JP7331611B2 - イソシアネート組成物、重合性組成物、化合物、重合物、レンズ、コーティング剤、および、イソシアネート化合物の製造方法 - Google Patents

イソシアネート組成物、重合性組成物、化合物、重合物、レンズ、コーティング剤、および、イソシアネート化合物の製造方法 Download PDF

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本発明は、イソシアネート化合物、および、これを用いたイソシアネート組成物、重合性組成物、重合物、レンズ、コーティング剤、ならびに、イソシアネート化合物の製造方法に関する。
イソシアネート化合物は、少なくとも1つのイソシアネート基(-NCO)を有する化合物であって、各種用途に広く用いられている。イソシアネート化合物の用途の一例としては、ポリウレタンおよびポリチオウレタンの原料が挙げられる。
一方、イソシアネート化合物をポリチオウレタンに用いた例としては、特許文献1が挙げられる。
特開2017-095695号公報
近年、イソシアネート化合物の需要が拡大している。そのため、新たなイソシアネート化合物が求められるようになっている。そして、新たなイソシアネート化合物は、その特性に応じ、各種工業材料として、色々な用途への展開が期待される。
かかる状況のもと、本発明では、新規なイソシアネート化合物、および、これを用いたイソシアネート組成物、重合性組成物、重合物、レンズ、コーティング剤、ならびに、イソシアネート化合物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、検討を行った結果、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>式(1)で表される化合物を含む、イソシアネート組成物。
(式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
<2>式(1)中のAがノルボルナンジイル基である、<1>に記載のイソシアネート組成物。
<3>式(1)中のBがフェニル基である、<1>または<2>に記載のイソシアネート組成物。
<4>式(1)で表される化合物と、ポリオールおよびポリチオールの少なくとも一方を含む、重合性組成物。
(式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
<5>式(1)中のAがノルボルナンジイル基である、<4>に記載の重合性組成物。
<6>式(1)中のBがフェニル基である、<4>または<5>に記載の重合性組成物。
<7>式(1)で表される化合物。
(式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
<8>式(1)中のAがノルボルナンジイル基である、<7>に記載の化合物。
<9>式(1)中のBがフェニル基である、<7>または<8>に記載の化合物。
<10><4>~<6>のいずれか1つに記載の重合性組成物から形成された重合物。
<11><10>に記載の重合物を含むレンズ。
<12><10>に記載の重合物を含むコーティング剤。
<13>式(2)で表される化合物に対して、ホスゲンを反応させることを含む、イソシアネート化合物の製造方法。
(式(2)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
本発明により、新規なイソシアネート化合物、および、これを用いたイソシアネート組成物、重合性組成物、重合物、レンズ、コーティング剤、ならびに、イソシアネート化合物の製造方法を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
[式(1)で表される化合物]
本発明の化合物は、式(1)で表される化合物である。このような新規なイソシアネート化合物を用いることにより、各種用途への応用が期待できる。特に、ポリウレタンやポリチオウレタンの原料として期待される。
(式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
式(1)中、Aは環状アルキレン基である。すなわち、環状アルキレン基は、式中のメチン基(CH)およびメチレン基(CH2)にそれぞれ直接結合している。
ここでの環状アルキレン基は置換基を有していてもよい。しかしながら、環状アルキレン基は無置換であることが好ましい。
環状アルキレン基としては、炭素数3~10の環状アルキレン基であることが好ましく、炭素数5~8の環状アルキレン基であることがより好ましい。また、架橋構造を有する環状アルキレン基であることが好ましい。
具体的にはAは、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、中でもノルボルナンジイル基であることが特に好ましい。ノルボルナンジイル基としては、式(N1)または(N2)で表されるものが好ましい。式中の*は結合位置を表す。
式(1)中のBはアリール基またはヘテロアリール基を含み、アリール基が好ましい。
ここでのアリール基またはヘテロアリール基はアミノメチル基などの置換基を有していてもよい。しかしながら、アリール基またはヘテロアリール基は無置換であることが好ましい。
なお、本明細書において「アリール基」は置換または無置換の芳香族炭化水素基を意味し、「ヘテロアリール基」が含まれない意味である。
アリール基としては、炭素数6~22のものが好ましく、6~18がより好ましく、6~10がさらに好ましい。アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ビフェニリル基、フルオレニル基が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
