH2)b’-で表される基が好ましい。該式中、a’は、1~10の整数であり、1~8の整数が好ましく、1~5の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1~10の整数であり、1~8の整数が好ましく、1~5の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
該環式基は、環状の炭化水素基であることが好ましく、該環状の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。また、Rp02及びRp03における環状の炭化水素基は、複素環等のようにヘテロ原子を含んでもよい。
Rp02及びRp03における芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
Rp02及びRp03における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香環から水素原子を1つ除いた基(アリール基:たとえば、フェニル基、ナフチル基など)、前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。
この構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、該ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンが挙げられる。
Rp02及びRp03の鎖状のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基として、具体的には、1-メチルエチル基、1,1-ジメチルエチル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基等が挙げられる。
Rp02及びRp03の鎖状のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、1-メチルビニル基、2-メチルビニル基、1-メチルプロペニル基、2-メチルプロペニル基等が挙げられる。
該多環式の環状イミド構造としては、環状イミドと、芳香族炭化水素基又は環状の脂肪族炭化水素基との縮合環、環状イミドと、環状の脂肪族炭化水素基とのスピロ環等が挙げられる。
環状イミドとして、具体的には、マレイミド、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミド、シクロヘキサ-3-エン-1,2-ジカルボキシミド、シクロヘキサン-1,2-ジカルボキシミド、ノルボルナン-1,2-ジカルボキシミド、5-ノルボルナン-2,3-ジカルボキシイミド、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド、ナジイミド等が挙げられる。
また、該環状イミドは、置換基を有していてもよい。
前記置換基としては、炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし芳香族炭化水素基でもよく、環状の炭化水素基でもよいし鎖状の炭化水素基でもよい。
Yp01におけるアルキレン基としては、置換基を有していてもよい炭素数1~8の直鎖状のアルキレン基が挙げられる。その中でも、具体的には、置換基を有してもよいエチレン基[-(CH2)2-]、置換基を有してもよいn-プロピレン基[-(CH2)3-]が好ましい。
前記置換基としては、炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし芳香族炭化水素基でもよく、環状の炭化水素基でもよいし鎖状の炭化水素基でもよい。その中でも、具体的には、メチル基、エチル基等の直鎖状の炭化水素基;フェニル基等の芳香族炭化水素基が好ましい。
前記置換基としては、上記アルキレン基が有してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
該多環式の環状イミド構造としては、環状イミドと、芳香族炭化水素基又は環状の脂肪族炭化水素基との縮合環、環状イミドと、環状の脂肪族炭化水素基とのスピロ環等が挙げられる。
前記環状イミドは、5員環又は6員環であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5~30であることが好ましく、炭素数5~20がより好ましく、炭素数6~15がさらに好ましく、炭素数6~12が特に好ましい。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
単環式基である脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式基である脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、ノルボルネン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
なお、原子価が許容する場合とは、破線と実線の二重線が二重結合となる場合、Ra011、Ra012のいずれか1つと、Ra013、Ra014のいずれか1つとは、存在しないことを意味する。
破線と実線の二重線は単結合又は二重結合を表す。ただし、破線と実線の二重線が二重結合となる場合は、Ra011又Ra012、及びRa013又はRa014は、存在しない。
構成単位(a0-1)の割合は、本実施形態の交互共重合体を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、5~95モル%が好ましく、10~90モル%がより好ましく、20~80モル%がさらに好ましい。
構成単位(a0-2)は、下記一般式(a0-2)で表される構成単位である。
Rp05におけるアルコキシ基としては、炭素数1~5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
Rp05におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
Rp05におけるハロゲン化アルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1~10であることが好ましく、炭素数1~6がより好ましく、炭素数1~4がさらに好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[-CH2-]、エチレン基[-(CH2)2-]、トリメチレン基[-(CH2)3-]、テトラメチレン基[-(CH2)4-]等が挙げられる。
