JP7329783B1 - 磁気顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、磁気顕微鏡とは、微小な細胞から発する微小な磁界を検出し、細胞形状に即して、そのサイズを倍率100倍から1000倍に増幅して、磁界の分布または磁界の素となる電流素片の分布を観察する装置であると定義することができる(図1)。
しかし、磁気インピーダンスセンサは、ワイヤ両端に電圧をかけて交流電流を通電した時に、流れるワイヤに係る磁界の平均値をとるものであって、交点の磁界を単独に測定できないことは理論的に明らかである。事実、本発明を裏付ける論文は発表されていないし、製品も販売されていない。
第1の課題は、検出力が1pT~10nT程度で、サイズが10μm~2mm以下の磁気センサを開発することである。具体的には現状のGSRセンサの小型化と高性能化を図ることであるが、磁気センサの検出力はサイズに比例し、両者の間には背反性が存在し、両特性を同時に改善するのは難しい課題である。
図3は磁気センサ素子グリッドの上面図、図4(図4A、図4B、図4C)は磁気センサ素子グリッドの単位素子の構造の平面図、図5(図5A、図5B、図5C)は磁気センサ素子グリッドの断面図を示している。
k番目の前記電流素片Ikdsk(→)が前記測定位置G(i,j)番の位置に作る磁界は、Hijk(→) =1/4πRijk3×Ikdsk(→)×Rijk(→)の基本方程式から求めることができるので、それらの磁界を加算して、前記磁気センサ素子グリッドの前記測定位置G(i,j)番の位置に作る理論値tHij(→)は、tHij(→)=ΣtHijk(→)とする。(Σは、kを1からn個加算する。)
Ik(→)の向きについては、XY軸平面に対して、傾斜角をφkとして、X軸に対する角度をθkとし、この誤差関数からガウスニュートン法で誤差関数を偏微分して、7n個の連立方程式を導出し、Ikの絶対値とdskとθkとφkおよびXk、Yk、Zkとからなる7n個の連立方程式を求め、その式から7n個の未知数を求め、細胞集合体に流れる多数個の電流素片を計算し、その結果を用いて電流素片の分布図を作成し、スクリーンに表示することである。
磁気顕微鏡の磁界測定値から求めた磁界分布図を図6に示し、電流素片を求める計算プログラムのフローチャートを図7に示す。
なお、本発明は磁気顕微鏡の構成を旨としたものなので、誤差関数から電流素片ベクトルを算出する方法は上記方法に限られるものではない。
光学顕微鏡と磁気顕微鏡を一体としたイメージを図8に示し、それぞれの観察結果(磁気顕微鏡はイメージ図)を図9に示す。
電流素片の位置精度は、電流素片の位置を算出するプログラムから、理論的にグリッド間隔の1/20程度の精度となることを確認した。
なお、本発明は、小型かつ高感度の磁気センサを対象としており、GSRセンサに限るものでない。このことはその構成から明白である。
細胞観察用シャーレの細胞液側の基板面に設置された磁気センサ素子グリッドと、
磁気センサ素子グリッドで、細胞内に流れる電流素片から生じる微小磁界に対応するグリッド電圧を検知して、グリッド電圧をグリッド磁気信号に変換する信号処理回路と、
磁気センサ素子グリッドは、センサグリッド基板上のX軸とY軸に沿った碁盤目状の交点の位置に、厳密には交点を挟んだ4か所に磁気センサ素子を配置して、交点の位置の磁界を測定し、
グリッド磁界の絶対値を等高線図として表示する表示装置とを備えていることを特徴とする磁気顕微鏡である。
Hz磁界、Hx磁界、Hy磁界のいずれか1磁界を測定する1軸素子からなることを特徴とする。
Hx磁界およびHy磁界を測定する2軸素子からなることを特徴とする。
Hx磁界、Hy磁界およびHz磁界を測定する3軸素子からなることを特徴とする。
グリッド磁界の値から細胞内に流れる前記電流素片を計算するプログラムおよびその値をイメージ画像としてスクリーンに表示する装置とからなることを特徴とする。
観察前に、センサグリッド位置(i,j)における磁界を計測して初期の磁界測定値mHij(→)(b)を求め、その値をX軸とY軸平面上のグリッドサイズに対応した磁界分布として表示する。
