JP7331437B2 - シリカ粒子、シリカゾル、研磨組成物、研磨方法、半導体ウェハの製造方法及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]電界放出型走査電子顕微鏡により測定した粒子のHeywood径をx、BET比表面積から算出された平均1次粒子径をyとしたとき、x/yが1.4~1.8であり、シアーズ法により測定した表面シラノール基密度が、4個/nm2以上であり、金属不純物含有率が、5ppm以下であり、xが、1.20~1.38である、シリカ粒子。
[2]yが、1.74~1.92である、[1]に記載のシリカ粒子。
[3]テトラアルコキシシラン縮合物を主成分とする、[1]又は[2]に記載のシリカ粒子。
[4]テトラアルコキシシラン縮合物が、テトラメトキシシラン縮合物を含む、[3]に記載のシリカ粒子。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のシリカ粒子を含む、シリカゾル。
[6]シリカ粒子の含有率が、シリカゾル全量100質量%中、3質量%~50質量%である、[5]に記載のシリカゾル。
[7][5]又は[6]に記載のシリカゾルを含む、研磨組成物。
[8][7]に記載の研磨組成物を用いて研磨する、研磨方法。
[9][7]に記載の研磨組成物を用いて研磨する工程を含む、半導体ウェハの製造方法。
[10][7]に記載の研磨組成物を用いて研磨する工程を含む、半導体デバイスの製造方法。
本発明の研磨方法は、シリカ粒子が凝集沈降を抑制され、研磨特性に優れ、被研磨体の生産性に優れる。また、本発明の半導体ウェハの製造方法及び半導体デバイスの製造方法は、本発明の研磨方法を含むため、シリカ粒子が凝集沈降を抑制され、研磨特性に優れ、被研磨体の生産性に優れる。
本発明のシリカ粒子の評価方法は、シリカゾル中のシリカ粒子の凝集状態を簡便に判定することができる。
本発明のシリカ粒子は、電界放出型走査電子顕微鏡により測定した短径x1と長径x2との比x2/x1であるアスペクト比をx、BET比表面積から算出された平均1次粒子径y1とDLS法により測定した平均2次粒子径y2との比y2/y1である会合比をyとしたとき、x/yが0.63~0.75である。
xは、1.20~1.38が好ましく、1.21~1.37がより好ましい。xが下限値以上であると、シリコンウェハに代表される被研磨体に対する研磨レートに優れ、シリコンウェハの生産性に優れる。また、xが上限値以下であると、研磨時のシリコンウェハに代表される被研磨体の表面粗さや傷を低減でき、シリカ粒子の凝集を抑制することができる。
x1は、8nm~160nmが好ましく、16nm~80nmがより好ましい。x1が下限値以上であると、シリカゾルの保存安定性に優れる。また、x1が上限値以下であると、シリコンウェハに代表される被研磨体の表面粗さや傷を低減でき、シリカゾル中のシリカ粒子の沈降を抑制することができる。
x2は、10nm~200nmが好ましく、20nm~100nmがより好ましい。x2が下限値以上であると、シリカゾルの保存安定性に優れる。また、x2が上限値以下であると、シリコンウェハに代表される被研磨体の表面粗さや傷を低減でき、シリカゾル中のシリカ粒子の沈降を抑制することができる。
シリカ粒子を含むシリカゾルをシリコン基板上に滴下し乾燥させ、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて、シリコン基板に加速電圧5kVで電子線を照射し、倍率5万倍で観測される二次電子像を撮影し、同一視野に含まれる全シリカ粒子(100個~130個)の短径と長径を測定し、それぞれその平均値を算出する。その際、倍率5万倍で観測される二次電子像の同一視野に含まれる全シリカ粒子が100個~130個になるよう、シリカゾル中のシリカ粒子の濃度を調製する。
倍率5万倍とした理由は、短径が8nm~160nmで長径が20nm~100nmのシリカ粒子個々の形状を識別できると共に、同一視野に含まれるそれらシリカ粒子の量を十分に確保(100個~130個)できるためである。
