JP7328387B2 - 粘着フィルム、それが用いられた表面保護フィルム、及び光学フィルム - Google Patents

粘着フィルム、それが用いられた表面保護フィルム、及び光学フィルム Download PDF

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本発明は、帯電防止剤を含有する粘着剤組成物、及び表面保護フィルムに関する。さらに詳細には、帯電防止剤として、ノナフルオロブタンスルホナート等の、特定のスルホナートアニオンを有するイオン性化合物を含有する粘着剤組成物であり、それにより優れた帯電防止性能と、耐汚染性とを有する粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムに関するものである。
従来から、電子機器部品、光学機器部品、画像表示パネルなどの精密部品及び部材の製造加工・組み立て工程においては、これらの精密部品及び部材の表面を一時的に保護して、作業環境雰囲気からのパーティクル・気体状の汚染物質の付着や、すりキズ・打痕の発生を防止するために表面保護フィルムが、精密部品及び部材の表面に貼着されている。
例えば、液晶ディスプレイを構成する部材である偏光板、位相差板などの光学部材を製造する工程において使用される表面保護フィルムは、光学的に透明性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムの片面に粘着剤層が形成されているが、光学部材に貼り合わせるまで、その粘着剤層を保護するための剥離処理された離形フィルムが、粘着剤層の上に貼り合わされている。
また、偏光板、位相差板などの光学部材は、表面保護フィルムを貼り合わされた状態で、液晶表示板の表示能力、色相、コントラスト、異物混入などの光学的評価を伴う製品検査を行うため、表面保護フィルムに対する要求性能としては、粘着剤層に気泡や異物が付着していないことが求められている。
また、近年では、偏光板、位相差板などの光学部材から表面保護フィルムを剥がすときに、粘着剤層を被着体が剥がす時に発生する静電気に伴って生じる剥離帯電が、液晶ディスプレイの電気制御回路の故障に影響することが懸念され、粘着剤層に対して優れた帯電防止性能が求められている。
このように、近年においては、表面保護フィルムを構成する粘着剤層に対する要求性能として、優れた帯電防止性能、及び汚染防止性能などが、表面保護フィルムを使用するに当たっての使い易さの点から求められている。
優れた帯電防止性能については、表面保護フィルムに帯電防止性を付与させるための方法として、基材フィルムに帯電防止剤を練り込む方法などが示され、帯電防止剤としては、例えば、(a)第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1~3級アミノ基などのカチオン性基を有する各種のカチオン性帯電防止剤、(b)スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性帯電防止剤、(c)アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性帯電防止剤、(d)アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性帯電防止剤、(e)上記の様な帯電防止剤を高分子量化した高分子型帯電防止剤、などが開示されている(特許文献1)。
また、近年では、このような帯電防止剤を基材フィルムに含有させたり、あるいは基材フィルムの表面に塗布するのではなく、直接に粘着剤層に含有させたりすることが提案されている(特許文献2)。
特開平11-070629号公報 特開2000-129235号公報
ところで、LR(Low Reflective)偏光板やAG(Anti Glare)-LR偏光板などの光学フィルムに使用する表面保護フィルムでは、光学フィルムの表面が、シリコーン化合物やフッ素化合物などで防汚処理や低反射表面処理が施されているため、このような光学フィルムに使用された表面保護フィルムを、被着体から剥離する時の剥離帯電圧が高くなる。
また、帯電防止性能を備えた粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムの、帯電防止性能と、被着体への耐汚染性との関係はトレードオフの関係であり、帯電防止性能を維持したまま、耐汚染性を改善することは困難であった。
このため、LR偏光板やAG-LR偏光板などの光学フィルムに使用する表面保護フィルム用の粘着剤組成物においては、光学フィルムの表面がシリコーン化合物やフッ素化合物などで防汚処理や低反射表面処理が施されている場合でも、表面保護フィルムを光学フィルムから剥離する時の、剥離帯電圧を低く抑え、且つ、被着体の汚染が少ない粘着剤組成物が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被着体が、フッ素化合物を含有する組成物により表面処理が施された場合において、優れた帯電防止性能と、耐汚染性とを両立することが可能な粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムを提供するという新規な課題を解決するものである。
本発明者らは、粘着剤組成物のアクリル系ポリマーを構成するアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数を特定の範囲に限定し、特定の組み合わせの2種以上のアルキル(メタ)アクリレートを共重合させた共重合体と、ノナフルオロブタンスルホナート等の、特定のスルホナートアニオンを有する融点25℃以上のイオン性化合物からなる帯電防止剤とを含有した新たな粘着剤組成物を作成した。このことにより、従来の表面保護フィルム用粘着剤組成物と比べて、優れた耐汚染性を有し、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する粘着剤組成物が得られることを見つけ出し、本発明を完成した。