mHij(→)の絶対値のピークから電流素片Idsの位置P(x,y,z)を仮定し、前記mHij(→)の絶対値のピークの山の広がりから電流素片Idsの長さdsを仮定して、前記細胞集合体内にn個の電流素片Idsが存在しているとの計算モデルを作成する。
k番目の電流素片Ikdskが作る磁界は、Hijk(→)=1/4πRijk 3×Ikdsk(→)×Rijk(→)の方程式から求めることができるので、1からn個の磁界を加算して、前記磁気センサ素子グリッドの測定位置Gij(i,j)の位置に作る磁界の理論値をtHij(→)=ΣHijk(→)とし、
両者の誤差をeij(→)=mHij(→)-tHij(→)とし、
誤差関数E=Σ(e ij ) 2 を作成する。
この誤差関数からIkとdskとθkとφkおよびXk、Yk、Zkに関する7n個の連立方程式を求め、その式から未知数を求め、
細胞集合体に流れるn個の電流素片を計算し、その結果を用いて電流素片の分布図を作成し、スクリーンに表示することを特徴とする。
<磁気顕微鏡>
図1に磁気顕微鏡を構成する磁気センサ素子グリッドと被検体の細胞(細胞集合体)との位置関係を示す。なお、磁気顕微鏡は磁気センサ素子で検出した磁界の信号を変換する信号処理回路および表示装置等からなる。
磁気センサ素子グリッド10は、多数個の磁気センサ素子101からなる。
シャーレ(細胞観察用)11に細胞(細胞集合体)12を載置し、その上に磁気センサ素子グリッド10を設置する。または、図1に示すように磁気センサ素子グリッド10の上にシャーレ11を設置してもよい。
両者の位置関係は、観察する細胞(細胞集合体)のサイズ・体積と磁気センサ素子グリッドの検出能、さらに光学顕微鏡との組み合わせにより任意に選択できる。
磁気センサとして、GSRセンサを採用する。そのGSR素子の基本構造を図2に示し、磁気センサ素子グリッドの構造を図3~図5に示して説明する。
磁性ワイヤ22の直径は、1μm~10μmとする。検出コイル23のコイルピッチは0.1μm~3μmとし、コイル幅は3μm~30μmとする。磁性ワイヤの本数は、必要に応じて1本~8本とする。
なお、磁気顕微鏡を構成する磁気センサとして、サイズおよび性能の点から磁気顕微鏡として特性を発揮できる場合には、GSRセンサに限定されるものではない。
単位素子32のサイズが10μmの場合は、コイルピッチは0.1μmとし、コイル幅は3μmとし、磁性ワイヤ本数は2本としてコイル巻き数を150回とすることが好ましい。
一方、単位素子32のサイズが1mmの場合には、コイルピッチは3μmとし、コイル幅は30μmとし、磁性ワイヤ本数は1本~8本までとし、コイル巻き数を2400回とすることが好ましい。
磁気センサ素子グリッド3は、図3に示すように、単位素子(磁気センサ素子)32をグリッド基板31に多数個配置したものである。
磁気センサ素子グリッド3のサイズは、5mm角~20mm角、または直径5mm~直径20mmとする。その単位素子32のサイズは、10μm~1mmである。単位素子32の数は、最小の5×5の25画素~最大の2000×2000の400万画素である。
そして、3つのタイプについて、図3のA1-A2線における断面図を図5(5A、5B、5C)に示す。断面図は、シャーレの上に設置した磁気センサ素子グリッドの断面を示している。
(a-1)Z軸素子321zをZ軸方向に各1個配置した1軸素子のタイプ、
(a-2)X軸素子321xをX軸方向に各1個配置した1軸素子のタイプ、
(a-3)Y軸素子321yをY軸方向に各1個配置した1軸素子のタイプ
がある。
(a-1)1軸素子グリッド-z軸タイプ(4(41))にて、GSR素子411とASIC412、電極413およびグリッド配線414を保護する被覆剤415からなり、シャーレ40の上に載置されている。
(a-2)1軸素子グリッド-x軸タイプ(4(42))は、GSR素子421とASIC422、電極423およびグリッド配線424を保護する被覆剤425からなり、シャーレ40の上に載置されている。
(a-3)1軸素子グリッド-y軸タイプ(4(43))は、GSR素子431とASIC432、電極433およびグリッド配線434を保護する被覆剤435からなり、シャーレ40の上に載置されている。
