次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の車両用ランプとして構成されたヘッドランプを備える自動車の正面図であり、自動車CARの車体前部の左右にヘッドランプHL、すなわち右ヘッドランプR-HLと左ヘッドランプL-HLが装備されている。これら左右のヘッドランプR-HL,L-HLは複数のランプユニットを備える複合型ヘッドランプとして構成されており、右ヘッドランプR-HLと左ヘッドランプL-HLは左右対称の構成とされている。
図2は図1に示した左ヘッドランプL-HLを前方から見た一部を破断した概略斜視図である。この左ヘッドランプL-HLは、ランプボディ101と、このランプボディ101の前面側を覆うように装着される透光カバー102とでランプハウジング100が構成されている。このランプハウジング100は自動車CARの前側領域から車幅方向の外側(図2における右側)に向けて延長された回り込み部100aを備えている。また、透光カバー102は自動車CARの車体前部の曲面形状に倣うように前面が後傾された形状とされている。
前記ランプハウジング100内には、複数のランプユニットが配設されている。ここでは、前照灯としてのロービームランプユニットLoU及びハイビームランプユニットHiUと、補助照明灯としてのエッジランプユニットEgU及びロッドランプユニットRoUと、標識灯としてのサイドランプユニットSiUが配設されている。前記ロービームランプユニットLoU及びハイビームランプユニットHiUはリフレクタ型ランプユニットとして構成され、前記エッジランプユニットEgU及びロッドランプユニットRoUはライトガイド型ランプユニットとして構成され、前記サイドランプユニットSiUはレンズ型ランプユニットとして構成されている。
また、前記ランプハウジング100内には、前記各ランプユニットを除く領域に疑似リフレクタとしても機能するエクステンション103が配設されており、前記透光カバー102を透してランプハウジング100内の各ランプユニットを除く領域が露見されることを防止している。なお、以降において、特に断りがない場合には、前後方向は自動車CAR及び左ヘッドランプL-HLの前後方向であり、左右方向は図1,図2を基準としているので、自動車CARの車幅方向の外側は右側になる。
前記各ランプユニットの概略を説明する。図2において、前記ロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiUは、ロービームランプユニットLoUを右側、すなわち車幅方向の外側にして両者は左右水平方向に並んで一体に形成されている。ロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiUは第1光源及び第2光源と、これら第1光源と第2光源において発光した光を反射して自動車の前方に向けて所要の配光パターンで照射するリフレクタを備えている。
前記エッジランプユニットEgUは前記ロービームランプユニットLoUの車幅方向の外側に配設されている。このエッジランプユニットEgUは、第3光源と、板状の導光体(透光体)からなるエッジライトガイドとを備えており、第3光源の光をエッジライトガイドで導光し、当該エッジライトガイドの前端面、すなわちエッジから出射させて自動車の前方に向けて出射する構成である。
前記ロッドランプユニットRoUは前記ロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiUの上縁に沿って左右水平方向に延設されている。このロッドランプユニットRoUは、第4光源と、ロッド状の導光体(透光体)からなるロッドライトガイドを備えており、第4光源の光をロッドライトガイドで長さ方向に導光し、当該ロッドライトガイドの長さ方向にわたる周面から自動車の前方に向けて出射する構成である。
この実施形態では、前記したエッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUは、その点灯が制御されることによりクリアランスランプとして、あるいはデイタイムランニングランプとして機能される。すなわち、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUが同時に所定の明るさで点灯されたときには、両ランプユニットEgU,RoUが一体となってクリアランスランプとして機能する。また、これよりも高い明るさで点灯されたときにはデイタイムランニングランプとして機能する。
前記サイドランプユニットSiUは、第5光源と、この第5光源において発光した光を自動車の側方の所要の領域に向けて出射するレンズ部を備えている。このサイドランプユニットSiUは前記エッジランプユニットEgUの車幅方向の外側、特に前記ランプハウジング100の回り込み部100aに配設されている。
図3は前記各ランプユニットLoU,HiU,EgU,RoU,SiUの電気系統のブロック構成図である。各ランプユニットLoU,HiU,EgU,RoU,SiUはそれぞれランプECU(電子制御ユニット)5に接続されており、図には表れない車載バッテリーを電源として電力が供給される。図3においてL1~L5は前記した各ランプユニットLoU,HiU,EgU,RoU,SiUにおける第1ないし第5の各光源である。
前記ランプECU5は発光制御部51を備えており、この発光制御部51により各ランプユニットの各光源、すなわち前記した第1ないし第5の光源L1~L5の発光が制御され、各ランプユニットLoU,HiU,EgU,RoU,SiUの点灯が制御される。また、ランプECU5は発光調整部52を備えており、前記エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUの明るさ、すなわち第3光源L3と第4光源L4の発光光度を調整することが可能とされている。
