以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態に係る煙突を説明するために必要となる主要な構成要素を簡略化して示したものである。したがって、本発明の実施形態に係る煙突は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成要素を備え得る。
図1は、例示的な煙突1の平面図である。図2は、例示的な煙突1の縦断面図である。以下、図1、2を参照し、煙突1の概略構成を説明する。煙突1は、工場などに設置され、工場内で発生した排ガスを外部へ排出するためのものであり、上下方向に長い直方体状に形成されている。煙突1は、ダクト2と、螺旋階段3と、骨格部材4と、外壁設置部材12と、本体膜5と、引張手段19と、止水膜6と、軸部材7と、止水膜結合具34と、フラットバー39と、を有する。
ダクト2は、工場内で発生した排ガスを流すものであり、本実施形態では、2つ設置されている。ダクト2は、円筒状に形成されている。ダクト2は、耐熱性のある材料で形成されている。例えば、ダクト2は、金属で形成することができる。
螺旋階段3は、立設された支柱3bと、支柱3bに螺旋状に取り付けられた階段3cと、を有する。
骨格部材4は、煙突1の骨格をなす部材であり、複数の支柱13、14と、各支柱13、14を連結固定する複数の梁11と、複数の梁11に支持される床材16と、を有する。複数の支柱13、14は、複数の第1支柱13と、複数の第2支柱14と、を有する。
第1支柱13は、2つのダクト2と螺旋階段3の周囲に一定の間隔を空けて立設されている。本実施形態では、第1支柱13は、平面視において四角形の頂点に位置するように4本配置されている。各第1支柱13は、断面四角形状の中空に形成されている。
複数の第2支柱14は、隣り合う第1支柱13、13の間に立設されている。具体的には、螺旋階段3の近傍における第1支柱13、13の間の中間位置には、2本の第2支柱14a、14bが間隔を空けて平行に立設されている。第2支柱14a、14bの位置から煙突1の中心に対して90度の位置(図1では、下側)における第1支柱13、13の間の中間位置には、2本の第2支柱14c、14dが間隔を空けて平行に立設されている。また、第2支柱14a、14bの位置に対して煙突1の中心を挟んで対向する位置における第1支柱13、13の間の中間位置には、1本の第2支柱14eが立設されている。第2支柱14c、14dの位置に対して煙突1の中心を挟んで対向する位置における第1支柱13、13の間の中間位置には、1本の第2支柱14fが立設されている。隣り合う第2支柱14a、14bの間隔と隣り合う第2支柱14c、14dの間隔は、隣り合う第1支柱13、13の間隔よりも短くなっている。各第2支柱14a、14b、14c、14d、14e、14fは、断面四角形状の中空に形成されている。
複数の梁11は、図1に示すように、各第1支柱13と各第2支柱14a、14b、14c、14d、14e、14fとを連結固定している。複数の梁11は、図2に示すように、上下方向に一定の間隔を空けて設置されている。
床材16は、略四角形状に形成され、複数の梁11に固定されることにより支持されている。床材16には、2つのダクト2と螺旋階段3が貫通する貫通孔16aが形成されている。これらの貫通孔16aには、2つのダクト2と螺旋階段3とが上下に貫通している。床材16は、図2に示すように、上下方向に一定の間隔を空けて配置されている。
外壁設置部材12は、本体膜5を骨格部材4から外側に間隔を空けて設置するためのものであり、各支柱13、14から外側に突出した複数の突出部材20と、複数の突出部材20間に架け渡される複数のガイド部材18と、を有する。
複数の突出部材20は、各第1支柱13から梁11に対して斜め外側へ突出する第1突出プレート23を有する。各第1突出プレート23の先端は、円弧状に形成されている。各第1突出プレート23は、上下方向に一定の間隔を空けて配置されている。
