JP7339376B2 - 自律神経調節用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、自律神経調節用組成物に関する。
現代社会においては、ストレスが大きな問題になっている。生体は、ストレスを含むさ
まざまな外部変化に対して生体の恒常性(ホメオスタシス)を一定に保つため、自律神経
系、内分泌系、免疫系等が相互に作用しあってバランスをとっている。これらの中でも、
生体で最も重要なシステムは自律神経系であるといえる。
自律神経系は、意識的な制御とは無関係に、無意識下で臓器の活動を外部環境や内部環
境に対応するように調節している。この自律神経系は、緊張状態で活動が上昇する交感神
経系と、リラックス時などの弛緩状態に活動が上昇する副交感神経系とから構成される。
前記2種類の自律神経系は、気温や心的ストレスのような外部環境変化や栄養状態など
の内部環境変化に対応して、それぞれが拮抗的に働き、それらの変化に身体を対応させて
いる。このとき過度なストレスにさらされ続けると、自律神経のバランスが崩れ、不眠の
ような体調不良に代表される自律神経失調症等が引き起こされるとされている。一方、交
感神経の活性化により、頭をすっきりさせたり、眠気を軽減したり、集中力を持続したり
する効果が期待できる。したがって、安全且つ簡便に自律神経を調節する方法の提供が望
まれている。
近年では、アロマセラピーのような香りを用いた手法が汎用されている。アロマテラピ
ーとは、交感神経の緊張状態を緩和あるいは鎮静化するために、精油等に含まれる香気成
分を吸引あるいは塗布することにより、それらの症状を改善する方法である。これは、鼻
あるいは肺を通して吸収された香気成分が、大脳の視床下部を経て自律神経に作用するこ
とによるものである。
また、グレープフルーツオイルやフェンネンオイル、ペッパーオイルなどの香料組成物
を用いた交換神経活性化香料組成物が提案されている(特許文献1および2)。また、交
感神経の活性化を継続させる目的で、交感神経活性化用組成物を布綿に含有させた交感神
経活性化布綿が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、香りや香料組成物を用いる方法は味への影響が大きく、飲食物への利用
が限られてしまう。また、アロマセラピーに用いる成分は、必ずしも経口摂取できるよう
な食品用途の成分であるとは限らない。
また、植物のエキスを用いた熱産生交感神経の活性化剤(特許文献4および5参照)や
、フラバンジェノールによる褐色脂肪細胞の交感神経の活性化(非特許文献1参照)が提
案されているが、これらは、熱産生系の交感神経に限定されており、得られる効果が痩身
効果に限られる。
一方で、特許文献6には、イソα酸または還元型イソα酸を有効成分として含有する心
理状態改善剤に関するものであり、この文献には、イソα酸をエタノールとともに摂取し
た場合の効果について記載されている。
特開2002-193824号公報 特開2002-265977号公報 特開2004-250804号公報 特開2004-51486号公報 特開2004-115440号公報 特開2010-209022号公報
Biosci Biotechnol Biochem. 2009 Nov;73(11):2374-8
本発明は、効果的に自律神経の調節をすることができ、かつ、日常的に摂取することの
できる新規な自律神経調節用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ジケトピペラジン類
を投与することにより、皮膚交感神経の活動を活性化又は抑制し得ることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]ジケトピペラジン類又はその塩を有効成分として含有する自律神経調節用組成物。
[2]ジケトピペラジン類又はその塩が焙煎成分である[1]に記載の自律神経調節用組
成物。
