以下、本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車および駆動ユニットについて図面に基づき説明する。なお、以下の説明における左右方向および前後方向とは、進行方向に向って当該電動アシスト自転車に搭乗した状態での方向を言う。また、この発明の構成が以下で述べる構成に限定されるものではない。
図1における1は本発明の実施の形態に係る電動アシスト自転車である。図1に示すように、電動アシスト自転車1は、ヘッドパイプ2a、前フォーク2b、上パイプ2c、下パイプ2g、立パイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2fなどからなる金属製のフレーム2と、前フォーク2bの下端に回転自在に取り付けられた前輪3と、チェーンステー2eの後端に回転自在に取り付けられた後輪4と、前輪3の向きを変更するハンドル5と、搭乗者が着座するサドル6と、踏力からなる人力駆動力がかけられるクランク7およびペダル8と、補助駆動力(アシスト力)を発生させる駆動源としての電動のモータ21(図2も参照)およびこのモータ21を含めた各種の電気的制御を行う制御部などが設けられた駆動ユニット20と、モータ21に駆動用の電力を供給する二次電池などからなるバッテリ12と、ハンドル5などに取り付けられて、搭乗者などが操作可能で、当該電動アシスト自転車1の電源の切り換えや走行モードなどを設定変更可能な手元操作部18と、クランク軸7aと同軸心で一体的に回転するように取り付けられ、人力駆動力および補助駆動力が合わされた合力を出力する駆動力出力輪体としての駆動スプロケット(前スプロケット、クランクスプロケットや前ギヤとも称せられる)13と、後輪4のハブ(後ハブとも称する)9に取り付けられた後部輪体としての後スプロケット(後ギヤとも称せられることがある)14と、駆動スプロケット13と後スプロケット14とにわたって回転可能な状態で無端状に巻回された無端状駆動力伝達体としてのチェーン15と、などを備えている。
そして、当該電動アシスト自転車1は、ペダル8からの踏力による人力駆動力に、モータ21により発生する補助駆動力を加えて走行可能であり、人力駆動力に補助駆動力を加えた合力が、駆動スプロケット13からチェーン15および後スプロケット14などを介して後輪4に伝達される。
なお、バッテリ12は蓄電器の一例であり、二次電池が好適であるが、キャパシタなどであってもよい。なお、クランク7は、左右にそれぞれ設けられるクランクアーム7bと、左右のクランクアーム7b同士を連結するクランク軸7aとなどからなり、クランクアーム7bの端部にペダル8が回転自在に取り付けられている。
図1に示すように、この電動アシスト自転車1では、駆動ユニット20が、前輪3と後輪4との間の中間位置、より詳しくはクランク軸7aが貫通される箇所に配設されている。そして、このような配置構成にすることで、重量が比較的大きい駆動ユニット20が、電動アシスト自転車1の前後方向中央に配置される。これにより、前輪3や後輪4を持ち上げ易くて、走行路に段差があっても容易に乗り越えることができるなど、電動アシスト自転車1の車体(フレーム2など)の取り回しがよく、また、走行安定性も良好とされている。
図2に示すように、駆動ユニット20は、第1~第3のケース22a~22cからなるユニットケース22により外殻部などが構成され、駆動ユニット20(この実施の形態では駆動ユニット20の後部)をクランク軸7aが左右に貫通している。また、第1、第2のケース22a、22bの一部に、取付用ボルト(図示せず)などが挿通されて、当該駆動ユニット20をフレーム2(下パイプ2gの下端部近傍箇所や、立パイプ2dの下端部近傍箇所、チェーンステー2eの前端部近傍箇所など)に取り付ける取付部22dが設けられている。さらに、クランク軸7aの外周に、クランク軸7aからの人力駆動力が伝達される略筒状の人力伝達体28と、人力伝達体28からの人力駆動力が伝達される連動筒体23と、連動筒体23からの人力駆動力が一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30などを介して伝達されるとともに人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とを合成した合力を駆動スプロケット13に伝達する合力伝達体29とが、配設されている。また、クランク軸7aや人力伝達体28、連動筒体23、合力伝達体29などは同軸心で配置されている。
また、駆動ユニット20のユニットケース22内には、モータ21の回転を減速して合力伝達体29側(この実施の形態では中間軸40)に伝達する減速機構25と、補助駆動力(アシスト力)駆動源としてのモータ21とが配設されている。駆動ユニット20のユニットケース22内には、各種の電気的制御を行う電子部品が設けられた基板(駆動基板や主基板とも称せられる)24も配設されており、基板24とこの基板に装着された電子部品などにより制御部が構成されている。なお、図2、図3に示すように、モータ21の回転軸21aの軸心と、クランク軸7aの軸心と、後述する中間軸40の軸心とは、互いに異なっている。また、この実施の形態では、前方から順にモータ21の回転軸21a、中間軸40、クランク軸7aが配置されている。しかし、これに限るものではなく、モータ21の回転軸21a、中間軸40、クランク軸7aが前後方向に逆の向きで配置されていてもよい。
また、駆動ユニット20内(詳しくは駆動ユニット20のユニットケース22内)に、クランク軸7aの両端部を除く部分と、人力伝達体28、連動筒体23、合力伝達体29、減速機構25、モータ21、後述するトルクセンサ31、回転検出体11、回転検出器(回転センサ)10などが設けられる。駆動ユニット20内で人力駆動力と補助駆動力とが合成され、この合成された合力が、駆動ユニット20の外(詳しくは駆動ユニット20のユニットケース22の外)に設けられた駆動スプロケット13から出力される。