また、前記ランプECU5には、ランプ点灯スイッチSW1、ビーム切替スイッチSW2、機能切替スイッチSW3、ターンスイッチSW4が接続され、運転者によって操作される。エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUはランプ点灯スイッチSW1がオンされることにより点灯される。また、機能切り替えスイッチSW3により明るさが切り替えられる。ロービームランプユニットとハイビームランプユニットはビーム切替スイッチSW2が切り替えられることにより点灯・消灯される。サイドランプユニットSiUは、ここではターンスイッチSW4がオンされることによりターンシグナルランプとして点滅されるようになっている。
次に、前記各ランプユニットLoU,HiU,EgU,RoU,SiUの詳細を説明する。
(ロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiU)
図4はロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiUの概略の分解斜視図である。前記ロービームランプユニットLoUは第1光源L1とリフレクタ11を備えており、前記ハイビームランプユニットHiUは第2光源L2とリフレクタ12を備えている。
前記第1光源L1と第2光源L2はそれぞれ白色光を発光する複数(ここでは、各3つ)の白色LED10で構成されている。これら6つの白色LED10は、前記両リフレクタ11,12の上部に水平方向に支持されたA基板1Aの下側の面に、発光面を下方に向けて左右方向に所要の間隔をおいて搭載されている。前記A基板1Aは各リフレクタ11,12の上面に載置されており、前記各白色LED10はロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiUの各リフレクタ11,12に対応して、各リフレクタ11,12の上部に設けられた切欠き窓111,121の窓内に配置されている。A基板1Aはコネクタ114を介して前記ランプECU5に電気接続されている。
前記リフレクタ11,12はここでは一体に形成されており、いずれも3つの反射面部112,122が左右方向に並んで配設されている。これらの反射面部111,1222はそれぞれパラボラ面(放物面)あるいはこれに近い形状の光反射面として構成されているが、ハイビームランプユニットとロービームランプユニットとでは一部の構成が相違している。各反射面部112,122は対応する白色LED10から出射された光を前方に向けて反射し、透光カバー102を透過させて自動車の前方領域に向けて照射する。各リフレクタ11,12は一部に設けられた固定片113,123を利用して前記ランプボディ101に固定される。
この構成により、ロービームランプユニットLoUは、ランプ点灯スイッチSW1がオンされ、ビーム切替スイッチSW2がロービームに設定されると第1光源L1が発光される。図5の概略断面図に示すように、第1光源L1、すなわち白色LED10で発光した光は、リフレクタ11の反射面部112で反射され、自動車の前方に向けて照射され、ロービーム配光での照明を行う。また、ビーム切替スイッチ212が切替操作されると、第2光源L2が発光され、図示は省略するが、リフレクタ12の反射面部122で反射した光を前記したロービーム配光に付加することによりハイビーム配光での照明を行う。
(エッジランプユニットEgU)
図6は前記エッジランプユニットの概略構成を示す分解斜視図であり、図7はランプハウジング100内に配設されたエッジランプユニットの横断面図である。なお、図7にはサイドランプユニットSiUが併せて図示されている。図6と図7に示すように、エッジランプユニットEgUは、第3光源L3とエッジライトガイド21とで構成されている。
エッジライトガイド21は透明な樹脂材によってほぼ板状をした導光プレート(導光板)で構成されており、後述するように前記ランプボディ101に支持されている。エッジライトガイド21は、両側の板面がほぼ左右方向に背反する鉛直面となるように左ヘッドランプL-HLの前後方向に沿って延長配置されている。以降においては、車幅方向の外側の板面を外側面と称し、反対の車幅方向内側の板面を内側面と称する。また、このエッジライトガイド21が延長されている方向を光軸方向と称する。
前記第3光源L3は、前記エッジライトガイド21の外側面に沿って隣接配置されたB基板1Bに搭載された白色LED20で構成されている。このB基板1Bはエッジライトガイド21の外側面に沿うようにして一体的に連結されている。ここでは、エッジライトガイド21の一部にスナップ211が一体に成形され、このスナップ210がB基板1Bに設けられた連結穴220に嵌合することにより連結されている。このB基板1Bは後述する遮光性を高めるために、エッジライトガイド21を配設する際の邪魔にならない範囲で可及的にエッジライトガイド21の外側面の広い領域を覆うように配設されることが好ましい。
前記第3光源L3としての白色LED20は、前記B基板1Bがエッジライトガイドの外側面に対面する側の面に搭載されている。ここでは3つの白色LED20が鉛直方向に所要の間隔をおいて、かつ前後方向に幾分ずれた位置に搭載されており、各白色LED20は発光された光をエッジライトガイド21の外側面に入射させる。また、前記B基板1Bはコネクタ222を介して前記ランプECU5に電気接続されている。