[3]ジケトピペラジン類が環状ジペプチドである[1]または[2]に記載の自律神経
調節用組成物。
[4]環状ジペプチドが少なくともプロリンを構成単位として含む[3]に記載の自律神
経調節用組成物。
[5]環状ジペプチドがシクロ-プロリル-フェニルアラニン又はシクロ-プロリル-プ
ロリンである[4]に記載の自律神経調節用組成物。
[6]自律神経調節が交感神経活性化であり、環状ジペプチドがシクロ-プロリル-フェ
ニルアラニンである[5]に記載の自律神経調節用組成物。
[7]自律神経調節が交感神経抑制であり、環状ジペプチドがシクロ-プロリル-プロリ
ンである[5]に記載の自律神経調節用組成物。
[8]飲食品組成物である[1]~[7]のいずれか1に記載の自律神経調節用組成物。
[9]医薬組成物である[1]~[7]のいずれか1に記載の自律神経調節用組成物。
[10]ジケトピペラジン類又はその塩を有効成分として含有する自律神経調節用剤。
本発明の自律神経調節用組成物は優れた自律神経調節作用を有し、自律神経のバランス
を安全且つ簡便に調節する手段として有効に機能し得るものである。
図1は、ラットにシクロ-プロリル-フェニルアラニン[Cyclo(L-Pro-L-Phe)]を3ppm(w/v)水溶液を、1ml/300g体重の用量で胃内投与したときの、皮膚交感神経活動(cutaneous arterial sympathetic nerve activity、CASNA)の経時変化を示すグラフである。縦軸は、刺激開始前の値(0分値)を100%とした場合の百分率で示す。横軸は、サンプル投与後の経過時間(分)を示す。白三角はシクロ-プロリル-フェニルアラニンを投与した場合のグラフであり、黒ひし形は、対照として水を用いた場合のグラフである。 図2は、ラットにシクロ-プロリル-プロリン[Cyclo(L-Pro-L-Pro)]を3ppm(w/v)水溶液を、1ml/300g体重の用量で胃内投与したときの、皮膚交感神経活動(cutaneous arterial sympathetic nerve activity、CASNA)の経時変化を示すグラフである。縦軸は、刺激開始前の値(0分値)を100%とした場合の百分率で示す。横軸は、サンプル投与後の経過時間(分)を示す。黒丸はシクロ-プロリル-プロリンを投与した場合のグラフであり、黒ひし形は、対照として水を用いた場合のグラフである。
本発明による自律神経調節用組成物(以下、本発明の組成物ともいう)は、ジケトピペ
ラジン類又はその塩を有効成分として含有する。
本発明において「自律神経調節」とは、自律神経系の失調を改善することを意味し、交
感神経活動が通常より高まっている被験者において、交感神経活動を抑制(交感神経抑制
)するか、または、交感神経活動が通常より低下している被験者において、交感神経活動
を活性化(交感神経活性化)させる現象が観察されることによって定義される。なお、該
現象は、実施例において後述する方法により交感神経の活動度を求めることにより評価す
ることができる。
交感神経としては、例えば、副腎、皮膚動脈、褐色脂肪組織、白色脂肪組織、肝臓、脾
臓、膵臓又は腎臓を支配する交感神経等が挙げられる。
ジケトピペラジン類の塩はジケトピペラジン類の薬理学的に許容される任意の塩(無機
塩及び有機塩を含む)をいい、例えば、ジケトピペラジン類のナトリウム塩、カリウム塩
、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩及
び有機酸塩(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳
酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩及
びベンゼンスルホン酸塩等)等が挙げられるが、これらに限定されない。ジケトピペラジ
ン類の塩は、当該分野で公知の方法により調製することができる。
ジケトピペラジン類は、環状ジペプチドであることが好ましい。環状ジペプチドとは、
