JP7332025B2 - 送電装置 - Google Patents

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Description

本開示は、送電装置に関する。
非接触(ワイヤレス)で電力を伝送する非接触給電システムが知られている。非接触給電システムは、送電コイルを含む送電装置と受電コイルを含む受電装置とを備え、コイル間の電磁誘導又は磁界共鳴等を利用して、非接触での電力伝送を実現している。電力伝送に用いられる周波数(インバータのスイッチング周波数)と他の機器が使用している周波数とが干渉すると、電力伝送に起因して他の機器にノイズ等の影響を及ぼすおそれがある。
特許文献1に記載の非接触給電装置では、出力指令値(電力指令値)に応じたインバータ周波数が、他の機器が使用する使用周波数帯域と重複する場合、使用周波数帯域と重複しないようにインバータ周波数が修正され、電力指令値に対応する出力電力値が得られるようにPFC(Power Factor Correction)出力が調整される。
国際公開第2014/118972号
特許文献1に記載の非接触給電装置では、インバータ周波数が電力指令値に応じた周波数に合わせられた後、インバータ周波数が使用周波数帯域に重複する場合には、インバータ周波数が使用周波数帯域に重複しないように修正される。そして、インバータ周波数が変更されたことによる出力電力の減少分だけPFC出力が増加され、出力電力値が電力指令値に合わせられる。このため、出力電力値が電力指令値に合わせられるまでに要する時間が長くなるおそれがある。
本開示は、他の機器との干渉を抑制しつつ、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられるまでに要する時間を短縮することが可能な送電装置を説明する。
本開示の一側面に係る送電装置は、負荷に接続された受電装置に電力を供給するための装置である。この送電装置は、受電装置の第2コイルに非接触で電力を伝送するための第1コイルと、直流電力を交流電力に変換するとともに交流電力を第1コイルに供給する直流交流変換器を含む変換器と、交流電力の周波数を変更する周波数制御によって、対象電力の電力値を電力指令値に近づける制御器と、を備える。対象電力は、直流電力又は交流電力である。制御器は、電力値が電力指令値に達した際の周波数が他の機器によって使用される使用周波数帯域に含まれる場合、電力値が電力指令値に合わされた状態を維持する電力一定制御を行いながら周波数が使用周波数帯域とは異なる周波数となるように周波数を変更する周波数変更処理を行う。
本開示によれば、他の機器との干渉を抑制しつつ、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられるまでに要する時間を短縮することができる。
図1は、一実施形態に係る送電装置を含む非接触給電システムの適用例を示す図である。 図2は、図1の非接触給電システムの回路ブロック図である。 図3は、負荷電力の周波数特性を示す図である。 図4は、直流交流変換器の回路構成の一例を示す図である。 図5は、図2の第1制御器が行う電力制御の一連の処理を示すフローチャートである。 図6は、図5の周波数変更処理の一例を詳細に示すフローチャートである。 図7は、図5の電力制御を説明するための図である。 図8は、図5の周波数変更処理の別の例を詳細に示すフローチャートである。 図9は、図8の周波数変更処理を含む電力制御を説明するための図である。 図10は、変形例に係る送電装置を含む非接触給電システムの回路ブロック図である。
[1]実施形態の概要
本開示の一側面に係る送電装置は、負荷に接続された受電装置に電力を供給するための装置である。この送電装置は、受電装置の第2コイルに非接触で電力を伝送するための第1コイルと、直流電力を交流電力に変換するとともに交流電力を第1コイルに供給する直流交流変換器を含む変換器と、交流電力の周波数を変更する周波数制御によって、対象電力の電力値を電力指令値に近づける制御器と、を備える。対象電力は、直流電力又は交流電力である。制御器は、電力値が電力指令値に達した際の周波数が他の機器によって使用される使用周波数帯域に含まれる場合、電力値が電力指令値に合わされた状態を維持する電力一定制御を行いながら周波数が使用周波数帯域とは異なる周波数となるように周波数を変更する周波数変更処理を行う。
この送電装置では、対象電力の電力値が電力指令値に達した際の交流電力の周波数が他の機器によって使用される使用周波数帯域に含まれる場合、周波数変更処理が行われる。周波数変更処理では、対象電力の電力値が電力指令値に合わされた状態を維持する電力一定制御が行われつつ、交流電力の周波数が使用周波数帯域とは異なる周波数となるように交流電力の周波数が変更される。このように、対象電力の電力値が電力指令値に一旦達すると、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられた状態が維持される。このため、対象電力の電力値が電力指令値に達した後に、交流電力の周波数が変更されたとしても、対象電力の電力値は電力指令値に合わせられている。その結果、他の機器との干渉を抑制しつつ、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられるまでに要する時間を短縮することが可能となる。
制御器は、直流電力の電圧を変更する電圧制御、直流交流変換器の位相シフト制御、及び直流交流変換器と第1コイルとの間のインピーダンスを制御するインピーダンス制御の少なくとも1つを周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。直流電力の電圧、直流交流変換器の位相シフト量、又は直流交流変換器と第1コイルとの間のインピーダンスが変更されると、対象電力の周波数特性が変化する。このため、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられた状態を維持するために、交流電力の周波数が変更される。これにより、交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
制御器は、電圧制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。直流電力の電圧が変更されると、対象電力の周波数特性が変化する。このため、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられた状態を維持するために、交流電力の周波数が変更される。これにより、交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
制御器は、電圧を増加させることによって、電圧制御を行ってもよい。この場合、直流電力の電圧が低い電圧から順に調整されるので、交流電力の周波数が使用周波数帯域とは異なる周波数に変更された際の直流電力の電圧を低くすることができる。これにより、第1コイルと第2コイルとの間の電力の伝送効率を向上させることが可能となる。
制御器は、位相シフト制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。直流交流変換器の位相シフト量が変更されると、対象電力の周波数特性が変化する。このため、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられた状態を維持するために、交流電力の周波数が変更される。これにより、交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
制御器は、インピーダンス制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。直流交流変換器と第1コイルとの間のインピーダンスが変更されると、対象電力の周波数特性が変化する。このため、対象電力の電力値が電力指令値に合わせられた状態を維持するために、交流電力の周波数が変更される。これにより、交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
