以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合において、下記の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<概要>
近年のスロットマシンにおいて、例えば所謂アシストタイム(以下ATという)など、指示機能に係る性能を有することができるかどうかを定める区間として、通常区間及び有利区間なる2種類の遊技状態を有する機種がある。ここで有利区間は、指示機能に係る性能を有することができる区間をいい、より具体的には例えばAT状態への移行抽選を実行したりAT状態に滞在ができる区間をいう。逆に通常区間は、指示機能に係る性能を有することができない区間をいう。
従って、遊技者にとって非AT状態よりも遊技上有利な遊技状態であるところのAT状態への移行抽選を実行したりAT状態に滞在するためには、通常区間滞在時、例えば有利区間移行抽選に当選する等の有利区間移行条件を満たすことで、遊技状態をまず有利区間に移行させる。
有利区間中に、AT移行抽選契機役に当選した場合、遊技者にとって非AT状態より有利なAT状態に移行する。一方、有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が所定の天井G数(例えば1000G)まで到達した場合に、AT状態に移行する。いわゆる天井機能である。
ここで、各々のスロットマシンの上方にはデータカウンタ(データランプ)が設置されており、例えばAT回数、ゲームの実行回数(スタート回数)などが表示されている。遊技者はデータカウンタを参照することで、現時点のゲーム数や天井G数までの残りゲーム数などを確認することができる。
スロットマシンは、AT状態開始時にAT状態が開始(突入)したことを示すAT信号を外部端子板を介して、データカウンタ(ホールコンピュータ)に出力する。また、AT状態終了時にAT状態が終了したことを示すAT信号を外部端子板を介して、データカウンタ(ホールコンピュータ)に出力する。
しかしながら、天井G数は有利区間におけるゲーム実行回数(有利区間滞在G数カウンタ)によって管理されているところ、有利区間におけるゲーム実行回数と、データカウンタ上のゲームの実行回数との間にズレが生じる場合がある。このため、遊技者は例えば天井G数1000GでAT状態に移行することを期待しながらデータカウンタを参照しながら遊技をするところ、データカウンタ上天井ゲーム数1000Gまで到達したにもかかわらず、AT状態に移行しないという想定外の事態に至ることがあった。
このような背景の下、本発明は、有利区間においてAT状態中に設定する外部出力設定を、有利区間中のATの終了後に移行する通常区間においてもAT状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、当該通常区間から再び有利区間に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、データカウンタ(ホールコンピュータ)はこのタイミングでAT状態が終了したものと判断するので、有利区間においてデータカウンタの示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。以下、詳しく説明する。
<実施形態1>
図1は、スロットマシン10の正面図である。図2は、スロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14に対する所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルが投入されているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲームに相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、投入可能時であればホッパ装置53へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、上記有効ライン上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源ボタン55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57と、を備えている。
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図3は、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列を示す図であるある。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという特典、再遊技という特典及び遊技状態の移行という特典のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
なお、メインラインは1本に限定されることはなく2本、3本、4本又は5本以上であってもよく、このようにメインラインが複数設定されている構成においては、ベット枚数に応じて有効化されるメインラインの数が相違する構成としてもよい。また、メインラインが折れ曲がりラインである構成に限定されることはなく、一直線に延びるラインであってもよい。
図5は、入賞となる図柄の組合せと入賞となった場合に付与される特典との対応関係を示す図である。図6は、各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を示す図である。以下、図5及び図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第6補填入賞、押順ベル入賞、共通ベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞及び1枚役入賞がある。例えば、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄又は「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄である場合、第1補填入賞となる。同様に、図5に示す通り、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1~3」図柄、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1~3」図柄のそれぞれの組み合わせに応じて、それぞれ第2~6補填入賞となる。第1補填入賞~第6補填入賞した場合の遊技媒体の付与対象数は、遊技媒体の賭け数が3枚賭けの場合には「3」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄又は「スイカ」図柄である場合、押順ベル入賞となる。押順ベル入賞した場合の遊技媒体の付与対象数は、遊技媒体の賭け数が3枚賭けのときは「15」となる。
押順ベル入賞となる場合、図6(a)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、押順ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、押順ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、共通ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL3とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、押順ベル入賞と共通ベル入賞とを区別させることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1~3」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄又は「スイカ」図柄である場合、共通ベル入賞となる。共通ベル入賞した場合の遊技媒体の付与対象数は、遊技媒体の賭け数が3枚賭けのときは「9」となる。
共通ベル入賞となる場合、図6(b)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、共通ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄又は「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、スイカ入賞となる。スイカ入賞した場合の遊技媒体の付与対象数は、遊技媒体の賭け数が3枚賭けのときは「4」となる。
スイカ入賞となる場合、図6(c)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞した場合の遊技媒体の付与対象数は、遊技媒体の賭け数が3枚賭けのときは「6」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1~3」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄又は「BAR」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1~3」図柄である場合、1枚役入賞となる。1枚役入賞した場合の遊技媒体の付与対象数は、遊技媒体の賭け数が3枚賭けのときは「1」となる。
メダル(又は仮想メダル)をBETすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、リプレイ入賞がある。例えば、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄又は「スイカ」のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1~3」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄又は「スイカ」図柄である場合、リプレイ入賞となる。
リプレイ入賞となる場合、図6(d)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
リプレイ入賞となった場合、前ゲームと同枚数のメダルのBETを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚賭けしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、前ゲームと同枚数の3枚賭け状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
また、特別遊技状態への移行が行われる状態移行入賞として、RBBがある。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、RBB入賞となる。RBB入賞が成立した場合には、遊技状態がボーナス状態(RBB状態)に移行する。
RBB状態は、通常遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。RBB状態は、例えばRBB状態が開始されてから遊技媒体の払い出し枚数が終了基準数以上(例えば「105」)として設定された終了条件が成立した場合に終了する。なお、当選ゲームでRBB絵柄を揃える事ができなくとも、当選となったゲームの次以降のゲームにもRBB入賞が成立するまでRBBの当選フラグは持ち越される。当選したRBBの当選フラグが持ち越されている状態を、ボーナス内部状態という。ボーナス内部状態については再度後述する。
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部61と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部61,62は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。
<スロットマシン10の電気的構成>
図7は、スロットマシン10の電気的構成を示す図である。
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置53の払出モータ、クレジット表示部61、獲得枚数表示部62、内部状態報知部63及びサブ制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御がMPU72により行われる。また、クレジット表示部61、獲得枚数表示部62及び内部状態報知部63の表示制御は、他の制御装置を介することなくMPU72により直接的に実行される。サブ制御装置80には、各ゲームの各タイミングでMPU72からコマンドが送信される。
また、MPU72の出力側には外部端子板90が設けられている。外部端子板90は、筐体11の背板において主制御装置70に隣接させて設けられている。MPU72は、スロットマシン10の状態に対応した各種信号を外部端子板90を通じて、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCに外部出力する。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
サブ制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給され、当該バックアップ電力が供給されている状況(例えば1日や2日)ではRAM84においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM84に記憶保持されているデータは初期化される。
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。
MPU82の出力側には、上部ランプ64、スピーカ65、画像表示装置66が接続されている。MPU82では、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64の発光制御、スピーカ65の音出力制御、画像表示装置66の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、サブ制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれサブ側MPU82、サブ側ROM83及びサブ側RAM84という。
<スロットマシン10からホールコンピュータHCへの外部出力について>
次に、スロットマシン10からホールコンピュータHCへの外部出力についての構成を説明する。MPU72の出力側には外部端子板90が設けられている。MPU72は、スロットマシン10の状態に対応した各種信号を外部端子板90を通じて、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCに外部出力する。
図8は、スロットマシン10の外部出力設定を説明するための概略図である。図9は、データカウンタDCの表示画面を示す図である。
図8(a)に示すように、遊技ホールには島設備Sが設けられており、当該島設備Sに対して多数のスロットマシン10が設置されている。また、島設備Sには、各スロットマシン10に1対1で対応させてデータカウンタ(データランプともいう)DCが設置されている。図9に示すように、各データカウンタDCは、対応するスロットマシン10の上方に搭載されており、少なくとも例えばゲームの実行回数(スタート回数ともいう)を表示するための第0表示部DC0と、所定(特定)の第1遊技状態の実行回数を表示するための第1表示部DC1と、第2遊技状態の実行回数を表示するための第2表示部DC2と、第3遊技状態の実行回数を表示するための第3表示部DC3とが設けられている。
