以下に添付図面を参照して、本発明に係る記憶媒体管理システム及び記憶媒体管理方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によって、本発明が限定されるものではない。
[実施形態1]
<実施形態1に係る記憶媒体管理システムの概要>
まず、本実施形態1に係る記憶媒体管理システムの概要について説明する。図1は、本実施形態1に係る記憶媒体管理システムの概要を説明するための説明図である。ここでは、台間カード処理機10Aにおいて正当に遊技する遊技客を遊技客Xとし、台間カード処理機10Aから不正にカードCを返却して他の台間カード処理機10BにカードCを挿入して遊技を行う遊技客を遊技客Yとする。
同図に示すカード管理装置40は、台間カード処理機10A及び台間カード処理機10Bと通信回線を介して接続されている。なお、ここでは図示省略したが、カード管理装置40は、台間カード処理機10A及び10B以外の他の台間カード処理機とも接続されている。
遊技客Xが台間カード処理機10Aで遊技をしている間に一時的に離席する場合がある。この間に、遊技客Yが台間カード処理機10A内のカードCを返却し、他の台間カード処理機10BにカードCを挿入して遊技を行う場合がある。このような場合に、遊技客XからカードCの盗難の申し出を受けた店員が、リモコンRを用いたロック操作等によって台間カード処理機10Aにロック要求を行う。これにより、台間カード処理機10Aからカード管理装置40にカードCのカードIDとロック要求が通知される。現在受付中のカードIDは、台間カード処理機10Aに記憶されている。
ここで、従来技術では、カード管理装置40は、台間カード処理機10Bの持玉数及びプリペイド価値に基づいて、台間カード処理機10Bをロック処理するか否かを判定していた。具体的には、台間カード処理機10Bに記憶された持玉数及びカードCのプリペイド価値がともに「0」であれば、ロック処理の対象外としていた。遊技客Yは、プリペイド価値及び持玉数を全て使い切っており、すでに台間カード処理機10Bから離れている可能性があるからである。
しかしながら、かかる従来技術のロック処理によれば、遊技客Yが台間カード処理機10BにカードCを挿入し、台間カード処理機10Bに記憶された全ての持玉数を遊技機20Bの記憶する遊技球数に変換される場合に、問題が生じてしまう。このような場合に、台間カード処理機10Bに記憶された持玉数が0となっているため、カードCに関連付けられたプリペイド価値が「0」であるならば、台間カード処理機10Bがロック処理の対象外となり、遊技客Yによる継続した遊技を抑制することができなくなる。
そこで、本実施形態1に係る記憶媒体管理システムでは、カード管理装置40においてロック可否の判定を行う場合に、プリペイド価値及び持玉数だけではなく、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数を基準として、ロック処理の対象とするか否かを判定するよう構成している。
具体的には、図1に示すように、遊技客Xが台間カード処理機10AにおけるカードCの盗難に気付いたならば、該遊技客Xは店員に対してカードCが盗難された旨を伝える。店員は、リモコンRを用いて所定のロック操作を行う(S1)。ロック操作を受け付けた台間カード処理機10Aは、カード管理装置40に対してカードCの使用を差し止めるためのロック要求を通知するとともに、カードCのカードIDを通知する(S2)。
カード管理装置40は、ロック要求及びカードIDを受け付けたならば、全ての台間カード処理機10に対してブロードキャストでカードIDを送信する。各台間カード処理機10は、自装置がカードIDのカードを受け付けているか否かを確認し、該当するカードIDを受け付けている場合にはその旨をカード管理装置40に応答する。これにより、盗難されたカードCが挿入された台間カード処理機10Bが特定される(S3)。
カード管理装置40は、台間カード処理機10Bから持玉数と遊技球数の通知を受ける(S4)。カード管理装置40は、元々カードのプリペイド価値を管理しているため、プリペイド価値、持玉数、遊技球数を把握することができる。ここで、カード管理装置40は、プリペイド価値、持玉数、遊技球数が全て「0」であるか否かを判定する。そして、プリペイド価値、持玉数、遊技球数のいずれかが「0」でなければ、台間カード処理機10Bに対してロック指示を行う(S5)。台間カード処理機10Bは、ロック指示に応答してロック処理を行う(S6)。なお、カード管理装置40は、カードCのプリペイド価値、台間カード処理機10Bに記憶された持玉数、遊技機20Bに記憶された遊技球数が全て「0」である場合には、台間カード処理機10Bに対してロック指示が行われない。
このように、カードCのプリペイド価値、台間カード処理機10Bに記憶された持玉数がともに「0」であっても、遊技機20Bに記憶された遊技球数が「0」でなければロック指示が行われる。このため、遊技客Yが盗難したカードCを用いて台間カード処理機10Bにて持玉数を全て遊技球数に変換した場合であっても、台間カード処理機10Bがロック処理の対象となる。
このように、本実施形態1に係る記憶媒体管理システムは、カードの盗難に伴って店員がリモコンRを用いて台間カード処理機10Aにロック操作を行った場合に、台間カード処理機10Aがカード管理装置40にロック要求とカードIDを送信する。カード管理装置40は、ロック要求とカードIDを受け取ったならば、カードCが挿入された台間カード処理機10Bを特定し、台間カード処理機Bから持玉数及び遊技球数を取得する。カード管理装置40は、カードCのプリペイド価値、持玉数及び遊技球数に基づいて、台間カード処理機10Bのロック処理を行うか否かを判定する。プリペイド価値、持玉数及び遊技球数のいずれかが「0」でなければ、台間カード処理機10Bにロック指示を行い、台間カード処理機10Bをロックさせるよう構成したので、全ての持玉数が遊技球数に移行された場合であっても、台間カード処理機10Bをロック対象とすることが可能になる。その結果、遊技客Yが、盗難したカードCを用いて遊技球を用いた継続した遊技を抑止することができる。
また、ここでは説明の便宜上、店員がリモコンRを用いてロック要求を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カードCの盗難が発生した旨を示すコードを台間カード処理機10Aに入力し、ロック要求を行うよう構成することもできる。また、カード管理装置40に盗難が発生した台間カード処理機10Aの番号を入力してカードCのカードIDを取得し、このカードIDを含むロック操作をカード管理装置40に入力することにより、ロック処理を行うこともできる。
<システム構成>
次に、遊技店のシステム構成について説明する。図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、賞品管理装置60と、精算機80とが接続される。
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技玉は、現物のパチンコ玉であり、上記の遊技球数とは異なる。遊技球数は、遊技機20の記憶部に記憶されたデータであり、遊技玉の打ち出しにより減算され、遊技玉の入賞により加算される。
遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定数が遊技球数に加算される。遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選が行われる。該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。始動口への遊技玉の通過による抽選の結果は、抽選の結果を表示する特別図柄表示装置にて表示される。特別図柄表示装置の抽選結果の表示は、所定時間の変動表示後、確定表示を行う態様で行なわれる。また、遊技盤面には、抽選の結果に基づいて所定の数字等の装飾図柄を可変表示する装飾図柄表示装置が設けられており、抽選の結果が大当りとなった場合に、例えば(7,7,7)などの揃い図柄を表示して報知を行なう。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域を設けることもできる。
上記入賞領域には、該入賞領域への遊技玉の通過を検出するための入賞センサが設けられており、この入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知する。
したがって、特定の入賞領域への遊技玉の通過が入賞センサにより検知されたならば、遊技機20は、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技球数とから、付与すべき数を決定し、決定した数を遊技球に加算する。打ち込んだ遊技玉は、入賞領域を通過したか否かにかかわらず、最終的に遊技盤面裏側から遊技機外部に排出される。遊技機外部に排出された遊技玉は、遊技機ごとに付設されたアウト玉検出装置によって検出される。
台間カード処理機10は、入金の受付、貸し出し、カード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客により投入された紙幣を受け付けたならば、この紙幣の金額を含む入金通知データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数を遊技球数に加算させる処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知データを送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40から持玉数を受信したならば、受信した持玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶したならば、台間カード処理機10は、カード管理装置40に対して持玉減算要求データを送信することで、カード管理装置40が管理する持玉数をゼロにクリアする。なお、台間カード処理機10には、カードに関連付けられたプリペイド価値の残高及び貯玉数の残高が表示されるため、カード管理装置40から送信されるプリペイド価値の残高及び会員管理装置50から送信される貯玉数の残高を受信する。
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、自装置に記憶した持玉数から所定数を減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技球に加算させる処理を行う。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求データを送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数から所定数を減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技球に加算させる処理を行う。
また、台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉数を加算させた後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
また、台間カード処理機10は、店員が所持するリモコンRによるロック操作を受け付けたならば、最終返却カードのカードIDと、ロック要求をカード管理装置40に通知する。なお、最終返却カードではなく複数の返却カードをカード返却時刻と対応付けて記憶するとともに、台間カード処理機10の表示操作部に返却された複数のカードIDと返却時刻を表示し、盗難されたカードが返却されたと思われる返却時刻に近いカードIDを選択することもできる。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。また、島コントローラ30には、島端計数機90がさらに接続される。
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する装置である。また、台間カード処理機10から持玉数とともに遊技球数を受け付けた場合には、この遊技球数についても管理する。
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10の装置IDとを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉数を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知データに示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード管理装置40は、カード挿入通知データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数を「0」にクリアする。また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数をカード管理装置40が管理する持玉数に加算する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求データを受信したならば、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間カード処理機10に送信する。カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データを会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力したならば、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
また、カード管理装置40は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10からロック要求及びカードIDを受け付けたならば、全ての台間カード処理機10にカードIDをブロードキャストで送信する。ある台間カード処理機10から応答の通知(カードIDのカードを受け付けている旨の通知)を受け付けたならば、その後に台間カード処理機10から送信される持玉数と遊技球数を受信する。台間カード処理機10から持玉数と遊技球数を受け付けたならば、プリペイド価値、持玉数、遊技球数の全てが0であるか否かを判定する。カード管理装置40は、プリペイド価値、持玉数、遊技球数のいずれかが0でないならば、該当する台間カード処理機10にロック指示を行う。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連付けて、貯玉数、ポイント数、暗証番号及び氏名等を管理する。
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知データを受信したならば、カード挿入通知データに示されたカードIDに関連付けられた貯玉数及び暗証番号を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、貯玉再プレイ要求データに示されたカードIDに関連づけられた貯玉数から所定数を減算し、減算後の貯玉数を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