前記エッジライトガイド21は、前記外側面の一部、すなわち前記第3光源L3の光が入射される面領域が入射面部211として構成されている。また、この外側面と反対側の内側面の一部には、入射された光を内面反射する反射面部212が構成されている。さらに、前記エッジライトガイド21の前方に向けられた前端面は前記反射面部212において内面反射された光を出射する出射面部213として構成されている。この出射面部213は、前記透光カバー102の前面形状に沿って鉛直方向に後傾されるとともに、車幅方向外側に向けて水平方向に傾斜されている。
前記白色LED20で構成された第3光源L3に対面されているエッジライトガイド21の外側面のうち、後端部寄りの領域はそれよりも前側の領域に対して幾分厚肉に形成されており、この領域が前記した入射面部211として構成されている。この入射面部211には第3光源L3から出射された光が入射される。
図6に示したように、エッジライトガイド21の前記反射面部212は、当該入射面部211と反対側の内側面に形成されている。この反射面部212は第3光源L3として構成されている前記3つの白色LED20に対応して鉛直方向に並んだ3つの反射面部として構成されている。この実施形態では、3つの白色LED20は上から下に向けて順次前方位置にずれて配置されているので、これに対応して当該3つの反射面部212も上から下に向けて順次前方に向けて階段状に配置されている。なお、以降においては、反射面部212を、個々の反射面部の意味で、あるいは3つの反射面部を総称した意味で記載することがある。
これら3つの反射面部212の構成は同じであり、その一つを説明する。図8(a)は反射面部212におけるエッジライトガイド21の断面図である。入射面部212を構成するエッジライトガイド21の内側面は、基本的には対応する白色LED20の近傍位置を仮想焦点とし、この仮想焦点を通って前後方向に延びる仮想線を中心軸とする回転放物面の一部で構成されている。このような面形状の構成により、入射面部211から入射された白色LED20からの光は、反射面部212に投射された上で内面反射されて光軸方向に導光(ガイド)され、出射面部213として構成されている前端面にまで導光される。
ここで、反射面部212の内面に投射された光のうちエッジライトガイド21を構成している透光性樹脂の屈折率に基づいて定められる臨界角を満たすことができる領域に投射された光は内面において全反射され、出射面部213にまで導光される。一方、エッジライトガイド21の後端側領域の反射面部212に投射された光は、当該内面に対して小さな角度で入射されるため臨界角を満たすことができず、鎖線で示すように全反射されることなく反射面部212を透過してエッジライトガイド21の外部に洩出されてしまう。
そこで、この反射面部212では、臨界角を満たす領域は1回の反射を行う単反射面212mとして回転放物面の形状をそのまま残した形状に構成される。一方、臨界角を満たさない領域は、複反射面212pとして構成される。図8(b)は複反射面212pの外観斜視図であり、前記した仮想焦点を要点として扇状に延びる山線(稜線)y及び谷線tを有し、周方向の断面形状が三角屋根型をした形状に構成されている。この山線yは前記回転放物面に沿って延長されており、谷線tは山線yとは異なる係数値の放物線に基づく回転放物面に沿って延長されている。したがって、扇型に配列された複数の三角屋根型の各傾斜面(屋根面)rは回転放物面を周方向に交互に傾斜させた構成とされる。
この複反射面212pにおいては、三角屋根型の各傾斜面rは、入射面部211に対する周方向の面角度が増大されることになる。そのため、各傾斜面rに入射される光は周方向については入射角が増大されて臨界角を満たすようになり内面反射される(第1次内面反射)。この内面反射された光は隣あるいは離れた傾斜面rに入射されるが、この面においても臨界角を満たすため内面反射される(第2次内面反射)。さらに、各傾斜面rは光軸方向には放物線に沿って傾斜されているので、第1次及び第2次と順次に内面反射された光は、結果として概ね光軸方向に向けられることになる。
したがって、エッジライトガイド21において、入射面部211に入射された光の一部は単反射面212mにおいて1次の内面反射、すなわち1回の内面反射により出射面部213に向けて導光される。他の光は複反射面212pにおいて第1次及び第2次の内面反射、すなわち複数回の内面反射により出射面部213に向けて導光される。これにより、反射面部212においてエッジライトガイド21の外部に洩出される光を抑制することができ、反射面部212における光反射効率を高めることができる。
エッジライトガイド21においては、3つの反射面部212においてそれぞれが対応する白色LED20からの光が内面反射され、光軸方向に向けて導光され、出射面部213から出射される。図9(a)は出射面部213の概略斜視図であり、出射面部213を構成する前端面には光を発散状態に屈折する屈折ステップ215が形成されている。この実施形態では、屈折ステップ215として、多数の微小な球面ステップが配列形成されている。この屈折ステップ215を設けることにより、図9(b)に断面図を示すように、前記した3つの反射面部212でそれぞれ反射されて光軸方向に導光された光は、各屈折ステップ215により屈折されて発散状態で出射され、自動車の前方の広い所要領域に向けて照射される。
さらに、この実施形態のエッジライトガイド21は、図9(a)に示したように、出射面部231の一方の縁部に沿った領域、すなわちエッジライトガイド21の内側面の前端側の領域に、車幅方向内側に向けて突出された側方出射ステップ216が配設されている。この側方出射ステップ216は内側面から台形に突出された水平断面形状とされ、その上で光軸方向の前側に位置される下底辺の楔型部位216aが出射面部213よりも前方に突出されている。この側方出射ステップ216は、エッジライトガイド21の出射面部213に沿って鉛直方向のほぼ全長にわたって形成されている。