ヘテロアリール基としては、炭素数1~24が好ましく、2~12がより好ましく、3~6がさらに好ましい。ヘテロアリール基として具体的には、チエニル基、フリル基、ピリジル基、オキサゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリル基、トリアジニル基が挙げられる。
式(1)で表される化合物の分子量は150以上であることが好ましく、180以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。上限値としては、800以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、300以下であることがさらに好ましい。
[イソシアネート組成物]
次に、本発明のイソシアネート組成物について説明する。本発明のイソシアネート組成物は、前記式(1)で表される化合物を含む。
イソシアネート組成物は、式(1)で表される化合物を、1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
本発明のイソシアネート組成物において、上記式(1)で表される化合物の含有量は特に限定されないが、蒸留等により高濃度の組成物を得る場合には、上記式(1)で表される化合物の濃度が、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。上限は特になく上記式(1)で表される化合物の濃度が100質量%の組成物としてもよい。
[イソシアネート化合物の製造方法]
上記式(1)で表される化合物は、公知の方法で製造できる。イソシアネート化合物の製造方法としては、例えば、式(2)で表される化合物に対して、ホスゲンを反応させることを含む製造方法が挙げられる。
(式(2)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
まず、式(2)で表される化合物について説明する。
式(2)で表される化合物は、原料ジアミンであり、式(2)におけるAおよびBは、式(1)におけるAおよびBと同義であり、好ましい範囲も同様である。本発明の製造方法において、式(2)で表される化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
式(2)で表される化合物は、例えば、塩基組成物存在下、式(2a-1)で表される化合物と式(2a-2)で表される化合物とを反応させることによって得られる。式(2a-1)で表される化合物と式(2a-2)で表される化合物は、それぞれ、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
(式(2a-1)中、Gはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
式(2a-1)中、Gはアリール基またはヘテロアリール基を含み、アリール基が好ましい。Gは、式(1)におけるBと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(2a-1)で表される化合物としては、ベンジルアミンが例示される。
(式(2a-2)中、Dは環状アルケニル基である。)
式(2a-2)中、Dで表される環状アルケニル基は連結基を介さずに式中のメチレン基(CH2)に置換している。
また、環状アルケニル基は置換基を有していてもよい。しかしながら、環状アルケニル基は無置換であることが好ましい。
ここでの環状アルケニル基は、炭素数3~10の環状アルキレン基であることが好ましく、炭素数5~8の環状アルキレン基であることがより好ましい。また、架橋構造を有する環状アルキレン基であることが好ましい。Dは、ノルボルニル基であることが好ましい。
式(2a-2)で表される化合物に対する、式(2a-1)で表される化合物のモル比率(式(2a-1)/式(2a-2))は、0.2倍以上であることが好ましく、0.4倍以上であることがより好ましく、0.8倍以上であることがさらに好ましく、1.6倍以上であることが一層好ましい。また、式(2a-1)で表される化合物と式(2a-2)で表される化合物のモル比率(式(2a-1)/式(2a-2))の上限値は、5.0倍以下であることが好ましく、2.5倍以下であることがより好ましい。
塩基組成物としては、炭酸ルビジウム、水酸化ルビジウム、炭酸セシウム、および、水酸化セシウムからなる群より選択される1種以上のアルカリ金属含有化合物と、金属ナトリウムとを含有する塩基組成物であることが好ましい。上記塩基組成物における、アルカリ金属含有化合物と、金属ナトリウムとを含有する塩基性組成物は、さらに、アルカリ土類金属含有化合物(周期表第2元素を含有する化合物)を含有することが好ましい。アルカリ土類金属含有化合物(C)は、Mc(OH)2、McCO3、McO(Mcはアルカリ土類金属)がより好ましく、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、および、炭酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上のアルカリ土類金属含有化合物を含有することがさらに好ましい。アルカリ土類金属含有化合物を含有することにより、塩基組成物のべたつきを抑え、ハンドリング性を向上することができる。
次に、式(2)で表される化合物とホスゲンの反応について述べる。