会員管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉数を賞品管理装置60に通知する。
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり貯玉数及び持玉数を賞品に交換する賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードからカードIDを読み取るカードリーダ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。賞品管理装置60は、一般カード又会員カードからカードIDを読み出した場合(若しくは、携帯端末等からカードIDに対応する識別データを読み出した場合)には、カードIDをカード管理装置40に送信して、該カードIDの持玉数を要求する。また、貯玉数を賞品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
精算機80は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に応じて貨幣を払い出す。
<台間カード処理機10の構成>
次に、図2に示した台間カード処理機10の外観について説明する。図3は、台間カード処理機10の外観を示す図である。なお、図3に示した台間カード処理機10は、遊技機20に接続される装置である。また、図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように台間カード処理機10は、状態表示部11、紙幣挿入口12a、表示操作部13、リモコン受光部14、カード挿入口15a及びかざし部15bを有する。状態表示部11は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する。紙幣挿入口12aは、貸出に必要な各種紙幣の挿入口である。表示操作部13は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ等の操作ボタンの表示や操作ボタンによる入力操作を受け付けるデバイスである。
リモコン受光部14は、店員が所持するリモコンRが発する赤外線などを受光する受光部である。リモコン受光部14が、リモコンRからのロック指示の信号を含む赤外線を受光したならば、制御部19のロック操作受付部19bにその旨を指示する。なお、赤外線ではなく各種近距離無線通信を用いることもできる。
カード挿入口15aは、遊技客が所持するカードの挿入を受け付けるカード挿入口である。かざし部15bは、会員登録に用いられた携帯端末がかざされる部位であり、かざし部15bに携帯端末がかざされると、携帯端末から携帯端末の固有ID(例えばIDm)等のデータが読み取られる。
次に、図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、台間カード処理機10は、状態表示部11と、表示操作部13と、リモコン受光部14と、リーダライタ15と、かざし部15bと、カード保持部16と、通信I/F部17と、記憶部18と、制御部19とを有する。
表示操作部13は、玉貸に使用可能なプリペイド価値、持玉数、貯玉数等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受付及びカードロック画面の表示等を行なうタッチパネル式の液晶ディスプレイ等の入出力装置である。
リーダライタ15は、カード挿入口15aに挿入されたカードからカードIDを読み取る装置である。カード挿入口15aに挿入されたカードは、このリーダライタ15を経て図示しないカード収納部に収納される。
リーダライタ15は、遊技客の返却操作に応じて、カード収納部に収納されたカードにカードデータ18bに示される持玉やプリペイド価値等の価値データを関連付けて新たなカードとして発行する機能も有する。
かざし部15bは、携帯端末等がかざされた場合に、赤外線通信などの近距離無線通信により携帯端末の固有ID(例えばIDm)等の各種情報を読み取るインターフェース部である。
カード保持部16は、台間カード処理機10に挿入された一又は複数のカードを保持する。このカード保持部16は、ロック処理部19fからロック指示を受けた場合に、挿入されたカードを返却せず、状態表示部11及び表示操作部13へ返却制限を行った旨を通知する。通信I/F部17は、遊技機20、島コントローラ30、カード管理装置40、会員管理装置50、賞品管理装置60及び精算機80との間のデータ通信を行なうためのインターフェース部である。
記憶部18は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部18は、自装置状態データ18a、カードデータ18b、遊技球数データ18c、最終返却IDデータ18d及びロックIDデータ18eを記憶する。
自装置状態データ18aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ18aには、台間カード処理機の装置IDと、遊技設定とを含む。台間カード処理機の装置IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別データである。遊技設定は、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数の貸出レートの持玉を扱う場合には、1玉4円の貸出レートの持玉に「玉1」、1玉2円の貸出レートの持玉に「玉2」、1玉1円の貸出レートの持玉に「玉3」というように、貸出レート毎に遊技種名を設定して管理する。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用する貸出レートを選択して、遊技設定として記憶する。
カードデータ18bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ18bは、カードID、持玉数が含まれる。カードIDは、リーダライタ15により読み取られたカードIDである。カードが一般カードである場合には、カード保持部16からカード挿入口15aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ15により読み取られたカードIDによってカードデータ18bが更新される。また、カードが一般カードである場合には、カード挿入口15aからカード保持部16にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ15により読み取られたカードIDによってカードデータ18bが更新される。カードが会員カードである場合には、カード挿入口15aから受け付けられたカードはリーダライタ15の位置に保持された状態でデータの読み取り、更新等の処理が行われる。
遊技球数データ18cは、遊技機20に記憶された遊技球数のデータである。台間カード処理機10は、定期的に遊技機20から遊技球数を受信するため、この遊技球数を遊技球数データ18cとして記憶する。カード管理装置40からロック要求を受け付けた場合に、この遊技球数データ18cをカードデータ18b内の持玉数とともにカード管理装置40に通知する。
最終返却IDデータ18dは、カード保持部16が直近に返却したカードのカードIDであり、カードを返却する度に更新される。なお、ここでは最終的に返却された一つのカードのカードIDを最終返却IDデータ18dとする場合について説明するが、複数の返却カードのカードIDと返却時刻とを含む情報を最終返却IDデータ18dとすることもできる。
