以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された電動工具、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又は請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
1つまたはそれ以上の実施形態において、電動工具は、モータと、前記モータに接続された動力伝達機構と、前記モータおよび前記動力伝達機構を収容するハウジングと、前記動力伝達機構に接続されており、先端工具を着脱可能な先端工具保持部と、前記ハウジングに取り付けられたハンドルを備えていてもよい。前記電動工具は、ユーザが前記ハンドルを把持していない場合に、前記モータの回転を禁止してもよい。
上記の構成によれば、ユーザがハンドルを把持していない場合に、モータの回転が禁止されるので、ハンドルを把持することなく電動工具が使用されることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具は、第1位置と第2位置の間で移動する中間部材をさらに備えていてもよい。前記中間部材は、前記ユーザが前記ハンドルを把持していない場合に、前記第1位置にあってもよく、前記ユーザが前記ハンドルを把持した状態で行う操作に応じて、前記第1位置から前記第2位置に移動してもよい。前記電動工具は、前記中間部材が前記第1位置にある場合に、前記モータの回転を禁止してもよく、前記中間部材が前記第2位置にある場合に、前記モータの回転を許容してもよい。
上記の構成によれば、ユーザがハンドルを把持していない場合に、モータの回転を禁止するとともに、ユーザがハンドルを把持して行う操作に応じて、モータの回転を許容することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハンドルは、ハンドル本体と、前記ハンドル本体に設けられており、前記ユーザが操作可能なハンドル操作部材を備えていてもよい。前記中間部材は、前記ユーザによる前記ハンドル操作部材への操作に連動して、前記第1位置から前記第2位置へ移動してもよい。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがハンドルを把持していない場合に、モータの回転を禁止するとともに、ユーザがハンドルを把持して行う操作に応じて、モータの回転を許容することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハンドルおよび前記ハウジングの一方は、非円形の形状を有する挿入ピンを備えていてもよい。前記ハンドルおよび前記ハウジングの他方は、前記挿入ピンを回転不能に受け入れる挿入孔を備えていてもよい。前記電動工具は、前記挿入ピンの前記挿入孔からの抜け出しを防止するロック部材をさらに備えていてもよい。
例えば、ハンドルをハウジングに螺合させて取り付ける構成では、ハンドルをハウジングに取り付けた時のハンドル操作部材の位置が一定にならず、ユーザが操作しにくい位置にハンドル操作部材が配置されるおそれがある。上記の構成によれば、ハンドルをハウジングに取り付けた時のハンドル操作部材の位置が一定となるので、ユーザが操作しやすい位置にハンドル操作部材を配置することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具は、前記モータの駆動を制御する制御ユニットと、前記制御ユニットに接続されており、前記中間部材の移動を検出する検出センサをさらに備えていてもよい。前記制御ユニットは、前記検出センサによって前記中間部材が前記第1位置から前記第2位置に移動したことが検出されない場合に、前記モータの回転を禁止してもよく、前記検出センサによって前記中間部材が前記第1位置から前記第2位置に移動したことが検出された場合に、前記モータの回転を許容してもよい。
上記の構成によれば、制御ユニットにおいてモータの回転を禁止する状態と許容する状態の切り替えを行うので、電動工具の機械的な構成をより簡素化することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記検出センサは、非接触式の検出センサであってもよい。
上記の構成によれば、中間部材を介して検出センサに振動や衝撃が伝達して検出センサが故障することを抑制することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記検出センサと前記中間部材は、前記ハウジングに設けられていてもよい。前記ハンドルは、前記ユーザによる前記ハンドル操作部材への操作に連動して、前記中間部材を前記第1位置から前記第2位置へ移動させる中継部材をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、検出センサと中間部材の両方がハウジングに設けられているので、検出センサと中間部材を精度よく位置合わせしておくことができ、検出センサによる検出精度を向上することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記検出センサは、発光素子と、前記発光素子に対応する受光素子を備えていてもよい。
上記の構成によれば、小型で検出精度の高い検出センサを実現することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記発光素子と前記受光素子は、互いに対向して配置されていてもよい。前記中間部材が前記第1位置および前記第2位置の一方にある場合に、前記中間部材が前記発光素子と前記受光素子の間を遮っていてもよい。前記中間部材が前記第1位置および前記第2位置の他方にある場合に、前記中間部材が前記発光素子と前記受光素子の間を遮らなくてもよい。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、中間部材の第1位置から第2位置への移動を検出することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記発光素子と前記受光素子は、同じ方向を向いて配置されていてもよい。前記中間部材が前記第1位置および前記第2位置の一方にある場合に、前記発光素子が発した光が前記中間部材で反射して前記受光素子で受光されてもよい。前記中間部材が前記第1位置および前記第2位置の他方にある場合に、前記発光素子が発した光が前記受光素子で受光されなくてもよい。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、中間部材の第1位置から第2位置への移動を検出することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記検出センサは、接触式の検出センサであってもよい。前記中間部材が前記第1位置および前記第2位置の一方にある場合に、前記中間部材が前記検出センサを押圧してもよい。前記中間部材が前記第1位置および前記第2位置の他方にある場合に、前記中間部材が前記検出センサを押圧しなくてもよい。
上記の構成によれば、電動工具の電気系統の構成をより簡素化することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記中間部材は、前記ハウジングに揺動可能に保持されていてもよい。前記ハンドルは、前記中間部材に固定されていてもよい。前記ユーザが前記ハンドルを前記ハウジングに対して揺動させることで、前記中間部材が前記第1位置から前記第2位置へ揺動してもよい。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがハンドルを把持していない場合に、モータの回転を禁止するとともに、ユーザがハンドルを把持して揺動させた場合に、モータの回転を許容することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記中間部材は、前記ハウジングにスライド可能に保持されていてもよい。前記電動工具は、前記ハウジングに揺動可能に保持された中継部材と、前記中間部材を前記中継部材に押し付ける方向に付勢する付勢部材をさらに備えていてもよい。前記ハンドルは、前記中継部材に固定されていてもよい。前記ユーザが前記ハンドルを前記ハウジングに対して揺動させることで、前記中継部材が揺動して、前記中間部材が前記第1位置から前記第2位置へスライドしてもよい。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、中間部材の第1位置から第2位置への移動を検出することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記中継部材は、前記ハウジングに対して第1揺動軸および前記第1揺動軸に対して直交する第2揺動軸周りに揺動可能に保持されていてもよい。
上記の構成によれば、ユーザが所望の方向にハンドルを揺動させて、中間部材を第1位置から第2位置へ移動させることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具は、前記ユーザの操作に応じてオン位置とオフ位置の間で移動可能なメイン操作部材をさらに備えていてもよい。前記電動工具は、前記メイン操作部材がオン位置にある場合に、前記モータを回転させ、前記メイン操作部材がオフ位置にある場合に、前記モータの回転を停止させるように構成されていてもよい。前記中間部材が前記第1位置にある場合に、前記メイン操作部材の前記オフ位置から前記オン位置への移動が禁止されてもよい。前記中間部材が前記第2位置にある場合に、前記メイン操作部材の前記オフ位置から前記オン位置への移動が許容されてもよい。
上記の構成では、メイン操作部材のオフ位置からオン位置への移動が禁止されると、モータの回転が禁止され、メイン操作部材のオフ位置からオン位置への移動が許容されると、モータの回転が許容される。上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがハンドルを把持していない場合に、モータの回転を禁止するとともに、ユーザがハンドルを把持して行う操作に応じて、モータの回転を許容することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具は、前記ハウジングに着脱可能に取り付けられており、前記モータに電力を供給するバッテリをさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータに電力を供給することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電動工具では、前記先端工具として研削ホイールを使用可能であってもよい。前記電動工具は、グラインダとして機能してもよい。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具が、ハンドルを把持することなく使用されることを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングは、グリップを備えていてもよい。前記ユーザは、一方の手で前記グリップを把持し、他方の手で前記ハンドルを把持した状態で、前記電動工具を使用可能であってもよい。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具を使用する際に、一方の手でグリップを把持し、他方の手でハンドルを把持して、電動工具を安定して保持することができる。
(実施例1)
図1に示すように、本実施例の電動工具2は、例えばグラインダである。電動工具2は、モータハウジング4と、モータカバー6と、スペーサハウジング8と、ギヤハウジング10と、ベアリングボックス12と、ホイールカバー14と、サイドハンドル16と、を備えている。なお、以下の説明では、モータハウジング4の長手方向を前後方向といい、前後方向に直交する方向を左右方向といい、前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向という。
図2に示すように、モータハウジング4の前方内部には、原動機であるモータ18が収容されている。モータ18は、例えば、インナロータ型のブラシレスDCモータである。モータ18は、前後方向に伸びる出力シャフト20を有している。モータハウジング4の前端には、モータカバー6が取り付けられている。出力シャフト20は、ベアリング22を介してモータハウジング4に回転可能に支持されているとともに、ベアリング24を介してモータカバー6に回転可能に支持されている。モータハウジング4の後端には、バッテリ26が取り付けられている。バッテリ26は、例えばリチウムイオンバッテリ等の、再充電可能な二次電池である。バッテリ26は、モータハウジング4に対して上下方向にスライドさせることで着脱可能な、スライド式のバッテリである。モータハウジング4の後方内部には、制御ユニット28が収容されている。バッテリ26から供給される電力は、制御ユニット28を介して、モータ18に供給される。