複数の突出部材20は、各第2支柱14a、14b、14c、14d、14e、14fから梁11に対して直角方向外側へそれぞれ突出する第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fを有する。各第2突出プレート21a、21b、21c、21dは、図3に示すように、軸部材7側に形成された支持部26を有する。支持部26は、後述する本体膜5に張力を付与する引張手段19が固定されるものであり、本体膜5の張力を受けるように形成されている。各第2突出プレート21a、21b、21c、21dの先端は、円弧状に形成されている。
第2突出プレート21e、21fは、図1に示すように、隣り合う第2突出プレート21a、21bを結合したような構造になっている点で、各第2突出プレート21a、21b、21c、21dと相違している。その他の点については、第2突出プレート21e、21fは、各第2突出プレート21a、21b、21c、21dと同様の構成を有する。各第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fは、上下方向に一定の間隔を空けて配置されている。
複数のガイド部材18は、各第1突出プレート23の先端の位置において上下方向に延びるように配置された複数の第1ガイドパイプ18aと、各第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fの先端の位置において上下方向に延びるように配置された複数の第2ガイドパイプ18bと、を有する。各第1ガイドパイプ18aは、各第1突出プレート23において、円弧状に形成された先端に嵌り込むことにより支持されている。各第2ガイドパイプ18bは、各第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fにおいて、円弧状に形成された先端に嵌り込むことにより支持されている。各第1及び第2ガイドパイプ18a、18bは、断面円形の中空に形成されている。
本体膜5は、上下方向に長い矩形状に形成され、骨格部材4の外側に配置されることにより煙突1の外壁を形成するものである。本体膜5は、図1に示すように、螺旋階段3の近傍の紙面右上に配置された第1本体膜5aと、第1本体膜5aと間隔をおいて配置された第2本体膜5b及び第3本体膜5cと、第2本体膜5b及び第3本体膜5cと間隔をおいて配置された第4本体膜5dと、を有する。
第1本体膜5aは、螺旋階段3の近傍に位置する第2突出プレート21aの位置と、第2突出プレート21aと煙突1の中心に対して90度の位置にある第2突出プレート21fの位置で内側に引き込んで引張手段19により、張力が付与された状態で第2突出プレート21a及び第2突出プレート21fに固定されている。各第2~4本体膜5b、5c、5dは、それぞれ、第1本体膜5aと同様に引張手段19により、第2突出プレート21b、21cの位置、第2突出プレート21e、21fの位置、第2突出プレート21d、21eの位置で内側に引き込んで固定されている。
本体膜5は、煙突1の外壁として必要な耐久性と耐熱性を有するものであれば特にその素材は問わないが、例えば、ガラス繊維にフッ素樹脂を被覆したものを使用することができる。
引張手段19は、図3に示すように、各本体膜5a、5b、5c、5dの上下方向に延びる両縁部に係止する係止具23と、係止具23に取り付けられたテンションロッド24と、テンションロッド24の外面に形成された雄ねじに羅合する雌ねじが形成されたナット25と、を有する。テンションロッド24は、各第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fの支持部26に形成された貫通孔27に挿入され、ナット25で締め付けることにより、支持部26に固定されている。