(b)横方向に2個のX軸素子321xと縦方向に2個のY軸素子321yを原点321o中心にして対象に配置した2軸素子のタイプ
がある。
この3軸素子タイプは、四角錐台、八角錐台または変則八面錐台からなる台座330の傾斜面331に4個のGSR素子またはon-ASICタイプのGSRセンサを傾斜方向とGSR素子の磁性ワイヤ321wが一致するように4回対称で鏡像対称に配置したものである。
2個のX軸素子321xと2個のY軸素子321yからX軸方向とY軸方向の磁界を測定するとともにZ軸方向の磁界を計算により求めるものである。
なお、on-ASICタイプのGSRセンサは、発明者らが発明したもので特許公報(特許第7062216号公報)にて開示されている。詳細な内容は、当該特許公報の記載を参照する。また、この磁界ベクトルセンサは、発明者らが発明したもので特許公報(特許第7215702号公報)にて開示されている。詳細な内容は、当該特許公報の記載を参照する。
なお、Z軸方向の磁界は計算により求めるもので素子451zは計算上の素子である。
磁気センサ素子グリッド10の位置は、シャーレ11の厚みは200μm以下とし、磁気センサ素子グリッド10の上面を平坦にして、平坦面をシャーレの裏側に直接押し当てて、細胞から磁気センサ素子101の測定部までの距離を300μm以下とすることが好ましい。細胞が発する磁界は距離の二乗に反比例するので、この距離を極力小さくすることが求められるわけである。
(A)1軸素子における磁界成分の測定
(a-1)交点321oを中心に4個の単位素子321zで測定したHz1、Hz2、Hz3,Hz4の4個のデータから、交点の磁界成分であるHzは、Hz=(Hz1+Hz2+Hz3+Hz4)/4から求めることができる。
(a-2)交点321oを中心に4個の単位素子321xで測定したHx1、Hx2、Hx3、Hx4の4個のデータから、交点の磁界成分であるHxは、Hx=(Hx1+Hx2+Hx3+Hx4)/4から求めることができる。
(a-3)交点321oを中心に4個の単位素子321yで測定したHy1、Hy2、Hy3、Hy4の4個のデータから、交点の磁界成分であるHyは、Hy=(Hy1+Hy2+Hy3+Hy4)/4から求めることができる。
(b)交点321oを中心にX軸向きの2個の単位素子321xとY軸向きの2個の単位素子321yとで測定したHx1、Hx2、Hy1、Hy2の4個のデータから、交点の磁界成分であるHxとHyは、Hx=(Hx1+Hx2)/2、Hy=(Hy1+Hy2)/2から求めることができる。
(c)磁界ベクトルセンサにおいて、台座の傾斜角度をθとし、交点321oを中心にX軸向きの2個の単位素子321xとY軸向きの2個の単位素子321yとで測定したHx1、Hx2、Hy1、Hy2の4個のデータから、交点321oの磁界成分であるHxとHyは、Hx=(1/2cosθ)(Hx1-Hx2)、Hy=(1/2sinθ)(Hy1-Hy2)から求めることができる。そして、Z軸方向のHzは、Hz=(1/4sinθ)(Hx1+Hx2+Hy1+Hy2)からもとめることができる。
なお、単位素子32を構成する各素子(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の素子)のグリッド基板上の位置を(i,j)番として、各素子の測定値を直接グリッド磁界測定値として、磁界分布および電流素片分布を計算してもよい。
電流素片分布を計算するプログラムは、細胞集合体内の電流素片から発する磁界を磁気センサ素子グリッドの(i,j)番の位置にある磁気センサで測定し、その測定値をmHijとする。
すなわち、mHij(→)=mHij(→)(a)-mHij(→)(b)となる。
この値を細胞集合体内の電流素片から発する磁界と考え、磁気センサ素子グリッドの(i,j)番の位置にある磁気センサで測定してその測定値をmHij(→)とする。
k番目の電流素片Ikdskが作る磁界は、Hijk(→)=1/4πRijk 3×Ikdsk(→)×Rijk(→)の方程式から求めることができるので、n個の電流素片が作る磁界を加算して、磁気センサ素子グリッドの(i,j)番の位置に作る理論値tHij(→)=ΣtHijk(→)とする。
