JP7328075B2 - 像振れ補正装置、およびこれを備える光学装置 - Google Patents

像振れ補正装置、およびこれを備える光学装置 Download PDF

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Description

本発明は、像振れ補正装置、およびこれを備える光学装置に関する。
特許文献1には、振動検出手段の出力信号を処理した後の信号を用いて手ブレ補正を行う防振制御装置が開示されている。
特開2011-145354号公報
しかしながら、特許文献1に開示された振動検出手段の出力信号に対する処理では出力信号に重畳する低周波ノイズを増大させるため、振動の検出精度が低下してしまう。
本発明は、振動の検出精度を向上させることが可能な像振れ補正装置、およびこれを備える光学装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての像振れ補正装置は、振動を検出する振動検出手段の出力信号を用いて演算を行う演算フィルタと、演算フィルタの出力信号に基づいて振動により生じる像ずれを補正する補正手段と、演算フィルタに直列接続され、演算フィルタの折れ点周波数において位相を遅らせ、補正手段の交差周波数において位相を進ませる補正フィルタとを有することを特徴とする。
振動の検出精度を向上させることが可能な像振れ補正装置、およびこれを備える光学装置を提供することができる。
実施例1の光学装置のブロック図である。 実施例1の演算フィルタの周波数特性のボード線図である。 実施例1の演算フィルタの動作を説明する図である。 実施例1のブレ補正手段の周波数特性のボード線図である。 実施例1のブレ補正手段の動作を説明する図である。 実施例1の補正フィルタを構成する第1ノッチフィルタのボード線図である。 実施例1の補正フィルタを構成する第2ノッチフィルタのボード線図である。 実施例1の補正フィルタを構成する第3ノッチフィルタのボード線図である。 実施例1の補正フィルタのボード線図である。 実施例1のブレ補正効果を説明するボード線図である。 実施例1の信号処理を示すフローチャートである。 実施例1の防振敏感度調整の方法を説明する図である。 実施例1の合成位相を示すボード線図である。 実施例1の防振敏感度調整の方法を示すフローチャートである。 実施例1の演算フィルタの時定数が小さい場合の補正フィルタのボード線図である。 実施例2の補正フィルタのボード線図である。 実施例3の補正フィルタのボード線図である。 実施例4の補正フィルタのボード線図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施例の光学装置の一例であるデジタルカメラ11のブロック図である。デジタルカメラ11は、カメラボディ11aと、カメラボディ11aに着脱可能な交換レンズ11bとを有する。カメラボディ11aは、カメラCPU12、撮像素子(補正部材)14、ブレ補正手段14a、振動検出手段15、演算フィルタ16、および補正フィルタ17を有する。本実施例では、ブレ補正手段14a、演算フィルタ16、および補正フィルタ17により像振れ補正装置18が構成される。交換レンズ11bは、撮像光学系13を有する。なお、本実施例では、像振れ補正装置が搭載される光学装置の一例としてデジタルカメラについて説明するが、本発明はこれに限定されない。像振れ補正装置は、デジタルビデオカメラや交換レンズ等の他の光学装置に搭載されてもよい。
カメラCPU12は、撮影者からの撮影指示操作などに応答してカメラボディ11a全体を制御する。
光軸10に沿った被写体光束が撮像光学系13を通して撮像素子14に入射すると、撮像素子14は被写体光束に応答した信号を出力する。撮像素子14から出力された信号は不図示の画像処理部で画像処理を施され、得られた画像情報は不図示の記憶部に記録される。また、撮像素子14は、光軸10と直交する矢印A方向へ駆動されることでデジタルカメラ11に加わるブレ(振動)により撮像素子14の撮像面で生じる像ブレを補正する。
振動検出手段15は、角速度センサであり、デジタルカメラ11に加わるブレを検出する。演算フィルタ16は、振動検出手段15の出力信号を積分して角度信号に変換する。演算フィルタ16から出力される角度信号は、補正フィルタ17を介してブレ補正手段14aに入力される。ブレ補正手段14aは、撮像素子14の位置を検出するとともに、撮像素子14の位置が補正フィルタ17から出力される目標位置に追従するように、すなわちブレ補正を行うように、撮像素子14を駆動制御する。
ここで、図2を参照して、演算フィルタ16の周波数特性について説明する。図2は、演算フィルタ16の周波数特性のボード線図である。
図2(a)において、実線21は振動検出手段15の入力に対する演算フィルタ16の利得特性を示している。積分開始周波数である折れ点周波数ω1より高周波の信号は、演算フィルタ16により1階積分され、1階積分の特性(周波数に反比例した利得)を有する。折れ点周波数ω1は、検出したいブレの周波数帯域23の低周波側より低い周波数に設定される。例えば、検出したいブレが1Hzから10Hzに分布している場合には折れ点周波数ω1は0.1Hzに設定される。