駆動ユニット20についてさらに詳しく述べる。図2、図3に示すように、クランク軸7aが、駆動ユニット20の後部を左右に貫通した状態で軸受(クランク軸軸受)26、27により回転自在に配設されている。クランク軸7aにおける左側寄り部分の外周に、凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7cを介して、筒状の人力伝達体28がクランク軸7aと一体的に回転する状態で嵌め合わされている。なお、人力伝達体28の内周におけるクランク軸7aのスプライン(またはセレーション)7cに対応する箇所にも凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bが形成されてクランク軸7aのスプライン(またはセレーション)7cと噛み合っている。
人力伝達体28の外周表面には、磁気異方性を付与した磁歪発生部31aが形成されている。また、磁歪発生部31aの外周に一定の隙間(空間)を介してコイル31bが配設されている。そして、これらの磁歪発生部31aおよびコイル31bにより磁歪式のトルクセンサ(人力検知部)31が構成されている。これにより、クランク軸7aからの人力駆動力が人力伝達体28に伝達されるとともに、トルクセンサ31により人力駆動力が検出される。また、この磁歪式のトルクセンサ31では、磁歪発生部31bが、人力伝達体28の軸心方向に対して例えば+45度と-45度とをなす螺旋形状に形成されている。そして、人力伝達体28に人力駆動力が伝達されると、人力伝達体28の表面の磁歪発生部31bに歪みが発生して透磁率の増加部分と減少部分とが発生するため、コイル31aのインダクタンス差を測定することでトルク(人力駆動力)の大きさを検出できるよう構成されている。本実施の形態では、トルクセンサ31として磁歪式のトルクセンサを用いたが、人力伝導体28の物理的な歪を検知する歪センサを人力伝達体28の外周表面に配置した歪感知式のトルクセンサを用いても良い。
連動筒体23は、クランク軸7aの外周における人力伝達体28の右側に隣接した箇所で、クランク軸7aに対して回転自在の状態で配設されている。人力伝達体28の右端部外周に形成されたスプライン(またはセレーション)28aと、連動筒体23の左端部内周に形成されたスプライン(またはセレーション)23aと、が嵌合されて、連動筒体23が人力伝達体28と一体的に回転する。なお、この実施の形態では、人力伝達体28のスプライン(またはセレーション)28aに、連動筒体23の左端部内周に形成されたスプライン(またはセレーション)23aが外側から嵌合されている。
また、この実施の形態では、連動筒体23の左側部分の外周に、連動筒体23の回転状態を検出するための回転検出体11が取り付けられている。また、回転検出体11を外周側から臨むように、クランク軸回転センサとしての回転検出器(回転センサ)10がユニットケース22側に取り付けられて固定されている。例えば、回転検出器10は、出射部と受光部とを有する光センサが回転検出体11の回転方向に並べられている(図示せず)。回転検出体11は、その外周側箇所に、くし(櫛)歯状に右側に延びる多数の歯部を有している。そして、回転検出体11の歯部がある場合には、出射された光が歯部で反射して回転検出器10により受けられる。これにより、光の入射状態と非入射状態とを回転検出器10の受光部により電気的に検知するとともに、この信号を制御部で入力して連動筒体23の回転数(回転量)および回転方向を検知する。なお、光センサに代えてホールICなどの磁気センサを設けて連動筒体23の回転数(回転量)および回転方向を検知してもよい。ここで、連動筒体23は人力伝達体28と一体的に回転し、人力伝達体28はクランク軸7aと一体的に回転する。これにより、連動筒体23の回転量および回転方向を検知して、クランク軸7aやペダル8の回転数(回転量)や回転方向も検知できる。
また、連動筒体23の右側部分の外周に、一方向クラッチ(補助駆動力切断用の一方向クラッチ)30を介して、合力伝達体29が配設されている。そして、ペダル8を漕いで前進している場合には、連動筒体23に伝達された人力駆動力が一方向クラッチ30を介して合力伝達体29に伝達される。
モータ21はモータ軸軸受32、33によりその回転軸21aおよびロータ21bが回転自在に支持されている。また、モータ21の回転軸21aが右側方に突出され、この突出部の外周に後述するモータ軸減速歯車39が形成されている。
減速機構25は、クランク軸7aと平行に配設された中間軸40と、合力伝達体29の左寄り部分に形成された大径の減速歯車(第1の減速歯車:クランク軸側減速歯車)36を含めた2対の減速歯車36~39などを有しており、2段の減速機構を構成している。そして、減速機構25は、クランク軸7aを通して伝達された人力駆動力とモータ21から伝達された補助駆動力とを合成し、かつ、前記人力駆動力と前記補助駆動力とが合成されてなる合力を合力伝達体29に伝達する。
中間軸40は、駆動ユニット20の前後方向中央部において左右に延びてクランク軸7aと平行な姿勢で、軸受(中間軸軸受)34、35により回転自在に支持された状態で配設されている。中間軸40には、大径の第2の中間軸減速歯車37と、小径の第3の中間軸減速歯車38と、人力駆動力切断用の一方向クラッチ42とが取り付けられている。
人力駆動力切断用の一方向クラッチ42は、中間軸40の外周と第2の中間軸減速歯車37の内周との間に配設されており、ペダル8からの人力駆動力を切断するためのものである。すなわち、この一方向クラッチ42により、モータ21が駆動されずに補助駆動力が発生していない場合には、ペダル8からの人力駆動力が、人力駆動力切断用の一方向クラッチ42により切断されて、モータ21のロータ21bを回転させなくても済むように構成されている。一方、モータ21が駆動されて回転している場合には、中間軸40と第2の中間軸減速歯車37とが一方向クラッチ42を介して接続され、第2、第3の中間軸減速歯車37、38は中間軸40とともに一体的に回転する。