前記分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2~10であることが好ましく、炭素数3~6がより好ましく、炭素数3又は4がさらに好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH3)-、-CH(CH2CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CH3)(CH2CH3)-、-C(CH3)(CH2CH2CH3)-、-C(CH2CH3)2-等のアルキルメチレン基;-CH(CH3)CH2-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH(CH2CH3)CH2-、-C(CH2CH3)2-CH2-等のアルキルエチレン基;-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2-等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。
構成単位(a0-2)の割合は、本実施形態の交互共重合体を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、5~95モル%が好ましく、10~90モル%がより好ましく、20~80モル%がさらに好ましい。
本発明の第2の態様は、下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程を含む、交互共重合体の製造方法である。
リビングラジカル重合は、ドーマント種とラジカル成長種との平衡によって停止反応がある程度抑制され、可逆的な交換反応によって分子量制御が可能となっている重合反応である。交換反応が重合反応に比べて非常に速く起こっていると、分子量分布の狭いポリマーが得られると考えられている。
リビングラジカル重合の例としては、ポリスルフィドなどの連鎖移動剤を用いるもの、コバルトポルフィリン錯体やニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化合物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合などが挙げられる。その中でも、原子移動ラジカル重合が好ましい。
前記原子移動ラジカル重合における有機ハロゲン化合物としては、α-ハロゲノカルボニル化合物、α-ハロゲノカルボン酸エステル等を使用することができる。その中でも、α-ハロゲノカルボン酸エステルが好ましく、その具体例として2-ブロモ-2-メチルプロパン酸エチル、2-ブロモプロピオン酸2-ヒドロキシエチル、2-クロロ-2,4,4-トリメチルグルタル酸ジメチル、2-クロロ-2-フェニル酢酸エチル等を挙げることができ、2-クロロ-2-フェニル酢酸エチルがより好ましい。
ルイス酸としては、アルミニウムトリイソプロポキシドやアルミニウムトリ(t-ブトキシド)等のアルミニウムトリアルコキシド;ビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノキシ)メチルアルミニウム、ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェノキシ)メチルアルミニウム等のビス(置換アリールオキシ)アルキルアルミニウム;トリス(2,6-ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のトリス(置換アリールオキシ)アルミニウム;チタンテトライソプロポキシド等のチタンテトラアルコキシドなどが挙げられる。その中でも、アルミニウムトリアルコキシドが好ましく、アルミニウムトリイソプロポキシドがより好ましい。
これらの溶剤は、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
前記原子移動ラジカル重合における反応時間は、通常、1~96時間、好ましくは1~48時間である。
本発明の第3の態様は、
(ia)下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程(以下、工程(ia)ともいう)と、
(iia)前記交互共重合体を加水分解して、下記一般式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体を得る工程(以下、工程(iia)ともいう)と、
(iiia)前記第1の高分子化合物前駆体と、下記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(Pre-1b-1)で表される第2の高分子化合物前駆体を得る工程(以下、工程(iiia)ともいう)と、
(iva)前記第2の高分子化合物前駆体を加水分解して、下記一般式(p1)で表される高分子化合物を得る工程(以下、工程(iva)ともいう)と、を含む、高分子化合物の製造方法である。
工程(ia)は、上記一般式(m0-1)で表される化合物と、上記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、上記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程であり、本発明の第2の態様の交互共重合体の製造方法で説明した内容と同様である。
工程(iia)は、上記一般式(p0)で表される交互共重合体を加水分解して、上記一般式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体(以下、「高分子化合物前駆体(Pre-1a)」という場合がある)を得る工程である。
酸成分は、特に限定されず、無機酸でもよいし、有機酸でもよい。
かかる酸成分としては、例えば、酢酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、マロン酸等の有機酸;硫酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸が挙げられる。
本実施形態の製造方法において、酸成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記交互共重合体と酸成分との反応時間は、特に限定されず、例えば1~72時間程度である。
工程(iiia)は、上記式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体(高分子化合物前駆体(Pre-1a))と、下記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(Pre-1b-1)で表される第2の高分子化合物前駆体(以下、「高分子化合物前駆体(Pre-1b-1)」という場合がある)を得る工程である。
高分子化合物前駆体(Pre-1a)と、上記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させる際の反応時間は、特に限定されず、例えば1~72時間程度である。
Ra11における、直鎖状のアルキル基は、炭素数1~5であることが好ましく、1~4がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n-ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