制御器は、電圧が一定となるように、変換器を制御してもよい。この場合、直流電力の電圧が一定であるので、直流交流変換器の耐電圧を上げることなく、周波数変更処理を行うことができる。その結果、直流交流変換器の大型化を招くことなく、他の機器との干渉を抑制することが可能となる。
制御器は、電力値が電力指令値に達した際の周波数に応じて、電圧制御及び位相シフト制御のいずれかを選択し、選択された制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。この場合、交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定するまでの時間を短縮することが可能となる。電圧制御及び位相シフト制御を用いることによって、交流電力の周波数の調整範囲を広げることができるので、より確実に交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
制御器は、電力値が電力指令値に達した際の周波数に応じて、電圧制御及びインピーダンス制御のいずれかを選択し、選択された制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。この場合、交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定するまでの時間を短縮することが可能となる。電圧制御及びインピーダンス制御を用いることによって、交流電力の周波数の調整範囲を広げることができるので、より確実に交流電力の周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
制御器は、周波数を使用周波数帯域とは異なる周波数に変更できない場合、電力指令値を下げてもよい。この場合、電力指令値を下げることによって、交流電力の周波数は使用周波数帯域とは異なる周波数に変更され得る。したがって、他の機器との干渉をより確実に抑制することが可能となる。
[2]実施形態の例示
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は、一実施形態に係る送電装置を含む非接触給電システムの適用例を示す図である。図1に示されるように、非接触給電システム1は、送電装置2と受電装置3とを備えており、送電装置2から受電装置3に電力を供給するためのシステムである。送電装置2及び受電装置3は、例えば上下方向に離間している。送電装置2は、例えば駐車場等に設置されている。受電装置3は、例えば電気自動車EVに搭載されている。非接触給電システム1は、駐車場等に到着した電気自動車EVに対し、磁界共鳴方式又は電磁誘導方式等のコイル間の磁気結合を利用して、電力を供給するように構成されている。なお、非接触給電方式は、磁気結合を利用した方式に限らず、例えば、電界共鳴方式であってもよい。
送電装置2は、非接触給電のための電力を供給する装置である。送電装置2は、電源PS(図2参照)によって供給された電力から所望の交流電力を生成し、受電装置3に送る。送電装置2は、例えば駐車場等の路面Rに設置される。送電装置2は、例えば駐車場等の路面Rから上方に突出するように設けられた第1コイル装置4(送電コイル装置)を備えている。第1コイル装置4は、第1コイル21(図2参照)を含み、例えば扁平な錘台状又は直方体状をなしている。送電装置2は、電源PSから所望の交流電力を生成する。生成された交流電力が第1コイル装置4に送られることによって、第1コイル装置4は磁束を発生させる。
受電装置3は、送電装置2から電力を受け取り、負荷L(図2参照)に電力を供給する装置である。受電装置3は、例えば電気自動車EVに搭載される。受電装置3は、例えば電気自動車EVの車体(シャーシ等)の底面に取り付けられた第2コイル装置5(受電コイル装置)を備えている。第2コイル装置5は、第2コイル31(図2参照)を含み、電力供給時において第1コイル装置4と上下方向に離間して対向する。第2コイル装置5は、例えば扁平な錘台状又は直方体状をなしている。第1コイル装置4で発生した磁束が第2コイル装置5に鎖交することによって、第2コイル装置5は誘導電流を発生させる。これにより、第2コイル装置5は、非接触(ワイヤレス)で第1コイル装置4からの電力を受け取る。第2コイル装置5が受け取った電力は、負荷Lに供給される。
図2を参照して、非接触給電システム1の回路構成を詳細に説明する。図2は、図1の非接触給電システムの回路ブロック図である。図2に示されるように、非接触給電システム1は、電源PSから交流電力Pac1を受け、負荷Lに負荷電力Poutを供給するシステムである。電源PSは、商用電源等の交流電源であり、送電装置2に交流電力Pac1を供給する。交流電力Pac1の周波数は、例えば50Hz又は60Hzである。負荷Lは、バッテリ等の直流負荷であってもよく、モータ等の交流負荷であってもよい。
送電装置2は、電源PSから交流電力Pac1を供給される。送電装置2は、第1コイル21と、第1変換器22(変換器)と、第1検出器23と、第1通信器24と、第1制御器25(制御器)と、使用周波数検出器28と、を備えている。
第1変換器22は、電源PSから供給される交流電力Pac1を、所望の交流電力Pac2に変換し、交流電力Pac2を第1コイル21に供給する回路である。第1変換器22は、例えば、後述の周波数制御、位相シフト制御、及び直流電力Pdcの電圧制御によって直流電力Pdc及び交流電力Pac2の大きさ(電力値)を変更することができる。第1変換器22は、電力変換器26と、直流交流変換器(DC/AC converter)27と、を備えている。
電力変換器26は、電源PSから供給された交流電力Pac1を直流電力Pdcに変換する交流直流変換器(AC/DC converter)である。電力変換器26は、例えば整流回路である。整流回路は、ダイオード等の整流素子で構成されてもよいし、トランジスタ等のスイッチング素子で構成されてもよい。電力変換器26は、PFC(Power Factor Correction)機能及び昇降圧機能をさらに有していてもよい。第1変換器22は、電力変換器26の出力に設けられた直流直流変換器(DC/DC converter)をさらに備えていてもよい。電力変換器26は、第1制御器25によって直流電力Pdcの電圧Vdcの大きさを変更するように制御される。電力変換器26は、例えば、パルス幅変調で直流電力Pdcの電圧Vdcの大きさを変更する。電力変換器26は、直流電力Pdcを直流交流変換器27に供給する。
直流交流変換器27は、電力変換器26から供給された直流電力Pdcを交流電力Pac2に変換する。交流電力Pac2の周波数は、例えば81.38kHz~90kHzである。直流交流変換器27は、例えば、インバータ回路を含む。第1変換器22は、直流交流変換器27の出力に設けられたトランスをさらに備えていてもよい。直流交流変換器27は、第1制御器25によって直流電力Pdc及び交流電力Pac2の大きさを変更するように制御される。直流交流変換器27は、交流電力Pac2を第1コイル21に供給する。
第1コイル21は、受電装置3(の第2コイル31)に非接触で電力を伝送するためのコイルである。第1コイル21は、第1変換器22から交流電力Pac2が供給されることによって、磁束を発生する。第1コイル21と第1変換器22との間には、キャパシタ及びインダクタ(例えば、リアクトル)が接続されていてもよい。
第1検出器23は、直流電力Pdcに関する測定値を取得するための回路を含む。直流電力Pdcに関する測定値を取得するための回路は、例えば、電圧センサ、電流センサ、又はその組み合わせである。第1検出器23は、直流電力Pdc、直流電力Pdcの電圧Vdc又は直流電力Pdcの電流Idcを測定する。第1検出器23は、交流電力Pac2、交流電力Pac2の電圧Vac2及び交流電力Pac2の電流Iac2を測定する。第1検出器23は、取得した測定値を第1制御器25に出力する。
第1通信器24は、後述する受電装置3の第2通信器34と無線で通信を行うための回路である。第1通信器24は、例えば、電波を利用する通信方式用のアンテナ、光信号を利用する通信方式用の発光素子及び受光素子を含む。第1通信器24は、受電装置3から受信した情報を第1制御器25に出力する。