ロックIDデータ18eは、カード管理装置40からのロック指示を受けたカードIDであり、ロック指示受付部19eがロック指示を受け付けた場合に、ロック指示を受け付けたカードIDをロックIDデータ18eとして記憶部18に記憶する。なお、このロックIDデータ18eには、複数のカードIDを含めることとしてもよい。複数のカードが盗難される場合があるためである。
制御部19は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部19a、ロック操作受付部19b、ロック要求部19c、カード確認部19d、ロック指示受付部19e、ロック処理部19fを有する。
データ管理部19aは、カードが挿入された場合に、自装置状態データ18aの装置IDと、カードデータ18bのカードIDとを含むカード挿入通知データをカード管理装置40に送信する。また、データ管理部19aは、カード管理装置40から持玉数のデータを受信した場合に、受信した持玉数とカードIDによりカードデータ18bを更新する。データ管理部19aは、カードデータ18bに含まれる持玉数を適宜表示操作部13に表示制御する。
また、データ管理部19aは、紙幣挿入口12aから紙幣を受け付けた場合に、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知データをカード管理装置40に送信する。また、データ管理部19aは、遊技客による玉貸操作を受け付けた場合に、カードID及び装置IDを含む玉貸要求データをカード管理装置40に送信する。この玉貸要求データへの応答として玉貸許可データを受信したならば、データ管理部19aは、所定数の玉数を遊技球数に加算するよう遊技機20に指示する。
また、データ管理部19aは、遊技客による持玉再プレイ操作を受け付けた場合には、カードデータ18b内の持玉数から所定数を減算し、対応する数を遊技球数に加算するよう遊技機20に指示する。
また、データ管理部19aは、遊技客によるカード返却操作を受け付けた場合に、カードID、装置ID並びに持玉数を含む持玉加算要求データをカード管理装置40に送信し、カードデータ18bの持玉数をゼロにクリアした後、カード排出通知データをカード管理装置40に送信し、カードを排出する。なお、返却されたカードのカードIDにより最終返却IDデータ18dが更新される。
また、データ管理部19aは、一般カードの持玉とプリペイド価値が0になった場合には、カードデータ18bのカードIDを含む一般カード使切データをカード管理装置40に送信する。
ロック操作受付部19bは、リモコン受光部14からリモコンRによるロック指示を受け付けた場合に、ロック操作を受け付けた旨をロック要求部19cに通知する処理部である。ここでは、リモコン受光部14からロック指示を受け付けた場合を示したが、表示操作部13から所定のコードの入力を受け付けることもできる。
ロック要求部19cは、ロック操作受付部19bからロック操作を受け付けた場合に、記憶部18から最終返却IDデータ18dを読み出し、読み出した最終返却IDデータ18dに含まれるカードIDをロック要求とともにカード管理装置40に通知する。
カード確認部19dは、カード管理装置40が各台間カード処理機10にブロードキャストで送信したカードIDを受け付けた場合に、このカードIDが装置に挿入されたカードのカードIDと一致するか否かを確認する処理部である。両カードIDが一致しない場合には、カードIDに該当するカードを受け付けていない旨をカード管理装置40に応答しする。一方、両カードIDが一致する場合には、カードIDに該当するカードを受け付けている旨をカード管理装置40に応答するとともに、持玉数及び遊技球数をカード管理装置40に送信する。
ロック指示受付部19eは、カード管理装置40からロック指示を受け付ける処理部である。カード管理装置40は、各台間カード処理機10に送信したカードIDのカードを有する台間カード処理機10から持玉数、遊技球数を取得し、プリペイド価値、持玉数、遊技球数のいずれか一つが「0」でない場合に、該台間カード処理機10にロック指示を行う。
ロック処理部19fは、カード管理装置40からロック指示を受け付けた場合に、ロック指示に含まれるカードIDにより記憶部18に記憶したロックIDデータ18eを更新するとともに、カードに関する処理の禁止を含むロック処理を行う。例えば、遊技球への加算の禁止、遊技球からの減算を禁止する遊技機20への指示、貸出処理の禁止、カード返却の禁止などを行う。かかるロック処理には、他の様々な態様を含めることもできる。
<カード管理装置40の構成>
次に、図2に示したカード管理装置40の構成について説明する。図5は、図2に示したカード管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、カード管理装置40は、表示部41、入力部42、インターフェース部43、記憶部44及び制御部45を有する。
表示部41は、液晶ディスプレイ装置、有機EL等の表示デバイスである。入力部42は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。インターフェース部43は、通信回線を介して台間カード処理機10、島コントローラ30、会員管理装置50、賞品管理装置60及び精算機80とデータ通信するための通信インターフェースである。
記憶部44は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技種設定データ44a、カード管理データ44b、装置管理データ44c、遊技データ44d及びIDデータ44e等を記憶する。
遊技種設定データ44aは、各台間カード処理機10の貸出レートに関するデータである。この遊技種設定データ44aには、玉又はメダルの種別を含めることもできる。カード管理データ44bは、プリペイド価値と、遊技種ごとの持玉数と、該カードが挿入されている台間カード処理機10の装置IDと、該台間カード処理機10に併設された遊技機20に記憶された遊技球数とをカードIDに関連付けたデータである。
装置管理データ44cは、遊技店に配置された各種装置に関するデータであり、台間カード処理機の装置ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所、併設された遊技機20の遊技機ID及び機種データ等が含まれる。遊技データ44dは、遊技に関する情報(累積入金額、遊技時間、来店実績など)を示すデータである。IDデータ44eは、台間カード処理機10からロック要求とともに送信されたカードIDのデータである。
制御部45は、カード管理装置40の全体を制御する制御部であり、遊技種設定管理部45a、カード管理部45b、装置管理部45c、遊技データ管理部45d、ロック要求受付部45e、カード問合部45f、ロック判定部45g及びロック指示部45hを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、遊技種設定管理部45a、カード管理部45b、装置管理部45c、遊技データ管理部45d、ロック要求受付部45e、カード問合部45f、ロック判定部45g及びロック指示部45hにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
遊技種設定管理部45aは、遊技店において使用される遊技種すなわち貸出レートと表示名とを対応付けて遊技種設定データ44aとして管理する処理部である。