止水膜6は、煙突1の内部に雨水などが侵入してしまうのを防止するためのものである。止水膜6は、図1に示すように、第1本体膜5aと第2本体膜5bとの間を塞ぐ第1止水膜6aと、第2本体膜5bと第4本体膜5dとの間を塞ぐ第2止水膜6bと、第3本体膜5cと第4本体膜5dとの間を塞ぐ第3止水膜6cと、第3本体膜5cと第1本体膜5aとの間を塞ぐ第4止水膜6dと、を有する。
第1本体膜5aと第2本体膜5bとの間を塞ぐ第1止水膜6aは、第1本体膜5aの上下方向に延びる一方の縁部に連結された膜体6aaと、第2本体膜5bの上下方向に延びる一方の縁部に連結された膜体6bb、とにより、図4に示すように、一対となっている。
第2本体膜5bと第4本体膜5dとの間を塞ぐ第2止水膜6bは、第2本体膜5bの上下方向に延びる他方の縁部に連結された膜体6ccと、第4本体膜5dの上下方向に延びる一方の縁部に連結された膜体6ddと、により、一対となっている。
第3本体膜5cと第4本体膜5dとの間を塞ぐ第3止水膜6cは、第3本体膜5cの上下方向に延びる一方の縁部に連結された膜体6eeと、第4本体膜5dの上下方向に延びる他方の縁部に連結された膜体6ffと、により、一対となっている。
第1本体膜5aと第3本体膜5cとの間を塞ぐ第4止水膜6dは、第1本体膜5aの上下方向に延びる他方の縁部に連結された膜体6ggと、第3本体膜5cの上下方向に延びる他方の縁部に連結された膜体6hhと、により、一対となっている。
止水膜6を本体膜5に連結する手段は、いずれでもよい。例えば、止水膜6は、縫着により本体膜5に連結することができる。
一対の膜体6aa、6bbは、図4に示すように、矩形の一辺の中間部分に半円の切欠き30が形成された本体部28と、本体部28の切欠き30の両側における縁部に形成された止水部29と、を有する。本体部28は、上下方向の長さにおいて本体膜5の上下方向の長さと略等しい長さに形成されている。本体部28の止水部29とは反対側の縁部は、本体膜5と連結される部位である。一対の膜体6aa、6bbは、各切欠き30、30を対向させるように組み合わせて軸部材7を挿通させる円形の挿通孔62を形成している。一対の膜体6cc、6ddも、一対の膜体6aa、6bbと同様の構成を有する。
本体部28には、切欠き30に沿って一定の間隔を空けて複数のボルト挿通孔31が形成されている。止水部29には、上下方向に間隔を空けて複数のボルト挿通孔32が形成されている。
一対の膜体6ee、6ffと一対の膜体6gg、6hhは、切欠き30とボルト挿通孔31が形成されていない点で、一対の膜体6aa、6bbと相違している。その他の構成については、一対の膜体6ee、6ffと一対の膜体6gg、6hhは、一対の膜体6aa、6bbと同様の構成を有する。
止水膜6は、煙突1の外壁として必要な耐久性と耐熱性を有するものであれば特にその素材は問わないが、例えば、ガラス繊維にフッ素樹脂を被覆したものを使用することができる。
軸部材7は、図1、図3に示すように、第2突出プレート21aと第2突出プレート21bとの間と、第2突出プレート21cと第2突出プレート21dとの間に1つずつ配置されている。第2突出プレート21aと第2突出プレート21bとの間に配置された軸部材7は、一対の膜体6aa、6bbの挿通孔62に挿通され、一対の膜体6aa、6bbの内面側から外面側に亘って配置されている。第2突出プレート21cと第2突出プレート21dとの間に配置された軸部材7は、一対の膜体6cc、6ddの挿通孔62に挿通され、一対の膜体6cc、6ddの内面側から外面側に亘って配置されている。軸部材7としては、例えば、時計駆動軸を挙げることができるが、これに限定されない。軸部材7は、例えば、看板が取り付けられる回転しないものであってもよい。