単環式基である脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式基である脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は、5~30が好ましく、炭素数5~20がより好ましく、炭素数6~15がさらに好ましく、炭素数6~12が特に好ましい。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
Ra001における芳香族炭化水素基として具体的には、前記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基又はヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環に結合するアルキレン基の炭素数は、1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
ここで、RP1は、炭素数1~10の1価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基、又は炭素数6~30の1価の芳香族炭化水素基である。RP2は、単結合、炭素数1~10の2価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3~20の2価の脂肪族環状飽和炭化水素基、又は炭素数6~30の2価の芳香族炭化水素基である。但し、RP1及びRP2の鎖状飽和炭化水素基、脂肪族環状飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。上記脂肪族環状飽和炭化水素基は、上記置換基を1種単独で1つ以上有していてもよいし、上記置換基のうち複数種を各1つ以上有していてもよい。
炭素数1~10の1価の鎖状飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
炭素数3~20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式脂肪族飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニル基、アダマンチル基等の多環式脂肪族飽和炭化水素基が挙げられる。
炭素数6~30の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環から水素原子1個を除いた基が挙げられる。
RP2における、炭素数1~10の2価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3~20の2価の脂肪族環状飽和炭化水素基、炭素数6~30の2価の芳香族炭化水素基としては、上述の1価の各炭化水素基から、さらに水素原子1個を除いた基が挙げられる。
一方、Ra002とRa003とが互いに結合せず、独立した炭化水素基である場合、下記一般式(a1-r2-4)で表される基が好適に挙げられる。
Ra031、Ra032及びRa033における、分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3~10であることが好ましく、3~5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、2,2-ジメチルブチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが好ましい。
Ra031、Ra032及びRa033における、鎖状もしくは環状のアルケニル基は、炭素数2~10のアルケニル基が好ましい。
単環式基である脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式基である脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
「極性基を有する炭化水素基」とは、炭化水素基を構成するメチレン基(-CH2-)を極性基で置換しているもの、又は、炭化水素基を構成する少なくとも1つの水素原子が極性基に置換しているものをいずれも包含する。
かかる「極性基を有する炭化水素基」としては、下記一般式(a1-p1)で表される官能基が好ましい。
Ra07の炭素数は、2~12であり、炭素数2~8が好ましく、炭素数2~6がより好ましく、炭素数2~4がさらに好ましく、炭素数2が特に好ましい。
Ra07における炭化水素基は、鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基が好ましく、鎖状の炭化水素基がより好ましい。
Ra07としては、例えば、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐鎖状アルカンジイル基;シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基;ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素基等挙げられる。
上記の中でも、アルカンジイル基が好ましく、直鎖状アルカンジイル基がより好ましい。
Ra08としては、例えば、-O-、-C(=O)-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-、-NH-C(=NH)-(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-等が挙げられる。
これらの中でも、現像液に対する溶解性の点から、-O-、-C(=O)-O-、-C(=O)-、-O-C(=O)-O-が好ましく、-O-、-C(=O)-が特に好ましい。
Ra06の炭素数は、1~12であり、現像液に対する溶解性の点から、炭素数1~8が好ましく、炭素数1~5がより好ましく、炭素数1~3がさらに好ましく、炭素数1又は2が特に好ましく、1が最も好ましい。
鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2-アルキルアダマンタン-2-イル基、1-(アダマンタン-1-イル)アルカン-1-イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等が挙げられる。
以下の式中、*は、第4級炭素原子(Ya0)に結合する結合手である。
XaがYaと共に形成する環状の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、上記一般式(Add-1)中のRa001における環状の炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(a1-r2-2)中、Ra01~Ra03における、炭素数1~10の1価の鎖状飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