図2(b)において、実線24は、演算フィルタ16の位相特性を示している。折れ点周波数ω1より高周波の信号は、周波数が高くなるにつれて位相が-90度に漸近する。
図3は、演算フィルタ16の動作を説明する図である。図3において、横軸は時間、縦軸はブレの量を示している。波形31,34は、実際のブレ角度を示している。波形32,35は、振動検出手段15が検出するブレ角速度を示している。波形33,36は、振動検出手段15の出力信号を演算フィルタ16で処理した積分信号を示している。
図3(a)は、折れ点周波数ω1より高周波(図2(b)の破線25に対応する周波数)のブレを示している。波形33は波形31と一致するため、実際のブレ角度を正確に検出できている。
図3(b)は、折れ点周波数ω1近傍(図2(b)の破線26に対応する周波数であり、ブレの周波数帯域23の下限周波数)のブレを示している。波形36は、波形34に対して、理想的な積分遅れ特性である-90度に対して図2(b)に示される位相差θ1の位相進みを生じているため、波形34と一致せず、ブレ角度を正確に検出できていない。
図2を用いて演算フィルタ16として折れ点周波数ω1以上の高周波数を積分する演算フィルタについて説明したが、演算フィルタが理想的に全ての周波数を積分する場合においても位相問題が発生する可能性がある。例えば、演算フィルタ16として振動検出手段15に重畳するバイアス信号のカットを目的に折れ点周波数ω1以下の低周波を減衰させるハイパスフィルタを用いた場合でも図3で説明した現象は同じになる。
図2(c)において、実線28は振動検出手段15の入力に対するハイパスフィルタの利得特性を表している。実線28では、折れ点周波数ω1より低周波の信号は減衰している。実線28で示される利得特性と破線の実線29で示される理想積分の利得特性が直列接続されると、実線21の利得特性となる。そのため、位相特性は、図2(d)の実線30で表されるように、図2(b)の位相特性と同じになる。したがって、理想積分とハイパスフィルタを組み合わせた場合でも低周波における位相進み現象は発生する。
なお、ブレ補正手段がPID制御(Proportional-Integral-Differential Controller)されている場合、その中の積分制御(Integral Controller)がハイパスフィルタと同じ役割となる。そのため、ハイパスフィルタが用いられない場合でもブレ補正手段のPID制御と理想積分の組み合わせで位相進み現象は発生する。
本実施例では、演算フィルタ16として、積分フィルタを用いてもよいし、理想積分にハイパスフィルタを用いてもよいし、理想積分にPID制御のブレ補正手段を用いてもよいし、それらの組み合わせを用いてもよい。
以下、図4を参照して、ブレ補正手段14aの周波数特性について説明する。図4は、ブレ補正手段14aの周波数特性のボード線図である。交差周波数ω2は、撮像素子14の位置が補正フィルタ17から出力される目標位置に追従するように撮像素子14が駆動制御される際のブレ補正手段14aの周波数特性を用いて決定される周波数である。
図4(a)において、実線41は、ブレ補正手段14aの駆動利得を示している。交差周波数ω2より高周波の信号は、利得が下がり駆動量が減っている。これは主に撮像素子14の質量と制御ループゲインに関係しており、追従性の不足を表す。そのため、ブレ補正手段14aは、交差周波数ω2以上の駆動目標値に対しては十分な駆動を行うことができない。そこで、交差周波数ω2は、補正したいブレの周波数帯域23の上限周波数より高い周波数に設定される。例えば、補正したいブレが1Hzから10Hzに分布している場合には交差周波数ω2は100Hzに設定される。
図4(b)において、実線43は、位相特性を示している。交差周波数ω2より高周波の信号は、周波数が高くなるにつれて位相が-180度に漸近する。
近年、ブレ補正のための撮像素子やレンズの質量とそれらを支えるバネのつり合いを利用し、フィードバック制御ではなくオープン制御でブレ補正精度を確保する像振れ補正装置が提案されている。このような像振れ補正装置では、質量とバネにより決まる固有振動数より高周波の信号は利得が下がり、位相が-180度に漸近する。本実施例では、オープン制御の像振れ補正装置における固有振動数も交差周波数ω2と定義する。
図5は、ブレ補正手段14aの動作を説明する図である。図5において、横軸は時間、縦軸はブレの量を示している。波形51,53は、実際のブレ角度を示している。波形52,54は、ブレ補正手段14aのブレ補正波形(ブレ角度に相当)を示している。
図5(a)は、交差周波数ω2より低周波(図4(b)の破線44に対応する周波数)のブレを示している。波形52は波形51に対して遅れは少なく、一致するため、正確なブレ補正を行うことができる。