特に、本発明に係わる表面保護フィルムは、被着体が、光学フィルムの表面に積層された、フッ素化合物を含有する防汚層、又は、フッ素化合物を含有する低屈折率形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層を有する被着体である場合において、従来技術に比べて、優れた耐汚染性を有し、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有することから、帯電防止性能と、耐汚染性との両立に効果があることが判明した。
前記課題を解決するため、本発明は、
アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、
前記アクリル系ポリマーが、
(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を1~50重量部と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を50~99重量部との割合で含有してなり、前記(a1)と前記(a2)との合計が100重量部である(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上と、
(B)水酸基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種以上と、
(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、
を共重合させた共重合体のアクリル系ポリマー(但し、水酸基を含有しない窒素含有ビニルモノマーまたはアルコキシ基含有アルキル(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1種以上を共重合させたものを除く。)であり、
前記(a2)のうち、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選択した少なくとも1種を50重量部以上の割合で含有してなり、
前記アクリル系ポリマーが、0℃以下のガラス転移温度を有してなり、
前記(D)架橋剤が、3官能以上のイソシアネート化合物であり、
前記帯電防止剤が、カチオンとアニオンとからなる融点25℃以上のイオン性化合物であり、前記アニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオン、ペンタフルオロエタンスルホナートアニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホナートアニオン、ノナフルオロブタンスルホナートアニオン、からなる群から選択された1種であり、
前記粘着剤組成物が、さらに、(E)金属キレート化合物の架橋促進剤と、(F)ケトエノール互変異性体化合物とを含有してなり、
前記粘着剤組成物が、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記帯電防止剤を0.01~10重量部の割合で必須成分として含有してなることを特徴とする粘着剤組成物を提供する。
また、前記アクリル系ポリマーが、
(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を1~50重量部と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を50~99重量部との割合で含有してなり、前記(a1)と前記(a2)との合計が100重量部である(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上と、
(B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種以上と、
(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、
を共重合させた共重合体のアクリル系ポリマーであり、
前記(a2)のうち、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選択した少なくとも1種を50重量部以上の割合で含有してなり、
前記粘着剤組成物が、さらに、(E)金属キレート化合物の架橋促進剤と、(F)ケトエノール互変異性体化合物とを含有してなることが好ましい。
前記カチオンが、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、スルホニウム、ピロリジニウム、グアニジニウム、アンモニウム、イソウロニウム、チオウロニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、メチリウム、リチウム、モルホリニウムからなる群から選択された1種であることが好ましい。
前記粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層の、表面抵抗率が1.0×10+12Ω/□以下であり、フッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層に対する、前記粘着剤層の剥離帯電圧が-0.3~+0.3kVであることが好ましい。
前記(B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーが、水酸基を含有する共重合可能なモノマー、及びカルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーからなる群から選択された少なくとも1種以上であり、
前記水酸基を含有する共重合可能なモノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であり、
前記カルボキシル基を含有する共重合可能なモノマーが、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸からなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。
前記(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であり、