カード管理部45bは、カード管理データ44bを用いてカード情報を管理する管理部である。具体的には、カード管理部45bは、カードIDの使用先となる台間カード処理機10の装置ID(以下、「使用先装置ID」と言う)、カードID、持玉数を管理する。なお、カードが挿入される台間カード処理機10に併設された遊技機20の持玉数をカード管理データ44bで管理することもできる。台間カード処理機10からカード挿入通知データを受け付けたならば、カード挿入通知データに含まれるカードIDに関連付けられた持玉数を台間カード処理機10に通知する。カード管理部45bは、台間カード処理機10から持玉減算要求データを受信したならば、持玉減算要求データに示された貸出レートの持玉数をゼロにクリアする。
また、カード管理部45bは、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求データを受信したならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値が所定値以上であるか否かを判定する。プリペイド価値が所定値以上である場合には、カード管理部45bは、カード管理データ44bに記憶されるプリペイド価値から所定値を減算して、台間カード処理機10に玉貸許可データを送信する。一方、プリペイド価値が所定値以下である場合には、カード管理部45bは、台間カード処理機10に玉貸不可データを通知する。
また、カード管理部45bは、台間カード処理機10から投入された貨幣の金額、カードID及び装置IDを含む入金通知データを受信したならば、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値に入金通知に示された金額分のプリペイド価値を加算する。
また、カード管理部45bは、カード返却に伴う持玉加算要求データを受信したならば、該当するレートの持玉数に持玉加算要求データに含まれる持玉数を加算する。また、カード管理部45bは、カード排出通知データを受信したならば、該カードIDの使用先装置IDを消去する。
また、カード管理部45bは、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。また、カード管理部45bは、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
装置管理部45cは、装置管理データ44cを用いて装置データを管理する処理部である。具体的には、装置管理部45cは、台間カード処理機10から取得した装置ID、台間カード処理機10のアドレス、設置場所及び遊技機IDに基づいて、装置管理データ44cの生成と更新とを行う。
遊技データ管理部45dは、遊技データ44dを用いて遊技データを管理する管理部である。遊技データ管理部45dは、台間カード処理機10から一般カードによる遊技の開始や終了を示す通知を受けたならば、遊技データ44dの遊技時間の履歴を更新する。そして、会員カードによる遊技の開始や終了を示す通知を受けたならば、会員管理装置50に転送する。
ロック要求受付部45eは、通信I/F部17を介して台間カード処理機10からロック要求及びカードIDを受け付ける処理部である。カード問合部45fは、ロック要求受付部45eがロック要求を受け付けた場合に、該ロック要求とともに通知されるカードIDを各台間カード処理機10にブロードキャストで送信する処理部である。いずれかの台間カード処理機10から、カードIDに該当するカードを受付中である旨の情報を受信したならば、カード問合部45fは、カード管理データ44bに含まれる持玉数及び遊技球数を更新する。
ロック判定部45gは、カード管理データ44bに含まれるプリペイド価値、持玉数及び遊技球数に基づいて、カードIDに該当するカードが存在する旨の応答を行った台間カード処理機10をロックするか否かを判定する処理部である。具体的には、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数のいずれか一つが「0」でなければ、「ロックする」と判定する。一方、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数の全てが「0」である場合には「ロックしない」と判定する。ただし、ここでは全てが「0」である場合にロックする場合を示したが、全てが所定数(例えば、24玉)以下の場合にロックすると判定するよう構成することもできる。
ロック指示部45hは、ロック判定部45gにより「ロックする」と判定されたならば、該当する台間カード処理機10に対してロック指示を行う処理部である。なお、ロック判定部45gにより「ロックしない」と判定されたならば、該当する台間カード処理機10に対してロック指示は行わない。
次に、図1に示した台間カード処理機10のロック処理が行われた場合の画面表示の一例について説明する。図6は、カード管理装置40が台間カード処理機10にロック処理を行った場合に、各台間カード処理機10に表示させる画面の一例である。図6(a)に示すように、カードロック処理が行われた場合に、台間カード処理機10の表示操作部13に「この遊技機はロックされました。」という画面を表示する。
また、図6(b)に示すように、リモコンRによりロック指示を受け付けた台間カード処理機10の表示操作部13において、ロックが完了した旨の表示、カードロックがされた遊技機の号機番号及び盗難されたカードIDが表示される。図6(b)では、ロック完了の表示、カードロックされた号機番号として「01」及び盗難されたカードIDとして「001」が表示された状況を示している。
<カードロック時の処理手順1>
次に、カードロックを行う場合の処理手順について説明する。図7は、カードロックを行う場合の処理手順1を示すフローチャートである。ここでは、台間カード処理機10Aから盗難されたカードが台間カード処理機10Bに挿入される状況を示している。
図7に示すように、台間カード処理機10Aは、ロック操作を含む各種の操作待ち状況にあり(ステップS101;No)、店員によるリモコンRを用いたロック操作を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、記憶部18に記憶されたカードデータ18bを読み出し、ロック要求とともにカードデータ18bに含まれるカードIDをカード管理装置40に通知する(ステップS102)。
カード管理装置40は、台間カード処理機10Aからのロック要求などの受付待ちの状態にあり(ステップS103;No)、ロック要求とカードIDを受け付けたならば(ステップS103;Yes)、該カードIDのカードを受け付けている台間カード処理機10が存在するか否かを確認するために、全ての台間カード処理機10に対してカードIDを通知する(ステップS104)。
台間カード処理機10Bは、カードIDの受付待ちの状態にあり(ステップS105;No)、カード管理装置40からカードIDを受信したならば(ステップS105;Yes)、受信したカードIDが、使用中のカード(すなわち、記憶部18に記憶されたカードデータ18bに含まれるカードID)と比較する(ステップS106)。
その結果、両カードIDが一致する場合には(ステップS107;Yes)、カード使用中をカード管理装置40に応答するとともに(ステップS108)、持玉数と遊技球数をカード管理装置40に送信する(ステップS109)。
カード管理装置40は、各台間カード処理機10からの応答を受け付ける受付待ちの状態にあり(ステップS110;No)、台間カード処理機10Bからカード使用中との応答を受け付けたならば(ステップS110;Yes)、台間カード処理機10Bから送信される持玉数と遊技球数を受信する(ステップS111)。カード管理装置40は、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数に基づいて、ロック可否を判定する(ステップS112)。なお、ロック判定の処理については、その詳細な説明を後述する。