yは、1.74~1.92が好ましく、1.75~1.91がより好ましい。yが下限値以上であると、シリコンウェハに代表される被研磨体に対する研磨レートに優れ、シリコンウェハの生産性に優れる。また、yが上限値以下であると、研磨時のシリコンウェハに代表される被研磨体の表面粗さや傷を低減でき、シリカ粒子の凝集を抑制することができる。
y1は、5nm~100nmが好ましく、10nm~60nmがより好ましい。y1が下限値以上であると、シリカゾルの保存安定性に優れる。また、y1が上限値以下であると、シリコンウェハに代表される被研磨体の表面粗さや傷を低減でき、シリカゾル中のシリカ粒子の沈降を抑制することができる。
平均1次粒子径(nm)=6000/(比表面積(m2/g)×密度(g/cm3)) ・・・ (1)
y2は、9.5nm~190nmが好ましく、19nm~110nmがより好ましい。y2が下限値以上であると、シリカゾルの保存安定性に優れる。また、y2が上限値以下であると、シリコンウェハに代表される被研磨体の表面粗さや傷を低減でき、シリカゾル中のシリカ粒子の沈降を抑制することができる。
cv値=(標準偏差(nm)/平均2次粒子径(nm))×100 ・・・ (2)
シリカ粒子1.5gに相当するシリカゾルを採取し、純水を加えて液量を90mLにする。25℃の環境下、pHが3.6になるまで0.1mol/Lの塩酸水溶液を加え、塩化ナトリウム30gを加え、純水を徐々に加えながら塩化ナトリウムを完全に溶解させ、最終的に試験液の総量が150mLになるまで純水を加え、試験液を得る。
得られた試験液を自動滴定装置に入れ、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pHが4.0から9.0になるのに要する0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の滴定量A(mL)を測定する。
下記式(3)を用いて、シリカ粒子1.5gあたりのpHが4.0から9.0になるのに要した0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の消費量V(mL)を算出し、下記式(4)を用いて、シリカ粒子の表面シラノール基密度ρ(個/nm2)を算出する。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・ (3)
A:シリカ粒子1.5gあたりのpHが4.0から9.0になるのに要した0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の滴定量(mL)
f:用いた0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の力価
C:シリカゾル中のシリカ粒子の濃度(質量%)
W:シリカゾルの採取量(g)
ρ=(B×NA)/(1018×M×SBET) ・・・ (4)
B:Vから算出したシリカ粒子1.5gあたりのpHが4.0から9.0になるのに要した水酸化ナトリウム量(mol)
NA:アボガドロ数(個/mol)
M:シリカ粒子量(1.5g)
SBET:平均1次粒子径の算出の際に測定したシリカ粒子の比表面積(m2/g)
アルコキシシランを主原料とする所謂ゾルゲル法は、酸や塩基等の触媒存在下でアルコキシシランを加水分解し、生じたシラノール基を脱水縮合して、シロキサン結合を形成させつつ、粒子を成長させて、シリカ粒子を得る方法である。その際、シラノール基は、縮合反応の進行に伴い消失していくが、例えば、加水分解反応・縮合反応時のアルコキシシラン、溶媒・分散媒、触媒の組成、反応温度、反応時間等の条件の設定により、シリカ粒子の内部や表面のシラノール基密度を調整することができる。
また、シリカ粒子に金属不純物が存在すると、酸性を示す表面シラノール基と金属不純物とが配位的な相互作用が発生し、表面シラノール基の化学的性質(酸性度等)を変化させたり、シリカ粒子表面の立体的な環境(シリカ粒子の凝集のしやすさ等)を変化させたり、研磨レートに影響を及ぼす。
水ガラス等の珪酸アルカリの脱イオンによる方法では、原料由来のナトリウム等が残存するため、シリカ粒子の金属不純物含有率を5ppm以下とすることが極めて困難である。
シリカ粒子の細孔の有無は、窒素を吸着ガスとした吸着等温線を用いたBET多点法解析により確認する。