モータハウジング4の前方の上面には、前後方向にスライド可能なメイン操作部材30が設けられている。メイン操作部材30は、ユーザの操作によって、前方のオン位置と後方のオフ位置の間で移動可能である。メイン操作部材30には、第1リンク部材32が係合している。第1リンク部材32は、前後方向にスライド可能に、モータハウジング4に支持されている。第1リンク部材32の後端には、第2リンク部材34の上端が回動可能に連結されている。第2リンク部材34は、左右方向を回動軸として回動可能に、モータハウジング4に支持されている。第2リンク部材34の下端は、メインスイッチ36に対向して配置されている。メインスイッチ36は、制御ユニット28に接続されている。メイン操作部材30がオフ位置からオン位置に移動すると、第1リンク部材32が前方に向けて移動し、第2リンク部材34は下端が後方に向かう方向に回動する。これによって、第2リンク部材34の下端がメインスイッチ36に当接し、メインスイッチ36は制御ユニット28にオン信号を出力する。制御ユニット28は、メインスイッチ36からオン信号を受信すると、バッテリ26からの電力をモータ18へ供給する。これによって、モータ18が出力シャフト20を回転させる。メイン操作部材30がオン位置からオフ位置に移動すると、第1リンク部材32が後方に向けて移動し、第2リンク部材34は下端が前方に向かう方向に回動する。これによって、第2リンク部材34の下端がメインスイッチ36から離反し、メインスイッチ36は制御ユニット28にオフ信号を出力する。制御ユニット28は、メインスイッチ36からオフ信号を受信すると、バッテリ26からの電力のモータ18への供給を遮断する。これによって、モータ18が出力シャフト20の回転を停止させる。
モータハウジング4の後方の上面には、表示部38が設けられている。表示部38は、制御ユニット28に接続されている。表示部38は、電動工具2の動作状態やバッテリ26の電池残量に応じて表示を変化させることで、電動工具2の動作状態やバッテリ26の電池残量をユーザに報知する。
スペーサハウジング8は、モータカバー6の前方に取り付けられている。ギヤハウジング10は、スペーサハウジング8の前方に取り付けられている。ギヤハウジング10の内部には、互いに噛み合うように配置された第1ベベルギヤ40と第2ベベルギヤ42が収容されている。第1ベベルギヤ40は、出力シャフト20の前方端部に固定されている。第2ベベルギヤ42は、上下方向に伸びるスピンドル44の上方端部に固定されている。以下では、第1ベベルギヤ40と第2ベベルギヤ42を総称して、単にベベルギヤ46ともいう。ベベルギヤ46は、モータ18の回転を減速してスピンドル44に伝達する減速機構であり、動力伝達機構ということができる。ギヤハウジング10は、ベアリング48を介して、スピンドル44の上方端部を回転可能に支持している。図1に示すように、ギヤハウジング10の上面には、シャフトロック50が設けられている。ユーザがシャフトロック50を操作して下方に押し込むと、第2ベベルギヤ42の回転が禁止されて、スピンドル44の回転が禁止される。
図2に示すように、ベアリングボックス12は、ギヤハウジング10の下方に取り付けられている。ベアリングボックス12は、ベアリング52を介して、スピンドル44を回転可能に支持している。スピンドル44は、上下方向に沿った回転軸に関して、ベアリングボックス12に対して回転可能である。スピンドル44の下方端部には、インナフランジ54とアウタフランジ56を介して、研削ホイール58を取り付け可能である。インナフランジ54は、スピンドル44に嵌合されている。研削ホイール58は、インナフランジ54の下方からスピンドル44に取り付けられて、インナフランジ54に嵌合されている。アウタフランジ56は、スピンドル44の下方端部からスピンドル44に螺着されて、インナフランジ54との間で研削ホイール58を挟持する。電動工具2において、モータ18が回転すると、スピンドル44とともに研削ホイール58が回転軸周りに回転することで、ワークの研削を行うことができる。スピンドル44は、先端工具である研削ホイール58を保持する先端工具保持部ということもできる。なお、本実施例では、モータハウジング4、モータカバー6、スペーサハウジング8、ギヤハウジング10およびベアリングボックス12を総称して、単にハウジング60ともいう。
ホイールカバー14は、ベアリングボックス12に着脱可能に取り付けられている。ホイールカバー14は、電動工具2に取り付けられた時に、研削ホイール58を少なくとも部分的に覆う形状に形成されている。ホイールカバー14は、電動工具2に取り付けられた時に、スピンドル44を少なくとも部分的に覆う形状を有しているということもできる。ホイールカバー14は、研削ホイール58がワークを研削する際に、ユーザ側に切削粉が飛び散ることを防止する。
図1に示すように、サイドハンドル16は、ギヤハウジング10に着脱可能に取り付けられている。ユーザが電動工具2を使用する際には、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持することで、ユーザは電動工具2を安定して保持することができる。
図3に示すように、サイドハンドル16は、フランジ部62と、ハンドル部64を備えている。ハンドル部64は、フランジ部62に対して中心軸CL周りに回動可能に、フランジ部62に保持されている。なお、以下の説明では、中心軸CLに沿って、ハンドル部64から見てフランジ部62がある側を先端側といい、先端側の反対側を基端側という。
フランジ部62は、中心軸CLに沿って略円筒形状に先端側に向けて突出する円筒部62aを備えている。フランジ部62の内部には、中空ボルト63が収容されている。中空ボルト63は、頭部63aがフランジ部62に回動不能に保持されており、軸部63bが円筒部62aの先端から外部に突出している。中空ボルト63の軸部63bの外周面には、雄ネジが形成されている。
ハンドル部64の内部には、インナスリーブ66と、インナピン68と、圧縮バネ70と、ボール72と、ナット74と、ガイド部材76が収容されている。図4に示すように、インナスリーブ66は、略円筒形状を有する基部66aと、基部66aの先端側の端部に設けられており、基部66aよりも大きな内径の略円筒形状を有する係合部66bと、基部66aの基端側の端部に設けられており、基部66aと同じ内径の略円筒形状を有するネジ部66cを備えている。図3に示すように、係合部66bは、フランジ部62に形成された嵌合溝62bに回動不能に嵌合している。このため、インナスリーブ66は、フランジ部62に回動不能に保持されている。係合部66bの内部の基端側の端部には、円環形状のバネ受け66dが形成されている。基部66aの内部には、圧縮バネ70が収容されている。ネジ部66cの外周面には、雄ネジが形成されている。また、ネジ部66cには、ボール72よりもわずかに大きな径を有しており、ボール72が通過可能なボール孔66eが形成されている。
図4に示すように、インナピン68は、略円柱形状の基部68aと、基部68aの先端側の端部から伸びる略円柱形状の突出部68bを備えている。基部68aの基端側の端部には、ガイド部材76が回動不能に嵌合している。基部68aの外径は、インナスリーブ66の基部66aおよびネジ部66cの内径よりもわずかに小さい。突出部68bの外径は、中空ボルト63(図3参照)の内径よりもわずかに小さい。基部68aの外周面には、らせん状に伸びるボール溝68cが形成されている。図3に示すように、インナピン68は、突出部68bの一部が中空ボルト63の内部に入り込み、かつ基部68aの一部がインナスリーブ66の基部66aおよびネジ部66cの内部に入り込むように、インナスリーブ66に挿入されている。インナピン68がインナスリーブ66に挿入された状態では、圧縮バネ70の先端側の端部がインナスリーブ66のバネ受け66dに当接し、圧縮バネ70の基端側の端部がインナピン68の基部68aに当接する。圧縮バネ70は、インナピン68がインナスリーブ66から抜け出る方向に、インナピン68をインナスリーブ66に対して付勢する。また、ボール72は、インナピン68がインナスリーブ66に挿入された状態で、ボール孔66eを介してボール溝68cに一部が入り込むように、ボール孔66e内に収容されている。さらに、ナット74は、ボール孔66e内に収容されたボール72を外側から覆うように、ネジ部66cに螺合している。
ハンドル部64の内面には、インナスリーブ66の基部66aを摺動可能に保持する略円環形状の保持部64aと、ガイド部材76に対応して配置されたガイド溝64bが形成されている。保持部64aの内径は、インナスリーブ66の基部66aの外径よりもわずかに大きく、ナット74の外径よりも小さい。このため、ナット74は、ハンドル部64がフランジ部62から脱落することを防止する抜け止めとしても機能する。ガイド溝64bは、中心軸CLに対して略平行に伸びている。インナピン68は、ガイド部材76がガイド溝64bに入り込むように、ハンドル部64に挿入されている。このため、インナピン68は、中心軸CL周りに回動不能であり、かつ中心軸CLに沿って移動可能に、ハンドル部64に保持されている。なお、ハンドル部64の端部には、インナピン68がハンドル部64から抜け出ることを防止する抜け止め部材78が設けられている。
サイドハンドル16では、ユーザがハンドル部64を把持してフランジ部62に対して順方向に回動させると、インナピン68がインナスリーブ66に対して順方向に回動する。この場合、インナスリーブ66のボール孔66eに保持されたボール72がインナピン68のボール溝68cに沿って移動するように、インナピン68がインナスリーブ66に対して中心軸CLに沿って先端側に向けて移動する。これによって、図5に示すように、インナピン68が圧縮バネ70の付勢力に抗してインナスリーブ66の内部にさらに入り込む方向に移動し、インナピン68の突出部68bが中空ボルト63の先端から外部に突出する。図5に示すインナピン68の位置を、突出位置ともいう。この状態から、ユーザがハンドル部64から手を離すと、圧縮バネ70によってインナピン68がインナスリーブ66から抜け出る方向に付勢され、インナピン68とハンドル部64がフランジ部62に対して逆方向に回動する。これによって、図3に示すように、インナピン68がインナスリーブ66に対して中心軸CLに沿って基端側に向けて移動し、インナピン68の突出部68bは中空ボルト63の内部に退避する。図3に示すインナピン68の位置を、退避位置ともいう。
図6に示すように、ギヤハウジング10には、ハンドル取付部80、82が設けられている。ハンドル取付部80は、ギヤハウジング10の右面に配置されており、ハンドル取付部82は、ギヤハウジング10の左面に配置されている。ハンドル取付部80、82は、ハンドル取付孔80a、82aを備えている、ハンドル取付孔80a、82aは、ギヤハウジング10を外部から内部まで貫通しており、内周面にサイドハンドル16の中空ボルト63の雄ネジに対応する雌ネジが形成されている。サイドハンドル16は、ハンドル取付孔80aに中空ボルト63を螺合させてハンドル取付部80に取り付けることもできるし、ハンドル取付孔82aに中空ボルト63を螺合させてハンドル取付部82に取り付けることもできる。
スペーサハウジング8には、センサユニット84、86が収容されている。センサユニット84は、ハンドル取付部80に対応して配置されており、センサユニット86は、ハンドル取付部82に対応して配置されている。センサユニット84、86は、制御ユニット28に接続されている。センサユニット86は、左右が反転していることを除いて、センサユニット84と同様の構成を備えている。なお、以下ではセンサユニット84の構成を例示している図7-図9を参照しながら、センサユニット84、86の構成について説明する。
図7に示すように、センサユニット84、86は、センサケース88、90と、検出センサ92、94と、揺動部材96、98と、圧縮バネ100、102を備えている。図8、図9に示すように、検出センサ92、94は、発光素子92a、94aと、受光素子92b、94bを備えている。本実施例の検出センサ92、94は、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bが互いに対向して配置された、いわゆるフォトインタラプタである。検出センサ92、94は、制御ユニット28に接続されている。検出センサ92、94は、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bがセンサケース88、90内に収容されるように、センサケース88、90に保持されている。検出センサ92、94は、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間が遮られていない場合に、制御ユニット28にオン信号を送信し、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間が遮られている場合に、制御ユニット28にオフ信号を送信する。
揺動部材96、98は、揺動シャフト96a、98aと、当接アーム96b、98bと、検出アーム96c、98cを備えている。揺動シャフト96a、98aは、センサケース88、90に揺動可能に保持されている。揺動部材96、98は、当接アーム96b、98bがセンサケース88、90の外部に突出し、検出アーム96c、98cがセンサケース88、90の内部に収容されるように、センサケース88、90に保持されている。当接アーム96b、98bは、フランジ96d、98dと、フランジ96d、98dから突出する突出部96e、98eを備えている。検出アーム96c、98cは、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮る形状を有する遮蔽部96f、98fを備えている。揺動部材96、98は、遮蔽部96f、98fが発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮るように配置される遮蔽位置(図8参照)と、遮蔽部96f、98fが発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮らないように配置される開放位置(図9参照)の間で、揺動可能である。