前記(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマー中のジエステル分が0.2%以下であり、
前記(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群の中から選択された少なくとも1種以上を、前記(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上の合計100重量部に対して、1~50重量部の割合で含有することが好ましい。
前記(E)架橋促進剤が、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、鉄キレート化合物からなる群の中から選択された少なくとも1種以上であり、
前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記(E)架橋促進剤を0.001~0.5重量部と、前記(F)ケトエノール互変異性体化合物を0.1~300重量部との割合で含有してなり、前記(F)/前記(E)の重量部比率が、70~1000であることが好ましい。
また、本発明は、樹脂フィルムの片面に、上記の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の粘着フィルムが用いられた、表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、上記の粘着フィルムが用いられた、偏光板用の表面保護フィルムを提供する。
また、本発明は、光学フィルムの少なくとも一方の面に、上記の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が積層されている粘着剤層付き光学フィルムを提供する。
また、本発明は、前記樹脂フィルムの片面の、前記粘着剤層が積層された側とは反対面に、帯電防止処理および防汚処理が施されている粘着フィルムを提供する。
本発明によれば、優れた帯電防止性能と、耐汚染性とを両立することが可能な粘着剤組成物、及び表面保護フィルムを提供することができる。
本発明に係わる粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムは、被着体が、光学フィルムの表面に積層された、フッ素化合物を含有する防汚層、又は、フッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層を有する被着体である場合において、従来技術に比べて、優れた耐汚染性を有し、且つ、経時劣化しないで優れた剥離帯電防止性能を有する。
すなわち、本発明に係わる粘着剤組成物、及びそれを用いた表面保護フィルムは、優れた帯電防止性能と、耐汚染性とを備えているため、産業上の利用価値が極めて大である。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
本実施形態の粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、前記アクリル系ポリマーが、0℃以下のガラス転移温度を有してなり、前記(D)架橋剤が、3官能以上のイソシアネート化合物であり、前記帯電防止剤が、カチオンとアニオンとからなる融点25℃以上のイオン性化合物であり、前記アニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオン、ペンタフルオロエタンスルホナートアニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホナートアニオン、ノナフルオロブタンスルホナートアニオン、からなる群から選択された1種であり、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記帯電防止剤を0.01~10重量部の割合で必須成分として含有してなる。
また、前記帯電防止剤は、温度25℃において固体の融点25℃以上のイオン性化合物であることが好ましく、さらに、前記帯電防止剤の融点が450℃以下であることが好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物に用いられるアクリル系ポリマーは、0℃以下のガラス転移温度を有する。また、アクリル系ポリマーは、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを主成分とする共重合体が好ましい。
また、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートモノマーのアルキル基は、直鎖、分枝状、環状のいずれでもよい。
また、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計100重量部に対して、(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を1~50重量部と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を50~99重量部との割合であることが好ましい。また、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの合計100重量部に対して、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーのうち、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選択した少なくとも1種を50重量部以上の割合で含有してなることが好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物に用いられるアクリル系ポリマーは、(B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種を、任意成分として共重合させることができる。(B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーとしては、水酸基を含有する共重合可能なモノマー(ヒドロキシル基含有モノマー)、及びカルボキシル基を含有する共重合可能なモノマー(カルボキシル基含有モノマー)からなる群から選択された少なくとも1種以上が挙げられる。すなわち、ヒドロキシル基含有モノマー、又はカルボキシル基含有モノマーのいずれか一方のみを選択して共重合させてもよく、ヒドロキシル基含有モノマー、及びカルボキシル基含有モノマーの両方を共重合させてもよい。