アミノ酸2分子が脱水縮合して環化した化合物である。環状ジペプチドはプロリン、フェ
ニルアラニン、ロイシン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、ヒスチジ
ン、アラニン、グリシン及びメチオニンから選ばれる少なくとも1のアミノ酸を構成単位
として含むことが好ましく、少なくともプロリンを構成単位として含むことがより好まし
い。
環状ジペプチドとしては、例えば、シクロ-プロリル-フェニルアラニン[Cyclo
(Pro-Phe)]、シクロ-プロリル-ロイシン[Cyclo(Pro-Leu)]
、シクロ-プロリル-プロリン[Cyclo(Pro-Pro)]、シクロ-プロリル-
チロシン[Cyclo(Pro-Tyr)]及びシクロ-プロリル-トリプトファン[C
yclo(Pro-Trp)]、シクロ-プロリル-バリン[Cyclo(Pro-Va
l)]、シクロ-プロリル-イソロイシン[Cyclo(Pro-Ile)、シクロ-プ
ロリル-ヒスチジン[Cyclo(Pro-His)]、シクロ-プロリル-アラニン[
Cyclo(Pro-Ala)]、シクロ-プロリル-グリシン[Cyclo(Pro-
Gly)]及びシクロ-プロリル-メチオニン[Cyclo(Pro-Met)]が挙げ
られる。これらの中でも、自律神経調節効果の観点から、シクロ-プロリル-フェニルア
ラニン及びシクロ-プロリル-プロリンが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、複
数種を組み合わせて用いてもよい。
特に、自律神経調節が交感神経活性化である場合、環状ジペプチドはシクロ-プロリル
-フェニルアラニンであることが好ましい。また、自律神経調節が交感神経抑制である場
合、環状ジペプチドはシクロ-プロリル-プロリンであることが好ましい。これらは単独
で用いてもよいし、併用してもよい。
なお、本明細書において、環状ジペプチドのアミノ酸の構成が同じであれば、それらの
記載順序はいずれが先でも構わなく、例えば、Cyclo(Pro-Phe)とCycl
o(Phe-Pro)は同じ環状ジペプチドを表すものである。環状ジペプチドはシス体
であってもトランス体であってもよい。
本発明で用いるジケトピペラジン類又はその塩は、当該分野で公知の方法に従って調製
することができる。例えば、化学合成方法、酵素法又は微生物発酵法により製造されても
よく、特開2003-252896号公報、Journal of Peptide Science, 10, 737-737,
2004、特開2014-125427号公報に記載の方法に従って調製することができる
ジケトピペラジン類又はその塩は市販の合成試薬を用いてもよいが、安全性の観点から
は天然物から抽出したものが好ましい。天然物からジケトピペラジン類又はその塩を得る
方法としては、具体的には、例えば、飲食品原料を焙煎することにより焙煎成分としてジ
ケトピペラジン類又はその塩を得る方法、及び飲食品原料を加熱処理、熟成処理又は酵素
処理等することによりジケトピペラジン類又はその塩を得る方法が挙げられる。
飲食品原料としては、タンパク質を多く含む飲食品原料が好ましく、例えば、植物原料
、乳原料、獣鳥肉類、魚介類、貝類及び卵が挙げられる。これらの中でも、生産性の観点
から、植物原料及び乳原料が好ましい。
植物原料としては、一般に飲食品の製造に用いられる植物由来の素材であればよく、特
に限定されないが、例えば、穀物、豆類、茶類及び草本類が挙げられ、生産性の観点から
、豆類が好ましい。
穀物としては、例えば、大麦(例えば、二条大麦、六条大麦及び裸麦等)、小麦、はと
麦、炒り米、生玄米、発芽玄米、古代米(例えば、黒米、赤米及び緑米等)、そば、白米
、とうもろこし、サツマイモ、黒ごま及び白ごまが挙げられる。豆類としては、例えば、
コーヒー豆、カカオ豆、黒大豆、ソラマメ、ひよこ豆、インゲン豆及び小豆が挙げられる
。茶類としては、例えば、緑茶葉、ウーロン茶葉及び紅茶葉が挙げられる。草本類として