各スロットマシン10及び各データカウンタDCを管理する管理制御手段として、遊技ホールにはホールコンピュータHCが設けられている。ホールコンピュータHCは、管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にMPU201が搭載されている。MPU201には、当該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータやスロットマシン10から入力した情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、を備えている。
ホールコンピュータHCは、各スロットマシン10と電気配線群EL1を通じて電気的に接続されているとともに、各データカウンタDCと電気配線群EL2を通じて電気的に接続されている。そして、各スロットマシン10から受信した情報に基づく管理処理を実行するとともに、その管理処理の結果に応じた信号を各データカウンタDCに送信する。
ここで、スロットマシン10においてホールコンピュータHCに情報を送信するための構成について、図8(b)を参照しながら詳細に説明する。
図8(b)に示すように、外部端子板90には、複数の外部端子90a~90hが設けられている。外部端子90a~90hは合計8個設けられており、ホールコンピュータHCに向けて外部出力する情報の種類が相違している。
具体的には、
(1)1回のゲーム毎に当該ゲームのベット枚数を示す情報を出力するために用いられる投入信号用の外部端子90a、
(2)各ゲームにおいて付与されたメダル枚数を示す情報を出力するために用いられる付与信号用の外部端子90b、
(3)第1遊技状態が開始されたことを示す情報を出力するために用いられる第1遊技状態信号用の外部端子90c、
(4)第2遊技状態が開始されたことを示す情報を出力するために用いられる第2遊技状態信号用の外部端子90d、
(5)第3遊技状態が開始されたことを示す情報を出力するために用いられる第3遊技状態信号用の外部端子90e、
(6)投入異常や払出異常といった不正の発生をスロットマシン10にて検知したことを示す情報を出力するために用いられる異常信号用の外部端子90f、
(7)設定変更操作の実行中であることを示す情報を出力するために用いられる設定操作信号用の外部端子90g、
(8)前面扉12が開放中であることを示す情報を出力するために用いられる開放信号用の外部端子90h、
が含まれている。
投入信号用の外部端子90aからは、ベット枚数に応じた数のパルス信号が出力される。例えば、ベット枚数の規定数が「2」である場合には、1ゲームの開始時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が2回出力される。ベット枚数の規定数が「3」である場合には、1ゲームの開始時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が3回出力される。ホールコンピュータHCでは、当該投入信号用の外部端子90aから1群のパルス信号を受信することで、1ゲームが開始されたと判断する。
付与信号用の外部端子90bからは、払出枚数に応じた数のパルス信号が出力される。例えば、9枚のメダルが付与される場合には、1ゲームの終了時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が9回出力され、4枚のメダルが付与される場合には、1ゲームの終了時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が4回出力される。
外部端子90c、外部端子90d及び外部端子90eは、スロットマシンの機種によって自由に様々な状態信号を出力可能となっている。例えば、BB(ビックボーナス)及びRB(レギュラーボーナス)を搭載するスロットマシンの場合、出力外部端子90cからBBが開始されたことを示す情報を出力し、外部端子90dからBBが開始されたことを示す情報を出力することができる。外部端子90eについては他に出力すべき情報がない場合には使用しなくてもよい。また、AT(アシストタイム)、CZ(チャンスゾーン)、擬似ボーナスを搭載するスロットマシンの場合、出力外部端子90cからATが開始されたことを示す情報を出力し、外部端子90dからCZが開始されたことを示す情報を出力し、外部端子90eから擬似ボーナスが開始されたことを示す情報を出力することができる。
AT機である本スロットマシン10において、第1遊技状態信号用の外部端子90cは、AT状態の実行回数(突入回数)をホールコンピュータHCにて認識可能とするために利用される。以下、第1遊技状態信号をAT信号と言い、さらに第1遊技状態信号用の外部端子90cをAT信号用の外部端子90cという。ホールコンピュータHCでは、AT信号用の外部端子90cからの信号の立ち上がりを確認することで、AT状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第1表示部DC1におけるAT状態の実行回数の表示を1加算する。
なお併せて、ホールコンピュータHCは、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたにAT状態の開始(突入)時点からAT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。なお、図9に示されるように、データカウンタDC上にゲームの総累計がカウント表示されている場合には、非AT状態やAT状態等の各種状態にかかわらず全ての状態における累計ゲーム実行回数を表示するものであるため、これはリセットされない。
第2遊技状態信号用の外部端子90d及び第3遊技状態信号用の外部端子90eは、上述したように自由に様々な状態信号を出力可能となっている。ホールコンピュータHCは、外部端子90dからの信号の立ち上がりを確認することで、データカウンタDCの第2表示部DC2における実行回数の表示を1加算する。同様に、外部端子90eからの信号の立ち上がりを確認することで、データカウンタDCの第3表示部DC3における実行回数の表示を1加算する。
異常信号用の外部端子90f、設定操作信号用の外部端子90g及び開放信号用の外部端子90hからは、それぞれの対象となる事象が発生している間はON状態が維持される。
なお、設定操作信号用の外部端子90gからは、設定変更の操作中だけでなく、現状の設定値の確認操作中においてもON信号が出力される構成としてもよい。また、異常信号及び設定操作信号の両方を一の外部端子から出力する構成としてもよい。
主側MPU72は電気配線群EL3を通じて外部端子板90の各外部端子90a~90hと1対1で対応させて電気的に接続されており、処理結果に応じて外部端子90a~90hに所定電圧の信号を出力する。
<主側MPU72により実行される処理>
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。主側MPU72の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される「通常処理」と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動される「タイマ割込み処理」とがある。説明の便宜上、まずはじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
「タイマ割込み処理」
図10は、主側MPUのタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS102では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドをサブ制御装置80へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
「通常処理」
図11は、主側MPUの通常処理を示すフローチャートである。
ステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、サブ制御装置80等が初期化を終了するまで待機する。
ステップS203では、開始待ち処理を実行する。開始待ち処理では、前回のゲームでいずれかのリプレイ入賞が発生している場合、前回のゲームにおけるBET数と同数の遊技媒体がBETされた状態とするための自動投入処理を行う。また、開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45aにてメダルを検出している場合、現状のBET数が最大規定数である「3」以上でなければ、そのBET数を1加算し、BET数が最大規定数である「3」以上であれば、主側RAM74に設けられたクレジットカウンタの値を1加算する。クレジットカウンタは、貯留記憶されている仮想メダルの数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
開始待ち処理では、自動投入処理が実行されていない場合であっていずれかのクレジット投入ボタン47~49が操作されている場合、その操作に対応するBET数が設定されるようにするためのクレジット投入の対応処理を実行する。クレジット投入の対応処理では、第1クレジット投入ボタン47が操作されている場合にはその時点でBET可能な最大分の遊技媒体がBETされた状態となるようにし、第2クレジット投入ボタン48又は第3クレジット投入ボタン49が操作された場合にはそれに対応するBET状態となるようにする。この場合、仮想メダルがそのBETに際して使用された場合にはそのBETされた仮想メダルの数分の値が上記クレジットカウンタから減算される。また、操作されたクレジット投入ボタン47~49に対応するBET数に設定するために必要な数の仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、貯留記憶されている仮想メダルとの関係でBET可能な最大分の遊技媒体がBETされた状態となる。
開始待ち処理では、BET数が最大規定数以上であって主側RAM74のクレジットカウンタの値が上限貯留数(具体的には「50」)以上である場合、受付禁止処理を実行する。受付禁止処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を停止することでセレクタ52を受付禁止状態に設定する。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。一方、BET数が最大規定数未満である場合又はクレジットカウンタの値が上限貯留数未満である場合、受付許可処理を実行する。受付許可処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を開始することでセレクタ52を受付許可状態に設定する。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。開始待ち処理では、精算ボタン51が操作されている場合であって、自動投入処理が実行されていない場合、BET数及びクレジットカウンタの値の合計数に対応するメダルがメダル排出口58を介してメダル受け皿59に排出されるようにするためにホッパ装置53を駆動制御する。これにより、内部的に貯留された遊技媒体が実際のメダルとして遊技者に払い出されることとなる。
ステップ204では、ステップS203の開始待ち処理の実行後、メダルのBET数が規定数に達しているか否かを判定し、BET数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS203)に戻る。BET数が規定数に達している場合、ステップS205では、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作された場合、メインラインMLを有効化させた後に、ステップS206はベット受付を禁止する受付禁止処理を実行する。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。
ステップS207では、遊技開始前の外部出力設定処理を実行する。遊技開始前の外部出力設定処理においては、投入信号用の外部端子90aから、ベット枚数に応じた数のパルス信号が出力される。例えば、ベット枚数の規定数が「2」である場合には、1ゲームの開始時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が2回出力される。ベット枚数の規定数が「3」である場合には、1ゲームの開始時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が3回出力される。ホールコンピュータHCでは、当該投入信号用の外部端子90aから1群のパルス信号を受信することで、1ゲームが開始されたと判断する。
ステップS208では、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行する。ステップS209では、各リール32L,32M,32Rのリール制御処理を実行する。リール制御処理では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させ、またストップボタン42~44が操作されて停止指令が発生した場合には対応するリール32L,32M,32Rを停止させるリール停止処理を行う。
ステップS210では、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合にはクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
ステップS211では、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する。
さらにステップS212にて、外部端子板90を通じてホールコンピュータHCに外部出力する上での各種設定を行うための遊技終了時の外部出力設定処理を実行する。
続けて、上述のステップS208の抽選処理、ステップS209のリール制御処理、ステップS211の遊技終了時の対応処理、及びステップS212の遊技終了時の外部出力設定処理について詳しく説明する。
[抽選処理]
図12は、抽選処理を示すフローチャートである。通常処理におけるステップS208の抽選処理について説明する。
ステップS301では、まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。ここで、本スロットマシン10では、「1」の設定値から「6」の設定値まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。一般に「n」の設定値よりも「n+1」の設定値の方が遊技者にとって遊技上有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する内部モードとして、本実施形態においては、ボーナス非内部状態、ボーナス内部状態及びボーナス状態の3種類が存在している。ステップS302では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303では、インデックス値IVを「1」とし、ステップS304では、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