この構成により、図9(b)に併せて示すように、反射面部212で反射された光の大部分はエッジライトガイド21の光軸方向に向けられるが、一部の光は光軸方向に対して傾いた方向に向けられ、出射面部213から好適に出射されないことがある。この一部の光は側方出射ステップ216にまで導光されると、側方出射ステップ216の上底面、あるいは前後の各斜面の少なくとも一つにおいて反射され、出射面部213よりも前方突出されている楔型部位216aから出射される。この楔型部位216aでは、その内面での反射によりエッジライトガイド21の光軸方向に対して傾斜された車幅方向の外側に向けた方向、すなわち左ヘッドランプL-HLの左側方の領域に向けて照射される。
したがって、出射面部213における光学ステップ215による広い領域への光照射と、側方出射ステップ216による車幅方向外側への光照射が合成され、極めて広い領域への光照射が可能なエッジランプユニットEgUとして構成される。
前記したように、3つの反射面部212は階段状に配置されている。すなわち、図10(a)にエッジライトガイド21の概略縦断構造を示すように、3つの反射面部212は上から下に向けて順次前方に向けて位置がずれている。そのため、各反射面部212の間には光軸方向に沿って延びる境界面217が形成されることになり、各反射面部212において光軸方向に向けて内面反射されなかった光の一部はこの境界面に入射される。
仮に、この境界面217が平坦面であるとすると、当該一部の光は鎖線で示すように境界面217において正反射状態で内面反射される。図10(a)では上側の境界面217での反射の例を示している。この内面反射された光は光軸方向に対して所要の角度だけ上方向に向けて導光され、出射面部213から出射される。この光は各反射面部212で反射されて光軸方向に導光されてきた光に重畳されるため、重畳された領域では出射面部の明るさが高くなり、重畳されない領域では出射面部の明るさが相対的に低くなる。このような出射面部における明るさのむらが生じると、ランプとしての点灯時の見栄えが低下する。
本発明では、図10(b)に概略斜視図を示すように、前記境界面217に光を発散状態に反射する反射ステップ218が形成されている。この反射ステップ218として、この実施形態では、軸方向の断面形状が下方に向けて半円状に突出され、かつエッジライトガイド21の板厚方向に延びる半円柱状の光学ステップで構成されている。
この反射ステップ218を備えることにより、境界面217の内面に投射された光は反射ステップ218により光軸方向に対して比較的に広い角度範囲にわたって発散された状態で反射され、エッジライトガイド21内を導光される。図10(a)では下側の境界面217での反射の例を示している。そして、出射面部213にまで導光された光は各反射面部212から導光されてきた光と重畳される。これにより、これらの光は出射面部213の上下方向の所要領域にわたって均等化されることになり、出射面部213における明るさのむらが防止され、エッジランプユニットEgUの点灯時の見栄えが低下する。
また、境界面217に反射ステップ218が形成されることにより、境界面217において透過されてエッジライトガイド21から洩出される光を低減することができ、白色LED20(第3光源L3)から出射された光の利用効率を高めることができる。なお、この反射ステップ218は光を発散ないし拡散状態に反射するステップであればよい。例えば、ローレット構造をした光ステップであってもよい。
前記エッジライトガイド21は前記したようにランプボディ101に支持されており、この支持を行うために、エッジライトガイド21には後端面よりもさらに後方に延長された支持片部214を備えている。この支持片部214は、エッジライトガイド21の厚みを増大させている入射面部211の増大厚み寸法にほぼ相当する薄さの板片として延長形成されている。さらに、この支持片部214は光軸方向に対して内側面に向けて所要の角度、例えば120°程度の角度に屈曲されるとともに、その一部には板厚方向にネジ挿通穴214aが開口されている。
一方、エッジライトガイド21を支持するランプボディ101の一部は、この支持片部214が密接される固定部101aとして構成されている。図7に示すように、エッジライトガイド21を支持する際には、固定ネジSをネジ挿通穴214aに内挿し、ネジ回し等の工具Tを用いてランプボディ101の固定部101aに螺合させ、締結する。
このとき、支持片部214は光軸方向に対して傾斜されているので、B基板1Bの切欠部を通してネジ回しTを差し入れることができ、固定ネジSの締結作業を容易に行うことができる。また、固定部101aに支持片部214の屈曲角度と同じ角度の角部を設けておくことにより、支持片部214を固定部101aに密着させることができ、エッジライトガイド21を安定した姿勢で固定することができる。
他方、支持片部214は他の部位よりも薄く形成されているので、入射面部211に入射された光が支持片部214に向けて導光されることが抑制され、入射された光の殆どは反射面部212に向けて導光される。仮に、一部の光が支持片部214に向けて導光されても、支持片部214は屈曲されているので、この屈曲部において前方に向けて反射されて出射面部213に向けられる。これにより、エッジランプユニットEgUにおける第3光源L3の光利用効率を高めることができる。
(ロッドランプユニットRoU)
