JP7336275B2 - 藻類培養タンクシステム及び藻類培養方法 - Google Patents

藻類培養タンクシステム及び藻類培養方法 Download PDF

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Description

本発明は、藻類培養タンクシステム及び藻類培養方法に関するものである。
従来から藻類を培養する技術としては、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に記載された技術は、槽内に海水と海苔原藻を導入し、海水と海苔原藻の混合物を撹拌しながら、槽内の海水の温度を海苔原藻が活性を維持できる温度に調節可能な冷気を海水中に供給して散気を行うことを特徴としている。また海水と海苔原藻を撹拌する撹拌装置としては、モータで駆動される回転軸に撹拌軸が鉛直方向に取り付けてあり、当該撹拌軸には、長手方向に等間隔で三箇所に所要長さの撹拌羽根が設けたものが開示されている。各撹拌羽根は、先部側が水平方向よりやや下がるように傾斜させてあり、回転方向においては海水をすくい上げる方向へ傾斜させてあり、いわゆる撹拌プロペラ構造である。
特開2007-129972号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、撹拌手段の羽根を回転させることで貯留槽内の海水を撹拌しているため、藻類をせん断したりして、藻類を損傷してしまうおそれがある。藻類によっては、せん断が激しいと死滅するおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、水槽タンク内で藻類を培養するにあたり、水槽タンク内の水を撹拌しつつ、タンク内の藻類に対するせん断等の損傷を抑えて、好適に藻類を培養することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明は、内部が円筒形のタンク内で藻類を培養する藻類培養タンクシステムであって、前記タンク内の上方の吸込口から前記タンク内の水を吸い込んで、前記タンク内の下方の供給口から水を前記タンク内に供給するように接続された循環配管と、前記循環配管に設けられたポンプと、前記吸込口-供給口-タンクを循環する水に空気を供給する空気供給手段と、前記タンク内に設けられ、前記タンク内に発生する水流に抗って乱流を発生させる抵抗体と、を有し、前記タンク内の接線方向に沿って前記供給口から前記タンク内に水が供給されるように、前記ポンプは容積式ポンプであることを特徴としている。
本発明によれば、前記タンク内の接線方向に沿って前記タンク内の下方の供給口から前記タンク内に水が供給され、前記タンク内の上方の吸込口から前記タンク内の水を吸い込むようにしたので、タンク内では徐々に上方に移動していく旋回流が発生する。一方でタンク内にはタンク内に発生する水流に抗って乱流を発生させる抵抗体が設けられているから、前記旋回流と共に乱流が発生し、タンク内の水は培養対象となる藻類と共に撹拌してタンク内に分散する。また、吸込口-供給口-タンクを循環する水に空気を供給する空気供給手段によって供給された空気(酸素)も、同様にタンク内で撹拌されて分散する。したがって、タンク内の藻類に対しては、連続して空気(酸素)が供給されるから、藻類を培養することが可能である。そして本発明では、従来のようなタンク内で回転する拡散プロペラなどを用いていないので、藻類を損傷することはない。それゆえ、藻類を好適に培養することが可能である。また容積式ポンプを採用しているので、ポンプを通過する際に、藻類がせん断されたり、破砕されることはない。
前記空気供給手段は、前記タンク内の下方から前記タンク内に直接空気を供給する空気供給機構であってもよい。いわゆる従来公知のエアレーション機構やパブリング機構をそのまま採用することができる。
また前記空気供給手段は、前記循環配管中に空気を供給する空気供給機構を用いてもよい。循環配管中に空気を混入するようにすれば、前記したエアレーション機構やバブリング機構よりも少ないエネルギーで、藻類に必要な空気を水に混合させることができる。
さらにまた前記空気供給手段は、前記循環配管に設けられたエジェクタであってもよい。このようにエジェクタを採用した場合でも、前記したエアレーション機構やバブリング機構よりも少ないエネルギーで、藻類に必要な空気を水に混合させることができる。本発明に採用できるエジェクタとしては、例えば駆動流体を水とする水エジェクタが例示できる。すなわち、吐出方向にディフューザを有するボディ内にノズルを有し、当該ノズルに向けてポンプからの水を駆動流体として圧送することで、ボディに設けた空気吸い込み口から空気を取り入れて、これを水と混合してディフューザから循環配管内に供給する構成を有するエジェクタが採用できる。