ステップS305では、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合、ステップS306では、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する。当選データの取得処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM74にセットされる。当該当選データがセットされた状態は、その当選データがボーナス当選データ以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後に「0」クリアされ、ボーナス当選データであれば入賞が成立した場合に「0」クリアされる。
一方、判定値DVが「65535」を超えなかった場合、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。ステップS307では、インデックス値IVを1加算し、ステップS308では、インデックス値IVと対応する役があるか否か、即ち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき先の役の当否判定に用いた判定値DV(即ち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS306の処理を実行した場合、又はステップS308にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合、ステップS309では、演出内容の決定処理を実行する。演出内容の決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。当該大枠の内容として、ボーナス状態又はAT状態が発生することの期待度が徐々に低くなるように高期待度内容と中期待度内容と低期待度内容とが設定されている。演出内容の決定処理では所定ゲーム数以内にAT状態に移行するか否かという条件と、今回のゲームにおいて当選となっている役という条件との組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
ステップS310では、演出内容の決定処理において決定された大枠の内容に対応する情報はゲーム開始コマンドに設定され、そのゲーム開始コマンドは演出側MPU82への送信対象としてセットされる。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容を演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出側MPU82に送信される。
演出側MPU82は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握し、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を抽選により決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM83から演出側RAM84に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ64の発光制御、スピーカ65の音出力制御及び画像表示装置66の表示制御を実行する。
その後、ステップS311にて、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行う。
ステップS312では、報知制御処理を実行する。報知制御処理では、非ボーナス状態であってAT状態である場合において、押順ベルに当選した場合、押順ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に認識可能とさせる報知(所謂、ベルナビ)が実行される。これにより、遊技者は表示された停止順序に従ってリールを停止させることで、当選した押順ベルを取りこぼすことなく押順ベル入賞を成立させることが可能となる。但し、非AT状態の場合には報知制御処理が実行されないため、押順ベルに入賞するためには、1/6となるストップボタン42~44の押し順に正解する必要がある。押し順不正解の場合には押順ベルを取りこぼすことになる。なお、リール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に認識可能とさせるための報知は、対応するゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が可能となる前に開始される。
(遊技状態)
図13は、遊技状態の移行態様を示す図である。ここで、本実施形態に係るスロットマシン10の有する遊技状態について説明する。
本実施形態においては、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、ボーナス非内部状態、ボーナス内部状態及びボーナス状態中の3種類が存在している。
ボーナス非内部状態は、RBBのボーナスに当選していない状態である。RBBのボーナスに当選した場合には、ボーナス内部状態に移行する。
ボーナス内部状態は、RBBのボーナスに当選した状態であって、且つRBBのボーナスに入賞していない状態である。RBBの当選フラグは当選となったゲームの次以降のゲームにも持ち越される。このRBB入賞が成立するまでの間をボーナス内部状態という。RBBのボーナスに入賞した場合には、ボーナス状態に移行する。
ボーナス状態は、RBBのボーナスに入賞した状態である。ボーナスが終了した場合、再びボーナス非内部状態に移行する。
また同時に、本実施形態においては、指示機能に係る性能を有することができるかどうかを定める区間として、通常区間及び有利区間の2種類の遊技状態が存在している。有利区間は、指示機能に係る性能(例えばAT等)を有することができる区間をいい、より具体的には例えばAT状態への移行抽選を実行したりAT状態に滞在ができる区間をいう。逆に通常区間は、指示機能に係る性能(例えばAT等)を有することができない区間をいう。
このため、AT状態への移行抽選を実行したりAT状態に滞在するためには、通常区間滞在時において、例えば有利区間移行抽選に当選する等の、有利区間移行条件が満たされることで、有利区間に移行する必要がある。また、有利区間滞在時において、通常区間移行条件(通常区間転落条件ともいう)が満されると、有利区間は終了し通常区間に移行(転落)する。通常区間移行条件は、例えば通常区間移行抽選に当選したこと、1回の有利区間における最大滞在ゲーム数(例えば1500G)を超えたこと、又は1回の有利区間における遊技媒体の最大純増枚数(例えば2400枚)を超えたことなど、ある程度自由な設計が可能である。
次いで、ボーナス非内部状態、ボーナス内部状態及びボーナス状態中に参照される抽選テーブルについてそれぞれ説明する。
(ボーナス非内部状態用抽選テーブル)
図14は、ボーナス非内部状態用テーブルを示す図である。図15は、リールの停止順序及び成立する入賞態様の関係を示す図である。
ボーナス非内部状態の滞在時、抽選処理においてはボーナス非内部状態用抽選テーブルが参照される。本抽選テーブルは、3枚賭け時のポイント値PVを示す。
ボーナス非内部状態用テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。なおポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
インデックス値IV=1には、押順ベル当選データと、第1補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図13に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32L、第2停止(次に停止指令が発生したリール)が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく押順ベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
本スロットマシン10においてはストップボタン42~44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。つまり、ストップボタン42~44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42~44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。一般に各々の補填入賞、ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、スイカ入賞、チェリー入賞、ボーナス入賞などはリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42~44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、押順ベル当選データと、第2補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が左リール32L、第2停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく押順ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、押順ベル当選データと、第3補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が中リール32M、第2停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく押順ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、押順ベル当選データと、第4補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が中リール32M、第2停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく押順ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、押順ベル当選データと、第5補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が右リール32R、第2停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく押順ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=6には、押順ベル当選データと、第6補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図13に示すように、第1停止が右リール32R、第2停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく押順ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
このようにインデックス値IV=1~6の押順ベル当選データ及び第1~6補填当選データの何れかが当選した場合、各ストップボタン42~44の6通りの押し順のうち何れか1通りの押し順によりストップボタン42~44が操作されたときに、ベル(所謂、6択ベル)が揃うことになる。
インデックス値IV=7には、共通ベル当選データが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図13に示すように、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく共通ベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=8には、スイカ当選データが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくスイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、スイカ入賞が成立しない可能性がある(所謂取りこぼし)。
インデックス値IV=9には、チェリー当選データが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある(所謂取りこぼし)。
インデックスIV=10で当選となった場合、1枚役当選データが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく1枚役入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、1枚役入賞が成立しない可能性がある。
インデックスIV=11で当選となった場合、RBB役当選データが設定されている。インデックス値IV=11で当選となった場合、図13に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくRBB役入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、RBB役入賞が成立しない可能性がある。
なお、RBB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、RBB当選データは、主側RAM74のクリア処理が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するRBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、RBB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては、RBB当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、RBB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずRBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のRBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=12には、リプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=12で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングとは無関係にリプレイ入賞が成立する。なお、本実施形態に係るボーナス非内部状態用テーブルの場合、リプレイ当選確率は、約1/7.3である。
(ボーナス内部状態用抽選テーブル)
図16は、ボーナス内部状態用テーブルを示す図である。ボーナス内部状態の滞在時、抽選処理においてはボーナス内部状態用抽選テーブルが参照される。本抽選テーブルは、3枚賭け時のポイント値PVを示す。
ボーナス内部状態は、RBBのボーナスに当選した状態であって、且つRBBのボーナスに入賞していない状態である。RBBの当選フラグは当選となったゲームの次以降のゲームにも持ち越されるため、ボーナス内部状態用テーブルは、RBBの当選~入賞成立までの間に参照される。
インデックス値IV=1~10には、ボーナス非内部状態用抽選テーブルと同一の当選データが設定されているため、繰り返しの説明は省略する。また、インデックス値IV=11には、リプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42~44の操作タイミングとは無関係にリプレイ入賞が成立する。