第1制御器25は、CPU(Central Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)等の処理装置である。第1制御器25は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び送電装置2の各部と接続するインターフェース回路等を有してもよい。
第1制御器25は、対象電力の電力値を第1電力指令値(電力指令値)に近づける電力一定制御を行う。対象電力としては、直流電力Pdc又は交流電力Pac2が用いられ得る。第1制御器25は、第1検出器23によって検出された電流Idcの測定値に基づいて、第1電力測定値を計算する。対象電力が直流電力Pdcである場合、第1電力測定値とは、直流交流変換器27の損失及び第1コイル21の損失等と、直流交流変換器27から第1コイル21に供給される交流電力Pac2とを含んだ測定値である。第1制御器25は、第1通信器24を介して受電装置3から受信した第2電力指令値に基づいて、直流電力Pdcの目標値である第1電力指令値を計算する。第1制御器25は、電力一定制御として、第1電力測定値及び第1電力指令値に基づいて、第1電力測定値(直流電力Pdc)が第1電力指令値に近づくように第1変換器22を制御する電力制御を行う。
なお、対象電力が交流電力Pac2である場合、第1電力指令値は、交流電力Pac2の目標値であって、交流電力Pac2に応じて設定される。つまり、第1制御器25は、電力一定制御として、交流電力Pac2が交流電力Pac2の目標値である第1電力指令値に近づくように第1変換器22を制御する。以下、対象電力が直流電力Pdcである場合について説明を行う。
なお、第1制御器25は、第1電力指令値を補正するための指令値補正制御を行ってもよい。第1制御器25は、指令値補正制御として、第1通信器24を介して受電装置3から受信した第2電力測定値(後述)及び第2電力指令値(後述)に基づいて、第2電力測定値(負荷電力Pout)が第2電力指令値に近づくように第1変換器22を制御する電力制御を行う。具体的には、第1制御器25は、第2電力測定値が第2電力指令値に近づくように、第1電力指令値を補正する。
第1制御器25は、電力制御として、第1変換器22を制御することによって、直流電力Pdc及び交流電力Pac2の大きさ(電力値)を制御し、負荷Lに供給される負荷電力Poutの大きさを制御する。電力制御は、周波数制御、位相シフト制御、及び直流電力Pdcの電圧制御の少なくとも1つを用いて行われる。各制御において、直流電力Pdc及び交流電力Pac2の大きさを制御するための電力制御パラメータが変更される。
ここで、図3を用いて周波数制御を説明する。図3は、負荷電力の周波数特性を示す図である。図3のグラフの横軸は駆動周波数fを示し、縦軸は負荷電力Pout(の大きさ)を示す。駆動周波数fは、交流電力Pac2の周波数である。交流電力Pac2の周波数とは、第1変換器22から出力される交流電流又は交流電圧の周波数である。以下、交流電力Pac2の周波数を「駆動周波数f」と称する場合がある。図3に示されるように、駆動周波数fに応じて、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさが変更される。駆動周波数fとしては、例えば81.38kHz~90kHzが利用可能である。駆動周波数fが変わることにより、コイル及びキャパシタ等のリアクタンス素子のインピーダンスが変わり、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさが変化する。以下、本実施形態では、駆動周波数fが大きくなるにつれて、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさが小さくなるとする。第1制御器25は、駆動周波数fを変更することによって、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさ(電力値)を変更する周波数制御を実施する。周波数制御における上述の電力制御パラメータは、直流交流変換器27(インバータ回路)の駆動周波数fである。
例えば、当初、駆動周波数fが周波数fbであったと仮定する。このときの負荷電力Poutは電力Pbである。ここで、例えば、駆動周波数fが、周波数fbから周波数faまで減少される。すると、負荷電力Poutは、駆動周波数f=faに対応する電力Paとなる。よって、負荷電力Poutは、電力Pbから電力Paまで増加する。一方、駆動周波数fが、周波数fbから周波数fcまで増加される。すると、負荷電力Poutは、駆動周波数f=fcに対応する電力Pcとなる。よって、負荷電力Poutは、電力Pbから電力Pcまで減少する。
第1制御器25は、上述のように駆動周波数fを変更することによって、負荷電力Poutを所望の電力に近づける。実際に駆動周波数fを変化(増加及び減少)させる制御においては、駆動周波数fをステップ単位で変化させてもよい。駆動周波数fを変えるための1ステップの大きさはとくに限定されず、例えば数Hz~数十Hz、数十Hz~数百Hz程度であってもよい。ステップは、例えば、第1制御器25であるCPUのクロックの分解能で定まる。
周波数制御の具体的な手法は限定されない。例えば、直流交流変換器27がインバータ回路である場合には、第1制御器25は、インバータ回路に含まれる各スイッチング素子に供給される駆動信号を用いて、各スイッチング素子のスイッチング周波数を調整し、駆動周波数fを変更する。スイッチング素子としては、例えば、FET(Field Effect Transistor)及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられ、この場合、駆動信号はスイッチング素子のゲートに印加される。
続いて、位相シフト制御を説明する。第1制御器25は、直流交流変換器27(インバータ回路)の位相シフト量を変更することによって、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさ(電力値)を変更する位相シフト制御を実施する。例えば、直流交流変換器27が図4に示されるようなインバータ回路である場合には、第1制御器25は、インバータ回路に含まれるスイッチング素子SWa~SWdへの駆動信号Sa~Sdの供給時間を調整することによって、各スイッチング素子SWa~SWdがオンとなる時間を調整する。
スイッチング素子SWaの駆動時間とスイッチング素子SWdの駆動時間とが同じであり、スイッチング素子SWbの駆動時間とスイッチング素子SWcの駆動時間とが同じであるときが、インバータ回路の通電期間(オン期間)が最も長くなる。スイッチング素子SWaの駆動時間とスイッチング素子SWdの駆動時間とがずれるほど(スイッチング素子SWbの駆動時間とスイッチング素子SWcの駆動時間とがずれるほど)、インバータ回路のオン期間が短くなる。インバータ回路のオン期間が短くなるほど、直流電力Pdc及び交流電力Pac2は小さくなる。位相シフト制御における上述の電力制御パラメータは、位相シフト量である。位相シフト量は、スイッチング素子SWaの駆動時間とスイッチング素子SWdの駆動時間とのずれ量(又はスイッチング素子SWbの駆動時間とスイッチング素子SWcの駆動時間とのずれ量)である。言い換えれば、位相シフト制御における上述の電力制御パラメータは、インバータ回路のオン期間である。
なお、インバータ回路のソフトスイッチングを実現するために、インバータ回路からの出力電圧(交流電力Pac2の電圧Vac2)の位相が出力電流(交流電力Pac2の電流Iac2)の位相と同じか進んでいる(インバータ回路から見た負荷全体のインピーダンスが誘導性である)必要がある。ここで、本実施形態において、インバータ回路(直流交流変換器27)から見た負荷全体のインピーダンスとは、第1コイル21、第2コイル31、第2変換器32、及び負荷Lのインピーダンスの合計である。電圧と電流との位相差を同じにしておくと、ノイズ及び制御誤差などでインバータ回路から見た負荷全体のインピーダンスが容量性になってしまう。インバータ回路からの出力電流(交流電力Pac2の電流Iac2)の位相が出力電圧(交流電力Pac2の電圧Vac2)の位相よりも進んでいる場合、インバータ回路から見た負荷全体のインピーダンスは容量性である。したがって、安全性を確保するために、位相差が所定値よりも小さくならないように電圧の位相を電流の位相よりも進めておく。この所定値を位相余裕と呼ぶ。