そして、モータ21の回転軸21aに形成された小径のモータ軸減速歯車39が大径の第2の中間軸減速歯車37に噛み合っているため、モータ21が回転されて補助駆動力が出力される場合に、モータ21の回転が減速され、モータ21からの補助駆動力のトルクが増幅されて中間軸40側に伝達される。また、小径の第3の中間軸減速歯車38は、合力伝達体29に一体形成された大径の第1の減速歯車36に噛み合っているため、中間軸40に伝達された補助駆動力のトルクがさらに増幅されて第1の減速歯車36に伝達される。そして、第1の減速歯車36が一体形成されている合力伝達体29において、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とが合成されて、駆動力出力輪体としての駆動スプロケット13から出力される。
ここで、図4~図10に拡大して示すように、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所の外径(詳しくは、外周部の直径)D1と人力伝達体28が嵌合される箇所の外径D2との半径方向差(クランク軸7aの軸心Xからの半径方向寸法の差)A1が、人力伝達体28のクランクアーム7bが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bの半径方向の差(いわゆる凹凸部の高低差)B1よりも小さくされている。また、この実施の形態では、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所にも、凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7dが形成され、これに対応して、クランクアーム7bにおけるクランク軸7aの嵌合箇所にも凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7eが形成されている。
すなわち、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所と、これに対応して人力伝達体28におけるクランク軸7aが嵌合する箇所とには、それぞれ、径方向に対して突出する山部と径方向に対して窪む谷部とを有する凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7c、28bが形成されている。また、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所と、クランクアーム7bにおけるクランク軸7aが嵌合される箇所とにも、それぞれ、径方向に対して突出する山部と径方向に対して窪む谷部とが所定角度毎に設けられてなる凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7d、7eが形成されている。また、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bに嵌合するスプライン(またはセレーション)7dの山部が設けられている箇所の直径である外径D1は、クランク軸7aにおける人力伝達体28に嵌合するスプライン(またはセレーション)7cの山部が設けられている箇所の直径である外径D2よりも大きく、人力伝達体27のクランク軸7aが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の内面に形成された内径(人力伝達体27のスプラインまたはセレーション7dの谷部間の直径)よりも小さく形成されている。そして、上記したように、クランクアーム7bが嵌合される箇所の外径D1と人力伝達体28が嵌合される箇所の外径D2との半径方向差(クランク軸7aの軸心Xからの半径方向寸法の差)A1が、人力伝達体28のクランクアーム7bが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bの半径方向の差(いわゆる凹凸部の高低差)B1よりも小さくされている。
また、図11にさらに拡大して示すように、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所と、人力伝達体28におけるクランク軸7aが嵌合される箇所との間に、山部および谷部の各部において、それぞれ隙間(いわゆる遊び)を有するように形成されている。この隙間の好適な寸法は、クランク軸7aと人力伝達体28との嵌合部であるスプライン(またはセレーション)7c、28bが設けられている箇所におけるm(モジュール)=d(基準円直径)/z(歯数)で示した場合に、クランク軸7aの山部とこれに対応する人力伝達体28の箇所との間の隙間Eは、0~0.25m(0より大きく(例えば0.001m以上)、0.25m以下)とすると好適である。また、クランク軸7aの谷部とこれに対応する人力伝達体28の箇所との間の隙間Fは、0~0.1m(0より大きく(例えば0.001m以上)、0.1m以下)すると好適である。なお、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所であるスプライン(またはセレーション)7cの高さ(半径方向寸法)は例えば2.25mとされているが、これに限るものではない。