なお、本実施形態に係るボーナス内部状態用テーブルの場合、ボーナス非内部状態のときのリプレイ当選確率(約1/7.3)と比べてリプレイ当選確率がアップしており、そのリプレイ当選確率は、約1/3.9である。即ち、ボーナス内部状態においては、ボーナス非内部状態のときよりも、RT状態(高リプレイ状態)となっている。
またボーナス内部状態用テーブルにおいて、インデックス値IV=1~14の何れにも当選しない場合には「はずれ」となる。本実施形態に係るボーナス内部状態用テーブルによれば、3枚賭けの場合、「はずれ」の確率は約1/1.6である。
ボーナス内部状態中においては、RBBのボーナスに当選した状態であるものの、インデックス値IV=1~10の小役やインデックス値IV=11のリプレイに当選したゲームでは、これら小役又はリプレイが優先的に成立するようリール制御がなされるため、遊技者はRBB入賞を成立させることができない。一方、「はずれ」の場合においては、遊技者は当選フラグが持ち越されているRBBの成立図柄を狙うことで、その入賞を成立させることが可能である。
(ボーナス状態用抽選テーブル)
図17は、ボーナス状態用抽選テーブルを示す図である。上述したように本実施形態においてはボーナスの種類として、RBBが存在する。RBB入賞すると、RBB状態(ボーナス状態)に滞在し、その抽選処理においてはボーナス状態用抽選テーブルが参照される。本抽選テーブルは、3枚賭け時のポイント値PVを示す。
インデックス値IV=1には、共通ベル当選データが設定されている。RBB中においてインデックス値IV=1で当選となった場合、各ストップボタン42~44の操作タイミングに関係なく共通ベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=2には、1枚役当選データが設定されている。RBB中においてインデックス値IV=2で当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく1枚役入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42~44の操作タイミングによっては、1枚役入賞が成立しない可能性がある(所謂取りこぼし)。
RBB状態は、例えばRBB状態が開始されてから遊技媒体の払い出し枚数が終了基準数以上(例えば「105」)として設定された終了条件が成立した場合に終了する。RBB状態が終了すると、遊技状態はボーナス非内部状態に移行する(図13)。
{報知制御処理}
図18は、報知制御処理を示すフローチャートである。抽選処理におけるステップS312の報知制御処理について説明する。
ステップS401では、押順ベルが当選となったか否かを判定する。具体的には、ボーナス非内部状態又はボーナス内部状態において、インデックス値IV=1~6(図12、14)のいずれかで当選となった場合である。
ステップS402では、主側RAM74のAT状態フラグの値が1(即ち、AT状態中)であるか否かを判定する。ステップS403では、AT状態フラグの値が1であることを条件として、停止順序の取得処理を実行する。停止順序の取得処理では、主側ROM73の表示対応テーブル(図15)を参照することで、今回当選となったインデックス値IVにおいて押順ベル入賞の成立を可能とする停止順序を取得する。
ステップS404では、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする。報知実行コマンドは、今回のゲームにおいて当選役と関係する報知を実行すべきことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、停止順コマンドは、今回のゲームにおいて報知すべきリール32L,32M,32Rの停止順序(所謂、ベルナビ)を演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。
報知実行コマンドは1種類のみ設定されており、画像表示装置66における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドが送信対象としてセットされる。停止順コマンドは、画像表示装置66にて報知させる停止順序の種類に1対1で対応させて設定されており、ステップS1804ではベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1804にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出側MPU82に送信される。
このような報知制御処理により、AT状態(アシストタイム状態)においては、ボーナス非内部状態用テーブル又はボーナス内部状態用テーブルにおいて、インデックス値IV=1~6の押順ベル当選データ及び第1~6補償当選データのいずれかで当選となった場合、押順ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が画像表示装置66にて表示される。遊技者は表示された停止順序に従ってリールを停止させることで、当選したベルを取りこぼすことなく押順ベル入賞を容易に成立させることが可能となる。
図19は、画像表示装置66におけるリール停止順序の報知を示す図である。
演出側MPU82は、主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドの両方を受信した場合、停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置66にて表示するために必要なデータの設定を行う。その後、演出側MPU82は、報知開始処理を実行する。報知開始処理では、設定したデータに基づき画像表示装置66にて画像を表示させる。これにより、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置66にて表示される。
画像表示装置66においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、画像表示装置66にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1~G3が表示され、左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とにおいて、リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。
(a)においては、例えば第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示す。この場合、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
また、第1停止させるリール32L,32M,32Rの種類だけを報知する場合、画像表示装置66には、左リール32Lに対応する左単位表示画像G4と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G5と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G6とが表示される。
(b)においては、第1停止が中リール32Mであり第2停止及び第3停止が任意である場合の停止順序が報知される様子を示す。この場合、左単位表示画像G4には左リール32Lの停止順序に対応する画像は表示されず、中単位表示画像G5には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G6には右リール32Rの停止順序に対応する画像は表示されない。
上述したようにリール32L,32M,32Rの停止順序に対応して入賞の成立態様が相違するが、これら停止順序は、リール32L,32M,32Rの組み合わせにより、合計で6通り存在している。報知制御処理においては、AT状態であることを条件として画像表示装置66上、当選役との関係で、当該当選役(例えば押順ベル等)の入賞が可能となるリール32L,32M,32Rの停止順序の報知表示が行われる。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に認識可能とさせる。
[リール制御処理]
図20は、リール制御処理を示すフローチャートである。通常処理におけるステップS209のリール制御処理について説明する。
リール制御処理では、まずステップS501において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS502では、ストップボタン42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42~44も操作されていない場合には、ストップボタン42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS503に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS502に戻り、ストップボタン42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS504にて停止指令コマンドをセットする。
停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42~44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS505~ステップS511に示す停止制御処理を行う。
ステップS505では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS506では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS506では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。
その後、ステップS507では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS508では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS509にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS510では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS511にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS502に戻る。
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(図12)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42~44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」~「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図12)のステップS311にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図20)のステップS511にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。
停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
なお、例えば、押順ベル入賞、共通ベル入賞、リプレイ入賞、スイカ入賞、チェリー入賞に対応した図柄組合せを形成する図柄は、対応する各リール32L,32M,32Rにおいて周回方向に離間される最大の図柄数が4図柄分となるように配置されている。かかる構成において、抽選処理の結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序の組合せが、これらの何れかの入賞発生に対応している場合、各ストップボタン42~44の操作順序に関係なく当該入賞が発生するように停止情報が設定される。
リール制御処理(図20)の説明に戻り、ステップS510にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS512にて入賞判定処理を実行し、続くステップS513にて当該入賞判定処理の結果に対応したデータを含む入賞結果コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットした後に、本リール制御処理を終了する。
{入賞判定処理}
図21は、入賞判定処理を示すフローチャートである。
入賞判定処理では、ステップS601にて、左リール32LにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握し、ステップS602にて、中リール32MにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類を把握し、ステップS603にて、右リール32RにおいてメインラインMLに停止している図柄の種類を把握する。この図柄の種類の把握に際しては、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。
そして、ステップS604にて、図柄組合せの論理演算処理として、ステップS601~ステップS603にて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する。
ステップS605では、ステップS604にて導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する。ステップS605にて肯定判定をした場合には、ステップS606にて入賞対応処理を実行する。
入賞対応処理では、今回発生した入賞に対応した当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、「1」がセットされていない場合には異常コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。サブ側MPU82では、当該異常コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ65及び画像表示装置66により実行する。
一方、当選フラグに「1」がセットされている場合には、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74の払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、通常処理(図11)における次回のステップS203にて、今回のベット数と同一数のベット設定を可能とするためのフラグ設定処理を実行する。
[遊技終了時の対応処理]
図22は、遊技終了時の対応処理を示すフローチャートである。通常処理におけるステップS211の遊技終了時の対応処理について説明する。はじめに図22を参照しながら遊技終了時の対応処理の全体について説明し、その後、遊技終了時の対応処理内におけるステップS702のボーナス用処理、ステップS703の区間管理処理、ステップS706のAT移行チャンス処理、ステップS707のAT状態処理について、それぞれ詳しく説明する。