位相シフト量は、例えば、交流電力Pac2の1周期の長さ(つまり360度)を100%としてパーセント表示されてもよい。この場合、位相シフトが全く行われていない状態では、位相シフト量は0%である。なお、位相シフト制御においては、位相シフト量が0%のときに直流電力Pdc及び交流電力Pac2が最大になり、負荷電力Poutも最大になる。位相シフト量の最大値は、第1コイル21の回路特性(例えば第1コイル21及び図示しないキャパシタを含む共振回路の特性)によって変わるが、例えば、50%程度である。すなわち、一態様において、位相シフト量の下限値は0%に設定され得る。位相シフト量の上限値は50%に設定され得る。
続いて、直流電力Pdcの電圧制御を説明する。第1制御器25は、直流電力Pdcの電圧Vdcの大きさを変更することによって、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさ(電力値)を変更する電圧制御を実施する。直流電力Pdcの電圧Vdcの変更は、例えば上述の電力変換器26が有する昇降圧機能を利用して行われる。例えば、直流電力Pdcの電圧Vdcが大きくなるにつれて直流電力Pdc及び交流電力Pac2も大きくなり、直流電力Pdcの電圧Vdcが小さくなるにつれて直流電力Pdc及び交流電力Pac2も小さくなる。よって、直流電力Pdcの電圧制御における上述の電力制御パラメータは、直流電力Pdcの電圧Vdcの大きさである。昇降圧機能は、例えば、チョッパ回路で実現され得る。
使用周波数検出器28は、非接触給電システム1とは異なる他の機器によって使用される周波数帯域である使用周波数帯域を検出する回路である。使用周波数検出器28は、例えば、ラジオの自動チューニングと同様に、オートスキャンによって使用周波数帯域を検出する。使用周波数検出器28は、GPS(Global Positioning System)等を用いて送電装置2の位置情報を取得し、当該位置情報によって示される位置を含む地域において、他の機器に対して割り当てられている割当周波数帯域を使用周波数帯域として検出してもよい。地域ごとの割当周波数帯域は、不図示のメモリに予め設定されている。使用周波数検出器28は、検出された周波数帯域の高調波成分を使用周波数帯域としてもよい。使用周波数検出器28は、使用周波数帯域を示す使用周波数情報を第1制御器25に出力する。なお、ユーザが使用周波数帯域を第1制御器25に設定してもよい。この場合、送電装置2は、使用周波数検出器28を備えていなくてもよい。
受電装置3は、第2コイル31と、第2変換器32と、第2検出器33と、第2通信器34と、第2制御器35と、を備えている。
第2コイル31は、送電装置2から非接触で供給される電力を受け取るためのコイルである。第1コイル21によって発生された磁束が第2コイル31に鎖交することによって、第2コイル31に交流電力Pac3が生じる。第2コイル31は、交流電力Pac3を第2変換器32に供給する。なお、第2コイル31と第2変換器32との間には、キャパシタ及びインダクタ(例えば、リアクトル)が接続されていてもよい。
第2変換器32は、第2コイル31から供給された交流電力Pac3を負荷Lにとって所望の負荷電力Poutに変換する回路である。負荷Lが直流負荷である場合、第2変換器32は、交流電力Pac3を直流の負荷電力Poutに変換する交流直流変換器(整流回路)である。この場合、第2変換器32は、負荷Lにとって所望の負荷電力Poutを出力するために昇降圧機能を含んでいてもよい。この昇降圧機能は、例えばチョッパ回路又はトランスで実現され得る。第2変換器32は、交流直流変換器の入力に設けられたトランスをさらに備えていてもよい。
負荷Lが交流負荷である場合、第2変換器32は、交流電力Pac3を直流電力に変換する交流直流変換器に加えて、さらに直流交流変換器(インバータ回路)を含む。直流交流変換器は、交流直流変換器によって生成された直流電力を交流の負荷電力Poutに変換する。第2変換器32は、交流直流変換器の入力に設けられたトランスをさらに備えていてもよい。なお、第2コイル31から供給される交流電力Pac3が負荷Lにとって所望の交流電力である場合には、第2変換器32は省略され得る。
第2検出器33は、負荷Lに供給される負荷電力Poutに関する測定値を取得するための回路である。第2検出器33は、負荷Lに供給される負荷電圧Vout、負荷電流Iout又は負荷電力Poutを測定する。第2検出器33は、例えば、電圧センサ、電流センサ、又はその組み合わせである。第2検出器33は、取得した測定値を第2制御器35に出力する。負荷Lは、第2電力指令値を第2制御器35に出力する。第2電力指令値は、負荷Lに供給すべき所望の電力の大きさを示す。例えば負荷Lが蓄電池の場合には、第2電力指令値は、負荷LのSOC(State Of Charge)に応じて定められた電流、電圧、又は電力の指令値であってもよい。
第2通信器34は、送電装置2の第1通信器24と無線で通信を行うための回路である。第2通信器34により、受電装置3は、送電装置2と通信可能である。第2通信器34は、例えば、電波を利用する通信方式用のアンテナ、光信号を利用する通信方式用の発光素子及び受光素子を含む。第2通信器34は、第2制御器35から受信した情報を送電装置2に送信する。
第2制御器35は、CPU及びDSP等の処理装置である。第2制御器35は、ROM、RAM及び受電装置3の各部と接続するインターフェース回路等を含んでいてもよい。第2制御器35は、第2検出器33から受信した測定値に基づいて第2電力測定値を計算する。第2制御器35は、第2電力測定値及び負荷Lから受信した第2電力指令値を第2通信器34を介して送電装置2に送信する。
なお、例えば、送電装置2に電源PSに代えて電気自動車の蓄電池が接続され、受電装置3に負荷Lに代えて電源PSが接続されることによって、受電装置3から送電装置2に電力を伝送することも可能である。
次に、図5~図7を参照して、電力制御を詳細に説明する。図5は、図2の第1制御器が行う電力制御の一連の処理を示すフローチャートである。図6は、図5の周波数変更処理の一例を詳細に示すフローチャートである。図7は、図5の電力制御を説明するための図である。図5に示される一連の処理は、第1制御器25が受電装置3から第2電力指令値を受信することによって開始される。
第1制御器25は、まず、受電装置3から受信した第2電力指令値に基づいて、第1電力指令値を計算する(ステップS1)。なお、受電装置3が第2電力指令値とともに第2電力測定値を送電装置2に送信する場合、第1制御器25は、第2電力測定値が第2電力指令値に近づくように、第1電力指令値を補正してもよい。ここでは、第1電力測定値(直流電力Pdc)が第1電力指令値よりも小さい場合を説明するが、第1電力測定値が第1電力指令値よりも大きい場合も同様である。第1電力測定値が第1電力指令値と等しい場合には、以降の処理は行われることなく、電力制御が終了する。
続いて、第1制御器25は、電圧Vdcを設定する(ステップS2)。例えば、送電装置2の起動時においては、第1制御器25は、電圧Vdcが、電力変換器26が出力可能な電圧Vdcの電圧範囲のうちの最小の電圧となるように、電力変換器26を制御する。第1制御器25は、電圧Vdcが予め定められた電圧(例えば、420V)となるように電力変換器26を制御してもよい。送電装置2が稼働している場合には、第1制御器25は、電力変換器26が出力している電圧Vdcで固定してもよい。