Ikの向きについては、XY軸平面に対して、傾斜角をφkとして、X軸に対する角度をθkとし、この誤差関数からガウスニュートン法で誤差関数を偏微分して、7n個の連立方程式を導出し、Ikとdsk とθkとφkおよびXk、Yk、Zkとからなる7n個の連立方程式を求め、その式から7n個の未知数を求め、細胞集合体に流れる多数個の電流素片を計算し、その結果を用いて電流素片の分布図を作成し、磁界分布図としてスクリーンに表示する。
第1ステップ(101);
観察前に、センサグリッド位置(i,j)における磁界を計測して初期の磁界測定値mHij(→)(b)を求める。
ただし、センサグリッド座標系O-XYZとして、各素子の位置を特定しておくものとする。
シャーレに細胞を設置してから、センサグリッド位置(i,j)における磁界を計測して磁界測定値mHij(→)(a)を求め、そこからmHij(→)(b)を差し引いて、測定値mHij(→)とし、磁界分布を計算し、mHij(→) 絶対値分布にk個のピークがある場合、そのピーク位置Pk(Xk、Yk、Zk)に電流素片Ikdskが存在すると仮定する。dsの長さはピーク位置を中心に、その山の広がりから定めるものとする。
細胞集合体4は、細胞41~細胞45の5個(n=5)からなり、それぞれの細胞の等高線411~等高線451が図示され、等高線図を示している。それぞれの等高線図のピークに電流素片I1ds1~電流素片I5ds5があり、その位置が位置P1~位置P5でなる。
それを電流素片分布計算プログラムに転送する。
ピーク位置Pkに電流素片Ikdskが存在すると仮定してPkの位置にあるn個の電流素片Idsが作る各磁気センサ素子グリッドの位置Gij(Xij,Yij)における理論的磁界強度は、k番目の電流素片が発する磁界は、計算式tHijk(→)=1/4πRijk 3×Ikdsk(→)×Rijk(→)で求めることができる。電流素片は1からn個あるので、Gij(Xij,Yij)の位置における理論的磁界強度は、tH ij =Σ 1/4πR ijk 3 ×I k ds k ×R ijk とn個の和で求める。
k番目の電流素片の位置Ikdskと磁界の測定位置Gij(Xij,Yij)までの距離ベクトルRijk(→)と、電流素片のZ軸との傾きをφkとし、X軸との傾きをθkとすると、
tH ij は、電流強度Ikと電流素片の長さdskと位置Xijk、Yijk、Zijkと方位角θk、φkの関数となる。
測定誤差を計算する。
e ij (→) = mH ij (→)-tH ij (→)
誤差の平方和を求める。
E = Σe ij 2
ガウスニュートン法で 誤差平方和が最小となる電流強度Ikと電流素への長さdskとXk、Yk、Zkと方位角θk、φkを算出する。
各電流素片の大きさIkdskと位置Xk、Yk、Zkの値から、電流素片分布を計算し、それをPC画面にイメージ画像として表示する。または各電流素片の電流の強度Ikと位置Xk、Yk、Zkの値から、電流分布を計算し、それをPC画面にイメージ画像として表示する
これによりリアルタイムで細胞の機械的運動と形状変化の動き(図9(a))と各細胞の活性化度71(図9(b))の両方を容易に観察できるようにすることができる。
本発明の第1実施形態において、各設計要素を、以下の通りとしたものである。
磁気センサとして、GSRセンサを採用する。GSR素子の構造を図2に示す。
磁性ワイヤ22の長さを0.95mmとし、ワイヤ径は10μmとし、コイルピッチは3μmとし、コイルの幅は30μmとし、および磁性ワイヤの本数は、4本とした。コイル巻き数を1,200回とした。センサグリッドの単位素子のサイズは、1mmとした。これにより、単位素子の磁気検出力は1pTであった。
さらに、グリッド間の磁界については、補間法で近似曲線を作成し、グリッド間隔の1/20程度の磁界空間分布能を得ることができた。
第1ステップ(101)は、観察前に、センサグリッド位置(i,j)における磁界を計測して初期の磁界測定値mHij(→)(b)を求める。
ただし、センサグリッド座標系O-XYZとして、各素子の位置を特定しておくものとする。
e ij (→) = mH ij (→)-tH ij (→)
E = Σe ij 2
電流素片の中心位置と強度・方位は、画素の大きさの1/10以下の位置精度を持ち、電流の強度はと方位は、±10%以下の精度で計算することができる。