本発明では、式(2)で表される化合物に、ホスゲンを反応させて、式(1)で表される化合物を得ることができる。例えば、式(2)で表される化合物と、塩酸と、溶剤を反応させて式(2)で表される化合物と塩酸の塩を得て、その後、これをホスゲンと反応させて式(1)で表される化合物を合成することができる。溶剤としては、芳香族系溶剤やエステル系溶剤が例示され、芳香族系溶剤が好ましく、キシレンがより好ましい。
式(2)で表される化合物とホスゲンの反応は、例えば、100~170℃で行うことができる。
また、本発明では、式(1)で表される化合物は、非ホスゲン法で製造してもよい。例えば、式(2)で表される化合物を、ハロゲン化アルキルクロロホルメート、ハロゲン化ジアルキルクロロカーボネートおよびジアルキルカーボネートの少なくとも1種と反応させてビスカルバメートを調製し、その後、これを触媒の存在中、130~250℃の温度で、溶剤中において熱分解させ、式(1)で表される化合物を合成してもよい。
[重合性組成物]
式(1)で表される化合物は、ポリオールやポリチオールと共に重合性組成物として用いることができる。すなわち、本発明は、式(1)で表される化合物と、ポリオールおよびポリチオールの少なくとも一方を含む、重合性組成物に関する。
重合性組成物に含まれる式(1)で表される化合物の好ましい範囲は、上記[式(1)で表される化合物]で述べた事項と同様である。
重合性組成物に含まれる式(1)で表される化合物の含有量は、溶剤を除く成分中、下限値が、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。また、前記式(1)で表される化合物の含有量の上限値は、溶剤を除く成分中、55質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
重合性組成物には、式(1)で表される化合物が1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。2種以上含まれている場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
重合性組成物に含まれうるポリオールとしては、1分子中に水酸基を2以上有する化合物であり、一分子中に水酸基を2~6有する化合物が好ましい。ポリオールは、2つ以上の水酸基を有する低分子化合物であってもよいし、2つ以上の水酸基を有するオリゴマーまたはポリマーであってもよい。
ポリオールとしては、具体的には、ポリアルキレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が例示される。また、ポリオールとしては、国際公開第2018/061658号の段落0026~0037、国際公開第2018/021394号の段落0134~0233の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
重合性組成物に含まれるうるポリチオールとしては、1分子中にメルカプト基を2以上有する化合物であり、一分子中にメルカプト基を2~6有する化合物が好ましい。
ポリチオールとしては、具体的には、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられる。また、ポリチオールとしては、特開2019-119860号公報の段落0020~0041の記載、特開2017-211547号公報の段落0078~0081を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
重合性組成物に含まれるポリオールおよび/またはポリチオールの含有量は、下限値が、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。また、前記ポリオールおよび/またはポリチオールの含有量の上限値は、55質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
重合性組成物には、ポリオールおよびポリチオールのいずれか1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。また、ポリオールとポリチオールの混合物であってもよい。本発明の重合性組成物にポリオールおよび/またはポリチオールが2種以上含まれている場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
重合性組成物に含まれる式(1)で表される化合物と、ポリオールおよび/またはポリチオールの総量の質量比は、1:0.1~3.0であることが好ましく、1:0.5~1.5であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、より良好な特性を有する重合物が得られる。
重合性組成物は、上記の他、ウレタン化触媒、チオウレタン化触媒、重合開始剤、重合禁止剤、鎖延長剤等を含んでいてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、式(1)で表される化合物以外のイソシアネート化合物を含んでいてもよい。
ウレタン化触媒およびチオウレタン化触媒としては、アミン系触媒、イミダゾール系触媒、ジアザシクロアミン塩系触媒、金属系触媒等が例示される。ウレタン化触媒およびチオウレタン化触媒の具体例は、特開2019-143150号公報の段落0034~0037の記載、特開2016-222050号公報の段落0130~0132の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