ここでは、電圧Vdcが、電力変換器26が出力可能な電圧範囲のうちの最小の電圧に設定される場合を例として説明する。この電圧Vdcにおいては、直流電力Pdcの周波数特性は、図7に示された特性C1となる。図7に示される特性C1~C4は、異なる電圧Vdcにおける直流電力Pdcの周波数特性である。電圧Vdcが大きくなるに従い、直流電力Pdcの周波数特性は特性C1、特性C2、特性C3、及び特性C4の順に変更される。言い換えると、電圧Vdcが大きくなるに従い、同一の直流電力Pdcを得るための駆動周波数fが大きくなる。
続いて、第1制御器25は、周波数制御を行い(ステップS3)、周波数制御によって第1電力測定値を第1電力指令値に近づける。ここでは、駆動周波数fが変更されるに従い、第1電力測定値(直流電力Pdcの電力値)が特性C1に沿って変化する。なお、送電装置2の起動時においては、周波数制御を行う前の駆動周波数fは、直流電力Pdcが最も小さくなる周波数(例えば、90kHz)に設定されている。送電装置2が稼働している場合には、直前まで用いられていた駆動周波数fがそのまま使用されてもよい。第1制御器25は、例えば、駆動周波数fをステップ単位で変化させることによって、第1電力測定値を第1電力指令値に徐々に近づける。なお、駆動周波数fの変化量に対する直流電力Pdcの変化量が小さい周波数帯域においては、第1制御器25は、1ステップ当たりの駆動周波数fの変化量を大きくしてもよい。
図7に示されるように、第1電力測定値が第1電力指令値に合わせられる過程において、駆動周波数fが一時的に使用周波数帯域(この例では、使用周波数帯域FB2)に含まれることがある。しかしながら、駆動周波数fが使用周波数帯域FB2に含まれている時間は比較的短いので、他の機器への影響は限定的である。
そして、第1制御器25は、第1電力測定値が第1電力指令値に達した(一致している)か否かを判定する(ステップS4)。第1電力測定値が第1電力指令値に達していない(一致していない)と判定された場合(ステップS4;NO)、第1制御器25は、引き続きステップS3の周波数制御を行う。一方、第1電力測定値が第1電力指令値に達した(一致している)と判定された場合(ステップS4;YES)、第1制御器25は、不図示のメモリから使用周波数帯域情報を読み出し、駆動周波数fの周波数f0がいずれかの使用周波数帯域に含まれているか否かを判定する(ステップS5)。周波数f0は、特性C1において、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に達した際の駆動周波数fである。
周波数f0がいずれの使用周波数帯域にも含まれていないと判定された場合(ステップS5;NO)、電力制御の一連の処理が終了する。一方、ステップS5において、周波数f0がいずれかの使用周波数帯域に含まれていると判定された場合(ステップS5;YES)、第1制御器25は、駆動周波数fを使用周波数帯域外とするための周波数変更処理(ステップS6)を実施する。周波数変更処理は、周波数制御による電力一定制御を行いながら、駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に変更する処理である。
ステップS6の周波数変更処理では、図6に示されるように、まず、第1制御器25が周波数制御による電力一定制御を行いながら、直流電力Pdcの電圧制御を行う(ステップS11)。具体的には、第1制御器25は、電圧Vdcの大きさを変更するように電力変換器26を制御する。ステップS2において、電力変換器26が出力可能な電圧Vdcの電圧範囲のうちの最小の電圧に電圧Vdcが設定されていた場合、第1制御器25は、電圧Vdcを増加させるように電力変換器26を制御する。第1制御器25は、例えば、電圧Vdcをステップ単位で徐々に変化させる。
このとき、電圧Vdcの大きさに応じて周波数特性が変化するので、駆動周波数fが周波数f0に維持されている場合には、直流電力Pdcの電力値(第1電力測定値)が第1電力指令値とは異なる値になってしまう。しかしながら、第1制御器25は、周波数制御を用いて電力一定制御を行っているので、電圧Vdcの大きさを変更するように電力変換器26を制御するとともに、駆動周波数fを変更することによって、第1電力測定値が第1電力指令値と一致している状態を維持する。
続いて、第1制御器25は、駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数になったか否かを判定する(ステップS12)。駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数でない、つまり駆動周波数fが使用周波数帯域に含まれていると判定された場合(ステップS12;NO)、第1制御器25は、電圧Vdcを変更することが可能か否かを判定する(ステップS13)。例えば、図7に示されるように、電力変換器26が出力可能な電圧Vdcの電圧範囲の最小の電圧から電圧Vdcが増加されている場合、電圧Vdcが上記電圧範囲の最大の電圧に達していないのであれば、電圧Vdcをさらに増加することができる。このような場合、第1制御器25は、電圧Vdcを変更することが可能であると判定し(ステップS13;YES)、ステップS11の処理を再び行う。
図7の例では、電圧Vdcを増加することによって、直流電力Pdcの周波数特性が特性C2に変更される。しかし、特性C2において、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値と一致する場合の駆動周波数fは、使用周波数帯域FB1内に含まれる。このため、電圧Vdcがさらに増加される。
一方、上述のような場合において、電圧Vdcが上記電圧範囲の最大の電圧に達しているのであれば、電圧Vdcをさらに増加することはできない。このような場合、第1制御器25は、電圧Vdcを変更することができないと判定し(ステップS13;NO)、第1電力指令値を変更し(ステップS14)、ステップS11の処理を再び行う。例えば、第1制御器25は、電圧Vdcを変更可能な範囲において、駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数に設定されるように、第1電力指令値を変更する(下げる)。
一方、ステップS12において、駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数になったと判定された場合(ステップS12;YES)、電力制御の一連の処理が終了する。図7の例では、電圧Vdcを増加することによって、直流電力Pdcの周波数特性が特性C4に変更される。この特性C4において、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値と一致する場合の駆動周波数f(周波数f1)は、使用周波数帯域FB1外となる。
例えば、負荷Lがバッテリである場合、バッテリの充電が進むとバッテリ電圧(負荷電圧Vout)が上昇する。この場合、直流電力Pdcの周波数特性が変化するが、周波数制御による電力一定制御が行われているので、駆動周波数fが変化する。このとき、駆動周波数fが上がるか下がるかは、共振回路の構成等に応じて定まる。駆動周波数fが上がる場合には、駆動周波数fは使用周波数帯域FB1から遠ざかる。この場合、ステップS14において第1電力指令値が下げられていれば、第1制御器25は、第1電力指令値を元の値まで段階的に上げてもよい。駆動周波数fが下がる場合には、駆動周波数fは使用周波数帯域FB1に近づくので、第1制御器25は、第1電力指令値をさらに引き下げることにより、駆動周波数fが使用周波数帯域FB1に含まれないようにしてもよい。駆動周波数fがある程度下がると、第1電力指令値が元の値であっても、使用周波数帯域FB1の下限周波数よりも小さい場合がある。このため、第1制御器25は、駆動周波数fの減少量が予め設定された閾値を超えた場合に、第1電力指令値を元の値に戻してもよい。