前記抵抗体としては、前記タンクの内壁に設けられて前記タンクの内側に突出する邪魔板を例示できる。もちろん邪魔板に限らず、タンク内に突出して、タンク内に発生する水流に抗って乱流を発生させるものであれば、突起や突片などでもよい。またこれらはタンク内に溶接などによって固定してもよいが、タンクを内側に変形させて形成してもよい。また抵抗体の数、配置については、タンク内で培養する藻類の性質などに応じて、適宜採択できる。
前記邪魔板は、前記吸込口に近い位置の邪魔板ほど、邪魔板の高さが高いように設定してもよい。また前記邪魔板は、前記タンク内で均等に配置されていないように設定してもよい。
前記抵抗体は、前記タンクの高さ方向における前記供給口と前記吸込口との間に設けられていてもよい。このように配置することで、供給口から供給される水によって効率よく旋回流を発生させることができる。
前記循環配管を流れる水と、外部の熱媒との間で熱交換を行なう熱交換器を有するように構成してもよい。タンク内で藻類を培養する場合、最適な温度が存在する。また培養の進捗によってタンク内の水の温度が変動することがある。したがって、熱交換機によってタンクに供給される水の温度を、常に適切な温度とすることで、好適な培養を実現できる。
別な観点によれば、本発明は、タンク内で藻類を培養する藻類培養方法であって、前記タンク内の上方の吸込口から前記タンク内の水を容積式ポンプで吸い込んで、前記タンク内の下方の供給口から水を前記タンク内に戻すようにし、前記吸込口-供給口-タンクを循環する水には空気を混入させ、前記供給口から水を戻す際には、前記タンク内に旋回流を発生させるように供給方向を設定すると共に、前記タンク内に配置した抵抗体によって前記旋回流に抗って乱流を発生させるようにし、前記タンク内の藻類の状態によって、前記タンクから吸い込んで前記タンク内に戻す水の流量を変化させることを特徴としている。
これによって、タンク内における藻類の偏在を防止して、藻類の培養を効果的に実現することが可能である。
さらにまた前記タンク内の藻類の状態によって、前記供給口から前記タンク内に供給する水の高さ方向の供給角度を変化させるようにしてもよい。かかる方法によっても、タンク内における藻類の偏在を防止して、藻類の培養を効果的に実現することが可能である。また前記した水の流量の変化と併用すれば、より効果的である。
本発明によれば、水槽内で藻類を培養するにあたり、水槽内の水を撹拌しつつ、水槽内の藻類に対する損傷を抑えて、好適に藻類を培養することができる。
第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した正面説明図である。 図1の藻類培養タンクシステムの平面説明図である。 第2の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した正面説明図である。 第3の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した正面説明図である。 第4の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した正面説明図である。 第5の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した正面説明図である。 第6の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した平面説明図である。 第7の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステムの構成を模式的に示した正面説明図である。
以下、本実施形態にかかる藻類培養タンクシステムについて、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
図1は、第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1の構成の概略を示しており、内部が円筒形のタンク2は、藻類を培養する水を貯留するものである。このタンク2の下方には供給口3が設けられ、タンク2の上方、より詳述すれば、貯留する水の水面よりも低い位置には、吸込口4が設けられている。
供給口3と吸込口4との間には、タンク2の外側にて循環配管5が接続されている。循環配管5は、供給口3に接続される供給管5aと吸込口4に接続される吸込管5bとを有している。循環配管5には、ポンプ6が設けられている。本実施の形態では、ポンプ6は供給管5aに設けられている。このような構成により、タンク2内の水は、吸込口4-循環配管5-供給口3-タンク2を循環する。
この藻類培養タンクシステム1は、培養する藻類をタンク2内で培養するが、吸込口4自体には藻類を捕集するためのフィルタ等を特に設けていない。したがってタンク2内の藻類は、循環する水と共に、吸込口4-循環配管5-供給口3-タンク2を循環することになる。そのため、ポンプ6を通過する際に、藻類がせん断されたり、破砕されないように、本実施の形態では、一定空間容積内にある水を往復運動または回転運動によって容積を変化させてエネルギーを付与する、容積式ポンプが採用されている。