また、ヒドロキシル基含有モノマーとしては、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどからなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上が挙げられる。本実施形態の粘着剤組成物に含有させるヒドロキシル基含有モノマーの割合は、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上の合計100重量部に対して、0.1~20重量部の割合であることが好ましく、4.1~16重量部の割合であることがより好ましく、5.1~14重量部の割合であることが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルマレイン酸、カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸などからなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上が挙げられる。本実施形態に係わる粘着剤組成物におけるカルボキシル基含有モノマーの割合は、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上の合計100重量部に対して、0~5.0重量部である(カルボキシル基含有モノマーを共重合させない場合も許容される)ことが好ましく、カルボキシル基含有モノマーを共重合させる場合には、0.01~5.0重量部の割合であることがより好ましく、0.02~1.3重量部の割合であることが特に好ましく、0.02~0.8重量部の割合であることが最も好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物に用いられるアクリル系ポリマーは、(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーを、任意成分として共重合させてもよい。(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、ポリアルキレングリコールの有する複数の水酸基のうち、一つの水酸基が(メタ)アクリル酸エステルとしてエステル化された化合物であればよい。(メタ)アクリル酸エステル基が重合性基となるので、前記アクリル系ポリマーに共重合することができる。本実施形態では、他の水酸基がOHのままである、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートであっても、(B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーには分類しない。(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、他の水酸基がアルキルエーテルに変換されたアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等であってもよい。
また、ポリアルキレングリコール鎖を構成するポリアルキレングリコールとしては、1種または2種以上のアルキレン基を有するグリコール化合物であればよく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ポリブチレングリコールなどが挙げられる。
また、(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ポリアルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドの平均繰り返し数が3~14であることが好ましい。「アルキレンオキサイドの平均繰り返し数」とは、(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの分子構造に含まれる「ポリアルキレングリコール鎖」の部分において、アルキレンオキサイド単位が繰り返す平均の数である。また、(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマー中のジエステル分は、0.2%以下であることが好ましい。「モノマー中のジエステル分」とは、(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマー中に含まれるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステルの含有率(重量%)である。
また、(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群の中から選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。
本実施形態に係わる粘着剤組成物における(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合は、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上の合計100重量部に対して、1~50重量部の割合が好ましく、1~30重量部の割合がより好ましく、2~25重量部の割合が特に好ましい。
本実施形態に係わる粘着剤組成物に含有させるアクリル系ポリマーの製造方法は、特に限定されるものではなく、溶液重合法、乳化重合法等、適宜、公知の重合方法が使用可能である。本実施形態に係わる粘着剤組成物は、用いられるアクリル系ポリマーの共重合体の重量平均分子量が、100~300万であることが好ましい。