また、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所に形成されているスプライン(またはセレーション)7cは、軸受26と嵌合している箇所まで延ばされて形成されている。すなわち、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)とクランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)との間の部分は、軸受(この実施の形態では左側に配置されている軸受)26により回転自在に支持されている。そして、クランク軸7aにおける軸受26により支持されている箇所の外径D3と、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション))の外径D2およびクランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と、の半径方向差(クランク軸7aの軸心Xからの半径方向寸法の差)が、人力伝達体28のクランクアーム7bが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bの半径方向の差(いわゆる凹凸部の高低差)B1よりも小さくされている。なお、この実施の形態では、クランク軸7aにおける軸受26により支持されている箇所の外径D3が、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2と同じとされているが、これに限るものではない。
但し、図9、図10に示すように、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の谷部が設けられている箇所の直径(谷部径)T1は、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の谷部が設けられている箇所の直径(谷部径)T2より、小さい。このように、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の谷部が設けられている箇所の直径(谷部径)T1が、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の谷部が設けられている箇所の直径(谷部径)T2以下の場合、クランク軸への谷部の加工が容易である。また、この実施の形態では、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部および谷部の数が、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部および谷部の数の2倍とされており、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部となる箇所は、そのままクランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部に対応するように形成されている。すなわち、この実施の形態では、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部が、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部に対して、1つおきに(すなわち、隣り合う山部が周方向に2倍の角度毎に)形成されている。
また、図4、図5に示すように、この実施の形態では、クランク軸7aにおける軸受26の軸心方向両側(左側と右側)には、スプライン(スプライン(またはセレーション)7c)の山部の外周側部分が削られて溝部7fが形成され、これらの溝部7fに、軸受26を軸心方向に対して(すなわち、左右方向に対して)移動しないように位置決めをする規制部材43がそれぞれ嵌合されている。また、軸心方向に対して(すなわち、左右方向に対して)、両方の規制部材43の間の中間箇所には、スプライン(スプライン(またはセレーション)7c)の谷部と同じ深さで周方向に延びる溝部7gが形成され、この溝部7gに、径方向に対してクランク軸7aと人力伝達体28との間を密閉するオイルシール材44が配置されている。そして、このオイルシール材44により、ユニットケース22の外部から内部に水や泥が侵入することを防止できる。また、減速歯車36~39などに塗られている潤滑油が、駆動ユニット20内から、クランク軸7aと人力伝達体28との間の隙間を通って、駆動ユニット20の外部に洩れ出さないようになっている。
なお、この実施の形態では、クランクアーム7bにおけるクランク軸7aのスプライン(またはセレーション)7dと嵌合するスプライン(またはセレーション)7dに隣接して、内周側に突出する鍔状部7iが一体形成されている。そして、クランク軸7aにクランクアーム7bを組み付ける際には、クランクアーム7bの鍔状部7iがクランク軸7aに側方から突き当たるまで嵌合された後に、クランクアーム7bの外側から、固定用部材45の雄ねじ部45aをクランク軸7aの端部内周に形成されている雌ねじ部7hにねじ込んで、クランクアーム7bが外れないように固定されている。なお、46はクランクアーム7bと固定用部材45との間に挟み込まれるワッシャで、必要に応じて設ければよい。
上記構成によれば、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2との半径方向差A1が人力伝達体28のクランク軸7aが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7cの半径方向B1の差よりも小さい。また、本実施の形態では、さらに、クランク軸7aにおける軸受26により支持されている箇所の外径D3も人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2と同じである。したがって、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の直径(外径)を比較的大きくした場合でも、クランク軸7aにおける、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を小さく抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も小さく抑えることができる。これにより、クランク軸7aと中間軸40との軸間距離を小さく抑えることができて、ひいては駆動ユニット20を小型化することが可能となる。