タンク2の底部には、空気供給手段としての空気供給ポンプ7からの空気が供給される空気導入口8が設けられている。またタンク2の上部には、タンク2内の空気を放出する放出口9が設けられている。
図2に示したように、タンク2の供給口3に接続される供給管5aは、タンク2内の接線方向に接続されている。これによって供給口3からタンク2内に供給される水は、タンク2内で旋回流を発生させる。本実施の形態では、さらに吸込口4に接続される吸込管5bも、タンク2内の接線方向に接続されている。これによってさらに効果的にタンク2内で旋回流を発生させることが可能になっている。
また図1、図2に示したように、本実施の形態では、前記した旋回流に抗って乱流を発生させるための抵抗体として、邪魔板11~14がタンク2の内壁縦方向に設けられている。邪魔板11~14は、タンク2の中心方向に向かって突出した形状を有し、平面視で中心角90度おきに設けられている。また各邪魔板11~14の上端部は、吸込口4よりも下方に位置するように設定されている。
第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、以上の構成を有しており、培養対象である藻類は、タンク2内の水に混入されている。そしてポンプ6を作動させると、タンク2内の水は藻類と共に吸込口4から吸い込まれ、循環配管5を通って、タンク2の供給口3からタンク2内に戻される。このとき、供給口3に接続されている供給管5aは、図2に示したように、タンク2内の接線方向に沿っているから、タンク2内では旋回流が発生し、当該旋回流は徐々に上昇していく。
しかしながらタンク2内には、旋回流に抗って乱流を発生させるための抵抗体である邪魔板11~14が設けられているので、当該旋回流と共に、乱流が発生する。そのためタンク2内の水及び藻類は、撹拌されてタンク2内に分散する。そしてタンク2の底部には、空気供給ポンプ7からの空気が供給されているから、当該空気は、気泡となって旋回流、乱流に混入され、藻類と同様に撹拌されてタンク2内に分散する。したがって、タンク2内の藻類に対しては、効果的に空気(酸素)を連続して供給することができ、藻類を好適に培養することが可能である。
また実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1では、従来のような撹拌プロペラによって撹拌していないので、タンク2内で撹拌される際に藻類がせん断されたり、損傷を受けることはない。さらにポンプ6については、容積式ポンプを使用しているので、この点でも藻類が破砕されたり、損傷を受けることはない。
またさらに、従来のように撹拌プロペラをタンク内で回転させることで撹拌する場合と比べると、ポンプ6のエネルギーは少なくて済む。そしてタンク2内には邪魔板11~14を設けているだけであり、格別複雑な構造ではない。したがって日常的なタンク内の清掃やメンテナンスが容易である。しかも循環配管5やポンプ6は、一般的なものを利用できるから、例えば経年劣化した場合でも、これらの交換は可能である。したがって実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、ライフサイクルコストを従来よりも低廉に抑えることが可能である。
なお前記実施の形態では、邪魔板11~14は全て同形同大、同一高さであったが、たとえば邪魔板11から邪魔板12、13、14に行くにつれてこの順で各邪魔板の高さを高くするように構成してもよい。これによって、水流に対する抵抗が次第に増加していくので、乱流になりすぎることを抑えることが可能である。また吸込口4に近い邪魔板12を大きくすることにより、吸込口4から吸い込まれる藻の量を減らすことができる。かかる観点から、邪魔板12を吸込口4に近づけるように設けることで、同様に吸込口4から吸い込まれる藻の量を減らすことができる。
ところで、藻類を培養するタンクの機能面に着目すると、酸素移動容量係数(kLa)、すなわちタンク内への生物への酸素供給を目的とした撹拌性という面では、ポンプ6の循環流量を調整して、撹拌プロペラと同等の旋回流速を発揮すれば、容易に同等性の撹拌性を実現できる。かかる場合、例えばインバータを用いてポンプ6の回転数を制御すれば、水の循環に必要な動力を大幅に低減することができる。したがって撹拌プロペラによってタンク2内のすべての水を撹拌するよりも、実施の形態のようにタンク2内の水の一部を循環させた方が必要動力を大幅に削減できることは明らかである。
ところで、タンク内で藻類を培養する場合、藻類の培養に最適な温度が存在する。また一般的に培養の進捗によってタンク内の水の温度が上昇することがある。そのため従来からタンク内の水の温度を一定に維持するように工夫されてきた。従来一般の微生物培養では、タンクを二重構造にしてその二重壁の隙間に温水や冷水を流して加熱、冷却する方法が多く採用されている。しかしながらそのような方法では、タンクの構造が複雑になる。