各軸部材7、7は、図5に示すように、軸支持具8により支持されている。軸支持具8は、第2支柱14a、14b、14c、14dにそれぞれ取り付けられている。隣り合う第2支柱14a、14bに取り付けられた軸支持具8は、第2支柱14a、14bに固定された基板53と、基板53における軸部材7の軸方向外側に取り付けられた第1支持部54と、基板53における軸部材7の軸方向内側に取り付けられた第2支持部55と、を有する。基板53と第2支持部55とは、取付金具を介して第2支柱14a、14bに固定されている。軸部材7は、第1支持部54及び第2支持部55により支持されている。隣り合う第2支柱14c、14dに取り付けられた軸支持具8も、同様の方法で、隣り合う第2支柱14c、14dに固定されている。
止水膜結合具34は、軸部材7に取り付けられ、止水膜6を軸部材7に結合するためのものである。止水膜結合具34は、図6に示すように、軸部材7が貫通する貫通孔37が形成された筒状の筒状部38と、筒状部38との間で止水膜6の本体部28を挟み込む膜押え板47と、筒状部38に取り付けられた防水リング35と、を有する。
筒状部38は、2つ割に形成されている。具体的には、筒状部38は、図6、7に示すように、軸部材7の外周の半分を覆う2つの半筒部40、41と、各半筒部40、41から半径方向外側へ突出する2つの半円環状のフランジ42、42と、各フランジ42、42に固定された複数のボルト43と、各半筒部40、41に形成され、半筒部40、41を互いに連結する連結板44と、を有する。
各半筒部40、41は、円筒の中心軸を含む平面で切断した形状となっている。具体的には、各半筒部40、41は、煙突1の内側に向かう方向の軸方向端部に形成された半円環状の軸方向端面と、軸方向端面の半径方向外側の周縁から煙突1の外側に向かう方向に延びる外周面と、を有する。
各フランジ42、42は、各半筒部40、41の外周面における煙突1の外側に向かう方向の周縁から半径方向外側へ突出している。
複数のボルト43は、各フランジ42、42から煙突1の内側に向けて突出しており、一定の間隔を空けて配置されている。
連結板44は、各半筒部40、41の外周面における周方向の両縁から水平方向に突出するように2つ設けられている。各連結板44、44には、図7、8に示すように、ボルト45が挿入されるボルト挿通孔44aが形成されている。これにより、各半筒部40、41により軸部材7を挟み込んだ状態で、一方の連結板44、44と他方の連結板44、44とを重ね合せてボルト45とナット46で締結することにより、筒状部38が軸部材7に取り付けられている。
膜押え板47は、図6、9に示すように、半円環状のフランジ42を略2等分した円弧状に形成されている。膜押え板47には、複数のボルト挿通孔48が形成されている。膜押え板47は、一対の膜体6aa、6bbの本体部28のボルト挿通孔31にボルト43が差し込まれるとともに、ボルト挿通孔48にボルト43が差し込まれた状態でナット43aにより締め付けてフランジ42の煙突1の内側を向く面内に固定されている。これにより、膜押え板47は、フランジ42との間で一対の膜体6aa、6bbの本体部28を挟み込んでいる。本実施形態では、膜押え板47は、図6に示すように、フランジ42、42の上部と下部に若干の隙間a、bが形成されるようにフランジ42、42の煙突1の内側を向く面内に4つ固定されている。一対の膜体6cc、6ddも、同様の方法で、フランジ42、42の煙突1の内側を向く面内に固定されている。
フラットバー39は、止水膜6の止水部29を挟み込むことにより、止水膜6の位置から雨水などが煙突1の内部に侵入するのを防止するためのものである。フラットバー39は、第1止水膜6aの一対の膜体6aa、6bbを挟み込む一対の第1フラットバー39aと、第2止水膜6bの一対の膜体6cc、6ddを挟み込む一対の第2フラットバー39bと、を有する。さらに、フラットバー39は、図1に示すように、第3止水膜6cの一対の膜体6ee、6ffを挟み込む一対の第3フラットバー39cと、第4止水膜6dの一対の膜体6gg、6hhを挟み込む一対の第4フラットバー39dと、を有する。