また、各電流素片の分布と電流保存の法則とが矛盾していなかった。
磁気顕微鏡の磁界空間分解能と電流素片の中心位置の位置精度は50μmで、これにより20倍の光学顕微鏡の精度に対応することができた。電流の強度と方位は、±10%以下の精度になると電流素片の計算プログラムを使ったシュミユレーション計算の結果、見積もることができた。
実施例1において、GSRセンサとして、磁性ワイヤ長さを10μmとし、ワイヤ径は8μmとし、コイルピッチは0.1μmとし、コイルの幅は20μmとし、およびワイヤの本数は、2本とした。センサグリッドの単位素子のサイズは、0.10mmとした。コイル巻き数を200回とした。これにより、単位素子の磁気検出力は100pTであった。
により100倍の光学顕微鏡の精度に対応することができた。電流の強度と方位は、±10%以下の精度となると理論的に予測された。
実施例1において、GSRセンサとして、磁性ワイヤ長さを10μmとし、ワイヤ径は2μmとし、コイルピッチは0.2μmとし、コイルの幅は4.5μmとし、およびワイヤの本数は、2本とした。センサグリッドの単位素子のサイズは、0.011mmとした。コイル巻き数を100回とした。これにより、単位素子の磁気検出力は500pTであった。
より1000倍の光学顕微鏡の精度に対応することができた。電流の強度と方位は、±5%以下の精度となると電流素片の計算プログラムを使ったシュミュレーション計算の結果、見積もることができた。
実施例1において、GSRセンサとして、磁性ワイヤ長さを2mmとし、ワイヤ径は10μmとし、コイルピッチは3μmとし、コイルの幅は40μmとし、およびワイヤの本数は、4本とした。センサグリッドの単位素子のサイズは、0.011mmとした。コイル巻き数を2000回とした。これにより、単位素子の磁気検出力は5pTであった。
により10倍の光学顕微鏡の精度に対応することができた。電流の強度と方位は、±10%以下の精度となると電流素片の計算プログラムを使ったシュミュレーション計算の結果、見積もることができた。
実施例1~実施例4の磁気顕微鏡に光学顕微鏡を組み合わせたものである。
図8に示すように、磁気センサ素子グリッド50をシャーレ51の基板面の下方に設置し、上方には光学顕微鏡53が設置したことにより、細胞52の動きを光学的に観察してCCDカメラ64で撮影し、同時に磁気的に観察することができた。光学顕微鏡で観察した細胞の形状図の上に、磁気顕微鏡で測定した電流素片分布を重ねて、その画像をスクリーンに表示した。これによりリアルタイムで細胞の機械的運動と形状変化の動きと各細胞の活性化度の両方を容易に観察できた(図9)。
2:磁気センサ素子(GSRセンサ素子)
21:基板、22:磁性ワイヤ、23:検出コイル、24:ワイヤ端子、25:ワイヤ電極、26:配線、27:コイル端子、28:コイル電極、29:配線
3:磁気センサ素子グリッド
31:センサグリッド基板(基板)
32:グリッド単位素子(単位素子)
321x:X軸方向の磁気センサ素子(GSRセンサ素子)、321y:Y軸方向の磁気センサ素子(GSRセンサ素子)、321z:Z軸方向の磁気センサ素子(GSRセンサ素子)、321o:原点(単位素子の原点、磁界ベクトルセンサの原点)、321w:磁性ワイヤ
33:素子台座
330:台座、331:台形斜面、332:稜線、333:上面
4:単位素子
4(41):1軸素子グリッド-Z軸タイプ
40:シャーレ、411:GSR素子、412:ASIC、413:電極、414:グリッド配線(配線)、415:被覆剤
4(42):1軸素子グリッド-X軸タイプ
40:シャーレ、421:GSR素子、422:ASIC、423:電極、424:グリッド配線(配線)、425:被覆剤
4(43):1軸素子グリッド-Y軸タイプ
40:シャーレ、431:GSR素子、432:ASIC、433:電極、434:グリッド配線(配線)、435:被覆剤
4(44):2軸素子グリッド
40:シャーレ、441:GSR素子、442:ASIC、443:電極、444:グリッド配線(配線)、445:被覆剤
4(45):3軸素子グリッド
40:シャーレ、451:GSR素子、452:ASIC、453:電極、454:グリッド配線(配線)、455:被覆剤