図11(a)は前記ロッドランプユニットRoUの概略構成を示す斜視図であり、(b)はそのb-b線断面図である。ロッドランプユニットRoUは、第4光源L4とロッドライトガイド31で構成されている。ロッドライトガイド31は透明な樹脂材によって円柱状をした導光ロッドとして構成されており、前記ロービームランプユニットLoU及びハイビームランプユニットHiUの上縁に沿って湾曲された状態で左右方向に延長配置されている。ここでは、前記エクステンション103の前面に前方に向けて開口した凹溝103aが左右方向に延長形成されており、ロッドライトガイド31の大部分はこの凹溝103aに収容支持されている。
図12(a)は前記ロッドライトガイド31の長さ方向の一方の端部の概略斜視図であり、前記エクステンション103に設けられた穴103bを通して裏面側にまで延長されている。この一方の端部にはホルダ321によりC基板1Cが支持されており、このC基板1Cに前記第4光源L4が支持されている。このホルダ321は一部に設けられた挟持片322によりロッドライトガイド31を挟持する。また、ネジ挿通穴323を利用して図外のネジ等により前記ランプボディ101に固定され、したがってロッドライトガイド31もランプボディ101に支持される。
前記C基板1Cは前記ロッドライトガイド31の一方の端部の端面に対向するように前記ホルダ321に支持されており、この対向する面に第4光源L4として白色LED30が搭載されている。また、C基板1Cはコネクタ324により前記ランプECU5に電気接続されている。この白色LED30は発光されたときに出射される光を前記ロッドライトガイド31の一方の端面に入射させる。
前記ロッドライトガイド31の一方の端面は、前記第4光源L4としての白色LED30の光が入射される入射面部311として構成されている。また、ロッドライトガイド31の後側に向けられている周面領域、すなわち前記凹溝103aの内底面に沿ってロッドライトガイドの長手方向に延びる領域は、ロッドライトガイド31に入射された光を内面反射する反射面部312として構成されている。一方、これに対向するロッドライトガイド31の前側の周面領域、すなわち前記凹溝103aの開口から露呈される周面領域は、当該反射面部312で反射された光を出射する出射面部313として構成されている。
ロッドランプユニットRoUでは、第4光源L4、すなわち白色LED30が発光されることにより、白色LED30から出射された光はロッドライトガイド31の入射面部311から入射される。入射された光はロッドライトガイド31の内部において内面反射を繰り返しながら長さ方向に導光される。そして、導光されながら順次反射面部312において前方に向けて内面反射される。
前記反射面部312は、図12(b)に一部の模式的断面を示すように、ロッドライトガイド31の長さ方向に沿って所要の間隔で形成された複数の反射素子で形成されている。すなわち、ロッドライトガイド31の後側の周面から前方に向けて複数のV溝314が所要間隔で形成されており、これにより長さ方向に隣接するV溝314の間に台形の反射ステップ315が構成されている。なお、この実施形態ではロットライトガイド31の後側の周面領域が接線方向に延びる平坦面状に形成され、この平坦面部に前記V溝314を形成することにより当該反射ステップ315が形成されている。
入射面部311からロッドライトガイド31に入射され、反射面部312の内面に投射された光は、台形をした反射ステップ315の上底面や、これを挟む両斜面において反射される。反射された光の大部分はロッドライトガイド31の前側の周面領域、すなわち出射面部313に入射され、ここから前方に向けて出射される。また、反射面部312で反射された光の一部はロッドライトガイド31の上側又は下側の周面領域に向けられ、これらの領域において内面反射され、出射面部313から出射される。
なお、図11(b)に示すように、一部の光はロッドライトガイド31から外部に洩出されることがあるが、これらの光はエクステンション103の凹溝103aの内面において反射されて再度ロッドライトガイドに入射され、結果として出射面部313から出射される。あるいは、凹溝103aの内面で反射され、そのまま前方に向けて出射される。したがって、ロッドライトガイド31を導光される光の大部分は前方に向けて出射されることになり、第4光源L4の光の利用効率が高められる。
ここで、前記V溝314の角度を適切に設定することにより、台形の反射ステップ315の上底面と両斜面において反射される際の光の入射角が可及的に大きな角度、特に臨界角よりも大きな角度となるように構成することができる。これにより、反射面部312においてロッドライトガイド31から外部に洩れ出る光を低減することができ、反射面部312での光の反射効率が高められ、かつ出射面部313から出射される光の利用効率が高められる。さらに、ロッドライトガイド31を長さ方向に導光される光の導光効率が高められ、ロッドライトガイド31の長さ方向の広い領域にわたって均一な光出射が可能となる。
このロッドランプユニットRoUと、先に説明したエッジランプユニットEgUにおいては、基本的な点灯形態として、ランプ点灯スイッチSW1がオンされると第3光源L3と第4光源L4が同時に発光制御される。エッジライトガイド21とロッドライトガイド31の両出射面部213,313を連結した逆L字型の領域を発光面とする一つの同じ機能を有するランプ、すなわち補助照明用ランプとして点灯されることになる。
このとき、機能切替スイッチSW3がクリアランスランプに切り替えられていると、図13(a)に模式図を示すように、エッジライトガイド21とロッドライトガイド31の各出射面部からそれぞれ所要の明るさの白色光が出射され、各ランプユニットRoU,EgUが点灯状態とされる。図13では便宜的に塗り潰しの濃さが明るさを示している。したがって、ヘッドランプHL(L-HL)を前面側から視認したときには、エッジライトガイド21とロッドライトガイド31の両出射面部213,313を連結した逆L字型の領域を発光面とするクリアランスランプとして機能する点灯状態になる。