図7に示すように、圧縮バネ100、102は、センサケース88、90の外部に形成された突起100a、102aに取り付けられている。圧縮バネ100、102は、揺動部材96、98が開放位置(図9参照)から遮蔽位置(図8参照)に向けて揺動するように、揺動部材96、98をセンサケース88、90に対して付勢する。
図6に示すように、センサユニット84、86は、揺動シャフト96a、98aが上下方向に沿って配置され、かつ当接アーム96b、98bのフランジ96d、98dと突出部96e、98eがギヤハウジング10内に配置されるように、スペーサハウジング8に保持される。センサユニット84、86がスペーサハウジング8に保持された状態では、突出部96e、98eがハンドル取付孔80a、82aに入り込むとともに、フランジ96d、98dがギヤハウジング10の内面に当接する。この状態では、揺動部材96、98は遮蔽位置にあり、遮蔽部96f、98fが発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮るように配置されている。例えば、図6に示すように、ハンドル取付部80にサイドハンドル16が取り付けられた場合でも、突出部96eは中空ボルト63の内部に入り込むので、揺動部材96は揺動することなく、遮蔽位置のまま維持される。このため、センサユニット84、86は、いずれも、制御ユニット28にオフ信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、サイドハンドル16がユーザによって把持されていないと判断して、モータ18の回転を禁止する。
図6に示す状態から、ユーザがサイドハンドル16のハンドル部64をフランジ部62に対して回動させると、図10に示すように、中空ボルト63の先端からインナピン68の突出部68bが突出して、当接アーム96bの突出部96eを押圧する。これによって、揺動部材96が遮蔽位置から開放位置に揺動して、遮蔽部96fが発光素子92aと受光素子92bの間を遮らないように配置される。この場合、センサユニット86は、制御ユニット28にオフ信号を送信するものの、センサユニット84は、制御ユニット28にオン信号を送信する。これによって、制御ユニット28は、サイドハンドル16がユーザによって把持されていると判断して、モータ18の回転を許容する。
以上のように、本実施例の電動工具2は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング60と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング60に取り付けられたサイドハンドル16(ハンドルの例)を備えている。電動工具2は、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル16を把持することなく電動工具2が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具2は、遮蔽位置(第1位置の例)と開放位置(第2位置の例)の間で移動する揺動部材96、98(中間部材の例)をさらに備えている。揺動部材96、98は、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、遮蔽位置にあり、ユーザがサイドハンドル16を把持した状態で行う操作に応じて、遮蔽位置から開放位置に移動する。電動工具2は、揺動部材96、98が遮蔽位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、揺動部材96、98が開放位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具2において、サイドハンドル16は、フランジ部62(ハンドル本体の例)と、フランジ部62に設けられており、ユーザが操作可能なハンドル部64(ハンドル操作部材の例)を備えている。揺動部材96、98は、ユーザによるハンドル部64への操作に連動して、遮蔽位置から開放位置へ移動する。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具2は、モータ18の駆動を制御する制御ユニット28と、制御ユニット28に接続されており、揺動部材96、98の移動を検出する検出センサ92、94をさらに備えている。制御ユニット28は、検出センサ92、94によって揺動部材96、98が遮蔽位置から開放位置に移動したことが検出されない場合に、モータ18の回転を禁止し、検出センサ92、94によって揺動部材96、98が遮蔽位置から開放位置に移動したことが検出された場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、制御ユニット28においてモータ18の回転を禁止する状態と許容する状態の切り替えを行うので、電動工具2の機械的な構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具2において、検出センサ92、94は、非接触式の検出センサである。
上記の構成によれば、揺動部材96、98を介して検出センサ92、94に振動や衝撃が伝達して検出センサ92、94が故障することを抑制することができる。
本実施例の電動工具2において、検出センサ92、94と揺動部材96、98は、ハウジング60に設けられている。サイドハンドル16は、ユーザによるハンドル部64への操作に連動して、揺動部材96、98を遮蔽位置から開放位置へ移動させるインナピン68(中継部材の例)をさらに備えている。
上記の構成によれば、検出センサ92、94と揺動部材96、98の両方がハウジング60に設けられているので、検出センサ92、94と揺動部材96、98を精度よく位置合わせしておくことができ、検出センサ92、94による検出精度を向上することができる。
本実施例の電動工具2において、検出センサ92、94は、発光素子92a、94aと、発光素子92a、94aに対応する受光素子92b、94bを備えている。
上記の構成によれば、小型で検出精度の高い検出センサ92、94を実現することができる。
本実施例の電動工具2において、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bは、互いに対向して配置されている。揺動部材96、98が遮蔽位置にある場合に、揺動部材96、98は発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮っている。揺動部材96、98が開放位置にある場合に、揺動部材96、98は発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮らない。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、揺動部材96、98の遮蔽位置から開放位置への移動を検出することができる。
本実施例の電動工具2は、ハウジング60に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具2では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具2は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具2が、サイドハンドル16を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具2において、ハウジング60は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持した状態で、電動工具2を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具2を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持して、電動工具2を安定して保持することができる。
(実施例2)
図11に示すように、本実施例の電動工具202は、実施例1の電動工具2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例の電動工具202について、実施例1の電動工具2と相違する点について説明する。
本実施例の電動工具202では、サイドハンドル16の代わりに、サイドハンドル204がギヤハウジング10に着脱可能に取り付けられている。ユーザが電動工具202を使用する際には、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル204を把持することで、ユーザは電動工具202を安定して保持することができる。
図12に示すように、サイドハンドル204は、ハンドル本体206と、係合部材208と、レバー部材210を備えている。ハンドル本体206は、フランジ部206aと、ハンドル部206bを備えている。フランジ部206aとハンドル部206bは一体的に形成されている。以下の説明では、中心軸CLに沿って、ハンドル部206bから見てフランジ部206aがある側を先端側といい、先端側の反対側を基端側という。
係合部材208は、ハンドル本体206のフランジ部206aに固定されている。係合部材208は、中心軸CLに沿って伸びる略円筒形状の円筒部208aと、円筒部208aの外面から突出しており、中心軸CLに沿って伸びる凸条208bと、凸条208bに形成された切り欠き208cを備えている。
図13、図14に示すように、レバー部材210は、揺動シャフト210aを介して揺動可能に、ハンドル本体206に保持されている。レバー部材210は、サイドハンドル204を把持したユーザが押し込み操作可能な操作部210bを備えている。操作部210bは、ハンドル部206bに形成された開口206cを介して、ハンドル部206bの外部に露出している。レバー部材210は、ハンドル部206bの内部に収容された圧縮バネ212によって、操作部210bがハンドル部206bの外部に突出する方向に付勢されている。レバー部材210には、係合部材208の円筒部208a内に収容されたインナピン214が、回動可能に連結されている。図13に示すように、ユーザが操作部210bを押し込み操作しておらず、圧縮バネ212の付勢力によってレバー部材210の操作部210bがハンドル部206bの外部に突出した状態では、インナピン214の先端は円筒部208aの内部に退避している。図14に示すように、ユーザが圧縮バネ212の付勢力に抗して操作部210bを押し込み操作すると、インナピン214は円筒部208aに対して先端側に移動し、円筒部208aの先端からインナピン214の先端が突出する。
図11に示すように、本実施例の電動工具202では、ハンドル取付部80、82の代わりに、ハンドル取付部216、218がギヤハウジング10に設けられている。ハンドル取付部216は、ギヤハウジング10の右面に配置されており、ハンドル取付部218は、ギヤハウジング10の左面に配置されている。図11、図15に示すように、ハンドル取付部216、218は、ハンドル取付孔216a、218aを備えている。ハンドル取付孔216a、218aは、サイドハンドル204の円筒部208aが通過可能な略円柱形状の円柱状陥凹216b、218bと、サイドハンドル204の凸条208bが通過可能な略直方体形状の直方体状陥凹216c、218cと、ギヤハウジング10を外部から内部まで貫通する貫通孔216d、218d(図16、図17参照)を備えている。また、図16、図17に示すように、ハンドル取付部216、218には、ロックレバー220、222と、圧縮バネ224、226が設けられている。ロックレバー220、222は、揺動シャフト220a、222aを介して揺動可能に、ギヤハウジング10に保持されている。ロックレバー220、222には、ユーザが押し込み操作可能な操作部220b、222bと、サイドハンドル204の切り欠き208cに係合可能な係合部220c、222cが形成されている。ロックレバー220、222は、圧縮バネ224、226によって、操作部220b、222bがギヤハウジング10から離反する方向に付勢されている。
本実施例の電動工具202では、センサユニット84、86は、突出部96e、98eが貫通孔216d、218dに入り込むとともに、フランジ96d、98dがギヤハウジング10の内面に当接した状態で、スペーサハウジング8に保持されている。例えば、図16に示すように、ハンドル取付部216にサイドハンドル204を取り付ける際には、円筒部208aが円柱状陥凹216bに入り込み、かつ凸条208bが直方体状陥凹216cに入り込むように、係合部材208をハンドル取付孔216aに挿入する。ロックレバー220の係合部220cが切り欠き208cに係合することで、サイドハンドル204がギヤハウジング10に固定される。これによって、サイドハンドル204は、レバー部材210の操作部210bが電動工具202の前方に向けて突出する姿勢で、ギヤハウジング10に固定される。なお、ハンドル取付部216にサイドハンドル204が取り付けられた場合でも、突出部96eは円筒部208aの内部に入り込むので、揺動部材96は揺動することなく、遮蔽位置のまま維持される。このため、図16に示す状態では、センサユニット84、86は、いずれも、制御ユニット28にオフ信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、サイドハンドル204がユーザによって把持されていないと判断して、モータ18の回転を禁止する。
ハンドル取付部216に取り付けられたサイドハンドル204を取り外す際には、ユーザが、圧縮バネ224の付勢力に抗してロックレバー220の操作部220bを押し込むことで、ロックレバー220の係合部220cが係合部材208の切り欠き208cから離反する。この状態で、係合部材208をハンドル取付孔216aから抜き出すことで、サイドハンドル204をハンドル取付部216から取り外すことができる。