は、例えば、チコリー根及びたんぽぽ根が挙げられる。
乳原料としては、例えば、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳
、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイ
ル、チーズ、アイスクリーム及びホエーパウダーが挙げられる。
獣鳥肉類としては、例えば、畜肉である牛、豚、馬、羊及びやぎ、獣肉である畜肉以外
(例えば、イノシシ及びシカ等)の肉、家禽肉である鶏、七面鳥、ウズラ、アヒル及び合
鴨等の肉、野鳥肉である家禽肉以外の鳥類(例えば、鴨、キジ、スズメ及びツグミ等)の
肉などが挙げられる。
魚介類又は貝類としては、例えば、一般の食生活で食される魚介類及び貝類が挙げられ
る。卵としては、例えば、鶏卵及びうずら卵が挙げられる。上記飲食品原料は単独で又は
2種以上を組合せて使用することができる。
本発明において焙煎成分とは、上記飲食品原料を焙煎することにより生じる成分、例え
ば、苦味成分、甘味成分、コク味成分、香気成分及び着色成分が挙げられる。焙煎成分は
、例えば、上記飲食品原料を焙煎工程及び抽出工程の順に処理することにより得ることが
できる。焙煎工程は、飲食品原料を焙煎し、該飲食品原料中に焙煎成分を生じさせる工程
である。焙煎方法としては、当該分野で公知の焙煎方法及び焙煎機を用いることができる
焙煎方法としては、加熱方法により分類すれば、例えば、直火、熱風、遠赤外線及びマ
イクロウェーブが挙げられる。焙煎機としては、例えば、連続流動式焙煎機及び回転ドラ
ム方式の焙煎機が挙げられる。
焙煎工程において、飲食品原料の焙煎度(L値)を調整することにより、得られる焙煎
成分の種類を調整することができる。具体的には、例えば、飲食品原料が六条大麦であれ
ば、L値を17~40とすることにより、焙煎成分としてジケトピペラジン類が得られる
。ここでL値とは黒を0、白を100とした測色法で明度を表す数値であり、L値計で測
定することができる。
抽出工程は、上記の焙煎処理された飲食品原料に抽出処理を施して焙煎成分を抽出する
工程である。抽出方法としては当該分野で公知の抽出方法を用いることができる。焙煎成
分が、ジケトピペラジン類等の水溶性成分である場合、抽出方法としては、例えば、浸漬
抽出及びドリップ抽出が挙げられる。焙煎成分が水溶性成分である場合、抽出工程で用い
る抽出溶媒としては、抽出に適する溶媒であれば特に限定されないが、好ましくは水性溶
媒であり、最も簡便には水を用いることができる。
水は、食品の処理に使用可能な水質であればよく、例えば、蒸留水、脱塩水、アルカリ
イオン水、海洋深層水、イオン交換水、脱酸素水及び水溶性の有機化合物(例えば、アル
コール類)又は無機塩類を含む水が挙げられるが、好ましくは純水を用いる。
好ましい態様によれば、抽出工程は焙煎した飲食品原料の質量に対して好ましくは10
0~1000%、より好ましくは200~500%の質量の抽出溶媒を加えて、焙煎した
飲食品原料を抽出溶媒に浸漬した状態で保持するのがよい。浸漬状態は、抽出溶媒の投入
開始から好ましくは1~60分間、より好ましくは5~50分間持続されるのがよい。抽
出工程は静置してもよいし撹拌してもよい。抽出工程では、抽出工程に用いる装置の形態
並びに抽出溶媒の種類及び添加量等に応じて、抽出条件を設定することができる。
ジケトピペラジン類又はその塩を有効に作用させるためには、本発明の組成物における
有効成分のジケトピペラジン類又はその塩(複数種類含む場合にはその合計換算)の含有
量は、好ましくは0.0000001質量%以上であり、より好ましくは0.00000
01~0.0001質量%である。
本発明の組成物の使用形態としては、特に制限されず、例えば、飲食品組成物、その飲
食品組成物に配合するために用いられる添加物、医薬品組成物、その医薬組成物に配合す
るために用いられる添加物などが挙げられる。本発明の組成物は、その形態に特に制限は