すなわち、エッジランプユニットEgUの相対的に幅寸法が大きな上下に延びる発光面と、ロッドランプユニットRoUの相対的に幅寸法が小さな左右に延びる発光面が組み合わされるため、エッジランプユニットのみ、あるいはロッドランプユニットのみが複合されたランプに比較して発光面の形状が複雑化された意匠的な効果の高いランプが構成されることになる。
また、機能切替スイッチSW3を操作してデイタイムランニングランプに切り替えると、第3光源L3と第4光源L4の光度がより高い光度に制御される。これにより、エッジランプユニット21とロッドランプユニット31はクリアランスランプ時よりもより明るい状態で点灯され、デイタイムランニングランプとして機能する点灯状態になる。
この点灯形態においては、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoLの各発光面の明るさは等しいことが好ましい。この場合には例えば、エッジライトガイド21とロッドライトガイド31の各出射面部213,313の単位面積当たりの出射光量が等しくなるように設計が行われる。説明した実施形態では、エッジランプユニットEgUの第3光源L3は3つの白色LED20で構成され、ロッドランプユニットRoUの第4光源L4は1つの白色LED30で構成されている。各白色LED20,30のそれぞれの発光光量が同じであるとした場合には、エッジライトガイド21の出射面部213の面積が、ロッドライトガイド31の出射面部313の面積の3倍となるように設計する。
また、図3に示したように、ランプECU5は第3光源L3と第4光源L4の発光光度を調整するための光度調整部52を備えているので、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUを発光させた状態で、両ランプユニットEgU,RoUの各発光面の明るさを確認しながら、光度調整部52により各光源L3,L4に供給する電流を調整してそれぞれの発光光度を調整するようにしてもよい。
例えば、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoLの点灯形態として、図13(b)に示すように、機能切替スイッチSW3によりクリアランスランプとして点灯したときには、第3光源L3は所定の光度で発光し、第4光源L4は所定の光度よりも低い光度で発光するようにしてもよい。この場合には、エッジランプユニットEgUが明るく点灯され、ロッドランプユニットRoUはそれよりも低い明るさで点灯される。なお、デイタイムランニングランプとして点灯するときには、第3光源L3と第4光源L4を同じ光度で発光してエッジランプユニットEgUとロッドランプユニッRoUの両方を同じ明るさで点灯するようにしてもよい。
また、これとは反対に、図13(c)に示すように、クリアランスランプの点灯時に第4光源L4を所定の光度で発光し、第3光源L3の光度を低下させる。これにより、ロッドランプユニットRoUの点灯時の明るさはエッジランプユニットEgUの明るさよりも明るくなる。デイタイムランニングランプの点灯時には、第3光源L3と第4光源L4を同じ光度で発光してエッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUの両方を点灯することは同じである。
あるいは、状況に応じて、クリアランスランプの点灯時にはエッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUの一方、例えばロッドランプユニットRoUのみを点灯し、デイタイムランニングランプの点灯時には他方、例えばエッジランプユニットEgUのみを点灯するようにしてもよい。あるいは、これとは逆の形態で点灯する形態としてもよい。
このようにエッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUを選択的に点灯する形態の場合には、光度調整部52において、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUを同じ光度に調整してもよいが、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUの光度を所定の光度よりも高い光度に調整してもよい。すなわち、各ランプユニットが単独でもクリアランスランプあるいはデイタイムランニングランプに要求される明るさを満たす明るさとなるように調整する。
なお、ロッドライトガイド31は、入射面部311から反対側の端部、ここでは車幅方向の内側の端部に向けて光が導光される際に徐々に減衰され、長さ方向の明るさのむらが生じることが考えられる。その対策として、例えば、入射面部から反対側端部に向けて徐々に反射ステップ315のサイズを大きくすることが考えられる。すなわち、V溝314の長さ方向の間隔寸法を徐々に大きくすることにより、ロッドライトガイド31の反対側の端部に向かうに従って反射効率を高め、減衰分を相殺させることができる。
あるいは、ロッドライトガイド31の反対側端部の端面も入射面部として構成し、この反対側の入射面部に対向して別の第4光源を配設し、ロッドライトガイドの両端からそれぞれ光を入射させるようにする。ロッドライトガイドの両端から入射された光は互いに重畳されて反射され、かつ出射されるため、長さ方向に明るさを均一化することが可能になる。
また、ロッドランプユニットRoUをランプハウジング100内に配設する際に、ロッドライトガイド31の入射面部311が前記B基板1Bに近接配設される場合には、当該入射面部311をB基板1Bに対面するように配置し、第4光源L4としての白色LED30をB基板1Bの一部に搭載してもよい。このようにすれば、前記したC基板1Cを省略することができる。あるいは、当該入射面部311をA基板1Aに対面するように配置し、第4光源L4としての白色LED30をA基板1Aの一部に搭載してもよい。