カード管理装置40は、「ロックする」と判定したならば(ステップS113;Yes)、台間カード処理機10Bにロック指示を送信する(ステップS114)。台間カード処理機10Bは、ロック指示を受け付けたならば(ステップS115;Yes)、ロック処理を行う(ステップS116)。
カード管理装置40は、ロック指示を送信した後に、台間カード処理機10Aにロック結果を通知し(ステップS117)、上記一連の処理を終了する。台間カード処理機10Aは、ロック結果を受信したならば(ステップS118;Yes)、ロック結果を表示する(ステップS119)。なお、上記ステップS113で「ロックしない」と判定したならば(ステップS113;No)、そのまま処理を終了する。
<カードロック時の処理手順2>
次に、カードロックを行う場合の別の処理手順について説明する。図8は、カードロックを行う場合の処理手順2を示すフローチャートである。ここでも、台間カード処理機10Aから盗難されたカードが台間カード処理機10Bに挿入される状況を示している。
遊技客Xがカードの盗難の事実に気づき、店員にその旨を伝えた場合に、店員がリモコンRを所持していない場合がある。このような場合に、店員がインカムでカード管理装置40を操作する担当者に台間カード処理機10のID又は遊技機20の台番号を通知し、該遊技機20に併設された台間カード処理機10から返却された(盗難された)カードIDを入手することができる。このような場合は、カード管理装置40に対してカードIDを含むロック操作(ロック要求)を行うことにより、台間カード処理機10Bを行うことができる。
図8に示すように、カード管理装置40は、ロック要求などの受付待ちの状態にあり(ステップS201;No)、ロック要求操作とカードIDを受け付けたならば(ステップS201;Yes)、該カードIDのカードを受け付けている台間カード処理機10が存在するか否かを確認するために、全ての台間カード処理機10に対してカードIDを通知する(ステップS202)。
台間カード処理機10Bは、カードIDの受付待ちの状態にあり(ステップS203;No)、カード管理装置40からカードIDを受信したならば(ステップS203;Yes)、受信したカードIDが、使用中のカード(すなわち、記憶部18に記憶されたカードデータ18bに含まれるカードID)と比較する(ステップS204)。
その結果、両カードIDが一致する場合には(ステップS205;Yes)、カード使用中をカード管理装置40に応答し(ステップS206)、カード管理装置40がこの応答を受け付けたならば(ステップS207;Yes)、その後に台間カード処理機10Bが送信する持玉数と遊技球数をカード管理装置40が受信する(ステップS208~S209)。
カード管理装置40は、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数に基づいて、ロック可否を判定する(ステップS210)。なお、ロック判定の処理については、その詳細な説明を後述する。
カード管理装置40は、「ロックする」と判定したならば(ステップS211;Yes)、台間カード処理機10Bにロック指示を送信する(ステップS212)。台間カード処理機10Bは、ロック指示を受け付けたならば(ステップS213;Yes)、ロック処理を行う(ステップS214)。
カード管理装置40は、ロック指示を送信した後に、台間カード処理機10Aにロック結果を通知し(ステップS215)、上記一連の処理を終了する。台間カード処理機10Aは、ロック結果を受信したならば(ステップS216;Yes)、ロック結果を表示する(ステップS217)。なお、上記ステップS211で「ロックしない」と判定したならば(ステップS211;No)、そのまま処理を終了する。
次に、図7のステップS112、図8のステップS210に示したロック可否の判定手順について説明する。図9はロック可否の判定手順を示すフローチャートである。同図に示すように、プリペイド価値が「0」であるか否かを判定する(ステップS301)。プリペイド価値が「0」でなければ(ステップS301;No)、「ロックする」と判定する(ステップS305)。
プリペイド価値が「0」であれば(ステップS301;Yes)、持玉数が「0」であるか否かを判定する(ステップS302)。持玉数が「0」でなければ(ステップS302;No)、「ロックする」と判定する(ステップS305)。
持玉数が「0」であれば(ステップS302;Yes)、遊技球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS303)。遊技球数が「0」でなければ(ステップS303;No)、「ロックする」と判定する(ステップS305)。遊技球数が「0」であれば(ステップS303;Yes)、「ロックしない」と判定する(ステップS304)。
上記一連の処理を行うことにより、プリペイド価値、持玉数、遊技球数のいずれかが「0」でなければ「ロックする」と判定され、プリペイド価値、持玉数、遊技球数の全てが「0」であれば「ロックしない」と判定される。
上述してきたように、本実施形態1では、カードの盗難に伴って店員がリモコンRを用いて台間カード処理機10Aにロック操作を行った場合に、台間カード処理機10Aがカード管理装置40にロック要求とカードIDを送信する。カード管理装置40は、ロック要求とカードIDを受け取ったならば、カードCが挿入された台間カード処理機10Bを特定し、台間カード処理機Bから持玉数及び遊技球数を取得する。カード管理装置40は、カードCのプリペイド価値、持玉数及び遊技球数に基づいて、台間カード処理機10Bのロック処理を行うか否かを判定する。プリペイド価値、持玉数及び遊技球数のいずれかが「0」でなければ、台間カード処理機10Bにロック指示を行い、台間カード処理機10Bをロックさせるよう構成したので、全ての持玉数が遊技球数に移行された場合であっても、台間カード処理機10Bをロック対象とすることが可能になる。その結果、遊技客Yが、盗難したカードCを用いて遊技球を用いた継続した遊技を抑止することができる。
なお、カードCを盗難した遊技客Yが、台間カード処理機10BにカードCを挿入し、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数の全てを使い切った場合には、台間カード処理機10Bはロックされない。かかる場合には、遊技店内に設けられた監視カメラにより、遊技客Yが自らの所持金で遊技を継続しているか、遊技客Yから他の遊技客が入れ替わったかを判定し、遊技客Yに賠償を求めるか否かを判定することもできる。また、あらかじめ定めた一定時間遊技客Yが遊技を行っている場合には、プリペイド価値、持玉数及び遊技球数の全てを使い切ったとしてもロック処理することもできる。
また、遊技客Yが台間カード処理機10AからカードCを盗難した場合に、台間カード処理機10Aに併設された遊技機20Aに遊技球数が残っている場合がある。このように、遊技機20Aに遊技球数が残っている場合には、一度台間カード処理機10Aを使用不可状態とし、台間カード処理機10Bから取り戻したカードCを台間カード処理機10Aに挿入することにより、台間カード処理機10Aを使用可能状態とすることもできる。
また、上記の実施形態1では、台間カード処理機10Aのカードを排出して台間カード処理機10Bに挿入する場合を想定したが、必ずしも不正な遊技客Yによって行為が行われるとは限らず、家族又は友人のうちの一人が遊技客Xの許可を受けて遊技する場合もある。このような状況を可能にするために、台間カード処理機10Bをロックした後に、台間カード処理機10Aにおいて「使用可能とする」旨の操作を行うことにより、台間カード処理機10Bのロックを解除するよう構成することもできる。なお、不正な遊技客Yが、かかる「使用可能とする」操作を行わないようにするために、台間カード処理機10Aに併設された遊技機20Aが稼働中であることを条件に、「使用可能とする」旨の操作を受付可能とするよう構成することもできる。