なお、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2との半径方向差A1は、人力伝達体28のクランク軸7aが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bの半径方向の差B1の90%以内が好適であり、さらに望ましくは、50%以内がより好適である。
また、上記実施の形態では、クランク軸7aにおける軸受26により支持されている箇所の外径D3と人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション))の外径D2およびクランクアーム7bが嵌合される箇所の外径D1との半径方向差A1が人力伝達体28のクランク軸7aが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bの半径方向の差B1よりも小さい。これによっても、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の直径(外径)を比較的大きくした場合でも、クランク軸7aにおける、軸受26により支持されている箇所の外径D3やクランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を小さく抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も小さく抑えることができる。これにより、クランク軸7aと中間軸40との軸間距離を小さく抑えることができて、ひいては駆動ユニット20を小型化することが可能となる。
また、近年、自転車のボトムブラケット(クランク軸周辺部)の規格として、クランク軸におけるクランクアームとの連結嵌合部の直径が比較的大きいISIS規格(International Spline Interface Standard)などの規格があり、このような規格に対応すべく、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bとの連結嵌合部の直径を比較的大きくして、クランクアーム7bからクランク軸7aにより大きな力が作用しても十分な耐久性(強度)を有するよう構成した場合でも、上記のように、クランク軸7aにおける、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を小さく抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も小さく抑えることができ、ひいては駆動ユニット20を小型化することが可能となる。
また、上記構成によれば、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)と、人力伝達体28におけるクランク軸7aが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)28b)との間に、山部および谷部の各部において、それぞれ隙間E、Fが形成されている。これにより、クランク軸7aと人力伝達体28との嵌合箇所において、圧入するなどして隙間なく嵌合させた場合と比較して、クランク軸7aを曲げようとする力(すなわち、トルクセンサ31のトルク検知に悪影響を及ぼす恐れがある力)が人力伝達体28に伝達することを低減することができる。
つまり、ペダル8が踏まれると、クランク軸7aには軸回転方向に捻れる力に加えて、軸心Xと直交する方向にクランク軸7aを曲げようとする力が働く。前記隙間E、Fがないと、クランク軸7aを曲げようとする力が、人力伝達体28を介してトルクセンサ31の磁歪発生部31aに直接伝達される。このクランク軸7aを曲げようとする力は、トルクセンサ31のトルク(軸回転方向に捻れる力)を検知するに際して、ノイズとなり悪影響を与えるため、トルクセンサ31の検出精度を低下させる。
これに対して、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)と、人力伝達体28におけるクランク軸7aが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)28b)との間に隙間E、Fを設けることで、クランク軸7aを曲げようとする力が人力伝達体28に伝達することが低減され、ひいては、トルクセンサ31の検出精度が低下し難くなり、ひいては、当該電動自転車1の信頼性を向上させることができる。
また、上記構成によれば、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部および谷部の数が、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部および谷部の数の2倍とされており、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部となる箇所は、そのままクランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部に対応するように形成されているので、クランク軸7aに作用する人力駆動力(踏力)を、多くの山部および谷部が形成されているスプライン(またはセレーション)7cを通して人力伝達体28に伝達することができるので、人力伝達体28の外周に磁歪発生部31bが形成されているトルクセンサ31によって良好な感度でトルクを検知することができる。つまり、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所であるスプライン(またはセレーション)7cの形状を、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所であるスプライン(またはセレーション)7dの形状と同じに形成した場合でも、クランク軸7aに人力伝達体28を嵌合されることは可能であるが、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部および谷部の数がより多いと、良好な感度(精度)でトルクを検出できて、信頼性が向上する。