遊技終了時の対応処理では、まずボーナス状態である場合(ステップS701:YES)、ボーナス用処理を実行する(ステップS702)。ボーナス用処理では、ボーナス役入賞状態であれば今回のゲームにおいてボーナス入賞が発生したため主側RAM74に設けられたボーナス状態フラグに「1」をセットすることで、遊技状態をボーナス状態に移行させる。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理では、ボーナス状態用抽選テーブル(図17)が参照されることとなる。また、ボーナス状態に移行したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66においてボーナス状態用の演出を開始させる。また、ボーナス状態に移行させた場合に主側RAM74からボーナス当選データを消去することで、ボーナスに当選した状態を解除する。
一方、S701にて、ボーナス状態のいずれでもない場合(ステップS701:NO)、区間管理処理(ステップS703)を実行する。区間管理処理においては、通常区間又は有利区間の管理処理が実行される。
続いてS703にて、有利区間フラグが1であるか否かを判定し、有利区間フラグが1である場合にはAT状態フラグの示す処理へ進む(ステップS705)。AT状態フラグが0を示す場合には非AT状態を示し、AT状態フラグが2を示す場合にはAT状態を示す。
AT状態フラグが0を示す場合、ステップS706のAT移行チャンス処理へ進む。AT状態フラグが1を示す場合、ステップS707のAT状態処理へ進む。
最後に、ボーナス用処理(ステップS702)を実行した後、有利区間フラグが1でない場合(ステップS704)、AT移行チャンス処理(ステップS706)を実行した後、AT状態処理(ステップS707)を実行した後、ゲーム終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS708)。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出側MPU82に送信される。
{ボーナス用処理}
図23は、ボーナス状態処理を示すフローチャートである。図22のステップS702において、ボーナス状態である場合、ボーナス用処理としてボーナス状態処理を実行する。
今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したことを条件として(ステップS801:YES)、次に、主側RAM74に設けられたボーナス用カウンタの減算処理を実行する(ステップS802)。ボーナス用カウンタは、ボーナス状態が開始されてから払い出された遊技媒体の合計数が終了基準数以上となったか否かを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。ボーナス状態が開始された場合にはこのボーナス用カウンタに終了基準数がセットされる。ボーナス用カウンタの減算処理では、今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数をボーナス用カウンタの値から減算する。
減算後におけるボーナス用カウンタの値が「0」である場合(ステップS803:YES)、ボーナス終了処理を実行する(ステップS804)。ボーナス終了処理では、主側RAM74のボーナス状態フラグを「0」クリアすることでボーナス状態を終了させる。また、ボーナス状態が終了したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66におけるボーナス状態用の演出を終了させる。
次いで、ボーナス終了処理を実行後(ステップS804)もしくは減算後におけるボーナス用カウンタの値が「0」でない場合(ステップS803:NO)、有利区間フラグ=1であるか否かを判定する(ステップS805)。有利区間フラグ=1である場合(ステップS805:YES)、主側RAM74に設けられた有利区間滞在G数カウンタを1加算する(ステップS806)。有利区間滞在G数カウンタは、有利区間開始から有利区間終了までの滞在ゲーム数をカウントするためのカウンタである。本実施形態において一回の有利区間中は最大1500Gまでを滞在して遊技が可能である。最大1500Gを超えると有利区間は終了し通常区間に転落する。有利区間フラグ=1、即ち有利区間滞在中であれば、ボーナス中に消化したゲーム数も有利区間滞在G数カウンタにカウントされる。
また、主側RAM74に設けられた純増枚数カウンタの加減算処理を実行する(ステップS807)。純増枚数カウンタ(MYカウンタ、累計純増獲得枚数カウンタともいう)は、有利区間開始からこれまでに獲得した遊技媒体の累計純増枚数をカウントするためのカウンタである。本実施形態において1回の有利区間中は最大2400枚までの遊技媒体を獲得可能である。最大2400枚を超えると有利区間は終了し通常区間に転落する。有利区間フラグ=1、即ち有利区間滞在中であれば、ボーナス中に獲得した遊技媒体数も純増枚数カウンタにカウントされる。なお、純増枚数カウンタは有利区間中の獲得差枚をカウントするものであるため、今回のゲームで遊技媒体を獲得できなかった場合も、例えばベット数3枚のマイナス分純増枚数を減算する。
次に、有利区間滞在G数カウンタ>1500又は純増枚数カウンタ>2400の何れかを満たすか否かを判定する(ステップS808)。上述したように本実施形態において一回の有利区間中は最大1500Gまで遊技可能であり、又は最大2400枚まで遊技媒体を獲得可能である。従って、有利区間滞在G数が最大1500Gを超えるか、又は累計純増獲得枚数が最大値2400枚を超えた場合に(ステップS808:YES)、有利区間フラグに「0」をセットし(ステップS809)、有利区間を終了させ通常区間に転落させる。また、有利区間滞在G数カウンタ及び純増枚数カウンタを0リセットする(ステップS810)。
{区間管理処理}
図24は、区間管理処理を示すフローチャートである。図22のステップS703において、通常区間及び有利区間の相互区間への区間管理処理を実行する。上述したように、有利区間は指示機能に係る性能(例えばAT等)を有することができる区間をいう。
まず現在の滞在区間が通常区間又は有利区間の何れであるかを判定する(ステップS901)。有利区間フラグ=0の場合(ステップS901:YES)、即ち通常区間に滞在している場合、ステップS902へ進む。一方、有利区間フラグ=0でない場合(ステップS901:NO)、ステップS905へ進む。なお、有利区間フラグ=0の場合とは通常区間に滞在し、有利区間フラグ=1の場合とは有利区間に滞在していることを示す。
通常区間である場合、有利区間移行抽選を実行する(ステップS902)。有利区間移行抽選処理では、ベット数(賭け数)に対応した有利区間移行抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出した有利区間移行抽選テーブルに対して照合する。
図25は、有利区間移行抽選テーブルを示す図である。有利区間移行抽選テーブルを参照し、有利区間移行抽選処理を実行する。
本有利区間移行抽選テーブルによれば、通常区間に滞在中に今回のゲームにおいて、例えばインデックス値IV=1~6の押順ベル及び第1~6補填、インデックス値IV=7の共通ベル、インデックス値IV=8のスイカ、インデックス値IV=9のチェリー、インデックス値IV=10の1枚役、インデックス値IV=11のRBB、インデックス値IV=12のリプレイが当選した場合、100%の確率で有利区間移行抽選に当選する。
なお、有利区間移行抽選テーブルの場合、何れか役に当選しさえすれば100%の確率で有利区間移行抽選に当選するようにしたが、これはあくまで一例であって、特定の役への入賞及び所定の確率でのみ、有利区間移行抽選に当選するように、有利区間移行抽選テーブルが設定されていてもよい。
再び図24を参照する。有利区間移行抽選処理にて有利区間移行当選となった場合(ステップS903:YES)、有利区間フラグに「1」をセットする(ステップS904)。これにより、通常区間から、指示機能に係る性能を有する有利区間へと移行する。
一方、S901で有利区間フラグ=0でない場合(ステップS901:NO)、即ち有利区間に滞在している場合、ステップS905へ進む。
有利区間に滞在している場合、有利区間滞在G数カウンタを1加算する(ステップS905)。有利区間中の滞在Gをカウントするためである。また、純増枚数カウンタに今回のゲームで獲得又は減少した純増獲得枚数を加減算する(ステップS906)。有利区間中の純増枚数をカウントするためである。なお、今回のゲームで遊技媒体を獲得できなかった場合もマイナス分の純増枚数を減算する。
次に、有利区間滞在G数カウンタ>1500又は純増枚数カウンタ>2400の何れかを満たすか否かを判定する(ステップS907)。上述したように本実施形態において一回の有利区間中は最大1500Gまで遊技可能であり、又は最大2400枚まで遊技媒体を獲得可能である。従って、有利区間滞在G数が最大1500Gを超えるか、又は累計純増獲得枚数が最大値2400枚を超えた場合に(ステップS907:YES)、有利区間フラグ及びAT状態フラグに「0」をセットし(ステップS908)、有利区間を終了させ通常区間に転落させる。また、有利区間滞在G数カウンタ及び純増枚数カウンタを0リセットする(ステップS909)。
一方、有利区間滞在G数が最大1500Gを超えずに、且つ累計純増獲得枚数が最大値2400枚を超えない場合(ステップS907:NO)、区間管理処理を終了する。
{AT移行チャンス処理}
図26は、AT移行チャンス処理を示すフローチャートである。AT移行チャンス処理(ステップS706)について説明する。AT移行チャンス処理は、有利区間フラグが1を示し且つAT状態フラグが0を示す場合、即ち、有利区間中、非ボーナス中且つ非AT状態においてに実行される。
まず今回のゲームにおいて、AT移行抽選契機役に当選したか否かを判定する(ステップS1001)。AT移行抽選契機役は、例えばスイカ、チェリー及び一枚役などが該当する。AT移行抽選契機役に当選した場合(ステップS1001:YES)、AT移行抽選処理を実行する(ステップS1002)。なお、AT移行抽選契機役の入賞が成立しなかったとしてもAT移行抽選契機役に当選すればAT移行抽選処理が実行される。但し、これに限定されることはなく対応する入賞が成立したことを条件としてAT移行抽選処理が実行される構成としてもよい。
AT状態へのAT移行抽選処理では、AT移行抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出したAT移行抽選テーブルに対して照合する。
図27は、AT移行抽選テーブルの一例を示す図である。有利区間中、非ボーナス状態であって非AT状態中において、AT移行抽選契機役に当選となった場合、本AT移行抽選テーブルに基づいてAT移行抽選処理が実行される。
AT移行抽選テーブルは、スロットマシン10の設定値の「1」~「6」に対して共通の1種類のテーブルとして設けられている。つまり、インデックス値IV=8、9又は10で当選となった場合に、AT移行当選となる確率は全設定共通である。これにより、非AT状態においてAT移行当選となる確率に関しては設定間で有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。また、AT移行抽選テーブルとして全設定共通の1種類のテーブルのみを主側ROM73に記憶させておけばよいため、AT移行抽選テーブルを予め記憶するための記憶容量を抑えることが可能となる。
本AT移行抽選テーブルによれば、インデックス値IV=8のスイカで当選となった場合、AT移行抽選確率として、全設定値共通の10%の当選確率でAT移行抽選処理が実行される。また、インデックス値IV=9のチェリーで当選となった場合、AT移行抽選確率として、全設定値共通の25%の当選確率でAT移行抽選処理が実行される。また、インデックス値IV=10の1枚役で当選となった場合、AT移行抽選確率として、全設定値共通の20%の当選確率でAT移行抽選処理が実行される。
再び図26の説明に戻る。AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合(ステップS1003:YES)、初期AT継続ゲーム数の設定処理を実行する(ステップS1004)。初期AT継続ゲーム数の設定処理では、主側RAM74に設けられたATゲーム数カウンタに初期AT継続ゲーム数として例えば「50」Gをセットする。
なお、初期AT継続ゲーム数は一律固定値(例えば「50」)とする他、抽選により決定することも可能である。例えば抽選により規定値30、50、100Gの中から何れか一選択的にセットしうる。また更に、特化ゾーンによる抽選によって、初期AT継続ゲーム数を決定することも可能である。
初期AT継続ゲーム数の設定処理(ステップS1004)の後、主側RAM74のAT状態フラグに「1」をセットする(ステップS1005)。AT状態フラグに「1」がセットされることにより、抽選処理における次回の処理回では報知制御処理(ステップS312)が、遊技終了時の対応処理における次回の処理回ではAT状態処理(ステップS707)が実行されるAT状態へと移行する。
一方、AT移行抽選契機役に当選しない場合(ステップS1001:NO)、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選とならなかった場合(ステップS1003:NO)、有利区間滞在G数カウンタ≧1000を満たすか否かを判定する(ステップS1006)。いわゆる天井判定である。即ち、有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が所定の天井G数(例えば1000G)まで到達した場合に、AT状態に移行する。有利区間滞在G数カウンタ≧1000を満たす場合(ステップS1006:YES)、AT移行当選させるため、S1004へ進む。
{AT状態処理}
図28は、AT状態処理を示すフローチャートである。AT状態処理(ステップS707)について説明する。AT状態処理は、有利区間フラグが1を示し且つAT状態フラグが1を示す場合、即ち、有利区間中、非ボーナス中且つAT状態においてに実行される。
まず今回のゲームにおいて、ATゲーム数(AT継続ゲーム数ともいう)の上乗せ抽選契機役に当選したか否かを判定する(ステップS1101)。上乗せ抽選契機役は、例えばスイカ、チェリー及び一枚役などが該当する。上乗せ抽選契機役に当選した場合(ステップS1101:YES)、上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1102)。なお、上乗せ抽選契機役の入賞が成立しなかったとしても上乗せ抽選契機役に当選すれば上乗せ抽選処理が実行される。但し、これに限定されることはなく対応する入賞が成立したことを条件として上乗せ抽選処理が実行される構成としてもよい。
上乗せ抽選処理では、上乗せ抽選テーブルを主側ROM73から読み出すとともに、主側RAM74において定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記読み出した上乗せ抽選テーブルに対して照合する。
図29は、上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。有利区間中、非ボーナス状態であってAT状態中において、上乗せ抽選契機役に当選となった場合、本上乗せ抽選テーブルに基づいて上乗せ抽選処理が実行される。
上乗せ抽選テーブルは、スロットマシン10の設定値の「1」~「6」に対して共通の1種類のテーブルとして設けられている。つまり、インデックス値IV=8、9又は10で当選となった場合に、上乗せ当選となる確率は全設定共通である。これにより、AT状態において上乗せ当選となる確率に関しては設定間で有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。また上乗せ抽選テーブルとして全設定共通の1種類のテーブルのみを主側ROM73に記憶させておけばよいため、上乗せ抽選テーブルを予め記憶するための記憶容量を抑えることが可能となる。