アルコキシシラン縮合物を主成分とするシリカ粒子を得るためには、アルコキシシランを主原料とすることが好ましい。テトラアルコキシシラン縮合物を主成分とするシリカ粒子を得るためには、テトラアルコキシシランを主原料とすることが好ましい。主原料とは、シリカ粒子を構成する全原料100質量%中、50質量%以上であることをいう。
シリカ粒子の製造方法としては、例えば、四塩化珪素の熱分解による方法、水ガラス等の珪酸アルカリの脱イオンによる方法、アルコキシシランの加水分解反応・縮合反応による方法等が挙げられる。これらのシリカ粒子の製造方法の中でも、金属不純物含有率を低減させることができ、シリカ粒子の形状の制御が容易であることから、アルコキシシランの加水分解反応・縮合反応による方法が好ましく。テトラアルコキシシランの加水分解反応・縮合反応による方法がより好ましい。
触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、ギ酸、クエン酸等の酸触媒、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチル水酸化アンモニウム等のアルカリ触媒等が挙げられる。これらの触媒の中でも、触媒作用に優れ、粒子形状を制御しやすいことから、アルカリ触媒が好ましく、金属不純物の混入を抑制することができ、揮発性が高く縮合反応後の除去性に優れることから、アンモニアがより好ましい。
本発明のシリカゾルは、本発明のシリカ粒子及び溶媒・分散媒を含むことが好ましい。
特に、シリカゾルの保存安定性に優れることから、シリカゾル中に抗菌・殺生物剤を含ませることが好ましい。
殺生物剤は、一般に殺菌剤と言われるものも含む。
シリカゾルのpHは、pH調整剤を添加することで、所望の範囲に設定することができる。
本発明のシリカゾルは、加水分解反応・縮合反応終了後の反応液をそのまま用いてもよく、加水分解反応・縮合反応終了後の反応液中の成分のうち、不必要な成分を除去し、必要な成分を添加して製造してもよい。
ろ過の方法としては、例えば、常圧下での自然ろ過、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心ろ過等が挙げられる。
ろ過は、任意のタイミング、任意の回数行ってもよいが、研磨組成物の保存安定性や研磨特性に優れることから、研磨組成物の調製直前に行うことが好ましい。
本発明の研磨組成物は、本発明のシリカゾル及び水溶性高分子を含むことが好ましい。
ポリビニルピロリドン骨格を有する共重合体としては、例えば、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとのグラフト共重合体等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン構造を有する重合体としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体等が挙げられる。
特に、シリコンウェハに代表される被研磨体の表面に化学的な作用を与えて化学的研磨(ケミカルエッチング)ができ、シリカ粒子の表面シラノール基との相乗効果により、シリコンウェハに代表される被研磨体の研磨速度を向上させることができることから、研磨組成物中に塩基性化合物を含ませることが好ましい。
研磨組成物のpHは、pH調整剤を添加することで、所望の範囲に設定することができる。
本発明のシリカ粒子、本発明のシリカゾル、本発明の研磨組成物は、研磨用途に好適に用いることができ、例えば、シリコンウェハ等の半導体材料の研磨、ハードディスク基板等の電子材料の研磨、集積回路を製造する際の平坦化工程における研磨(化学的機械的研磨)、フォトマスクや液晶に用いる合成石英ガラス基板の研磨、磁気ディスク基板の研磨等に用いることができ、中でもシリコンウェハの研磨や化学的機械的研磨に特に好適に用いることができる。
本発明の研磨方法は、本発明の研磨組成物を用いて研磨する方法が好ましい。
具体的な研磨の方法としては、例えば、シリコンウェハの表面を研磨パッドに押し付け、研磨パッド上に本発明の研磨組成物を滴下し、シリコンウェハの表面を研磨する方法が挙げられる。
本発明の半導体ウェハの製造方法は、本発明の研磨組成物を用いて研磨する工程を含む方法であり、具体的な研磨の方法は、前述した通りである。