ここで、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUの配置は適宜に変更可能である。実施形態では、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRpUは、ロービームランプユニットLoUとハイビームランプユニットHiUの周囲の側方領域と上方領域にわたって配設されているが、これらの領域に限られるものではない。また、両ランプユニットEgU,RoUの発光面、すなわち各ライトガイド21,31を周方向に連結した形態に配設するようにしてもよい。
さらに、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUの少なくとも一方の形態が適宜に変更されてもよい。例えば、ランプユニットの少なくとも一方は複数のランプユニットで構成されてもよい。また、各ランプユニットにおけるライトガイドの数についても同様である。例えば、ロッドランプユニットRoUにおいては、複数本のロッドライトガイド31を並列にあるいは直列に配置したランプユニットとして構成されてもよい。
このように、複合ヘッドランプHL内に、エッジランプユニットEgUとロッドランプユニットRoUを配設し、これらのランプユニットEgU,RoUを同一機能のランプとして、あるいは異なる機能のランプとして点灯させることにより、エッジランプユニットのみが複合された場合、あるいはロッドランプユニットのみが複合された場合に比較して点灯時における意匠的な効果が高められる。
(サイドランプユニットSiU)
図14はサイドランプユニットSiUの分解斜視図である。また、図7には当該サイドランプユニットSiUの横断面構成が示されている。サイドランプユニットSiUは、サイドマーカーランプユニットとして、あるいはターンシグナルランプユニットとして構成されるが、ここではターンシグナルランプユニットとして構成されている。このターンシグナルランプユニットは第5光源L5とレンズ部41を備えている。
前記第5光源L5は、前記エッジランプユニットEgUの第3光源L3を搭載している前記B基板1Bの車幅方向の外側の面、すなわち前記第3光源L3を搭載している面と反対側の面に搭載された白色光又はアンバー色光を発光するLED40で構成されている。ここでは白色LED40として構成されており、前記第3光源L3とは独立して発光が制御され、発光されたときに白色光を車幅方向外側に向けて出射する。
また、この第5光源L5としての白色LED40が前記B基板1Bに搭載されている位置は前記第3光源L3の白色LED20搭載位置とは異なる位置に設定されている。すなわち、白色LED40と20が互いに背中合せにならないように搭載されている。この場合、好ましくは両白色LED40,20が互いに離れた位置、さらに好ましくはエッジライトガイド21の入射面部211や反射面部212からなるべく離れた位置において搭載されることが好ましい。これにより、白色LED40と20が同時に発光したときにB基板1Bの一部、つまり両白色LED40と20が搭載された部位において発熱が集中することが抑制され、光源の信頼性が向上される。また、第5光源L5、すなわち白色LED40が発光したときの熱によるエッジライトガイド21への影響が抑制できる。
前記レンズ部41はアンバー色の透光樹脂で形成されて前方に向けて凸状の湾曲面形状をした透光部411を有しており、この透光部411の周縁には黒色等の非透光樹脂が一体成形された枠部412が形成されている。これら透光部411と枠部412は、例えば二色成形により形成される。このレンズ部41は前記透光カバー102の内面に沿って自動車の前方から車幅方向の外側領域にまで延在された状態に配設され、図には表れないが前記枠部411において前記ランプボディ101に支持されている。また、この配設により、非透光性の枠部412によりB基板1Bが透光カバー102を透して外部に露見することが防止される。さらに、前記枠部412には、前記透光部411の周縁に沿った部位に内方に向けて突出された庇状のシェード部414が形成されている。
前記レンズ部41は少なくとも透光部411が前記第5光源L5としての白色LED40に対向配置されており、白色LED40が発光したときに出射される光は透光部411を透過されて自動車の前方ないし左方向に向けて出射される。透光部411の内面には所要の光学ステップ413が形成されており、透光部411を透過する白色光を光学ステップ413で屈折し、同時に白色光をアンバー色光として前記した所要の領域に向けて出射する。図3に示したターンスイッチSW4が操作されたときに白色LED40が点滅される。これにより、透光部411からはアンバー色光が自動車の前方ないし左側方に向けて点滅状態に出射され、ターンシグナルランプとして機能される。
このとき、B基板1Bは、隣接するエッジランプユニットEgUの側面に沿って延設されているので、第5光源L5、すなわち白色LED40の光はこのB基板1Bにより遮光され、エッジライトガイド21に洩れ込むことが防止される。また、枠部412に形成されているシェード部414により、透光部411において反射された白色LED40の光、あるいは透光部411を透過した外部の光がそれぞれ遮光されてエッジライトガイド21に洩れ込むことが防止される。これにより、エッジランプユニットEgUが疑似点灯する等の不具合を未然に防止する。