図5(b)は、交差周波数ω2近傍(図4(b)の破線45に対応する周波数であり、ブレの周波数帯域23の上限周波数)のブレを示している。波形54は波形53に対して図4(b)に示される位相差θ2の位相遅れが生じており、正確なブレ補正を行うことができない。
本実施例では、図3(b)および図5(b)で説明した実際のブレ角度の波形に対するブレ補正波形のずれの問題点を同時に解決するために、補正フィルタ17を設けている。補正フィルタ17は、折れ点周波数ω1では位相を遅らせ、交差周波数ω2では位相を進ませる。なお、補正フィルタ17は、図1では演算フィルタ16とブレ補正手段14aとの間に挿入されているが、振動検出手段15と演算フィルタ16の間に挿入されていてもよい。
以下、図6を参照して、補正フィルタ17を構成する第1ノッチフィルタ17aの周波数特性について説明する。図6は、第1ノッチフィルタ17aのボード線図である。
図6(a)において、実線61は、第1ノッチフィルタ17aの出力利得を示している。ノッチ中心周波数ω3は、演算フィルタ16の折れ点周波数ω1より高周波側に設けられている。ノッチ中心周波数ω3近傍の出力利得は若干減っている。ノッチフィルタは一般的に、ノッチ中心周波数近傍の利得を減衰させることで音声や軸振動の除去を行う目的で使われる。そのため、減衰係数ζは極めて小さく設定され(例えばζ=0.01)、ノッチ中心周波数ω3における出力利得を極めて小さくさせる。
しかしながら、本実施例では、ノッチフィルタの位相変化に着目し、出力利得の変化が小さくなるようにノッチフィルタを使用する。本実施例では、第1ノッチフィルタ17aは、以下の式(1)の2次の伝達関数Gを用いて表される。本実施例では、減衰係数ζとして、0.7より大きく1.0より小さい値を用いている。sは、ラプラス演算子である。
図6(b)において、実線63は、第1ノッチフィルタ17aの位相特性を示している。ノッチ中心周波数ω3より低周波は位相が遅れ、高周波は位相が進んでいる。
図2(b)に示されるように、演算フィルタ16の破線26に対応する周波数において、位相は位相差θ1だけ進んでいる。一方、第1ノッチフィルタ17aの位相特性では、破線26に対応する周波数の位相は位相差θ3だけ遅れている。位相差θ1,θ3は、互いに相殺する関係である。これにより、ブレの周波数帯域の低周波領域における位相差によるブレ補正精度の劣化を改善できる。
しかしながら、破線25に対応する周波数の位相は第1ノッチフィルタ17aの影響で位相差θ4だけ進んでしまうため、破線25に対応する周波数では精度の高いブレ補正を行うことができなくなる。そこで、本実施例では、位相差θ4の位相進みを低減するために、第2ノッチフィルタ17aを設ける。
以下、図7を参照して、補正フィルタ17を構成する第2ノッチフィルタ17bの周波数特性について説明する。図7は、第2ノッチフィルタ17bのボード線図である。
図7(a)において、実線71は、第2ノッチフィルタ17bの出力利得を示している。第2ノッチフィルタ17bは、式(1)と同じ2次の伝達関数で表され、ノッチ中心周波数ωと減衰係数ζが第1ノッチフィルタ17aと異なる。第2ノッチフィルタ17bのノッチ中心周波数ω4は、第1ノッチフィルタ17aのノッチ中心周波数ω3より高周波側に設定される。
図7(b)において、実線73は、第2ノッチフィルタ17bの位相特性を示している。ノッチ中心周波数ω4より低周波は位相が遅れ、高周波は位相が進んでいる。前述したように、破線25の周波数において、位相は第1ノッチフィルタ17aの影響により位相差θ4だけ進んでしまう。第2ノッチフィルタ17bは、破線25に対応する周波数で位相を位相差θ5だけ遅れさせる特性を有する。そのため、第1および第2ノッチフィルタ17a,17bを直列に配置すると、位相差θ4の位相進みと位相差θ5の位相遅れが相殺し、破線25に対応する周波数における位相差が緩和される。このように、互いの位相を相殺させるように、第1および第2のノッチフィルタ17a,17bを直列に配置することで、位相差によるブレ補正精度の劣化を防ぐことができる。
しかしながら、図7(b)に示されるように、破線75に対応する周波数において、位相が位相差θ6だけ進んでいる。本実施例では、位相差θ6の位相進みを低減するため、第3ノッチフィルタ17cを設ける。
以下、図8を参照して、補正フィルタ17を構成する第3ノッチフィルタ17cの周波数特性について説明する。図8は、第3ノッチフィルタ17cのボード線図である。
図8(a)において、実線81は、第3ノッチフィルタ17cの出力利得を示している。第3ノッチフィルタ17cは、式(1)と同じ2次の伝達関数で表され、ノッチ中心周波数ωと減衰係数ζが第1および第2ノッチフィルタ17a,17bと異なる。第3ノッチフィルタ17cのノッチ中心周波数ω5は、第2ノッチフィルタ17bのノッチ中心周波数ω4より高周波側に設定される。