図16に示すように、サイドハンドル204がハンドル取付部216に取り付けられた状態で、ユーザがサイドハンドル204を把持して操作部210bを押し込み操作すると、図17に示すように、円筒部208aの先端からインナピン214の先端が突出して、当接アーム96bの突出部96eを押圧する。これによって、揺動部材96が第1位置から第2位置に揺動して、遮蔽部96fが発光素子92aと受光素子92bの間を遮らないように配置される。この場合、センサユニット86は、制御ユニット28にオフ信号を送信するものの、センサユニット84は、制御ユニット28にオン信号を送信する。これによって、制御ユニット28は、サイドハンドル204がユーザによって把持されていると判断して、モータ18の回転を許容する。
なお、上記では、サイドハンドル204がハンドル取付部216に取り付けられた場合について説明したが、サイドハンドル204がハンドル取付部218に取り付けられた場合も、同様である。
以上のように、本実施例の電動工具202は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング60と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング60に取り付けられたサイドハンドル204(ハンドルの例)を備えている。電動工具202は、ユーザがサイドハンドル204を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル204を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル204を把持することなく電動工具202が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具202は、遮蔽位置(第1位置の例)と開放位置(第2位置の例)の間で移動する揺動部材96、98(中間部材の例)をさらに備えている。揺動部材96、98は、ユーザがサイドハンドル204を把持していない場合に、遮蔽位置にあり、ユーザがサイドハンドル204を把持した状態で行う操作に応じて、遮蔽位置から開放位置に移動する。電動工具202は、揺動部材96、98が遮蔽位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、揺動部材96、98が開放位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル204を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル204を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具202において、サイドハンドル204は、ハンドル本体206と、ハンドル本体206に設けられており、ユーザが操作可能なレバー部材210(ハンドル操作部材の例)を備えている。揺動部材96、98は、ユーザによるレバー部材210への操作に連動して、遮蔽位置から開放位置へ移動する。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル204を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル204を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具202において、サイドハンドル204は、非円形の形状を有する係合部材208(挿入ピンの例)を備えている。ハウジング60は、係合部材208を回転不能に受け入れるハンドル取付孔216a、218a(挿入孔の例)を備えている。電動工具202は、係合部材208のハンドル取付孔216a、218aからの抜け出しを防止するロックレバー220、222(ロック部材の例)をさらに備えている。
仮に、サイドハンドル204をハウジング60に螺合させて取り付ける構成とすると、サイドハンドル204をハウジング60に取り付けた時のレバー部材210の位置が一定にならず、ユーザが操作しにくい位置にレバー部材210が配置されるおそれがある。上記の構成によれば、サイドハンドル204をハウジング60に取り付けた時のレバー部材210の位置が一定となるので、ユーザが操作しやすい位置にレバー部材210を配置することができる。
本実施例の電動工具202は、モータ18の駆動を制御する制御ユニット28と、制御ユニット28に接続されており、揺動部材96、98の移動を検出する検出センサ92、94をさらに備えている。制御ユニット28は、検出センサ92、94によって揺動部材96、98が遮蔽位置から開放位置に移動したことが検出されない場合に、モータ18の回転を禁止し、検出センサ92、94によって揺動部材96、98が遮蔽位置から開放位置に移動したことが検出された場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、制御ユニット28においてモータ18の回転を禁止する状態と許容する状態の切り替えを行うので、電動工具202の機械的な構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具202において、検出センサ92、94は、非接触式の検出センサである。
上記の構成によれば、揺動部材96、98を介して検出センサ92、94に振動や衝撃が伝達して検出センサ92、94が故障することを抑制することができる。
本実施例の電動工具202において、検出センサ92、94と揺動部材96、98は、ハウジング60に設けられている。サイドハンドル204は、ユーザによるレバー部材210への操作に連動して、揺動部材96、98を遮蔽位置から開放位置へ移動させるインナピン214(中継部材の例)をさらに備えている。
上記の構成によれば、検出センサ92、94と揺動部材96、98の両方がハウジング60に設けられているので、検出センサ92、94と揺動部材96、98を精度よく位置合わせしておくことができ、検出センサ92、94による検出精度を向上することができる。
本実施例の電動工具202において、検出センサ92、94は、発光素子92a、94aと、発光素子92a、94aに対応する受光素子92b、94bを備えている。
上記の構成によれば、小型で検出精度の高い検出センサ92、94を実現することができる。
本実施例の電動工具202において、発光素子92a、94aと受光素子92b、94bは、互いに対向して配置されている。揺動部材96、98が遮蔽位置にある場合に、揺動部材96、98は発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮っている。揺動部材96、98が開放位置にある場合に、揺動部材96、98は発光素子92a、94aと受光素子92b、94bの間を遮らない。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、揺動部材96、98の遮蔽位置から開放位置への移動を検出することができる。
本実施例の電動工具202は、ハウジング60に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具202では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具202は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具202が、サイドハンドル204を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具202において、ハウジング60は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル204を把持した状態で、電動工具202を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具202を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル204を把持して、電動工具202を安定して保持することができる。
(実施例3)
図18に示すように、本実施例の電動工具302は、実施例1の電動工具2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例の電動工具302について、実施例1の電動工具2と相違する点について説明する。
本実施例の電動工具302では、サイドハンドル16の代わりに、サイドハンドル304がギヤハウジング10に着脱可能に取り付けられている。ユーザが電動工具302を使用する際には、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル304を把持することで、ユーザは電動工具302を安定して保持することができる。
図19に示すように、サイドハンドル304は、サイドハンドル16と略同様の構成を備えている。サイドハンドル304では、インナピン68の突出部68bの端面68dに反射率の高い塗膜(例えば白色の塗膜)が施されている。あるいは、インナピン68の突出部68bを、反射率の高い材料から構成してもよい。また、サイドハンドル304では、中空ボルト63が、反射率の低い材料から構成されている。あるいは、中空ボルト63の端面および内周面に、反射率の低い塗膜(例えば黒色の塗膜)を施してもよい。
図18、図20に示すように、本実施例の電動工具302は、スペーサハウジング8を備えておらず、ギヤハウジング10がモータカバー6の前方に取り付けられている。また、本実施例の電動工具302では、ハンドル取付部80、82の代わりに、ハンドル取付部306、308がギヤハウジング10に設けられている。なお、本実施例では、モータハウジング4、モータカバー6、ギヤハウジング10およびベアリングボックス12を総称して、単にハウジング310ともいう。
ハンドル取付部306は、ギヤハウジング10の右面に配置されており、ハンドル取付部308は、ギヤハウジング10の左面に配置されている。ハンドル取付部306、308は、ハンドル取付孔306a、308a(図21-図23参照)と、ハンドル取付孔306a、308aの周囲を囲っており、ギヤハウジング10の外部に向けて突出する遮光壁312、314と、遮光壁312、314の端部に設けられた遮光扉316、318を備えている。ハンドル取付孔306a、308aは、ギヤハウジング10を外部から内部まで貫通しており、内周面にサイドハンドル304の中空ボルト63の雄ネジに対応する雌ネジが形成されている。遮光扉316、318は、ヒンジ316a、318aを介して揺動可能に遮光壁312、314に保持されている。遮光扉316、318は、内側に向けて揺動した時に遮光壁312、314の端部を開放し、外側に向けて揺動した時に遮光壁312、314の端部を閉塞する。遮光扉316、318は、図示しない捩りバネによって、遮光壁312、314の端部を閉塞する方向に付勢されている。
図21-図23に示すように、本実施例の電動工具302は、センサユニット84、86の代わりに、検出センサ320、322を備えている。検出センサ320、322は、ギヤハウジング10に収容されている。検出センサ320は、ハンドル取付部306に対応して配置されており、検出センサ322は、ハンドル取付部308に対応して配置されている。検出センサ320、322は、発光素子320a、322aと受光素子320b、322bが同じ方向を向くように配置された、いわゆるフォトリフレクタである。検出センサ320では、発光素子320aと受光素子320bがハンドル取付孔306aの方向を向くように配置されている。検出センサ322では、発光素子322aと受光素子322bがハンドル取付孔308aの方向を向くように配置されている。検出センサ320、322は、制御ユニット28に接続されている。検出センサ320、322は、発光素子320a、322aからの光が反射して受光素子320b、322bに到達する場合に、制御ユニット28にオン信号を送信し、発光素子320a、322aからの光が受光素子320b、322bに到達しない場合に、制御ユニット28にオフ信号を送信する。
図21に示すように、サイドハンドル304がギヤハウジング10に取り付けられていない場合、遮光壁312、314の端部は、遮光扉316、318によって閉塞されている。このため、検出センサ320、322において、発光素子320a、322aからの光が受光素子320b、322bに到達しないので、検出センサ320、322は制御ユニット28にオフ信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、モータ18の回転を禁止する。
図22に示すように、サイドハンドル304をギヤハウジング10のハンドル取付部308に取り付ける際には、サイドハンドル304の中空ボルト63の先端を遮光扉318に当接させて押し込む。これによって、遮光扉318が内側に向けて揺動し、遮光壁314の端部が開放される。そのまま、サイドハンドル304の中空ボルト63をハンドル取付孔308aに螺合させることで、サイドハンドル304をハンドル取付部308に取り付けることができる。この場合、中空ボルト63の内部のインナピン68の端面68dが、検出センサ322の発光素子322aおよび受光素子322bに対向して配置されることになる。しかしながら、発光素子322aからインナピン68の端面68dまでの距離と、インナピン68の端面68dから受光素子322bまでの距離が大きいので、発光素子322aからの光がインナピン68の端面68dで反射して受光素子322bに到達することはない。従って、検出センサ320、322は制御ユニット28にオフ信号を送信し、制御ユニット28はモータ18の回転を禁止する。