次に説明する第2の実施の形態には、かかる問題を解決するものである。図3は第2の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1の構成の概略を示している。この第2の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、図1に示した第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1に対して、循環配管5に、当該循環配管5を流れる水と、外部から供給される熱媒との間で熱交換を行なう熱交換器21を設けたものである。すなわち、熱交換器21は、配管22を通じて外部から供給される熱媒(例えば冷水、温水)と、循環配管5を流れる水との間で熱交換を行なうものである。
既述したように、循環配管5を流れる水には、タンク2内の藻類も混入されているから、熱交換器21を通過する際に、藻類を損傷させない構造、すなわち内部の流路が複雑ではない熱交換器が好ましい。たとえば、スパイラル式熱交換器やシェルアンドチューブ型熱交換器が適している。さらに第2の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1では、タンク2の外側に断熱材23が施されている。断熱材には、市販の一般的なものを使用できる。
以上の構成を有する第2の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1によれば、熱交換器21による熱交換によって、タンク2内の水を所定温度に維持することが容易であり、さらに断熱材23でタンク2の外表面を覆っているから、外部との間の熱伝導も抑えられており、かかる点でも所定温度の維持が容易になっている。またこれらに要するランニングコストを低く抑えることができる。しかもタンク2自体の構造もシンプルのままであり、また循環配管5に熱交換器21を設置するだけでよいので、施工も容易である。タンクの構造が複雑になると、藻が詰まって循環を阻害したり、掃除などが困難になったりするが、この構成によれば、好適に藻を育成することができる。
次に第3の実施の形態について説明する。図4は第3の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1の構成の概略を示しており、この第3の実施の形態では、図1に示した第1の実施の形態において採用していた空気供給手段としてのタンク2の底部から空気供給ポンプ7によって空気をタンク2内に供給することに代えて、循環配管5における吸込管5bに、空気供給用の配管31を接続し、この配管31に空気供給ポンプ32を設けたものである。
このような構成を有する第3の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1によれば、前出第1の実施の形態よりも空気供給ポンプ32に要する動力を抑えることができる。すなわち、タンク2の底部からコンプレッサなどの空気供給ポンプ7でタンク内に空気を供給する場合には、タンクの高さ、すなわち水深が深いほど、水圧に抗して空気を供給する必要があるため、必要な動力が大きくなる。これに対して、図4に示したように、タンク2の水面近い高さに位置する吸込管5bに空気を供給するようにすれば、必要な動力が小さくて済む。したがって、第3の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1よりもランニングコストを抑えることができ、また空気供給ポンプ32の定格が第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1よりも小さくて済む。この場合において、空気供給ポンプ32による空気の供給量とポンプ6により循環される水の循環量とが適正になるようにそれぞれ調整することができる。すなわち、空気の供給と水の循環を別々の条件で制御することができ、例えば、藻の育成度合いに合わせて空気供給量を調整し、タンク内の藻を循環させるために必要な水量を供給するなどの制御を行うことができる。
次に第4の実施の形態について図5に基づいて説明する。この第4の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、空気供給手段としてエジェクタ41を採用したものである。すなわち、循環配管5における供給管5aにおいて、ポンプ6の下流側にエジェクタ41を設けた構成を有している。
かかる構成を有する第4の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1によれば、空気供給手段としてエジェクタ41を採用しているので、さらに空気を供給する際に必要な動力を低減する事が可能である。すなわち、エジェクタ41は供給管5a内に縮流を作ることで、動力を必要とせずに外部の空気を供給管5a内の水に押し込むことができるから、コンプレッサやエアポンプを必要とせずに循環するタンク2内の水に空気を供給できる。