本実施形態に係わる粘着剤組成物は、帯電防止性能を得るために、(G)帯電防止剤を含有する。(G)帯電防止剤は、カチオンとアニオンとからなる融点25℃以上のイオン性化合物であって、そのアニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオン(CFSO )、ペンタフルオロエタンスルホナートアニオン(CFCFSO )、ヘプタフルオロプロパンスルホナートアニオン(CFCFCFSO )、ノナフルオロブタンスルホナートアニオン(CFCFCFCFSO )からなる群から選択された1種である。本実施形態に係わる粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(G)帯電防止剤を0.01~10重量部の割合で必須成分として含有してなるのが好ましく、さらに粘着剤層の帯電防止性能を高めて表面抵抗率の下限値を1.0×10+10Ω/□以下にまで低減させることが必要な場合には、(G)帯電防止剤を0.01~15重量部の割合で含有するのがより好ましい。
また、イオン性化合物に含有されるカチオンとしては、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、スルホニウム、ピロリジニウム、グアニジニウム、アンモニウム、イソウロニウム、チオウロニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、メチリウム、リチウム、モルホリニウムからなる群から選択された1種が挙げられる。
また、(G)帯電防止剤の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム、1-メチル-3-オクチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホナート塩、3-メチル-1-オクチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホナート塩、1-メチル-4-オクチルピリジニウム ノナフルオロブタンスルホナート塩、4-メチル-1-オクチルピリジニウム ノナフルオロブタンスルホナート塩、ジメチルジオクチルアンモニウム ペンタフルオロエタンスルホナート塩、1-メチル-3-オクチルピリジニウム ヘプタフルオロプロパンスルホナート塩、3-メチル-1-オクチルピリジニウム ヘプタフルオロプロパンスルホナート塩、1-メチル-3-オクチルピリジニウム ノナフルオロブタンスルホナート塩、3-メチル-1-オクチルピリジニウム ノナフルオロブタンスルホナート塩、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム ノナフルオロブタンスルホナート塩などが挙げられる。
本実施形態に係わる粘着剤組成物は、さらに、(D)架橋剤として、3官能以上のイソシアネート化合物を含有する。
3官能以上のイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパンや、グリセリン等の3価以上のポリオールとのアダクト体などが挙げられる。
(D)架橋剤の割合としては、例えば、アクリル系ポリマーの100重量部に対して0.01~5重量部の割合が挙げられる。
本実施形態に係わる粘着剤組成物は、(E)架橋促進剤を含有してもよい。(E)架橋促進剤は、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする場合に、前記アクリル系ポリマーと架橋剤との反応(架橋反応)に対して触媒として機能する物質であればよく、第三級アミン等のアミン系化合物、金属キレート化合物、有機錫化合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物等の有機金属化合物等が挙げられる。本実施形態では、架橋促進剤として、金属キレート化合物が好ましい。
また、金属キレート化合物としては、中心金属原子Mに、1以上の多座配位子Lが結合した化合物である。金属キレート化合物は、金属原子Mに結合する1以上の単座配位子Xを有してもよく、有しなくてもよい。例えば、金属原子Mが1つである金属キレート化合物の一般式を、M(L)(X)で表すとき、m≧1、n≧0である。mが2以上の場合、m個のLは同一の配位子でもよく、異なる配位子でもよい。nが2以上の場合、n個のXは同一の配位子でもよく、異なる配位子でもよい。
また、金属原子Mとしては、Fe,Ni,Mn,Cr,V,Ti,Ru,Zn,Al,Zr,Sn等が挙げられる。
多座配位子Lとしては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステルや、アセチルアセトン(別名2,4-ペンタンジオン)、2,4-ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ-ジケトンが挙げられる。これらは、ケトエノール互変異性体化合物であり、多座配位子Lにおいてはエノールが脱プロトンしたエノラート(例えばアセチルアセトネート)であってもよい。
単座配位子Xとしては、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、2-エチルヘキサノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基等のアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられる。
また、金属キレート化合物の具体例としては、トリス(2,4-ペンタンジオナト)鉄(III)、鉄トリスアセチルアセトネート、チタニウムトリスアセチルアセトネート、ルテニウムトリスアセチルアセトネート、亜鉛ビスアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、トリス(2,4-ヘキサンジオナト)鉄(III)、ビス(2,4-ヘキサンジオナト)亜鉛、トリス(2,4-ヘキサンジオナト)チタン、トリス(2,4-ヘキサンジオナト)アルミニウム、テトラキス(2,4-ヘキサンジオナト)ジルコニウム等が挙げられる。