<変形例>
ところで、上記の実施形態1では、遊技球をまとめて管理する場合を示したが、遊技客Xが正当に獲得した遊技球数と、カードを不正に取得した遊技客Yにより獲得された遊技球数とを別個に管理することもできる。このように遊技球数を管理ことにより、不正が発生する前の遊技球数を遊技客Xに返却することができる。
図10は、変形例に係る処理手順を示すフローチャートである。図11は、変形例の遊技球数の管理の一例を示す図である。図10に示すように、台間カード処理機10Bは、カード挿入待ちの状態にあり(ステップS401)、カードCを受け付けたならば(ステップS402)、持玉数の一部又は全部を遊技球数に変換して遊技が行われる。
かかる遊技の結果、大当たり等によって遊技球数が増加したならば(ステップS402;Yes)、元の遊技球数と増加分の遊技球数を別データとして管理する(ステップS403)。例えば、図11に示すように、元のカードの遊技球数が「5000玉」であり、その後遊技により「3000玉」が増加したならば、これらを別々に管理する。なお、元のカードの遊技球数が「5000玉」であり、その後遊技に「1000玉」を使用した後「3000玉」を獲得したならば、元のカードの遊技球数「5000玉」、増加した遊技球数「2000玉」を管理することになる。
ここで、カード管理装置40が、台間カード処理機10Aからロック要求及びカードIDを受け付けたならば(ステップS404;Yes)、カードIDを各台間カード処理機10に通知する(ステップS405)。台間カード処理機10Bは、通知されたカードIDのカードが自装置で受付中である旨をカード管理装置40に通知し(ステップS406)、カード管理装置40は、台間カード処理機10BがカードIDのカードを受付中である旨を受信する(ステップS407)。
その後、台間カード処理機10Bは、持玉数と遊技球数を通知し(ステップS408)、カード管理装置40は、持玉数と遊技球数を受信する(ステップS409)。この遊技球数には、元の遊技球数と増加分の遊技球数が含まれる。
カード管理装置40は、プリペイド価値、持玉数、遊技球数(元の遊技球数及び増加分の遊技球数の合計値)に基づいてロック可否を判定する(ステップS410)。カード管理装置40は、ロックすると判定したならば(ステップS411;Yes)、ロック指示を台間カード処理機10Bに送信する(ステップS412)。台間カード処理機10Bは、ロック指示を受信したならば(ステップS413)、ロック処理を行う(ステップS414)。なお、カード管理装置40は、ロック結果を台間カード処理機10Aに通知する(ステップS415)。
このように、元の遊技球数と増加した遊技球数を別管理することにより、正当な遊技客Xに返却すべき遊技球数を明らかにすることができる。
[実施形態2]
ところで、上記実施形態1では、カード管理装置40が、カードCのプリペイド価値、持玉数及び遊技球数のいずれかが「0」でなければ、台間カード処理機10Bにロック指示を行い、台間カード処理機10Bをロックさせるよう構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、装置外部にメダルを払い出さない管理スロット機の場合には、通常BET数と呼ばれる賭遊技媒体数(以下、単に「BET数」と言う)が存在すため、このBET数を考慮して、台間カード処理機10Bにロック指示を行うか否かを判定することが望ましい。このため、本実施形態2では、本発明を管理スロット機に適用した場合について説明する。
<実施形態2に係る記憶媒体管理システムの概要>
まず、本実施形態2に係る記憶媒体管理システムの概要について説明する。図12は、本実施形態2に係る記憶媒体管理システムの概要を説明するための説明図である。ここでは、台間カード処理機110Aにおいて正当に遊技する遊技客を遊技客Xとし、台間カード処理機110Aから不正にカードCを返却して他の台間カード処理機110BにカードCを挿入して遊技を行う遊技客を遊技客Yとする。
台間カード処理機110Aには、管理スロット機120Aが通信可能に併設され、台間カード処理機110Bには、管理スロット機120Bが通信可能に併設されている。以下では、これらの管理スロット機120A及び120Bを「管理スロット機120」と呼び、台間カード処理機110A及び110Bを「台間カード処理機110」と呼ぶ。
管理スロット機120は、メダルを装置外部に払い出さない封入式の回胴式遊技機である。台間カード処理機110に貨幣を投入したならば、この貨幣の金額分のプリペイド価値がカードIDに関連付けてカード管理装置40にて管理される。
遊技客が台間カード処理機110にてメダル貸し操作を行ったならば、カード管理装置40において管理されたプリペイド価値から所定数(例えば、1000円分)が減算された後に、台間カード処理機110から管理スロット機120に対して遊技メダルの加算指示が行われ、管理スロット機120の記憶部に遊技メダル数が記憶される。
遊技客は、この遊技メダル数を用いて遊技を行うことになる。具体的には、BETボタンが押下操作されたならば、遊技メダル数から3枚が減算され、賭け数(BET数)が設定される。遊技客が、この状態でスタートレバーを操作したならば、3つの回胴すなわちドラムが回転し、各ドラムに対応して設けられたストップボタンが押下操作されたならば、ドラムが順次停止する。回胴上に所定の図柄組み合わせが停止したならば、この図柄組み合わせに応じた賞メダル数が遊技メダル数に加算される。なお、本実施形態2では、BET数が1枚の一枚賭け、BET数が2枚の二枚賭けの場合には、スタートレバーが操作されたとしても、ドラムは回転しないものとする。なお、台間カード処理機110は、管理スロット機120からBET数を遊技されたか否かの情報(信号)として取得する。
このようにして、遊技客は、管理スロット機120を用いてパチスロ遊技を行うことが可能であるが、所定の計数操作がなされたならば、管理スロット機120に記憶された遊技メダル数が、台間カード処理機110に記憶された持メダル数に移行される。なお、台間カード処理機110上で持メダルの再プレイ操作が行われたならば、台間カード処理機110に記憶された持メダル数のうちの所定数が管理スロット機120に記憶された遊技メダル数に移行される。
そして、遊技客が、この状態でカード返却操作を行ったならば、台間カード処理機110内に貯留された一般カード(以下、単に「カード」と言う)のカードIDに持メダル数を関連付けてカード管理装置40に記憶して、カードが返却される。この際、管理スロット機120に記憶された遊技メダル数が存在する状態でカード返却操作がなされたならば、管理スロット機120に記憶された遊技メダル数はそのまま残置され、持メダル数をカードIDに関連付けてカード管理装置40に記憶した後にカードが返却される。
図12の説明に戻ると、カード管理装置40は、台間カード処理機110A及び台間カード処理機110Bと通信回線を介して接続されている。なお、ここでは図示省略したが、カード管理装置40は、台間カード処理機110A及び110B以外の他の台間カード処理機とも接続されている。
遊技客Xが台間カード処理機110Aで遊技をしている間に一時的に離席する場合がある。この間に、遊技客Yが台間カード処理機110A内のカードCを返却し、他の台間カード処理機110BにカードCを挿入してパチスロ遊技を行う場合がある。このような場合に、遊技客XからカードCの盗難の申し出を受けた店員が、リモコンRを用いたロック操作等によって台間カード処理機110Aにロック要求を行う。これにより、台間カード処理機110Aからカード管理装置40にカードCのカードIDとロック要求が通知される。現在受付中のカードIDは、台間カード処理機110Aに記憶されている。