第1フラットバー39aと第2フラットバー39bは、図5、図10に示すように、それぞれ、第1及び第2止水膜6a、6bの本体部28に対して煙突1の内側に配置されている。本実施形態では、第1フラットバー39aと第2フラットバー39bは、筒状部38の外周面の上部に位置するものと、筒状部38の外周面の下部に位置するものとに分かれている。これに対して、第3フラットバー39cと第4フラットバー39dは、止水膜6の上下方向の長さと略等しい長さに形成されており、1つで構成されている。
一対の第1フラットバー39aは、図10に示すように、一対の膜体6aa、6bbの各止水部29、29をそれぞれ煙突1の内側に向けて折り曲げて重ね合わせた状態で、各止水部29、29を挟み込んでいる。この状態で、一対の第1フラットバー39aにそれぞれ形成されたボルト挿通孔50と、一対の膜体6aa、6bbの各止水部29、29のボルト挿通孔32と、にボルト49が差し込まれてナット51で締め付けることにより、各止水部29、29が一対の第1フラットバー39aの間に固定されている。尚、各第2~4フラットバー39b、39c、39dも、一対の第1フラットバー39aと同様の方法により、それぞれ各第2~4止水膜6b、6c、6dの各止水部29、29を挟み込んだ状態で固定している。
防水リング35は、雨水などが煙突1の内部に侵入するのを防止するためのものであり、図6に示すように、筒状部38のフランジ42とは反対側に位置する軸方向端面に取り付けられている。防水リング35は、軸部材7が挿通される軸挿通孔52が形成された円環状に形成されている。防水リング35の外径は、筒状部38の外径と同径になっている。防水リング35は、軸挿通孔52に軸部材7が挿通された状態で、筒状部38のフランジ42とは反対側の軸方向端部に形成された軸方向端面にボルトとナットにより固定されている。
各軸部材7、7の煙突1の内側に向かう方向の端部には、図5に示すように、各軸部材7、7を回転駆動するモータ36、36が取り付けられている。各軸部材7、7の各モータ36、36とは反対側の端部には、時計9の短針9a、長針9bおよび歯車機構9cが連結されている。歯車機構9は、軸部材7の回転を短針9aおよび長針9bに伝達する。
上記実施形態の煙突1では、各軸部材7、7は、それぞれ、一対の膜体6aa、6bbに形成された挿通孔62と、一対の膜体6cc、6ddに形成された挿通孔62と、に挿通されているので、各軸部材7、7を煙突1の内部から外部へ貫通させるための貫通孔が、引張手段19により張力を付与される本体膜5に形成されていない。そのため、軸部材7、7が煙突1の内部から外部へ突出していても、本体膜5の耐久性が確保されている。
上記実施形態の煙突1では、一対の膜体6aa、6bb及び一対の膜体6cc、6ddは、それぞれ各軸部材7、7に取り付けられた止水膜結合具34に結合している。そのため、第1止水膜6aと第2止水膜6bは、風雨に曝されても動くことがなく、設置状態が安定化されている。
上記実施形態の煙突1では、各膜体6aa、6bb、6cc、6ddの各本体部28が止水膜結合具34のフランジ42と膜押え板47とに挟み込まれているので、各膜体6aa、6bb、6cc、6ddは、各膜体6ee、6ff、6gg、6hhに比べて、設置状態の点でより安定化されている。
上記実施形態の煙突1では、止水膜結合具34のフランジ42には、煙突1の内側に向かって突出するボルト43が固定されているので、本体膜5に対して煙突内側で、一対の膜体6aa、6bbと一対の膜体6cc、6ddをフランジ42と膜押え板47とにより挟みことができる。そのため、第1及び第2止水膜6a、6bを止水膜結合具34に結合する際に、本体膜5に対して煙突外側に足場を組み立てる必要がないので、施工期間を短縮できるとともに、施工コストも低減することができる。