図22に示す状態から、ユーザがサイドハンドル304のハンドル部64をフランジ部62に対して回動させると、図23に示すように、中空ボルト63の先端からインナピン68の突出部68bが突出して、インナピン68の端面68dが検出センサ322の発光素子322aおよび受光素子322bに近接して配置される。この場合、発光素子322aからの光がインナピン68の端面68dで反射して受光素子322bに到達するので、検出センサ322は制御ユニット28にオン信号を送信する。制御ユニット28は、サイドハンドル304がユーザによって把持されていると判断して、モータ18の回転を許容する。
なお、上記では、サイドハンドル304がハンドル取付部308に取り付けられた場合について説明したが、サイドハンドル304がハンドル取付部306に取り付けられた場合も、同様である。
以上のように、本実施例の電動工具302は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング310と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング310に取り付けられたサイドハンドル304(ハンドルの例)を備えている。電動工具302は、ユーザがサイドハンドル304を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル304を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル304を把持することなく電動工具302が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具302は、退避位置(第1位置の例)と突出位置(第2位置の例)の間で移動するインナピン68(中間部材の例)をさらに備えている。インナピン68は、ユーザがサイドハンドル304を把持していない場合に、退避位置にあってもよく、ユーザがサイドハンドル304を把持した状態で行う操作に応じて、退避位置から突出位置に移動する。電動工具302は、インナピン68が退避位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、インナピン68が突出位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル304を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル304を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具302において、サイドハンドル304は、フランジ部62(ハンドル本体の例)と、フランジ部62に設けられており、ユーザが操作可能なハンドル部64(ハンドル操作部材の例)を備えている。インナピン68は、ユーザによるハンドル部64への操作に連動して、退避位置から突出位置へ移動する。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル304を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル304を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具302は、モータ18の駆動を制御する制御ユニット28と、制御ユニット28に接続されており、インナピン68の移動を検出する検出センサ320、322をさらに備えている。制御ユニット28は、検出センサ320、322によってインナピン68が退避位置から突出位置に移動したことが検出されない場合に、モータ18の回転を禁止し、検出センサ320、322によってインナピン68が退避位置から突出位置に移動したことが検出された場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、制御ユニット28においてモータ18の回転を禁止する状態と許容する状態の切り替えを行うので、電動工具302の機械的な構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具302において、検出センサ320、322は、非接触式の検出センサである。
上記の構成によれば、インナピン68を介して検出センサ320、322に振動や衝撃が伝達して検出センサ320、322が故障することを抑制することができる。
本実施例の電動工具302において、検出センサ320、322は、発光素子320a、322aと、発光素子320a、322aに対応する受光素子320b、322bを備えている。
上記の構成によれば、小型で検出精度の高い検出センサ320、322を実現することができる。
本実施例の電動工具302において、発光素子320a、322aと受光素子320b、320bは、同じ方向を向いて配置されている。インナピン68が突出位置にある場合に、発光素子320a、322aが発した光はインナピン68で反射して受光素子320b、322bで受光される。インナピン68が退避位置にある場合に、発光素子320a、322aが発した光は受光素子320b、322bで受光されない。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、インナピン68の退避位置から突出位置への移動を検出することができる。
本実施例の電動工具302は、ハウジング310に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具302では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具302は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具302が、サイドハンドル304を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具302において、ハウジング310は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル304を把持した状態で、電動工具302を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具302を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル304を把持して、電動工具302を安定して保持することができる。
(実施例4)
図24に示すように、本実施例の電動工具402は、実施例1の電動工具2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例の電動工具402について、実施例1の電動工具2と相違する点について説明する。
本実施例の電動工具402では、サイドハンドル16の代わりに、サイドハンドル404がギヤハウジング10に着脱可能に取り付けられている。ユーザが電動工具402を使用する際には、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル404を把持することで、ユーザは電動工具402を安定して保持することができる。
図25に示すように、サイドハンドル404は、従来から使用されている一般的なサイドハンドルである。サイドハンドル404は、フランジ部406と、ハンドル部408を備えている。フランジ部406とハンドル部408は一体的に形成されている。なお、以下の説明では、中心軸CLに沿って、ハンドル部408から見てフランジ部406がある側を先端側といい、先端側の反対側を基端側という。フランジ部406は、中心軸CLに沿って略円筒形状に先端側に向けて突出する円筒部406aを備えている。フランジ部406の内部には、ボルト410が収容されている。ボルト410は、頭部410a(図28、図29参照)がフランジ部406に回動不能に保持されており、軸部410bが円筒部406aの先端から外部に突出している。ボルト410の軸部410bの外周面には、雄ネジが形成されている。
図24、図26に示すように、本実施例の電動工具402は、スペーサハウジング8を備えておらず、ギヤハウジング10がモータカバー6の前方に取り付けられている。また、本実施例の電動工具402では、ハンドル取付部80、82の代わりに、ハンドル取付部412、414がギヤハウジング10に設けられている。なお、本実施例では、モータハウジング4、モータカバー6、ギヤハウジング10およびベアリングボックス12を総称して、単にハウジング416ともいう。
ハンドル取付部412は、ギヤハウジング10の右面に配置されており、ハンドル取付部414は、ギヤハウジング10の左面に配置されている。ハンドル取付部412、414は、保持部材418、420を備えている。図27に示すように、保持部材418、420は、略円筒形状に形成された円筒部418a、420aと、円筒部418a、420aの上端および下端から上下方向に沿って伸びるシャフト部418b、420bを備えている。円筒部418a、420aの内周面には、サイドハンドル404のボルト410の雄ネジに対応する雌ネジが形成されている。保持部材418、420は、シャフト部418b、420bを介して、上下方向に沿った揺動軸周りに揺動可能に、ギヤハウジング10に保持されている。なお、保持部材418、420がギヤハウジング10に対して揺動していない時の保持部材418、420の位置を、待機位置ともいい、保持部材418、420がギヤハウジング10に対して揺動した時の保持部材418、420の位置を、揺動位置ともいう。
図28、図29に示すように、本実施例の電動工具402は、センサユニット84、86の代わりに、検出センサ422、424を備えている。検出センサ422、424は、ギヤハウジング10に収容されている。検出センサ422は、ハンドル取付部412に対応して配置されており、検出センサ424は、ハンドル取付部414に対応して配置されている。検出センサ422、424は、保持部材418、420の円筒部418a、420aに隣接して配置された圧力センサである。検出センサ422、424は、保持部材418、420がギヤハウジング10に対して揺動した時に、円筒部418a、420aが検出センサ422、424を押圧する圧力を検出する。検出センサ422、424は、制御ユニット28に接続されている。検出センサ422、424は、保持部材418、420の円筒部418a、420aからの圧力を検出した場合に、制御ユニット28にオン信号を送信し、保持部材418、420の円筒部418a、420aからの圧力を検出しない場合に、制御ユニット28にオフ信号を送信する。
図28に示すように、サイドハンドル404をハンドル取付部412に取り付ける際には、サイドハンドル404のボルト410を保持部材418の円筒部418aに螺合させる。これによって、サイドハンドル404をハンドル取付部412に取り付けることができる。なお、サイドハンドル404を単にハンドル取付部412に取り付けた状態では、検出センサ422、424は、保持部材418、420の円筒部418a、420aからの圧力を検出しないので、制御ユニット28にオフ信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、サイドハンドル404がユーザによって把持されていないと判断して、モータ18の回転を禁止する。
上記したように、保持部材418はギヤハウジング10に対して上下方向に沿った揺動軸周りに揺動可能である。このため、ハンドル取付部412に取り付けられたサイドハンドル404も、ギヤハウジング10に対して上下方向に沿った揺動軸周りに揺動可能である。例えば、図28に示すように、ハンドル取付部412にサイドハンドル404が取り付けられている状態で、ユーザがサイドハンドル404を把持してサイドハンドル404を前方または後方に揺動させると、図29に示すように、保持部材418の円筒部418aが検出センサ422を押圧するので、検出センサ422は制御ユニット28にオン信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、サイドハンドル404がユーザによって把持されていると判断して、モータ18の回転を許容する。
なお、上記では、サイドハンドル404がハンドル取付部412に取り付けられた場合について説明したが、サイドハンドル404がハンドル取付部414に取り付けられた場合も、同様である。
なお、本実施例の電動工具402において、検出センサ422、424は、ユーザがサイドハンドル404を揺動させることに伴う保持部材418、420の円筒部418a、420aの揺動を検出することができればよく、圧力センサ以外の検出センサ、例えばタッチセンサ等であってもよい。