以上説明したように、送電装置2では、直流電力Pdcの電力値(第1電力測定値)が第1電力指令値に達した際の交流電力Pac2の駆動周波数f(周波数f0)が他の機器によって使用される使用周波数帯域に含まれる場合、周波数変更処理が行われる。周波数変更処理では、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わされた状態を維持する電力一定制御とともに、駆動周波数fが使用周波数帯域とは異なる周波数となるように駆動周波数fが変更される。このように、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に一旦達すると、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態が維持される。このため、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に達した後に、駆動周波数fが変更されたとしても、直流電力Pdcの電力値は第1電力指令値に合わせられている。その結果、他の機器との干渉を抑制しつつ、第2電力指令値が受信されてから、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられるまでの応答時間を短縮することが可能となる。
上記実施形態では、第1制御器25は、直流電力Pdcの電圧制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行う。直流電力Pdcの電圧Vdcが変更されると、直流電力Pdcの周波数特性が変化する。このため、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態を維持するために、駆動周波数fが変更される。これにより、駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
上記実施形態では、第1制御器25は、電力変換器26が出力可能な電圧範囲のうちの最小の電圧に電圧Vdcを設定している。このため、第1制御器25は、周波数変更処理において、電圧Vdcを増加させることによって直流電力Pdcの電圧制御を行う。この場合、電圧Vdcが低い電圧から順に増加されるので、駆動周波数fが使用周波数帯域とは異なる周波数に変更された際の電圧Vdcを低くすることができる。電圧Vdcが低いほど、第1コイル21と第2コイル31との間の電力の伝送効率は高い。したがって、第1コイル21と第2コイル31との間の電力の伝送効率を向上させることが可能となる。電圧Vdcを低くすることによって、送電装置2が破壊される可能性を低減することができる。
第1制御器25は、駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に変更できない場合、第1電力指令値を下げ、周波数変更処理を行う。これにより、駆動周波数fは使用周波数帯域とは異なる周波数に変更され得る。したがって、他の機器との干渉をより確実に抑制することが可能となる。
第1コイル21と第2コイル31との間のギャップが変動した場合には、負荷電力Poutが変動することがある。負荷Lがバッテリである場合、バッテリのSOCに応じて負荷電圧Voutが変動すると、負荷電力Poutも変動することがある。これに対し、第1制御器25は、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に達した後、電力一定制御を行うので、上述のような過渡応答に追従することが可能となる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されない。例えば、非接触給電システム1は、電気自動車EVに限られず、プラグインハイブリッド車及び水中航走体等の移動体に適用されてもよく、移動体以外に適用されてもよい。
第1制御器25は、直流電力Pdcの電圧制御に代えて、位相シフト制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。図5、図8、及び図9を参照して、変形例の電力制御を説明する。図8は、図5の周波数変更処理の別の例を詳細に示すフローチャートである。図9は、図8の周波数変更処理を含む電力制御を説明するための図である。直流交流変換器27の位相シフト量の初期値は、0に設定されている。
変形例の電力制御では、ステップS1~S5は、上記実施形態の電力制御のステップS1~S5と同様である。この変形例では、電圧Vdcが、電力変換器26が出力可能な電圧範囲のうちの最小の電圧に設定(固定)される場合を例として説明する。
続いて、第1制御器25は、周波数変更処理を実施する(ステップS6)。ステップS6の周波数変更処理では、図8に示されるように、まず、第1制御器25が周波数制御による電力一定制御を行いながら、直流交流変換器27の位相シフト制御を行う(ステップS21)。具体的には、第1制御器25は、駆動信号Sa~Sd(図4参照)の供給時間を調整することによって、位相シフト量を変更する。位相シフト量の初期値は0に設定されているので、第1制御器25は、位相シフト量を増加する。第1制御器25は、例えば、位相シフト量をステップ単位で徐々に変化させる。
このとき、位相シフト量に応じて直流電力Pdcの周波数特性が変化するので、駆動周波数fが周波数f0に維持されている場合には、直流電力Pdcの電力値(第1電力測定値)が第1電力指令値とは異なる値になってしまう。例えば、位相シフト量が増加された場合には、同じ駆動周波数fで直流交流変換器27を駆動したとしても、直流電力Pdcの電力値は減少する。しかしながら、第1制御器25は、周波数制御を用いて電力一定制御を行っているので、位相シフト量を変更するとともに、駆動周波数fを変更(減少)することによって、第1電力測定値が第1電力指令値と一致している状態を維持する。
続いて、第1制御器25は、駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数になったか否かを判定する(ステップS22)。駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数でない、つまり駆動周波数fが使用周波数帯域に含まれていると判定された場合(ステップS22;NO)、第1制御器25は、位相シフト量を変更(増加)することが可能か否かを判定する(ステップS23)。位相シフト量が最大値に達していないのであれば、位相シフト量をさらに増加することができる。このような場合、第1制御器25は、位相シフト量を変更することが可能であると判定し(ステップS23;YES)、ステップS21の処理を再び行う。
一方、位相シフト量が最大値に達しているのであれば、位相シフト量をさらに増加することはできない。このような場合、第1制御器25は、位相シフト量を変更することができないと判定し(ステップS23;NO)、第1電力指令値を変更し(ステップS24)、ステップS21の処理を再び行う。例えば、第1制御器25は、位相シフト量を変更可能な範囲において、駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数に設定されるように、第1電力指令値を下げる。
一方、ステップS22において、駆動周波数fが使用周波数帯域外の周波数になったと判定された場合(ステップS22;YES)、電力制御の一連の処理が終了する。図9の例では、位相シフト量を増加することによって、直流電力Pdcの周波数特性が変更される。この特性において直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値と一致する場合の駆動周波数f(周波数f2)は、特性C1において直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値と一致する場合の駆動周波数f(周波数f0)よりも小さく、使用周波数帯域FB1外である。
例えば、負荷Lがバッテリである場合、バッテリの充電が進むとバッテリ電圧(負荷電圧Vout)が上昇する。この場合、直流電力Pdcの周波数特性が変化するが、周波数制御による電力一定制御が行われているので、駆動周波数fが変化する。駆動周波数fが下がる場合には、駆動周波数fは使用周波数帯域FB1から遠ざかる。この場合、第1制御器25は、位相シフト量を段階的に小さくしてもよい。一方、駆動周波数fが上がる場合には、駆動周波数fは使用周波数帯域FB1に近づくので、第1制御器25は、位相シフト量をさらに大きくすることにより、駆動周波数fが使用周波数帯域FB1に含まれないようにしてもよい。なお、直流電力Pdcの周波数特性が変化した場合の処理として、上記実施形態と同様の処理が行われてもよい。