上記実施形態の煙突1では、一対の膜体6aa、6bbと一対の膜体6cc、6ddと一対の膜体6ee、6ffと一対の膜体6gg、6hhにおける各止水部29、29は、それぞれ、折り曲げられて重ね合わされた状態で一対の第1~4フラットバー39a、39b、39c、39dにより挟み込まれている。そのため、一対の膜体6aa、6bbの間と一対の膜体6cc、6ddの間と一対の膜体6ee、6ffの間と一対の膜体6gg、6hhの間から雨水などが煙突1の内部へ侵入することが防止されている。また、一対の膜体6aa、6bbの各止水部29、29及び一対の膜体6cc、6ddの各止水部29、29は、互いに離れる方向に引張られなくなるので、各止水部29、29同士が互いに離れる方向の引張力が、フランジ42と膜押え板47に直接作用することがない。そのため、止水膜6の設置状態がより安定化する。
次に、上記煙突1の施工方法について説明する。まず、工場内で発生した排ガスを流すダクト2を設置するダクト設置工程と螺旋階段3とを設置する階段設置工程とが行われる。ダクト設置工程では、図1に示すように、2つのダクト2が立設される。階段設置工程では、支柱3bを立設した後、その支柱3bに階段3cを螺旋状に取り付ける。
ダクト設置工程と階段設置工程が終了すると、骨格部材4を設置する骨格部材設置工程が行われる。骨格部材設置工程では、まず、2つのダクト2と螺旋階段3の周囲に、図1に示すように、平面視で四角形の頂点の位置に第1支柱13が立設される。次に、隣り合う第1支柱13の間の中間位置(図1では、右側と下側の2ヶ所)に間隔を空けて第2支柱14a、14bおよび第2支柱14c、14dが立設される。次いで、隣り合う第1支柱13の間の中間位置(図1では、左側と上側の2ヶ所)に第2支柱14e、14fが立設される。尚、第1支柱13と第2支柱14の設置の順番は前後してもよい。
第1支柱13と第2支柱14の設置が終了すると、第1支柱13と第2支柱14とを梁11で連結固定する。同時に、床材16を梁11に固定する。梁11と床材16は、下から上に向かって設置されていく。尚、床材16は、全ての梁11が設置された後に、設置するようにしてもよい。
骨格部材設置工程が終了すると、本体膜5を骨格部材4の外側に設置するための外壁設置部材12を設置する外壁設置部材設置工程が行われる。外壁設置部材設置工程では、各第1支柱13と各第2支柱14とに外側へ突出する複数の突出部材20が設置される。具体的には、まず、各第1支柱13に第1突出プレート23を固定していく。次いで、各第2支柱14a、14b、14c、14d、14e、14fに第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fをそれぞれ固定していく。最後に、各第1突出プレート13の先端に第1ガイドパイプ18aを配設するとともに、各第2突出プレート21a、21b、21c、21d、21e、21fの先端に第2ガイドパイプ18bを配設する。
外壁設置部材設置工程が終了すると、骨格部材4の外側に本体膜5と止水膜6と軸部材7とを設置する膜設置工程が行われる。膜設置工程では、まず本体膜5を設置する。具体的には、まず、第1本体膜5aの前記一方の縁部を上下方向に一定の間隔を空けて引張手段19の係止具23に係止する。次いで、この引張手段19のテンションロッド24を、図3に示すように、第2突出プレート21aの支持部26の貫通孔27に差し込んでナット25で締め付けることにより、支持部26に固定する。次に、第1本体膜5aの前記他方の縁部を上下方向に一定の間隔を空けて引張手段19の係止具23に係止する。次いで、この引張手段19を、図1に示すように、第2突出プレート21fに固定する。これにより、第1本体膜5aは、張力が付与された状態で骨格部材4の外側に設置される。
第1本体膜5aの設置が終了すると、第2本体膜5bを設置する。まず、第2本体膜5bの前記一方の縁部を上下方向に一定の間隔を空けて引張手段19の係止具23に係止する。次いで、この引張手段19のテンションロッド24を、第2突出プレート21bの支持部26の貫通孔27に差し込んでナット25で締め付けることにより、支持部26に固定する。次に、第2本体膜5bの前記他方の縁部を上下方向に一定の間隔を空けて引張手段19の係止具23に係止する。次いで、この引張手段19のテンションロッド24を、図3に示すように、第2突出プレート21cの支持部26の貫通孔27に差し込んでナット25で締め付けることにより、支持部26に固定する。これにより、第2本体膜5bは、張力が付与された状態で骨格部材4の外側に設置される。このとき、第1本体膜5aと第2本体膜5bとの間を塞ぐ第1止水膜6aにおいて、一対の膜体6aa、6bbの各切欠き30、30が対向するように配置されることにより、軸部材7を挿通させる挿通孔62が形成される。第3及び第4本体膜5c、5dについても、上記と同じ要領で設置される。尚、第1~4本体膜5a、5b、5c、5dの設置順序は、前後してもよい。