式(1)で表される化合物以外のイソシアネート化合物としては、国際公開第2017/208959号の段落0035~0037の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
さらに、重合性組成物の用途に応じて、重合性組成物には、熱安定剤や光安定剤などの安定剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤、表面調整剤、溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤、ワックス、レベリング剤の添加剤を配合してもよい。
[重合物]
本発明は、上記重合性組成物から形成された重合物にも関する。前記重合物の例には、ポリウレタン、ポリチオウレタンが含まれる。
重合性組成物を用いて重合物を製造する方法としては、公知のポリウレタンまたはポリチオウレタンの製造方法が採用できる。本発明では、重合性組成物を所望の型に適用して、成形加工することが好ましい。成形加工法としては、例えば、注型成形法、射出成形法、トランスファー成形法などがあげられる。また、特開2019-131711号公報の段落0046~0047の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の重合物は、例えば、レンズ、コーティング剤、ポリウレタンエラストマー、接着剤、フォーム、バインダー、弾性繊維、合成皮革、人工皮革、シーリング材、防水材、床材等に用いられ、レンズおよびコーティング剤に好ましく用いられる。
本発明の重合物をレンズに用いる場合、特開2017-095695号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の重合物をコーティング材料に用いる場合、特開2015-206017号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる、
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
イソシアネート化合物の分析は以下の方法にて行った。
<イソシアネート化合物の分析>
(1)ガスクロマトグラフィー(以下、「GC分析」ということがある)
装置:島津製作所製社製、GC-2025
カラム:アジレント・テクノロジー社製、CP-Sil8CBforAmines(0.25μm×0.25mm×30m)
カラム温度:80℃で2分間維持した後、8℃/分の速度で昇温し、150℃に達した後、5分間維持し、15℃/分の速度で昇温し、300℃に達した後、5分間維持した。
(2)ガスクロマトグラフ質量分析(以下、「GC-MS」ということがある)
質量分析による構造同定は、GC-MS分析により以下の方法により行った。
装置:アジレント・テクノロジー社製、GC7890A
カラム:アジレント・テクノロジー社製、DB-1MS(0.25μm×0.25mm×30m)
カラム温度:50℃で2分間保持し、20℃/分の速度で昇温し、320℃で10分間保持した。
質量分析計:日本電子社製AccuTOF GCX
イオン化手法:電界イオン化法(FI+
(3)赤外線(IR)スペクトル分析
装置:FT/IR-4100typeA
合成反応後溶剤を留去した粗生成物についてATR法を用いて、分析を実施した。
(4)核磁気共鳴吸収法(1H-NMR)
装置:BRUKER製、核磁気共鳴装置AVANCEII600MHz
重水素置換クロロホルム溶剤中で測定を行った。尚、後述のδ(ppm)は次式で表される化学シフトを示す。
δ(ppm)=106×(νS-νR)/νR
νS:試料の共鳴周波数(Hz)
νR:標準物質のトリメチルシラン(TMS)の共鳴周波数(Hz)
<塩基組成物の調製>
磁気撹拌子を備えた200mLのナスフラスコに窒素雰囲気下で、炭酸セシウム(Cs2CO3、富士フイルム和光純薬社製)23.375g、金属ナトリウム(Na、富士フイルム和光純薬社製)1.65g、酸化マグネシウム(MgO、富士フイルム和光純薬社製)17.6gを仕込んだ。このナスフラスコをアルミブロックヒータースターラーに設置して、250℃で、1時間加熱撹拌した後に、アルミブロックヒータースターラーから取り外した。上記ナスフラスコを空冷で室温まで冷却して、塩基組成物を得た。
<原料ジアミン化合物の合成例>
200mLナスフラスコにアルゴン雰囲気下で、磁気撹拌子、ベンジルアミン5.358g(東京化成工業社製)、5-ノルボルネン-2-メチルアミン(異性体混合物、東京化成工業社製)3.080gを入れた後に、塩基組成物0.996gを加え、アルゴン雰囲気下、25℃、500rpmで反応を開始した。反応開始から60分、120分、180分、240分経過後に追加の塩基組成物をアルゴン雰囲気下で各々0.996g加えた。反応開始から360分経過後に、イソプロピルアルコール16mLを加えて反応を停止させた。ベンジルアミンの転化率は53%、アミノメチルノルボルネンの転化率は86%であった。
得られた懸濁液にクロロホルム50mL、セライトスタンダードスーパーセル(純正化学社製)40cm3を加え、ろ紙No.5C(桐山製作所社製)および桐山ろうとSB-60(桐山製作所社製、直径60mm)を用いて吸引ろ過した。ろ液に対して0.5MのHClとクロロホルムを加えて分液操作を行い、水相を回収した。次いで1M水酸化ナトリウムとクロロホルムを加えて再度分液操作後有機相を回収し、減圧下でクロロホルムを留去することで粗生成物8.1gを得た。GC-MS分析の結果より式(2-1)または(2-2)で表されるアミン化合物を含有していることを確認した。
<原料ジアミン化合物の蒸留精製>