半導体ウェハとしては、例えば、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ等が挙げられる。
本発明の半導体デバイスの製造方法は、本発明の研磨組成物を用いて研磨する工程を含む方法であり、具体的な研磨の方法は、前述した通りである。
電界放出型走査電子顕微鏡により測定した短径x1と長径x2との比x2/x1であるアスペクト比をx、BET比表面積から算出された平均1次粒子径y1とDLS法により測定した平均2次粒子径y2との比y2/y1である会合比をyとしたとき、x/yを算出し、シリカ粒子の凝集状態を判定する、シリカ粒子の評価方法である。
シリカ粒子の平均1次粒子径y1は、BET比表面積から算出する。具体的には、前述した通りである。
シリカ粒子の平均2次粒子径y2は、動的光散乱法により測定する。具体的には、前述した通りである。
実施例・比較例で得られたシリカゾルを超純水で5000倍に希釈し、希釈したシリカゾル5μLをシリコン基板上に滴下し乾燥させた。次いで、電界放出型走査電子顕微鏡(機種名「S-5200型」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、FE-SEM)を用いて、シリコン基板に加速電圧5kVで電子線を照射し、倍率5万倍で観測される二次電子像を撮影し、同一視野に含まれる全シリカ粒子(100個~130個)の短径x1と長径x2を測定し、それぞれの平均値を算出し、粒子の短径、粒子の長径とした。
粒子の短径と長径の測定は、撮影した電界放出型走査電子顕微鏡写真を、画像解析式粒度分布測定ソフト(ソフト名「Mac-View Ver.4」、株式会社マウンテック製)に取り込んで行った。
粒子の形状の判定は、後述するように行った。2個以上の粒子が接合しているか否かは、粒子間に黒い線が見える場合は接合していない個々の粒子と判定し、粒子間に黒い線が見えない場合は接合している1個の粒子と判定した。
実施例・比較例で得られたシリカゾルを凍結乾燥し、比表面積自動測定装置(機種名「Belsorp MR1」、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて、シリカ粒子の比表面積を測定し、シリカ粒子が真球状であることを仮定して、下記式(1)を用い、密度を2.2g/cm3とし、平均1次粒子径y1を算出した。
平均1次粒子径(nm)=6000/(比表面積(m2/g)×密度(g/cm3)) ・・・ (1)
実施例・比較例で得られたシリカゾルを、動的光散乱粒子径測定装置(機種名「ゼーターサイザーナノZS」、マルバーン社製)を用いて、シリカ粒子の平均2次粒子径y2を測定した。
実施例・比較例で得られたシリカゾルの、シリカ粒子1.5gに相当する量を、200mLトールビーカーに採取し、純水を加えて液量を90mLにした。
25℃の環境下、トールビーカーにpH電極を挿入し、マグネティックスターラーにより試験液を5分間撹拌させた。マグネティックスターラーによる攪拌を続けた状態で、pHが3.6になるまで0.1mol/Lの塩酸水溶液を加えた。トールビーカーからpH電極を取り外し、マグネティックスターラーによる攪拌を続けた状態で、塩化ナトリウムを30g加え、純水を徐々に加えながら塩化ナトリウムを完全に溶解させ、最終的に試験液の総量が150mLになるまで純水を加え、マグネティックスターラーにより試験液を5分間撹拌させ、試験液を得た。
下記式(3)を用いて、シリカ粒子1.5gあたりのpHが4.0から9.0になるのに要した0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の消費量V(mL)を算出し、下記式(4)を用いて、シリカ粒子の表面シラノール基密度ρ(個/nm2)を算出した。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・ (3)
A:シリカ粒子1.5gあたりのpHが4.0から9.0になるのに要した0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の滴定量(mL)
f:用いた0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液の力価