また、クランク軸7aにおける人力伝達体28の嵌合箇所とクランクアーム7bの嵌合箇所との互いの山部の数を異ならせたり、谷部の直径を異ならせたりすることで、クランクアーム7bの、クランク軸7aの軸心方向(この実施の形態では左右方向)に対する位置規制を行って組み付けることも可能である。
また、上記構成によれば、径方向に対してクランク軸7aと人力伝達体28との間を密閉するオイルシール材44を設けることで、減速歯車36~39などに塗られている潤滑油が、駆動ユニット20内から、クランク軸7aと人力伝達体28との間の隙間を通って、駆動ユニット20の外部に洩れ出ることを良好に防止することができる。
また、上記実施の形態では、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bに嵌合するスプライン(またはセレーション)7dの山部が設けられている箇所の直径である外径D1が、クランク軸7aにおける人力伝達体28に嵌合するスプライン(またはセレーション)7cの山部が設けられている箇所の直径である外径D2よりも大きく形成されている場合を述べたが、これに限るものではない。すなわち、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bに嵌合するスプライン(またはセレーション)7dの山部が設けられている箇所の直径である外径D1が、クランク軸7aにおける人力伝達体28に嵌合するスプライン(またはセレーション)7cの山部が設けられている箇所の直径である外径D2よりも小さく形成されていてもよい。
また、図12~図15に示すように、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所の外径D1(詳しくは、外周部の直径)と、人力伝達体28が嵌合される箇所の外径D2とを同じ寸法としてもよい(第1の実施の形態の変形例)。すなわち、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bに嵌合するスプライン(またはセレーション)7dの山部が設けられている箇所の直径である外径D1と、クランク軸7aにおける人力伝達体28に嵌合するスプライン(またはセレーション)7cの山部が設けられている箇所の直径である外径D2とが、同じ寸法とされている。
また、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)とクランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)との間の部分は、軸受(この実施の形態では左側に配置されている軸受)26により回転自在に支持されているが、クランク軸7aにおける軸受26により支持されている箇所の外径D3も、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2およびクランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と同じとされている。
上記構成によれば、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2と、が同じである(本実施の形態では、さらに、クランク軸7aにおける軸受26により支持されている箇所の外径D3も同じである)。したがって、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の直径(外径)を比較的大きくした場合でも、クランク軸7aにおける、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を最小限に抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も最小限に抑えることができる。これにより、クランク軸7aと中間軸40との軸間距離を最小限に抑えることができて、ひいては駆動ユニット20を小型化することが可能となる。
また、上記実施の形態では、駆動ユニット20内で人力駆動力と補助駆動力とが合成され、この合成された合力が、駆動ユニット20の外(詳しくは駆動ユニット20のユニットケース22の外)に設けられた駆動スプロケット13から出力される構成(いわゆる一軸式の駆動ユニット20)の場合を述べたが、これに限るものではない。
図16に示すように、この実施の形態では、モータ21からの補助駆動力が、減速機構25の減速歯車37などを介して、駆動ユニット20’の外に露出する状態で回転自在に支持されている補助スプロケット61に出力される。すなわち、いわゆる二軸式の駆動ユニット20’である。そして、クランク軸7aと同軸心で回転自在の駆動スプロケット13からはペダル8に入力された人力駆動力のみが出力され、駆動力伝達手段としてのチェーン15により、人力駆動力とモータ21からの補助駆動力とが合成されて、後輪4側に出力される。なお、図15に示す実施の形態では、連動筒体23Aの回転が、一方向クラッチを介して伝達される補助連動筒体23Bに人力駆動力を出力する駆動スプロケット13が取り付けられている。
この実施の形態においても、クランク軸7aや、トルクセンサが設けられる駆動力伝達体28の嵌合部の構成や、クランク軸7aとクランクアーム7bとの嵌合部の構成は、上記実施の形態と同様である。なお、上記実施の形態と同様な作用を有する部材には、同じ符号を付す。