本上乗せ抽選テーブルによれば、インデックス値IV=8のスイカで当選となった場合、AT移行抽選確率として、全設定値共通の10%の当選確率で上乗せ抽選処理が実行される。また、インデックス値IV=9のチェリーで当選となった場合、上乗せ抽選確率として、全設定値共通の25%の当選確率で上乗せ抽選処理が実行される。また、インデックス値IV=10の1枚役で当選となった場合、上乗せ抽選確率として、全設定値共通の20%の当選確率で上乗せ抽選処理が実行される。
再び図28の説明に戻る。上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1103:YES)、ATゲーム数の上乗せ処理を実行する(ステップS1104)。ATゲーム数の上乗せ処理では、主側RAM74に設けられたATゲーム数カウンタに当選上乗せゲーム数として例えば「30」Gを加算する。
なお、上乗せゲーム数は一律固定値(例えば「30」)とする他、抽選により決定することも可能である。例えば抽選により規定値30、50、100Gの中から何れか一選択的に加算しうる。
次いで、ATゲーム数の上乗せ抽選契機役に当選しない場合(ステップS1101:NO)もしくは上乗せ処理の実行後(ステップS1104)、ATゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1105)。減算後、ATゲーム数カウンタ=0であるか否かを判定する(ステップS1106)。上述したようにATゲーム数カウンタは初期AT継続ゲーム数として、例えば「50」がセットされている。ATゲーム数カウンタ=0になった場合とは、ATゲーム数の上乗せがなかった場合に、AT状態で1セット分例えば50ゲームのAT遊技が終了したことを意味するものである。
ATゲーム数カウンタ=0、即ちAT遊技が終了した場合(ステップS1106:YES)、AT状態フラグ及び有利区間フラグに「0」をセットし(ステップS1107)、AT状態を終了させるとともに、有利区間を終了させ通常区間に転落させる。また、有利区間滞在G数カウンタ及び純増枚数カウンタを0リセットする(ステップS1108)。なお、本スロットマシン10においては、通常区間移行条件の一つとしてAT状態の終了がある。即ち、AT状態が終了すると、有利区間が終了し一旦通常区間に転落する。
また、AT終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1109)。AT終了コマンドは、AT状態が終了したことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出側MPU82に送信される。
演出側MPU82は、AT終了コマンドを受信した場合、有利区間リセット可能状態である所定ゲーム数(例えば50G)の間、例えば上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66において、有利区間リセット可能状態を示す演出を実行するとともに、遊技者が特定のリセット操作を行った場合に有利区間をリセット可能な旨及び当該リセット操作方法等を通知する。
[遊技終了時の外部出力設定処理]
通常処理におけるステップS212の遊技終了時の外部出力設定処理について説明する。上述したように、MPU72はスロットマシン10の状態に対応した各種信号を外部端子板90を通じて、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCに外部出力する。
AT機である本スロットマシン10において、第1遊技状態信号用の外部端子90cは、AT状態の実行回数(突入回数)をホールコンピュータHCにて認識可能とするために利用される。ホールコンピュータHCでは、AT信号用の外部端子90cからのAT信号の立ち上がりを確認することで、AT状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第1表示部DC1におけるAT状態の実行回数の表示を1加算する。
図30は、AT信号の状態遷移図を示す。図30(a)は、本実施形態に係るAT信号の状態遷移を示す。一方、図30(b)は、従来例に係るAT信号の状態遷移を示す。図中のtは、通常区間と有利区間との区分線、及び、有利区間内においては非AT状態とAT状態の区分線を示す。また各区間の遊技状態は次の通りである。
t0~t1:通常区間
t1~t2:有利区間、非AT状態
t2~t3:有利区間、AT状態
t3~t4:通常区間
t4~t5:有利区間、非AT状態
図30(a)のAT信号を参照すると、t2において、有利区間中、AT状態に突入した場合、AT信号用の外部端子90cからAT信号をON状態に設定出力する。
図31は、t2におけるデータカウンタDCの表示画面を示す図である。図31に示されるように、ホールコンピュータHCは、AT状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第1表示部DC1におけるAT状態の実行回数の表示を1加算する。
併せて、ホールコンピュータHCは、AT信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたにAT状態の開始(突入)時点からAT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。データカウンタDC上にゲームの総累計がカウント表示されている場合には、非AT状態やAT状態等の各種状態にかかわらず全ての状態における累計ゲーム実行回数が表示されるため、総累計はリセットされない。
t3において、AT状態が終了するとともに、有利区間が終了し通常区間に移行する。しかしながら、本実施形態の場合、t3において、AT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力しない。即ちAT信号はON状態に維持される。
t4において、有利区間の開始に伴ってAT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力する。即ちAT信号はOFF状態に変更される。併せて、ホールコンピュータHCは、AT信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたに有利区間であって非AT状態の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。
一方、図30(b)の従来例に係るAT信号を参照すると、t3において、AT状態の終了に伴ってAT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力する。即ちAT信号はOFF状態に変更される。
図32は、t4におけるデータカウンタDCの表示画面を示す図である。図32(a)は、本実施形態に係るデータカウンタDCの表示画面を示す。一方、図32(b)は、従来例に係るデータカウンタDCの表示画面を示す。
本実施形態の場合、t4における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は0である。つまり、データカウンタDCは有利区間の開始時点で0となるため、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致する。
このため、例えば有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が天井ゲーム数1000Gまで到達した場合に、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1000Gを示したタイミングでAT状態に移行する。これにより遊技者はデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数を正確に信頼することが可能である。
一方、従来例の場合、t4における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は1である。t3において、有利区間の終了に伴ってAT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力し、t3~t4の通常区間のゲームの実行回数を含んでカウントされたためである。
このため、例えば有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が天井ゲーム数1000Gまで到達した場合に、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1001Gを示したタイミングでAT状態に移行する。つまり、データカウンタDCは有利区間の開始時点で0となっていないため、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致しない。遊技者は1000GでAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、天井ゲーム数1000Gまで到達したにもかかわらず、AT状態に移行しないという想定外の事態に至ることとなる。
また上述した図25の有利区間移行抽選テーブルによれば、通常区間に滞在中に何れの役に当選しても100%の有利区間移行当選確率で有利区間移行抽選に当選する。このため、通常区間の滞在ゲーム数は1である。しかしながら、有利区間移行抽選に当選しにくい有利区間移行当選確率であった場合、通常区間の滞在ゲーム数は大きくなり、その分t3~t4の通常区間のゲームの実行回数が増加することで、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数との不一致ゲーム数の幅はより大きくなってしまう。データカウンタDC上、例えば1020G、更には1050Gを経過しても、AT状態に移行しないという事態に至りうる。
以上、本実施形態によれば、有利区間においてAT状態中に設定する外部出力設定を、有利区間中のATの終了後に移行する通常区間においてもAT状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、当該通常区間から再び有利区間に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、ホールコンピュータHCはこのタイミングでAT状態が終了したものと判断するので、有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
図33は、遊技終了時の外部出力設定処理を示すフローチャートである。通常処理におけるステップS212の遊技終了時の外部出力設定処理について説明する。
まず主側RAM74のAT状態フラグが1(即ち、AT状態中)であるか否かを判定する(ステップS1201)。AT状態フラグが1である場合(ステップS1201:YES)、AT信号がON状態であるか否かを判定する(ステップS1202)。
AT信号がON状態でない場合(ステップS1202:NO)、本ゲームでAT状態に突入したことになるため、AT信号をON状態に設定する(ステップS1203)。一方、AT信号がON状態である場合(ステップS1202:YES)、本ゲーム以前にAT状態に突入しているため、そのままAT信号をON状態に維持する。
一方、AT状態フラグが1でない場合(ステップS1201:NO)、有利区間フラグが1であるか否かを判定する(ステップS1204)。AT状態フラグが1でなく有利区間フラグが1でない場合(ステップS1204:NO)、通常区間に滞在している。この通常区間がゲーム開始時点における通常区間からゲームが開始された場合に相当する通常区間である場合は、AT信号のON・OFF状態は設定しない(例えば図30のt0)。また、この通常区間がAT状態が終了し通常区間に移行した場合に相当する通常区間である場合であっても、上述したように本実施形態においては、AT信号をOFF状態に設定しない(例えば図30のt3)。即ち、有利区間においてAT状態中に設定する外部出力設定を、有利区間の終了後に移行する通常区間においてもAT状態を示す信号をON状態のまま継続して設定する。
一方、AT状態フラグが1でなく有利区間フラグが1である場合(ステップS1204:YES)、この通常区間から有利区間に移行するタイミングで、AT信号をOFF状態に設定する(例えば図30のt4)。有利区間が開始されたタイミングでAT信号をOFF状態にすることで、ホールコンピュータHCはAT状態が終了したものと判断する。これにより、有利区間の開始における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は0となり、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致する。
ステップS1203又はステップS1206の後、付与信号用の外部端子90bから払い出し枚数に応じた数のパルス信号を出力する(ステップS1207)。例えば、9枚のメダルが付与される場合には、1ゲームの終了時に、ON時間及びOFF時間がそれぞれ50msecとなるようにパルス信号が9回出力される。これによりホールコンピュータHC側で本スロットマシン10が払い出したメダル枚数を管理する。また、データカウンタDC上に獲得枚数等の表示がある場合は当該表示に反映されうる。
<実施形態2>
本実施形態に係るスロットマシン10においては、AT状態の終了後に所定ゲーム数(例えば30G)の間継続するCZ(チャンスゾーン)を有している。CZにおいては、非CZ時に参照されるAT移行抽選テーブル(例えば図27)よりも、AT移行当選確率が高くなるよう設定されたAT移行抽選テーブル(非図示)が参照される。このため、AT状態の終了後のCZから再びAT状態に突入する期待度が高くなっている。一方、通常区間移行条件の一つとしてCZの終了がある。CZの所定ゲーム数の間に再びAT状態に突入できなかった場合には、有利区間が終了し通常区間に転落する。
図34は、AT信号の状態遷移図を示す。図30と比較すると、AT状態後にCZが示されている。図中のtは、通常区間と有利区間との区分線、及び、有利区間内においては非AT状態とAT状態とCZの区分線を示す。また各区間の遊技状態は次の通りである。
t0~t1:通常区間
t1~t2:有利区間、非AT状態
t2~t3:有利区間、AT状態
t3~t4:有利区間、CZ
t4~t5:通常区間
t5~t6:有利区間、非AT状態
t6~t7:有利区間、AT状態
t7~t8:有利区間、CZ
t8~t9:有利区間、AT状態
図34のAT信号を参照すると、t2において、有利区間中、AT状態に突入した場合、AT信号用の外部端子90cからAT信号をON状態に設定出力する。ホールコンピュータHCは、AT状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第1表示部DC1におけるAT状態の実行回数の表示を1加算する。
併せて、ホールコンピュータHCは、AT信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたにAT状態の開始(突入)時点からAT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。