また、(E)架橋促進剤としては、アルミニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、鉄キレート化合物からなる群の中から選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。本実施形態に係わる粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(E)架橋促進剤を0.001~0.5重量部の割合で含有することが好ましい。
本実施形態に係わる粘着剤組成物は、(F)ケトエノール互変異性体化合物を含有してもよい。(F)ケトエノール互変異性体化合物としては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ-ケトエステルや、アセチルアセトン、2,4-ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ-ジケトンが挙げられる。これらは、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする粘着剤組成物において、架橋剤の有するイソシアネート基をブロックすることにより、架橋剤の配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長することができる。
本実施形態に係わる粘着剤組成物は、アクリル系ポリマーの100重量部に対して、(F)ケトエノール互変異性体化合物を0.1~300重量部との割合で含有することが好ましい。
また、(F)ケトエノール互変異性体化合物は、(E)架橋促進剤とは反対に、架橋を抑制する効果を有することから、(E)架橋促進剤に対する(F)ケトエノール互変異性体化合物の割合を適切に設定することが好ましい。粘着剤組成物のポットライフを長くし、貯蔵安定性を向上させるには、(F)/(E)の重量部比率が、70~1000であることが好ましく、70~700であることがより好ましく、80~600であることが特に好ましい。ここで、(F)/(E)の重量部比率とは、(F)の重量部を(E)の重量部で除算して得られた商の値である。
本実施形態の粘着剤組成物は、上述の添加剤に限らず、酸化防止剤、界面活性剤、硬化促進剤、可塑剤、充填剤、硬化遅延剤、加工助剤、老化防止剤などの公知の添加剤が適宜に配合されてもよい。これらは、単独で、もしくは2種以上を併せて用いることができる。
本実施形態の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層は、粘着剤層の表面抵抗率が1.0×10+12Ω/□以下であることが好ましく、表面抵抗率が5.0×10+11Ω/□以下であることがより好ましく、表面抵抗率が2.0×10+11Ω/□以下であることが特に好ましい。表面抵抗率が大きいと、粘着剤層を被着体から剥離する時に帯電で発生した静電気を逃がす性能に劣る。このため、粘着剤層の表面抵抗率を十分に小さくすることにより、粘着剤層を被着体から剥がす時に発生する静電気に伴って生じる剥離帯電圧が低減され、被着体に影響することを抑制することができる。
本実施形態の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層は、フッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層に対する、粘着剤層の剥離帯電圧が-0.3~+0.3kVの範囲内であることが好ましい。低屈折率層形成用の組成物に用いられるフッ素化合物としては、フッ素化オレフィン類、フッ素化ビニルエーテル類、フッ素化アルキル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上の重合物である含フッ素共重合体、フッ素化アルキル基含有シラン化合物等の縮合物が挙げられる。含フッ素共重合体は、フッ素化されたモノマーに加えて、オレフィン類、ビニルエーテル類、(メタ)アクリレート等の、フッ素化されていないモノマーが共重合されていてもよい。低屈折率層は、高屈折率層等と組み合わせて反射防止層を構成してもよい。
本実施形態の粘着フィルムは、基材フィルムの片面上に、本実施形態の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が積層されたものである。本実施形態の粘着フィルムは、表面保護フィルム、偏光板用の表面保護フィルム、光学フィルム用の表面保護フィルムに好適に用いることができる。光学フィルムの少なくとも一方の面に、本実施形態の粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を積層することにより、粘着剤層付き光学フィルムを得ることができる。光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩(アンチグレア)フィルム、紫外線吸収フィルム、赤外線吸収フィルム、光学補償フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられる。光学部材が適用される機器としては、液晶パネル、有機ELパネル、タッチパネル等が挙げられる。
粘着剤層の基材フィルムや、粘着面を保護する離形フィルム(セパレーター)としては、ポリエステルフィルムなどの樹脂フィルム等を用いることができる。
基材フィルムには、樹脂フィルムの粘着剤層が形成された側とは反対面に、シリコーン系、フッ素系の離形剤やコート剤、シリカ微粒子等による防汚処理、帯電防止剤の塗布や練り込み等による帯電防止処理を施すことができる。
離形フィルムには、粘着剤層の粘着面と合わされる側の面に、シリコーン系、フッ素系の離形剤などにより離形処理が施される。
偏光板用の表面保護フィルムなどの光学用の表面保護フィルムの場合は、基材フィルム及び粘着剤層は、十分な透明性を有することが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
<アクリル系ポリマーの製造>
[実施例1]