すなわち、既述したように、エジェクタ41として例えば駆動流体を水とする水エジェクタを使用した場合、ポンプ6からの水がボディ内のノズル(図示せず)に向けて圧送され、当該ノズルを経てディフューザ41aから吐出される際に、空気吸い込み口41bから空気を取り入れて、当該空気をディフューザ41aから供給管5aに吐出する際に混入させることができる。したがって格別コンプレッサやエアポンプを必要とせずに、循環するタンク2内の水に空気を供給することが可能である。なおエジェクタ41を採用した場合には、エジェクタ41内に藻が入ると詰まったり、藻自体が損傷を受けることがあるので、吸込口4から流入する藻を抑えることが望ましい。
次に第5の実施の形態について説明する。図6は第5の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1の構成の概略を示しており、この第3の実施の形態では、図1に示した第1の実施の形態において採用していた邪魔板11~14の高さ方向の長さを、図6に示したように、供給口3と吸込口4の間に位置するようにしたものである。すなわち、抵抗体としての邪魔板11~14を供給口3と吸込口4の間に設けたものである。換言すれば、供給口3の水平方向には邪魔板を形成しない領域が設けられている構成である。
このような構成を有する第5の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1によれば、供給口3からタンク2内の接線方向に沿って供給される水は、邪魔板11~14の下部に衝突することはないため、タンク2内に供給された水は、当初はタンク2の内周に沿って円滑に流れるので、旋回流を発生しやすく、また吸込口4から吸い込まれる場合も、邪魔板11~14によって水流が妨げられることはない。したがって、タンク2内に効率よく旋回流を発生させることができる。また、邪魔板11~14のいずれかばかりに水が当たるようなことはないので、邪魔板11~14を均等に形成することができる。
また供給口3から供給される水の流れを供給当初はその流れを妨げないようにするという観点からは、図7に示した第6の実施の形態のように、最初に水流が衝突する邪魔板を設けないようにしてもよい。すなわち、図7に示した例は、図2に示した第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1から、邪魔板11を撤去した構成を有している。このように抵抗体としての邪魔板は、等間隔でタンク2内に均等に配置しなくてもよく、旋回流に抗って乱流を発生させるものであればよい。
ところで、タンク内の藻類は撹拌している間、常にタンク2内に均等に分散している訳ではなく、例えばタンク2内の底に沈んだり、タンク2内の水面近くに浮遊している場合がある。たとえば、培養初期には、タンク2内の底部に沈む傾向があったり、培養終期にはタンク2内の水面近くに浮遊することがある。かかる場合には、それに応じて、ポンプ6の回転数を変動させて、循環する水量を変更させることがよい。すなわちこれらの藻類の分散状態に応じて、ポンプの回転数を制御して流量を調節すれば、藻類の浮沈状況に応じて適切に対応することができ、藻類の撹拌性が向上すると共に、培養終期に適度の撹拌性を維持しつつも、必要な動力を低減させることができる。
またそのような流量調整に代えて、あるいはそれと共に、供給口3から供給する水の供給角度を上下方向に変化させるようにしてもよい。図8は、供給口3から供給する水の上下方向の供給角度を変えることが可能な、第7の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1の構成の概略を示している。
この第7の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、図1に示した第1の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1における供給口3を、図8のように、供給切換可能な3つの供給口3a、3b、3cによって構成したものである。すなわち、第7の実施の形態では、供給管5aをポンプ6の下流側で3つに分岐させ、各分岐した管を、タンク2おいて上下方向に並べ、各分岐した管とタンク2との接続部に形成される供給口を、各々上向き供給口3a、水平供給口3b、下向き供給口3cとしたものである。
供給管5aから分岐した各管には、対応するバルブV1、V2、V3が設けられており、これらバルブV1~V3の切り替え操作によって、供給管5aからの水を上向き供給口3a、水平供給口3b、下向き供給口3cに切り替えて、タンク2内の下方から、各々上向き、水平、下向きの各方向に供給することが可能になっている。