t3において、AT状態が終了するとともに、CZに移行する。本実施形態の場合、CZ中もAT状態の一部として扱うものとして、t3において、AT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力しない。即ちAT信号はON状態に維持される。
t4において、AT状態が終了するとともに、有利区間が終了し通常区間に移行する。本実施形態の場合、t4において、AT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力しない。即ちAT信号はON状態に維持される。
t5において、有利区間の開始に伴ってAT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力する。即ちAT信号はOFF状態に変更される。併せて、ホールコンピュータHCは、AT信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたに有利区間であって非AT状態の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。
図35は、t5におけるデータカウンタDCの表示画面を示す図である。図35(a)は、本実施形態に係るデータカウンタDCの表示画面を示す。一方、図35(b)は、従来例に係るデータカウンタDCの表示画面を示す。
本実施形態の場合、t5における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は0である。つまり、データカウンタDCは有利区間の開始時点で0となるため、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致する。
このため、例えば有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が天井ゲーム数1000Gまで到達した場合に、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1000Gを示したタイミングでAT状態に移行する。これにより遊技者はデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数を正確に信頼することが可能である。
一方、従来例の場合、t5における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は1である。t4において、有利区間の終了に伴ってAT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力し、t4~t5の通常区間のゲームの実行回数を含んでカウントされたためである。
このため、例えば有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が天井ゲーム数1000Gまで到達した場合に、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1001Gを示したタイミングでAT状態に移行する。つまり、データカウンタDCは有利区間の開始時点で0となっていないため、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致しない。遊技者は1000GでAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、天井ゲーム数1000Gまで到達したにもかかわらず、AT状態に移行しないという事態に至ることとなる。更にt4~t5の通常区間のゲームの実行回数が大きくなるほど、不一致ゲーム数の幅は一層大きくなる。
以上、本実施形態によれば、有利区間においてAT状態中に設定する外部出力設定を、有利区間中のAT及びCZの終了後に移行する通常区間においてもAT状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、当該通常区間から再び有利区間に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、ホールコンピュータHCはこのタイミングでAT状態が終了したものと判断するので、有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
<実施形態3>
上述の実施形態2と同様に、本実施形態に係るスロットマシン10においては、AT状態の終了後に所定ゲーム数の間継続するCZ(チャンスゾーン)を有している。CZにはAT状態の終了後に突入する。CZの所定ゲーム数間に再びAT状態に突入できなかった場合には、有利区間が終了し通常区間に転落する。
但し、本実施形態においては上述の実施形態2とは異なり、CZをAT状態の一部として扱わない。具体的に、本実施形態においては、上述の第2遊技状態信号用の外部端子90dを用いて、CZが開始されたことを示す情報を出力する。即ちCZ搭載の本スロットマシン10において、第2遊技状態信号用の外部端子90dは、CZ状態の実行回数(突入回数)をホールコンピュータHCにて認識可能とするために利用される。第2遊技状態信号をCZ信号と言い、さらに第2遊技状態信号用の外部端子90dをCZ信号用の外部端子90dという。ホールコンピュータHCでは、CZ信号用の外部端子90dからの信号の立ち上がりを確認することで、CZ状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第2表示部DC2におけるCZ状態の実行回数の表示を1加算する。
図36は、AT信号及びCZ信号の状態遷移図を示す。図中のtは、通常区間と有利区間との区分線、及び、有利区間内においては非AT状態とAT状態とCZの区分線を示す。また各区間の遊技状態は次の通りである。
t0~t1:通常区間
t1~t2:有利区間、非AT状態
t2~t3:有利区間、AT状態
t3~t4:有利区間、CZ
t4~t5:通常区間
t5~t6:有利区間、非AT状態
t6~t7:有利区間、AT状態
t7~t8:有利区間、CZ
t8~t9:有利区間、AT状態
図36のAT信号を参照すると、t2において、有利区間中、AT状態に突入した場合、AT信号用の外部端子90cからAT信号をON状態に設定出力する。ホールコンピュータHCは、AT状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第1表示部DC1におけるAT状態の実行回数の表示を1加算する。
併せて、ホールコンピュータHCは、AT信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたにAT状態の開始(突入)時点からAT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。
t3において、AT状態が終了するとともに、CZに移行する。AT状態の終了に伴ってAT信号用の外部端子90cからAT信号をOFF状態に設定出力する。また、CZの開始に伴ってCZ信号用の外部端子90dからCZ信号をON状態に設定出力する。
図37は、t3におけるデータカウンタDCの表示画面を示す図である。図37に示されるように、ホールコンピュータHCは、CZ状態が新たに開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第2表示部DC2におけるCZ状態の実行回数の表示を1加算する。
併せて、ホールコンピュータHCは、AT信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたにCZ状態の開始(突入)時点からCZ状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。なお、CZ状態中ゲームの実行回数を引き続きAT状態中ゲームの実行回数カウントに含める場合には、リセットしなくともよい。
t4において、CZが終了するとともに、有利区間が終了し通常区間に移行する。本実施形態の場合、t4において、CZ信号用の外部端子90dからCZ信号をOFF状態に設定出力しない。即ちCZ信号はON状態に維持される。
t5において、有利区間の開始に伴ってCZ信号用の外部端子90dからCZ信号をOFF状態に設定出力する。即ちCZ信号はOFF状態に変更される。併せて、ホールコンピュータHCは、CZ信号のON/OFF変更時、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を一旦0リセットする。あらたに非AT状態の開始(突入)時点から非AT状態中ゲームの実行回数をカウント表示するためである。
図38は、t5におけるデータカウンタDCの表示画面を示す図である。図38(a)は、本実施形態に係るデータカウンタDCの表示画面を示す。一方、図38(b)は、従来例に係るデータカウンタDCの表示画面を示す。
本実施形態の場合、t5における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は0である。つまり、データカウンタDCは有利区間の開始時点で0となるため、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致する。
このため、例えば有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が天井ゲーム数1000Gまで到達した場合に、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1000Gを示したタイミングでAT状態に移行する。これにより遊技者はデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数を正確に信頼することが可能である。
一方、従来例の場合、t5における第0表示部DC0の示すゲームの実行回数は1である。t4において、有利区間の終了に伴ってCZ信号用の外部端子90dからCZ信号をOFF状態に設定出力し、t4~t5の通常区間のゲームの実行回数を含んでカウントされたためである。
このため、例えば有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が天井ゲーム数1000Gまで到達した場合に、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1001Gを示したタイミングでAT状態に移行する。つまり、データカウンタDCは有利区間の開始時点で0となっていないため、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間の開始時点から非AT状態中ゲームの実行回数とが一致しない。遊技者は1000GでAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、天井ゲーム数1000Gまで到達したにもかかわらず、AT状態に移行しないという事態に至ることとなる。更にt4~t5の通常区間のゲームの実行回数が大きくなるほど、不一致ゲーム数の幅は一層大きくなる。
以上、本実施形態によれば、有利区間においてCZ状態中に設定する外部出力設定を、有利区間中のCZの終了後に移行する通常区間においてもCZ状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、通常区間から再び有利区間に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、ホールコンピュータHCはこのタイミングでCZ状態が終了したものと判断するので、有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
<実施形態4>
本スロットマシン10におけるメダルのBET数が規定数に関して、規定数が例えば1枚賭け、2枚賭け又は3枚賭けいずれでも遊技可能であった場合でも、AT機においては有利区間中の指示機能に係る処理は何れか一の賭け数でのみ可能となっている機種が多い。例えば、指示機能に係る処理が有効な賭け枚数が、3枚賭けであるAT機の場合、有利区間中に1枚賭けや2枚賭けしたとしても、指示機能に係る処理は実行されない。このため、有利区間開始時点からAT状態に突入することなしに非AT状態が所定の天井G数(例えば1000G)まで到達した場合に、AT状態に移行する天井判定についても、1枚賭けや2枚賭けしたとしてもカウントされない。
なお、1枚賭けや2枚賭けをした場合でも、有利区間滞在G数カウンタはカウントされる。一回の有利区間中は最大1500Gまで遊技可能であり、有利区間滞在G数カウンタ>1500を満たした場合、有利区間が終了する。
また、上述の投入信号用の外部端子90aに関して、投入信号用の外部端子90aからは、ベット枚数に応じた数のパルス信号が出力される。例えば、ベット枚数の規定数が「2」である場合には、1ゲームの開始時にパルス信号が2回出力される。ベット枚数の規定数が「3」である場合には、1ゲームの開始時にパルス信号が3回出力される。ここで、ホールコンピュータHCでは、当該投入信号用の外部端子90aから「3枚毎」のパルス信号を受信することで、1ゲームが開始されたと判断する仕様となっている。つまり例えば、ベット枚数が「2」である場合には、1ゲームの開始時にパルス信号が2回出力される。しかしながら、ホールコンピュータHCでは2枚分のパルス信号しか受信していないため、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示は1を加算せずに、0のままとする。次ゲームで、ベット枚数が「1」である場合には1ゲームの開始時にパルス信号が1回出力され、パルス信号が累計3回となり、ホールコンピュータHCでは、1ゲームが開始されたと判断し、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示を1加算する。
このような場合、有利区間中に2枚賭けでのゲームが実行された場合は、AT状態に移行する天井判定にはカウントされない上、ホールコンピュータHCでは、データカウンタDCの第0表示部DC0におけるゲームの実行回数の表示は1を加算せずに、0のままである。このような要因に基づいて、第1表示部DC1の表示が所定の天井G数(例えば1000G)に満たないにもかかわらず、AT状態に移行するという事態が発生しうる。
そこで本実施形態においては、有利区間の滞在中に、指示機能に係る処理が有効な賭け枚数(例えば3枚賭け)である場合に、上述の出力外部端子90eから指示機能に係る処理が有効な1ゲームが開始されたことを示す情報を出力する。ホールコンピュータHCでは、天井カウント信号用の外部端子90eからの信号の立ち上がりを確認することで、指示機能に係る処理が有効な1ゲームが開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を1加算する。このため、第3表示部DC3の表示が所定の天井G数(例えば1000G)となったタイミングで、AT状態に移行することになる。
遊技者は所定の天井G数(例えば1000G)でAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を確認することで、所定の天井G数までのカウントを正確に把握することが可能である。
図39は、データカウンタDCの表示画面を示す図である。図39に示されるように、データカウンタDCの第1表示部DC1におけるゲームの実行回数は1000に満たないものの、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数が1000に到達したタイミングでAT状態に移行する。