なく、顆粒状、粒状、ペースト状、ゲル状、液状、半液体状、固体状のいずれであっても
よい。
本発明の組成物は、ヒトだけでなく、愛玩動物(例えば、犬、猫、爬虫類、鳥類及び魚
類等)、家畜(家禽を含む)又は養殖魚などに用いてもよい。また、本発明の組成物には
、上記有効成分の他に、さらに自律神経を調節する他の構成要素を含有させてもよい。
本発明における飲食品組成物には、いわゆる健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サ
プリメントを包含し、疾病リスク低減表示を付した食品などの保健機能食品(例えば、特
定保険用食品、栄養機能性食品及び機能性表示食品等)、病者用食品及び食品添加物も包
含される。
飲食品組成物の具体例としては、ドリンク類、スープ類、非アルコール飲料、アルコー
ル飲料、ゼリー状飲料及び機能性飲料等の液状食品;ゼリー及びヨーグルト等の半固形状
食品;みそ及び発酵飲料等の発酵食品;クッキー及びケーキ等の洋菓子類、饅頭及び羊羹
等の和菓子類、キャンディー類、ガム類、グミ、冷菓並びに氷菓等の各種菓子類;食用油
、ドレッシング、マヨネーズ及びマーガリンなどの油分を含む製品;飯類、餅類、麺類、
パン類及びパスタ類等の炭水化物含有食品;ハム及びソーセージ等の畜産加工食品;かま
ぼこ、干物、塩辛等の水産加工食品;漬物等の野菜加工食品;カレー、あんかけ及び中華
スープ等のレトルト製品;インスタントスープ及びインスタントみそ汁等のインスタント
食品;電子レンジ対応食品;卵を用いた加工品、及び魚介類又は畜肉の加工品;調味料;
等が挙げられる。さらには、粉末、穎粒、錠剤、カプセル剤、液状、ペースト状又はゼリ
ー状に調製された健康飲食品も挙げられる。本発明における飲食品組成物の製造は、当該
技術分野に公知の製造技術により実施することができる。
非アルコール飲料としては、例えば、ミネラルウォーター、ニア・ウォーター、スポー
ツドリンク、茶飲料、乳飲料、清涼飲料水、コーヒー飲料、果汁入り飲料、野菜汁入り飲
料、果汁及び野菜汁飲料、炭酸飲料及びアルコールを含まないビールテイスト飲料などが
挙げられるが、これらに限定はされない。ノンアルコールビール等、アルコール含有量が
1%未満のビール飲料であってもよい。ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性の
ミネラルウォーターのいずれもが包含される。
前記茶飲料とは、ツバキ科の常緑樹である茶樹の葉(茶葉)又は茶樹以外の植物の葉若
しくは穀類等から抽出したものからなる飲料をいい、発酵茶、半発酵茶及び不発酵茶のい
ずれもが包含される。茶飲料としては、例えば、日本茶(例えば、緑茶及び麦茶等)、紅
茶、ハーブ茶(例えば、ジャスミン茶等)、中国茶(例えば、中国緑茶及び烏龍茶等)、
ほうじ茶等が挙げられる。
前記乳飲料とは、生乳、牛乳等またはこれらを原料として製造した食品を主原料とした
飲料をいい、牛乳等そのものを材料とするものの他に、例えば、栄養素強化乳、フレーバ
ー添加乳及び加糖分解乳等の加工乳を原料とするものも包含される。
果汁入り飲料又は果汁若しくは野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リ
ンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、モモ、マンゴー、アサイー及びブルーベリーなど
が挙げられる。また、野菜汁入り飲料又は果汁若しくは野菜汁入り飲料に用いられる野菜
としては、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、カボチャ及びキュウリなどが挙げられる
飲食品組成物として用いる場合、有効成分であるジケトピペラジン類又はその塩の摂取
量は、通常、成人1人1日当たり10~1000μgが好ましく、より好ましくは100
~500μg、さらにより好ましくは200~300μgである(複数種類含む場合には