図8(b)において、実線83は、第3ノッチフィルタ17cの位相特性を示している。ノッチ中心周波数ω5より低周波は位相が遅れ、高周波は位相が進んでいる。前述したように、破線75の周波数において、位相は第2ノッチフィルタ17bの影響により位相差θ6だけ進んでしまう。第3ノッチフィルタ17cは、破線75に対応する周波数で位相を位相差θ7だけ遅れさせる特性を有する。そのため、第2および第3ノッチフィルタ17b,17cを直列に配置すると、位相差θ6の位相進みと位相差θ7の位相遅れが相殺され、破線75に対応する周波数における位相差が緩和される。このように、互いの位相を相殺させるように、第2および第3のノッチフィルタ17a,17bを直列に配置することで、位相差によるブレ補正精度の劣化を防ぐことができる。
しかしながら、図8(b)に示されるように、交差周波数ω2において、位相が位相差θ8だけ進んでいる。前述したように、交差周波数ω2では、ブレ補正手段14aの特性により位相が位相差θ2だけ遅れている。そのため、位相差θ8の位相進みと位相差θ2の位相遅れが相殺され、ブレ補正手段14aの特性による位相差が緩和される。したがって、ブレ補正精度を向上させることができる。
図9は、補正フィルタ17のボード線図であり、第1から第3ノッチフィルタ17a,17b,17cを同一のボード線図に示した図である。
図9(a)において、実線91は、補正フィルタ17の出力利得を示している。破線61,71,81はそれぞれ、第1から第3のノッチフィルタ17a,17b,17cの出力利得を示している。ブレの周波数帯域23における利得は、他の周波数における利得に比べて最大で利得G2だけ低下している。
図9(b)において、実線92は、補正フィルタ17の位相特性を示している。破線61,71,81はそれぞれ、第1から第3のノッチフィルタ17a,17b,17cの出力利得を示している。破線63,73,83はそれぞれ、第1から第3のノッチフィルタ17a,17b,17cの位相特性を示している。ブレの周波数帯域23において、位相はうねりがあるもののその大きさは小さい。ブレの周波数帯域23の下限周波数における位相は位相差θ9だけ遅れ、上限周波における位相は位相差θ10だけ進んでいる。位相差θ9,θ10はそれぞれ、位相差θ1,θ2と相殺される。
本実施例では、ノッチフィルタを挿入することによる位相差θ4,θ6を隣接するノッチフィルタの位相差θ5,θ7で相殺する。これにより、下限周波数における位相差θ1や上限周波数における位相差θ2を効率よく相殺することができる。
以下、図10を参照して、ブレ補正効果について説明する。図10は、ブレ補正効果を説明するボード線図である。図10において、横軸はブレの周波数、縦軸はブレ補正効果(ブレ補正により、ブレをどのくらい抑え込めるか)を示している。縦軸下側ほど、ブレ補正効果が大きい。
実線1001は、演算フィルタ16に補正フィルタ17を接続しない場合のブレ補正効果を示している。ブレの周波数帯域23の中心周波数ω6近傍において、最もブレ補正効果が大きくなる。折れ点周波数ω1近傍では、演算フィルタ16の位相進みの影響で正確なブレ角度検出を行うことができないため、ブレ補正効果が小さい。また、交差周波数ω2近傍では、ブレ補正手段14aの位相遅れの影響で正確なブレ補正を行うことができないため、ブレ補正効果が小さい。
実線1003は、演算フィルタ16に補正フィルタ17を接続した場合のブレ補正効果を示している。折れ点周波数ω1および交差周波数ω2近傍における位相差が小さくなるため、ブレ補正効果が改善されている。しかしながら、前述したように、ノッチ中心周波数ω3,ω4,ω5近傍の出力利得が若干低下し、ブレの周波数帯域23において位相がうねっているため、ブレ角度の検出精度が若干低下する。そのため、ノッチ中心周波数ω3における補正フィルタ17を接続した場合のブレ補正効果は、補正フィルタ17を接続しない場合のブレ補正効果に比べて小さくなる。そこで、撮影者がブレと識別可能な範囲以下となるように、ノッチフィルタによるブレ補正効果の低下量を調整することで、両者の実質的な差をなくすことができる。
図11は、本実施例の信号処理を示すフローチャートである。本フローは、レリーズスイッチ半押しなどの撮影準備動作でスタートする。
ステップS1101では、カメラCPU12は、振動検出手段15を起動すると共に、その信号を演算フィルタ16で処理して駆動目標値を生成する。カメラCPU12は、駆動目標値に基づいてブレ補正手段14aを駆動してブレ補正を開始する。
ステップS1102では、カメラCPU12は、静止画露光の開始か否かを判定する。露光の開始の場合、ステップS1103に進み、露光の開始でない場合、ステップS1101に戻る。
ステップS1103では、補正フィルタ17は、演算フィルタ16とブレ補正手段14aとの間に接続される。ブレ補正手段14aは、補正フィルタ17で処理された駆動目標値に基づいてブレ補正を行う。
ステップS1104で、カメラCPU12は、シャッタを開くなどの動作を行い、静止画露光を行う。
ステップS1105では、カメラCPU12は、露光時間が終了したかどうかを判定する。露光時間が終了した場合、ステップS1106に進み、露光時間が終了していない場合、本ステップの処理を繰り返す。