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを導入して、反応装置内の空気を窒素ガスで置換した。その後、反応装置にメチルアクリレート12重量部、2-エチルヘキシルアクリレート88重量部、8-ヒドロキシオクチルアクリレート12.0重量部、アクリル酸0.1重量部、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(アルキレンオキサイドの平均繰り返し数n=12)20重量部とともに、溶剤(酢酸エチル)を100部加えた。その後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を2時間かけて滴下させ、65℃で8時間反応させ、実施例1のアクリル系ポリマー溶液を得た。
[実施例2~6及び比較例1~3]
モノマーの組成を各々、表1の記載のようにする以外は、上記の実施例1に用いるアクリル系ポリマー溶液と同様にして、実施例2~6及び比較例1~3に用いるアクリル系ポリマー溶液を得た。
<粘着剤組成物及び表面保護フィルムの製造>
[実施例1]
上記のとおり製造した実施例1のアクリル系ポリマー溶液に対して、架橋剤(コロネートHX)2.0重量部、帯電防止剤(ノナフルオロブタンスルホン酸リチウム)1.0重量部、架橋促進剤(チタニウムトリスアセチルアセトネート)0.1重量部、ケトエノール互変異性体化合物(アセチルアセトン)9重量部を加えて撹拌混合して実施例1の粘着剤組成物を得た。この粘着剤組成物をシリコーン樹脂コートされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる離形フィルムの上に塗布後、90℃で乾燥することによって溶剤を除去し、厚みが20μmの粘着剤層を得た。その後、一方の面に帯電防止及び防汚処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基材フィルムの、帯電防止及び防汚処理された面とは反対の面に、離形フィルム付き粘着剤層を転写させ、基材フィルム/粘着剤層/離形フィルムの積層構成を有する実施例1の表面保護フィルムを得た。
[実施例2~6及び比較例1~3]
添加剤の組成を各々、表1の記載のようにする以外は、上記の実施例1の表面保護フィルムと同様にして、実施例2~6及び比較例1~3の表面保護フィルムを得た。
Figure 0007328387000001
表1において、各成分の重量部は、(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーである(a1)と(a2)との合計を100重量部として求めた。
なお、表1において、(D)、(G)、(E)、(F)の各欄では、アクリル系ポリマーを100重量部として、各成分の含有割合(重量部)を括弧( )内の数値で示した。
また、表1に用いた各成分の略記号の化合物名を、表2に示す。(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーのうち、C-1~C-5はモノマー中のジエステル分が0.2%以下であり、C-6はモノマー中のジエステル分が0.8%である。G-1~G-6はすべて融点が25℃以上で、25℃において固体のイオン性化合物であり、G-7は融点が15℃で、25℃において液体のイオン性化合物である。
Figure 0007328387000002
なお、コロネート(登録商標)HX、同HL及び同Lは東ソー株式会社の商品名であり、D-127N、タケネート(登録商標)D-140Nは三井化学株式会社の商品名である。また、HDIはヘキサメチレンジイソシアネートを意味し、IPDIはイソホロンジイソシアネートを意味し、XDIはキシリレンジイソシアネートを意味し、TDIはトリレンジイソシアネートを意味し、TMPはトリメチロールプロパンを意味する。
<試験方法及び評価>
実施例1~6及び比較例1~3における表面保護フィルムを、それぞれ23℃、50%RHの雰囲気下で7日間エージングしてから、以下の試験方法により評価した。
<粘着力の試験方法>
離形フィルムを剥がして、粘着剤層を表出させた表面保護フィルムを、粘着剤層を介して偏光板(偏光子の保護層がTACである偏光板を使用)の表面に貼り合わせ、1日放置した後、50℃、5気圧、20分間オートクレーブ処理し、室温でさらに12時間放置したものを、粘着力の測定試料とした。被着体の前記偏光板は、LR偏光板、又はAG-LR偏光板である。上記で得られた測定試料を、180°方向に引張試験機を用いて低速度(0.3m/min)又は高速度(30m/min)において剥がして測定した剥離強度を粘着力とした。
ここで、上記のLR偏光板、及びAG-LR偏光板は、前記偏光板の表面が、フッ素化合物を含有する組成物で低反射表面処理が施されている。
<表面抵抗率の試験方法>
表面保護フィルムをエージングした後、被着体に貼り合わせる前に、離形フィルムを剥がして粘着剤層を表出し、抵抗率計ハイレスタUP-HT450(三菱化学アナリテック製)を用いて粘着剤層の表面抵抗率を測定した。
<剥離帯電圧の試験方法>
離形フィルムを剥がして、粘着剤層を表出させた表面保護フィルムを、被着面にフッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層を有する被着体に貼合した。表面保護フィルムを、30m/minの引張速度で180°剥離した際に、被着体が帯電して発生する電圧(帯電圧)を高精度静電気センサSK-035、SK-200(株式会社キーエンス製)を用いて測定し、測定値の最大値を剥離帯電圧とした。
<耐汚染性の試験方法>
ガラス板の片面上に、前記低反射表面処理を施したLR偏光板、又は前記低反射表面処理を施したAG-LR偏光板(偏光子の保護層がTACである偏光板を使用)を、貼合機を用いて、粘着剤層(両面粘着テープ)を介して貼合した。その後、前記偏光板の表面に、表面保護フィルムを、貼合機を用いて貼合した。23℃、50%RHの環境下で3日および30日の期間に渡って保管した後に、前記表面保護フィルムを剥がし、前記偏光板の表面の汚染状態を目視にて観察した。耐汚染性の判断基準は、前記偏光板の表面に対して汚染なしの場合を「○」、わずかに汚染ありの場合を「△」、汚染ありの場合を「×」と評価した。
表3に、実施例1~6及び比較例1~3における、表面保護フィルムについての評価結果を示す。「表面抵抗率」は、「m×10+n」を「mE+n」とする方式(ただし、mは任意の実数値、nは正の整数)により表記した。「表面処理」の欄は、粘着力の試験で用いた被着体の偏光板の種類を示す。