Ra01~Ra03における、炭素数3~20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式脂肪族飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニル基、アダマンチル基等の多環式脂肪族飽和炭化水素基等が挙げられる。
式(a1-r2-3)中、Ra04における芳香族炭化水素基としては、炭素数5~30の芳香族炭化水素環から水素原子1個以上を除いた基が挙げられる。中でも、Ra04は、炭素数6~15の芳香族炭化水素環から水素原子1個以上を除いた基が好ましく、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン又はフェナントレンから水素原子1個以上を除いた基がより好ましく、ベンゼン、ナフタレン又はアントラセンから水素原子1個以上を除いた基がさらに好ましく、ベンゼン又はナフタレンから水素原子1個以上を除いた基が特に好ましく、ベンゼンから水素原子1個以上を除いた基が最も好ましい。
Ra’12及びRa’13は、中でも、水素原子、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、炭素数1~5のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記Ra’12及びRa’13で表される鎖状飽和炭化水素基が置換されている場合、その置換基としては、例えば、上述のRa05と同様の基が挙げられる。
単環式基である脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式基である脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
Ra’14が有していてもよい置換基としては、Ra04が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(a1-r2-4)中のRa’14がアントリル基である場合、前記式(a1-r2-4)における第3級炭素原子と結合する位置は、アントリル基の1位、2位又は9位のいずれであってもよい。
なお、上記式(Pre-1b-1)中、-C(Ra001)(Ra002)(Ra003)は酸解離性基(第3級アルキルエステル型酸解離性基)である。「酸解離性基」とは、(i)酸の作用により、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基、又は、(ii)酸の作用により一部の結合が開裂した後、さらに脱炭酸反応が生じることにより、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る基、の双方をいう。
具体的には、上記式(Pre-1b-1)中の-C(Ra001)(Ra002)(Ra003)の第3級炭素原子と、該第3級炭素原子に隣接する酸素原子と、の間の結合が開裂して-C(Ra001)(Ra002)(Ra003)が解離し、極性の高いカルボキシ基が生じて極性が増大する。
工程(iva)は、前記高分子化合物前駆体(Pre-1b-1)を加水分解して、上記一般式(p1)で表される高分子化合物(以下、「高分子化合物(p1)」という場合がある)を得る工程(以下、工程(iva)ともいう)である。
塩基成分は、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
本実施形態の製造方法において、塩基成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子化合物前駆体(Pre-1b-1)と塩基成分との反応時間は、特に限定されず、例えば1~24時間程度である。
上記一般式(p1)におけるRa001、Ra002及びRa003は、上記式(Add-1)の炭化水素基として説明した内容と同様である。
本発明の第4の態様は、
(ib)下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程(以下、工程(ib)ともいう)と、
(iib)前記交互共重合体を加水分解して、下記一般式(Pre-2a)で表される高分子化合物前駆体を得る工程(以下、工程(iib)ともいう)と、
(iiib)前記高分子化合物前駆体と、下記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(p1)で表される高分子化合物を得る工程(以下、工程(iiib)ともいう)と、を含む、高分子化合物の製造方法である。
工程(ib)は、上述した工程(ia)と同じである。
工程(ib)は、上記一般式(p0)で表される交互共重合体を加水分解して、上記一般式(Pre-2a)で表される高分子化合物前駆体(以下、「高分子化合物前駆体(Pre-2a)」という場合がある)を得る工程である。
酸成分は、特に限定されず、無機酸でもよいし、有機酸でもよい。
かかる酸成分としては、例えば、酢酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、マロン酸等の有機酸;硫酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸が挙げられる。
本実施形態の製造方法において、酸成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記交互共重合体と酸成分との反応時間は、特に限定されず、例えば1~72時間程度である。
工程(iiib)は、高分子化合物前駆体(Pre-2a)と、上記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させて、高分子化合物(p1)を得る工程である。
高分子化合物前駆体(Pre-2a)と、上記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させる際の反応時間は、特に限定されず、例えば1~72時間程度である。
本発明の第5の態様は、
(ic)上記一般式(m0-1)で表される化合物と、上記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、上記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程(以下、工程(ic)ともいう)と、
(iic)前記交互共重合体を加水分解して、上記一般式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体を得る工程(以下、工程(iic)ともいう)と、
(iiic)前記第1の高分子化合物前駆体と、上記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させて、上記一般式(Pre-1b-2)で表される第2の高分子化合物前駆体を得る工程(以下、工程(iiic)ともいう)と、
(ivc)前記第2の高分子化合物前駆体を加水分解して、上記一般式(p2)で表される高分子化合物を得る工程(以下、工程(ivc)ともいう)と、を含む、高分子化合物の製造方法である。