ステップS1106では、補正フィルタ17は、演算フィルタ16とブレ補正手段14aとの間から外される。これにより、演算フィルタ16の出力信号は直接、ブレ補正手段14aに入力される。
補正フィルタ17を演算フィルタ16に接続すると、低周波のブレ補正効果が向上するが、パンニングやフレーミング変更などの低周波のデジタルカメラ11の動きも補正し、デジタルカメラ11の操作性を低下させる恐れがある。そこで、本実施例では、パンニングやフレーミング変更が生じない静止画露光を行っている間だけ補正フィルタ17を演算フィルタ16に接続する。
図10のフローにより、静止画露光中に低周波および高周波のブレ補正効果を向上させることができる。なお、本実施例では、撮像素子14が駆動制御される場合に、交差周波数ω2における位相を補正フィルタ17により進ませる方法について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、撮像素子14を駆動制御しない場合においても適用可能である。この場合、ブレ補正手段14aの周波数特性を決める不図示のばねおよび質量で決まるメカ共振点における位相を補正フィルタ17により進ませることによって同様の効果を得ることができる。
本実施例では振動検出手段15の感度が理想的である場合について説明したが、実際には振動検出手段15の感度にばらつきがあり、ブレ補正精度を向上させるためには感度のばらつき調整が必要である。また、補正フィルタ17を接続したことによる振動利得の低下も生じている。
以下、図12を参照して、感度ばらつきおよび利得をまとめて調整(以下、防振敏感度調整)の方法について説明する。図12は、防振敏感度調整の方法を説明する図である。図12(a)に示されるように、デジタルカメラ11は、加振台1201上に設置され、矢印B方向へ所定の加振周波数ω0で加振されている。被写体は点光源1202であり、ブレ補正が行われない場合、撮像素子14には図12(b)に示される点像軌跡が記録される。ブレ補正が開始されると、撮像素子14には、理想的には図12(c)に示されるように点像1点が記録されるはずであるが、防振敏感度調整が不十分である場合、図12(d)に示されるブレ補正残りが記録される。
本実施例の防振敏感度調整では、ブレ補正残りの量を測定し、測定されたブレ補正残りの量をゼロにするように振動検出手段15の防振敏感度を調整する。ここで、加振周波数ω0について説明する。ブレ補正精度は実際のブレとブレ補正手段14aの補正量の振幅の差および両者の位相差で決まり、これまで述べたように特に位相差の影響が大きい。すなわち、位相差が最も小さくなる周波数で防振敏感度調整を行うことで、防振精度の追い込み調整ができることになる。
図13は、合成位相を示すボード線図である。図13において、横軸は周波数、縦軸は振動検出手段15からの入力に対するブレ補正手段14aのブレ補正信号の位相差を示している。実線1301は、図2(b)の実線24、図4(b)の実線43、および図9(b)の実線92の合計位相差を示している。合計位相差は、補正フィルタ17の位相変化も加えた振動検出手段15からブレ補正手段14aまでの間の位相差である。ここで、実線1301において、位相差がゼロになる周波数を加振周波数ω0に設定すると、ブレ補正精度を最も高くすることができる。位相差がゼロとは、デジタルカメラ11に加わるブレの位相と、振動検出手段15、ブレ補正手段14a、および補正フィルタ17で求まる信号の位相とが同位相であることを示す。
ただし、前述したように、ブレの周波数帯域23において複数のノッチフィルタの影響で出力利得がうねっており、最大で利得G2だけ低下している。加振周波数ω0で防振敏感度調整を行うと、加振周波数ω0における利得の低下分も補正するため、うねりの小さい周波数帯域ではブレを過補正することになる。そこで、防振敏感度調整を行った後、実線91における加振周波数ω0の利得の低下分の例えば半分だけ振動検出手段15の防振敏感度を低下させることでブレの周波数帯域全体にわたってブレ補正のバランスをとる。低下利得(第1の利得)は、ブレの周波数帯域23内における補正フィルタ17の利得低下分と関連させて設定され、例えば、上述したように最大の利得低下分である利得G2の半分に設定される。
図14は、防振敏感度調整の方法を示すフローチャートである。
ステップS1401では、加振台1201を加振周波数ω0で加振する。
ステップS1402では、カメラCPU102は、ブレ補正を開始する。このとき、撮像素子14には、図12(d)に示されるブレ補正残りが記録される。
ステップS1403では、カメラCPU102は、ブレ補正残りの量が小さくなるように振動検出手段15の防振敏感度を変更する。