ここで、従来技術では、カード管理装置40は、台間カード処理機110Bの持メダル数及びプリペイド価値に基づいて、台間カード処理機110Bをロック処理するか否かを判定していた。具体的には、台間カード処理機110Bに記憶された持玉数及びカードCのプリペイド価値がともに「0」であれば、ロック処理の対象外としていた。遊技客Yは、プリペイド価値及び持玉数を全て使い切っており、すでに台間カード処理機110Bから離れている可能性があるからである。
しかしながら、かかる従来技術のロック処理によれば、遊技客Yが台間カード処理機110BにカードCを挿入し、台間カード処理機110Bに記憶された全ての持メダル数を管理スロット機120Bの記憶する遊技メダル数に変換される場合に、問題が生じてしまう。このような場合に、台間カード処理機110Bに記憶された持玉数が0となっているため、カードCに関連付けられたプリペイド価値が「0」であるならば、台間カード処理機110Bがロック処理の対象外となり、遊技客Yによる継続した遊技を抑制することができなくなる。
そこで、本実施形態2に係る記憶媒体管理システムでは、カード管理装置40においてロック可否の判定を行う場合に、プリペイド価値及び持玉数だけではなく、プリペイド価値、持玉数、遊技球数及びBET数を基準として、ロック処理の対象とするか否かを判定するよう構成している。
具体的には、図12に示すように、遊技客Xが台間カード処理機110AにおけるカードCの盗難に気付いたならば、該遊技客Xは店員に対してカードCが盗難された旨を伝える。店員は、リモコンRを用いて所定のロック操作を行う(S11)。ロック操作を受け付けた台間カード処理機110Aは、カード管理装置40に対してカードCの使用を差し止めるためのロック要求を通知するとともに、カードCのカードIDを通知する(S12)。
カード管理装置40は、ロック要求及びカードIDを受け付けたならば、全ての台間カード処理機110に対してブロードキャストでカードIDを送信する。各台間カード処理機110は、自装置がカードIDのカードを受け付けているか否かを確認し、該当するカードIDを受け付けている場合にはその旨をカード管理装置40に応答する。これにより、盗難されたカードCが挿入された台間カード処理機10Bが特定される(S13)。
カード管理装置40は、台間カード処理機110Bから持メダル数、遊技メダル数及びBET数の通知を受ける(S4)。カード管理装置40は、元々カードのプリペイド価値を管理しているため、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET数を把握することができる。ここで、カード管理装置40は、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET数が全て「0」であるか否かを判定する。そして、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET数のいずれかが「0」でなければ、台間カード処理機110Bに対してロック指示を行う(S15)。台間カード処理機110Bは、ロック指示に応答してロック処理を行う(S16)。なお、カード管理装置40は、カードCのプリペイド価値、台間カード処理機110Bに記憶された持玉数、管理スロット機120Bに記憶された遊技メダル数が全て「0」である場合には、台間カード処理機110Bに対してロック指示が行われない。
このように、カードCのプリペイド価値、台間カード処理機110Bに記憶された持メダル数がともに「0」であっても、管理スロット機120Bに記憶された遊技メダル数又はBET数が「0」でなければロック指示が行われる。このため、遊技客Yが盗難したカードCを用いて台間カード処理機110Bにて持メダル数を全て遊技メダル数に変換した場合であっても、台間カード処理機110Bがロック処理の対象となる。
このように、本実施形態2に係る記憶媒体管理システムは、カードの盗難に伴って店員がリモコンRを用いて台間カード処理機110Aにロック操作を行った場合に、台間カード処理機110Aがカード管理装置40にロック要求とカードIDを送信する。カード管理装置40は、ロック要求とカードIDを受け取ったならば、カードCが挿入された台間カード処理機110Bを特定し、台間カード処理機Bから持メダル数、遊技メダル数及びBET数を取得する。カード管理装置40は、カードCのプリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数及びBET数に基づいて、台間カード処理機110Bのロック処理を行うか否かを判定する。プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数及びBET数のいずれかが「0」でなければ、台間カード処理機110Bにロック指示を行い、台間カード処理機110Bをロックさせるよう構成したので、全ての持メダル数が遊技メダル数に移行された場合であっても、台間カード処理機110Bをロック対象とすることが可能になる。その結果、遊技客Yが、盗難したカードCを用いて遊技メダル数を用いた継続した遊技を抑止することができる。また、全ての遊技メダル数が使われたとしても、BET数が存在する場合にはロック対象とすることができる。
なお、台間カード処理機110Bに併設された管理スロット機129が所定の時間継続して遊技されている場合には、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数及びBET数の全てが0であった場合でも、ロック指示を行うと判定することもできる。不正者Yが盗難したカードを用いて継続してパチスロ遊技を行っていると考えられるためである。
次に、本実施形態2に係るロック可否の判定手順について説明する。図13は、本実施形態2に係るロック可否の判定手順を示すフローチャートである。同図に示すように、プリペイド価値が「0」であるか否かを判定する(ステップS401)。プリペイド価値が「0」でなければ(ステップS401;No)、「ロックする」と判定する(ステップS406)。
プリペイド価値が「0」であれば(ステップS401;Yes)、持メダル数が「0」であるか否かを判定する(ステップS402)。持メダル数が「0」でなければ(ステップS402;No)、「ロックする」と判定する(ステップS406)。
持メダル数が「0」であれば(ステップS402;Yes)、遊技メダル数が「0」であるか否かを判定する(ステップS403)。遊技メダル数が「0」でなければ(ステップS403;No)、「ロックする」と判定する(ステップS406)。
遊技メダル数が「0」であれば(ステップS403;Yes)、BET数が「0」であるか否かを判定する(ステップS404)。BET数が「0」でなければ(ステップS404;No)、「ロックする」と判定する(ステップS406)。BET数が「0」でなければ(ステップS404;Yes)、「ロックしない」と判定する(ステップS406)。
上記一連の処理を行うことにより、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET数のいずれかが「0」でなければ「ロックする」と判定され、プリペイド価値、持メダル数、遊技メダル数、BET数の全てが「0」であれば「ロックしない」と判定される。
また、上記の各実施形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。