その合計換算)。
また、飲食品組成物として用いる場合、1食分ないしは1食分として小分けされた容器
中に、ジケトピペラジン類又はその塩(複数種類含む場合にはその合計換算)を10~1
000μg含有する形態であることが好ましく、より好ましくは100~500μg含有
する形態であり、さらに好ましくは200~300μg含有する形態である。
ジケトピペラジン類又はその塩は単回摂取でも自律神経調節効果が認められるが、飲食
品組成物として継続的に摂取することにより、自律神経のバランスを適度に調整すること
ができれば、ストレスなどの環境要因に対する脆弱性を低くする、すなわちストレスに対
して抵抗性を備えるような状態にすることも可能となる。
医薬組成物は、ジケトピペラジン類又はその塩を有効成分として含み、担体、賦形剤、
結合剤又は希釈剤等を混合することにより製造できる。経口又は非経口的に投与すること
が可能であり、経口投与する場合には、顆粒剤、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤又はシロ
ップ剤等、どのような形態であってもかまわない。また、非経口用の投与形態としては、
例えば、注射剤、点滴剤及び経鼻投与製剤等の外用剤等が挙げられるが、これらに限られ
るものではない。
医薬組成物として用いる場合、その投与量としては、投与形態、患者の年齢、体重、治
療すべき症状の性質又は重篤度等により異なるが、経口投与の場合、ジケトピペラジン類
又はその塩の投与量は、通常、成人1人1日当たり10~1000μgが好ましく、より
好ましくは100~500μgであり、さらに好ましくは200~300μgである(複
数種類含む場合にはその合計換算)。非経口投与、例えば静脈内投与の場合、ジケトピペ
ラジン類又はその塩の投与量は、成人1人1日当たり10~1000μgが好ましく、よ
り好ましくは100~500μgであり、さらに好ましくは200~300μgである(
複数種類含む場合にはその合計換算)。なお、これら投与量に関しては、種々の条件によ
り、適宜最適な形態を選択すればよい。
実施例1:ジケトピペラジン類による皮膚交感神経活動の活性化効果
実験には12時間毎の明暗周期(8時~20時まで点灯)下に24℃の恒温動物室にて
1週間以上飼育した体重約300gのWistar系雄ラット(約9週齢)を使用した。
実験当日は3時間絶食させた後にウレタン麻酔し、胃内投与用のカニューレを挿入し、右
大腿の皮膚動脈交感神経の遠心枝を銀電極で吊り上げ、神経の電気活動を測定した。
これらの測定値が落ち着いた時期(13時頃)にカニューレを用いてCyclo(L-
Pro-L-Phe)3ppm水溶液を1ml/300g体重の用量で胃内投与して、そ
の際に生じるこれらの皮膚動脈交感神経活動の変化を90分間にわたって電気生理学的に
測定した。ここで用いたCyclo(L-Pro-L-Phe)3ppm水溶液は、Cy
clo(L-Pro-L-Phe)(ペプチド研究所社製)が3ppm(w/v)の濃度
となるように水で希釈したものである。対照実験としては、水を1ml/300g体重の
用量で胃内投与して、その際に生じる皮膚動脈交感神経活動の変化を90分間にわたって
電気生理学的に測定した。
尚、手術開始から測定終了までチューブを気管に挿入して気道を確保し、保温装置にて
体温(ラット直腸温)を35.0±0.5℃に保つようにした。
得られた皮膚動脈交感神経の活動のデータは5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pul
se/5s)の平均値にて解析し刺激開始前の値(0分値)を100%とした百分率で表
した。なお、データから平均値±標準誤差を計算すると共に、群としての統計学的有意差
の検定はanalysis of variance(ANOVA) with rep
eated measuresにより行なった。図1に結果を示す。
図1に示すように、胃内投与開始5分後から90分後までの間のCASNA値をCyc