ステップS1404では、防振敏感度調整結果により点像の軌跡が所定長さより短いか否かを判定する。所定長さより短い場合、ステップS1405に進み、所定長さ以上である場合、ステップS1403に戻る。本ステップの処理により、ブレ補正精度を追い込んでいく。振動検出手段15の防振敏感度が高すぎてブレ補正開始からブレを過補正している場合もある。そのような場合、防振敏感度の変更前後のブレ補正残りが増加したか減少したかを判定し、次の防振敏感度の変更に反映させる。
ステップS1405では、カメラCPU102は、防振敏感度調整を終了させる。
ステップS1406では、カメラCPU102は、振動検出手段15の防振敏感度を利得G2の半分だけ低下させ、ブレの周波数帯域23におけるブレ補正のバランスをとる。
以上説明したように、初めに位相差の最も小さい周波数で防振敏感度を調整した後、その周波数におけるブレの周波数帯域全体に対する利得の変化分を振動検出手段15の防振敏感度に対して補正することで精度の高いブレ補正を行うことができる。
以下、ブレ補正のシーケンスについて説明する。従来、振動検出手段15の起動時、またはパンニング操作等の手ブレとは異なる過大な振動が振動検出手段15に加わった時にブレ補正目標値の安定性を早期に得るために、演算フィルタ16の時定数を小さくする動作が行われている。
図2(a)において、点線31は、振動検出手段15の起動時やパンニング操作時の演算フィルタ16の利得特性を示している。折れ点周波数は、ω15である。また、図2(b)において、点線210は、演算フィルタ16の位相特性を示している。時間経過につれて、演算フィルタ16の点線31,210で示される特性を時定数の大きな実線21,24で示される特性に戻していく。このような動作を行っている場合、補正フィルタ17の特性も演算フィルタ16における時定数の大きさに応じて変更する。具体的には、演算フィルタ16の時定数が小さい場合、破線26に対応する周波数における位相差θ3を相殺するように補正フィルタ17の配置を行う。演算フィルタ16の時定数が大きくなり、点線210で示される特性が実線24で示される特性に戻ると、補正フィルタ17の特性を図9(b)の特性に戻す。
図15は、演算フィルタ16の時定数が小さい場合の補正フィルタ17のボード線図である。図15(a)において、実線1503は、補正フィルタ17の出力利得を示している。図15(b)において、実線1506は、補正フィルタ17の位相特性を示している。
破線1501,1504はそれぞれ、第1ノッチフィルタ17aの利得および位相を示しており、図9に比べて高周波側に移動している。破線1502,1505はそれぞれ、第2ノッチフィルタ17bの利得および位相を示しており、破線1504で示される位相の高周波側の位相を打ち消すため、図9に比べて高周波側に移動している。演算フィルタ16の時定数が小さくなってもブレ補正手段14aの特性は変化しておらず、ブレ補正手段14aの位相遅れを相殺させるために第3ノッチフィルタ17cの配列変更は不要であるため、第3ノッチフィルタ17cの利得および位相は変化していない。すなわち、演算フィルタ16の時定数変更による位相差変動に応じて第1ノッチフィルタ17aを配列変更し、第1ノッチフィルタ17aと第3ノッチフィルタ17cの位相差を共に相殺するように第2ノッチフィルタ17bを配列する。
このように、振動検出手段15の起動時やパンニング操作時に演算フィルタ16の特性が変更された場合、その変更に応じて補正フィルタ17の配列を制御することでブレ補正を高精度に行うことができる。補正フィルタ17の配列を制御する場合、補正フィルタ17を構成する複数のフィルタのそれぞれを異なる量だけ配列変更する。
以上説明したように、本実施例の構成によれば、振動の検出精度を向上させることが可能である。
実施例1では、補正フィルタ17は、第1から第3ノッチフィルタ17a,17b,17cから構成される。しかしながら、低周波の位相を遅らせ、高周波の位相を進ませるフィルタであれば、本発明の効果を得ることができる。
本実施例では、補正フィルタ17は、直列配置された、ローブーストフィルタとハイブーストフィルタとを有する。図16は、補正フィルタ17のボード線図である。
図16(a)において、点線1601はローブーストフィルタの出力利得を示しており、破線1602はハイブーストフィルタの出力利得を示している。実線1603は、補正フィルタ17の出力利得を示している。補正フィルタ17のブースト中心周波数ω7は、ローブーストフィルタの2つの折れ点周波数ω8,ω9、およびハイブーストフィルタの2つの折れ点周波数ω10,ω11の関係から求まる。
本実施例では、補正フィルタ17は、以下の式(3)の2次の伝達関数Gを用いて表される。折れ点周波数ω8,ω9,ω10,ω11の関係は、以下の式(4)で表される。sは、ラプラス演算子である。
図16(b)において、点線1610はローブーストフィルタの位相特性を示しており、破線1611はハイブーストフィルタの位相特性を示している。実線1609は、補正フィルタ17の位相特性(ローブーストフィルタの位相特性とハイブーストフィルタの位相特性を合成した特性)を示している。ハイブーストフィルタの低周波側の折れ点周波数ω10がローブーストフィルタの高周波側の折れ点周波数ω9より低いため、実線1609で示される位相特性を実現することができる。実線1609で示される位相特性の形状は図9(b)に示されるノッチフィルタから構成される実施例1の補正フィルタ17の位相特性の形状と似ており、ノッチフィルタの代わりにローブーストフィルタとハイブーストフィルタを利用できることがわかる。