Figure 0007328387000003
実施例1~6の表面保護フィルムは、被着体である偏光板に対して、低速の剥離速度0.3m/minでの粘着力が0.03~0.05N/25mm(例えば、0.01~0.1N/25mm)、高速の剥離速度30m/minでの粘着力が0.4~0.6N/25mm(例えば、1.0N/25mm以下)であり、適正な粘着力を有し、粘着性能が優れていた。
また、実施例1~6の表面保護フィルムは、粘着剤層の表面抵抗率が1.0×10+12Ω/□以下であり、フッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層に対する、粘着剤層の剥離帯電圧が-0.3~+0.3kVの範囲内であり、帯電防止性能が優れていた。
さらに、実施例1~6の表面保護フィルムは、3日および30日の期間に渡って保管した後にも被着体である偏光板に対する汚染がなく、耐汚染性にも優れていた。
すなわち、実施例1~6の表面保護フィルムについての、表3に示された評価結果では、本発明の課題を解決できたことが実証されている。
比較例1~3の表面保護フィルムは、(G)帯電防止剤として液体のイオン性化合物が用いられているため、粘着剤層の表面抵抗率が高く、耐汚染性が悪かった。
また、比較例1~2の表面保護フィルムは、粘着剤層の表面抵抗率が高いために、剥離帯電圧が高かった。比較例3の表面保護フィルムについては、剥離帯電圧を測定していないが、粘着剤層の表面抵抗率が高いことから、剥離帯電圧は高いと推測される。
さらに、比較例2の表面保護フィルムは、粘着剤組成物に含有されているアクリル系ポリマーのガラス転移温度が0℃超過(計算値では、+2℃)となった。このため、粘着性能が悪く、粘着力が過大となった。なお、比較例2に用いたアクリル系ポリマーでは、ホモポリマーのガラス転移温度が高い値(0℃超過)であるメチルアクリレート及びアクリル酸の割合が多くされている。
このように、比較例1~3の表面保護フィルムでは、本発明の課題を解決することができなかった。

Claims (3)

  1. 樹脂フィルムの少なくとも片面に、アクリル系ポリマーと、帯電防止剤と、架橋剤と、(E)金属キレート化合物の架橋促進剤と、(F)ケトエノール互変異性体化合物とを含有する粘着剤層を有する粘着フィルムであって、
    前記アクリル系ポリマーが、
    (a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を1~50重量部と、(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種を50~99重量部との割合で含有してなり、前記(a1)アルキル基の炭素数がC1~C4の(メタ)アクリル酸エステルモノマーと前記(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの合計が100重量部である(A)アルキル基の炭素数C1~18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも2種以上と、
    (B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーの少なくとも1種以上と、
    (C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーの少なくとも1種以上と、
    、前記(C)ポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、水酸基を含有する場合であっても、前記(B)水酸基及び/又はカルボキシル基を含有する共重合性ビニルモノマーには分類しないで共重合させた共重合体のアクリル系ポリマーであり、
    前記(a2)アルキル基の炭素数がC5~C18の(メタ)アクリル酸エステルモノマーのうち、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選択した少なくとも1種を50重量部以上の割合で含有してなり、
    前記アクリル系ポリマーが、0℃以下のガラス転移温度を有してなり、
    前記架橋剤が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートからなる群から選択したジイソシアネート類の、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、3価以上のポリオールとのアダクト体からなる群から選択した3官能以上のイソシアネート化合物であり、
    前記帯電防止剤が、カチオンとアニオンとからなる融点25℃以上のイオン性化合物であり、
    前記カチオンが、ピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、スルホニウム、ピロリジニウム、グアニジニウム、アンモニウム、イソウロニウム、チオウロニウム、ピペリジニウム、ピラゾリウム、メチリウム、リチウム、モルホリニウムからなる群から選択された1種であり、
    前記アニオンが、トリフルオロメタンスルホナートアニオン、ペンタフルオロエタンスルホナートアニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホナートアニオン、ノナフルオロブタンスルホナートアニオン、からなる群から選択された1種であり、
    前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記帯電防止剤を0.01~10重量部の割合で必須成分として含有し、
    前記粘着剤層の、表面抵抗率が1.0×10+12Ω/□以下であり、フッ素化合物を含有する低屈折率層形成用の組成物を用いて形成された低屈折率層に対する、前記粘着剤層の剥離帯電圧が-0.3~+0.3kVの範囲内である
    ことを特徴とする粘着フィルム。
  2. 請求項1に記載の粘着フィルムが用いられた、表面保護フィルム。
  3. 請求項1に記載の粘着フィルムが用いられた、光学フィルム。
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