C:シリカゾル中のシリカ粒子の濃度(質量%)
W:シリカゾルの採取量(g)
ρ=(B×NA)/(1018×M×SBET) ・・・ (4)
B:Vから算出したシリカ粒子1.5gあたりのpHが4.0から9.0になるのに要した水酸化ナトリウム量(mol)
NA:アボガドロ数(個/mol)
M:シリカ粒子量(1.5g)
SBET:平均1次粒子径の算出の際に測定したシリカ粒子の比表面積(m2/g)
実施例1で得られたシリカ粒子0.4g含むシリカゾルを正確に量り取り、硫酸とフッ酸を加え、加温・溶解・蒸発させ、残存した硫酸滴に総量が正確に10gとなるよう純水を加えて試験液を作成し、高周波誘導結合プラズマ質量分析装置「ELEMENT2」(機種名、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、金属不純物含有率を測定した。
シリカ粒子中の金属不純物含有率は、ナトリウムが1.1ppm、カリウムが0.140ppm、鉄が0.015ppm、アルミニウムが0.135ppm、カルシウムが0.075ppm、亜鉛が0.07ppm、マグネシウム、コバルト、クロム、銅、マンガン、鉛、チタン、銀、ニッケルがいずれも0.005ppm未満であった。
テトラメトキシシランとメタノールとを2.3:1(体積比)で混合し、原料溶液を調製した。温度計、攪拌機、供給管、留出ラインを備えた反応槽に、予めメタノール、純水、アンモニアを混合した反応溶媒を仕込んだ。反応溶媒中の水の濃度は15質量%、反応溶媒中のアンモニアの濃度は1質量%であった。
反応溶媒の温度を37℃に保持しながら、反応溶媒と原料溶液とを1.1:1(体積比)とし、原料溶液を225分間、均等速度で反応槽へ滴下し、シリカゾルを得た。得られたシリカゾルを、シリカ粒子の含有率が約20質量%になるように、液量を純水追加で調整しながら、温度を上げてメタノールとアンモニアの除去を行い、シリカ粒子の含有率が約20質量%のシリカゾルを得た。
得られたシリカ粒子の評価結果を、表1及び図1に示す。
市販のシリカゾル(商品名「PL-3」、扶桑化学工業株式会社製)をそのまま用いた。
得られたシリカ粒子の評価結果を、表1及び図2に示す。
表1から、xは、実施例1と比較例1とで大差がなく(両者の誤差が約6%)、1.20前後の値であることが分かる。一方、y2は、凝集状態を強く反映するため、比較例1が大きな値を示し、その結果、yは、実施例1と比較例1とで大きく差があった(両者の誤差が約12%)。粒子径の差をキャンセルするためのxとyとの比x/yは、比較例1に対して実施例1が約20%大きな値となった。
これらのことから、実施例1で得られたシリカ粒子は、シリカゾル中で凝集沈降が抑制され、保存安定性に優れることが期待されると共に、x/yの値からシリカゾル中のシリカ粒子の凝集状態を簡便に判定することができた。
Claims (10)
- 電界放出型走査電子顕微鏡により測定した短径x1と長径x2との比x2/x1であるアスペクト比をx、BET比表面積から算出された平均1次粒子径y1とDLS法により測定した平均2次粒子径y2との比y2/y1である会合比をyとしたとき、x/yが0.63~0.75であり、シアーズ法により測定した表面シラノール基密度が、4個/nm2以上であり、金属不純物含有率が、5ppm以下であり、xが、1.20~1.38である、シリカ粒子。
- yが、1.74~1.92である、請求項1に記載のシリカ粒子。
- テトラアルコキシシラン縮合物を主成分とする、請求項1又は2に記載のシリカ粒子。
- テトラアルコキシシラン縮合物が、テトラメトキシシラン縮合物を含む、請求項3に記載のシリカ粒子。
- 請求項1~4のいずれかに記載のシリカ粒子を含む、シリカゾル。
- シリカ粒子の含有率が、シリカゾル全量100質量%中、3質量%~50質量%である、請求項5に記載のシリカゾル。
- 請求項5又は6に記載のシリカゾルを含む、研磨組成物。
- 請求項7に記載の研磨組成物を用いて研磨する、研磨方法。
- 請求項7に記載の研磨組成物を用いて研磨する工程を含む、半導体ウェハの製造方法。
- 請求項7に記載の研磨組成物を用いて研磨する工程を含む、半導体デバイスの製造方法。
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