本実施例では、ローブーストフィルタとハイブーストフィルタを隣り合う互いの位相を相殺するように直列配置し、最も低周波の位相遅れで演算フィルタ16の位相を改善し、最も高周波の位相進みでブレ補正手段14aの位相を改善する。これにより、ブレ補正精度を高めることができる。
なお、本実施例で説明したブーストフィルタと実施例1で説明したノッチフィルタを直列配置させて隣り合う位相を相殺する構成にしてもよい。
本実施例では、補正フィルタ17は、直列配置された、2次ローパスフィルタと2次ハイブーストフィルタとを有する。図17は、補正フィルタ17のボード線図である。
図17(a)において、点線1701は2次ローパスフィルタの出力利得を示しており、破線1702は2次ハイブーストフィルタの出力利得を示している。実線1703は、2補正フィルタ17の出力利得を示している。補正フィルタ17の中心周波数ω12は、2次ローパスフィルタの中心周波数ω14と減衰係数ζ1、および2次ハイブーストフィルタの中心周波数ω13と減衰係数ζ2の関係から求まる。
本実施例では、補正フィルタ17は、以下の式(5)の2次の伝達関数Gを用いて表される。減衰係数ζ1,ζ2の関係は、以下の式(6)で表される。sは、ラプラス演算子である。
図17(b)において、点線1708は2次ローパスフィルタの位相特性を示しており、破線1709は2次ハイブーストフィルタの位相特性を示している。実線1707は、補正フィルタ17の位相特性(2次ローパスフィルタの位相特性と2次ハイブーストフィルタの位相特性を合成した特性)を示している。2次ローパスフィルタの減衰係数ζ1が2次ハイブーストフィルタの減衰係数ζ2より大きいため、実線1707で示される位相特性を実現することができる。実線1707で示される位相特性の形状は図6(b)に示される実施例1の第1ノッチフィルタ17aの位相特性の形状と似ており、ノッチフィルタの代わりに2次ローパスフィルタと二次ハイブーストフィルタを利用できることがわかる。
本実施例では、2次ローパスフィルタと2次ハイブーストフィルタを隣り合う互いの位相を相殺するように直列配置し、最も低周波の位相遅れで演算フィルタ16の位相を改善し、最も高周波の位相進みでブレ補正手段14aの位相を改善する。これにより、ブレ補正精度を高めることができる。
なお、本実施例で説明したフィルタと実施例1,2でそれぞれ説明したノッチフィルタ、ブーストフィルタを直列配置させて隣り合う位相を相殺する構成にしてもよい。
実施例1から3では、複数のフィルタを隣り合う互いの位相を相殺するように直列配置する構成について説明した。しかしながら、図2の折れ点周波数ω1と図4の交差周波数ω2が接近している場合、補正フィルタ17として低周波で位相が遅れ、高周波で位相が進む1つのノッチフィルタを設けるだけでもブレ補正性能を向上させることができる。補正フィルタ17は演算フィルタ16とブレ補正手段14aとの間に挿入してもよいし、振動検出手段15と演算フィルタ16との間に挿入してもよい。
以下、図18を参照して、補正フィルタ17の周波数特性について説明する。図18は、補正フィルタ17のボード線図である。
図18(a)において、実線1801は、補正フィルタ17の出力利得を示している。ノッチ中心周波数ω3は、演算フィルタ16の折れ点周波数ω1とブレ補正手段14aの交差周波数ω2との間に設けられている。ノッチ中心周波数ω3近傍の出力利得は、若干減っている。前述したように、ノッチフィルタは一般的に、ノッチ中心周波数近傍の利得を減衰させることで音声や軸振動の除去を行う目的で使われる。そのため、減衰係数ζは極めて小さく設定され(例えばζ=0.01)、ノッチ中心周波数ω3における出力利得を極めて小さくさせる。
しかしながら、本実施例では、ノッチフィルタの位相変化に着目し、出力利得の変化が小さくなるようにノッチフィルタを使用する。本実施例では、ノッチフィルタである補正フィルタ17は、以下の式(7)の2次の伝達関数Gを用いて表される。本実施例では、減衰係数ζとして、0.1より大きく0.5より小さい値を用いている。sは、ラプラス演算子である。
図18(b)において、実線1803は、補正フィルタ17の位相特性を示している。ノッチ中心周波数ω3より低周波は位相が遅れ、高周波は位相が進んでいる。
前述したように、演算フィルタ16の破線26に対応する周波数の位相は位相差θ1だけ進んでいる。一方、本実施例の補正フィルタ17の破線26に対応する周波数の位相は位相差θ3だけ遅れている。すなわち、位相差θ1,θ3は互いに相殺する関係である。
また、ブレ補正手段14aの破線45に対応する周波数の位相は位相差θ2だけ遅れている。一方、本実施例の補正フィルタ17の破線45に対応する周波数の位相は位相差θ4だけ進んでいる。すなわち、位相差θ2,θ4は互いに相殺する関係になっている。