工程(iiic)は、下記一般式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体(高分子化合物前駆体(Pre-1a))と、下記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(Pre-1b-2)で表される第2の高分子化合物前駆体(以下、「高分子化合物前駆体(Pre-1b-2)」という場合がある)を得る工程である。
Ra004、Ra005のうち、少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、両方が水素原子であることがより好ましい。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1~5であることが好ましく、炭素数が1~4がより好ましく、炭素数1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn-ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
単環式基である脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式基である脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5~30であることが好ましく、炭素数5~20がより好ましく、炭素数6~15がさらに好ましく、炭素数6~12が特に好ましい。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
Ra006における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環に結合するアルキレン基の炭素数は、1~4であることが好ましく、炭素数1~2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
ここで、RP1は、炭素数1~10の1価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基又は炭素数6~30の1価の芳香族炭化水素基である。また、RP2は、単結合、炭素数1~10の2価の鎖状飽和炭化水素基、炭素数3~20の2価の脂肪族環状飽和炭化水素基又は炭素数6~30の2価の芳香族炭化水素基である。但し、RP1及びRP2の鎖状飽和炭化水素基、脂肪族環状飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基の有する水素原子の一部又は全部はフッ素原子で置換されていてもよい。上記脂肪族環状炭化水素基は、上記置換基を1種単独で1つ以上有していてもよいし、上記置換基のうち複数種を各1つ以上有していてもよい。
炭素数1~10の1価の鎖状飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
炭素数3~20の1価の脂肪族環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環式脂肪族飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニル基、アダマンチル基等の多環式脂肪族飽和炭化水素基が挙げられる。
炭素数6~30の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環から水素原子1個を除いた基が挙げられる。
該溶剤としては、上述した原子移動ラジカル重合に使用される溶剤と同様のものが挙げられる。
上記第1の高分子化合物前駆体と、上記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させる際の反応時間は、特に限定されず、例えば1~72時間程度である。
なお、上記式(Pre-1b-2)中、-C(Ra004)(Ra005)-O-(Ra006)は酸解離性基(アセタール型酸解離性基)である。酸の作用により、-C(Ra004)(Ra005)-O-(Ra006)が解離し、極性の高いカルボキシ基が生じて極性が増大する。
上記工程(ivc)は、高分子化合物前駆体(Pre-1b-2)を加水分解して、上記一般式(p2)で表される高分子化合物(以下、「高分子化合物(p2)」という場合がある)を得る工程である。
塩基成分、塩基成分の使用量、反応時間等は上述した<工程(iva)>で説明した内容と同様である。
上記一般式(p2)におけるRa004、Ra005、Ra006は、上記式(Add-2)のRa004、Ra005、Ra006とそれぞれ同一である。
本発明の第6の態様は、
(id)上記一般式(m0-1)で表される化合物と、上記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、上記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程(以下、工程(id)ともいう)と、
(iid)前記交互共重合体を加水分解して、上記一般式(Pre-2a)で表される高分子化合物前駆体を得る工程(以下、工程(iid)ともいう)と、
(iiid)前記第1の高分子化合物前駆体と、上記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させて、上記一般式(p2)で表される高分子化合物を得る工程(以下、工程(iiid)ともいう)と、を含む、高分子化合物の製造方法である。
工程(iiid)は、上記一般式(Pre-2a)で表される第1の高分子化合物前駆体(高分子化合物前駆体(Pre-2a))と、上記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させて、上記一般式(p2)で表される高分子化合物(高分子化合物(p2))を得る工程である。
高分子化合物前駆体(Pre-2a)と、上記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させる際の反応時間は、特に限定されず、例えば1~72時間程度である。
(実施例1:交互共重合体の製造)
50mL反応器内にRuCp*触媒6.4mg(0.0080mol)とp-アセトキシスチレン(PACS)0.615mL(4.0mmol)とをシクロヘキサノン1.0mLに溶解した。さらに、前記50mL反応器内に、トリブチルアミン0.02mL(0.080mmol)、モノマー(M0-1-1)0.988g(4.0mmol)、2-クロロ-2-フェニル酢酸エチル0.014mL(0.080mmol)を加え、80℃で24時間重合反応を行った。重合反応終了後、反応溶液をメタノール-ドライアイスのアイスバスで-78℃までに急速冷却し、交互共重合体(p0-1)を得た(0.564g)。