以上のように、本実施例の電動工具402は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング416と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング416に取り付けられたサイドハンドル404(ハンドルの例)を備えている。電動工具402は、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル404を把持することなく電動工具402が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具402は、待機位置(第1位置の例)と揺動位置(第2位置の例)の間で移動する保持部材418、420(中間部材の例)をさらに備えている。保持部材418、420は、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、待機位置にあり、ユーザがサイドハンドル404を把持した状態で行う操作に応じて、待機位置から揺動位置に移動する。電動工具402は、保持部材418、420が待機位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、保持部材418、420が揺動位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル404を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具402は、モータ18の駆動を制御する制御ユニット28と、制御ユニット28に接続されており、保持部材418、420の移動を検出する検出センサ422、424をさらに備えている。制御ユニット28は、検出センサ422、424によって保持部材418、420が待機位置から揺動位置に移動したことが検出されない場合に、モータ18の回転を禁止し、検出センサ422、424によって保持部材418、420が待機位置から揺動位置に移動したことが検出された場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、制御ユニット28においてモータ18の回転を禁止する状態と許容する状態の切り替えを行うので、電動工具402の機械的な構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具402では、検出センサ422、424は、接触式の検出センサである。保持部材418、420が揺動位置にある場合に、保持部材418、420が検出センサ422、424を押圧する。保持部材418、420が待機位置にある場合に、保持部材418、420が検出センサ422、424を押圧しない。
上記の構成によれば、電動工具402の電気系統の構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具402では、保持部材418、420は、ハウジング416に揺動可能に保持されている。サイドハンドル404は、保持部材418、420に固定されている。ユーザがサイドハンドル404をハウジング416に対して揺動させることで、保持部材418、420が待機位置から揺動位置へ揺動する。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル404を把持して揺動させた場合に、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具402は、ハウジング416に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具402では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具402は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具402が、サイドハンドル404を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具402において、ハウジング416は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル404を把持した状態で、電動工具402を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具402を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル404を把持して、電動工具402を安定して保持することができる。
(実施例5)
図30に示すように、本実施例の電動工具502は、実施例1の電動工具2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例の電動工具502について、実施例1の電動工具2と相違する点について説明する。
本実施例の電動工具502は、スペーサハウジング8を備えておらず、ギヤハウジング10がモータカバー6の前方に取り付けられている。また、本実施例の電動工具502は、センサユニット84、86を備えていない。なお、本実施例では、モータハウジング4、モータカバー6、ギヤハウジング10およびベアリングボックス12を総称して、単にハウジング504ともいう。
図31に示すように、本実施例の電動工具502では、ギヤハウジング10の内部に、ロック機構506が収容されている。ロック機構506は、右側アーム部材508と、左側アーム部材510と、上側アーム部材512と、圧縮バネ514、516を備えている。
右側アーム部材508は、前後方向に沿って伸びる揺動軸508a周りに揺動可能に、ギヤハウジング10に保持されている。右側アーム部材508は、ギヤハウジング10の内部で、上端が左方に配置され、下端が右方に配置されるように、傾斜して配置されている。右側アーム部材508の下端は、ギヤハウジング10の右面のハンドル取付孔80aに対向して配置されている。右側アーム部材508の上端は、上側アーム部材512の右端に揺動可能に連結されている。右側アーム部材508の上端近傍は、圧縮バネ514によって、ギヤハウジング10に対して左下方向に向けて付勢されている。
左側アーム部材510は、前後方向に沿って伸びる揺動軸510a周りに揺動可能に、ギヤハウジング10に保持されている。左側アーム部材510は、ギヤハウジング10の内部で、上端が右方に配置され、下端が左方に配置されるように、傾斜して配置されている。左側アーム部材510の下端は、ギヤハウジング10の左面のハンドル取付孔82aに対向して配置されている。左側アーム部材510の上端は、上側アーム部材512の左端に揺動可能に連結されている。左側アーム部材510の上端近傍は、圧縮バネ516によって、ギヤハウジング10に対して右下方向に向けて付勢されている。
上側アーム部材512は、ギヤハウジング10の内部の上端近傍で、左右方向に沿って配置されている。上側アーム部材512の中央には、後方に向けて突出し、さらに上方に屈曲した形状を有するストッパ片512aが形成されている。
図32、図33は、モータハウジング4の上面のメイン操作部材30に対するユーザの操作をメインスイッチ36に伝達する第1リンク部材32および第2リンク部材34と、サイドハンドル16と、ロック機構506の位置関係を示している。図32、図33では、サイドハンドル16は、ハンドル取付部80に取り付けられており、メイン操作部材30は、後方のオフ位置に配置されている。また、図32は、サイドハンドル16がユーザに把持されておらず、ハンドル部64がフランジ部62に対して回動していない状態を示しており、図33は、サイドハンドル16がユーザに把持されており、ハンドル部64がフランジ部62に対して回動した状態を示している。
本実施例の電動工具502では、第1リンク部材32の前端がメイン操作部材30よりも前方に伸びている。メイン操作部材30が後方のオフ位置にある状態で、第1リンク部材32の前端はロック機構506の上側アーム部材512のストッパ片512aの後端に近接した位置で対向して配置されている。このため、図32に示すように、サイドハンドル16がユーザに把持されておらず、ハンドル部64がフランジ部62に対して回動していない状態では、メイン操作部材30を後方のオフ位置から前方のオン位置に移動させるユーザの操作が、ストッパ片512aによって禁止される。この場合、メインスイッチ36が制御ユニット28にオン信号を送信することがないので、モータ18の回転が禁止される。なお、図32に示すストッパ片512aの位置を、禁止位置ともいう。
図32に示す状態から、ユーザがサイドハンドル16を把持して、ハンドル部64をフランジ部62に対して回動させると、図33に示すように、中空ボルト63の先端からインナピン68の突出部68bが突出して、右側アーム部材508の下端を左方向に向けて押圧する。これによって、右側アーム部材508が、上端が右方向に移動する方向に揺動するとともに、左側アーム部材510と上側アーム部材512も連動して揺動することで、ストッパ片512aが第1リンク部材32の前端よりも右下方向に沈み込む。この状態では、メイン操作部材30を後方のオフ位置から前方のオン位置に移動させるユーザの操作が、ストッパ片512aによって禁止されることがない。すなわち、メイン操作部材30を後方のオフ位置から前方のオン位置に移動させるユーザの操作が許容されており、メイン操作部材30をオフ位置からオン位置に移動させた場合に、メインスイッチ36が制御ユニット28にオン信号を送信し、モータ18が回転する。なお、図33に示すストッパ片512aの位置を、許容位置ともいう。
なお、図33に示す状態から、ユーザがサイドハンドル16から手を離すと、ハンドル部64がフランジ部62に対して逆方向に回動して、インナピン68の突出部68bが中空ボルト63の内部に退避する。この場合、右側アーム部材508、左側アーム部材510、上側アーム部材512が、圧縮バネ514、516の付勢力が均衡する位置に復帰することで、図32に示す状態に戻る。
なお、上記では、サイドハンドル16がハンドル取付部80に取り付けられた場合について説明したが、サイドハンドル16がハンドル取付部82に取り付けられた場合も、同様である。
本実施例の電動工具502では、実施例2の電動工具202と同様に、ギヤハウジング10に、ハンドル取付部80、82の代わりに、ハンドル取付部216、218(図16、図17参照)を設けておいて、サイドハンドル16の代わりに、サイドハンドル204(図12-図14参照)を用いてもよい。
以上のように、本実施例の電動工具502は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング504と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング504に取り付けられたサイドハンドル16(ハンドルの例)を備えている。電動工具502は、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル16を把持することなく電動工具502が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具502は、禁止位置(第1位置の例)と許容位置(第2位置の例)の間で移動するストッパ片512a(中間部材の例)をさらに備えている。ストッパ片512aは、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、禁止位置にあり、ユーザがサイドハンドル16を把持した状態で行う操作に応じて、禁止位置から許容位置に移動する。電動工具502は、ストッパ片512aが禁止位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、ストッパ片512aが許容位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具502において、サイドハンドル16は、フランジ部62(ハンドル本体の例)と、フランジ部62に設けられており、ユーザが操作可能なハンドル部64(ハンドル操作部材の例)を備えている。ストッパ片512aは、ユーザによるハンドル部64への操作に連動して、禁止位置から許容位置へ移動する。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具502は、ユーザの操作に応じてオン位置とオフ位置の間で移動可能なメイン操作部材30をさらに備えている。電動工具502は、メイン操作部材30がオン位置にある場合に、モータ18を回転させ、メイン操作部材30がオフ位置にある場合に、モータ18の回転を停止させるように構成されている。ストッパ片512aが禁止位置にある場合に、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が禁止される。ストッパ片512aが許容位置にある場合に、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が許容される。
上記の構成では、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が禁止されると、モータ18の回転が禁止され、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が許容されると、モータ18の回転が許容される。上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具502は、ハウジング504に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具502では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具502は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具502が、サイドハンドル16を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具502において、ハウジング504は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持した状態で、電動工具502を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具502を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持して、電動工具502を安定して保持することができる。