上記で得られた粗生成物を原料に250Paの減圧条件下で単蒸留を行い、ベンジルアミンを留去した後、式(2-1)または(2-2)で表されるアミン化合物を留分として回収した(GC純度98.2%、11.4g)。
(実施例1)
原料ジアミン化合物の蒸留精製により得られたアミン化合物(混合物)5.00gにキシレンを加えた後、共沸脱水を行い水分量20質量ppm(カールフィッシャー水分計での分析結果)とした。次いでキシレン溶媒中に塩化水素を導入し、原料ジアミンを塩酸塩とし、ホスゲンを吹き込み、120℃で1時間反応させた。ホスゲンと溶媒のキシレンを留去し、5.40g の粗生成物を得た。IRスペクトル分析では2248cm-1にNCO伸縮振動に帰属可能なピークが観測され、NCO基の生成が確認できた。
粗生成物を原料に170~180Paの減圧下で単蒸留を実施し、原料ジアミン残を取り除いた後に2.77gの留分を回収した。回収留分はGC-MS分析の結果式(1-1)または(1-2)で表される化合物の異性体a~fの混合物であることが分かった。尚、本合成操作による(1-1)または(1-2)で表される化合物の収率は45%であった。
GC-MS分析による化合物a~fの分子イオンピークの実測値は以下の通りである。尚、式(1-1)または(1-2)で表される化合物のm/eの理論値(C171822)は282.13628である。
化合物a:282.13407
化合物b:282.13375
化合物c:282.13517
化合物d:282.13392
化合物e:282.13359
化合物f:282.13371
GC分析よる、a~fの保持時間および、溶媒を除いた面積比率は以下の通りであった。
化合物a(保持時間22.91分);18.9%
化合物b(保持時間23.05分);18.2%
化合物c(保持時間23.27分);4.7%
化合物d(保持時間23.34分);24.9%
化合物e(保持時間23.40分);24.7%
化合物f(保持時間23.48分);7.7%
1H-NMR測定結果は以下の通りであった。
δ(ppm):0.537~2.566(10H、ノルボルナン環の水素)2.885~3.403(2H、-CH2-NCOにおけるCH2の水素)、4.035~4.185(1H、-CH(NCO)-PhにおけるCHの水素)、7.259~7.400(5H、-CH(NCO)-PhにおけるPhの水素)
Phはフェニル基を意味している。
(実施例2)
ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(東京化成工業社製、以下、「PETP」と略す)2.29gにジブチル錫ジクロリド(東京化成工業社製)23.5mgを混合し、硬化触媒含有PETPを調製した。次いで、実施例1で得たイソシアネート化合物2.41g、PETP2.06g、硬化触媒含有PETP0.23gを混合し重合性組成物を調製した。
(実施例3)
<重合物の作製>
重合性組成物を脱気後、2.5mm厚の平板レンズ用モールドに注入し、オーブン中で昇温速度8℃/時間の条件で40℃から120℃まで昇温後、120℃で12時間保持する条件で加熱し重合硬化を進行させることで、重合物(ポリチオウレタン)(以下、「サンプル」と呼ぶ」)を作製した。得られたサンプルは無色透明であった。
<重合物の評価>
重合物の評価は以下の方法により行った。
ガラス転移温度の測定:
サンプルを3mm幅に切り出し、直径1mmのピンに10gの加重を与え、30℃から10℃/分で昇温し、熱機械分析(TMA法)測定を行い、ガラス転移温度(℃)を測定した。
屈折率:
上記で得られたサンプルについて、カルニュー精密屈折計(KPR-2000)を用い温度25℃、湿度50%の条件で行った。屈折率の波長は、589.3nmのD線における値である。
各評価結果を表1に示す。

Claims (13)

  1. 式(1)で表される化合物を含む、イソシアネート組成物。
    (式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
  2. 式(1)中のAがノルボルナンジイル基である、請求項1に記載のイソシアネート組成物。
  3. 式(1)中のBがフェニル基である、請求項1または2に記載のイソシアネート組成物。
  4. 式(1)で表される化合物と、ポリオールおよびポリチオールの少なくとも一方を含む、重合性組成物。
    (式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
  5. 式(1)中のAがノルボルナンジイル基である、請求項4に記載の重合性組成物。
  6. 式(1)中のBがフェニル基である、請求項4または5に記載の重合性組成物。
  7. 式(1)で表される化合物。
    (式(1)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
  8. 式(1)中のAがノルボルナンジイル基である、請求項7に記載の化合物。
  9. 式(1)中のBがフェニル基である、請求項7または8に記載の化合物。
  10. 請求項4~6のいずれか1項に記載の重合性組成物から形成された重合物。
  11. 請求項10に記載の重合物を含むレンズ。
  12. 請求項10に記載の重合物を含むコーティング剤。
  13. 式(2)で表される化合物に対して、ホスゲンを反応させることを含む、イソシアネート化合物の製造方法。
    (式(2)中、Aは環状アルキレン基であり、Bはアリール基またはヘテロアリール基を含む。)
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