またこの第7の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1のように、邪魔板11~14については、各々の下端部の高さ位置を変えるようにしてもよい。
以上の構成を有する第7の実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1によれば、例えば培養初期のように、藻類がタンク2内の底に沈んでいる場合には、下向き供給口3cからタンク2内の下向きに水を供給し、例えば培養終期のように藻類がタンク2内の水面近くに浮遊している場合には、上向き供給口3aからタンク2内の上向きに水を供給し、その他の場合には、水平供給口3bからタンク2内に水平に供給することができる。したがって、タンク2内の藻類の浮沈状況に応じて、適切な水流を形成することが可能である。
またかかる場合、たとえば藻類がタンク2内の水面近くに浮遊しているときにはポンプ6の動力を抑え、藻類がタンク2内の底に沈んでいるときにはポンプ6の動力を上げるようにしてもよい。このように制御することで、各々の場合に必要なポンプ6の動力を最小限に抑えて、システムを運転する際のエネルギーを低減することが可能である。
以上の各実施の形態にかかる藻類培養タンクシステム1は、微生物に比べて必要とする空気(酸素)が少なくて済む藻類の培養に適したものであったが、とりわけ本発明は前記したように、放出口9を除いて全体として密閉系のタンク2内で培養される藻類の培養に有用である。またその中でもたとえばオーランチオキトリウムのように、光合成を行なわない藻類の培養に適している。
タンクの内側形状を略円筒形と表現したが、楕円形を含む。また、円筒形を内面を滑らかに維持するように変形させたものも含むものとする。例えば内側に凹凸を形成したものも本明細書では略円筒形とする。
また、本実施の形態に係る藻類培養タンクシステムに用いられたタンクは、撹拌プロペラ構造によらず水流によりタンク内の攪拌を図るようにしたものであり、例えば、薬剤の混合、食材や機器類の洗浄など種々の用途に適用してもよい。
本発明は、藻類の培養に有用である。
1 藻類培養タンクシステム
2 タンク
3 供給口
4 吸込口
5 循環配管
5a 供給管
5b 吸込管
6 ポンプ
7、32 空気供給ポンプ
8 空気導入口
9 放出口
11~14 邪魔板
21 熱交換器
22、31 配管
23 断熱材
41 エジェクタ

Claims (7)

  1. 内部が円筒形のタンク内で藻類を培養する藻類培養タンクシステムであって、
    前記タンク内の上方の吸込口から前記タンク内の水を吸い込んで、前記タンク内の下方の供給口から水を前記タンク内に供給するように接続された循環配管と、
    前記循環配管に設けられたポンプと、
    前記吸込口-供給口-タンクを循環する水に空気を供給する空気供給手段と、
    前記タンク内に設けられ、前記タンク内に発生する水流に抗って乱流を発生させる抵抗体と、を有し、
    前記タンク内の接線方向に沿って前記供給口から前記タンク内に水が供給されるようにし、
    前記ポンプは容積式ポンプであることを特徴とする、藻類培養タンクシステム。
  2. 前記空気供給手段は、前記循環配管に設けられたエジェクタであることを特徴とする、請求項1に記載の藻類培養タンクシステム。
  3. 前記抵抗体は、前記タンクの高さ方向において、前記供給口と前記吸込口との間に設けられていることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の藻類培養タンクシステム。
  4. 前記抵抗体は前記タンクの内壁に設けられて前記タンクの内側に突出する複数の邪魔板であり、
    前記邪魔板は、前記吸込口に近い位置の邪魔板ほど、邪魔板の高さが高いことを特徴とする、請求項3に記載の藻類培養タンクシステム。
  5. 前記邪魔板は、前記タンク内で均等に配置されていないことを特徴とする、請求項4に記載の藻類培養タンクシステム。
  6. タンク内で藻類を培養する藻類培養方法であって、
    前記タンク内の上方の吸込口から前記タンク内の水を容積式ポンプで吸い込んで、前記タンク内の下方の供給口から水を前記タンク内に戻すようにし、
    前記吸込口-供給口-タンクを循環する水には空気を混入させ、
    前記供給口から水を戻す際には、前記タンク内に旋回流を発生させるように供給方向を設定すると共に、前記タンク内に配置した抵抗体によって前記旋回流に抗って乱流を発生させるようにし、
    前記タンク内の藻類の状態によって、前記タンクから吸い込んで前記タンク内に戻す水の流量を変化させることを特徴とする、藻類培養方法。
  7. 前記タンク内の藻類の状態によって、前記供給口から前記タンク内に供給する水の高さ方向の供給角度を変化させることを特徴とする、請求項6に記載の藻類培養方法。
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