また、上記実施の形態と同様に、この実施の形態(第2の実施の形態)においても、図16および図6~図11に示すように、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所の外径(詳しくは、外周部の直径)D1と人力伝達体28が嵌合される箇所の外径D2との半径方向差(クランク軸7aの軸心Xからの半径方向寸法の差)A1が、人力伝達体28のクランクアーム7bが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)28bの半径方向の差(いわゆる凹凸部の高低差)B1よりも小さくされている。また、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所にも、凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7dが形成され、これに対応して、クランクアーム7bにおけるクランク軸7aの嵌合箇所にも凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7eが形成されている。
すなわち、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所と、これに対応して人力伝達体28におけるクランク軸7aが嵌合する箇所とには、それぞれ、径方向に対して突出する山部と径方向に対して窪む谷部とを有する凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7c、28bが形成されている。また、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所と、クランクアーム7bにおけるクランク軸7aが嵌合される箇所とにも、それぞれ、径方向に対して突出する山部と径方向に対して窪む谷部とが所定角度毎に設けられてなる凹凸部としてのスプライン(またはセレーション)7d、7eが形成されている。また、この実施の形態では、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bに嵌合するスプライン(またはセレーション)7dの山部が設けられている箇所の直径である外径D1は、クランク軸7aにおける人力伝達体28に嵌合するスプライン(またはセレーション)7cの山部が設けられている箇所の直径である外径D2よりも大きく、人力伝達体27のクランク軸7aが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の内面に形成された内径(人力伝達体27のスプラインまたはセレーション7dの谷部間の直径)よりも小さく形成されている。また、その他のクランク軸7aと、人力伝達体28、トルクセンサ31、クランクアームの連結構造は上記の第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様とされている。
また、図15にさらに拡大して示すように、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所と、人力伝達体28におけるクランク軸7aが嵌合される箇所との間に、山部および谷部の各部において、それぞれ隙間(いわゆる遊び)を有するように形成されている。
すなわち、この構成においても、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2との半径方向差が人力伝達体28のクランク軸7aが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としての(スプライン(またはセレーション)7c)の半径方向の差よりも小さい。この構成により、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の直径(外径)を比較的大きくした場合でも、クランク軸7aにおける、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を小さく抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も小さく抑えることができる。これにより、クランク軸7aと中間軸40との軸間距離を小さく抑えることができて、ひいては駆動ユニット20を小型化することが可能となる。
上記第1、第2の実施の形態では、クランク軸7aが、補助駆動力を発生するモータ21が設けられている駆動ユニット20の内部を貫通する構造である場合を述べたが、これに限るものではない。
図17~図20は、本発明の第3の実施の形態に係る電動アシスト自転車50を示すもので、図17に示すように、この実施の形態の電動アシスト自転車50では、電動モータ21が前輪3のハブ(前ハブとも称する)16の内部に配設されている。また、制御部(図示せず)がバッテリ12の装着部近傍箇所などに配設されているが、制御部は、手元操作部などの他の箇所に配設されていてもよい。なお、電動モータ10は、前ハブ16の内部に配設される代わりに、後輪4のハブ(後ハブ)の内部に配設されていてもよい。なお、前記第1の実施の形態に係る電動アシスト自転車1と同様な構成要素には同符号を付す。
この実施の形態では、補助駆動力を発生する駆動ユニットは、前ハブ16(または後ハブ)の内部に設けられ、補助駆動力が、前輪3の前ハブ16または後輪4の後ハブから付加されるようになっている。一方、踏力による人力駆動力を検出するトルクセンサ31自体の構造は、上記実施の形態と同様とされている。
図18において簡略的に示すように、この実施の形態では、下パイプ2gの後端部と立パイプ2dの下端部とチェーンステー2eの前端部とが、ハンガ2hで連結された状態で配設されている。そして、図19、図20などに示すように、ハンガ2hの内部に、クランク軸7aが軸受26、27を介して回転自在に配設されるとともに、踏力に対応する力を検出するトルクセンサ31が配設されている。なお、図9において、駆動スプロケット13については、スパイダとも称される駆動スプロケット13におけるギヤ部13aを支持する部分のみを示す。