以上のように、第5光源L5としての白色LED40は第3光源L3が搭載されているB基板1Bに搭載されており、B基板1Bは第3光源L3と第5光源L5とに共用されている。これにより、少なくとも第5光源L5では独立した基板が不要となり、サイドランプユニットSiU、さらにはヘッドランプHL全体の部品点数の削減、及び小型化が可能になる。
すなわち、エッジランプユニットEgUはライトガイド21を備えるライトガイド型ランプユニットで構成されており、このライトガイド型ランプユニットはライトガイド21の形状を適宜に設計することによって光源を配設する際の設計の自由度が高い。したがって、このエッジランプユニットEgUに隣接配置されたサイドランプユニットSiUがレンズ型ランプユニットで構成されていても、光源の配置をサイドランプユニットSiUに対応させることが容易になる。これにより、エッジランプユニットEgUの第3光源L3と、サイドランプユニットSiUの第5光源L5を搭載するB基板1Bの共通化が実現できる。
さらに、B基板1Bに第3光源L3を発光させるための発光回路が形成される場合には、この発光回路を利用して第5光源L5を発光させることができる。この場合、第3光源L3の発光回路の一部で第5光源L5の発光回路を構成してもよい。さらに、B基板には第3光源をランプECU5に接続するためのコネクタ222が接続されているが、このコネクタ222を利用して第5光源L5をランプECU5に接続することができ、独立したコネクタが不要になる。
また、ヘッドランプHLの組み立てに際し、ランプハウジング100内にエッジランプユニットEgUを組み付ければ、これと同時にサイドランプユニットSiUの第5光源L5の組み付けが行われる。したがって、レンズ部41をランプボディ101に組み付けるだけでサイドランプユニットSiUの組み付けが完了されることになり、ヘッドランプHLの組み立て作業の簡略化と迅速化も可能になる。
前記B基板1Bはエッジライトガイド21の外側面に沿ってほぼ平行に支持されている。また、エッジライトガイド21は光軸がヘッドランプHLの前後方向に向けられている。したがって、B基板1Bに搭載される第3光源L3と第5光源L5の各白色LED20,40をチップ型LEDで構成したときには、これらチップ型LEDをB基板1Bの各面にフリップチップ搭載すれば、各チップ型LEDの発光面は車幅方向の内側、あるいは外側に向けられる。これにより、第5光源L5の光は車幅方向の側方に向けて出射されることになり、レンズ部41を透して照射するターンシグナルランプとしての配光を満たすために要求されるレンズステップ413の設計が容易になる。
B基板1Bはエッジライトガイド21に一体的に支持されているので、第3光源L3及び第5光源L4の各白色LED20,40が発光したときに発生した熱をそれぞれB基板1Bに伝熱し、さらにエッジライトガイド21を支持しているランプボディ101にまで伝熱してここから放熱させることができ、これら白色LED20,40の発光効率や信頼性を高めることができる。
サイドランプユニットSiUはヘッドランプHLの回り込み部に配設されており、レンズ部41はエッジライトガイド21の出射面部213よりも前方位置には存在していない。すなわち、車幅方向の外側に向けて傾斜されている出射面部213の少なくとも前方領域、側方領域には存在していない。したがって、エッジライトガイド21の出射面部213から前方ないし側方領域に向けて出射される光がサイドランプユニットSiU、特にレンズ部41によって遮光されることはない。また、エッジライトガイド21の側方出射ステップ216から側方領域に向けて出射される光が遮光されることがなく、エッジランプユニットEgUの配光を阻害することはない。
このサイドランプユニットSiUはリフレクタ型ランプユニットで構成されてもよい。この場合には、B基板1Bの近傍にリフレクタを配設し、第5光源L5から出射された光を反射して所要の配光で照射するように構成すればよい。また、第5光源L5は所定の色光を発光するLEDで構成すればよい。このようにリフレクタ型ランプユニットで構成されても、第5光源L5を搭載する基板を、エッジランプユニットEgUの第3光源L3を搭載しているB基板1Bで共用することができる。
本発明は以上説明した実施形態の構成に限られるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、ロービームランプユニットとハイビームランプユニットにおいて、第1光源及び第2光源としての白色LEDの個数やリフレクタの構成は適宜に変更することができる。また、これらのランプユニットは、レンズ型ランプユニット、特にプロジェクタ型のランプユニットとして構成されてもよい。
エッジランプユニットにおいて、エッジランプガイドの構成、特に、第3光源としての白色LEDの数と、これに対応してエッジライトガイドに設けられる反射面部の数は適宜に増減できる。また、隣接する反射面部の境界面に形成される補助反射ステップは、ローレットに限られるものではなく、光を適宜に発散ないし拡散状態に反射することが可能な光学ステップであればよい。
ロッドランプユニットにおいて、ロッドライトガイドの断面形状や前面から見たときの形状は適宜に変更でき、また反射面部の構成はこれらロッドライトガイドの形状やサイズの違いに応じて異なる構成としてもよい。例えば、反射面部には光反射膜を形成するようにしてもよい。
前記実施形態において、エッジランプユニットとロッドランプユニットをクリアランスランプ及びデイタイムランニングランプとして構成しているが、これ以外の補助照明用ランプあるいは標識用ランプとして構成してもよい。また、サイドランプユニットをターンシグナルランプとして構成しているが、前記したようにサイドマーカーランプ、あるいはこれ以外の標識用ランプあるいは補助照明用ランプとして構成してもよい。