これにより、遊技者は1000GでAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を確認することで、所定の天井G数までのカウントを正確に把握することが可能である。即ち、有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
なお、本実施形態において以下の形態についても言及する。
・本スロットマシン10側で、有利区間の滞在中に、指示機能に係る処理が有効な賭け枚数である場合にのみ(例えば3枚賭け)、上述の投入信号用の外部端子90aから、ベット数(3枚)に応じたパルス信号を出力するようにすることも可能である。一方、指示機能に係る処理が有効な賭け枚数でない場合には(例えば2枚賭け)、上述の投入信号用の外部端子90aから、ベット数(2枚)に応じたパルス信号を出力しない。これにより、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数が1000Gを示したタイミングでAT状態に移行することになる。即ち、有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数とが一致するため、これら不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
・本スロットマシン10側では、従来通り、投入信号用の外部端子90aからは、ベット枚数に応じた数のパルス信号が出力される。例えば、ベット枚数の規定数が「2」である場合には、1ゲームの開始時にパルス信号が2回出力される。ベット枚数の規定数が「3」である場合には、1ゲームの開始時にパルス信号が3回出力される。一方、ホールコンピュータHCでは、当該投入信号用の外部端子90aから「3枚毎」のパルス信号を受信した場合のみ、1ゲームが開始されたと判断する。つまり例えば、ベット枚数が「2」である場合には、1ゲームの開始時にパルス信号が2回出力されるが、ホールコンピュータHCでは2枚分のパルス信号しか受信していないため、当該信号を無視する。これにより、ホールコンピュータHCでは、有利区間の滞在中に、指示機能に係る処理が有効な賭け枚数である場合にのみ(例えば3枚賭け)、データカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数をカウントアップするので、即ち、有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数とが一致するため、これら不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
(特徴A1)
図柄を変動表示する図柄表示手段(リールユニット31)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72におけるステップS208の処理を実行する機能)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記図柄の変動表示後に、前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるステップS211の処理を実行する機能)とを備えた遊技機であって、
非有利状態(通常区間)と有利状態(有利区間)と含む遊技状態を有し、
前記有利状態において特定条件を満たした場合に遊技者に有利な特定有利状態(AT又はCZ)に移行する特定有利状態移行手段と、
前記特定有利状態の終了後に前記非有利状態に移行させる非有利状態移行手段と、
前記非有利状態において所定条件を満たした場合に前記有利状態に移行させる有利状態移行手段と、
前記特定有利状態移行手段が遊技状態を前記特定遊技状態(AT又はCZ)に移行させる場合に、前記特定遊技状態(AT又はCZ)の開始に対応する情報を設定する第1外部出力設定手段と、(図33の遊技終了時の外部出力設定処理、ステップS1203)
前記有利状態移行手段が遊技状態を前記非有利状態(通常区間)から前記有利状態(有利区間)に移行させる場合に、前記特定遊技状態(AT又はCZ)の終了に対応する情報を設定する第2外部出力設定手段と、(図33の遊技終了時の外部出力設定処理、ステップS1206)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、有利区間(有利状態)においてAT又はCZ状態中に設定する外部出力設定を、有利区間(有利状態)中のAT又はCZ終了後に移行する通常区間(非有利状態)においてもATやCZ状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、通常区間(非有利状態)から再び有利区間(有利状態)に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、有利区間(有利状態)に移行するタイミングでホールコンピュータHCにAT状態が終了したものと判断させることができ、有利区間(有利状態)においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間(有利状態)におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
(特徴A2)
前記遊技状態が前記有利状態の場合に、前記特定遊技状態(AT)への移行抽選を行う移行抽選手段と、(図26のAT移行チャンス処理)
前記有利状態中における遊技回数をカウントするカウント手段と、(有利区間滞在G数カウンタ)
前記移行抽選に当選した場合又は前記遊技回数が所定の遊技回数以上となった場合に、前記特定遊技状態へ移行させる移行手段と、(ステップS1006:YES)
を備えることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することにより、遊技者は所定の天井G数(例えば1000G)でAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を確認することで、所定の天井G数までのカウントを正確に把握することが可能である。
(特徴A3)
図柄を変動表示する図柄表示手段(リールユニット31)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72におけるステップS208の処理を実行する機能)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記図柄の変動表示後に、前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるステップS211の処理を実行する機能)とを備えた遊技機であって、
非有利状態(通常区間)と有利状態(有利区間)と含む遊技状態を有し、
前記有利状態において特定条件を満たした場合に遊技者に有利な第1の特定有利状態(AT)に移行する第1の特定有利状態移行手段と、
前記第1の特定有利状態の終了後に遊技者に有利な第2の特定有利状態(CZ)に移行する第2の特定有利状態移行手段と、
前記第2の特定有利状態の終了後に前記非有利状態に移行させる非有利状態移行手段と、
前記非有利状態において所定条件を満たした場合に前記有利状態に移行させる有利状態移行手段と、
前記第1の特定有利状態移行手段が遊技状態を前記第1の特定遊技状態(AT)に移行させる場合に、前記第1の特定遊技状態(AT)の開始に対応する情報を設定する第1外部出力設定手段と、(図34のt2)
前記有利状態移行手段が遊技状態を前記非有利状態(通常区間)から前記有利状態(有利区間)に移行させる場合に、前記第1の特定遊技状態(AT)の終了に対応する情報を設定する第2外部出力設定手段と、(図34のt5)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、有利区間(有利状態)においてAT及びAT後に移行するCZ状態中に設定する外部出力設定を、有利区間(有利状態)中のCZ終了後に移行する通常区間(非有利状態)においてもAT及びCZ状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、通常区間(非有利状態)から再び有利区間(有利状態)に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、有利区間(有利状態)に移行するタイミングでホールコンピュータHCにAT状態が終了したものと判断させることができ、有利区間(有利状態)においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間(有利状態)におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
(特徴A4)
図柄を変動表示する図柄表示手段(リールユニット31)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72におけるステップS208の処理を実行する機能)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記図柄の変動表示後に、前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるステップS211の処理を実行する機能)とを備えた遊技機であって、
非有利状態(通常区間)と有利状態(有利区間)と含む遊技状態を有し、
前記有利状態において特定条件を満たした場合に遊技者に有利な第1の特定有利状態(AT)に移行する第1の特定有利状態移行手段と、
前記第1の特定有利状態の終了後に遊技者に有利な第2の特定有利状態(CZ)に移行する第2の特定有利状態移行手段と、
前記第2の特定有利状態の終了後に前記非有利状態に移行させる非有利状態移行手段と、
前記非有利状態において所定条件を満たした場合に前記有利状態に移行させる有利状態移行手段と、
前記第1の特定有利状態移行手段が遊技状態を前記第1の特定遊技状態(AT)に移行させる場合に、前記第1の特定遊技状態(AT)の開始に対応する情報を設定する第1外部出力設定手段と、(図36のt2)
前記第1の特定有利状態の終了後に前記第1の特定遊技状態(AT)の終了に対応する情報を設定する第2外部出力設定手段と、(図36のt3)
前記第2の特定有利状態移行手段が遊技状態を前記第2の特定遊技状態(CZ)に移行させる場合に、前記第2の特定遊技状態(CZ)の開始に対応する情報を設定する第3外部出力設定手段と、(図36のt3)
前記有利状態移行手段が遊技状態を前記非有利状態(通常区間)から前記有利状態(有利区間)に移行させる場合に、前記第2の特定遊技状態(CZ)の終了に対応する情報を設定する第4外部出力設定手段と、(図36のt5)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、有利区間(有利状態)においてAT後に移行するCZ状態中に設定する外部出力設定を、有利区間(有利状態)中のCZ終了後に移行する通常区間(非有利状態)においてもCZ状態を示す信号をON状態のまま継続して設定し、通常区間(非有利状態)から再び有利区間(有利状態)に移行するタイミングで、外部出力設定をOFF状態にする。これにより、有利区間(有利状態)に移行するタイミングでホールコンピュータHCにAT状態が終了したものと判断させることができ、有利区間(有利状態)においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間(有利状態)におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することが可能となる。
(特徴A5)
前記遊技状態が前記有利状態の場合に、前記第1の特定遊技状態(AT)への移行抽選を行う移行抽選手段と、(図26のAT移行チャンス処理)
前記有利状態中における遊技回数をカウントするカウント手段と、(有利区間滞在G数カウンタ)
前記移行抽選に当選した場合又は前記遊技回数が所定の遊技回数以上となった場合に、前記第1の特定遊技状態へ移行させる移行手段と、(ステップS1006:YES)
を備えることを特徴とする特徴A3又は4に記載の遊技機。
有利区間においてデータカウンタDC(第0表示部DC0)の示すゲームの実行回数と、有利区間におけるゲーム実行回数との不一致(ズレ)を防止することにより、遊技者は所定の天井G数(例えば1000G)でAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を確認することで、所定の天井G数までのカウントを正確に把握することが可能である。
(特徴B1)
図柄を変動表示する図柄表示手段(リールユニット31)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72におけるステップS208の処理を実行する機能)と、
前記図柄表示手段における図柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42~44)と、
前記図柄の変動表示後に、前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるステップS211の処理を実行する機能)とを備えた遊技機であって、
非有利状態(通常区間)と有利状態(有利区間)と含む遊技状態を有し、
前記有利状態において特定条件を満たした場合に遊技者に有利な特定有利状態(AT又はCZ)に移行する特定有利状態移行手段と、
前記特定有利状態の終了後に前記非有利状態に移行させる非有利状態移行手段と、
前記非有利状態において所定条件を満たした場合に前記有利状態に移行させる有利状態移行手段と、
前記遊技状態が前記有利状態であって指示機能に係る処理が有効な賭け枚数(例えば3枚賭け)で遊技が実行された場合に、有効な賭け枚数であることに対応した情報を設定する外部出力設定手段と、(天井カウント信号用の外部端子90e)
を備えることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、有利区間の滞在中に、指示機能に係る処理が有効な賭け枚数(例えば3枚賭け)である場合に、上述の出力外部端子90eから指示機能に係る処理が有効な1ゲームが開始されたことを示す情報を出力する。ホールコンピュータHCでは、天井カウント信号用の外部端子90eからの信号の立ち上がりを確認することで、指示機能に係る処理が有効な1ゲームが開始(突入)されたと判断し、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を1加算する。このため、第3表示部DC3の表示が所定の天井G数(例えば1000G)となったタイミングで、AT状態に移行することになる。
(特徴B2)
前記遊技状態が前記有利状態の場合に、前記特定遊技状態(AT)への移行抽選を行う移行抽選手段と、(図26のAT移行チャンス処理)
前記有利状態中における遊技回数をカウントするカウント手段と、(有利区間滞在G数カウンタ)
前記移行抽選に当選した場合又は前記遊技回数が所定の遊技回数以上となった場合に、前記特定遊技状態へ移行させる移行手段と、(ステップS1006:YES)
を備えることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
遊技者は所定の天井G数(例えば1000G)でAT状態に移行すると期待しながら遊技をするところ、データカウンタDCの第3表示部DC3におけるゲームの実行回数の表示を確認することで、所定の天井G数までのカウントを正確に把握することが可能である。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。