lo(L-Pro-L-Phe)投与群と水投与群との2群で統計学的検討により比較す
ると、Cyclo(L-Pro-L-Phe)投与群のCASNA値は水投与群のCAS
NA値よりも有意(p<0.01、One way ANOVA)に高いことが明らかと
なった。この結果から、Cyclo(L-Pro-L-Phe)は、皮膚交感神経を興奮
させる効果があることがわかった。
実施例2:ジケトピペラジン類による皮膚交感神経活動の抑制効果
実験には12時間毎の明暗周期(8時~20時まで点灯)下に24℃の恒温動物室にて
1週間以上飼育した体重約300gのWistar系雄ラット(約9週齢)を使用した。
実験当日は3時間絶食させた後にウレタン麻酔し、胃内投与用のカニューレを挿入し、右
大腿の皮膚動脈交感神経の遠心枝を銀電極で吊り上げ、神経の電気活動を測定した。
これらの測定値が落ち着いた時期(13時頃)にカニューレを用いてCyclo(L-
Pro-L-Pro)3ppm水溶液を1ml/300g体重の用量で胃内投与して、そ
の際に生じるこれらの皮膚動脈交感神経活動の変化を90分間にわたって電気生理学的に
測定した。ここで用いたCyclo(L-Pro-L-Pro)3ppm水溶液は、Cy
clo(L-Pro-L-Pro)(ペプチド研究所社製)が3ppm(w/v)の濃度
となるように水で希釈したものである。対照実験としては、水を1ml/300g体重の
用量で胃内投与して、その際に生じる皮膚動脈交感神経活動の変化を90分間にわたって
電気生理学的に測定した。
尚、手術開始から測定終了までチューブを気管に挿入して気道を確保し、保温装置にて
体温(ラット直腸温)を35.0±0.5℃に保つようにした。
得られた皮膚動脈交感神経の活動のデータは5分間毎の5秒あたりの発火頻度(pul
se/5s)の平均値にて解析し刺激開始前の値(0分値)を100%とした百分率で表
した。なお、データから平均値±標準誤差を計算すると共に、群としての統計学的有意差
の検定はanalysis of variance(ANOVA) with rep
eated measuresにより行なった。図2に結果を示す。
図2に示すように、胃内投与開始5分後から90分後までの間のCASNA値をCyc
lo(L-Pro-L-Pro)投与群と水投与群との2群で統計学的検討により比較す
ると、Cyclo(L-Pro-L-Pro)投与群のCASNA値は水投与群のCAS
NA値よりも有意(p<0.01、One way ANOVA)に低いことが明らかと
なった。この結果から、Cyclo(L-Pro-L-Pro)は、皮膚交感神経を抑制
させる効果があることがわかった。
本発明の自律神経調節作用組成物は、自律神経のバランスを正常に保つための安全で簡
便な手段として利用されることが期待される。

Claims (5)

  1. シクロ-プロリル-フェニルアラニンを含む飲食品組成物を、成人1日当たり100~500μg経口摂取させることによる、交感神経活性化方法(但し、人間を手術、治療又は診断する方法を除く)。
  2. 交感神経活動が通常よりも低下した者に前記飲食品組成物を経口摂取させる、請求項1に記載の交感神経活性化方法(但し、人間を手術、治療又は診断する方法を除く)。
  3. シクロ-プロリル-プロリンを含む飲食品組成物を、ヒトを含む動物に経口摂取させることによる、交感神経抑制方法(但し、人間を手術、治療又は診断する方法を除く)。
  4. シクロ-プロリル-プロリンを含む飲食品組成物を、成人1日当たり100~500μg経口摂取させるものである、請求項3に記載の交感神経抑制方法(但し、人間を手術、治療又は診断する方法を除く)。
  5. 交感神経活動が通常よりも高まっている者に前記飲食品組成物を経口摂取させる、請求項3又は4に記載の交感神経抑制方法(但し、人間を手術、治療又は診断する方法を除く)。
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