5:細胞集合体
51:細胞、511:等高線、512:電流素片
52:細胞、521:等高線、522:電流素片
53:細胞、531:等高線、532:電流素片
54:細胞、541:等高線、542:電流素片
55:細胞 551:等高線、552:電流素片
6:磁気顕微鏡と光学顕微鏡の一体システム
61:磁気顕微鏡、611:磁気センサ素子(GSRセンサ素子)、62:シャーレ、63:細胞集合体、64:光学顕微鏡、65:CCDカメラ
7:細胞集合体
71:激しい運動箇所
Claims (6)
- 細胞観察用シャーレの細胞液側の基板面に設置された磁気センサ素子グリッドと、
前記磁気センサ素子グリッドで、細胞内に流れる電流素片から生じる微小磁界に対応するグリッド電圧を検知して、前記グリッド電圧をグリッド磁界の値に変換する信号処理回路と、
前記磁気センサ素子グリッドは、センサグリッド基板上のX軸とY軸に沿った碁盤目状の交点の位置に、磁気センサ素子を配置して、交点の位置の磁界を測定し、
前記グリッド磁界の絶対値を等高線図として表示する表示装置とを備えていることを特徴とする磁気顕微鏡。 - 請求項1において、
前記磁気センサ素子は、Hz磁界、Hx磁界、Hy磁界のいずれか1磁界を測定する1軸素子からなることを特徴とする磁気顕微鏡。 - 請求項1において、
前記磁気センサ素子は、Hx磁界およびHy磁界を測定する2軸素子からなることを特徴とする磁気顕微鏡。 - 請求項1において、
前記磁気センサ素子は、Hx磁界、Hy磁界およびHz磁界を測定する3軸素子からなることを特徴とする磁気顕微鏡。 - 請求項1~請求項4のいずれか一項 において、
前記グリッド磁界の値から細胞内に流れる前記電流素片を計算するプログラムおよび前記プログラムにより計算した値をイメージ画像としてスクリーンに表示する前記表示装置からなることを特徴とする磁気顕微鏡。 - 請求項5において、
細胞内の前記電流素片から発する磁界を前記磁気センサ素子グリッドの(i,j)番の位置にある磁気センサで測定してその測定値をmHij(→)とし、mHij絶対値の等高線図を作成し、
前記mHij(→)のピークから前記電流素片Idsの位置P(x,y,z)を仮定し、前記mHij(→)のピークの山の広がりから前記電流素片Idsの長さを仮定して、細胞集合体内にn個の前記電流素片Idsが存在しているとの計算モデルを作成し、
次に、k番目の前記電流素片Ikdskの位置Pk(xk,yk,zk)とし、磁界の測定位置Gij(xij,yij,0)として前記電流素片位置Pk(xk,yk,zk)と前記磁界測定位置Gij(xij,yij,0)との距離Rijkとすると、
k番目の前記電流素片Ikdskが前記センサグリッド基板上に作る磁界は、それぞれHk(→)=1/4πRk 3×Ikdsk(→)×Rk(→)の方程式から求めることができるので、それらの磁界を加算して、前記磁気センサ素子グリッドの測定位置G(i,j)番の位置に作る理論値tHij(→)とし、
両者の誤差をeij(→)=mHij(→)-tHij(→)とし、
誤差関数E=Σ(e ij ) 2 を作成し、
Ik(→)の向きについては、XY軸平面に対して、傾斜角をφkとして、X軸に対する角度をθkとし、
この誤差関数からIkとdskとθkとφkおよびXk、Yk、Zkに関する7n個の連立方程式を求め、その式から未知数を求め、
前記細胞集合体に流れるn個の前記電流素片Idsを計算し、その結果を用いて前記電流素片Idsの分布図を作成し、スクリーンに表示することを特徴とする磁気顕微鏡。
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磁気センサーの"異端児"がウェアラブルを変える,EE Times Japan [online],2016年04月05日,[2023年5月10日検索],インターネット<URL:https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/1604/05/news065.html> |
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