この変形例では、直流交流変換器27の位相シフト量が変更されると、直流電力Pdcの周波数特性が変化する。このため、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態を維持するために、駆動周波数fが変更される。これにより、駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。以上説明したように、上記変形例の送電装置2においても、上記実施形態に係る送電装置2と同様の効果が奏される。
上記変形例では、第1制御器25は、電圧Vdcが一定となるように、電力変換器26を制御している。具体的には、電圧Vdcが、電力変換器26が出力可能な電圧範囲のうちの最小の電圧のような、低い電圧に設定されている。この構成によれば、直流交流変換器27の耐電圧を上げることなく、周波数変更処理を行うことができる。その結果、直流交流変換器27の大型化を招くことなく、他の機器との干渉を抑制することが可能となる。直流交流変換器27に耐電圧の低い部品を用いることができるので、送電装置2のコストを低減することができる。
直流交流変換器27のスイッチング素子として耐電圧の高いスイッチング素子が用いられると、スイッチング素子のオン抵抗が大きくなるので、直流交流変換器27における損失が増加する。このため、耐電圧の低いスイッチング素子を用いることによって、送電装置2の電力効率の低下を軽減することが可能となる。
さらに、上記変形例では、電圧Vdcが変更されないので、ギャップ変動等の過渡応答に追従することができる。
電圧Vdcが低いほど、第1コイル21と第2コイル31との間の電力の伝送効率は高い。したがって、電圧Vdcを低くすることによって、第1コイル21と第2コイル31との間の電力の伝送効率を向上させることが可能となる。電圧Vdcを低くすることによって、送電装置2が破壊される可能性を低減することができる。
交流電力Pac1の電圧Vac1を下げることによって、電圧Vdcをさらに下げることができるが、電圧Vac1の電圧範囲が狭くなる。これに対し、電力変換器26は、PFC回路の後段に降圧用の直流直流変換器をさらに備えることによって、電圧Vac1の電圧範囲を狭めることなく、電圧Vdcをさらに下げることが可能である。PFC回路の出力可能な電圧範囲内に電圧Vdcが設定される場合には、降圧用の直流直流変換器は省略され得るので、送電装置2のコストを低減することが可能となる。なお、上記変形例において、電圧Vdcは、数V程度変更されてもよい。
第1制御器25は、インピーダンス制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。図10を参照して、別の変形例の送電装置2を含む非接触給電システム1を説明する。図10は、別の変形例に係る送電装置を含む非接触給電システムの回路ブロック図である。図10に示されるように、別の変形例に係る非接触給電システム1は、送電装置2の第1変換器22がインピーダンス変換器29をさらに備える点において、上記実施形態の非接触給電システム1と主に相違する。
インピーダンス変換器29は、直流交流変換器27と第1コイル21との間に設けられている。インピーダンス変換器29は、直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンス(直流交流変換器27から見たインピーダンス)を変更するための装置である。インピーダンス変換器29は、例えば、TMN(Tunable matching network)であってもよい。TMNについては、公知であるのでその説明を省略する(米国特許出願公開第2019/0006836号明細書、及び米国特許出願公開第2019/0006885号明細書等参照)。
第1変換器22は、周波数制御、位相シフト制御、及び直流電力Pdcの電圧制御に加えて、インピーダンス制御よっても直流電力Pdc及び交流電力Pac2の大きさ(電力値)を変更することができる。すなわち、第1制御器25によって行われる電力制御は、周波数制御、位相シフト制御、直流電力Pdcの電圧制御、及びインピーダンス制御の少なくとも1つを用いて行われる。
続いて、インピーダンス制御を説明する。第1制御器25は、直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスの大きさを変更することによって、直流電力Pdc、交流電力Pac2、及び負荷電力Poutの大きさ(電力値)を変更するインピーダンス制御を実施する。直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスが大きくなるにつれて直流電力Pdc及び交流電力Pac2が小さくなり、直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスが小さくなるにつれて直流電力Pdc及び交流電力Pac2が大きくなる。よって、インピーダンス制御における上述の電力制御パラメータは、直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスの大きさである。
別の変形例の電力制御は、位相シフト制御に代えてインピーダンス制御が用いられる点において、上記変形例の電力制御と異なる。このため、詳細な説明を省略する。
この別の変形例では、直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスが変更されると、直流電力Pdcの周波数特性が変化する。このため、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態を維持するために、駆動周波数fが変更される。これにより、駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。以上説明したように、別の変形例の送電装置2においても、上記変形例に係る送電装置2と同様の効果が奏される。なお、インピーダンス変換器29は、第2コイル31と第2変換器32との間に設けられてもよい。
さらに、第1制御器25は、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に達した際の駆動周波数f(周波数f0)に応じて、直流電力Pdcの電圧制御及び位相シフト制御のいずれかを選択し、選択された制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。例えば、周波数変更処理が行われる前に、電圧Vdcが、電力変換器26が出力可能な電圧範囲のうちの最小電圧に設定され、位相シフト量が0に設定されているとする。この場合、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態を維持するためには、直流電力Pdcの電力制御と周波数制御とによる周波数変更処理では、駆動周波数fを増加させることのみが可能であり、位相シフト制御と周波数制御とによる周波数変更処理では、駆動周波数fを減少させることのみが可能である。
第1制御器25は、例えば、直流電力Pdcの電力値を第1電力指令値とすることができるか否か、位相シフト制御によって直流交流変換器27(インバータ回路)から見た負荷全体のインピーダンスが容量性(C負荷)となるか否か、位相シフト制御によってEMC(Electromagnetic Compatibility)及び誤動作等のノイズの影響があるか否か、電力伝送が進むことによって直流電力Pdcの周波数特性が変化した場合に、駆動周波数fが上がるか下がるか、といった各基準を考慮して、直流電力Pdcの電力制御及び直流交流変換器27の位相シフト制御のいずれかを選択する。ここで、本変形例における直流交流変換器27(インバータ回路)から見た負荷全体のインピーダンスとは、インピーダンス変換器29、第1コイル21、第2コイル31、第2変換器32、及び負荷Lのインピーダンスの合計である。例えば、第1制御器25は、直流交流変換器27(インバータ回路)から見た負荷全体のインピーダンスが容量性となる場合、直流電力Pdcの電圧制御を選択する。第1制御器25は、ノイズの影響がある場合には、直流電力Pdcの電圧制御を選択する。あるいは、第1制御器25は、直流電力Pdcの周波数特性が変化した場合に、駆動周波数fが使用周波数帯域から遠ざかる制御を選択する。