(実施例6)
図34に示すように、本実施例の電動工具602は、実施例1の電動工具2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例の電動工具602について、実施例1の電動工具2と相違する点について説明する。
本実施例の電動工具602は、スペーサハウジング8を備えておらず、ギヤハウジング10がモータカバー6の前方に取り付けられている。また、本実施例の電動工具602は、センサユニット84、86を備えていない。なお、本実施例では、モータハウジング4、モータカバー6、ギヤハウジング10およびベアリングボックス12を総称して、単にハウジング604ともいう。
図35に示すように、本実施例の電動工具602では、ギヤハウジング10の内部に、ロック機構606が収容されている。ロック機構606は、ロックプレート608と、圧縮バネ610、612を備えている。
ロックプレート608は、中央に開口608aを有しており、ギヤハウジング10の円筒部10aを開口608aに貫通させることで、ギヤハウジング10に保持されている。円筒部10aは前後方向に沿って伸びる略円筒形状を有しており、ロックプレート608はギヤハウジング10に、前後方向に沿った揺動軸周りに揺動可能に保持されている。ロックプレート608の下端近傍は、圧縮バネ610によって、ギヤハウジング10に対して左方向に付勢されている。また、ロックプレート608の下端近傍は、圧縮バネ612によって、ギヤハウジング10に対して右方向に付勢されている。
図36、図37は、モータハウジング4の上面のメイン操作部材30に対するユーザの操作をメインスイッチ36に伝達する第1リンク部材32および第2リンク部材34と、ロック機構606の位置関係を示している。図36、図37では、サイドハンドル16は、ハンドル取付部80に取り付けられており、メイン操作部材30は、後方のオフ位置に配置されている。また、図36は、サイドハンドル16がユーザに把持されておらず、ハンドル部64がフランジ部62に対して回動していない状態を示しており、図37は、サイドハンドル16がユーザに把持されており、ハンドル部64がフランジ部62に対して回動した状態を示している。
ロックプレート608は、右端近傍で前方に向けて突出する右側カム片608bと、左端近傍で前方に向けて突出する左側カム片608cと、上端近傍で上方に向けて突出するストッパ片608dを備えている。右側カム片608bの下面は、カム面608eを構成している。カム面608eは、右方から左方に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。カム面608eは、ギヤハウジング10の右面のハンドル取付孔80aに対向して配置されている。左側カム片608cの下面は、カム面608fを構成している。カム面608fは、左方から右方に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。カム面608fは、ギヤハウジング10の左面のハンドル取付孔82aに対向して配置されている。
本実施例の電動工具602では、第1リンク部材32の前端がメイン操作部材30よりも前方に伸びている。メイン操作部材30が後方のオフ位置にある状態で、第1リンク部材32の前端はロック機構606のロックプレート608のストッパ片608dの後端に近接した位置で対向して配置されている。このため、図36に示すように、サイドハンドル16がユーザに把持されておらず、ハンドル部64がフランジ部62に対して回動していない状態では、メイン操作部材30を後方のオフ位置から前方のオン位置に移動させるユーザの操作が、ストッパ片608dによって禁止される。この場合、メインスイッチ36が制御ユニット28にオン信号を送信することがないので、モータ18の回転が禁止される。なお、図36に示すストッパ片608dの位置を、禁止位置ともいう。
図36に示す状態から、ユーザがサイドハンドル16を把持して、ハンドル部64をフランジ部62に対して回動させると、図37に示すように、中空ボルト63の先端からインナピン68の突出部68bが突出して、右側カム片608bのカム面608eを押圧する。これによって、ロックプレート608が、右側カム片608bが上方向に移動する方向に揺動することで、ストッパ片608dが第1リンク部材32の前端よりも左方向に移動する。この状態では、メイン操作部材30を後方のオフ位置から前方のオン位置に移動させるユーザの操作が、ストッパ片608dによって禁止されることがない。すなわち、メイン操作部材30を後方のオフ位置から前方のオン位置に移動させるユーザの操作が許容されており、メイン操作部材30をオフ位置からオン位置に移動させた場合に、メインスイッチ36が制御ユニット28にオン信号を送信し、モータ18が回転する。なお、図37に示すストッパ片608dの位置を、許容位置ともいう。
なお、図37に示す状態から、ユーザがサイドハンドル16から手を離すと、ハンドル部64がフランジ部62に対して逆方向に回動して、インナピン68の突出部68bが中空ボルト63の内部に退避する。この場合、ロックプレート608が、圧縮バネ610、612の付勢力が均衡する位置に復帰することで、図36に示す状態に戻る。
なお、上記では、サイドハンドル16がハンドル取付部80に取り付けられた場合について説明したが、サイドハンドル16がハンドル取付部82に取り付けられた場合も、同様である。
本実施例の電動工具602では、実施例2の電動工具202と同様に、ギヤハウジング10に、ハンドル取付部80、82の代わりに、ハンドル取付部216、218(図16、図17参照)を設けておいて、サイドハンドル16の代わりに、サイドハンドル204(図12-図14参照)を用いてもよい。
以上のように、本実施例の電動工具602は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング604と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング604に取り付けられたサイドハンドル16(ハンドルの例)を備えている。電動工具602は、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル16を把持することなく電動工具602が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具602は、禁止位置(第1位置の例)と許容位置(第2位置の例)の間で移動するストッパ片608d(中間部材の例)をさらに備えている。ストッパ片608dは、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、禁止位置にあり、ユーザがサイドハンドル16を把持した状態で行う操作に応じて、禁止位置から許容位置に移動する。電動工具602は、ストッパ片608dが禁止位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、ストッパ片608dが許容位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具602において、サイドハンドル16は、フランジ部62(ハンドル本体の例)と、フランジ部62に設けられており、ユーザが操作可能なハンドル部64(ハンドル操作部材の例)を備えている。ストッパ片608dは、ユーザによるハンドル部64への操作に連動して、禁止位置から許容位置へ移動する。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具602は、ユーザの操作に応じてオン位置とオフ位置の間で移動可能なメイン操作部材30をさらに備えている。電動工具602は、メイン操作部材30がオン位置にある場合に、モータ18を回転させ、メイン操作部材30がオフ位置にある場合に、モータ18の回転を停止させるように構成されている。ストッパ片608dが禁止位置にある場合に、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が禁止される。ストッパ片608dが許容位置にある場合に、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が許容される。
上記の構成では、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が禁止されると、モータ18の回転が禁止され、メイン操作部材30のオフ位置からオン位置への移動が許容されると、モータ18の回転が許容される。上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル16を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル16を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具602は、ハウジング604に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具602では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具602は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具602が、サイドハンドル16を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具602において、ハウジング604は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持した状態で、電動工具602を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具602を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル16を把持して、電動工具602を安定して保持することができる。
(実施例7)
図38に示すように、本実施例の電動工具702は、実施例1の電動工具2と略同様の構成を備えている。以下では、本実施例の電動工具702について、実施例1の電動工具2と相違する点について説明する。
実施例4の電動工具402と同様に、本実施例の電動工具702では、サイドハンドル16の代わりに、従来から使用されている一般的なサイドハンドル404がギヤハウジング10に着脱可能に取り付けられている。ユーザが電動工具702を使用する際には、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル404を把持することで、ユーザは電動工具702を安定して保持することができる。
図38、図39に示すように、本実施例の電動工具702は、スペーサハウジング8を備えておらず、ギヤハウジング10がモータカバー6の前方に取り付けられている。また、本実施例の電動工具702では、ハンドル取付部80、82の代わりに、ハンドル取付部704、706がギヤハウジング10に設けられている。なお、本実施例では、モータハウジング4、モータカバー6、ギヤハウジング10およびベアリングボックス12を総称して、単にハウジング708ともいう。ハンドル取付部704は、ギヤハウジング10の右面に配置されており、ハンドル取付部706は、ギヤハウジング10の左面に配置されている。
図40に示すように、ハンドル取付部704、706には、貫通孔704a、706aが形成されている。貫通孔704a、706aは、ギヤハウジング10を外部から内部まで貫通しており、内周面に雌ネジが形成されている。ギヤハウジング10の内部には、凸部704b、706bが形成されている。凸部704b、706bは、貫通孔704a、706aに対向して配置されており、貫通孔704a、706aに向けて突出している。ハンドル取付部704、706は、保持部材710、712と、可動部材714、716と、当接部材718、720と、圧縮バネ722、724を備えている。
図41に示すように、保持部材710、712は、略円筒形状に形成された円筒部710a、712aと、円筒部710a、712aの軸方向外側端部において径方向に突出するフランジ部710b、712bを備えている。円筒部710a、712aの外周面には、ギヤハウジング10の貫通孔704a、706aの雌ネジに対応した雄ネジが形成されている。フランジ部710b、712bの軸方向外側の面には、径方向に沿って延びる溝710c、712cが形成されている。保持部材710、712は、ドライバなどの締付工具の先端を溝710c、712cに係合させて、ギヤハウジング10の貫通孔704a、706aに外側から螺合させることで、ギヤハウジング10に固定される。図42に示すように、円筒部710a、712aの内周面には、円筒部710a、712aの軸方向内側端部から軸方向に沿って延びる複数のガイド溝710d、712dが形成されている。複数のガイド溝710d、712dは、周方向に所定の角度間隔で配置されている。本実施例では、円筒部710a、712aには、4つのガイド溝710d、712dが、周方向に90度間隔で配置されている。