図20に示すように、この実施の形態では、ハンガ2hの内部に金属製の中筒51が配設され、中筒51の内側に設けられた軸受26、27を介してクランク軸7aなどが回転自在に支持されている。クランク軸7aの外周には、筒状の人力伝達体28や、駆動スプロケット13と連動する連動筒体23などが配置されている。なお、図19、図20における52は、ハンガ2h内に中筒などを挿入した状態で左側から嵌め込まれて固定する固定筒である。
図20に示すように、上記実施の形態と同様に、クランク軸17は、軸心方向の中間部に、人力駆動力を伝達する人力伝達体28が外周から嵌合されるスプライン(またはセレーション)7cが形成されており、これに対応して、人力伝達体28の左側部分の内周にも、クランク軸17のスプライン(またはセレーション)7cに嵌合するスプライン(またはセレーション)28bが形成されている。また、人力伝達体28と連動筒体23ともスプライン(またはセレーション)23a、28aを介して一体的に連動するように構成され、さらに、連動筒体23と駆動スプロケット13ともスプライン(またはセレーション)23b、13bを介して一体的に連動するように構成され、これにより、クランク軸7aの回転駆動力(人力駆動力)が、人力伝達体28および連動筒体23を介して、駆動スプロケット13に伝達されるよう構成され、さらに、チェーン15を介して後輪4側に伝達されるよう構成されている。なお、連動筒体23は、クランク軸7aの外周に回転自在に配置されており、連動筒体23の外周に組付けられた軸受27により、この連動筒体23およびクランク軸7aが回転自在に支持されている。
上記構成においても、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の外径D1と人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2との半径方向差(クランク軸7aの軸心Xからの半径方向寸法の差)A1が、人力伝達体28のクランクアーム7bが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部としての半径方向差が、人力伝達体28のクランク軸7aが嵌合される箇所の内面に形成された凹凸部の半径方向の差(いわゆる凹凸部の高低差)B1よりも小さくされている(図9~図11などを参照)。したがって、クランク軸7aにおける、クランクアーム7bが嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7d)の直径(外径)を比較的大きくした場合でも、クランク軸7aにおける、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を小さく抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も小さく抑えることができる。これにより、ハンガ2hの直径を大きくしなくても、ハンガ2h内に、クランク軸7aおよびトルクセンサ31を支障なく配置することが可能となる。
また、近年、自転車のボトムブラケット(クランク軸周辺部)の規格として、クランク軸におけるクランクアームとの連結嵌合部の直径が比較的大きいISIS規格(International Spline Interface Standard)などの規格があり、このような規格に対応すべく、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bとの連結嵌合部の直径を比較的大きくして、クランクアーム7bからクランク軸7aにより大きな力が作用しても十分な耐久性(強度)を有するよう構成した場合でも、上記のように、クランク軸7aにおける、人力伝達体28が嵌合される箇所(スプライン(またはセレーション)7c)の外径D2を小さく抑えることができて、トルクセンサ31の大きさ(直径)も小さく抑えることができ、ひいてはハンガ2h内に、クランク軸7aおよびトルクセンサ31を支障なく配置することが可能となる。
また、上記構成によれば、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部および谷部の数が、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部および谷部の数の2倍とされており、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所の山部となる箇所は、そのままクランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部に対応するように形成されているので、クランク軸7aに作用する人力駆動力(踏力)を、多くの山部および谷部が形成されているスプライン(またはセレーション)7cを通して人力伝達体28に伝達することができるので、人力伝達体28の外周に磁歪発生部31bが形成されているトルクセンサ31によって良好な感度でトルクを検知することができる。つまり、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所であるスプライン(またはセレーション)7cの形状を、クランク軸7aにおけるクランクアーム7bが嵌合される箇所であるスプライン(またはセレーション)7dの形状と同じに形成した場合でも、クランク軸7aに人力伝達体28を嵌合されることは可能であるが、クランク軸7aにおける人力伝達体28が嵌合される箇所の山部および谷部の数がより多いと、良好な感度(精度)でトルクを検出できて、信頼性が向上する。
また、クランク軸7aにおける人力伝達体28の嵌合箇所とクランクアーム7bの嵌合箇所との互いの山部の数を異ならせたり、谷部の直径を異ならせたりすることで、クランクアーム7bの、クランク軸7aの軸心方向(この実施の形態では左右方向)に対する位置規制を行って組み付けることも可能である。