これにより、駆動周波数fが使用周波数帯とは異なる周波数に設定されるまでの時間を短縮することが可能となる。電圧制御及び位相シフト制御を用いることによって、駆動周波数fの調整範囲を広げることができるので、より確実に駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。さらに、ノイズを抑える制御を行うことなく、ノイズの影響を低減しながら充電制御を安定化することが可能となる。
同様に、第1制御器25は、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に達した際の駆動周波数f(周波数f0)に応じて、直流電力Pdcの電圧制御及びインピーダンス制御のいずれかを選択し、選択された制御を周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行ってもよい。例えば、周波数変更処理が行われる前に、電圧Vdcが、電力変換器26が出力可能な電圧範囲のうちの最小電圧に設定され、直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスが最小値に設定されているとする。この場合、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態を維持するためには、電力制御と周波数制御とによる周波数変更処理では、駆動周波数fを増加させることのみが可能であり、インピーダンス制御と周波数制御とによる周波数変更処理では、駆動周波数fを減少させることのみが可能である。
直流電力Pdcの電圧制御とインピーダンス制御とのいずれが選択されるかの基準は、直流電力Pdcの電圧制御と位相シフト制御とのいずれが選択されるかの基準と同様である。これにより、駆動周波数fが使用周波数帯とは異なる周波数に設定されるまでの時間を短縮することが可能となる。電圧制御及びインピーダンス制御を用いることによって、駆動周波数fの調整範囲を広げることができるので、より確実に駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。さらに、ノイズを抑える制御を行うことなく、ノイズの影響を低減しながら充電制御を安定化することが可能となる。
以上説明したように、第1制御器25は、直流電力Pdcの電圧制御、直流交流変換器27の位相シフト制御、及び直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンス制御の少なくとも1つを周波数制御とともに行うことによって、周波数変更処理を行う。電圧Vdc、直流交流変換器27の位相シフト量、又は直流交流変換器27と第1コイル21との間のインピーダンスが変更されると、直流電力Pdcの周波数特性が変化する。このため、直流電力Pdcの電力値が第1電力指令値に合わせられた状態を維持するために、駆動周波数fが変更される。これにより、駆動周波数fを使用周波数帯域とは異なる周波数に設定することが可能となる。
なお、上述のように、第1制御器25は、電力一定制御として、交流電力Pac2が交流電力Pac2の目標値である第1電力指令値に近づくように第1変換器22を制御してもよい。交流電力Pac2の周波数特性は、上述の直流電力Pdcの周波数特性と同様である。交流電力Pac2を用いた電力制御は、直流電力Pdcを用いた電力制御と同様である。
1 非接触給電システム
2 送電装置
3 受電装置
4 第1コイル装置
5 第2コイル装置
21 第1コイル
22 第1変換器(変換器)
23 第1検出器
24 第1通信器
25 第1制御器(制御器)
26 電力変換器
27 直流交流変換器
28 使用周波数検出器
29 インピーダンス変換器
31 第2コイル
32 第2変換器
33 第2検出器
34 第2通信器
35 第2制御器
SWa スイッチング素子
SWb スイッチング素子
SWc スイッチング素子
SWd スイッチング素子
EV 電気自動車
FB1 使用周波数帯域
FB2 使用周波数帯域
Idc 電流
Iout 負荷電流
L 負荷
Pac1 交流電力
Pac2 交流電力
Pac3 交流電力
Pdc 直流電力
Pout 負荷電力
PS 電源
R 路面
Sa 駆動信号
Sb 駆動信号
Sc 駆動信号
Sd 駆動信号
Vdc 電圧
Vout 負荷電圧

Claims (6)

  1. 負荷に接続された受電装置に電力を供給するための送電装置であって、
    第1コイルであり、前記受電装置の第2コイルに非接触で前記電力を伝送するための前記第1コイルと、
    直流電力を交流電力に変換するとともに前記交流電力を前記第1コイルに供給する直流交流変換器を含む変換器と、
    前記交流電力の周波数を変更する周波数制御によって、対象電力の電力値を電力指令値に近づける制御器と、
    を備え、
    前記対象電力は、前記直流電力又は前記交流電力であり、
    前記制御器は、前記電力値が前記電力指令値に達した際の前記周波数が前記受電装置と前記送電装置とは異なる他の機器によって使用される使用周波数帯域に含まれる場合、前記電力値が前記電力指令値に合わされた状態を維持する電力一定制御を行いながら前記周波数が前記使用周波数帯域とは異なる周波数となるように前記周波数を変更する周波数変更処理を行
    前記制御器は、前記電力値が前記電力指令値に達した際の前記周波数に応じて、前記直流電力の電圧を変更する電圧制御及び前記直流交流変換器の位相シフト制御のいずれかを選択し、選択された制御を前記周波数制御とともに行うことによって、前記周波数変更処理を行う、送電装置。
  2. 負荷に接続された受電装置に電力を供給するための送電装置であって、
    第1コイルであり、前記受電装置の第2コイルに非接触で前記電力を伝送するための前記第1コイルと、
    直流電力を交流電力に変換するとともに前記交流電力を前記第1コイルに供給する直流交流変換器を含む変換器と、
    前記交流電力の周波数を変更する周波数制御によって、対象電力の電力値を電力指令値に近づける制御器と、
    を備え、
    前記対象電力は、前記直流電力又は前記交流電力であり、
    前記制御器は、前記電力値が前記電力指令値に達した際の前記周波数が前記受電装置と前記送電装置とは異なる他の機器によって使用される使用周波数帯域に含まれる場合、前記電力値が前記電力指令値に合わされた状態を維持する電力一定制御を行いながら前記周波数が前記使用周波数帯域とは異なる周波数となるように前記周波数を変更する周波数変更処理を行
    前記制御器は、前記電力値が前記電力指令値に達した際の前記周波数に応じて、前記直流電力の電圧を変更する電圧制御及び前記直流交流変換器と前記第1コイルとの間のインピーダンスを制御するインピーダンス制御のいずれかを選択し、選択された制御を前記周波数制御とともに行うことによって、前記周波数変更処理を行う、送電装置。
  3. 前記制御器は、前記電圧制御を前記周波数制御とともに行う場合、前記電圧を増加させることによって、前記電圧制御を行う、請求項1又は請求項2に記載の送電装置。
  4. 前記制御器は、前記位相シフト制御を前記周波数制御とともに行う場合、前記電圧が一定となるように、前記変換器を制御する、請求項1に記載の送電装置。
  5. 前記制御器は、前記インピーダンス制御を前記周波数制御とともに行う場合、前記電圧が一定となるように、前記変換器を制御する、請求項2に記載の送電装置。
  6. 前記制御器は、前記周波数を前記使用周波数帯域とは異なる周波数に変更できない場合、前記電力指令値を下げる、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の送電装置。
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