図41に示すように、可動部材714、716は、軸方向の中央部が径方向に膨らんだ略樽形状を有する樽部714a、716aと、樽部714a、716aの軸方向外側端部から軸方向外側に突出する、略円柱形状を有する円柱部714b、716bと、樽部714a、716aの中心部と円柱部714b、716bの中心部を軸方向に貫通する貫通孔714c、716cと、樽部714a、716aの軸方向の中央部から径方向に突出する複数のガイド突起714d、716dを備えている。樽部714a、716aと円柱部714b、716bの外径は、保持部材710、712の円筒部710a、712aの内径よりもわずかに小さい。貫通孔714c、716cの内周面には、サイドハンドル404のボルト410の雄ネジに対応する雌ネジが形成されている。複数のガイド突起714d、716dは、保持部材710、712の複数のガイド溝710d、712dに対応して配置されている。本実施例では、樽部714a、716aには、4つのガイド突起714d、716dが、周方向に90度間隔で配置されている。可動部材714、716は、複数のガイド突起714d、716dが、複数のガイド溝710d、712dに入り込むように、保持部材710、712に軸方向内側から挿入することで、保持部材710、712に取り付けられている。
図42に示すように、複数のガイド突起714d、716dの周方向および径方向のサイズは、複数のガイド溝710d、712dの周方向および径方向のサイズよりもわずかに小さい。また、複数のガイド突起714d、716dは、複数のガイド溝710d、712dの内部で、軸方向に移動可能である。このため、可動部材714、716は、軸方向に直交する面に沿った任意の揺動軸周りに揺動可能に、保持部材710、712に保持されている。例えば、可動部材714、716は保持部材710、712に対して、上方のガイド突起714d、716dが下方のガイド突起714d、716dに対して軸方向内側または外側に移動する方向に揺動可能である。また、可動部材714、716は保持部材710、712に対して、前方のガイド突起714d、716dが後方のガイド突起714d、716dに対して軸方向内側または外側に移動する方向にも揺動可能である。さらに、可動部材714、716は保持部材710、712に対して、上方のガイド突起714d、716dが下方のガイド突起714d、716dに対して軸方向内側または外側に移動し、かつ前方のガイド突起714d、716dが後方のガイド突起714d、716dに対して軸方向内側または外側に移動する方向にも揺動可能である。また、可動部材714、716は、軸方向に摺動可能に、保持部材710、712に保持されている。
当接部材718、720は、略円盤形状を有する円盤部718a、720aと、円盤部718a、720aの径方向端部から軸方向内側に延びており、略円筒形状を有する円筒部718b、720bと、円盤部718a、720aの中心部から軸方向内側に突出しており、略円柱形状を有する円柱部718c、720cを備えている。
図40に示すように、圧縮バネ722、724は、一端においてギヤハウジング10の凸部704b、706bが内側に入り込み、他端において当接部材718、720の円柱部718c、720cが内側に入り込むように配置されている。圧縮バネ722、724は、当接部材718、720をギヤハウジング10に対して、軸方向外側に向けて付勢する。当接部材718、720は、圧縮バネ722、724の付勢力によって、可動部材714、716に押し付けられている。
本実施例の電動工具702は、センサユニット84、86の代わりに、検出センサ726、728を備えている。検出センサ726、728は、ギヤハウジング10の内部に配置されている。検出センサ726は、ハンドル取付部704に対応して配置されており、検出センサ728は、ハンドル取付部706に対応して配置されている。検出センサ726、728は、ギヤハウジング10の凸部704b、706bの先端の面に固定された圧力センサである。検出センサ726、728は、制御ユニット28(図2参照)に接続されている。
図40に示すように、サイドハンドル404をハンドル取付部704に取り付ける際には、サイドハンドル404のボルト410を可動部材714の貫通孔714cに螺合させる。可動部材714は保持部材710に対して軸方向周りに回転不能であるため、サイドハンドル404をギヤハウジング10に対して回転させることで、サイドハンドル404のボルト410を可動部材714の貫通孔714cに螺合させることができる。これによって、サイドハンドル404がハンドル取付部704に取り付けられる。なお、サイドハンドル404を単にハンドル取付部704に取り付けた状態では、当接部材718、720は圧縮バネ722、724の付勢力によって検出センサ726、728から離反している。このため、検出センサ726、728は圧力を検出せず、制御ユニット28にオフ信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、サイドハンドル404がユーザによって把持されていないと判断して、モータ18の回転を禁止する。
上記したように、可動部材714は保持部材710に対して、軸方向に直交する面に沿った任意の揺動軸周りに揺動可能である。このため、ハンドル取付部704に取り付けられたサイドハンドル404も、ギヤハウジング10に対して、軸方向に直交する面に沿った任意の揺動軸周りに揺動可能である。図40に示すように、ハンドル取付部704にサイドハンドル404が取り付けられている状態で、ユーザがサイドハンドル404を把持してサイドハンドル404を所望の方向に揺動させると、図43に示すように、可動部材714の内側の端部によって当接部材718が内側に向けて押圧される。これによって、当接部材718が圧縮バネ722の付勢力に抗して内側に向けて移動し、当接部材718の円柱部718cが検出センサ726に当接する。このため、検出センサ726が圧力を検出し、制御ユニット28にオン信号を送信する。この場合、制御ユニット28は、サイドハンドル404がユーザによって把持されていると判断して、モータ18の回転を許容する。
なお、上記では、サイドハンドル404がハンドル取付部704に取り付けられた場合について説明したが、サイドハンドル404がハンドル取付部706に取り付けられた場合も、同様である。なお、当接部材718、720が検出センサ726、728から離反している時の当接部材718、720の位置を、離反位置ともいい、当接部材718、720が検出センサ726、728に当接している時の当接部材718、720の位置を、当接位置ともいう。
本実施例の電動工具702では、保持部材710、712が、ギヤハウジング10の貫通孔704a、706aに円筒部710a、712aを螺合させることで、ギヤハウジング10に固定される。このため、製造公差に起因して、保持部材710、712をギヤハウジング10に固定した時の、複数のガイド溝710d、712dとギヤハウジング10の相対的な位置関係にばらつきが生じ得る。しかしながら、本実施例の電動工具702では、可動部材714が保持部材710に対して、軸方向に直交する面に沿った任意の揺動軸周りに揺動可能である。このような構成とすることによって、複数のガイド溝710d、712dとギヤハウジング10の相対的な位置関係にばらつきが生じても、ユーザはサイドハンドル404を所望の方向に揺動させることができる。
なお、本実施例の電動工具702において、検出センサ726、728は、ユーザがサイドハンドル404を揺動させることに伴う当接部材718、720の移動を検出することができればよく、圧力センサ以外の検出センサ、例えばタッチセンサ等であってもよい。
以上のように、本実施例の電動工具702は、モータ18と、モータ18に接続されたベベルギヤ46(動力伝達機構の例)と、モータ18およびベベルギヤ46を収容するハウジング708と、ベベルギヤ46に接続されており、研削ホイール58(先端工具の例)を着脱可能なスピンドル44(先端工具保持部の例)と、ハウジング708に取り付けられたサイドハンドル404(ハンドルの例)を備えている。電動工具702は、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転が禁止されるので、サイドハンドル404を把持することなく電動工具702が使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具702は、離反位置(第1位置の例)と当接位置(第2位置の例)の間で移動する当接部材718、720(中間部材の例)をさらに備えている。当接部材718、720は、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、離反位置にあり、ユーザがサイドハンドル404を把持した状態で行う操作に応じて、離反位置から当接位置に移動する。電動工具402は、当接部材718、720が離反位置にある場合に、モータ18の回転を禁止し、当接部材718、720が当接位置にある場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル404を把持して行う操作に応じて、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具702は、モータ18の駆動を制御する制御ユニット28と、制御ユニット28に接続されており、当接部材718、720の移動を検出する検出センサ726、728をさらに備えている。制御ユニット28は、検出センサ726、728によって当接部材718、720が離反位置から当接位置に移動したことが検出されない場合に、モータ18の回転を禁止し、検出センサ726、728によって当接部材718、720が離反位置から当接位置に移動したことが検出された場合に、モータ18の回転を許容する。
上記の構成によれば、制御ユニット28においてモータ18の回転を禁止する状態と許容する状態の切り替えを行うので、電動工具702の機械的な構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具702では、検出センサ726、728は、接触式の検出センサである。当接部材718、720が当接位置にある場合に、当接部材718、720が検出センサ726、728を押圧する。当接部材718、720が離反位置にある場合に、当接部材718、720が検出センサ726、728を押圧しない。
上記の構成によれば、電動工具702の電気系統の構成をより簡素化することができる。
本実施例の電動工具702では、当接部材718、720は、ハウジング708にスライド可能に保持されている。電動工具702は、ハウジング708に揺動可能に保持された可動部材714、716(中継部材の例)と、当接部材718、720を可動部材714、716に押し付ける方向に付勢する圧縮バネ722、724(付勢部材の例)をさらに備えている。サイドハンドル404は、可動部材714、716に固定されている。ユーザがサイドハンドル404をハウジング708に対して揺動させることで、可動部材714、716が揺動して、当接部材718、720が離反位置から当接位置へスライドする。
上記の構成によれば、簡素な構成によって、ユーザがサイドハンドル404を把持していない場合に、モータ18の回転を禁止するとともに、ユーザがサイドハンドル404を把持して揺動させた場合に、モータ18の回転を許容することができる。
本実施例の電動工具702では、可動部材714、716は、ハウジング708に対して第1揺動軸および第1揺動軸に対して直交する第2揺動軸周りに揺動可能に保持されている。
上記の構成によれば、ユーザが所望の方向にサイドハンドル404を揺動させて、当接部材718、720を離反位置から当接位置へ移動させることができる。
本実施例の電動工具702は、ハウジング708に着脱可能に取り付けられており、モータ18に電力を供給するバッテリ26をさらに備えている。
上記の構成によれば、外部の電源に電源コードで接続することなく、モータ18に電力を供給することができる。
本実施例の電動工具702では、先端工具として研削ホイール58を使用可能である。電動工具702は、グラインダとして機能する。
上記の構成によれば、グラインダとして機能する電動工具702が、サイドハンドル404を把持することなく使用されることを防止することができる。
本実施例の電動工具702において、ハウジング708は、モータハウジング4(グリップの例)を備えている。ユーザは、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル404を把持した状態で、電動工具702を使用可能である。
上記の構成によれば、ユーザは、電動工具702を使用する際に、一方の手でモータハウジング4を把持し、他方の手でサイドハンドル404を把持して、電動工具702を安定して保持することができる。
(変形例)
上記の実施例では、電動工具2、202、302、402、502、602がグラインダであり、動力伝達機構がベベルギヤ46であり、先端工具が研削ホイール58であり、先端工具保持部がスピンドル44であり、グリップがモータハウジング4であり、ハンドルがサイドハンドル16、204、304、404である場合について説明した。これとは異なり、電動工具2、202、302、402、502、602は、ドライバドリルやハンマドリル等の、他の種類の電動工具であってもよい。また、動力伝達機構は他の種類の動力伝達機構であってもよく、先端工具は他の種類の先端工具であってもよく、先端工具保持部は他の種類の先端工具保持部であってもよく、グリップは他の種類のグリップであってもよく、ハンドルは他の種類のハンドルであってもよい。
上記の実施例では、電動工具2、202、302、402、502、602が、ハウジング60、310、416、504、604に着脱可能なバッテリ26から電力を供給される構成について説明した。これとは異なり、電動工具2、202、302、402、502、602は、外部の電源から電源コードを介して電力を供給される構成としてもよい。