第1~4本体膜5a、5b、5c、5dの設置が終了すると、2つの軸部材7、7を設置する作業を行う。2つの軸部材7、7を設置する作業では、まず、各軸部材7、7を支持する軸支持具8を、それぞれ、第2支柱14aと第2支柱14bとの間に設置するとともに、第2支柱14cと第2支柱14dとの間に設置する。次に、各軸部材7、7を防水リング35に挿入した状態で、図5に示すように、各軸部材7、7を第2支持部55の軸挿通孔59に挿入するとともに、第1支持部54の上面に載置する。この状態で、一対の膜体6aa、6bb及び一対の膜体6cc、6ddの各切欠き30、30を組み合わせて形成した挿通孔62に各軸部材7、7をそれぞれ挿通させる。次いで、各軸部材7、7の挿通孔62に挿通した側の端部を、第1本体膜5aと第2本体膜5bとの間と、第2本体膜5bと第4本体膜5dとの間からそれぞれ外部へ突出させる。最後に、各軸部材7、7の外部へ突出させた端部に時計9の短針9aと長針9bと歯車機構9cとを取り付けるとともに、各軸部材7、7の時計9とは反対側の端部にモータ36を接続する。尚、本体膜5と軸部材7の設置順序は、前後してもよい。
各軸部材7、7の設置が終了すると、第1止水膜6aと第2止水膜6bとをそれぞれ各軸部材7、7に結合する作業を本体膜5に対して煙突内側で行う。この作業では、まず、各軸部材7、7に止水膜結合具34を取り付ける。具体的には、まず、一方の半筒部40で各軸部材7、7の外面の上半分を覆うとともに、他方の半筒部41で軸部材7の外面の下半分を覆う。この状態で、一方の半筒部40の外周面の周方向両縁に形成された2つの連結板44、44と、他方の半筒部41の外周面の周方向両縁に形成された2つの連結板44、44と、を重ね合せた状態で、ボルト45とナット46により固定する。これにより、止水膜結合具34が各軸部材7、7に取り付けられる。
次に、第1止水膜6aと第2止水膜6bとを止水膜結合具34に結合する作業を行う。具体的には、まず、止水膜結合具34の筒状部38のフランジ42から煙突1の内側に向かって突出したボルト43を、一対の膜体6aa、6bbの各本体部28、28のボルト挿通孔31に差し込むとともに、膜押え板47のボルト挿通孔48に差し込んで、各本体部28、28をフランジ42と膜押え板47とにより挟み込む。この状態で、ボルト43にナット43aをねじ込んで、各本体部28、28をフランジ42と膜押え板47との間で締め付けることにより、第1止水膜6aを止水膜結合具34に結合する。このとき、図6に示すように、フランジ42の上部と下部の中央部分に半径方向に延びる若干の隙間a、bが形成されるように、4つの膜押え板47をフランジ42の煙突内側を向く面内に取り付ける。これにより、第1止水膜6aが止水膜結合具34に結合される。そして、第2止水膜6bについても、同様の方法によって止水膜結合具34に結合する。