また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(150MHz_13C-NMR)およびプロトン1核磁気共鳴スペクトル(600MHz_1H-NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=50/50であった。
(実施例2:高分子化合物の製造(1))
上記実施例1と同様の方法により、交互共重合体(p0-1)を得た。前記交互共重合体(p0-1)(0.15mol(30.71g))とヒドラジン一水和物(0.19mol)とをTHF(200mL)に溶解させ、65℃で4時間撹拌した。
反応溶液を室温まで放冷した後、さらに0℃まで冷却を行い、塩酸(100mL)を滴下し、得られた粉体を回収した。前記粉体を減圧乾燥し、第1の高分子化合物前駆体(Pre-1a-1)を得た(0.13mol(16.14g))。
その後、さらに1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC/HCl)(0.38mol)のジクロロメタン溶液を90分かけて10℃以下で滴下し、18時間10℃以下で攪拌を行った。
その後、1%塩酸にて洗浄をおこない有機層を回収した。そして水洗を3回繰り返した。
その後有機層を濃縮し、濃縮した液にtert-ブチルメチルエーテル(TBME)を1時間かけて滴下した。
固形分を回収し減圧乾燥を行い、第2の高分子化合物前駆体(Pre-1b-11)を得た(0.10mol(16.52g))。
その後ヘプタン/イソプロピルアルコールの混合溶剤に30分かけて滴下し、析出させ粉体を得た。
得られた粉体をヘプタン/イソプロピルアルコールの混合溶剤を用いて複数回分散洗浄を行った。
固形分を回収し減圧乾燥を行い、高分子化合物(p1-1)を得た(0.06mol(7.8g))。
また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(150MHz_13C-NMR)およびプロトン1核磁気共鳴スペクトル(600MHz_1H-NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=50/50であった。
上記実施例1と同様の方法により、交互共重合体(p0-1)を得た。前記交互共重合体(p0-1)(0.15mol(29.50g))をメチルエチルケトン(MEK)(100mL)に溶解させ、メタンスルホン酸(50mL)用いて室温で1時間攪拌を行った。
その後ヘプタン/イソプロピルアルコールの混合溶剤に30分かけて滴下し、析出させ粉体を得た。得られた粉体をヘプタン/イソプロピルアルコールの混合溶剤を用いて複数回分散洗浄を行った。
固形分を回収し減圧乾燥を行い、高分子化合物前駆体(Pre-2a-1)を得た(0.11mol(21.63g))。
反応終了後室温に戻し、水を加えて固体を析出させ、水で分散洗浄を3回繰り返しpHを中性に戻した。
固形分を回収し減圧乾燥を行い、高分子化合物(p1-2)を得た(0.02mol(2.62g))。
また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(150MHz_13C-NMR)およびプロトン1核磁気共鳴スペクトル(600MHz_1H-NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=50/50であった。
実施例3と同様の方法により、高分子化合物前駆体(Pre-2a-1)を得た。
500mL三口フラスコに高分子化合物前駆体(Pre-2a-1)をDBU(登録商標)(0.08mol)、DMF100mlに溶解させ、化合物1(0.15mol)を加え4時間加熱還流を行った。放冷後、水を加え、固形分を得て、さらに水で分散洗浄を2回行った。
固形分を回収し減圧乾燥を行い、高分子化合物(p2-1)を得た(0.02mol(3.70g))。
また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(150MHz_13C-NMR)およびプロトン1核磁気共鳴スペクトル(600MHz_1H-NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=50/50であった。
Claims (6)
- 下記一般式(a0-1)で表される構成単位(a0-1)と、
下記一般式(a0-2)で表される構成単位(a0-2)と、
を有することを特徴とする交互共重合体。
- 下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程を含む、交互共重合体の製造方法。
- 下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程と、
前記交互共重合体を加水分解して、下記一般式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体を得る工程と、
前記第1の高分子化合物前駆体と、下記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(Pre-1b-1)で表される第2の高分子化合物前駆体を得る工程と、
前記第2の高分子化合物前駆体を加水分解して、下記一般式(p1)で表される高分子化合物を得る工程と、
を含む、高分子化合物の製造方法。
- 下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程と、
前記交互共重合体を加水分解して、下記一般式(Pre-2a)で表される高分子化合物前駆体を得る工程と、
前記高分子化合物前駆体と、下記一般式(Add-1)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(p1)で表される高分子化合物を得る工程と、
を含む、高分子化合物の製造方法。
- 下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程と、
前記交互共重合体を加水分解して、下記一般式(Pre-1a)で表される第1の高分子化合物前駆体を得る工程と、
前記第1の高分子化合物前駆体と、下記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(Pre-1b-2)で表される第2の高分子化合物前駆体を得る工程と、
前記第2の高分子化合物前駆体を加水分解して、下記一般式(p2)で表される高分子化合物を得る工程と、
を含む、高分子化合物の製造方法。
- 下記一般式(m0-1)で表される化合物と、下記一般式(m0-2)で表される化合物と、をリビングラジカル重合により共重合させて、下記一般式(p0)で表される交互共重合体を得る工程と、
前記交互共重合体を加水分解して、下記一般式(Pre-2a)で表される高分子化合物前駆体を得る工程と、
前記高分子化合物前駆体と、下記一般式(Add-2)で表される化合物と、を反応させて、下記一般式(p2)で表される高分子化合物を得る工程と、
を含む、高分子化合物の製造方法。
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