このように、ノッチ中心周波数ω3を演算フィルタ16の折れ点周波数ω1とブレ補正手段14aの交差周波数ω2との間に設けることで、低周波側の位相進みを改善し、高周波側の位相遅れを改善することができる。
ノッチ中心周波数ω3近傍では出力が利得G1だけ若干減衰し、ブレ角度検出精度が低下するが、低周波側、および高周波側の位相の位相特性が改善するため、低周波のブレ角度検出精度、および高周波のブレ補正精度の向上が見込める。
本実施例の補正フィルタ17はブレ補正中、常に演算フィルタ16と接続されていてもよいし、撮影操作が行われた後の露光中のみ演算フィルタ16と接続されていてもよい。これにより、補正フィルタ17を演算フィルタ16に接続することによる低周波のブレ補正効果向上がパンニングやフレーミング変更に影響を与えることを避けることができる。
また、感度のばらつき調整とそのときの利得低下補正についても本実施例でも同様である。すなわち、最も位相差の小さい周波数で防振敏感度調整を行い、その後低下した利得G1の半分だけ防振敏感度を低下させることで、ブレの周波数帯域全体にわたってブレ補正のバランスをとる。
本実施例ではブレの周波数帯域の間に位相特性を改善するための補正フィルタ17としてノッチフィルタを挿入しているため、ブレの周波数帯域の低周波に位相特性を改善するフィルタ(ローブーストフィルタ)を挿入するよりも低周波の利得を増大させない。そのため、ノイズが少なく、精度の高い信号処理を実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
14a ブレ補正手段(補正手段)
15 振動検出手段
16 演算フィルタ
17 補正フィルタ
18 像振れ補正装置

Claims (13)

  1. 振動を検出する振動検出手段の出力信号を用いて演算を行う演算フィルタと、
    前記演算フィルタの出力信号に基づいて前記振動により生じる像ずれを補正する補正手段と、
    前記演算フィルタに直列接続され、前記演算フィルタの折れ点周波数において位相を遅らせ、前記補正手段の交差周波数において位相を進ませる補正フィルタとを有することを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 前記補正フィルタは、直列配置され複数のフィルタを有することを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
  3. 前記複数のフィルタは、減衰係数が0.7より大きく1.0より小さい値であるノッチフィルタを有することを特徴とする請求項2に記載の像振れ補正装置。
  4. 前記複数のフィルタは、ローブーストフィルタとハイブーストフィルタとを有し、
    前記ハイブーストフィルタの低周波側の折れ点周波数は、前記ローブーストフィルタの高周波側の折れ点周波数より低いことを特徴とする請求項2に記載の像振れ補正装置。
  5. 前記複数のフィルタは、2次ローパスフィルタと2次ハイブーストフィルタとを有し、
    前記2次ローパスフィルタの減衰係数は、前記2次ハイブーストフィルタの減衰係数より大きいことを特徴とする請求項2に記載の像振れ補正装置。
  6. 前記補正手段は、前記演算フィルタ、前記補正フィルタ、および前記補正手段の夫々の位相特性により定まる位相が前記振動の位相と同位相になる周波数で前記像ずれを補正することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の像振れ補正装置。
  7. 前記像ずれが補正された後、前記振動検出手段の感度は、前記振動の周波数帯域における前記補正フィルタの利得低下に基づいて補正されることを特徴とする請求項6に記載の像振れ補正装置。
  8. 前記複数のフィルタの各フィルタの特性は、前記演算フィルタの特性の変更に基づいて変更されることを特徴とする請求項2乃至7の何れか一項に記載の像振れ補正装置。
  9. 前記補正フィルタは、前記折れ点周波数と前記交差周波数との間にノッチ中心周波数を有するノッチフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
  10. 前記ノッチフィルタの減衰係数は、0.1より大きく0.5より小さい値であることを特徴とする請求項9に記載の像振れ補正装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか一項に記載の像振れ補正装置と、
    振動により生じる像ブレを補正するための補正部材とを有することを特徴とする光学装置。
  12. 前記光学装置はカメラであることを特徴とする請求項11に記載の光学装置。
  13. 前記光学装置は交換レンズであることを特徴とする請求項11に記載の光学装置。
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