第1及び第2止水膜6a、6bを止水膜結合具34に結合する作業が終了すると、各第1~4止水膜6a、6b、6c、6dをそれぞれ一対の各第1~4フラットバー39a、39b、39c、39dに固定する作業を本体膜5に対して煙突内側で行う。具体的には、まず、一対の膜体6aa、6bbの各止水部29、29を煙突1の内側に向けて折り曲げて、一方の半筒部40のフランジ42の煙突内側を向く面内に固定された2つの膜押え板47、47の間の隙間a(図6参照)から突出させる。次いで、各止水部29、29を重ね合せた状態で、各止水部29、29のボルト挿通孔32と、一対の第1フラットバー39aのボルト挿通孔50と、にボルト49を差し込んで、各止水部29、29を一対の第1フラットバー39aの間に挟み込む。この状態で、ボルト49にナット51をねじ込んで締め付ける。これにより、一対の膜体6aa、6bbの各止水部29、29が一対の第1フラットバー39aに固定される。そして、同様の方法により、各第2~4止水膜6b、6c、6dをそれぞれ一対の各第2~4フラットバー39b、39c、39dに固定する。尚、第1止水膜6aと第2止水膜6bについては、各止水部29、29を煙突1の内側に向けて折り曲げて、他方の半筒部41のフランジ42の煙突内側を向く面内に固定された2つの膜押え板47、47の間の隙間b(図6参照)から突出させて、上記と同様の方法により、筒状部38の下部に配置された一対の第1及び第2フラットバー39a、39bにそれぞれ固定する。
上記実施形態の煙突1の施工方法では、一対の膜体6aa、6bbと一対の膜体6cc、6ddを止水膜結合具34へ結合する作業を本体膜5に対して煙突内側で行うので、この作業を行うための足場を本体膜5に対して煙突外側に組み立てない。そのため、施工期間が短縮されるとともに、施工コストも低減される。
上記実施形態の煙突1の施工方法では、一対の膜体6aa、6bb及び一対の膜体6cc、6ddの各止水部29、29をフランジ42と膜押え板47とにより挟み込んで固定する作業を本体膜5に対して煙突内側で行うので、本体膜5に対して煙突外側に足場を組み立てない。そのため、施工期間が短縮されるとともに、施工コストも低減される。
上記実施形態の煙突1の施工方法では、各第1~4止水膜6a、6b、6c、6dを、それぞれ各第1~4フラットバー39a、39b、39c、39dにより挟み込んで固定する作業を本体膜5に対して煙突内側で行う。そのため、各第1~4止水膜6a、6b、6c、6dをそれぞれ各第1~4フラットバー39a、39b、39c、39dに固定する際に、本体膜5に対して煙突外側に足場を組み立てない。したがって、施工期間が短縮されるとともに、施工コストも低減される。
以上に説明した煙突1は、本発明の一実施形態であり、その具体的構成については、適宜変更可能である。以下、変形例に係る煙突について説明する。
上記実施形態では、第2支柱14e、14fに第2突出プレート21e、21fが設置されたが、第2突出プレート21e、21fは設置されなくてもよい。この場合、第1本体膜5aと第3本体膜5cと第4本体膜5dを結合したような大きさの1枚の本体膜と、第2本体膜5bと、により、本体膜5が形成される。この場合、前記1枚の本体膜は第1本体膜を構成する。そして、前記1枚の本体膜の上下方向に延びる両縁部は、第2突出プレート21aの位置で内側に引き込んで第2突出プレート21aに引張手段19により固定されるとともに、第2突出プレート21dの位置で内側に引き込んで第2突出プレート21dに引張手段19により固定される。第2本体膜5bについては、上記実施形態と同様の方法によって設置される。
上記実施形態では、4枚の第1~4本体膜5a、5b、5c、5dにより、煙突1の外壁をなす本体膜5を形成したが、4枚の第1~4本体膜5a、5b、5c、5dを組み合わせたような大きさの1枚の大きな本体膜で本体膜5を形成するようにしてもよい。この場合、2つの軸部材7、7のいずれか一方が省略される。第2突出プレート21c、21dの間に配置された方の軸部材7が省略された場合、前記1枚の大きな本体膜の上下方向に延びる両縁部は、第2突出プレート21aの位置で内側に引き込んで引張手段19により第2突出プレート21aに固定されるとともに、第2突出プレート21bの位置で内側に引き込んで引張手段19により第2突出プレート21bに固定される。このとき、前記1枚の大きな本体膜は、第2突出プレート21aに固定される側の部位が第1本体膜を構成し、第2突出プレート21bに固定される側の部位が第2本体膜を構成する。